JP2000319100A - エピタキシャルウエハおよび発光ダイオード - Google Patents

エピタキシャルウエハおよび発光ダイオード

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JP2000319100A
JP2000319100A JP12930599A JP12930599A JP2000319100A JP 2000319100 A JP2000319100 A JP 2000319100A JP 12930599 A JP12930599 A JP 12930599A JP 12930599 A JP12930599 A JP 12930599A JP 2000319100 A JP2000319100 A JP 2000319100A
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epitaxial
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epitaxial wafer
compsn
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JP12930599A
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Tadashige Sato
忠重 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 そりが小さくて、一段と高光出力のLEDを
製造することができるエピタキシャルウエハを提供する
こと。 【解決手段】 GaP単結晶基板上に、該基板組成とは
組成が異なるエピタキシャル層を有するエピタキシャル
ウエハにおいて、前記エピタキシャルウエハの最大径D
(mm)とそりW(μm)が以下の関係式(1): 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化合物半導体エピタ
キシャルウエハおよび発光ダイオード(以下「LE
D」)に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶を構成材料とするLEDは、
表示用素子として現在幅広く用いられている。その中で
もIII−V族化合物半導体は可視光、赤外光の波長に相
当するバンドギャップを有するため、発光素子への応用
する際の利点が大きい。このため、III−V族化合物半
導体はLEDのほとんどに材料として利用されており、
特にGaAsPはLED用としての需要が極めて大き
い。これらの材料には、LEDの特性として最も重要な
発光出力を向上させることが要求されている。
【0003】図2は、GaP単結晶基板上にGaAs
1-xx(0.45≦x≦1)のエピタキシャル層を有す
る一般的なエピタキシャルウエハの構造を示したもので
ある。このエピタキシャルウエハは、n型のGaP単結
晶基板20上に、基板と同一組成のホモ層24、基板と
最上層の格子定数の差を緩和するために混晶比xを連続
的に1.0〜x0まで変化させたGaAs1-xx組成変
化層21、GaAs1-xoxo一定組成層22、窒素をド
ープしたGaAs1-xoxo低キャリア濃度一定組成層2
3を、順次エピタキシャル成長した構造を有する。
【0004】このエピタキシャルウエハでは、最上層で
ある低キャリア濃度一定組成層23が発光層となる。一
定組成層23の組成を変化させるとバンドギャップも変
化するため、組成に応じて赤色から緑色に発光するLE
Dを製造することができる。このため一定組成層23
は、通常はLEDの発光波長に対応する混晶率x0の組
成を有し、窒素(N)と、n型のドーパントであるテル
ル(Te)又は硫黄(S)を所定のキャリア濃度になる
ようにドープしている。例えば、赤色発光(波長630
nm)用LEDの一定組成層のx0は約0.65であ
る。
【0005】近年、LEDの信頼性向上がますます求め
られるようになってきている。自動車等に用いられるL
EDのように耐久性が要求される場合には、さらにLE
Dの長寿命化も要求されてきている。さらに、LEDの
光出力の向上も求められている。これらの要求に対応す
るために、エピタキシャルウエハ構造を改良することに
よって品質を向上させることが提案されている(特開平
6−196756号公報)。それによると、発光層とな
るNドープ低キャリア濃度一定組成層のキャリア濃度を
3×1015cm-3以下にすれば、光出力の向上と長寿命
化が同時に実現できることが明らかにされている。
【0006】また、エピタキシャル層の品質を向上させ
ることによって長寿命化を実現することを特徴とするエ
ピタキシャルウエハの製造方法も提案されている(特公
昭55−43898号公報)。ここでは、エピタキシャ
ル成長中に供給する供給比[Ga原子数]/[As原子
数+P原子数]を2.5以上にすることによってLED
の長寿命化が図れることが明らかにされている。しかし
ながら、これらの従来技術により達成しうるLEDの性
能よりも、さらに一段と優れた性能が求められている。
【0007】LEDのさらなる光出力の向上や長寿命化
を図るためには、LEDの内部応力に着目する必要があ
る。エピタキシャルウエハにかかる内部応力によって結
晶に歪みが生じるため、それがLEDの品質低下の原因
となるものと考えられる。エピタキシャルウエハを構成
する基板とエピタキシャル層では、一般に熱膨張係数や
放熱性が異なっている。このため、エピタキシャル成長
後の降温過程でエピタキシャル層と基板の収縮の程度に
差が生じ、エピタキシャルウエハにそりが生じてしま
う。直径52mmのGaP基板の上にエピタキシャル成
長させたものでは、エピタキシャル成長直後のそりは通
常−350〜−250μmにもなる。エピタキシャルウ
エハのそりが大きいと、結晶は圧縮応力や引張応力によ
り変形し、LEDの特性に様々な悪影響を与えてしま
う。このため、そりを最小限に抑えて、pn接合部分と
なるエピタキシャル層が、エピタキシャル成長時のまま
変形しないようにすることが求められている。
【0008】特公平7−1802号公報にはそりの改善
方法が記載されている。この公報には、GaAs基板上
にGaAs0.60.4エピタキシャル層を形成したエピタ
キシャルウエハに関する実施例が記載されており、そり
の絶対値を小さくできることが記載されている。ただ
し、この公報には、そりの定義は明確に記載されていな
い。この公報の図1には、組成変化層の終端であり一定
組成層の開始点でもある部分に、組成変化層とは逆の組
成変化率を有する層(逆組成変化層)を厚さ2.5μm
で形成することが明記されている。
【0009】しかしながら、特にGaP基板を選択して
使用したGaAsPエピタキシャルウエハでは、この方
法ではそり低減効果が不十分であり、また再現性にも乏
しいという問題があった。また、エピタキシャル層の厚
さが厚くなるとそれだけそりも大きくなるという問題が
あり、特に厚さが45μmを越えると従来の方法ではそ
りの低減効果はほとんどなくなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題を解決することを課題とした。すなわち本発
明は、一層の寿命向上と高光出力化を実現し得るLE
D、及びその材料となるガリウム(Ga)およびりん
(P)を構成元素とするエピタキシャル層を有するエピ
タキシャルウエハを提供することを解決すべき課題とし
た。特に、エピタキシャル層の組成がGaAs1-x
x(0.45≦x≦1)で表されるエピタキシャルウエ
ハを提供することを解決すべき中心課題とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの課題
を解決すべく鋭意検討を進めた結果、エピタキシャルウ
エハのそりをエピタキシャルウエハの最大径で規定され
る特定の範囲内にすることによって、光出力と寿命が改
善されたLEDを実現できることを見出し、本発明を完
成した。すなわち本発明は、GaP単結晶基板上に、該
基板組成とは組成が異なるエピタキシャル層を有するエ
ピタキシャルウエハにおいて、前記エピタキシャルウエ
ハの最大径D(mm)とそりW(μm)が以下の関係式
(1):
【数3】 好ましくは以下の関係式(2):
【数4】 を満たすことを特徴とするエピタキシャルウエハを提供
する。
【0012】本発明のエピタキシャルウエハの好ましい
態様として、前記エピタキシャル層が、組成変化層と一
定組成層を有する態様;前記エピタキシャル層の組成が
GaAs1-xx(0.45≦x≦1)である態様;前記
エピタキシャル層が組成変化層と一定組成層を有し、か
つ該一定組成層の少なくとも一部に窒素がドープされて
いる態様;前記一定組成層内に、n型でキャリア濃度が
0.1×1015〜20×1015cm-3である層を0.5
〜150μmの厚さで有する態様;前記エピタキシャル
層全体の厚さが35〜350μmである態様;前記エピ
タキシャル層内にpn接合が存在し、かつp層の厚さが
3〜80μmである態様;前記pn接合がn型エピタキ
シャル層の表面からZnを拡散することにより形成され
ている態様を挙げることができる。また本発明は、上記
のエピタキシャルウエハを用いて製造した発光ダイオー
ドも提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のエピタキ
シャルウエハおよび発光ダイオードについて詳細に説明
する。本発明のエピタキシャルウエハは、GaP単結晶
基板上に、該基板組成とは組成が異なるエピタキシャル
層を有するエピタキシャルウエハであって、上記関係式
(1)を満たすことを特徴としている。
【0014】関係式(1)におけるそりWは、図4のb
−aで求められる値である。すなわち、エピタキシャル
ウエハをエピタキシャル層側を上にして定盤の上に置い
たとき、最大径Dをむすぶ中央の高さaと、同一のエピ
タキシャルウエハを裏返した中央の高さbとの差b−a
をそりWと定義する。そりWがマイナスであるときはエ
ピタキシャル層側が凸面になっている状態を意味する。
図4において、ウエハの最大径Dはウエハの外周上に存
在する2点を結ぶ距離が最大になるように画定する。ウ
エハが円形であるときは最大径Dは直径に相当し、楕円
形の場合は長径に相当する。ウエハの形状は円形や楕円
形のみならず、角形や歪な形状であってもよいが、いず
れの場合も最大径Dの定義は変わらない。
【0015】エピタキシャル層は通常は複数の層から構
成されており、その層の組成や厚さはそれぞれ異なって
いることが多い。また、エピタキシャルウエハの外周部
の裏側にエピタキシャル層が成長していることもあり、
これらの要因がそりWの値に影響を与えることもある。
なお、本発明のエピタキシャルウエハはエピタキシャル
成長後のままであっても、成長後にウエハ周辺部のクラ
ウンを研削で除去したものであってもよい。
【0016】本明細書でいうそりWは、LEDにする前
に測定する。LEDを製造するときには、エピタキシャ
ルウエハの基板側を真空吸引等することによってウエハ
中央部を押し下げている。このため、LEDとして製造
した状態ではエピタキシャルウエハはそりを戻す方向の
応力を受けている。このため、そりWが大きいとLED
製造後にエピタキシャルウエハには大きな圧縮応力や引
張応力がかかることになる。本発明のエピタキシャルウ
エハは、関係式(1)を満たす程度にそりを小さくする
ことによって、これらの応力を小さくし、それによって
LEDの特性を改善したものである。
【0017】そりWが、−D2/250未満であるとき
やD2/8を越える場合は、応力が大きくなるためにL
EDの特性改善効果は十分に得られない。特にそりWが
2/8を越えると、エピタキシャルウエハの内部応力
が大きくなり過ぎて割れやすくなり実用的でない。関係
式(1)で表されるそりW範囲は、例えば最大径Dが5
2mmの変形円形の場合、−11〜+338μmにな
る。また、より好ましいそりWの範囲を規定した関係式
(2)では、最大径が52mmの変形円形の場合、そり
Wは0〜+270μmになる。
【0018】エピタキシャルウエハが円形であるときに
は、球面状にそるとものと仮定できる。その曲率をRと
したとき、下記の関係を導くことができる。
【数5】 ここで、D≪Rなので、
【数6】 となる。すなわち、そりはエピタキシャルウエハの最大
径Dの2乗に比例する。関係式(1)および(2)は、
この誘導式に基づいて検討した結果、得られたものであ
る。
【0019】以下において、本発明のエピタキシャルウ
エハ及び発光ダイオードの詳細を、一実施態様である図
1を参照しながら具体的に説明する。図1のエピタキシ
ャルウエハは、単結晶基板10の上にホモ層14、組成
変化層11、逆組成変化層16、一定組成層12をこの
順にエピタキシャル成長させたものである。
【0020】単結晶基板10はGaPで構成される。単
結晶基板がGaPであれば、pn接合を形成するn層が
間接遷移型のバンドギャップをもつGaAs1-x
x(0.45≦x<1)からなるときに、LEDの発光
色に対して透明であり、かつLEDとして高い光出力を
得ることができるために極めて有利である。単結晶基板
の厚さは好ましくは200〜700μmであり、特に好
ましくは220〜350μmである。エピタキシャル層
の全厚は35〜350μm、好ましくは45〜250μ
mとすることがコストの点で好ましい。
【0021】単結晶基板10の上に形成するホモ層14
は、単結晶基板10と同じ結晶からなる。ホモ層14は
特に形成しなくてもよいが、ミスフィット転位の発生を
抑制して安定な高輝度を得るためには、ホモ層14を
0.1〜100μm、好ましくは0.5〜15μm形成
するのがよい。
【0022】その上に形成するエピタキシャル層は、単
結晶基板とは異なる組成を有する。例えば、GaAs
P、AlGaAs、InGaP、InGaAs等の3元
混晶から選択することが好ましい。中でもGaAsPは
最も効果が大きいためLED用として特に好ましい。
【0023】組成変化層11は、基板からの距離に応じ
て組成が変化する層であり、混晶率の変化量が0.06
以上である層である。例えば、組成変化層11をGaA
1- xxとして基板から遠ざかるにつれて混晶率xが1
から低下するように構成することができる。混晶率xは
0≦x<1の間で変化させることができるが、好ましく
は0.45≦x<1の間で変化させる。
【0024】組成変化層11の組成変化は、連続的であ
っても段階的であってもよい。また、組成変化層11の
組成変化は、逆の組成変化部分を有しない単調増加であ
ることが好ましい。いずれの態様を採用しても、エピタ
キシャル層の比抵抗は主にキャリア濃度で決定されるた
め効果は同じである。組成変化層11のキャリア濃度
は、0.5〜30×1017cm-3であることが好まし
く、1〜30×1017cm-3であることがより好まし
い。中でも、平均で1〜10×1017cm-3であること
がLED化した時の順方向電圧を下げ、良好な結晶性が
得られる点で特に好ましい。キャリア濃度が30×10
17cm-3を越えると、結晶性が悪化してエピタキシャル
層表面に結晶欠陥が発生したり、LEDの光出力の低下
を生じる等の問題が生じやすくなる傾向がある。組成変
化層11の層厚は、好ましくは2〜100μm、より好
ましくは10〜80μmである。
【0025】図1の態様では、組成変化層11の上に逆
組成変化層16が形成されている。本明細書でいう「逆
組成変化層」とは、基板からの距離に応じた組成変化の
傾向が組成変化層とは逆である層をいう。例えば、組成
の混晶率に着目するならば、組成変化層の混晶率が基板
から遠ざかるにつれて下がっているときは、逆組成変化
層は混晶率が基板から遠ざかるにつれて上がっている層
を指す。逆に組成変化層の混晶率が基板から遠ざかるに
つれて上がっているときは、逆組成変化層は混晶率が基
板から遠ざかるにつれて下がっている層を指す。このと
き、逆組成変化層内において混晶率は0.06以上変化
していなければならない。混晶率の変化が0.06未満
であればその層は本明細書では一定組成層とみなす。
【0026】逆組成変化層は図1のように組成変化層と
一定組成層の間に形成してもよいが、その他に2層の組
成変化層の間、2層の一定組成層の間、一定組成層の上
などに形成してもよい。逆組成変化層の数は1層であっ
ても、2層以上であってもよい。このとき、各逆組成変
化層の組成変化の態様や厚さは同一であっても異なって
いてもよい。
【0027】逆組成変化層内および組成変化層内におけ
る組成の変化は、連続的であっても段階的であってもよ
い。また、連続的な変化と段階的な変化を組み合わせた
ものであってもよい。組成変化が連続的であるとき、そ
の変化率は層内を通して一定であってもよいし、一定で
なくてもよい。また、組成が段階的に変化するときは、
組成変化の段差はすべて同じであってもよいし異なって
いてもよい。さらに各段の長さも同じであっても異なっ
ていてもよい。
【0028】逆組成変化層16のキャリア濃度は、逆組
成変化層の形成位置によって適宜決定することが好まし
い。逆組成変化層16が組成変化層11と一定組成層1
2の間に存在する場合は、逆組成変化層16のキャリア
濃度は、組成変化層11の上記キャリア濃度範囲と同じ
である。逆組成変化層16が2層の一定組成層の間に存
在する場合は、一定組成層内の低キャリア濃度層か高濃
度キャリア層のいずれかにあわせるか、あるいはその中
間のキャリア濃度にすることができる。
【0029】一定組成層12は、層内における混晶率の
変化量が原則として0.06未満である層をいう。一定
組成層中の組成はミスフィット転位等の結晶欠陥をでき
るだけ抑制するため、できる限り一定であることが望ま
しい。混晶率の変化量は0.05以内が好ましく、0.
04以内がより好ましい。なお、一定組成層内に組成の
段差や組成変化が存在していても、その合計層厚が10
μm以下なら実質的に一定組成になる。例えば、エピタ
キシャル層の組成がGaAs1-xx(0≦x<1)であ
るエピタキシャルウエハでは、一定組成層12の組成は
GaAs1-yy(0.45≦y<1)にすることができ
る。
【0030】気相成長法により基板上にエピタキシャル
形成させると、形成されるエピタキシャル層は一般にす
べてn型である。n型の単結晶基板上にn型のエピタキ
シャル層を形成してなるGaAsPエピタキシャルウエ
ハをLEDにするためには、pn接合を形成する必要が
ある。pn接合を形成するためには、例えば加工工程で
拡散によりエピタキシャル層表面から窒素をドープした
低キャリア濃度一定組成層内に4〜10μm程度の深さ
まで高濃度にZnを拡散してp型の層を形成する。この
ようにしてエピタキシャル層中にpn接合を形成したエ
ピタキシャルウエハのGaP基板側にオーミック電極1
9を形成し、素子分離してLEDを製造すれば、容易か
つ再現性よくpn接合を形成することができるので、高
歩留まりでLEDを製造することが可能になる。
【0031】pn接合を形成するn層側が間接遷移型の
バンドギャップをもつGaAs1-xx(0.45≦x<
1)からなる場合は、pn接合のn層側は低キャリア濃
度領域となる。低キャリア濃度領域13は、平均キャリ
ア濃度が20×1015cm -3以下が好ましい。0.1×
1015cm-3以下になるとキャリア濃度の制御が困難と
なったり、比抵抗が高くなってLEDの順方向電圧の増
加をまねくことがある。高光出力を得ることができ、し
かも電気特性が安定するため、最も好ましい平均キャリ
ア濃度は0.5〜10×1015cm-3である。低キャリ
ア濃度領域の厚さは一般に0.5〜150μmであり、
好ましくは1〜50μmである。150μmを越えると
低キャリア濃度領域による抵抗の増大で順方向電圧の増
加を招く傾向がある。
【0032】低キャリア濃度領域以外の一定組成層は組
成変化層と同じキャリア濃度範囲内に設定することが好
ましい。具体的には3〜50μmにするのが好ましく、
成長時間が長くなることによるコスト上昇を避けるため
には5〜20μmとすることがより好ましい。低キャリ
ア濃度領域13にエピタキシャル層表面からZnを拡散
してもp層を形成することができる。その場合のp層の
拡散深さは2〜18μm、好ましくは3〜12μmであ
る。気相成長でp層を成長した場合は、p層内に組成変
化層があっても、別の組成の一定組成層があってもよ
い。
【0033】p型ドーパントとしてはZn、Mg、C
d、Be等があるが、毒性からCdとBeは好ましくな
い。ドーピングガスとしては高純度の原料が得られ、使
いやすいことからZnはジエチル亜鉛(C252
n、Mgならシクロペンタジエニルマグネシウム(C5
5)Mg(またはCp2Mg)などの有機金属化合物が
使用される。p層を気相成長中に成長した場合、低キャ
リア濃度領域13と隣接して、pn接合部分には少なく
とも窒素がドープされている。p層の層厚は2〜300
μmあれば良いが、好ましくは4〜150μm以上あれ
ばさらに高光出力が得られるので好ましい。特にGaA
1-xx(0.45≦x<1)を発光層とするLEDで
は、発光効率を上げるため、アイソエレクトロニックト
ラップとして窒素をドープして光出力を10倍程度向上
させるのが好ましい。窒素はGaAsP中にドープされ
ると発光センターとなるアイソエレクトロニックトラッ
プとなる。このとき、アイソエレクトロニックトラップ
は電気的には不活性でキャリア濃度には寄与しない。
【0034】本発明のエピタキシャルウエハを製造する
ためのエピタキシャル成長法としては、気相法が組成変
化を詳細に実現できるために好ましい。V族原料は砒素
原料ガスとりん原料ガスであって、供給される砒素原子
供給量とりん原子供給量の比を制御することによって所
望の混晶率を有するエピタキシャル層を形成することが
できる。エピタキシャル成長法はハイドライド法または
クロライド法がであることが一般的であるが、特にハイ
ドライド法が高純度の結晶が得られ、最も量産性に優れ
ている。
【0035】ハイドライド法では、石英製の反応容器内
にGaP基板を配置して、成長温度に加熱しながら原料
ガスを流すことによって、GaP基板上にエピタキシャ
ル層を成長させるのが一般的である。キャリアガスとし
ては通常は水素(H2)を用いる。III族原料としては金
属Gaを用いて、反応容器内で塩酸ガスHClと反応さ
せGaClとしてGaP基板上に供給する。V族原料は
水素化物が使われ、アルシン(AsH3)とホスフィン
(PH3)を用いる。pn接合が形成される一定組成層
を成長する際のAsH3とPH3の供給比c:
【0036】
【数7】 は、ほぼGaAs1-xxの混晶率xに近い。通常10%
以内でcとxは一致するので、所望の混晶率を有するエ
ピタキシャル層を成長させることができる。成長法とし
て有機金属気相法を用いても、精密なエピタキシャル層
構造を実現できるので有効である。
【0037】本発明のエピタキシャルウエハの製造に当
たっては、複雑なエピタキシャル層構造を製造できる気
相エピタキシャル成長法の中から選択される。エピタキ
シャル層内のキャリア濃度プロファイルの測定方法は、
エピタキシャル層表面または、斜めに研磨した後、ショ
ットキーハリアダイオードをその表面に作製し、C−V
法によって測定できる。また日本バイオ・ラッド・ラボ
ラトリー社のセミコンダクタ・プロファイル・プロッタ
PN4300の様に、直接エピタキシャル層を電解液で
エッチングしながら測定する方法でも同様に測定でき
る。 組成プロファイルは劈開でエピタキシャル断面を
出して、X線マイクロアナライザ(XMA)によって分
析できる。逆組成変化層の層厚は、劈開でエピタキシャ
ル層断面を出して、エッチングして各層を見えるように
して、顕微鏡で正確に測定できる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割
合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変
更することができる。しがたって、本発明の範囲は以下
に示す具体例に制限されるものではない。
【0039】GaP基板および高純度ガリウム(Ga)
を、Ga溜め用石英ボ−ト付きのエピタキシャル・リア
クタ−内の所定の場所に、それぞれ設置した。GaP基
板は硫黄(S)が3〜10×1017原子個/cm3添加
され、直径52mmの円形で、(100)面から[00
1]方向に10゜偏位した面をもつGaP基板を用い
た。これらを、同時にホルダー上に配置し、ホルダーを
毎分3回転させた。以下に、標準状態に換算したガスの
流量単位としてSCCMを用いて説明する。
【0040】窒素(N2)ガスを該リアクタ−内に15
分間導入し空気を充分置換除去した後、キャリヤ・ガス
として高純度水素(H2)を9600SCCM導入し、
2の流れを止め昇温工程に入った。Ga入り石英ボ−
ト設置部分及びGaP単結晶基板設置部分の温度が、そ
れぞれ800℃及び930℃で一定に保持されているこ
とを確認した後、尖頭発光波長630±5nmのGaA
1-xxエピタキシャル膜の気相成長を開始した。最
初、濃度50ppmに水素ガスで希釈したn型不純物で
あるジエチルテルル((C252Te)を15SCC
M導入し、周期律表第III族元素成分原料としてのGa
Clを、369SCCM生成させるため高純度塩化水素
ガス(HCl)を上記石英ボ−ト中のGa溜に毎分36
9cc吹き込み、Ga溜上表面より吹き出させた。他方
周期律表第V族元素成分として、H2で濃度10%に希
釈したりん化水素(PH3)を毎分858SCCM導入
しつつ、20分間にわたり、第1層であるGaP層をの
GaP単結晶基板上に成長させた。
【0041】次に、(C252Te、HCl、PH3
各ガスの導入量を変えること無く、H2で濃度10%に
希釈したひ化水素(AsH3)の導入量を、0SCCM
から492SCCM(実施例1)まで徐々に増加させ、
同時にGaP基板の温度を930℃から870℃まで徐
々に降温させ、90分間にわたり、第2のGaAs1-x
xエピタキシャル層を第1のGaPエピタキシャル層
上に成長させた。次に、(C252Te、HCl、P
3の各ガスの導入量を変えること無く、ひ化水素(A
sH3)の導入量を、492sCCMから482SCC
Mまで15分間で徐々に減少させて、第3のGaAs
1-xxエピタキシャル層を第2のGaAs1-xxエピタ
キシャル層上に成長させた。
【0042】次の30分間は、(C252Te、HC
l、PH3、AsH3の導入量を変えることなく、即ち、
それぞれ15SCCM,369SCCM,858SCC
M,482SCCMに保持しつつ、第4のGaAs1-x
xエピタキシャル層を第3のGaAs1-xxエピタキ
シャル層上に成長させた。次の70分間は(C252
Te、HCl、PH3、AsH3の導入量を変えることな
く導入しながらこれにNアイソ・エレクトロニック・ト
ラップ添加用として214SCCMの高純度アンモニア
・ガス(NH3)を添加して第5のGaAs1-xxエピ
タキシャル層を第4のGaAs1-xxエピタキシャル層
上に成長させ、気相成長を終了した。
【0043】第1〜5のエピタキシャル層の層厚はそれ
ぞれ4μm(ホモ層)、39μm(組成変化層)、4.
7μm(逆組成変化層)、14μm(組成一定層の高キ
ャリア濃度領域)、29μm(組成一定層の低キャリア
濃度領域)であった。第1〜5の層のキャリア濃度は、
エピタキシャル層を約1゜斜めに研磨してその表面にシ
ョットキーバリアダイオードを作製して測定した。第1
〜4の層のキャリア濃度は2〜3×1017cm-3であ
り、第5層のキャリア濃度は3×1015cm-3であっ
た。エピタキシャル成長後のそりは−44μmであっ
た。
【0044】成長したエピタキシャルウエハをZnAs
2を拡散源としてp型不純物であるZnと共に何もコー
ティングしないで石英アンプル内に真空封入させて、7
60℃の温度で表面から4μmの深さまで拡散した。続
いて、真空蒸着による電極形成等を行って、500μm
×500μm×180μm(厚さ)の角柱型発光ダイオ
ードを形成して、エポシコートなしで測定した。光出力
はLED化して測定し、光出力は59であった。第2の
GaAs1-xxエピタキシャル層の成長において、ひ化
水素(AsH3)の導入量を、0SCCMから最終の流
量を482〜580SCCMに変化させて、上記方法と
同様にしてエピタキシャル成長を繰り返した。エピタキ
シャル層厚とキャリア濃度はほぼ同じであった。また、
光出力と発光波長も、上記実施例1とほとんど同じであ
った。LEDチップを使って寿命測定をDC150m
A、室温の条件で168時間通電した後、光出力の残存
率を測定した。
【0045】図5にそりと光出力の関係を示す。関係式
(1)の範囲内にそりを調節することによって、従来に
比べて10〜20%の光出力の向上を達成できることが
明らかである。図6にそりとLEDの光出力残存率の関
係を示す。関係式(1)の範囲内にそりを調節すること
によって、従来に比べて5%のLEDの寿命の向上が認
められる。LEDの寿命も光出力の向上も、そりが−2
2μmより大きいこと、さらに好ましくは0μmより大
きいことが望ましいことが認められる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、そりが小さくて、LE
Dの特性を改善しうるエピタキシャルウエハを提供する
ことができる。また、このエピタキシャルウエハを利用
することによって、一段と高光出力のLEDを提供する
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエピタキシャルウェハの層構成の断
面説明図である。
【図2】 GaAsPエピタキシャルウェハの一般的層
構成の断面説明図である。
【図3】 本発明の発光ダイオードの層構成の断面説明
図である。
【図4】 そりの定義を説明する図である。
【図5】 そりと光出力の関係を示したグラフである。
【図6】 そりと光出力残存率の関係を示したグラフで
ある。
【符号の説明】
10 単結晶基板 11 組成変化層 12 一定組成層 13 低キャリア濃度領域 14 ホモ層 15 高キャリア濃度領域 16 逆組成変化層 17 エピタキシャル層 18 pn接合 19 電極 20 GaP単結晶基板 21 GaAs1-xx組成変化層 22 GaAs1-x0x0一定組成層 23 NドープGaAs1-x0x0低キャリア濃度一定組
成層 24 GaPホモ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BE41 DB04 DB05 DB06 EB01 EB04 ED06 EH01 HA02 HA12 5F041 AA40 CA23 CA37 CA38 CA48 CA49 CA53 CA55 CA57 CA64 CA65 CA72 5F045 AB11 AB17 AC01 AC09 AC13 AD12 AD13 AF04 AF13 BB11 CA10 DA52 DA58 DA59 DP28 DQ08 EE12 EE17 5F052 KA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaP単結晶基板上に、該基板組成とは
    組成が異なるエピタキシャル層を有するエピタキシャル
    ウエハにおいて、 前記エピタキシャルウエハの最大径D(mm)とそりW
    (μm)が以下の関係式(1): 【数1】 を満たすことを特徴とするエピタキシャルウエハ。
  2. 【請求項2】 前記エピタキシャルウエハの最大径D
    (mm)とそりW(μm)が以下の関係式(2): 【数2】 を満たすことを特徴とする請求項1記載のエピタキシャ
    ルウエハ。
  3. 【請求項3】 前記エピタキシャル層が、組成変化層と
    一定組成層を有することを特徴とする請求項1または2
    に記載のエピタキシャルウエハ。
  4. 【請求項4】 前記エピタキシャル層の組成がGaAs
    1-xx(0.45≦x≦1)であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のエピタキシャルウエハ。
  5. 【請求項5】 前記エピタキシャル層が組成変化層と一
    定組成層を有し、かつ該一定組成層の少なくとも一部に
    窒素がドープされていることを特徴とする請求項4記載
    のエピタキシャルウエハ。
  6. 【請求項6】 前記一定組成層内に、n型でキャリア濃
    度が0.1×1015〜20×1015cm-3である層を
    0.5〜150μmの厚さで有することを特徴とする請
    求項5記載のエピタキシャルウエハ。
  7. 【請求項7】 前記エピタキシャル層全体の厚さが35
    〜350μmであることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載のエピタキシャルウエハ。
  8. 【請求項8】 前記エピタキシャル層内にpn接合が存
    在し、かつp層の厚さが3〜80μmであることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載のエピタキシャル
    ウエハ。
  9. 【請求項9】 前記pn接合がn型エピタキシャル層の
    表面からZnを拡散することにより形成されていること
    を特徴とする請求項8記載のエピタキシャルウエハ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のエピ
    タキシャルウエハを用いて製造した発光ダイオード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009043983A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Shin Etsu Handotai Co Ltd 高輝度発光ダイオードの製造方法
US7575946B2 (en) 2004-03-19 2009-08-18 Sony Corporation Method for making compound semiconductor and method for making semiconductor device

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