JP4933957B2 - スポンジたわし - Google Patents

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Description

本発明は、食器、調理器具、洗面台、浴室、トイレなどの洗浄に用いられるスポンジたわしに関するものである。
食器洗いなどに使用されるスポンジたわしは、例えば、実開平7−9247号公報(特許文献1)に示されているように、スポンジ層に不織布層を積層した2層構造のものが多く、前記スポンジ層は殆どが軟質ウレタンスポンジからなるものである。
前記軟質ウレタンスポンジは空孔が多いため、水切れ性や泡立ち性は良好であるものの、洗浄力に劣るという問題を有している。
実開平7−9247号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、良好な水切れ性や泡立ち性に加え、洗浄力にも優れたスポンジたわしを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、スポンジ層と不織布層とが積層され、
前記スポンジ層は、表層のゴムラテックススポンジ層と、前記不織布層との間に介在させて中間層とする軟質ウレタンスポンジ層を備え、
前記ゴムラテックススポンジ層は、密度が60〜100kg/m、100%伸長時の引張り応力が20〜60kPaであることを特徴とするスポンジたわしを提供している。
前記スポンジ層における密度とは、スポンジの気泡部分を含む単位体積当たり(即ち、見かけ体積当たり)の重量の密度(所謂、泡密度)であって、スポンジの気泡率を表す値である。
前記のように、本発明のスポンジたわしは、スポンジ層と不織布層とを積層させると共に、前記スポンジ層を、表層のゴムラテックススポンジ層と、中間層の軟質ウレタンスポンジ層とから形成している。したがって、前記スポンジ層を形成する表層のゴムラテックススポンジ層が優れた洗浄力をスポンジたわしに付与し、中間層の軟質ウレタンスポンジ層がスポンジたわしの吸水量を増大させて泡立ち性を良くし、さらに水切り性も向上させることができる。
また、前記スポンジ層に積層される不織布層によって、スポンジ層では落ちにくい、鍋やフライパンなどの硬くてこびりついた汚れを洗浄することができる。
即ち、本発明のスポンジたわしは洗浄力、泡立ち性、水切り性のすべての点で優れているため、スポンジたわしの使用感を大幅に向上させることができる。
本発明においては、特に、前記ゴムラテックススポンジ層の密度(単位体積当たりの重量)を60〜100kg/mの範囲としている。この密度は、ゴムラテックススポンジ層の単位体積あたりの質量で定義され、その単位はkg/m(g/L)である。
前記ゴムラテックススポンジ層の密度を60〜100kg/mとしているのは、密度が60kg/m未満では洗浄力の向上が達成できない一方、密度が100kg/mを越えると密度が高すぎて泡立ちが不足し、そのため洗浄力も低下してしまうことに因る。
さらに、前記ゴムラテックススポンジ層は、前記密度の要件に加えて、100%伸長時の引張り応力を20〜60kPaの範囲としている。この100%伸長時の引張り応力は、JIS K 6400−5(2004)に従って同項に規定の2号型ダンベルを用いて測定され、40mm間隔の標線間を2倍に伸ばしたときの応力(kPa)で定義される。
100%伸長時の引張り応力を前記範囲としているのは、100%伸長時引張り応力が20kPa未満では、柔らかすぎて食器等の被洗浄物を擦る力が低下するため洗浄力が弱くなる一方、100%伸長時引張り応力が60kPaを越えると、食器等の被洗浄物との接触面積が不足することによって洗浄力が低下することに因る。
以下、表層を形成する前記ゴムラテックススポンジ層について詳述する。
前記ゴムラテックススポンジ層の基材であるゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックス、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)ラテックス、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)ラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、IIR(ブチルゴム)ラテックス、IR(イソプレンゴム)ラテックス、CR(クロロプレンゴム)ラテックス、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。ゴムラテックスは、官能基で変性されたものであってもよく、2種以上のゴムラテックスを混合したものであってもよい。
なかでも、柔軟性に富みかつ強度特性とのバランスに優れた天然ゴムラテックスを用いることが好ましい。天然ゴムラテックスは、ゴム樹液として得られるフィールドラテックスまたは高アンモニア保存ラテックスのいずれであってもよい。
天然ゴムラテックスは、単独で用いても良いし、SBRラテックスまたはNBRラテックス等の他のゴムラテックスと組み合わせて用いても良い。他のゴムラテックスと組み合わせる場合は、天然ゴムラテックス中のゴム成分が全ゴムラテックスのゴム成分に対して50質量%以上となるようにすることが好ましく、70質量%以上となるようにすることがより好ましい。
前記のようなゴムラテックスから前記ゴムラテックススポンジ層を作製する方法としては、一般にダンロップ法と呼ばれている作製方法が好ましい。具体的には、前記ゴムラテックスに架橋剤をはじめとする各種配合剤を添加した配合ラテックスを撹拌装置などで起泡させ、ここにゲル化剤を添加してスポンジの形態を固定し、加熱により架橋させ、ついで洗浄、乾燥させてスポンジを得る方法である。ただし、他の方法でスポンジ化したものであっても差し支えない。
ゴムラテックスから前記ゴムラテックススポンジ層を作製する方法について、以下に詳述する。
まず、前記ゴムラテックスに架橋剤をはじめとする各種配合剤を添加し、ゴムラテックススポンジ層の原料となる配合ラテックスを作製する。これらの配合剤の添加にあたって、非水溶性の液状配合剤は水中乳化し、非水溶性の固形粉末は水中分散体として、ゴムラテックスに添加し配合物とする。
前記配合剤としては本発明の目的に反しない限り当該技術分野における公知の配合剤を用いることができ、ゴムラテックススポンジ層の物性やゴムラテックスの種類等に応じて配合剤の種類および添加量を適宜選択することができる。
具体的に、配合剤としては、架橋剤、起泡剤、老化防止剤、充填剤、軟化剤、着色剤、気泡安定剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、防菌剤、付香剤等が挙げられる。
架橋剤としては、硫黄、有機過酸化物または樹脂架橋剤などが挙げられる。なかでも、本発明においては架橋剤として硫黄を用いることが好ましい。
硫黄による架橋、すなわち加硫の場合、コロイド状硫黄および微粉末硫黄のほか、二塩化硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドまたはジチオモルフォリンなどの硫黄化合物などを用いることができる。
有機過酸化物としては、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド、m−トルイルペルオキシドなどのアシルペルオキシド;t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブトキシペルオキシ)ヘキサンなどのアルキルペルオキシド;t−ブトキシペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノアート、t−ブトキシペルオキシベンゾアートなどのペルオキシエステル;1,1−ビス(t−ブトキシペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブトキシペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール;t−ブトキシペルオキシイソプロピルカルボナート、t−ブトキシペルオキシ−2−エチルヘキシルカルボナートなどのペルオキシカルボナートなどが挙げられる。
樹脂架橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。なかでも、フェノール樹脂を用いることが好ましく、フェノール樹脂としてはアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂およびアルキルフェノール・スルフィド樹脂等が挙げられる。
架橋剤として硫黄を用いる場合、加硫促進剤、加硫促進助剤または加硫遅延剤を配合することができる。本発明においては、硫黄とともに加硫促進剤および加硫促進助剤を配合することが好ましい。
加硫促進剤としては、チアゾール類、ジチオカルバミン酸類、スルフェンアミド類、チオウレア類、チウラム類、グアニジン類、アルデヒド−アニリン類、アミン類が挙げられる。より具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、テトラエチルチウラムモノスルフィド(TS)、ジエチルチオウレア、ヘキサメチレンテトラミン(H)、ブチルアルデヒドアニリン縮合物が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。
前記起泡剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ヒマシ油カリ石鹸、やし油カリ石鹸などの脂肪酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウムなどのサルコシン塩;やし油アルコール硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどの硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン界面活性剤などが挙げられる。
なかでも、起泡剤としては脂肪酸塩系のアニオン界面活性剤が好ましい。
前記アニオン界面活性を有する脂肪酸塩を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよく、また、直鎖状または分岐状のいずれであってもよい。さらに、脂肪酸の種類は1種に限定されず、2種以上の脂肪酸を混合したものであってもよい。脂肪酸の炭素数は14〜22であることが好ましく、具体的にはミリスチン酸(C=14)、パルミチン酸(C=16)、ステアリン酸(C=18)、アラキン酸(C=20)もしくはベヘン酸(C=22)等の飽和脂肪酸;オレイン酸(C=18)、エライジン酸(C=18)、リシノール酸(C=18)、リノール酸(C=18)、リノレン酸(C=18)、アラキドン酸(C=20)、セトレイン酸(C=22)、エルカ酸(C=22)もしくはブラシジン酸(C=22)等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
これらの脂肪酸塩のうちで、オレイン酸塩およびリシノール酸塩を用いるのが特に好ましい。
なお、前記炭素数が14〜22の脂肪酸塩系アニオン界面活性剤に加えて、さらに炭素数が13以下の脂肪酸塩系アニオン界面活性剤を併用してもよい。特に炭素数が12のラウリン酸塩はラテックスの安定性を向上させる効果が特に優れているため、炭素数が14〜22のものと併用することでラテックスの機械的安定性とゲル化性とのバランスをより一層向上させることができる。
前記老化防止剤としては、N−フェニル−N’−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジアミンなどのジフェニルアミン系化合物;芳香族アミンと脂肪族ケトンの縮合物;2−メルカプトベンゾイミダゾールやその亜鉛塩などのイミダゾール系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)もしくは2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)などのフェノール系化合物などが挙げられる。なかでも、老化防止剤としてはフェノール系化合物を用いることが好ましく、ビスフェノール系化合物を用いることがより好ましい。
前記充填剤としては、例えば酸化チタン、カオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
前記軟化剤としては、例えば炭化水素系プロセス油もしくは流動パラフィンのなどの炭化水素油;植物油および動物油、ならびにそれらを脱水または水素化して得られる脂肪酸エステル油などの生物起源脂肪酸エステル油(例えば脱水ひまし油など);アジペート系可塑剤もしくはフタレート系可塑剤などの可塑剤などが挙げられる。
ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対する軟化剤の配合量は、ゴムラテックススポンジ層に適度な柔軟性を与えるため、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上、特に好ましくは1.0質量部以上であり、軟化剤がブリードして周辺を汚染することを防ぐため、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。
前記気泡安定剤としては、ポリアミン等のアミノ化合物やアミンオキサイドが挙げられる。これらのうちで好適なものを例示すると、ジフェニルグアニジン、トリエチルトリメチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、n−ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
また、塩化エチルなどの塩化アルキルをホルムアルデヒドおよびアンモニアと反応させて得られる、塩化アルキル・ホルムアルデヒド・アンモニア反応生成物も気泡安定剤として使用できる。この反応生成物のアルキルの炭素数は4以下が好ましい。このような反応生成物として、例えば、エチルクロリド・ホルムアルデヒド・アンモニア反応生成物が挙げられる。
さらに、アルキル第四級アンモニウムクロリド、アルキルアリールスルホン酸塩および高級脂肪酸アンモニウムなども気泡安定剤として使用できる。前記化合物におけるアルキルの炭素数も4以下が好ましい。
気泡安定剤の配合量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
前記工程で得られた配合ラテックスをフォーミングマシーンやミキサーなどの撹拌装置で起泡させる。配合ラテックスに含まれる成分は全てを一度に撹拌してもよいし、一部を予め撹拌したのち残りの成分を添加して撹拌してもよい。
配合ラテックスを起泡させるための撹拌時間および撹拌速度は、本発明で規定する特定範囲の密度と100%伸長時の引張り応力を満たすよう適宜選択する。通常、撹拌時間を長くしたり、撹拌速度を上げたりすることにより、密度および100%伸長時の引張り応力は小さくなる傾向がある。
ここにゲル化剤を添加し、充分に混合させて気泡状態にさせると共にゲル化させ、ゲル状物を得る。ゲル化剤を混合し発泡したラテックス組成物をゲル化させるには化学的に行う方法と熱的に行う方法があるが、本発明はいずれの方法を用いてもよい。
前記ゲル化剤としては、金属酸化物、無機塩類、酸、有機酸の塩類などが挙げられる。より具体的には、例えばケイフッ化ナトリウム(珪弗化ソーダ)、ケイフッ化カリウムもしくはケイフッ化カルシウムなどのヘキサフルオロケイ酸塩;シクロヘキシルアミンの酢酸塩もしくはスルファミン酸塩などのシクロヘキシルアミン塩;硫酸アルミニウム;酢酸アンモニウム等が挙げられる。これらは通常水に分散または溶解された液状物の状態で使用される。
なかでも、ゲル化剤としては前記のヘキサフルオロケイ酸塩、特にケイフッ化ナトリウムが、ゲル化開始時間等の反応制御が容易であることから好適に使用される。
ゲル化剤とともにゲル化調整剤を併用することができる。ゲル化調整剤としてはアルキルアミン類、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤などが挙げられる。
また、前記した配合剤を前工程においてゴムラテックスに配合せず、本工程においてゲル化剤とともに添加することとしてもよい。
この後、前記ゲル状物を流延、注型または押出し成形などの方法によって所望の形状に加工し、ついで架橋剤の種類に応じて50〜200℃に加熱して充分に架橋反応を進行させる。ここでの加熱方法は前記ゲル状物を架橋させ得るものであれば特に制限されない。
ついで、得られたスポンジを洗浄する。洗浄は通常の天然ゴムラテックススポンジの洗浄工程に従ってよい。具体的には、洗浄液にスポンジを浸漬し、スポンジ内部の気泡の空気を洗浄液と置換し、液を行き渡らせる。その後、スポンジは浸漬静置してもよく、洗濯機等を使用し機械的に撹拌してスポンジ内部の液を入れ替えてもよい。また遠心脱水機にて重力をかけつつ液を通流してもよい。
洗浄液としては通常水が使用されるが、洗浄液には界面活性剤、ビルダー、水溶性樹脂、膨潤剤、金属イオン封止剤、柔軟仕上げ剤、親水化処理剤、蛍光漂白剤、帯電防止剤、pH調整剤、アルコールなどを配合することができ、洗浄効果を高めたりスポンジの仕上げ処理と兼ねることもできる。
洗浄を行ったスポンジは濯ぎ、乾燥を行い、必要に応じて裁断などをして、本発明におけるゴムラテックススポンジ層となる。また、加熱処理、リーチング処理や酸化漂白処理等の後処理を行うこともできる。
このようにして得られるゴムラテックススポンジ層は、独立気泡、連続気泡またはその両方を有していてよいが、連続気泡を有していることが好ましい。
次に、中間層を形成する前記軟質ウレタンスポンジ層について説明する。
ウレタンスポンジはポリオールとポリイソシアネートとを主成分とし、水などの発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し、樹脂化させながら発泡させることにより作製されるものである。なかでも、気泡が連通し柔軟で復元性のあるものを軟質ウレタンスポンジといい、軟質ウレタンスポンジは、使用するポリオールの種類によってポリエーテルスポンジとポリエステルスポンジとに分類することができる。本発明において、軟質ウレタンスポンジ層を作製するために使用されるポリオールの種類としては、ポリエーテル系、ポリエステル系のいずれでもよく、また、使用されるポリイソシアネートも、トリレンジイソシアネート(TDL)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のような芳香族黄変タイプ、あるいは無黄変タイプのいずれでもよい。
前記軟質ウレタンスポンジ層の密度は特に限定はされないが、水切り性、泡立ち性の観点から40kg/m以下であることが好ましい。
また、前記軟質ウレタンスポンジ層の100%伸長時の引張り応力も特に限定はされないが、200kPa以下であることが好ましい。軟質ウレタンスポンジ層の100%伸長時の引張り応力が200kPaを越えると硬すぎて使用感が損なわれることによる。
また、前記ゴムラテックススポンジ層と前記軟質ウレタンスポンジ層とからなる前記スポンジ層全体の厚みは15〜35mmであり、前記ゴムラテックススポンジ層と前記軟質ウレタンスポンジ層の厚み比率(前記ゴムラテックススポンジ層の厚み)/(前記軟質ウレタンスポンジ層の厚み)が1/7〜3/1であることが好ましい。
前記スポンジ層全体の厚みを15〜35mmとするのが好ましいのは、厚みが35mmを越えるとスポンジたわし使用時にふにゃふにゃして力が入りにくくなる一方、厚みが15mm未満であると薄すぎて持ちにくくなり、いずれの場合も使用感の低下を招きやすくことに因る。
また、前記ゴムラテックススポンジ層と前記軟質ウレタンスポンジ層の厚み比率(前記ゴムラテックススポンジ層の厚み)/(前記軟質ウレタンスポンジ層の厚み)が1/7〜3/1であることが好ましいのは、前記厚み比率が1/7未満であると、ゴムラテックススポンジ層が薄いため、ゴムラテックススポンジ層に浸透した接着剤が前記ゴムラテックススポンジ層を硬化させ洗浄力を低下させるおそれがある一方、前記厚み比率が3/1を超えると、軟質ウレタンスポンジ層が薄いため、前記軟質ウレタンスポンジ層による泡立ちや水切れ効果が発揮されにくくなることに因る。
前記スポンジ層に積層される不織布層としては、通常のスポンジたわしに使用されるものを用いることができ、不織布層の厚みとしては、5〜20mm程度が好ましい。
本発明のスポンジたわしは、例えば、前記のようにして得られるゴムラテックススポンジ層および軟質ウレタンスポンジ層を必要に応じて所定の厚みに裁断し、接着剤を介して前記ゴムラテックススポンジ層を軟質ウレタンスポンジ層の一側面に接合してスポンジ層を形成し、さらに前記軟質ウレタンスポンジ層の他側面に、前記不織布層を接着剤を介して接合し、最後に所定形状に打ち抜き加工して成形することにより得ることができる。
前述したように、本発明によれば、スポンジ層と不織布層とを積層させると共に、前記スポンジ層を、表層のゴムラテックススポンジ層と、前記不織布層との間に介在させて中間層とする軟質ウレタンスポンジ層とから形成しているため、前記スポンジ層を形成する表層のゴムラテックススポンジ層が優れた洗浄力をスポンジたわしに付与し、中間層の軟質ウレタンスポンジ層がスポンジたわしの吸水量を増大させて泡立ち性を良くし、さらに水切り性も向上させることができる。即ち、洗浄力、泡立ち性、水切れ性のすべてにおいて優れているため、スポンジたわしの使用感を著しく向上させることができる。
特に、前記のように、ゴムラテックススポンジ層の密度を60〜100kg/mとすると共に、ゴムラテックススポンジ層の100%伸長時の引張り応力を20〜60kPaとすることにより、スポンジたわしの洗浄力を大幅に向上させることができる。
以下、本発明のスポンジたわしの実施形態を図1を参照して説明する。
本発明のスポンジたわし10は、スポンジ層11と不織布層14とを積層したものである。また、スポンジ層11を、表層のゴムラテックススポンジ層12と、不織布層14との間に介在させて中間層とする軟質ウレタンスポンジ層13とから形成し、ゴムラテックススポンジ層12を軟質ウレタンスポンジ層13の一側面に接合していると共に、不織布層14を軟質ウレタンスポンジ層13の他側面に接合している。各層の接合方法としては、接着剤を介して接合する方法が主流であるが、熱溶着によって接合してもよい。接着剤の種類は接合する材質等を鑑み適宜選択することができるが、例えば、不織布層14がナイロン製の場合には、ウレタン系接着剤を用いて各層を接合することが好ましい。
なお、本実施形態のスポンジたわし10は、図1に示すように平面視で長円形状としているが、形状は限定されず直方体形状等でもよい。
スポンジたわし10の表層を形成するゴムラテックススポンジ層12について詳述する。
本発明においては、ゴムラテックススポンジ層12の密度を60〜100kg/mとし、好ましくは65〜95kg/mとしている。
また、ゴムラテックススポンジ層12の100%伸長時の引張り応力を20〜60kPaとし、好ましくは25〜55kPa、更に好ましくは30〜50kPaとしている。
ゴムラテックススポンジ層12は、天然ゴムラテックス、または天然ゴムラテックスおよびSBRラテックスの混合物から構成されている。
天然ゴムラテックスとしては高アンモニア保存天然ゴムラテックスを用いることが好ましい。
天然ゴムラテックスおよびSBRラテックスの混合物を用いる場合、天然ゴムラテックス中のゴム成分が全ゴムラテックスのゴム成分に対して70質量%以上95質量%以下となるようにすることが好ましい。
ゴムラテックススポンジ層12は、例えば以下の方法で製造される。
まず、前記ゴムラテックスに加硫剤、加硫促進剤などの加硫系配合剤、起泡剤、老化防止剤、必要に応じて少量の充填剤および顔料などを添加し、混合することにより、ゴムラテックススポンジ層12の原料となる配合ラテックスを作製する。
加硫剤としてはコロイド状硫黄を用いる。加硫剤の添加量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部とすることが好ましく、0.5〜3質量部とすることがより好ましい。
加硫促進剤としてはジチオカルバミン酸類が好ましく、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛がより好ましい。加硫促進剤の添加量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部とすることが好ましく、0.2〜3質量部とすることがより好ましい。
起泡剤としては脂肪酸塩系のアニオン界面活性剤が好ましく、リシノール酸(C=18)を主成分とするヒマシ油カリ石鹸を用いることがより好ましい。起泡剤の配合量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
老化防止剤としては非汚染性のフェノール類が好ましく、ビスフェノール類がより好ましい。老化防止剤の配合量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
充填剤としては酸化チタンが好ましい。充填剤の配合量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して20質量部以下とすることが好ましく、0.5〜10質量部とすることがより好ましい。
前記のような組成の配合ラテックスを撹拌装置で起泡させる。
前記撹拌装置は公知のものを用いてよい。例えば、下端に撹拌子(ホイッパー)を有する1または2以上の軸を撹拌用容器(ボール)に垂下させた撹拌装置が挙げられる。なかでも、撹拌用容器と撹拌子が対向回転する撹拌装置や、撹拌子が撹拌用容器内で公転すると同時に撹拌子取付軸が反対方向に自転する撹拌装置を用いれば、撹拌効率をより向上させることができるため好ましい。撹拌装置における撹拌子は空気を混合させ易いためワイヤー形状のものを用いることが好ましい。撹拌子におけるワイヤーの数は特に限定されないが、好ましくは2〜20本、より好ましくは6〜16本である。
撹拌時間は、配合ラテックスの組成、撹拌装置の構造または撹拌速度により異なるので一概には言えないが、例えば0.5〜5分、好ましくは1〜3分である。
配合ラテックスに含まれる成分は全てを一度に撹拌してもよいし、一部を予め撹拌したのち残りの成分を添加して撹拌してもよい。特に、加硫促進助剤の亜鉛華や気泡安定剤は後から添加する方が好ましい場合がある。
後から添加されうる気泡安定剤としてはアミン化合物が好ましく、ジフェニルグアニジン、トリエチレンテトラミンがより好ましい。気泡安定剤の添加量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部とすることが好ましく、0.2〜3質量部とすることがより好ましい。
加硫促進助剤としては亜鉛華が好ましい。加硫促進助剤の添加量は、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜10質量部とすることがより好ましく、1〜5質量部とすることがさらに好ましい。
ついで、ゲル化剤を添加し、充分に混合させて気泡状態にさせると共にゲル化させ、ゲル状物を得る。
ゲル化剤としては、ケイフッ化ナトリウム(珪弗化ソーダ)、ケイフッ化カリウムもしくはケイフッ化カルシウムなどのヘキサフルオロケイ酸塩が好ましく、ケイフッ化ナトリウムがより好ましい。
ゲル化剤の配合量としては、ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
ゲル化時間は4〜40分であることが好ましく、6〜20分であることがより好ましい。「ゲル化時間」とは、ゲル化剤の配合直後からラテックスがゲル化して流動性を失うまでの時間をいう。
前述のゲル化時間が前記範囲を下回ると、凝固に至るまでの時間が速くなりすぎるために型に充填する前にラテックスが凝固してしまうなどの問題が生じるおそれがある。
一方、ゲル化時間が前記範囲を超えるときは、凝固の進行が遅すぎるかあるいは凝固が進行しなくなってしまうために、生成させた泡を維持することができず凝固させるまでに潰れてしまうために、所望の微細なスポンジ構造を得ることができないか、あるいは製品そのものを成形することができなくなるおそれがある。
得られたゲル状物を注型によって所望の形状に成形し、加熱加硫を行う。
加硫温度は架橋剤の種類に応じて適宜選択することができるが、50〜200℃で行うことが好ましく、80〜160℃で行うことがより好ましい。
加硫時間も架橋剤の種類および加硫温度に応じて適宜選択することができるが、5〜120分で行うことが好ましい。
加硫の方法としては、蒸気、マイクロウエーブまたはラジオ波を用いる方法が挙げられる。加硫温度と時間は、およそ100℃の蒸気を用いて30〜90分間かけて加硫するのが特に好ましい。
得られた加硫済みスポンジは洗浄したのち、濯ぎ、乾燥を行い、所望の厚みに裁断されて、本発明のスポンジたわし10の表層を形成するゴムラテックススポンジ層12に仕上げられる。乾燥はスポンジの劣化を招かない温度で行う。具体的には乾燥温度は30〜90℃であることが好ましく、50〜80℃であることがより好ましい。乾燥時間は10分〜10時間であることが好ましく、1〜8時間がより好ましく、2〜6時間がさらに好ましい。
裁断後または裁断前に後処理をしてもよい。特に後処理として後加硫を施すことが好ましい。後加硫の方法はゴムラテックススポンジ層12のゴム成分を加硫できる方法であれば特に限定されないが、100〜120℃の熱空気を用いて1〜2時間かけて加熱加硫する方法が好適である。この加熱処理は熱風オーブンや加硫缶など公知の装置を用いて容易に行うことができる。
次に、中間層を形成する軟質ウレタンスポンジ層13について詳述する。
軟質ウレタンスポンジ層13は、ポリオールとポリイソシアネートとを主成分とし、水などの発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し、樹脂化させながら発泡させたものである。
前記ポリオールとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールのいずれを用いてもよく、ポリエーテルポリオールとしては、プロピレングリコールおよびそのグリセリンアダクト体が好ましく、ポリエステルポリオールとしては、ジエチレングリコールとアジピン酸の縮合体が好ましい。
また、前記ポリイソシアネートとしては、トリレジンイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、それらの誘導体が好ましい。
軟質ウレタンスポンジ層13は、スラブ品またはモールド品の形で製造することができる。スラブ品は、連続コンベア上に混合原液を流し、通常、幅1〜2m、高さ0.3〜1mの断面矩形状あるいはかまぼこ形状に連続発泡させた後、1〜2mの所定長さに裁断して得られるものであり、モールド品は、所定寸法のプラスチック製または金属製の型に混合原液を注入して連続発泡させた後、前記型から取り出すことにより得られるものである。本発明においては、安定した品質の軟質ウレタンスポンジ層13を安価に大量生産することができるスラブ品の形で製造することが好ましい。
また、ポリエーテルの組成やポリイソシアネートとの比率、発泡倍率を変化させることなどにより、種々の特性を有する軟質ウレタンスポンジを容易に製造することができるが、本発明においては、軟質ウレタンスポンジ層13の密度を40kg/m以下とし、好ましくは、20〜35kg/mとしている。
さらに、軟質ウレタンスポンジ層13の100%伸長時の引張り応力を200kPa以下とし、好ましくは60〜120kPaとしている。
本発明のスポンジたわし10では、ゴムラテックススポンジ層11と軟質ウレタンスポンジ層13とからなるスポンジ層11全体の厚みを15〜35mmとし、好ましくは、20〜30mmとしている。
また、スポンジ層11を形成するゴムラテックススポンジ層12と軟質ウレタンスポンジ層13の厚み比率(ゴムラテックススポンジ層12の厚み)/(軟質ウレタンスポンジ層13の厚み)を1/7〜3/1とし、好ましくは、1/5〜1/2としている。
次に、スポンジたわし10のスポンジ層11に積層する不織布層14について詳述する。
不織布層14としては、天然繊維または合成繊維、およびその混合物を含め様々な繊維を基材とする不織布を用いることができる。天然繊維としては、綿、ウール、ジュートまたは麻などが挙げられ、合成繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、アクリル、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマーまたは塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。
また、不織布層14の形態も特に限定されず、公知の方法で製造されるものを用いてよい。例えば、湿式不織布、乾式不織布(ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布)、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などいずれの形態を有していてもよい。
また、不織層14は研磨剤粒子を含んでいてもよい。研磨剤粒子としては、二酸化チタン、タルク、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、ガラスビーズもしくは天然シラス等の無機粉末、またはポリプロピレン、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンもしくはポリ塩化ビニルなどの合成有機材料の粉末を樹脂により粒状に固めたもの等が挙げられる。
本発明のスポンジたわし10では、不織布層14の厚みを5〜20mmとし、好ましくは、6〜15mmとしている。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す4種類のゴムラテックス(配合A〜配合D)を調整し、得られたゴムラテックスを用いて下記方法により表層を形成するゴムラテックススポンジ層を作製した。なお、表1中の数値は質量部を表し、括弧内の数値は有効成分量(質量部)を表す。
Figure 0004933957
実施例および比較例で使用した各種成分は次のとおりである。
・天然ゴムラテックス;高アンモニア保存天然ゴムラテックス
・SBRラテックス ;日本ゼオン(株)製「Nipol C−4850A」
・ハイスチレンブタジエンラテックス;日本ゼオン(株)製「Nipol 2507H」
・起泡剤;ヒマシ油カリ石けん(花王(株)製「FR−25」)
・加硫剤;硫黄
・加硫促進剤;ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーEZ」)
・老化防止剤;2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)((株)エーピーアイコーポレーション製「ヨシノックス2246G」)
(実施例1〜6、比較例1〜4)
17℃に保った表1に記載の組成の配合ラテックス500gを、容量約8Lのボールを有するクリームホイップミキサー(ハクラ精機(株)製「業務用卓上ミキサー クリーマーC−30S」)に入れて泡立てた。ここで、求めるゴムラテックススポンジ層の密度および100%伸長時引張り応力に応じて撹拌時間および撹拌速度(具体的にはワイヤーホイッパーおよびボールの回転数)を変え、泡立て後のラテックス容積を調整した。
実施例および比較例における撹拌時間および撹拌速度を下記表2に示す。
Figure 0004933957
次に、亜鉛華/ジフェニルグアニジン=3/1の分散体(有効成分40%)をラッテクス中のゴム成分100質量部に対して10質量部(有効成分として亜鉛華を3質量部、ジフェニルグアニジンを1質量部含有)添加し、1分間撹拌混合した。
最後に、珪弗化ソーダの分散体(有効成分30%)を、ラッテクス中のゴム成分100質量部に対し、配合Aでは4.0質量部(有効成分量1.2質量部)、配合Bでは6.0質量部(有効成分量1.8質量部)、配合Cでは4.0質量部(有効成分量1.2質量部)、配合Dでは8.0質量部(有効成分量2.4質量部)添加し、1.5分間混合した。
泡立てたラテックス組成物を内寸250mm(縦)×170mm(横)×80mm(高さ)のステンレス製バットにほぼ満杯まで注型した。
室温で保管し、ゲル化が始まってから30分後に100℃の蒸気中に入れて60分間加熱加硫した。
得られたスポンジを水洗した後よく絞り、室温で3日間保管後、表2に示す各種厚みおよび厚み12mmのシートにスライスし、70℃で5時間乾燥後、さらに120℃の熱風オーブン中で1時間後加硫を行った。
このようにして得られた厚み12mmのゴムラテックススポンジシートは、密度および100%伸長時引張り応力の測定のために用いた。
一方、その他の厚みのゴムラテックススポンジシートは、スポンジ層のゴムラテックススポンジ層として用いた。
一方、中間層を形成する軟質ウレタンスポンジ層は、ポリエーテルポリオール系の連続発泡ウレタンスポンジブロック(A)(イノアック製)から、表2に示す各種厚みのシートにスライスし、これをスポンジ層の軟質ウレタンスポンジ層とした。
前記のように作製したゴムラテックススポンジ層を軟質ウレタンスポンジ層の一側面に、ウレタン系接着剤(トーヨーポリマー(株)製「ポリネート955H」)を用いて接合し、スポンジ層とした。続いて、前記軟質ウレタンスポンジ層の他側面に、アルミナ研磨剤粒子入りナイロン不織布(金井重要工業(株)製)からなる厚さ8mmの不織布層をウレタン系接着剤(トーヨーポリマー(株)製「ポリネート955H」)を用いて接合した。接合は、両接着面に前記接着剤をスプレー塗装したのち貼り合わせ、圧着することにより行った。
このようにして得られた不織布層貼り合せスポンジをカットダイプレスによって70mm×100mmの形状に打ち抜き、実施例1〜6、比較例1〜4のスポンジたわしをそれぞれ得た。
(比較例5)
比較例5では、表2に示すように、軟質ウレタンスポンジ層は設けず、ゴムラテックススポンジ層のみからスポンジ層を形成し、該スポンジ層の一側面に、実施例1〜6、比較例1〜4と同様の不織布層を接合し、この不織布層貼り合せスポンジをカットダイプレスによって70mm×100mmの形状に打ち抜くことにより、比較例5のスポンジたわしを得た。
(比較例6、7)
比較例6、7では、表2に示すように、ゴムラテックススポンジ層は設けず、軟質ウレタンスポンジ層のみからスポンジ層を形成し、該スポンジ層の一側面に、実施例1〜6、比較例1〜5と同様の不織布層を接合し、この不織布層貼り合せスポンジをカットダイプレスによって70mm×100mmの形状に打ち抜くことにより、比較例6、7のスポンジたわしを得た。
なお、比較例7では、前記ポリエーテルポリオール系の連続発泡ウレタンスポンジブロック(A)(イノアック製)と密度および100%伸長時引張り応力の異なるポリエーテルポリオール系の連続発泡ウレタンスポンジブロック(B)(イノアック製)から、厚み25mmのシートをスライスしたものを軟質ウレタンスポンジ層とした。
また、前記連続発泡ウレタンスポンジブロック(A)、(B)の各ブロックから厚み12mmのシートを別途作製し、これらを密度および100%伸長時引張応力の測定に用いた。
なお、表2の「(中間層)軟質ウレタンスポンジ層」の「種類」の欄の「(A)」、「(B)」は、「ポリエーテルポリオール系の連続発泡ウレタンスポンジブロック(A)(イノアック製)」、「ポリエーテルポリオール系の連続発泡ウレタンスポンジブロック(B)(イノアック製)」をそれぞれ意味している。
実施例1〜6、比較例1〜7のスポンジたわしについて、ゴムラテックススポンジ層、軟質ウレタンスポンジ層の密度および100%伸長時引張り応力を測定し、モニター使用テストで評価を行った。この結果を表3に示す。
Figure 0004933957
表3に記載の物性・評価は次のように行った。
(密度)
スポンジの質量を測定し、測定値をスポンジの体積で除して、密度(kg/m)を求めた。
(100%伸長時引張り応力)
JIS K 6400−5(2004)に従って同項に規定の2号型ダンベルを用いて測定され、具体的には40mm間隔の標線間を2倍に伸ばしたときの応力(kPa)を測定した。
(モニター使用テスト)
実施例1〜6、比較例1〜7の13種類のスポンジたわし各10個ずつ、総数130個を、65名のモニターに2個ずつ1ヶ月かけて使用してもらい、その後アンケート調査をした。
表3から明らかなように、実施例1〜6のスポンジたわしは、洗浄力が大変優れているだけでなく、水切れ性、泡立ち性も良好でバランスがとれた性能を発揮しており、その結果、全体の使用感も大幅に向上している。
一方、スポンジ層がゴムラテックス層のみからなる比較例5のスポンジたわしは、洗浄力は優れているが、水切れ性、泡立ち性が不十分である。
また、スポンジ層が軟質ウレタンスポンジ層のみからなる比較例6、7のスポンジたわしは、水切り性、泡立ち性は良好であるが、洗浄力において劣っている。
さらに、ゴムラテックススポンジ層の密度が本発明で規定している60〜100kg/mの範囲外である比較例1および2、ゴムラテックススポンジ層の100%伸長時引張り応力が本発明で規定している20〜60kPaの範囲外である比較例3および4のスポンジたわしは、洗浄力、水切れ性、泡立ち性のいずれにおいても不十分である。
本発明のスポンジたわしを示す概略斜視図である。
符号の説明
10 スポンジたわし
11 スポンジ層
12 ゴムラテックススポンジ層
13 軟質ウレタンスポンジ層
14 不織布層

Claims (4)

  1. スポンジ層と不織布層とが積層され、
    前記スポンジ層は、表層のゴムラテックススポンジ層と、前記不織布層との間に介在させて中間層とする軟質ウレタンスポンジ層を備え、
    前記ゴムラテックススポンジ層は、密度が60〜100kg/m、100%伸長時の引張り応力が20〜60kPaであることを特徴とするスポンジたわし。
  2. 前記ゴムラテックススポンジ層が天然ゴムラテックスを含む組成物からなる請求項1に記載のスポンジたわし。
  3. 前記ゴムラテックススポンジ層と前記軟質ウレタンスポンジ層とからなる前記スポンジ層全体の厚みが15〜35mmであり、前記ゴムラテックススポンジ層と前記軟質ウレタンスポンジ層の厚み比率(前記ゴムラテックススポンジ層の厚み)/(前記軟質ウレタンスポンジ層の厚み)が1/7〜3/1である請求項1または請求項2に記載のスポンジたわし。
  4. 前記軟質ウレタンスポンジ層の密度が40kg/m以下であり、100%伸長時の引張り応力が200kPa以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスポンジたわし。
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