JP4933388B2 - 複数の実装基板を有する集合基板 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の実装基板を有する集合基板に関し、特に、半導体素子と、半導体素子に対する入力端子、中継端子及び出力端子の各端子と、を各々実装する複数の実装基板を備えた集合基板に関するものである。
近年、モータやコンプレッサ等の電動装置に要求される動作は高度化しており、これに伴い、インバータ装置を介して電動装置を駆動する構成が提案されている。かかる構成においては、インバータ装置は、トランジスタ等の半導体素子や半導体素子の動作を制御するコントローラに加えて、半導体素子に対する入出力端子や、半導体素子とコントローラとを連絡する中継端子を有する。
かかる構成においては、入出力端子等は、装置構成をコンパクト等にするため、単一の樹脂ケースに一体成形的に取り付けられている(特許文献1及び2参照)。
具体的には、特許文献1においては、インバータ素子及び圧縮機モータの間を接続する大型端子や、インバータ素子へのスイッチング指令信号を送るための小信号系端子は、アルミ基板を囲うように設けられた樹脂製の単一のモジュールケースに一体成形的に取り付けられている。
また、特許文献2においては、半導体チップに対する外部接続用主回路端子であるP端子、N端子及び交流端子、並びに半導体チップに対する制御端子は、絶縁基板を囲うように設けられた単一の樹脂ケースに一体成形的に取り付けられている。
特開2002−291261号公報 特開2003−133515号公報
しかしながら、特許文献1で提案される構成では、インバータ素子に対する大型端子や小信号系端子は、樹脂製の単一のモジュールケースに一体成形的取り付けられてはいるが、あくまでも樹脂製の単一のモジュールケースに各端子を取り付けた実装基板を1個毎に完成させることを前提としたものであって、かかる各端子を実装した状態の実装基板を同時に複数個製造する構成は何等提案されてはいない。つまり、特許文献1で提案される構成では、一度に複数の実装基板を製造することができないので、生産効率上は改良の余地がある。また、かかる事情は、特許文献2において提案されるような、各端子が、絶縁基板を囲うように設けられた単一の樹脂ケースに一体成形的に取り付けられた構成においても同様である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、半導体素子と、半導体素子に対する入力端子、中継端子及び出力端子の各端子と、を各々実装する複数の実装基板を備えた集合基板において、簡便な構成で、組付工数を削減し、生産性を向上できる構造を提供することを目的とする。
以上の目的を達成すべく、本発明は、半導体素子と、前記半導体素子に対する入力端子、中継端子及び出力端子の各端子と、を各々実装する複数の実装基板を備えた集合基板において、前記集合基板は、前記複数の実装基板が並置されるように連結された一体的な構成を有し、前記複数の実装基板のうちの一方に実装される前記出力端子と、前記複数の実装基板のうちの他方に実装される前記出力端子とは、互い違いになるように配置されることを第1の特徴とする。
また本発明は、かかる第1の特徴に加えて、前記互い違いになるように配置された前記出力端子は、前記出力端子間を結合する結合部を有することを第2の特徴とする。
また本発明は、かかる第1又は2の特徴に加えて、前記複数の実装基板のうちの前記他方に実装される前記中継端子は、前記複数の実装基板のうちの前記一方に実装される前記出力端子の姿勢を固定するための第1の姿勢固定部を有することを第3の特徴とする。
また本発明は、かかる第3の特徴に加えて、前記第1の姿勢固定部は、前記中継端子に設けられて前記出力端子のバスバーを保持する板状部を有することを第4の特徴とする。
また本発明は、かかる第1から第4のいずれかの特徴に加えて、前記出力端子は、前記出力端子の姿勢を固定するため第2の姿勢固定部を有することを第5の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、集合基板は、複数の実装基板が並置されるように連結された一体的な構成を有し、複数の実装基板のうちの一方に実装される出力端子と、複数の実装基板のうちの他方に実装される出力端子とは、互い違いになるように配置されることにより、半導体素子及び各端子を備えた複数の実装基板を同時に生産ラインに流すことが可能となり、簡便な構成でもって、生産性を向上することができる。
本発明の第2の特徴によれば、互い違いになるように配置された出力端子は、出力端子間を結合する結合部を有することにより、複数の実装基板のうちの一方に実装される出力端子と、複数の実装基板のうちの他方に実装される出力端子とを、同時に対応する実装基板に各々実装でき、出力端子の実装が効率化され得て、かつ実装基板の分割時に結合部は切り離し可能であり、より生産性を向上することができる。
本発明の第3の特徴によれば、複数の実装基板のうちの他方に実装される中継端子は、複数の実装基板のうちの一方に実装される出力端子の姿勢を固定するための第1の姿勢固定部を有することにより、実装時の出力端子の倒れを確実に防止できる。
本発明の第4の特徴によれば、第1の姿勢固定部は、中継端子に設けられて出力端子のバスバーを保持する板状部を有することにより、実装時の出力端子におけるバスバーの倒れや変形を確実に防止できると共に、実装時の出力端子の倒れも確実に防止できる。
本発明の第5の特徴によれば、出力端子は、出力端子の姿勢を固定するため第2の姿勢固定部を有することにより、実装時の出力端子の倒れを確実に防止できる。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における複数の実装基板を有する集合基板につき詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系をなす。
まず、本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の全体構成につき、図1〜4を参照して、詳細に説明する。
図1は、本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の斜視図であり、各実装基板に半導体素子、入力端子、中継端子及び出力端子が実装された状態を示す図である。また、図2は、本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の上面図であり、図1をz軸の負方向に見た図である。また、図3は、図2のA−A線による拡大断面図であり、図4は、図2における出力端子間の結合部を示す部分拡大図である。なお、図1、3及び4では、便宜上、半導体素子の図示は、省略している。
図1〜4に示すように、本実施形態における集合基板10は、実装基板12a、12b、12c及び12dを備え、実装基板12aのy軸の負方向には実装基板12bが一体的に連結されて隣接し、実装基板12bのx軸の負方向には実装基板12cが一体的に連結されて隣接し、実装基板12cのy軸の正方向には実装基板12dが一体的に連結されて隣接し、かつ実装基板12aと実装基板12dとは、一体的に連結されてx軸方向で隣接する。
実装基板12a、12b、12c及び12dは、各々絶縁基板14を備える。ここに、実装基板12aと12bとは、各々の絶縁基板14を連結する結合部14aで連結されて一体化され、実装基板12bと12cとは、各々の絶縁基板14を連結する結合部14bで連結されて一体化され、実装基板12cと12dとは、各々の絶縁基板14を連結する結合部14cで連結されて一体化され、実装基板12dと12aとは、各々の絶縁基板14を連結する結合部14dで連結されて一体化され、結果的に、実装基板12a、12b、12c及び12dは、一体的に連結されることになる。
かかる絶縁基板14は、図示は省略するが、アルミ等の金属層上に樹脂製の絶縁層が形成された2層構造を有する。より詳細には、絶縁基板14の絶縁層上には、配線部やパッド面に相当する銅箔部が設けられ、銅箔部上は、ソルダレジストで覆われている。かかる絶縁基板14は、熱伝導材を介して、金属製等の放熱部材上に載置される。そして、絶縁基板14上には、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ等のトランジスタである半導体素子16が実装される。半導体素子16は、図示は省略するが、絶縁基板14に銅箔部を露出させるべくソルダレジストに開けられた窓部に対応して、絶縁基板14のパッド面である銅箔部の面に半田等により接着される。また、絶縁基板14と放熱部材との間に介在する熱伝導材としては、熱伝導グリースが使用できるが、これ以外にも、液状、ゲル状及び粒子状の熱伝導材が使用でき、また、熱伝導性を有する接着剤も使用できる。
また、絶縁基板14上には、半導体素子16に加えて、入力端子18、出力端子20及び中継端子22が、実装されている。具体的には、入力端子18は、半導体素子16の動作を安定化する平滑コンデンサを介してに直流の入力電源に接続されるP端子及びN端子の2端子を有し、出力端子20は、半導体素子16から出力されてモータやコンプレッサ等の負荷に印加される3相交流用のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wの3端子を有する。また、中継端子22は、半導体素子16の動作を制御するコントローラに接続される複数本の端子を有する。かかる、入力端子18、出力端子20及び中継端子22は、いずれも図示は省略するが、絶縁基板14に銅箔部を露出させるべくソルダレジストに開けられた窓部に対応して、絶縁基板14のパッド面である銅箔部の面に対して接続面を位置整合された状態で、半田により各々接着される。なお、説明の便宜上、平滑コンデンサ、入力電源、モータやコンプレッサ等の負荷及びコントローラは、図示を省略している。
ここに、本実施形態においては、入力端子18は、樹脂本体18mからP端子のバスバー18bp及びN端子のバスバー18bnが突設された構造を有する。また、出力端子20のU相端子20Uは、樹脂本体20muからバスバー20buが突設され、V相端子20Vは、樹脂本体20mvからバスバー20bvが突設され、W相端子20Wは、樹脂本体20mwからバスバー20bwが突設された構造を各々有する。また、中継端子22においては、樹脂本体22mから複数本の接続ピン22bが突設された構造を有する。
つまり、かかる構成においては、入力端子18の樹脂本体18m、U相端子20Uの樹脂本体20mu、V相端子20の樹脂本体20mv、W相端子20Wの樹脂本体20mw及び中継端子22の樹脂本体22mは、絶縁基板14上で互いが分割されており、入力端子18、出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20W、並びに中継端子22は、絶縁基板14上で互いに空間的に独立した分割モジュールをなしている。
また、以上の実装基板12aの構成は、実装基板12b、12c及び12dにおいても共通であるが、集合基板10において、実装基板12c及び12dは、実装基板12a及び12bに対して、z軸回りに180°回転した状態となるように、実装基板12a、12b、12c及び12dが、互いに隣接している。また、図示は省略するが、半導体素子16、入力端子18、出力端子20及び中継端子22が実装された実装基板12a、12b、12c及び12dは、集合基板10の状態から各々切り離された後には、樹脂製のケース内に収容され、かかるケースは、ボルト等の締結部材で、放熱部材に固定される。
さて、主として図1及び2で示すように、実装基板12aの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各バスバー20bu、bv及び20bwの一部は、隣接する実装基板12d上に侵入し、一方で、実装基板12dの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各バスバー20bu、bv及び20bwの一部は、実装基板12a上に侵入している。
具体的には、実装基板12dの出力端子20のV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bvとW相端子20Wにおける樹脂本体20mw及びバスバー20bwとの間には、実装基板12aの出力端子20のV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bvが侵入し、実装基板12aの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20mu及びバスバー20buとV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bvとの間には、実装基板12dの出力端子20のW相端子20Wにおける樹脂本体20mw及びバスバー20bwが侵入し、実装基板12dの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20mu及びバスバー20buとV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bvの間には、実装基板12aの出力端子20のW相端子20Wにおける樹脂本体20mw及びバスバー20bwが侵入し、かつ実装基板12aの出力端子20のV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bvとW相端子20Wにおける樹脂本体20mw及びバスバー20bwとの間には、実装基板12dの出力端子20のV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bvが侵入している。
つまり、y軸の負方向に沿って、実装基板12aの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20mu及びバスバー20bu、実装基板12dの出力端子20のW相端子20Wにおける樹脂本体20mw及びバスバー20bw、実装基板12aの出力端子20のV相端子20Vにおけるバスバー20bv、実装基板12dの出力端子20のV相端子20Vにおける樹脂本体20mv及びバスバー20bv、実装基板12aの出力端子20のW相端子20Wにおけるバスバー20bw、並びに実装基板12dの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20mu及びバスバー20buが、y軸方向に見て対応して重複するように配列されており、つまり、実装基板12aの出力端子20と実装基板12dの出力端子20とは、互い違いになるように配置されている。かかる構成は、実装基板12bの出力端子20と実装基板12cの出力端子20と間においても同様である。
また、実装基板12aの入力端子18におけるP端子のバスバー18bp及びN端子のバスバー18bnは、隣接する実装基板12b上に侵入し、実装基板12cの入力端子18におけるP端子のバスバー18bp及びN端子のバスバー18bnは、隣接する実装基板12d上に侵入している。この際、実装基板12aの入力端子18におけるバスバー18bpが、隣接する実装基板12bの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20muに干渉するのを避けるべく、樹脂本体20muを切り欠いた切り欠き部20mcが設けられている。また同様に、実装基板12cの入力端子18におけるバスバー18bpが、隣接する実装基板12dの出力端子20のU相端子20Uの樹脂本体20muに干渉するのを避けるべく、樹脂本体20muを切り欠いた切り欠き部20mcが設けられている。かかる構成を、代表的に、実装基板12cの入力端子18におけるバスバー18bpと、隣接する実装基板12dの出力端子20のU相端子20Uにおける切り欠き部20mcとの間の関係として、詳細に図3に示す。
また更に、本実施形態においては、実装基板12aの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各樹脂本体20mu、mv及びmwと、実装基板12dの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各樹脂本体20mu、mv及びmwとは、各々対応して結合部20ca、20cb及び20ccで連結されて一体化されている。かかる構成は、実装基板12bの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各樹脂本体20mu、mv及びmwと、実装基板12cの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各樹脂本体20mu、mv及びmwとの間においても同様である。ここに、出力端子20の結合部20ca、20cb及び20ccは、実装基板12b及び12cの絶縁基板14間の連結部14b及び実装基板12a及び12dの絶縁基板14間の連結部14dに、z軸方向に見て対応して重複するように対応して設けられている。また、かかる構成を、代表的に、実装基板12aの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20muと、実装基板12dの出力端子20のW相端子20Wにおける樹脂本体20mwとの間の関係として、詳細に図4に示す。なお、連結部14b及び連結部14dの各個数は、実装基板12b及び12cの絶縁基板14間の連結強度や、実装基板12a及び12dの絶縁基板14間の連結強度が、充分確保できるのであれば、対応する結合部20ca、20cb及び20ccの個数である3個よりも少なく設定してもよく、例えば、連結部14b及び連結部14dの各個数を2個とした場合には、連結部14b及び連結部14dは、各々結合部20ca及び20ccに対応するように設けることもできる。
従って、以上の構成では、集合基板は、複数の実装基板が並置されるように連結された一体的な構成を有し、複数の実装基板のうちの一方に実装される出力端子と、複数の実装基板のうちの他方に実装される出力端子とは、互い違いになるように配置されることにより、半導体素子及び各端子を備えた複数の実装基板を同時に生産ラインに流すことが可能となり、簡便な構成でもって、生産性を向上することができる。
また、互い違いになるように配置された出力端子は、出力端子間を結合する結合部を有することにより、複数の実装基板のうちの一方に実装される出力端子と、複数の実装基板のうちの他方に実装される出力端子とを、同時に対応する実装基板に各々実装でき、出力端子の実装が効率化され得て、かつ実装基板の分割時に結合部は切り離し可能であり、より生産性を向上することができる。
また更に、集合基板において互い違いに実装される出力端子は、それに近接する入力端子を逃げる切り欠き部を備えることにより、出力端子とそれに近接する入力端子との不要な干渉を防止でき、半導体素子及び各端子を備えた複数の実装基板を同時に生産ラインに流すことがより確実に可能となる。
次に、本実施形態の複数の実装基板を有する集合基板における出力端子の倒れを防止する構成につき、更に図5から8を参照して、より詳細に説明する。
図5は、本実施形態の集合基板における実装基板の斜視図であり、図6は、本実施形態の集合基板における実装基板の出力端子の上面図であり、図5の出力端子をz軸の負方向に見た図である。また、図7は、本実施形態の集合基板における実装基板の出力端子の側面図であり、図6におけるA矢視図である。また、図8は、本実施形態の集合基板における実装基板の出力端子の正面図であり、図6におけるB矢視図である。
図5に示すように、実装基板12aの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各樹脂本体20mu、mv及びmwは、いずれも絶縁基板14のx−y平面に平行な上面に当接する1対のフランジ20f、20fを有する。具体的には、1対のフランジ20f、20fの一方は、実装基板14の上面に当接しながら、各樹脂本体20mu、mv及びmwからy軸の正方向に延在し、他方は、実装基板14の上面に当接しながら、各樹脂本体20mu、mv及びmwからy軸の負方向に延在しており、出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wの各端子が倒れることがないように、その姿勢を固定する姿勢固定部として機能する。かかる1対のフランジを有する構成は、実装基板12b、12c及び12dの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおける各樹脂本体20mu、mv及びmwにおいても同様である。またかかる構成を、代表的に、実装基板12aの出力端子20のU相端子20Uにおける樹脂本体20muに設けられる1対のフランジ20f、20fとして、詳細に図6から8に示す。
従って、かかる構成では、出力端子は、出力端子の姿勢を固定するため姿勢固定部を有することにより、実装時の出力端子の倒れを確実に防止できる。
次に、本実施形態の複数の実装基板を有する集合基板における出力端子のバスバーの倒れや変形を防止すると共に、出力端子の倒れを防止する構成につき、更に図9から11を参照して、より詳細に説明する。
図9は、本実施形態の集合基板における隣接する実装基板同士を組み合わせて示す斜視図である。また、図10は、本実施形態の集合基板における実装基板の中継端子の拡大上面図を主として示す図であり、図9の中継端子をz軸の負方向に見た図である。また、図11は、本実施形態の集合基板における実装基板の中継端子の側面図を主として示す図であり、図10におけるC矢視図である。なお、便宜上、図9では、半導体素子や各端子を適宜省略している。
図9から11に示すように、実装基板12dの絶縁基板14上に実装される中継端子22の樹脂本体22mは、実装基板12aの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwの各々に対応して、3つの板状部22pを有する。具体的には、3つの板状部22pの各々は、中継端子22の樹脂本体22mから突設されてx軸の正方向に延在し、更に各板状部22pは、z軸の正方向に突設されて延在する縦板状部22sを有する。
ここに、実装基板12dの中継端子22における各板状部22pに設けられた縦板状部22sには、対応する実装基板12aの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwの面が当接して、各バスバー20bu、20bv及び20bwが倒れたり変形したりすることがないように、その姿勢を固定すると共に、U相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wが倒れることがないように、その姿勢を固定する姿勢固定部として機能している。かかる構成は、実装基板12aの絶縁基板14上に実装される中継端子22と、実装基板12dの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwとの間、実装基板12bの絶縁基板14上に実装される中継端子22と、実装基板12cの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwとの間、並びに、実装基板12cの絶縁基板14上に実装される中継端子22と、実装基板12bの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwとの間においても同様である。
従って、かかる構成では、複数の実装基板のうちの他方に実装される中継端子は、複数の実装基板のうちの一方に実装される出力端子の姿勢を固定するための姿勢固定部を有することにより、実装時の出力端子の倒れを確実に防止できる。特に、かかる姿勢固定部は、中継端子に設けられて出力端子のバスバーを保持する板状部を有することにより、実装時の出力端子におけるバスバーの倒れや変形を確実に防止できると共に、実装時の出力端子の倒れも確実に防止できる。
次に、本実施形態において、半導体素子、入力端子、出力端子及び中継端子が絶縁基板上に実装された集合基板の状態の実装基板を分割して、個別の実装基板を得る方法につき、更に図12から14を参照して、より詳細に説明する。
図12は、本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の斜視図であり、半導体素子、入力端子、中継端子及び出力端子が実装される前の状態を示す図である。また、図13は、本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の斜視図であり、半導体素子、入力端子、中継端子及び出力端子が対向された状態を示す図である。また、図14は、本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板を分割した状態を示す斜視図である。
まず、図12に示すように、連結部14a、14b、14c及び14dにより対応して連結されて一体化された4枚の絶縁基板14を用意する。
ついで、図13に示すように、連結されて一体化された4枚の絶縁基板14の各々に対応して、半導体素子16、入力端子18、出力端子20及び中継端子22を対向自在に用意した後で、図1に示すように、実装基板12a、12b、12c及び12dの各絶縁基板14上に、半導体素子16、入力端子18、出力端子20及び中継端子22を実装して、集合基板10を完成させる。このようにして得られる実装基板12a、12b、12c及び12dからなる集合基板10においては、実装基板12a及び12dの出力端子20同士は、互い違いに配置され、実装基板12b及び12cの出力端子20も、互い違いに配置されている。
ここにおいて、半導体素子16、入力端子18、出力端子20及び中継端子22は、図示を省略する治具で、半導体素子16の本体、入力端子18の樹脂本体18m、出力端子20におけるU相端子20Uの樹脂本体20mu、V相端子20の樹脂本体20mv、及びW相端子20Wの樹脂本体20mw、並びに中継端子22の樹脂本体22mを各々吸着されながら、絶縁基板14の対応するパッド面である銅箔部の面に対して接続面を位置整合された状態で、半田により各々接着されると共に、絶縁基板14上の対応する配線部である銅箔部に対して各々半田接合されて連絡される。
この際、実装基板12a及び12dの出力端子20同士は、結合部20ca、20cb及び20ccで連結されて一体化され、実装基板12a及び12dの出力端子20同士も、結合部20ca、20cb及び20ccで連結されて一体化されているため、かかる出力端子20同士は、単一の治具で同時に吸着されて、対応する絶縁基板14上に実装される。また、実装基板12a、12b、12c及び12dの各出力端子20は、1対のフランジ20f、20fを有するため、各出力端子20は倒れることなく対応する絶縁基板14上に実装される。また更に、実装基板12a、12b、12c及び12dの各中継端子22は、その板状部22pに突設されて延在する縦板状部22sを有するため、各出力端子20のバスバー20bu、20bv及び20bwは倒れたり変形することなく対応する絶縁基板14上に実装される。なお、便宜上、図1では、フランジ20f及び縦板状部22sの詳細構成は、図示省略している。
そして、このように実装基板12a、12b、12c及び12dからなる集合基板10を完成させた後で、図14に示すように、実装基板12a、12b、12c及び12dにおける絶縁基板14の結合部14a、14b、14c及び14d、並びに出力端子20の結合部20ca、20cb及び20ccを対応して切り離して、実装基板12a、12b、12c及び12dを分割し、半導体素子16、入力端子18、出力端子20及び中継端子22が各々実装された個別の実装基板12a、12b、12c及び12dを得る。
ここにおいて、実装基板12a、12b、12c及び12dを切り離す際には、各絶縁基板14の連結部14a、14b、14c及び14dを図示を省略する切断具で切り離すが、出力端子20の結合部20ca、20cb及び20ccが、実装基板12b及び12cの絶縁基板14間の連結部14b及び実装基板12a及び12dの絶縁基板14間の連結部14dにz軸方向で重複するように対応して設けられているため、実装基板12b及び12cの絶縁基板14間の連結部14b及び実装基板12a及び12dの絶縁基板14間の連結部14dを切り離す際には、出力端子20の結合部20ca、20cb及び20ccをも同時に切り離すことになる。なお、かかる切断具としては、カッター、ルーター等の機械的な切断具に限らず、レーザカッター等の物理的な切断具等も使用可能であり、またその切断方法としても、絶縁基板14の連結部14b及び14dと出力端子20の結合部20ca、20cb及び20ccとを別々に切り離すのであれば、折り曲げ切断等が採用可能である。
以上のように、本実施形態の構成によれば、半導体素子及び各端子を備えた複数の実装基板を、構成部品の倒れ等を防止しながら同時に生産ラインに流して個別の実装基板を製造することが可能となり、簡便な構成でもって、生産性を向上することができる。
次に、本実施形態の複数の実装基板を有する集合基板における出力端子のバスバーの倒れや変形を防止すると共に、出力端子の倒れを防止する変形例の構成につき、更に図15及び16を参照して、より詳細に説明する。
図15は、本変形例の集合基板における隣接する実装基板を組み合わせて示す斜視図である。また、図16は、本変形例の集合基板における実装基板の中継端子の拡大上面図であり、図15の中継端子をz軸の負方向に見た図である。
図15及び16に示すように、本変形例の構成では、上述した構成に対して、中継端子22の樹脂本体22mの各板状部22pにおいて、1枚の板状部である縦板状部22sが、2枚の板状部の間にスリットが形成された縦板状部20tに変更されている点が相違点であり、残余の構成は同一である。
具体的には、かかる構成の実装基板12dの絶縁基板14上に実装される中継端子22の樹脂本体22mは、実装基板12aの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwの各々に対応して、3つの板状部22pを有する。かかる3つの板状部22pの各々は、中継端子22の樹脂本体22mから突設されてx軸の正方向に延在し、更に各板状部22pは、z軸の正方向に突設されて延在する2枚の平行な板状部を有する縦板状部20tを有する。
ここに、実装基板12dの中継端子22における各板状部22pに設けられた縦板状部20tの2枚の板状部の間のスリットには、対応する実装基板12aの出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwが嵌装されて、各バスバー20bu、20bv及び20bwが倒れたり変形したりすることがないように、その姿勢を固定すると共に、U相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wが倒れることがないように、その姿勢を固定する姿勢固定部として機能している。かかる構成は、実装基板12aの絶縁基板14上に実装される中継端子22と、実装基板12dの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwとの間、実装基板12bの絶縁基板14上に実装される中継端子22と、実装基板12cの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwとの間、並びに、実装基板12cの絶縁基板14上に実装される中継端子22と、実装基板12bの絶縁基板14上に実装される出力端子20のU相端子20U、V相端子20V及びW相端子20Wにおけるバスバー20bu、20bv及び20bwとの間においても同様である。
従って、本変形例の構成では、実装基板に実装される中継端子に、2枚の板状部間にスリットを形成する縦板状部を備えることにより、実装時の出力端子のバスバーの倒れや変形をより確実に防止できると共に、実装時の出力端子の倒れも確実に防止できる。
なお、本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、半導体素子及び各端子を各々備えた複数の実装基板を同時に生産ラインに流すことが可能となって、簡便な構成でもって、生産性を向上することができる集合基板を提供できるものであり、その汎用普遍的な性格からインバータ装置等の半導体装置に対して広範に適用され得るものと期待される。
本発明の実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の斜視図である。 本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の上面図であり、図1をz軸の負方向に見た図である。 図2のA−A線による拡大断面図である。 図2における出力端子間の結合部を示す部分拡大図である。 本実施形態の集合基板における実装基板の斜視図である。 本実施形態の集合基板における実装基板の出力端子の上面図であり、図5の出力端子をz軸の負方向に見た図である。 本実施形態の集合基板における実装基板の出力端子の側面図であり、図6におけるA矢視図である。 本実施形態の集合基板における実装基板の出力端子の正面図であり、図6におけるB矢視図である。 本実施形態の集合基板における隣接する実装基板同士を組み合わせて示す斜視図である。 本実施形態の集合基板における実装基板の中継端子の拡大上面図であり、図9の中継端子をz軸の負方向に見た図である。 本実施形態の集合基板における実装基板の中継端子の側面図であり、図10におけるC矢視図である。 本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の斜視図であり、半導体素子、入力端子、中継端子及び出力端子が実装される前の状態を示す図である。 本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板の斜視図であり、半導体素子、入力端子、中継端子及び出力端子が対向された状態を示す図である。 本実施形態における複数の実装基板を有する集合基板を分割した状態を示す斜視図である。 本実施形態の変形例の集合基板における隣接する実装基板同士を組み合わせて示す斜視図である。 本実施形態の変形例の集合基板における実装基板の中継端子の拡大上面図であり、図15の中継端子をz軸の負方向に見た図である。
符号の説明
10……集合基板
12a、12b、12c、12d……実装基板
14……絶縁基板
14a、14b、14c、14d…結合部
16……半導体素子
18……入力端子
18m…樹脂本体
18bp、18bn…バスバー
20……出力端子
20U…U相端子
20V…V相端子
20W…W相端子
20mu、20mv、20mw…樹脂本体
20bu、20bv、20bw…バスバー
20ca、20cb、20cc…連結部
20f…フランジ
22……中継端子
22m…樹脂本体
22b…接続ピン
22p…板状部
22s、22t…縦板状部

Claims (5)

  1. 半導体素子と、前記半導体素子に対する入力端子、中継端子及び出力端子の各端子と、を各々実装する複数の実装基板を備えた集合基板において、
    前記集合基板は、前記複数の実装基板が並置されるように連結された一体的な構成を有し、前記複数の実装基板のうちの一方に実装される前記出力端子と、前記複数の実装基板のうちの他方に実装される前記出力端子とは、互い違いになるように配置されることを特徴とする集合基板。
  2. 前記互い違いになるように配置された前記出力端子は、前記出力端子間を結合する結合部を有することを特徴とする請求項1に記載の集合基板。
  3. 前記複数の実装基板のうちの前記他方に実装される前記中継端子は、前記複数の実装基板のうちの前記一方に実装される前記出力端子の姿勢を固定するための第1の姿勢固定部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の集合基板。
  4. 前記第1の姿勢固定部は、前記中継端子に設けられて前記出力端子のバスバーを保持する板状部を有することを特徴とする請求項3に記載の集合基板。
  5. 前記出力端子は、前記出力端子の姿勢を固定するため第2の姿勢固定部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の集合基板。
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