A.本実施形態
(A−1.実施形態の構成)
以下、本発明に係る雀球遊技機の実施形態として、遊技場等に設置される雀球遊技機について図1ないし図11を参照して説明する。本雀球遊技機においては、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を使用して遊技を行う雀球遊技機を例にして説明する。この27種の牌の図柄は、例えば、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種である。従って、萬子と筒子が数牌となり、索子の「一索」と「九索」は、順子を形成することができないので字牌に含めている。これにより、本実施形態における牌種とは、上記の「萬子」、「筒子」、「字牌」の3種を示すことになる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一筒」と「九筒」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。また例えば、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄、筒子を「一筒」〜「九筒」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一萬」と「九萬」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。
図1は、本発明に係る雀球遊技機1の主に遊技盤の構成を示す正面図である。同図に示すように、本雀球遊技機1の前面部は、基本的には遊技盤面部(遊技盤面)2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、音声や効果音(以下、音声という)を出力する音声出力装置であるスピーカー6、ランプ装置7等から構成されている。
ガイドレール8に囲まれた遊技盤面部2の中央には特別入賞装置(以下、アタッカーという)9が、アタッカー9の上方部には遊技球が通過可能なアタッカー作動口10が、アタッカー9の左右及び下方には、複数個の入球口11a、11b、11c、…が夫々設けられている。これら複数個の入球口11a、11b、…等は、二索から八索までの索子牌を除いた牌の図柄27種(図柄は図示せず)に対応しており、27個が設けられている。例えば、アタッカー9の左右には「一索」の入球口11aと「九索」の入球口11b、アタッカー9の下方部には、横方向に「一萬」の入球口11c、「二萬」の入球口11d、「三萬」の入球口11e、・・・が設けられている。更に、遊技盤面2には、ランプ付き振り分け装置12、風車13、等が設けられている。なお、ランプ装置7、ランプ付き振り分け装置12に用いる発光体は、通常の電球或いはLEDを使用することができる。
操作パネル3には、図2に示すように、液晶表示装置等から構成される表示装置14、メダル投入口15、及び各種の操作ボタンが設けられている。この各種の操作ボタンは、13個のボタンが横方向に並設された捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21、払い出しボタン22、遊技終了ボタン23、1ゲーム開始時に操作されるべき遊技開始操作部材としての遊技開始ボタン24、REJECTボタン25から構成されている。なお、遊技者がこれらの各ボタンを操作する(押下してスイッチをオンする)と、例えば、自摸牌決定ボタン21を操作すると自摸牌決定信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
表示装置14には、その表示面に種々の表示部が設定され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報や画像及び演出用画像をこの表示部に表示するようにしている。例えば、図3に示すように、表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、風牌表示部28、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、上がり牌表示部31、特別遊技のうち、ビッグゲームの権利を得ることができる上がり役を示すビッグゲーム上がり役表示部32、更に、チャンスゲームの権利を得ることができる上がり役を示すチャンス上がり役表示部33、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部34が設けられ、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等が表示される。
更に、表示装置14の表示面の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部35、及び自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36が設けられている。なお、手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示している各図柄の下部には、捨て牌ボタン16a、16b、…、に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・)が表示されている。また、表示される麻雀牌の図柄はカラーで表示される。
雀球遊技機1の内部の所定位置には、本実施形態の雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図4に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcから構成されている。メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcは、それぞれCPU40、ROM41、RAM42、各種センサや捨て牌ボタン16a等の各種操作ボタン等との信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路43、及び制御基板Ka、Kb、Kcとの通信を行うための通信用インターフェイス回路44等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。
そして、雀球遊技機1の作動を制御、或いは表示装置14の表示部に情報や画像を表示するための各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kcに搭載されたROM41に記憶されている。また、各RAM42は、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行うための記憶エリア、計算エリアとして使用される。また、メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcとは、ケーブル線T1、T2により接続されてデータ通信ができるようになっている。なお、CPU40としては、各メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcの処理機能に対応して8ビット、16ビット或いは32ビットのCPUの何れかを採用するようにする。
なお、サブ制御基板Kbに搭載されているROM41の所定の記憶番地には、表示装置14に表示するための各種の画像データ、スピーカー6から出力するための各種の音声データが記憶されている。この画像データとしては、27種の牌の図柄データ、雀球遊技機1の電源をONした時に初期画面として表示する画像データ、遊技者が上がり役を完成させたとき等に表示する各種の演出用画像データがある。また、各種の音声データとしては、遊技の進行に伴って遊技者に対してゲームの進行を支援するための音声、或いは演出用の効果音を出力するためのデジタルデータがある。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41には、雀球遊技機1の遊技の進行を制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41に搭載されているプログラムは、例えば、図5に示すように、メイン基板動作制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラムP5、特別遊技役抽選プログラムP6、表ドラ及び裏ドラを決定するためのドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、自摸牌選択支援プログラムP9、入球口・図柄対応制御プログラムP10、図柄変更プログラムP11、及び入球判定プログラムP12等から構成される。
メイン基板動作制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括するプログラムであり、主に下記のような処理を行う。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理、例えば、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは電源ON時の初期化処理を行う。これにより、画像制御基板Kcは、電源ON時の演出用画像や音声等を出力することができる。
(2)各種の入出力センサから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理を行うように雀球遊技機1の動作を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口からの入球信号を解析し、この入球口に対応する牌の図柄を自摸牌として手牌データに追加(自摸の操作)する処理、或いは遊技者が捨て牌ボタン16a等を操作して手牌から不要な牌を切る操作(捨て牌操作)を行ったときに、どの捨て牌ボタンからの信号であるかを解析し、この捨て牌ボタンに対応する牌の図柄を手牌データから削除する処理、等を行う。
(3)自動配牌プログラムP5が作動して遊技開始時の14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄データをRAM42に手牌データとして手牌記憶領域に記憶する処理、この手牌データをサブ制御基板Kbに送信するための処理、及び上記(1)、(2)の処理において遊技者が捨て牌操作、自摸の操作を行う都度、現在の手牌データ、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄データ(以下、図柄コードという)をサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行う。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行うためのプログラムであり、送信するデータは如何なる処理を行うかを予め設定した制御コマンドと共に、この制御コマンドに必要なデータが送信される。また、画像制御基板Kcにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラム(検出手段)P3は、ゲームの進行に伴ってメダルの貯留枚数の管理と払い出しの処理を行うためのプログラムである。メイン基板動作制御プログラムP1はメダル投入口15からメダルの投入信号等を検出すると、メダル管理プログラムP3に下記の処理を行わせる。
(A)メダル投入口15からメダルの投入信号を検出すると、RAM42に記憶している遊技メダル貯留枚数を「1」加算する。
(B)遊技開始ボタン24からの信号を検出すると、上記遊技メダル貯留枚数を「3」減算した後、当該時点における遊技設定を確認する。図6Aは、RAM42に格納されている遊技設定管理テーブルTAを例示した図である。遊技設定は、装置側でコントロールされる基準ペイアウト率を示すものであり、本実施形態では、遊技設定1の場合の基準ペイアウト率は70%、遊技設定2の場合の基準ペイアウト率は75%、遊技設定3の場合の基準ペイアウト率は85%、遊技設定4の場合の基準ペイアウト率は95%、遊技設定5の場合の基準ペイアウト率は100%、遊技設定6の場合の基準ペイアウト率は110%となっている。
なお、ペイアウト率とは、メダル投入口15から投入されるメダルの枚数(IN枚数)とメダル受け皿5に払い出されるメダルの枚数(OUT枚数)の比率をいい、下記式(1)によって表される。
ペイアウト率P=100*OUT枚数/IN枚数 ・・・(1)
これら各遊技設定の基準ペイアウト率には最低下限値が設定されており、遊技設定1の最低下限値は60%、遊技設定2の最低下限値は65%、遊技設定3の最低下限値は75%、遊技設定4の最低下限値は85%、遊技設定5の最低下限値は90%、遊技設定6の最低下限値は100%に設定されている。かかる遊技設定は、例えば店舗運営者によって開店時などに決定される。もちろん、どのような条件で遊技設定を決定するは、雀球遊技機1の設計などに応じて任意に設定可能である。
(C)和り時に、遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その和り役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶している遊技メダル貯留枚数に加算する。
(D)払い出しボタン22の信号を検出したとき、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1枚払い出されるごとに遊技メダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う。
(E)メダル投入口15から投入されるメダルの枚数(IN枚数)とメダル受け皿5に払い出されるメダルの枚数(OUT枚数)の比率をチェックすることで、当該時点におけるペイアウト率を算出する。
(F)上記の如く算出したペイアウト率が、遊技設定に示される基準ペイアウト率の最低下限値以上であるか否かを判断し、判断結果を図柄変更プログラムP11に通知する。
遊技球管理プログラムP4は、メイン基板動作制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行うプログラムである。
(a)ゲーム開始時に、RAM42に記憶する残り遊技球数を14個に設定する。
(b)捨て牌ボタン16a等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図1には図示せず)に遊技球を1球送る制御を行う。
(c)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算し、入球した入球口に対応する牌の図柄コードを作成する。
自動配牌プログラム(配牌決定手段)P5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄をランダムに自動的に決定するためのプログラムである。この自動配牌プログラムP4は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する108個の麻雀牌から14個の配牌の図柄を決定する処理を行う。
自動配牌プログラムP5は、例えば、次のような処理を行うことにより、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定することができる。
(ア)本雀球遊技機1において使用される牌の図柄は、二索から八索までの索子牌を除く27種の牌、計108個である。これら使用される牌には、表1に示すように、27種の牌の図柄に、01H〜1BHの図柄コード(16進数)を付与し、更に、各27種から構成される計108個の図柄に0〜107までの数値を4個割り付けたデータテーブルを予めROM40に登録しておく。
(イ)自動配牌プログラムP5には、例えば、5桁の乱数を発生させる乱数発生プログラムを備えておく。そして、自動配牌プログラムP5は、乱数発生プログラムで発生させた5桁の乱数を108で除算し、その余りを算出する。続いて、表1を参照してこの余りの値に対応する牌の図柄コードを01H〜1BHから求め、この図柄コードが配牌される図柄として決定する。
(ウ)上記(イ)の処理を計14回実施して、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定する。なお、この5桁の乱数を発生させるプログラムには、毎回異なる乱数が発生するようにランダマイズ処理を行うプログラムを付加しておく必要がある。このような処理により決定した14個の配牌の図柄コードはRAM42の手牌記憶領域に記憶しておく。なお、手牌記憶領域に記憶した14個の配牌データは図柄コードの上昇順にソートして記憶する。
特別遊技役抽選プログラムP6は、予め設定されている上がり役の中から1ゲームごとに特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定するプログラムである。例えば、ビックゲームの権利を獲得できる上がり役は、「大三元」、「国士無双」、「九連宝燈」の3種の上がり役から1種を抽選により決定する。また、チャンスゲームの権利を獲得できる上がり役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の6種の上がり役から2種を抽選により決定する。なお、この特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定する方法は、プログラム処理により所定桁数の乱数を発生させてRAM42に記憶し、この乱数を利用して決定することができる。
ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、同様にして抽選により表ドラ及び裏ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、前記した自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定したとき、及び遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された上がり役の組合せになっているかどうかを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、表2に示すような構成のデータテーブル、すなわち、上がり役のコード(表2には上がり役のコードは表示せず)とその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が予め入賞判定プログラムP8、又はROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成していると判定した場合には、メイン制御基板Kaは、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
自摸牌選択支援プログラムP9は、特別遊技の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー9に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、表示装置14の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
入球口・図柄対応制御手段としての入球口・図柄対応制御プログラムP10は、図柄変更プログラムP11及び入球口図柄表示プログラムP323によって麻雀牌図柄の配列が変更されたとき、該変更された麻雀牌図柄と、後述の入球判定プログラムP12との対応を逐次整合させる。当該入球口・図柄対応制御プログラムP10は、複数の枠部Fr(図9参照)に夫々表示される麻雀牌図柄と、入球口11a、11b、11c、11d、…夫々の内部に設けられた各入球センサ(図示せず)とを対応させる形で認識する。なお、本実施形態において入球口11c、11d、11e…の個数を25個として説明しているが、図9では便宜上、25個よりも少なく図示している。
図柄変更プログラム(変更手段)P11は、メダル管理プログラムP3から通知されるペイアウト率の判断結果に基づき、各入球口に対応する液晶表示パネル51(図柄表示部材;図9参照)に表示すべき麻雀牌図柄を、01H〜1BHの図柄コード(16進数)を付した27種の牌図柄(表1参照)のうちから決定し、その旨の図柄制御信号を出力する。
詳述すると、図柄変更プログラムP11は、図6Bに示す図柄変更管理テーブルTBを参照して、各入球口に対応する液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列を選択する。図柄変更プログラムP11は、ペイアウト率が最低下限値を下回っている場合には、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列として、通常よりも和り役をつくりやすい配列(以下、チャンス配列)を選択する一方、ペイアウト率が最低下限値以上である場合には、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列として、通常の配列(以下、通常配列)を選択する。
一例を挙げて説明すると、チャンス配列については、「順子」や「刻子」などがつくりやすいように、例えば同一牌(例えば「二萬」や「東」など)を2〜3個ずつ配列したものを予め用意しておく。なお、用意しておくチャンス配列の数や種類は、種々設定可能である。例えば、遊技設定やペイアウト率などに応じて初級者用のチャンス配列、中級者用のチャンス配列、上級者用のチャンス配列などを予め用意しておいても良い。一方、通常配列については、同一牌が重複しないようにランダム抽選によって麻雀牌図柄を決定し、このように決定した麻雀牌の配列を通常配列として利用する。
このように、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列を選択すると、図柄変更プログラムP11は、その旨の図柄制御信号を出力する。すると、後述の入球口図柄表示プログラムP323が、サブ制御基板Kbを介して受信した上記図柄制御信号に応答して、対応する入球口の液晶表示パネル51に、決定された麻雀牌図柄(すなわち、チャンス配列または通常配列)を表示することにより、各液晶表示パネル51に対する麻雀牌図柄の配列が変更される。具体的には、図柄変更プログラムP11によって通常配列が選択された場合には、図9に示すように、同一牌が重複しない麻雀牌の配列が液晶表示パネル51に表示される。一方、図柄変更プログラムP11によってチャンス配列が選択された場合には、図10に示すように、同一牌(例えば「二萬」や「東」など)が2〜3個ずつ配列された麻雀牌の配列が液晶表示パネル51に表示される。
ここで、図柄変更プログラムP11による麻雀牌図柄の配列の変更は、遊技開始ボタン24の操作後の配牌図柄の自動決定に先立って実行しても良い。このように構成することで、遊技者は、既に配列変更された入球口11a〜11d、…の麻雀牌図柄を意識しながら、自動配牌される手牌を見比べ、効率的に狙って行けそうな上がり役を迅速に判断することができ、これによりゲーム展開が円滑化されるという効果が得られる。
なお、上記に代えて、図柄変更プログラムP11による麻雀牌図柄の配列の変更を、遊技開始ボタン24の操作後の上記配牌図柄の自動決定に後続して実行しても良い。このように構成することで、遊技者は、既に自動配牌された手牌の図柄を意識しながら、配列変更される入球口の麻雀牌図柄を見比べ、効率的に狙っていけそうな和り役を落ち着いて判断することができるという効果が得られる。
さらに、図柄変更プログラムP11による麻雀牌図柄の配列の変更を、遊技開始ボタン24の操作後の上記配牌図柄の自動決定に後続して実行する場合には、ペイアウト率の判断結果のみならず、決定される配牌図柄に基づいて実行するようにしても良い。
詳述すると、図柄変更プログラム(変更手段)P11は、メダル管理プログラムP3からペイアウト率が最低下限値を下回っている旨の通知を受け、かつ、自動配牌プログラムP5によって配牌図柄が決定された場合、まず、和り役としてどの和り役(例えば、「平和」)を狙うべきかを決定する。図柄変更プログラムP11は、和り役を決定すると、この和り役がつくりやすいように麻雀牌図柄の配列を変更する。かかる構成によれば、遊技初心者であっても遊技を楽しむことができ、より遊技の興趣性を高めることが可能となる。
入球判定プログラムP12は、入球口11a〜11d、…ごとの遊技球の入球を判定する入球判定手段を構成するもので、これら入球口11a〜11d、…の何れかに入球した際、当該入球した入球口のセンサ(図示せず)からの検知信号を、当該入球口の枠部Frに表示された麻雀牌図柄に対応する入球信号として判定する。
なお、上記液晶表示パネル51は本発明に係る薄膜表示パネルを構成しているが、当該液晶表示パネル51に代えて、有機EL(エレクトロルミネッセンス:Electroluminescence)パネルにより薄膜表示パネルを構成するようにすることもできる。その場合にも同様の効果を得ることができる。
サブ制御基板KbのROM41に搭載されているプログラムは、図7に示すように、サブ基板動作制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、上がり牌判定プログラムP24、等から構成されている。更に、この上がり牌判定プログラムP24は、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を備えて構成される。
サブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから伝送された各種の制御コマンドを解読し、各制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と画像制御基板Kcとの通信処理を行うプログラムである。画像制御基板Kcは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により表示装置14に演出用の画像や情報を表示し、更に、スピーカー6から演出用の音声や効果音を出力する。
ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから伝送された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ7、12の点灯と消灯の制御を行うためのプログラムである。
上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が捨て牌の操作を行った後に、メイン制御基板Kaから送信された現在の13個の手牌に基づいて、予め設定された上がり役を完成させるために遊技者が自摸すべき牌を支援するためのプログラムである。この上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が現在の13個の手牌に自摸の操作を行って1個の牌を追加した場合に、上がり役を完成させることができる牌(上がり牌)の有無を判定すると共に、予め自摸すべき牌を支援する処理(図3の上がり牌表示部31への表示処理)を、後述の画面表示プログラムP32を介して行うためのプログラムである。そして、上がり牌判定プログラムP24は、上がり役を完成させるため自摸すべき牌が抽出された場合には、この牌の図柄を画像制御基板Kcに表示させる制御を行う。
メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者が遊技球を発射して自摸の操作を行って手牌が14個になると、入賞判定プログラムP8を作動させて上がり役を完成させたか否かの判定を行う。そして、上がり役を完成していない場合には、遊技者が14個の手牌の中から不要な1個の牌を捨てる「捨て牌の操作」を行う都度、手牌記憶領域に記憶している13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このとき、13個の図柄コードは上昇順にソートされてサブ制御基板Kbに送信される。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この13個の手牌の図柄コードを受信すると、受信したデータをRAM42に記憶した後、制御を上がり牌判定プログラムP24に移行させる。すると、上がり牌判定プログラムP24は、順次、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させる。
なお、上がり牌判定抽出プログラムP243が、所定の処理で判定して抽出し、RAM42に記憶した上がり牌の図柄コードの全てを画像制御基板Kcに制御コマンドと共に送信して、画像制御基板Kcに対してこの上がり牌の図柄コードに対応する図柄を表示させるための制御を行った際、画像制御基板Kc(の上がり牌判定プログラムP24)は、上がり牌の図柄コードを受信した時点で、画面表示プログラムP32のゲーム演出表示プログラムP3212を介して、受信した上がり牌の図柄コードの図柄を上がり牌の候補として上がり牌表示部31に表示する。このとき、スピーカー6から音声を出力させるようにしてもよい。麻雀遊技に初心の遊技者は、上がり牌表示部31の表示を見て、上がり役を完成することができる牌に対応する入球口を狙って遊技球を発射させることができるようになる。
ついで、図8を参照して、画像制御基板KcのROM41に搭載されているプログラムについて説明する。このプログラムは、画像基板動作制御プログラムP31、画像表示プログラムP32、及び音声・効果音出力プログラムP41、等から構成されている。以下、これらプログラムの処理内容の概要について説明する。
画像基板動作制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された各種の制御コマンドを解読し、これら制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
画面表示プログラムP32、音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、各種の演出用の画像を表示装置14に表示する処理と、各種の演出用の音声や効果音をスピーカー6から出力する処理とを行う。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、表示装置14に画像や数値情報等を表示する処理を行うプログラムであり、通常遊技画面表示プログラムP321と、入球口図柄表示プログラムP323と、特別遊技画面表示プログラムP322とを備えて構成される。
通常遊技画面表示プログラムP321は、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技を行っているときに、表示装置14に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行うプログラムであり、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP3211、ゲーム演出表示プログラムP3212を備えている。
初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
ゲーム演出表示プログラムP3212は、図3に示すような内容の画面を表示装置14に表示し、また上がり牌等の麻雀牌図柄を液晶表示パネル51に表示する等のプログラムを備えて構成されている。例えば、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、通常遊技のゲームの場合は遊技球の発射による自摸牌の操作等を行うごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄、及びサブ制御基板Kbから送信されてきた上がり牌と判定された牌の図柄を表示する処理、上がり役を完成したときその上がり役を獲得した得点数を表示する処理、等各種の表示手段を備えたプログラムから構成されている。
入球口図柄表示プログラムP323は、図柄変更プログラムP11から出力された図柄制御信号をサブ制御基板Kbを介して受信した際、当該図柄制御信号の内容に応じた麻雀牌図柄を、入球口11a〜11d、…の各枠部Frの液晶表示パネル51に対して順に表示する。これにより、例えば 図9や 図10に示すような麻雀牌図柄の配列状態が得られる。なお、入球口図柄表示プログラムP323は、雀球遊技機1の電源ON後の遊技開始ボタン24の操作前の段階では、電源がOFFされる直前に各液晶表示パネル51に表示されていた図柄配列状態を初期画面として表示する。
ここで、入球口図柄表示プログラムP323による表示制御で実施される液晶表示パネル51上の表示状態をより詳細に説明する。上記 図9及び 図10は、当該表示制御による表示の一例を示す正面図であり、配列の変更に応じた異なる表示結果を夫々示している。なお、両図では、 図1に示した遊技盤面部2に関わる部分のみを抜粋して示し、これ以外の箇所は図示を省略している。
図9及び図10に示すように、遊技盤面部2上の27個の入球口11a、11b、11c、11d、11e、…に夫々備えた枠部Frには、対応する麻雀牌図柄を表示すべき液晶表示パネル51が貼付(固定)されている。この液晶表示パネル51は、入球口11a、11bにおいては略楕円形状を呈し、また入球口11c、11d、11e、…においては同図中の破線で示すように図の上下方向に長い長方形状を呈する、フィルム状で且つ薄型の複数の液晶パネルから構成されるもので、当該各液晶パネルが、入球口11a、11b、11c、11d、11e、…の夫々に対応する枠部Frの前面に貼付されている。
ここで、通常配列にする場合には、同一牌が重複しないようにランダム抽選によって麻雀牌図柄を決定し、これを液晶パネル51にそれぞれ表示する(図9参照)。図9に示す液晶表示パネル51には、入球口11aに「一索」、入球口11bに「九索」、入球口11c、11d…に「一萬」〜「九萬」「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」「一筒」〜「九筒」が順に表示される。
一方、チャンス配列にする場合には、「順子」や「刻子」などがつくりやすいように、例えば同一牌(例えば「二萬」や「東」など)を2〜3個ずつ、液晶表示パネル51に表示する(図10参照)。図10に示す液晶表示パネル51には、入球口11a、11bに同一の「東」、入球口11c、11dに同一の「二萬」、・・・「中」「中」「中」「三筒」「三筒」・・・「九筒」「九筒」「九筒」が順に表示される。
上記のように液晶表示パネル51が、複数の入球口夫々の枠部Frに固定されたフィルム状の液晶表示パネル51からなることにより、液晶表示パネル51を各入球口の枠部Frに固定するだけで極めて簡便に本発明の図柄表示部材が得られている。この効果は、前述のように液晶表示パネル51を有機ELパネルに置き換えた場合においても、同様に得ることができる。
特別遊技画面表示プログラムP322は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行うプログラムである。この特別遊技画面表示プログラムP322は、更に、遊技者が特別遊技の権利を獲得することができる上がり役を完成した時点に演出表示する権利獲得演出表示プログラムP3221、自摸牌候補選択支援プログラムP3222を備えている。
権利獲得演出表示プログラムP3221は、表示装置14の上がり牌表示部31に上がり役の説明表示とビッグゲーム権利成立の表示とを所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にビッグゲームの権利が成立したことを知らせる処理を行う。また、自摸牌候補選択支援プログラムP3222は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、表示装置14に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン19、或いは牌選択左シフトボタン20を操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、及び効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kcの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語或いはVisual Basic言語等を利用して開発され、各基板のCPU40が実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムとして各制御基板Ka、Kb、KcのROM41に記憶されている。
続いて、上記した雀球遊技機1の遊技手順とこの手順に伴う各プログラムの処理の概要について、図11のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
1遊技(ゲーム)は、遊技者がメダル投入口15へメダルを投入して、遊技開始ボタン24を押圧して、自動配牌プログラムP5が14個の手牌を配牌することによりスタートする。そして、遊技者が捨て牌ボタン16a、16b、…、等の各種の操作ボタンやセンサから発生する入力信号及び制御信号に基づいて作動する各プログラムの制御に従って、1遊技は進行して行くことになる。
まず、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42の記憶領域を初期化する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを画像制御基板Kcに伝送する。サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcはこの初期化制御コマンドを受信すると、RAM42の記憶領域を初期化すると共に、画像制御基板Kcに搭載されている初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
なお、サブ制御基板Kbがこの電源ON時の初期化制御コマンドを受信すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、前記したようにサブ制御基板KbのROM41に記憶している各種の画像データ、音声・効果音データを画像制御基板Kcに伝送し、画像制御基板Kcの画像基板動作制御プログラムP31は、受信したこれら画像、音声・効果音データをRAM42に記憶する処理を行う。
また、電源がONされると、入球口図柄表示プログラムP323が、電源OFFされる直前の図柄配列状態を初期画面として、例えば図9に示すように、液晶表示パネル51に麻雀牌図柄がランダム配列された画面を表示する。
そして、遊技者がメダル投入口15にメダルを投入し、メイン基板動作制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出すると、メダル管理プログラムP3はメダル貯留枚数を「1」加算する処理を行う。続いて、遊技者が遊技開始ボタン24を押圧し(ステップS1)、メイン基板動作制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン24からゲーム開始信号を検出すると、1ゲームの遊技が開始できる状態になる。
すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置14に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP41により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機1の1ゲームが開始させる。
このようにしてゲームが開始され、メイン基板動作制御プログラムP1からゲーム開始の制御コマンドが伝送されると、メダル管理プログラムP3は、まず、遊技設定を確認する(ステップS2)。
前述したように、遊技設定は、装置側でコントロールされる基準ペイアウト率を示すものであり、本実施形態では、遊技設定1の場合の基準ペイアウト率は70%、遊技設定2の場合の基準ペイアウト率は75%、遊技設定3の場合の基準ペイアウト率は85%、遊技設定4の場合の基準ペイアウト率は95%、遊技設定5の場合の基準ペイアウト率は100%、遊技設定6の場合の基準ペイアウト率は110%となっている(図6A参照)。これら各遊技設定の基準ペイアウト率には最低下限値が設定されており、遊技設定1の最低下限値は60%、遊技設定2の最低下限値は65%、遊技設定3の最低下限値は75%、遊技設定4の最低下限値は85%、遊技設定5の最低下限値は90%、遊技設定6の最低下限値は100%に設定されている。
メダル管理プログラムP3は、遊技設定を確認すると(例えば、遊技設定3)、現時点でのペイアウト率(=100*OUT枚数/IN枚数)を算出する(ステップS3)。メダル管理プログラムP3は、求めたペイアウト率が、遊技設定に示される基準ペイアウト率の最低下限値(遊技設定3であれば75%)を下回っていないか、確認する(ステップS4)。
メダル管理プログラムP3は、求めたペイアウト率が、遊技設定に示される基準ペイアウト率の最低下限値以上であると判断すると(ステップS4;NO)、その旨を図柄変更プログラムP11に通知する。図柄変更プログラムP11は、かかる通知を受け取ると、図6Bに示す図柄変更管理テーブルTBを参照し、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列として、通常配列を選択する(ステップS5)。一方、メダル管理プログラムP3は、求めたペイアウト率が、遊技設定に示される基準ペイアウト率の最低下限値を下回っていると判断すると(ステップS4;YES)、その旨を図柄変更プログラムP11に通知する。図柄変更プログラムP11は、かかる通知を受け取ると、図6Bに示す図柄変更管理テーブルTBを参照し、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列として、和り役をつくりやすいチャンス配列を選択する(ステップS6)。
このように、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列を決定すると、図柄変更プログラムP11は、その旨の図柄制御信号を出力する。すると、後述の入球口図柄表示プログラムP323が、サブ制御基板Kbを介して受信した上記図柄制御信号に応答して、対応する入球口の液晶表示パネル51に、決定された麻雀牌図柄(すなわち、チャンス配列または通常配列)を表示することにより、各液晶表示パネル51に対する麻雀牌図柄の配列が変更される。具体的には、図柄変更プログラムP11によって通常配列が選択された場合には、図9に示すように、同一牌が重複しない麻雀牌の配列が液晶表示パネル51に表示される。一方、図柄変更プログラムP11によってチャンス配列が選択された場合には、図10に示すように、同一牌(例えば「二萬」や「東」など)が2〜3個ずつ配列された麻雀牌の配列が液晶表示パネル51に表示される。
このように、液晶表示パネル51に表示すべき麻雀牌図柄の配列を選択すると、図柄変更プログラムP11は、その旨の図柄制御信号を出力する。すると、後述の入球口図柄表示プログラムP323が、サブ制御基板Kbを介して受信した上記図柄制御信号に応答して、対応する入球口の液晶表示パネル51に、決定された麻雀牌図柄(すなわち、チャンス配列または通常配列)を表示することにより、各液晶表示パネル51に対する麻雀牌図柄の配列が変更される。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、続いて、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて(ソート)手牌記憶領域に記憶する。
続いて、自動配牌プログラムP5は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この配牌された図柄コードを受信するとRAM42に記憶すると共に、画像制御基板Kcにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された14個の配牌の図柄コードについて、現時点の遊技の場において開示されている牌の開示個数を開示個数テーブルにカウントする処理を行う。また、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図3に示すような牌の図柄の画像を表示装置14の手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示する処理を行う。なお、14個の自動配牌が決定されていない間は、手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36には、初期画面として牌の裏面又は無表示の図柄を表示する処理を行う。
続いて、特別遊技役抽選プログラムP6(ただし、通常遊技の遊技を行っているときに作動する)、及びドラ抽選プログラムP7の各プログラムが作動して、ビッグゲームの権利が獲得できる上がり役(ビックゲーム役)とチャンスゲームの権利が獲得できる上がり役(チャンスゲーム役)の決定、表ドラ、裏ドラの決定を行う。そして、これらのプログラムP6、P7の処理により決定されたビックゲーム上がり役及びチャンスゲーム上がり役、表ドラ、裏ドラの図柄の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信される。
画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、ビックゲーム役及びチャンスゲーム役を獲得できる上がり役のコード、表ドラ及び裏ドラの図柄コードを受信すると、図3に示すように、ビックゲーム役とチャンスゲーム役をそれぞれビッグゲーム上がり役表示部32、チャンス上がり役表示部33、表ドラを表ドラ表示部29等に表示する処理を行う。
メイン基板動作制御プログラムP1は、自動配牌された14個の牌の図柄、ビッグゲーム役、チャンスゲーム役、表ドラ等を表示装置14に表示させる制御が完了すると、表示装置14に遊技の開始条件が整ったことを遊技者に画面表示又は音声で知らせる処理を行う。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌が既に上がり役を完成しているか否かを判定させる処理を行う。この判定処理で上がり役を完成している場合には、入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)を前記表2のデータを参照して決定する。
続いて、入賞判定プログラムP8は、これら上がり役、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcは、これら上がり役と獲得した得点等を受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を表示装置14に所定の時間ほど表示する処理を行う。
一方、自動配牌された14個の牌の図柄が上がり役を完成していない場合には、メイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを表示装置14に表示する処理を行う。このとき、音声・効果音出力プログラムP41を作動させて、音声と共に促す処理を行うようにしてもよい。
続いて、遊技者は、手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示されている牌の図柄から、捨て牌を選択する操作を行うことになる(ステップS7)。そして、遊技者は捨てる牌の図柄を決定すると、この捨て牌の図柄に対応する捨て牌ボタン16a、16b、16c、…、或いは自摸牌捨てボタン17のいずれか1つを選択(オン)してこの牌を捨てる。この捨て牌選択信号に基づいて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌操作を行って捨て牌とした牌の図柄コードをRAM42に記憶し、更に、RAM42の手牌記憶領域に記憶している手牌の中から捨て牌とした図柄コードを削除して、手牌を13個にする処理を行う。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、この捨て牌とした図柄コードと、13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbとサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、捨て牌とした図柄コードを受信するとその図柄コードに対応する牌の図柄を捨て牌表示部34に表示し、13個の手牌の図柄コードを受信するとこれらの図柄コードに対応する牌の図柄を手牌表示部35に表示する処理を行う。このとき、自摸牌表示部36には、図3に示すように、牌の裏面等を表示するようにする。
一方、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、上記13個の手牌の図柄コードを受信すると、上がり牌判定プログラムP24を構成する聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させて、前記したように、現在の13個の手牌に対して、上がり役を完成させるために次に自摸すべき牌の有無を判定し、上がり役を完成させる牌が抽出された場合には、この牌の図柄を表示装置14に表示させる処理を行う。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、上記した遊技者の捨て牌の操作に関する処理が終了すると、遊技球管理プログラムP4を作動させて、遊技球を遊技球発射位置に一球送る処理を行う。すると、遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して、遊技盤面2内に遊技球を発射できる状態になる。
遊技者が遊技球を発射し、この遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球すると、夫々に備えられたセンサが遊技球を検出して入球信号が発生する。遊技球管理プログラムP4はこの入球信号を解読し、入球した入球口に対応する牌(自摸牌)の図柄コードを手牌記憶領域に記憶する処理を行う。続いて、入賞判定プログラムP8が作動し、14個となった手牌が上がり役を完成しているか否かを判定する。そして、手牌が上がり役を完成している場合には、前記したように、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点を求め、これらのデータを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。一方、上がり役を完成していない場合には、前記したように、遊技者は14個の手牌の中から不要と思われる1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行うことになる。
このようにして、遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技盤面2内に遊技球を発射して、聴牌状態になり、かつ残り遊技球数表示部27に「1」以上の数値の表示がある場合、遊技者は牌を捨てる操作を行う前に、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができる。ただし、前記条件を満たしていない場合(聴牌状態になっていない場合)には、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができない。リーチボタン18を操作した後は、捨て牌ボタン16a、16b、16c、…のいずれか1つを操作して手牌の中から1つの牌の図柄を捨てるか、自摸牌捨てボタン17を操作して自摸牌切りを行うと、捨て牌表示部34に捨て牌の図柄が横向きに表示するようにする。また、裏ドラ表示部30には裏ドラの図柄を表示する表示も行う。
このリーチ操作に関する制御は、例えば、次のような処理を行う。まず、メイン基板動作制御プログラムP1は、リーチボタン18の操作信号を検出し、更に捨て牌ボタン16a、16b、等からの操作信号を検出後、入賞判定プログラムP8の聴牌判定処理により現在の手牌が聴牌状態になっているとの判定結果が得られると、リーチがかかったという制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドを受信すると、この直後に送信されてくる捨て牌の図柄コードの図柄は、捨て牌表示部34に横向きに表示する処理を行う。
なお、ゲームの場がリーチ状態になると、遊技者が発射した遊技球が入球口11a、11b、11c、…に入球した図柄に対応する牌(自摸牌)が上がりを完成させる牌にならないときには、メイン基板制御プログラムP1は、この自摸牌を自動的に捨て牌として処理するようにする。これにより、遊技者は、リーチ操作後は捨て牌ボタン16a、…等を操作する必要がなくなる。
なお、入賞判定プログラムP8の制御により、1遊技で獲得できる得点は、例えば、最高10点までとしその上限が設定されている。また、上がり役が2種類以上同時に成立した場合には、それぞれの上がり役に与えられる得点が加算された得点がそのゲームの得点になる。同様に、手牌中に表ドラ及び裏ドラと同一の牌の図柄が含まれている場合には、そのドラ牌に対しても得点、例えば、ドラ1個に付き1点の得点が加算される。ゲームで獲得した得点の1点がメダル1枚に該当する。ただし、当該ゲームで獲得した得点数の合計が10点を超えた場合は、獲得できるメダル枚数(得点)は全て10枚になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ペイアウト率に応じて液晶パネルに表示される麻雀牌図柄の配列をコントロールするため、麻雀遊技に不慣れな遊技者であっても、連続して負け続けるという事態を未然に防止することができる。これにより、麻雀遊技に不慣れな遊技者であっても十分に楽しむことができ、遊技の興趣性を高めることが可能となる。
(1)本実施形態では、求めたペイアウト率が、遊技設定に示される基準ペイアウト率の最低下限値(遊技設定3であれば75%)を下回っている場合に「チャンス配列」としたが、かかる基準値は、遊技設定に示される基準ペイアウト率の最低下限値に限らず、任意に設定可能である。
(2)また、本実施形態では、遊技開始ボタン24の操作を契機として図柄変更プログラムP11による麻雀牌図柄の配列の変更を行うように構成したが、これ以外にも、例えば、リーチ操作の実行、ビッグゲーム役やチャンスゲーム役の聴牌成立、ビッグゲーム役やチャンスゲーム役の遊技突入を契機とするように構成することも可能である。或いは、遊技開始ボタン24とは異なる配列変更開始ボタンを雀球遊技機1の内部に別途配設し、麻雀牌図柄の配列の変更を専ら遊技場関係者が行うように構成することや、配列変更開始ボタンを雀球遊技機1の外部に配設し、遊技者が操作することで任意に行い得るように構成することも可能である。更に、遊技者による配列変更開始ボタンの操作を、遊技開始時に無制限に実施できるように構成し、あるいは1遊技中での配列変更可能回数を設定し、その回数だけ配列変更できるように構成することも可能である。
(3)また、例えば、図柄操作ボタンとは別に図柄操作ボタンを新たに設け、入球口11a、11b、11c、11d、…に表示すべき麻雀牌図柄の配列を、複数種の配列パターンとして予め設定しその旨のデータを格納しておき、遊技場関係者が図柄操作ボタンを繰り返し押圧操作しながら異なる配列パターンを順次切り替えて、所望のパターンを任意に選択し決定するように構成することもできる。或いは、これに代えて、図柄操作ボタンを繰り返し押圧操作しつつ異なる麻雀牌図柄を個々に切り替えて、所望の入球口に所望の麻雀牌図柄を個別に表示変更できるように構成することもできる。これらの場合、変更された麻雀牌図柄と、入球判定プログラムP12との対応状態が入球口・図柄対応制御プログラムP10によって逐次整合されることは言うまでもない。
(4)また、遊技開始ボタン24の操作を契機とする代わりに、入球口への入球を契機として図柄変更プログラムP11による麻雀牌図柄の配列の変更を行うように構成しても良い。図柄変更プログラム(変更手段)P11は、入球判定プログラムP12から所定の入球口11d(図12A参照)に入球した旨の検知信号を受け取ると、当該入球口に対応する麻雀牌図柄の変動を開始し(図12B参照)、所定の麻雀牌図柄に変更する(図12C参照)。ここで、いずれの麻雀牌図柄に変更するかは、遊技者の手牌や和り役などに応じて任意に設定すれば良い。かかる構成によれば、麻雀遊技に不慣れな遊技者であっても、より楽しむことができ、遊技の興趣性を高めることが可能となる。
(5)また、本実施形態では、特別役としてビッグ役とチャンス役を例示したが、レギュラー役など、他の特別役を設定しても良い。この場合、特別遊技の継続可能なラウンド数(ビッグ役であれば14ラウンドなど)は適宜設定可能である。
B.変形例
上述した実施形態では、雀球遊技機(専用機)を例に説明したが、その他のハードウエアにおいても実現可能である。
図13は、本発明に係る雀球遊技機と同じ遊技を画面上において実行(擬似遊技)することが可能なシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
シミュレーション装置500は、例えばパーソナルコンピュータやゲーム機、携帯電話やPDAなどであり、制御装置510と、表示装置520と、入力装置530とを備えている。
制御装置510は、CPU510a、ROM510b、RAM510cなどを備え、ROM510bなどのメモリに格納された各種制御プログラムを実行することにより、シミュレーション装置500の各部を中枢的に制御する。制御装置510のメモリには、表示装置520の画面上において擬似遊技を行うためのシミュレーションプログラムが格納されている。かかるシミュレーションプログラムについては、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記憶媒体を通じてインストールするほか、シミュレーションプログラムを備えたサーバからネットワーク(インターネットやイントラネットなど)、通信インタフェース(図示略)を介してダウンロードすることができる。
表示装置520は、CRTや液晶パネルなどから構成され、図1に示す雀球遊技機1を構成する各要素をあらわす画像、例えば表示装置14に表示される手牌や自摸牌などを表示する。
入力装置530は、マウスやキーボードなどにより構成され、雀球遊技機1を構成する遊技球発射レバー4などの機能を実現する。具体的には、遊技者によって入力装置530が操作されることにより、擬似遊技において遊技球の発射などが行われる。
以上説明したシミュレーションプログラムによれば、本発明に係る遊技機と同じ遊技をパーソナルコンピュータや携帯電話などのシミュレーション装置によって実現することができるため、遊技者は、かかるシミュレーション装置によって擬似遊技を楽しむことができる。