JP4935114B2 - 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 - Google Patents
太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4935114B2 JP4935114B2 JP2006054779A JP2006054779A JP4935114B2 JP 4935114 B2 JP4935114 B2 JP 4935114B2 JP 2006054779 A JP2006054779 A JP 2006054779A JP 2006054779 A JP2006054779 A JP 2006054779A JP 4935114 B2 JP4935114 B2 JP 4935114B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- oxide layer
- refractive index
- transparent conductive
- solar cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/548—Amorphous silicon PV cells
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
また、ガラス基体と酸化ケイ素層との間に、高屈折率層として酸化チタン層を設け、光学的な改善を図ることも一般に行われている(例えば、特許文献1参照。)。
そこで、本発明は、高屈折率層を有し、かつ、アルカリ金属イオンの拡散による酸化スズ層の抵抗値の悪化の少ない太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)ガラス基体上に、前記基体側から、少なくとも、酸化チタン層、酸化スズ層または酸化亜鉛層からなる高屈折率層と、酸化ケイ素層からなる低屈折率層と、酸化スズ層とをこの順に有する太陽電池用透明導電性基板であって、
前記高屈折率層が、常圧CVD法を用いて、前記ガラス基体上に、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付けて形成される高屈折率層である、太陽電池用透明導電性基板。
(2)ガラス基体上に、少なくとも、酸化チタン層、酸化スズ層または酸化亜鉛層からなる高屈折率層と、酸化ケイ素層からなる低屈折率層と、酸化スズ層とをこの順に形成させて、太陽電池用透明導電性基板を得る、太陽電池用透明導電性基板の製造方法であって、
前記高屈折率層を、常圧CVD法を用いて、前記ガラス基体上に、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付けて形成させる、太陽電池用透明導電性基板の製造方法。
本発明は、基体上に、前記基体側から、少なくとも、酸化チタン層、酸化スズ層または酸化亜鉛層からなる高屈折率層と、酸化ケイ素層と、酸化スズ層とをこの順に有する太陽電池用透明導電性基板であって、
前記高屈折率層が、常圧CVD法を用いて、前記基体上に、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付けて形成される高屈折率層である、太陽電池用透明導電性基板である。
図1に示されるように、太陽電池用透明導電性基板10は、ガラス基体12上に、ガラス基体12側から、高屈折率層14と、低屈折率層16と、酸化スズ層18とをこの順に有する。
ガラス基体12は、400〜1200nmの波長領域の光透過率に優れているのが好ましい。具体的には400〜1200nmの波長領域の平均光透過率が80%を超えているのが好ましく、85%以上であるのがより好ましい。
また、ガラス基体12は、絶縁性に優れているのが好ましく、化学的耐久性および物理的耐久性にも優れているのが好ましい。また、熱的に強化されたガラスや化学的に強化されたガラスを用いることができる。
酸化チタン層は、実質的にTiO2からなる層であり、層に含有される成分中、TiO2の割合が90mol%以上であるのが好ましく、95mol%以上であるのがより好ましく、98mol%以上であるのが更に好ましい。
酸化スズ層は、実質的にSnO2からなる層であり、層に含有される成分中、SnO2の割合が90mol%以上であるのが好ましく、95mol%以上であるのがより好ましく、98mol%以上であるのが更に好ましい。
酸化亜鉛層は、実質的にZnOからなる層であり、層に含有される成分中、ZnOの割合が90mol%以上であるのが好ましく、95mol%以上であるのがより好ましく、98mol%以上であるのが更に好ましい。
常圧CVD法は、具体的には、加熱されたガラス基体12に、通常はキャリアーガスとして窒素ガスとして用いて、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付け、原料ガスに含有される原料にガラス基体12上で熱分解反応をさせて、ガラス基体12の表面に高屈折率層14を形成させることにより行われる。
具体的には、高屈折率層14が酸化チタン層である場合には、例えば、有機チタン化合物、無機チタン化合物、それらの複合化合物の1種以上が挙げられる。有機チタン化合物としてはチタンテトラアルコキシドが代表的に挙げられ、無機チタン化合物としては、チタン塩化物、中でも、四塩化チタンが好適に挙げられ、複合化合物としては、例えば、チタンモノクロルトリアルコキシド、チタンジクロルジアルコキシドが挙げられる。チタンテトラアルコキシドは、一般式:CnH2n+1O−で表されるアルコキシ基を有する4官能性の化合物である。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。これらを2種以上有していてもよい。中でも、チタンテトライソプロポキシド(TTIP)、チタンモノクロルトリイソプロポキシドは安価で入手しやすいうえに収率も高い点で、好ましい原料である。
高屈折率層14が酸化スズ層である場合には、例えば、四塩化スズ等の無機系スズ源を使用する場合と、テトラメチルスズ、テトラブチルスズ、モノブチルスズトリクロライド、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジクロライド等の有機系スズ源を使用する場合がある。
高屈折率層反射防止層14が酸化亜鉛層である場合には、例えば、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、アセチルアセトン亜鉛が挙げられる。
これらは、窒素ガス等を用いたバブリングにより気化したものが好適に用いられる。
原料ガスにおける炭素原子数1〜4のアルコールの割合は、高屈折率層14に含有される金属成分の原料化合物(酸化チタン層の場合はチタンテトライソプロポキシド(TTIP)等のチタン含有化合物、酸化スズ層の場合は四塩化スズ等のスズ含有化合物、酸化亜鉛層の場合はジエチル亜鉛等の亜鉛含有化合物)に対して、0.1〜5.0質量%であるのが好ましく、0.3〜3.0質量%であるのがより好ましい。
高屈折率層14は、その上に低屈折率層16を形成させる前において、原子間力顕微鏡(AFM)で測定される表面の算術平均粗さ(Ra)が3nm以下であるのが好ましく、1nm以下であるのがより好ましい。
低屈折率層16は、ガラス基体12および酸化スズ層18よりも400〜1200nmの波長領域の光屈折率が低い酸化ケイ素からなる層である。低屈折率層16は、実質的にSiO2からなる層であり、層に含有される成分中、SiO2の割合が90mol%以上であるのが好ましく、95mol%以上であるのがより好ましく、98mol%以上であるのが更に好ましい。
低屈折率層16は、その上に酸化スズ層18を形成させる前において、原子間力顕微鏡(AFM)で測定される表面の算術平均粗さ(Ra)が3nm以下であるのが好ましく、1nm以下であるのがより好ましい。
また、低屈折率層16は、高屈折率層14との組み合わせにより、反射防止層として機能する。太陽電池用透明導電性基板10は、仮に高屈折率層14および低屈折率層16がないとすると、ガラス基体12と酸化スズ層18との400〜1200nmの波長領域の光屈折率の差異により、入射光の反射損失が発生する。しかしながら、太陽電池用透明導電性基板10は、ガラス基体12と酸化スズ層18との間に、ガラス基体12よりも400〜1200nmの波長領域の光屈折率が高い高屈折率層14および酸化スズ層18よりも400〜1200nmの波長領域の光屈折率が低い低屈折率層16を有するため、入射光の反射損失が軽減され、光透過率、特に400〜1200nmの波長領域の光透過率が高い。
酸化スズ層18は、実質的にSnO2からなる層であり、層に含有される成分中、SnO2の割合が90mol%以上であるのが好ましく、95mol%以上であるのがより好ましく、98mol%以上であるのが更に好ましい。上記範囲であると、近赤外光の吸収を十分に低くすることができる。
フッ素がドープされている酸化スズ層におけるフッ素の濃度は、SnO2に対して0.01〜4mol%であるのが好ましく、0.02〜2mol%であるのがより好ましい。上記範囲であると、導電性が優れたものとなる。
フッ素がドープされている酸化スズ層は、フッ素がドープされていることにより、自由電子密度が高くなっている。具体的には、自由電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるのが好ましく、1×1020〜2×1020cm-3であるのがより好ましい。上記範囲であると、導電性と近赤外光の吸収とのバランスに優れる。
なお、用いられるスパッタリングイオンにより、スズイオンに対する感度とフッ素イオンに対する感度が異なるが、同一のスパッタリングイオンを用いる限り、感度は一定となる。したがって、同一のスパッタリングイオンを用いれば、異なる測定箇所のスズイオンのカウント量とフッ素イオンのカウント量との比を比較することができる。
酸化スズ層18の表面に凹凸を有すると、光散乱により太陽電池用透明導電性基板10のへイズ率が高くなる。また、この凹凸が酸化スズ層18の表面の全体にわたって均一であると、へイズ率のばらつきが小さくなるので、好ましい。
ヘイズ率が大きくなると、太陽電池を構成したときに、光が透明導電膜(の酸化スズ層18)と裏面電極層との間の半導体層を往復する長さ(光路長)が長くなるという効果(光閉じ込め効果)が得られ、太陽電池の発電時の電流値が大きくなる。
上記範囲であると、太陽電池用透明導電性基板10のC光源へイズ率が特に高くなり、かつ、そのばらつきが特に小さくなる。また、光透過率、特に400〜1200nmの波長領域の光透過率が特に高く、かつ、酸化スズ層18の導電性が特に優れたものになる。なお、酸化スズ層18の厚さは、上述した表面の凹凸がある場合はそれを含んだ値(凸部の頂点までの厚さ)である。具体的には、触針式の膜厚計により測定される。
更に、上記範囲であると、凹凸が深くなりすぎることがなく、太陽電池を構成する際にシリコンによる均一な被覆が容易となり、電池効率が優れたものとなりやすい。これは、p層の厚さが、通常、数十nm程度であるので、凹凸が深くなりすぎると、凹部に構造欠陥が発生したり、凹部への原料拡散が不十分になったりして、均一な被覆が困難となり、電池効率が低下するおそれがあるためである。
なお、用いられるスパッタリングイオンにより、スズイオンに対する感度とアルカリ金属イオンに対する感度が異なるが、同一のスパッタリングイオンを用いる限り、感度は一定となる。したがって、同一のスパッタリングイオンを用いれば、異なる測定箇所のスズイオンのカウント量とアルカリ金属イオンのカウント量との比を比較することができる。
本発明の太陽電池用透明導電性基板の製造方法は、ガラス基体上に、少なくとも、酸化チタン層、酸化スズ層または酸化亜鉛層からなる高屈折率層と、酸化ケイ素層からなる低屈折率層と、酸化スズ層とをこの順に形成させて、太陽電池用透明導電性基板を得る、太陽電池用透明導電性基板の製造方法であって、前記高屈折率層を、常圧CVD法を用いて、前記ガラス基体上に、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付けて形成させる、太陽電池用透明導電性基板の製造方法である。以下、本発明の太陽電池用透明導電性基板の製造方法について、高屈折率層として酸化チタン層を用い、炭素原子数1〜4のアルコールとしてメタノールを用いる場合を例に挙げて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2に示される製造装置50は、基本的に、本体52と、コンベヤベルト54と、ベルト駆動装置56と、ガス供給装置(インジェクター)58a〜58cと、ガス流量制御装置60a〜60cと、ブラシクリーナー62と、超音波クリーナー64と、ベルトドライヤー66とを具備する。
図2に示される製造装置50においては、本体52にはコンベヤベルト54が設けられており、ガラス基体12を載せたコンベヤベルト54がベルト駆動装置56により回転することにより、ガラス基体12が矢印の向きに移動する。
ガラス基体12は、加熱ゾーン57において、搬送されながら、高温(例えば、550℃)に加熱される。
なお、チタンテトライソプロポキシドは、ガス流量制御装置60aに格納された100℃程度に保温したバブラータンクに入れ、窒素ガスによりバブリングして気化させ、ステンレス配管によりガス供給装置58aに輸送する。メタノールは、ガス流量制御装置60aに格納された60℃程度に保温したバブラータンクに入れ、窒素ガスによりバブリングして気化させ、ステンレス配管によりガス供給装置58aに輸送する。また、本発明の太陽電池用透明導電性基板の製造方法においては、気化したチタンテトライソプロポキシドおよびメタノールを、混合した後、ガラス基体12に吹き付けることもできる。
コンベヤベルト54は、太陽電池用透明導電性基板10を除去された後、ブラシクリーナー62および超音波クリーナー64により洗浄され、ベルトドライヤー66により乾燥される。
本発明の太陽電池用透明導電性基板を用いた太陽電池は、アモルファスシリコン系および微結晶シリコン系のいずれの光電変換層の太陽電池であってもよい。
また、シングル構造およびタンデム構造のいずれの構造であってもよい。中でも、タンデム構造の太陽電池が好ましい。
図3は、本発明の太陽電池用透明導電性基板を用いたタンデム構造の太陽電池の一例を示す模式的な断面図である。図3においては、図の下側に太陽電池の入射光側が位置するように図示してある。
図3に示される太陽電池100は、本発明の太陽電池用透明導電性基板10と、第1光電変換層20および第2光電変換層22からなる半導体層(光電変換層)24と、裏面電極層26とを具備する。これは、タンデム構造の薄層太陽電池の通常の構成である。
太陽電池100においては、太陽電池用透明導電性基板10側から光が入射する。第1光電変換層20および第2光電変換層22は、それぞれ入射光側から順にp層、i層およびn層が積層されたpin構造を有している。ここで、入射光側にある第1光電変換層20は、バンドギャップEgが大きいアモルファスシリコンにより、p層、i層およびn層が形成されている。一方、入射光に対してより下流側に位置する第2光電変換層22は、バンドギャップEgが小さい単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン等の結晶性シリコンにより、p層、i層およびn層が形成されている。
図3においては、第2光電変換層22は1層のみで構成されているが、互いにバンドギャップEgが異なる光電変換層が複数積層されることにより構成されていてもよい。第2光電変換層が、光電変換層が複数積層されることにより構成されている場合、入射光側から下流に向かってバンドギャップEgが小さくなるように積層させる。
図3に示されるようなタンデム型の太陽電池は、従来のシングルタイプのアモルファスシリコン系太陽電池に比ペて光電変換効率に優れている。本発明においては、酸化スズ層における近赤外光の吸収量が少なく、光電変換効率に優れる太陽電池用透明導電性基板を用いるので、タンデム構造の太陽電池の利点が効果的に発揮される。
(実施例1)
メッシュベルトによって基体を搬送するトンネル式加熱炉に複数のガス供給装置を取り付けたタイプのオフライン式CVD装置を用いて、太陽電池用透明導電性基板を製造した。具体的には、以下に示すように、ガラス基体上に、酸化チタン層、酸化ケイ素層および酸化スズ層の順に形成させ、ガラス基体上にこれらの3層が積層された太陽電池用透明導電性基板を得た。
ついで、加熱された基体に、ガス供給装置により、酸化チタン層の原料となる気化したチタンテトライソプロポキシドとキャリアーガスとしての窒素ガスとを吹き付けるとともに、メタノールとキャリアーガスとしての窒素ガスとを吹き付け、搬送されている状態の基体の表面に酸化チタン層を形成させた。
メタノールとチタンテトライソプロポキシドとのモル比は、MeOH/TTIP=0.5とした。また、酸化チタン層の厚さは、11nmとした。
なお、チタンテトライソプロポキシドは、100℃程度に保温したバブラータンクに入れ、窒素ガスによりバブリングして気化させ、ステンレス配管によりガス供給装置に輸送した。また、メタノールは、60℃程度に保温したバブラータンクに入れ、窒素ガスによりバブリングして気化させ、ステンレス配管によりガス供給装置に輸送した。
四塩化スズと水との混合比は、モル比で、H2O/SnCl4=80とした。また、酸化スズ層の厚さは、800nmとした。
なお、四塩化スズは、55℃程度に保温したバブラータンクに入れ、窒素ガスによりバブリングして気化させ、ステンレス配管によりガス供給装置に輸送した。また、水は、加熱により沸騰して得た水蒸気を別のステンレス配管によりガス供給装置に輸送した。
酸化チタン層の形成において、MeOH/TTIPのモル比を1.5とした以外は、実施例1と同様の方法により、太陽電池用透明導電性基板を得た。
酸化チタン層の形成において、MeOHを用いなかった以外は、実施例1と同様の方法により、太陽電池用透明導電性基板を得た。
上記で得られた太陽電池用透明導電性基板から切り出した測定用サンプルについて、酸化スズ層中の深さ方向のナトリウム濃度分布を、酸化スズ層の酸化ケイ素層との界面から酸化スズ層の表面まで、SIMS(ADEPT1010型、アルバック・ファイ社製)を用いて測定した。SIMS分析の条件は、一次イオン:O2 +、加速電圧:5kV、ビームカレント:300nA、ラスターサイズ:300×300μm2、試料角度:45°であった。得られた深さ方向のSn+2次イオンに対するNa+2次イオンのカウント比(23Na+/120Sn+)のデータから、厚さ方向の23Na+/120Sn+の平均値を算出した。
第1表に、太陽電池用透明導電性基板の23Na+/120Sn+を、メタノールを用いずに成膜した場合(比較例1)を「1」とした相対値で示す。
なお、成膜装置から供給される原料ガスおよびメタノールは基板の幅方向の全域に均一な流量であり、また、基板の進行方向には原理的に流量変動がないことから、基板全面の各部分で層成分濃度の変動がないものと解される。そのため、基板の代表的な場所を選択して切り出し、測定用サンプルとした。
比較例1で得られた太陽電池用透明導電性基板から3cm×3cmの大きさの測定用試料を切り出した。ガラス基体からのナトリウムの溶出を抑制するため、ガラス基体の酸化チタン層、酸化ケイ素層および酸化スズ層の付着していない部分(裏面および側面)に熱硬化性のフッ素樹脂を塗布した。電気乾燥器中で加熱(50℃で1時間、その後、80℃で1時間、その後、150℃で1時間)を行い、樹脂を硬化させた。ポリビーカーに酸化スズ層が上になるように試料を置いた。酸化スズ層上に1gの亜鉛粉末をできるだけ均一に乗せた。10mLの17質量%塩酸水溶液を加え、室温で反応させた。反応が収まってきた後、少量の希塩酸で測定用試料を洗い、取り出した。更に、10mLの17質量%塩酸水溶液を添加して、一晩放置した。亜鉛がほぼ溶解したところで50mLに定容した。このようにして、酸化スズ層を溶解し、得られた溶液中のナトリウムを原子吸光法で定量した。
これに対し、高屈折率層反射防止層の製造の際にメタノールを用いなかった場合(比較例1)は、酸化スズ層中のアルカリ金属イオンの量が多かった。
12 基体
14 高屈折率層
16 低屈折率層
18 酸化スズ層
20 第1光電変換層
22 第2光電変換層
24 半導体層(光電変換層)
26 裏面電極層
50 製造装置
52 本体
54 コンベヤベルト
56 ベルト駆動装置
57 加熱ゾーン
58a〜58c ガス供給装置(インジェクター)
60a〜60c ガス流量制御装置
61 徐冷ゾーン
62 ブラシクリーナー
64 超音波クリーナー
66 ベルトドライヤー
100 太陽電池
Claims (2)
- ガラス基体上に、前記基体側から、少なくとも、酸化チタン層、酸化スズ層または酸化亜鉛層からなる高屈折率層と、酸化ケイ素層からなる低屈折率層と、酸化スズ層とをこの順に有する太陽電池用透明導電性基板であって、
前記高屈折率層が、常圧CVD法を用いて、前記ガラス基体上に、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付けて形成される高屈折率層である、太陽電池用透明導電性基板。 - ガラス基体上に、少なくとも、酸化チタン層、酸化スズ層または酸化亜鉛層からなる高屈折率層と、酸化ケイ素層からなる低屈折率層と、酸化スズ層とをこの順に形成させて、太陽電池用透明導電性基板を得る、太陽電池用透明導電性基板の製造方法であって、
前記高屈折率層を、常圧CVD法を用いて、前記ガラス基体上に、原料ガスと炭素原子数1〜4のアルコールとを吹き付けて形成させる、太陽電池用透明導電性基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006054779A JP4935114B2 (ja) | 2006-03-01 | 2006-03-01 | 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006054779A JP4935114B2 (ja) | 2006-03-01 | 2006-03-01 | 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007234866A JP2007234866A (ja) | 2007-09-13 |
JP4935114B2 true JP4935114B2 (ja) | 2012-05-23 |
Family
ID=38555144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006054779A Expired - Fee Related JP4935114B2 (ja) | 2006-03-01 | 2006-03-01 | 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4935114B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101000057B1 (ko) | 2008-02-04 | 2010-12-10 | 엘지전자 주식회사 | 다층 투명전도층을 구비한 태양전지 이의 제조방법 |
JP5340209B2 (ja) * | 2010-03-19 | 2013-11-13 | 三菱電機株式会社 | 光起電力素子およびその製造方法 |
JP2012132048A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Sharp Corp | 透明導電膜付き基体 |
CN109786474A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-05-21 | 北京汉能光伏投资有限公司 | 光伏电池芯片及其制作方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001036107A (ja) * | 1999-05-18 | 2001-02-09 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 光電変換装置用基板およびこれを用いた光電変換装置 |
WO2005027229A1 (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Asahi Glass Company, Limited | 透明導電膜付き基体およびその製造方法 |
-
2006
- 2006-03-01 JP JP2006054779A patent/JP4935114B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007234866A (ja) | 2007-09-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2007058118A1 (ja) | 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 | |
JP5068946B2 (ja) | 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 | |
JP5012793B2 (ja) | 透明導電性酸化物膜付き基体および光電変換素子 | |
US6380480B1 (en) | Photoelectric conversion device and substrate for photoelectric conversion device | |
JP5095776B2 (ja) | 透明導電膜付き透明基体とその製造方法、およびこの基体を含む光電変換素子 | |
WO2011013719A1 (ja) | 太陽電池用透明導電性基板および太陽電池 | |
WO2002043079A1 (fr) | Film électro-conducteur, procédé de production, substrat ainsi pourvu, et convertisseur photoélectrique | |
EP1056136B1 (en) | Conductive substrate for a photoelectric conversion device and its manufacturing method | |
US20110132442A1 (en) | Transparent conductive film substrate and solar cell using the substrate | |
WO2011013775A1 (ja) | 太陽電池用透明導電性基板および太陽電池 | |
JP4935114B2 (ja) | 太陽電池用透明導電性基板およびその製造方法 | |
JP2005347490A (ja) | 透明導電性酸化物膜付き基体およびその製造方法ならびに光電変換素子 | |
US20140338749A1 (en) | Photocatalytic material and glazing or photovoltaic cell comprising said material | |
JPWO2012169602A1 (ja) | 透明導電膜付き基板 | |
JP2013211255A (ja) | 透明導電性酸化物膜付き基体 | |
JP2014185036A (ja) | ガラス基板の製造方法 | |
JP2004362842A (ja) | 透明導電膜付き透明基体、その製造方法、および光電変換素子用基板ならびに光電変換素子 | |
JP4362273B2 (ja) | 基板の製造方法 | |
JP2012084843A (ja) | 透明導電性酸化物膜付き基体、および光電変換素子 | |
US20140116412A1 (en) | Glass substrate with slightly rough layer | |
JP2009239301A (ja) | 基板およびそれを用いた光電変換装置 | |
JP2002158366A (ja) | 光電変換装置 | |
JP2014038807A (ja) | 透明導電性酸化物膜付き基体およびその製造方法 | |
JP2012114205A (ja) | 透明導電膜基板およびその製造方法、ならびにこの基板を用いた太陽電池 | |
WO2012176899A1 (ja) | 透明導電性酸化物膜付き基体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101026 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120124 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120206 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |