JP2002158366A - 光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置

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JP2002158366A
JP2002158366A JP2000354973A JP2000354973A JP2002158366A JP 2002158366 A JP2002158366 A JP 2002158366A JP 2000354973 A JP2000354973 A JP 2000354973A JP 2000354973 A JP2000354973 A JP 2000354973A JP 2002158366 A JP2002158366 A JP 2002158366A
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photoelectric conversion
film
electrode
transparent conductive
layer
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JP2000354973A
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English (en)
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Akira Fujisawa
章 藤沢
Masatoshi Nara
正俊 奈良
Takahiro Asai
貴弘 浅井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光入射側の透明導電膜の電極界面の凹凸形状
と裏面電極の電極界面の凹凸形状との組み合わせを最適
化して、裏面電極の電極界面での長波長域の反射率を低
下させることにより、光電変換効率を改善した光電変換
装置を提供する。 【解決手段】 光電変換層7を挟んで対峙する導電膜の
電極界面における凹凸形状に関し、光入射側の透明導電
膜3の平均凸部高さ/平均凸部幅の比が裏面電極8のそ
れよりも大きい光電変換装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、太陽電池に代表
される光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエネルギー問題や環境問題を背景
にして、太陽電池が注目を集めている。太陽電池には様
々なタイプがあり、中でも省資源の点から薄膜型太陽電
池が今後主流になると考えられている。薄膜型太陽電池
の一般的な構成は、つぎの通りである。ガラス板などの
透明基板上に、酸化スズ(SnO2)などからなる透明導電
膜、アモルファスシリコンやアモルファスシリコンゲル
マニウムなどの非晶質半導体からなる光電変換層、前記
同様の透明導電膜を順次積層したものである。また、光
電変換効率を高めるために、前記光電変換層に微結晶シ
リコンや多結晶シリコン薄膜などの非単結晶半導体、ま
たはCdTe、CuInSe2もしくはCuInGaSe2などの化合物半導
体を使用したものもある。
【0003】薄膜型太陽電池の光電変換効率を改善する
ためには、光電変換層における光の吸収量を増やすこと
が最も重要であると考えられている。アモルファスシリ
コンの光電変換層は、0.05〜0.7μm程度と極め
て薄いため、入射光の多くが光電変換層で吸収されるこ
となく、反射光として系外に放出される。実際に、アモ
ルファスシリコンを光電変換層にもつ太陽電池の光電変
換効率は、全太陽エネルギーの10%弱である。そこ
で、光電変換層における光路長を稼ぐことで光の吸収量
を増やす方法が考え出され、光電変換層と接する導電膜
の電極界面を凹凸化して、そこを通過する光を散乱させ
るいわゆる光閉じ込め効果を狙った技術が開発された。
【0004】さらに、最近では光入射側の透明導電膜の
電極界面の凹凸のみならず、光電変換層を挟んだ反対側
すなわち裏面電極の電極界面の凹凸形状についても検討
されている。たとえば、特開平10−117006号公
報には、多結晶の光電変換層が第1と第2の主面をも
ち、それぞれの主面は表面テクスチャ構造を有し、0.
05〜3μmの範囲内の高低差を有する微細な凹凸を含
むことを特徴とする薄膜型光電変換装置が開示されてい
る。なお、同公報では、第1および第2の主面の表面形
状の重要性を示しているが、それぞれの主面の最適な関
係については記載されていない。
【0005】また、特開平11−214728号公報に
は、第1光電変換ユニットが結晶質を含むシリコン系薄
膜からなり、第2光電変換ユニットが非晶質シリコンゲ
ルマニウム薄膜からなり、第1光電変換層の上面におけ
る凹凸の平均間隔は裏面電極の上面における凹凸の平均
間隔の2/3以下であることを特徴とするタンデム型シ
リコン系薄膜光電変換装置が開示されている。なお、同
公報においても、光電変換層の上面凹凸と裏面電極の上
面凹凸の最適な関係は示されていない。
【0006】さらに、特開平10−70293号公報に
は、光電変換層である半導体層の入射側およびその反対
側面に光を散乱させるための凹凸がそれぞれ形成され、
一方の凹凸と他方の凹凸とではそのピッチおよび高低差
が異なることを特徴とする太陽電池が開示されている。
なお、同公報においても、それぞれの凹凸の最適な関係
については記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
には、つぎのような問題点があった。
【0008】上述のように、光入射側の透明導電膜の電
極界面を凹凸化すると光閉じ込め効果が発揮され、さら
に裏面電極の電極界面も凹凸化すると、光電変換層を挟
んで多重散乱が生じ易くなり、その結果光電変換層にお
ける光路長が増大する。
【0009】しかし、光入射側の透明導電膜の電極界面
の凹凸形状と裏面電極の電極界面の凹凸形状との組み合
わせによっては、裏面電極の電極界面での長波長域の反
射率が大きくなり、光電変換効率が十分に向上しないこ
とが明らかとなった。また、裏面電極側の電極界面にお
ける長波長域の反射率が高い場合は、裏面電極自身の光
吸収量が多くなり、光電変換効率がさらに低下すること
が新たに見い出された。これらは、本発明者らが行った
多くのシミュレーション実験により初めて導かれた知見
である。
【0010】この発明は、このような問題点に着目して
なされたものである。その目的とするところは、光入射
側の透明導電膜の電極界面の凹凸形状と裏面電極の電極
界面の凹凸形状との組み合わせを最適化して、裏面電極
の電極界面での長波長域の反射率を低下させることによ
り、光電変換効率を改善した光電変換装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために、請求項1に記載の発明の光電変換装置は、光
電変換層を挟んで対峙する導電膜の電極界面における凹
凸形状に関し、光入射側の透明導電膜の平均凸部高さ/
平均凸部幅の比が裏面電極のそれよりも大きいものであ
る。
【0012】請求項2に記載の発明の光電変換装置は、
請求項1に記載の発明において、光電変換装置光入射側
の透明導電膜の電極界面における凸部の平均高さが裏面
電極の電極界面の凸部の平均高さ以下のものである。
【0013】請求項3に記載の発明の光電変換装置は、
請求項1または2に記載の発明に関し、光入射側の透明
導電膜の電極界面において、高さ50〜350nm、か
つ、高さ/幅の比が0.25〜1.05である凸部が7
0%以上であり、裏面電極の電極界面において、高さ1
00〜500nm、かつ、高さ/幅の比が0.5以下であ
る凸部が60%以上であるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、詳細に説明する。なお、つぎの実施の形態に限定
するものではない。
【0015】この光電変換装置は、光電変換層を挟んで
向かい合う電極界面の凹凸形状に関して、光入射側の透
明導電膜における平均凸部高さ/平均凸部幅の比が、裏
面電極におけるそれよりも大きいものである。この条件
を充たす場合、裏面電極の長波長域の反射率が高くなる
ことが抑えられる。ここで、裏面電極の反射率が高いと
は、裏面電極での反射光が光電変換層と光入射側の透明
導電膜とを通り抜け、光電変換装置の系外に放出され易
い状況であることをいう。すなわち、裏面電極の電極界
面に達した光はそこで散乱反射されるが、この反射光の
角度によっては、光入射側の透明導電膜で再度反射され
ずに系外に放出されることがある。光電変換装置内部か
らの反射光の量を光入射側から測定することにより、裏
面電極を含めた反射率を測定できる。このような裏面電
極での反射率の測定には、分光光度計を用いる。したが
って、光電変換層を挟んで向かい合う電極界面が上記条
件を充たす場合は、まず入射光が透明導電膜の電極界面
で散乱され、つぎに裏面電極の電極界面で反射散乱さ
れ、この反射光が再度光入射側の透明導電膜の電極界面
で反射散乱されるという一連の多重散乱を繰り返すこと
になる。この一連の多重散乱が発生することにより、光
電変換層での光路長が長くなり、光電変換装置の変換効
率が向上する。また、裏面電極の反射率が低く抑えられ
る場合は、裏面電極自身に吸収される光量が少なくなる
利点もある。
【0016】光電変換層は、アモルファスシリコン、微
結晶シリコンや多結晶シリコン薄膜などの非単結晶半導
体を前提としているが、CdTe、CuInSe2もしくはCuInGaS
e2などの化合物半導体を使用したものであってもよい。
光電変換層が非単結晶半導体などであれば、光電変換層
を挟んで光の多重散乱により光路長を長くすれば、アモ
ルファスシリコンの場合と同様の効果が発揮されるから
である。
【0017】上記電極界面の平均凸部高さは、倍率4
5,000で仰角30°の上方から撮影した走査型電子
顕微鏡(SEM)写真に基づいて算出する。具体的に
は、SEM写真に全影が写っている全ての凸部につい
て、個々の凸部の頭頂からベースラインに垂線を引き、
その垂線の長さから仰角を補正した高さを算出し単純平
均する。ただし、凸部高さ20nm以下のものは、電極界
面での多重散乱にあまり関与しないと考えられるので、
この高さ平均の測定対象にしない。
【0018】電極界面の平均凸部幅は、SEM写真に全
影が写っている全ての凸部について、ベースラインの距
離を、上記SEM写真に基づいて算出し、単純平均化し
た値である。平均凸部幅の対象となる凸部は、上記平均
凸部高さの算出対象となったものに限られる。
【0019】光入射側の透明導電膜の電極界面における
凸部の平均高さは、裏面電極の電極界面の凸部の平均高
さ以下であることが好ましい。光電変換層は、そのエネ
ルギーギャップより短波長の光の吸収係数は大きいが、
エネルギーギャップ近傍では波長の増加とともに徐々に
吸収係数が低下する。この吸収係数が低下する波長領域
の光は、光電変換層に入射してもあまり吸収されない。
そこで、この長波長域の光を有効に光電変換するには、
光電変換層を挟んだ電極界面において、多重散乱が定常
的に発生する状態を作り出すことが重要である。このよ
うな状況について、本発明者らは鋭意検討した結果、光
入射側の透明導電膜の電極界面における凸部の平均高さ
が裏面電極の電極界面のそれ以下であることが好ましい
ことを見出した。
【0020】さらに、上記電極界面の凹凸形状につい
て、平均値のみならず個々の凸部に着目したところ、光
入射側の電極界面において、高さ50〜350nm、か
つ、高さ/幅の比が0.25〜1.05の凸部が70%
以上であり、裏面電極の電極界面において、高さ100
〜500nm、かつ、高さ/幅の比が0.5以下の凸部が
60%以上であることが好ましい。太陽光線を利用した
一般的な太陽電池では、可視光域から近赤外域の光を有
効に活用することが望ましく、その波長域を考えると上
記の値となる。
【0021】光入射側の透明導電膜の電極界面におい
て、高さ50nm未満の凸部が多い場合は、可視光の光閉
じ込め効果が十分に発揮されない。また、高さ/幅の比
が0.25未満の凸部が多い場合は、裏面電極の反射率
の低減効果が十分に得られない。さらに、高さ350nm
を越える凸部が多い場合と、高さ/幅の比が1.05を
越える凸部が多い場合とは、透明導電膜上に形成される
p型シリコン層の膜厚が薄くなり、その後形成されるi
層と透明導電膜が短絡された状態になる。また、この場
合は、p層の膜厚分布が不均一になり、その後形成され
るp−i接合やi−n接合が不均質になり、光電変換効
率が著しく低下する。
【0022】裏面電極の電極界面において、高さ100
nm未満の凸部が多い場合は、可視光長波長から近赤外域
の光がその電極界面で十分に散乱しない。また、高さ5
00nmを越える凸部が多い場合は、裏面電極の膜厚を厚
くしないと、接合の不均質性を招くことがある。さら
に、高さ/幅の比が0.5を越える凸部が多い場合は、
可視光長波長や近赤外光の裏面電極に吸収される割合が
高くなる。
【0023】図1は、この光電変換装置の一形態の断面
図である。この光電変換装置では、ガラス板5上に、下
地膜1,2、光入射側の透明導電膜3、光電変換層7、
裏面電極8がこの順で形成されている。
【0024】光入射側の透明導電膜3は、フッ素やアン
チモンなどの微量元素がドープされた酸化スズ膜、具体
的には、フッ素が所定濃度ドープされた酸化スズ(SnO2
/F)薄膜が好ましい。膜中のフッ素濃度は、好ましくは
0.15重量%以下である。この膜の屈折率は約1.9
となる。なお、この透明導電膜には、シリコン、アルミ
ニウム、亜鉛、銅、インジウム、ビスマス、ガリウム、
ホウ素、バナジウム、マンガン、ジルコニウムなど他の
微量成分が含まれていても構わない。ただし、これら微
量成分の濃度は0.02重量%以下が好ましい。透明導
電膜のシート抵抗値は、具体的には、5〜30Ω/□
(スクエア)が好ましい。この値を考慮すると、光入射
側の透明導電膜3の好ましい膜厚は500〜1,500
nmである。
【0025】下地膜1,2の好ましい膜厚は5〜150
nmであり、好ましくは酸化シリコン、酸化アルミニウム
から選ばれる。下地膜は1層ではなく2層で形成されて
いても構わない。その場合、第1下地層1の好ましい膜
厚は5〜100nmであり、好ましい屈折率は1.6〜
2.5である。第1下地層1は、好ましくは、酸化ス
ズ、酸化チタンおよび酸化アルミニウムから選ばれる少
なくとも一つから構成される。第2下地層2の好ましい
膜厚は5〜100nmであり、好ましい屈折率は1.4〜
2.0である。第2下地層2は、好ましくは、酸化シリ
コン、酸化アルミニウムおよび酸化スズから選ばれる少
なくとも一つから構成される。また、第1下地層の屈折
率は、第2下地層の屈折率よりも高いことが好ましい。
なお、下地膜は、1層や2層構成に限られず、3層以上
であっても構わない。
【0026】光入射側の透明導電膜3上に、アモルファ
スシリコン膜などの光電変換層7が形成される。アモル
ファスシリコン膜は、たとえば、蒸着法や水素ガスで希
釈されたモノシランを原料とし、グロー放電を用いたプ
ラズマCVD法や熱CVD法により成膜される。アモル
ファスシリコン層は、通常p−i−n接合が形成される
ように適宜メタン、ジボラン、フォスフィンなどをシリ
コン膜に添加しながら、導電膜側から順に、p層、i
層、n層を成膜することにより形成される。もっとも、
アモルファスシリコンに代えて、アモルファスシリコン
ゲルマニウムや微結晶シリコンや多結晶シリコンや結晶
シリコンを光電変換層として形成しても構わない。
【0027】光電変換層7の表面凹凸形状は、透明導電
膜3の表面形状に依存する。またエッチング法やブラス
ト法やスタンピング法などを活用することで、光電変換
層の表面凹凸形状を制御することができる。さらに、光
電変換層7上には、前記透明導電膜と同じものまたは銀
膜やアルミニウム膜などからなる裏面電極8が形成され
る。
【0028】光入射側の透明導電膜3の表面形状の形成
方法の一つは、熱分解法により酸化スズが主体の酸化
物、酸化インジウムが主体の酸化物または酸化亜鉛が主
体の酸化物を形成することである。熱分解法としては、
スプレー法、CVD法または後述する実施例のように、
フロート法によるガラス板製造ラインにおけるガラスリ
ボン上でのCVD法いわゆるオンラインCVD法が挙げ
られる。オンラインCVD法に限られるわけではない
が、高温条件での成膜を実施し易いオンラインCVD法
は、光電変換装置の製造に適している。
【0029】オンラインCVD法によれば、ガラス成形
時の熱エネルギーも利用できる。この好ましい製法は、
大面積の薄膜の形成には有利であり、ビルの大型の窓ガ
ラスや屋根材用などとして大面積のガラス板への成膜が
求められることもある太陽電池用基板の製造には有利で
ある。とくに、CVD法をフロートバス内で行えば、軟
化点以上の温度を有するガラス表面で成膜が行える。高
温での成膜により、膜の性能および成膜反応速度、成膜
反応効率の向上も可能となる。さらに、ピンホール(膜
抜け)などの欠点も抑制される。
【0030】オンラインCVD法により成膜するための
装置の一形態を図2に示す。図2に示したように、この
装置では、熔融炉(フロート窯)11からスズフロート
槽(フロートバス)12内に流れ出し、スズ浴15上を
帯状に移動するガラスリボン10の表面から所定距離を
隔て、所定個数のコータ16(図示した形態では3つの
コータ16a,16b,16c)が配置されている。こ
れらのコータからは、ガス状の原料が供給され、ガラス
リボン10上に連続的に被膜が形成されていく。複数の
コータを利用すれば、ガラスリボン10上に、下地膜と
透明導電膜とをCVD法により連続的に形成することも
できる。透明導電膜を含む被膜が形成されたガラスリボ
ン10は、ローラ17により引き上げられて、徐冷窯1
3へと送り込まれる。なお、徐冷窯13で徐冷されたガ
ラス板は、図示を省略するフロート法汎用の切断装置に
より切断され、所定の大きさのガラス板となる。
【0031】CVD法を用いる場合のスズ原料として
は、四塩化スズ、ジメチルスズジクロライド、ジブチル
スズジクロライド、テトラメチルスズ、テトラブチルス
ズ、ジオクチルスズジクロライド、モノブチルスズトリ
クロライドなどが挙げられ、とくにジメチルスズジクロ
ライド、モノブチルスズトリクロライドなどの有機スズ
塩化物が好ましい。また、スズ原料から酸化スズを得る
ために用いられる酸化原料としては、酸素、水蒸気、乾
燥空気などが挙げられる。また、フッ素原料としては、
フッ化水素、トリフルオロ酢酸、ブロモトリフルオロメ
タン、クロロジフルオロメタンなどが挙げられる。ま
た、アンチモンを添加する場合には、五塩化アンチモ
ン、三塩化アンチモンなどを用いてもよい。
【0032】下地膜として好適な酸化シリコン膜をCV
D法で成膜する場合のシリコン原料としては、モノシラ
ン、ジシラン、トリシラン、モノクロロシラン、ジクロ
ロシラン、1,2-ジメチルシラン、1,1,2-トリメチルジシ
ラン、1,1,2,2-テトラメチルジシラン、テトラメチルオ
ルソシリケート、テトラエチルオルソシリケートなどが
挙げられる。また、この場合の酸化原料としては、酸
素、水蒸気、乾燥空気、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸
化窒素、オゾンなどが挙げられる。なお、シランを使用
した場合にガラス表面に到達するまでにシランの反応を
防止する目的で、エチレン、アセチレン、トルエンなど
の不飽和炭化水素ガスを併用しても構わない。
【0033】同じく下地膜として好適な酸化アルミニウ
ム膜をCVD法で成膜する場合のアルミニウム原料とし
ては、トリメチルアルミニウム、アルミニウムトリイソ
ポプロポキサイド、塩化ジエチルアルミニウム、アルミ
ニウムアセチルアセトネート、塩化アルミニウムなどが
挙げられる。また、この場合の酸化原料としては、酸素
水蒸気、乾燥空気などが挙げられる。
【0034】酸化スズ膜を形成するスズ原料、酸化原
料、添加原料の種類や流量を制御することや、下地膜の
膜厚を変えることで、色々な表面凹凸形状を示す光入射
側の透明導電膜を成形することができる。また、これら
の透明導電膜の表面凹凸形状は、SEMを用いて観察す
ることができる。透明導電膜上に形成される光電変換層
の表面凹凸形状は、透明導電膜の表面形状に依存する。
またエッチング法やブラスト法やスタンピング法などを
活用することで、光電変換層の表面凹凸形状を制御する
こともできる。光電変換層の表面凹凸形状を測定し、こ
れを光入射側の透明導電膜の表面凹凸形状の測定値と組
み合わせてみたところ、裏面電極の電極界面における平
均凸部高さ/平均凸部幅の比が光入射側の透明導電膜の
それより小さい場合に、裏面電極の反射率が低くなるこ
とが確認された。
【0035】光電変換層は図1に示したように単層とし
てもよいが、複数層を積層してもよい。光電変換層とし
ては、非晶質シリコン系薄膜や結晶質シリコン系薄膜か
らなるユニット(以下、各ユニットを「非晶質シリコン
系薄膜光電変換ユニット」、「結晶質シリコン系薄膜光
電変換ユニット」のように光電変換層の種類を引用して
表記する)が挙げられる。
【0036】非晶質シリコン系薄膜光電変換ユニット
は、p−i−n型の順にプラズマCVD法により各半導
体層を堆積して形成される。具体的には、たとえば導電
型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ド
ープされたp型微結晶シリコン系層、光電変換層となる
真性非晶質シリコン層、および導電型決定不純物原子で
あるリンが0.01%以上ドープされたn型微結晶シリ
コン系層をこの順に堆積すればよい。しかし、これら各
層は上記に限定されず、たとえばp型微結晶シリコン系
層において不純物原子をアルミニウムなどとしてもよ
く、p型層として非晶質シリコン系層を用いてもよい。
また、p型層として、非晶質または微結晶のシリコンカ
ーバイド、シリコンゲルマニウムなどの合金材料を用い
てもよい。なお、導電型(p型、n型)微結晶シリコン
系層の膜厚は、3〜100nmが好ましく、5〜50nmが
さらに好ましい。
【0037】真性非晶質シリコン層は、プラズマCVD
法によって下地温度を450℃以下として形成すること
が好ましい。この層は、導電型決定不純物原子の密度が
1×1018cm-3以下である実質的に真性半導体である薄
膜として形成される。真性非晶質シリコン層の膜厚は
0.05〜0.5μmが好ましい。ただし、非晶質シリ
コン系薄膜光電変換ユニットでは、真性非晶質シリコン
層に代えて、合金材料である非晶質シリコンカーバイド
層(たとえば10原子%以下の炭素を含有する非晶質シ
リコンからなる非晶質シリコンカーバイド層)や非晶質
シリコンゲルマニウム層(たとえば30原子%以下のゲ
ルマニウムを含有する非晶質シリコンからなる非晶質シ
リコンゲルマニウム層)を形成してもよい。
【0038】結晶質シリコン系薄膜光電変換ユニット
も、非晶質シリコン系薄膜光電変換ユニットと同様の手
順でp−i−n型各半導体層をこの順にプラズマCVD
法により堆積して形成されうる。
【0039】裏面電極8としては、Al,Ag,Au,Cu,Pt
およびCrから選ばれる少なくとも一つの材料からなる少
なくとも1層の金属層をスパッタリング法または蒸着法
により形成することが好ましい。また、光電変換ユニッ
トと金属電極との間に、ITO、SnO2、ZnOなどの導電性酸
化物からなる層を形成しても構わない。
【0040】この光電変換装置は、結晶質シリコン系薄
膜光電変換ユニットを含むことが好ましい。このユニッ
トは、非晶質シリコン系薄膜光電変換ユニットと比較し
て発生する開放端電圧が低く、発生する短絡電流密度が
高いため、ガラス板上の導電膜のシート抵抗値よりも光
線透過率が光電変換効率により大きく寄与するからであ
る。
【0041】なお、本明細書では、部分的に非晶質を含
んでいても体積結晶化分率50%以上であれば「結晶
質」に相当するものとする。また、「シリコン系」の材
料には、非晶質または結晶質のシリコンに加え、非晶質
シリコンゲルマニウムなどシリコンを50原子%以上含
む半導体材料も該当するものとする。
【0042】
【実施例】以下、実施例により、この発明をさらに具体
的に説明する。ただし、以下の実施例に限定するもので
はない。
【0043】以下の実施例では、図2に示した装置と同
様の装置を用い、CVD法により、ガラスリボン上に透
明導電膜を含む各薄膜を成形した。なお、スズフロート
槽空間内が槽外よりもやや高圧に維持されるように、ス
ズフロート槽空間内には98体積%の窒素と2体積%の
水素とを供給し、槽内を非酸化性雰囲気に保持した。実
施例では、ガラスリボンの温度を、パイロメーターを用
い、膜が形成される部分よりもややガラス搬送上流側の
位置で測定した。
【0044】(実施例1)最上流側に位置する第1コー
タ16aから、ジメチルスズジクロライド(蒸気)、酸
素、窒素およびヘリウムからなる混合ガスを供給し、ガ
ラスリボン上に、膜厚35nmの酸化スズ膜(第1下地
膜)を成膜した。引き続いて、第2コータ16bから、
モノシラン、エチレン、酸素および窒素からなる混合ガ
スを供給し、酸化スズ膜上に、膜厚25nmの酸化シリコ
ン膜(第2下地膜)を成膜した。さらに、第3コータ1
6cから、ジメチルスズジクロライド(蒸気)3mol%、
酸素40mol%、水蒸気30mol%、窒素6mol%、ヘリウム
20mol%およびフッ化水素0.1〜1mol%からなる混合
ガスを供給し、膜厚850nmのSnO2/F膜(光入射側の透
明導電膜)を成形した。なお、第1コータ直前のガラス
リボンの温度は700℃であった。この透明導電膜表面
の凹凸形状を45,000倍で撮影したSEM写真を用
いて測定した。その結果を下記「表1」に示す。上記透
明導電膜上に、モノシランと水素を原料とするプラズマ
CVD法により、膜厚3,000nmのアモルファスシリ
コンからなる光電変換層を成形した。つぎに、噴射ノズ
ルからサンド砥粒を吹き付けるブラスト法により、光電
変換層表面に凹凸形状を形成した。その表面を45,0
00倍で撮影したSEM写真で観察したところ、光電変
換層表面は、平均凸部高さ/平均凸部幅が透明導電膜の
それより小さいこと、ならびに光電変換層の凸部高さは
透明導電膜の凸部高さより高いことが確認された。その
他の測定データを下記「表1」に併せて記載する。その
後、電子ビーム蒸着法により、膜厚300nmの銀層(裏
面電極)を成形し、光電変換装置を製造した。この光電
変換装置について、波長300〜1,200nmの反射率
スペクトルを分光光度計を用いて測定した。波長10nm
間隔で反射率を平均したところ、平均反射率は26%で
あった。
【0045】(実施例2〜5)光入射側の透明導電膜の
成形において、原料ガス中のジメチルスズジクロライド
(蒸気)を2〜4mol%の範囲で適宜変更し、その膜厚を
下記「表1」にした以外は実施例1と同様にして光電変
換装置を製造した。なお、裏面電極の電極界面における
平均凸部高さ/平均凸部幅の比は透明導電膜のそれより
小さいこと、ならびに裏面電極の電極界面における平均
凸部高さは透明導電膜のそれより高いことを確認した。
これらの測定結果を、下記「表1」に併せて示す。
【0046】(比較例1〜2)実施例1と同じ条件で製
造した光電変換層について、ブラスト法の条件設定を変
え、それ以外は実施例1と同様にして、光電変換装置を
製造した。この光電変換装置について、実施例1と同様
の手段で、その特性を測定した。その結果を、下記「表
1」に併せて示す。
【0047】
【表1】
【0048】上記実施例および比較例を対比することに
より、つぎのことが判る。実施例1〜5と比較例1およ
び2とを対比することにより、この発明の条件を充たす
電極界面であれば、裏面電極の反射率が確実に低下し、
光電変換装置の変換効率が向上することが判る。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、つぎの効果を奏する。この発明によれば、光入
射側の透明導電膜の電極界面の凹凸形状と裏面電極の電
極界面の凹凸形状との組み合わせを最適化して、裏面電
極の電極界面での長波長域の反射率を低下させることが
できる。また、光電変換効率を改善した光電変換装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光電変換素子の一形態の断面図であ
る。
【図2】オンラインCVD法に使用する装置の略図であ
る。
【符号の説明】
1(第1の)下地層 2(第2の)下地層 3 光入射側の透明導電膜 5 ガラス板 7 光電変換層 8 裏面電極 10 ガラスリボン 11 熔融炉 12 スズフロート槽 13 徐冷炉 16 コータ 17 ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 貴弘 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA03 AA04 AA05 AA09 AA10 BA11 FA02 FA13 FA15 FA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換層を挟んで対峙する導電膜の電
    極界面における凹凸形状に関し、 光入射側の透明導電膜の平均凸部高さ/平均凸部幅の比
    が裏面電極のそれよりも大きい光電変換装置。
  2. 【請求項2】 上記光入射側の透明導電膜の電極界面に
    おける凸部の平均高さは、裏面電極の電極界面の凸部の
    平均高さ以下である請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 上記光入射側の透明導電膜の電極界面に
    おいて、高さ50〜350nm、かつ、高さ/幅の比が
    0.25〜1.05である凸部が70%以上であり、 上記裏面電極の電極界面において、高さ100〜500
    nm、かつ、高さ/幅の比が0.5以下である凸部が60
    %以上である請求項1または2に記載の光電変換装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011108836A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Mitsubishi Electric Corp 薄膜太陽電池およびその製造方法
CN112186048A (zh) * 2019-07-05 2021-01-05 Agc株式会社 透明电极基板和太阳能电池

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JP2000261011A (ja) * 1999-03-05 2000-09-22 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シリコン系薄膜光電変換装置

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