JP4935572B2 - 高輝度発光ダイオードの製造方法 - Google Patents
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前記4元発光層上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程は、GaAs基板をサセプタに形成されたザグリに保持して、GaPエピタキシャル膜を気相成長させるものであり、該サセプタのザグリを貫通させ、エピタキシャル成長時に基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにし、エピタキシャル成長により表裏両面にGaPエピタキシャル膜を同時に形成することを特徴とする高輝度発光ダイオードの製造方法を提供する(請求項1)。
本発明者らは、高輝度発光ダイオードの製造方法において、GaP窓層を厚く気相成長しても、基板の極めて反りの小さい基板が得られ、研磨時や、チップ加工時においても、割れがほとんど起こらない高輝度発光ダイオードの製造方法を開発すべく鋭意検討を重ねた。
本発明の高輝度発光ダイオードの製造方法では、少なくとも、GaAs基板の第一主表面側上に4元発光層をエピタキシャル成長により形成する工程と、該4元発光層上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程と、GaAs基板の第二主表面側を研磨する研磨加工工程と、該基板をチップに加工する工程、とを行い、高輝度発光ダイオードを製造する。
図1は、本発明の光吸収タイプの高輝度発光ダイオードの製造方法を工程順に示した概略図である。
Ga(g)+HCl(g)→GaCl(g)+1/2H2(g) …(1)
GaCl(g)+PH3(g)→GaP(s)+HCl(g)+H2(g) …(2)
上記光吸収タイプの高輝度発光ダイオードの製造方法の工程におけるGaAs基板の第二主表面側を研磨する研磨加工工程の後、GaAs基板除去工程と、該基板を除去した面上に、GaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程と、第一主表面側の研磨加工工程、とを行うことで光透過タイプの高輝度発光ダイオードの製造することができる。
図2は、本発明の光透過タイプの高輝度発光ダイオードの製造方法において、基板を除去した面上に、GaP窓層をエピタキシャル成長により形成して製造される場合の製造方法の概略図である。
つまり、光吸収タイプの高輝度発光ダイオードの製造方法の工程におけるGaAs基板の第二主表面側を研磨する研磨加工工程の後、GaAs基板除去工程と、該基板を除去した面上に、GaP窓層となる基板を直接接合により貼り合わせる工程、とを行うことで光透過タイプの高輝度発光ダイオードの製造することができる。
図3は、本発明の光透過タイプの高輝度発光ダイオードの製造方法において、該基板を除去した面上に、GaP窓層となる基板を直接接合により貼り合わせて製造される場合の製造方法の概略図である。
そして、工程303において、基板を切断し、チップに加工して、電極付けを行い、光透過タイプの高輝度発光ダイオードが得られる。
その課題解決のために、4元発光層上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程において、サセプタに形成されたザグリを貫通させ、GaAs基板を該ザグリに保持して、エピタキシャル成長時に基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにし、エピタキシャル成長により表裏両面にGaPエピタキシャル膜を同時に形成させるようにする。
基板の表側から供給される原料ガスをサセプタ裏面側へ回り込ませ、基板の裏面に原料ガスが触れるようにする方法、
サセプタのザグリ部以外の部分にガス導入口を多数開けて、裏面にも原料ガスが触れるようにする方法、
ガス導入ノズルによりそれぞれ表裏別々に原料ガスを供給する方法、
が挙げられる。
しかし、図4において、サセプタ21の上流から表側に供給される原料ガスは、ザグリ部22に保持された基板24の表側と十分触れ合うことができるだけでなく、その原料ガスの一部が、通気孔23等を通って、サセプタ21の裏面側へも回り込み、基板24の裏面にも原料ガスが触れるようにザグリ22は貫通されている。なお、均等に原料ガスが供給されるように、支持軸25は一定速度で回転している。また、基板24に触れ合う表裏の原料ガス濃度の比は異なり、基板の表側の方が濃く、厚いGaP窓層を形成できるようにしている。
前記した本発明の図1の工程に従い、厚さ280μmのGaAs基板の第一主表面側上に、600〜800℃の環境下、トリメチルアルミニウム(TMAL)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフイン(PH3)を原料ガスとして、MOCVD法を用い、AlGaInPの4元発光層を8μm形成する。その最表層に、MOCVD法を用い、GaP膜を数μm形成する。
そして、その上に、気相成長法を用い、電流拡散層としてp型GaP窓層を形成する。この際のエピタキシャル成長は、基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにするため、図4のような基板の表側から供給される原料ガスをサセプタ裏面側へ回り込ませ、基板の裏面に原料ガスが触れるようにする方法で行う。図4の装置を用いて、GaP層を表側に150μm、裏側に5μm(面内最小厚さ)以上形成させた。図8はこの両面同時エピタキシャルした直後の基板の裏面側の観察写真である。
前記実施例と同じ方法で、MOCVD法を用いて、AlGaInP4元発光層、GaP接続層を形成する。その上に、気相成長法によりGaP窓層を形成する。この際、GaP窓層は、従来のザグリ部が貫通していないサセプタを用い、原料ガスの供給は基板表側に対してのみ行う。図9は従来の方法で窓層をエピタキシャル成長させた直後の基板の裏面側の観察写真である。
5、15、15’、55…電流拡散層、 6、16、58…ノジュール、
21、31…サセプタ、 22、32…ザグリ部、 23、33…通気孔、
24、34、44…基板、 25、35…支持軸、 46…ガス導入ノズル、
51…高輝度発光ダイオード、 56…光取出し側電極、 57…裏面電極。
Claims (7)
- 少なくとも、GaAs基板の第一主表面側上に4元発光層をエピタキシャル成長により形成する工程と、該4元発光層上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程と、GaAs基板の第二主表面側を研磨する研磨加工工程と、該基板をチップに加工する工程、とを行う高輝度発光ダイオードの製造する方法において、
前記4元発光層上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程は、GaAs基板をサセプタに形成されたザグリに保持して、GaPエピタキシャル膜を気相成長させるものであり、該サセプタのザグリを貫通させ、エピタキシャル成長時に基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにし、エピタキシャル成長により表裏両面にGaPエピタキシャル膜を同時に形成することを特徴とする高輝度発光ダイオードの製造方法。 - 前記エピタキシャル成長時に基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにする方法が、基板の表側から供給される原料ガスをサセプタ裏面側へ回り込ませ、基板の裏面に原料ガスが触れるようにする方法であることを特徴とする請求項1に記載の高輝度発光ダイオードの製造方法。
- 前記エピタキシャル成長時に基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにする方法が、サセプタのザグリ部以外の部分にガス導入口を多数開けて、裏面にも原料ガスが触れるようにする方法であることを特徴とする請求項1に記載の高輝度発光ダイオードの製造方法。
- 前記エピタキシャル成長時に基板の表裏両面に原料ガスが触れるようにする方法が、ガス導入ノズルによりそれぞれ表裏別々に原料ガスを供給する方法であることを特徴とする請求項1に記載の高輝度発光ダイオードの製造方法。
- 前記GaAs基板の第二主表面側を研磨する研磨加工工程の後にさらに、GaAs基板除去工程と、該基板を除去した面上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程と、第一主表面側の研磨加工工程、とを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高輝度発光ダイオードの製造方法。
- 前記GaAs基板の第二主表面側を研磨する研磨加工工程の後にさらに、GaAs基板除去工程と、該基板を除去した面上にGaP窓層となる基板を直接接合により貼り合わせる工程、とを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高輝度発光ダイオードの製造方法。
- 前記4元発光層上にGaP窓層をエピタキシャル成長により形成する工程において、第二主表面側である裏面に形成するGaPエピタキシャル膜の面内最小厚さを、5μm以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の高輝度発光ダイオードの製造方法。
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