JP4933380B2 - 穴を有する素材の位置決め固定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンのシリンダブロック等のように穴を有する素材を基準ブロックに位置決め及び固定する装置に関する。
この種の位置決め固定装置には、従来では、下記の特許文献1(WO2004/067224)に記載されたものがある。その従来公報は、本願の譲受人のうちの一人が先に提案したものであって、その公報の図7Aから図9(及び明細書の対応説明部分)に示すように、次のように構成されている。
即ち、ワーク等の被固定物の下面に開口された穴に挿入されるように基準ブロックのハウジングから上方へ突出させた心柱と、その心柱の筒孔に軸心方向へ移動可能に挿入された出力ロッドと、上記の心柱の外周に配置された内係合具と、その内係合具を先端方向へ付勢するバネと、上記の内係合具の外周に配置されると共に上記の出力ロッドに連結された環状プラグと、その環状プラグの周壁に半径方向へ移動可能に支持されると共に上記の内係合具に上側から楔係合する複数の外係合具とを備えたものである。
WO2004/067224
上記の従来技術は、円形穴を備えたワーク等の被固定物を、その被固定物の下方に設けた装置だけで位置決め及び固定できる点で優れる。
その利点を活用するため、本発明者たちは、エンジンのシリンダブロック鋳造品(以下、単にシリンダブロックという)のシリンダ穴を介して位置決め及び固定する装置を、本発明に先立って考えた。
上記の先提案に係る装置では、前記の外係合具を水平方向に向かい合わせに2つ配置し、各外係合具の幅方向の両側に押部を設けてある。そして、合計4つの押部を上記シリンダ穴の内周面に押圧することにより、基準部材としての前記心柱の軸心に上記シリンダ穴の軸心を精密に心合わせするように構成してある。
上記の先提案に係る装置は、上記シリンダ穴の内周面の鋳肌状態が良好で凹凸が許容範囲内である場合には前記シリンダブロックを精密に位置決め固定できるものの、その凹凸が比較的に大きい場合には位置決め精度が低下するという問題が発生しており、この点で改善の余地が残されていた。
本発明の目的は、エンジンのシリンダブロック等のように穴を有する素材を、その穴を利用して精密に位置決め固定できるようにすることにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1と図3に示すように、穴(3)を有する素材(2)を基準ブロック(1)に位置決め及び固定する装置を次のように構成した。
上記の穴(3)に挿入されるように上記の基準ブロック(1)のハウジング(14)から先端方向へ突出させた心柱(15)と、その心柱(15)の筒孔(29)に軸心方向へ移動可能に挿入された出力ロッド(30)と、上記の心柱(15)の外周に配置された内係合具(32)と、その内係合具(32)を先端方向へ付勢する進出手段(33)と、上記の内係合具(32)の外周に配置されると共に上記の出力ロッド(30)に連結された環状プラグ(36)と、上記の出力ロッド(30)を挟んで対面するように上記の環状プラグ(36)の周壁(44)に半径方向へ移動可能に支持されると共に上記の内係合具(32)に先端側から楔係合する二つの外係合具(45)(45)とを備える。上記の二つの外係合具(45)(45)のうちの一方の外係合具(45)の外周部には、上記の対面方向に直行する幅方向(W)へ所定の間隔をあけて二つの押部(46)(46)を設け、他方の外係合具(45)の外周部には一つの押部(47)を設ける。
上記の外係合具(45)の内周部と前記の内係合具(32)の外周部のうちの一方にT溝(51)を設けると共に他方にT脚(52)を設けて、上記T溝(51)と上記T脚(52)とを上記の軸心方向および半径方向へ移動可能に嵌合させ、かつ、上記の内係合具(32)及び上記ハウジング(14)に対して上記の外係合具(45)および上記の環状プラグ(36)を上記の幅方向(W)へ移動可能に構成し、上記の外係合具(45)が上記の幅方向(W)へ移動するのを許容するように上記T溝(51)と上記T脚(52)との間に隙間(62)(63)を設ける。
本発明は、次の作用効果を奏する。
前述した先提案例において位置決め精度が低下する理由は、本発明者たちが実験で検証した結果、以下のように考えられる。
即ち、シリンダブロックのシリンダ穴において、その内周面の凹凸が大きい場合には、2つの外係合具が半径方向の外方へ移動されたときに、4つの押部のうちのいずれか3つの押部が上記内周面を押圧するのに対して残りの1つの押部が上記内周面を十分に押圧しない場合がある。そして、上記シリンダブロックを新たなシリンダブロックに取り替えるごとに、押圧に寄与しない上記の押部が、4つの押部のうちのいずれかへランダムに変化する。換言すれば、新たに位置決めされるシリンダブロックごとに、4つの押部のうちの押圧に寄与する3つの押部がランダムに変化する。このため、上記の押部によって押し動かされる上記シリンダ穴の軸心も不整に変化する。
これに対して、本発明では、上記シリンダ穴の凹凸が大きい場合であっても、2つの外係合具が半径方向の外方へ移動されたときに、一方の外係合具の2つ押部が上記内周面の所定部分を確実に押圧すると共に他方の外係合具の1つの押部も上記内周面の所定部分を確実に押圧し、3つの押部の全てが押圧に寄与する。このため、上記の押部によって押し動かされる上記シリンダ穴の軸心が不整に変化するのを防止できる。その結果、シリンダ穴の軸心を前記の心柱の軸心に精密に心合わせでき、位置決め精度が向上する。
また、T嵌合という簡素な構成によって本件発明の主要部を構成できるので、その主要部を長期間にわたって高精度で使用できる。
上記発明においては、例えば図3に示すように、前記の他方の外係合具(45)の外周部には、前記の幅方向(W)のほぼ中央部に一つの押部(47)を設けることが好ましい。
この場合、上記の他方の押部と前記の一方の押部との間隔をほぼ等しくすることが可能なので、位置決め精度がさらに向上する。
本発明においては、前記の素材(2)は、所定の間隔をあけて配設された穴(3・3)を有し、上記の穴(3・3)の軸心を結ぶ直線と前記の幅方向(W)がほぼ一致していることが好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図1から図3によって説明する。図1は、位置決め固定装置の立面視の断面図である。その図1において、左半図はリリース状態を示し、右半図はロック途中状態を示している。図2は、上記装置の第1プラグ手段を示し、上記図1のII−II線断面に相当する図である。図3は、上記装置の第2プラグ手段を示し、上記の図2に類似する図である。
この実施形態では、エンジンのシリンダブロック鋳造品(以下、単にシリンダブロックという)を位置決め及び固定する装置に本発明を適用したものを例示してある。
なお、請求項に係る本発明の実施形態は、上記の第2プラグ手段として説明されるものに関する。
即ち、工作機械のテーブルに基準ブロックとしての治具1を載置し、その治具1の支持面1aに、穴を有する素材としてのシリンダブロック2の被支持面2aを受け止めるように構成してある。その被支持面2aには、円形の鋳抜き穴からなる複数のシリンダ穴3が所定の間隔をあけて開口されている。なお、ここでは、一つのシリンダ穴3だけを図示している。
上記の治具1は、工作機械のテーブルに固定したベースプレート4を備える。そのベースプレート4には、上記の複数のシリンダ穴3に対応させて、位置決め機能とロック機能との二つの機能を備えた第1プラグ手段11と、同様の二つの機能を備えた第2プラグ手段12とが設けられる。
上記の図1と図2に係る第1プラグ手段11と図3に係る第2プラグ手段12とは、下記の点では同様に構成されている。即ち、後述の外係合具45を楔作用によって半径方向の外方へ移動させ、その外係合具45の外周の押部46・46及び47が前記シリンダ穴3の内周面に接当して上記シリンダ穴3を押し動かし、前記の治具1に対して前記シリンダブロック2を水平方向へ位置決めする。引き続いて、その密着した外係合具45を下方へ駆動して、前記の治具1に前記シリンダブロック2を固定する。
上記の第1プラグ手段11の外係合具45は、図1及び図2に示すように、治具1に対して軸心方向と半径方向へ移動可能に構成してある。これに対して、第2プラグ手段12の外係合具45は、図3に示すように、治具1に対して軸心方向と半径方向に加えて幅方向Wへも移動可能に構成してある。
そして、所定の間隔をあけて配置したシリンダ穴3・3の軸心同士を結ぶ直線に直交する方向と、第2プラグ手段12の二つの外係合具45・45が対面する方向とがほぼ一致するように配置してある。即ち、上記シリンダ穴3・3の軸心同士を結ぶ直線と上記の幅方向Wがほぼ一致するように配置してある。これにより、前記シリンダブロック2は、第1プラグ手段11が挿入されたシリンダ穴3の軸心の回りに旋回するのが阻止される。
以下、上記の第1プラグ手段11と第2プラグ手段12との両手段11・12の具体的な構成を説明する。まず、上記の両手段11・12に共通する構成を図1と図2で説明する。
上記の治具1のハウジング14から心柱15が上方(先端方向)へ突出され、その心柱15が上記シリンダ穴3に挿入可能になっている。上記ハウジング14の下半部にピストン17およびピストンロッド18が上下移動可能に保密状に挿入される。そのピストン17の上方に形成したロック室20にロック給排路21が連通される。なお、上記ピストン17から上方へ突出させた回り止めピン22が、上記ロック室20の上壁の偏心孔23に挿入されている。また、上記ピストンロッド18の下方に形成したリリース室25にリリース給排路26が連通される。
上記ハウジング14の上半部と前記の心柱15の筒孔29とに出力ロッド30が軸心方向へ移動可能に挿入される。上記の心柱15の外周に環状の内係合具32が配置される。その内係合具32は、周方向へ切れ目なしに連続して形成されており、その内係合具32の上部および下部が上記の心柱15に軸心方向へ移動可能に精密に嵌合されている。そして、上記の内係合具32は、圧縮コイルバネ(進出手段)33によって上方(先端方向)へ付勢されており、その内係合具32が所定以上に上方へ移動することは、止め輪34によって阻止されている。
上記の内係合具32の外周に環状プラグ36が配置される。その環状プラグ36の上フランジ37が、上記の出力ロッド30の上部に固定したキャップ39の周溝40に半径方向へ移動可能に連結される。なお、上記の環状プラグ36の下部は、封止具42を介して上記の心柱15の下部の外周部に上下方向へ保密移動可能に支持されている。
上記の環状プラグ36の周壁44に二つの外係合具45・45が半径方向へ移動可能に支持される。これら外係合具45・45は、上記の出力ロッド30を挟んで対面するように配置されると共に、前記の内係合具32に上側(先端側)から楔係合している。
上記の二つの外係合具45・45のうちの一方(図2中の左方)の外係合具45の外周部には、上記の対面方向に直行する幅方向Wへ所定の間隔をあけて二つの押部46・46が設けられる。また、他方(図2中の右方)の外係合具45の外周部には、上記の幅方向Wのほぼ中央部に一つの押部47が設けられる。
上記の外係合具45の内周部に平面視でT字状の溝51(以下、T溝51という)が下方へ向かうにつれて軸心から遠ざかるように形成されると共に、前記の内係合具32の外周部に平面視でT字状の脚52(以下、T脚52という)が下方へ向かうにつれて軸心から遠ざかるように形成される。そして、上記T溝51と上記T脚52とが、軸心方向かつ半径方向へ相対移動可能に精密に嵌合(楔係合)されている。なお、ここでは、上記のT嵌合と同様に、上記の外係合具45の内周の幅方向Wの両端部54・54の傾斜内面が、内係合具32の外周の幅方向Wの両端部の傾斜外面に精密に楔係合されている。
前記のピストン17とピストンロッド18と出力ロッド30とにわたってエアブロー通路57が形成される。その通路57の上端が、前記の心柱15の下部の横孔58を介して環状プラグ36の内部空間に連通される。また、上記の通路57の下端が、上記ピストン17の下側空間を介してエア供給路59へ連通されている。この場合、上記の環状プラグ36と外係合具45との嵌合隙間60等を強力にエアブローできるので、上記の外係合具45が高精度かつ円滑に移動する。
前記の第2プラグ手段12は、図3に示すように、前記の外係合具45が前記の幅方向Wへ移動するのを許容するように、前記T溝51と前記T脚52との間に隙間62・63が幅方向Wに設けられると共に、上記の外係合具45の内周の幅方向の両端部54にも幅方向Wへ隙間64が設けられる。これにより、上記の内係合具32及び前記ハウジング14に対して上記の外係合具45および前記の環状プラグ36が上記の幅方向Wへ移動可能に構成されている。
上記の第1プラグ手段11と第2プラグ手段12とは、ほぼ同様に、次のように作動する。
上記の図1中の左半図のリリース状態では、前記ロック室20の圧油を排出すると共に前記リリース室25へ圧油を供給している。これにより、前記ピストンロッド18が前記の出力ロッド30を上昇させ、その出力ロッド30が前記キャップ39および前記の環状プラグ36を介して前記の外係合具45を上昇させて、その外係合具36が前記T嵌合に従って半径方向の内方の縮径状態へ切り換えられている。前記の内係合具32は、前記バネ33によって進出ストロークだけ上昇して、上記の外係合具45に軽く楔係合するか又は上記の外係合具45に僅かな隙間をあけて対面している。
前記の治具1の支持面1aに前記シリンダブロック2を位置決め固定するときには、まず、図1中の左半図に示すように、上記リリース状態で上記シリンダブロック2を下降させて前記シリンダ穴3を上記の環状プラグ36及び外係合具45に外嵌させる。
次いで、前記リリース室25の圧油を排出すると共に前記ロック室20へ圧油を供給する。すると、前記ピストン17が前記の出力ロッド30と前記キャップ39とを介して前記の環状プラグ36を下降させ、その環状プラグ36に支持された前記の外係合具45が下降していく。
これにより、本装置は以下のように作動する。
図1中の右半図のロック途中状態に示すように、前記バネ33の付勢力によってほぼ上昇位置に保持された内係合具32に対して上記の外係合具45が半径方向の外方へ移動して前記の押部46・46及び47が前記シリンダ穴3の内周面に接当する。次いで、その外係合具45が上記の内係合具32を介して上記バネ33を下方へ圧縮しながら拡径して上記シリンダ穴3に密着し、その外係合具45が前記の内係合具32と前記の心柱15とを介して上記シリンダブロック2を水平方向に位置決めし、これと同時に、その外係合具45が上記バネ33の付勢力に抗して上記の内係合具32を下降させていく。
上記の位置決め時において、左右2つの外係合具45・45が半径方向の外方へ移動されたときに、左方の外係合具45の2つ押部46・46が上記シリンダ穴3内周面の左部分を確実に押圧すると共に右方の外係合具45の1つの押部47も上記内周面の右部分を確実に押圧し、3つの押部46・46及び47の全てが押圧に寄与する。このため、上記の押部46・46及び47によって押し動かされる上記シリンダ穴3の軸心が不整に変化するのを防止できる。その結果、シリンダ穴3の軸心を前記の心柱15の軸心に精密に心合わせでき、位置決め精度が向上する。
上記の位置決め作動に引き続いて、上記の内係合具32の下部が前記の心柱15の下部の受止め部67に受け止められると、その受け止められた内係合具32に前記の外係合具45が強力に楔係合して拡径し、その外係合具45の押部46・46及び47が前記シリンダ穴3に強力に密着する。これにより、前記の出力ロッド30が上記の強力に密着した押部46・46及び47を介して前記シリンダブロック2の被支持面2aを前記の治具1の支持面1aに強力に押圧する。
なお、上記ロック移動の開始時に上記の支持面1aと上記の被支持面2aとがほぼ完全に接当して、その被支持面2aが上記の支持面1aに受け止められている場合には、そのロック移動時に上記の外係合具45が次のように作動する。
上記の外係合具45は、上記シリンダ穴3に内周面に密着した後、その内周面に対して摺動しながら下降していく。そして、前述したように、前記の内係合具32が前記の心柱15の前記の受止め部67に受け止められたときに、上記の外係合具45が上記シリンダ穴3に強力に密着して、その外係合具45が上記シリンダブロック2を上記の治具1へ強力に押圧する。
これに対して、何らかの原因により、上記ロック移動の開始時において上記の支持面1aと上記の被支持面2aとの間に隙間が存在する場合には、そのロック移動時に上記の外係合具45が次のように作動する。
上記の外係合具45が上記シリンダ穴3の内周面に密着した後、その密着状態の外係合具45が上記シリンダ穴3を介して前記シリンダブロック2を下向きに引っ張る。そして、前述したように、前記の内係合具32が前記の心柱15の前記の受止め部67に受け止められたときに、上記の外係合具45が上記シリンダ穴3の内周面に強力に密着して、その外係合具45が上記シリンダブロック2を上記の治具1へ強力に押圧する。
上記のロック状態から前記リリース状態へ切り換えるときには、前述したように前記ロック室20の圧油を排出すると共に前記リリース室25へ圧油を供給すればよい。これにより、前記ピストンロッド18が前記の出力ロッド30と前記キャップ39とを介して前記の環状プラグ36及び外係合具45を上昇させて、その外係合具45が前記のT嵌合に従って半径方向の内法へ縮径するので、前記ロック状態が解除される。
上記の実施形態は次のように変更可能である。
前記の他方の外係合具45の外周部に設けた一つの押部47は、前記の幅方向Wのほぼ中央部に設けることに代えて、その中央部から幅方向Wへ離れた位置に設けてもよい。
上記の外係合具45の内周部は、前記の内係合具32の外周部に直接に嵌合させることに代えて、別の部材を介して間接的に嵌合させてもよい。上記の外係合具45の外面は、上下方向にストレートに形成することに代えて、鋸刃状または凹凸状に形成してもよい。
前記T溝51を外係合具45に設けると共にT脚52を内係合具32に設けることに代えて、上記T溝51を内係合具32に設けると共にT脚52を外係合具45に設けることも可能である。さらには、上記溝51と脚52との嵌合は、平面視でT字状の嵌合に代えてV字状の嵌合であってもよい。
前記の進出手段は、例示した圧縮コイルバネ33に代えて、1枚または複数枚の皿バネやゴム等であってもよい。また、上記の進出手段は、前記の外係合具45を所定の力で上方へ押圧可能な機能を備えたものであればよく、上記バネ等の弾性体を利用することに代えて(又は、それに加えて)、圧油や圧縮空気等の圧力流体を利用した構造を採用可能である。
また、前記の出力ロッド30を駆動する手段は、例示した油圧複動式に代えて、単動バネ復帰式であってもよく、電動機などの他の種類のアクチュエータを利用したものであってもよく、さらには、駆動ネジ等を利用した手動操作式であってもよい。
本件発明は、エンジンのシリンダブロック2に適用することに限定されるものではなく、穴を有する他の種類の素材に適用できることは勿論である。
本発明の一実施形態を示し、位置決め固定装置の立面視の断面図である。その図1において、左半図はリリース状態を示し、右半図はロック途中状態を示している。 上記装置の第1プラグ手段を示し、図1のII−II線断面に相当する図である。 上記装置の第2プラグ手段を示し、上記の図2に類似する図である。
符号の説明
1:基準ブロック(治具),2:素材(シリンダブロック),3:シリンダ穴(穴),14:ハウジング,15:心柱,29:心柱15の筒孔,30:出力ロッド,32:内係合具,33:進出手段(バネ),36:環状プラグ,44:環状プラグ36の周壁,45:外係合具,46:押部,47:押部,51:T溝,52:T脚,62:隙間,63:隙間,W:幅方向.

Claims (3)

  1. 穴(3)を有する素材(2)を基準ブロック(1)に位置決め及び固定する装置であって、
    上記の穴(3)に挿入されるように上記の基準ブロック(1)のハウジング(14)から先端方向へ突出させた心柱(15)と、その心柱(15)の筒孔(29)に軸心方向へ移動可能に挿入された出力ロッド(30)と、上記の心柱(15)の外周に配置された内係合具(32)と、その内係合具(32)を先端方向へ付勢する進出手段(33)と、上記の内係合具(32)の外周に配置されると共に上記の出力ロッド(30)に連結された環状プラグ(36)と、上記の出力ロッド(30)を挟んで対面するように上記の環状プラグ(36)の周壁(44)に半径方向へ移動可能に支持されると共に上記の内係合具(32)に先端側から楔係合する二つの外係合具(45)(45)とを備え、
    上記の二つの外係合具(45)(45)のうちの一方の外係合具(45)の外周部には、上記の対面方向に直行する幅方向(W)へ所定の間隔をあけて二つの押部(46)(46)を設け、他方の外係合具(45)の外周部には一つの押部(47)を設け
    上記の外係合具(45)の内周部と前記の内係合具(32)の外周部のうちの一方にT溝(51)を設けると共に他方にT脚(52)を設けて、上記T溝(51)と上記T脚(52)とを上記の軸心方向および半径方向へ移動可能に嵌合させ、かつ、上記の内係合具(32)及び上記ハウジング(14)に対して上記の外係合具(45)および上記の環状プラグ(36)を上記の幅方向(W)へ移動可能に構成し、上記の外係合具(45)が上記の幅方向(W)へ移動するのを許容するように上記T溝(51)と上記T脚(52)との間に隙間(62)(63)を設けた、
    ことを特徴とする、穴を有する素材の位置決め固定装置。
  2. 請求項1に記載した穴を有する素材の位置決め固定装置において、
    前記の他方の外係合具(45)の外周部には、前記の幅方向(W)のほぼ中央部に一つの押部(47)を設けた、
    ことを特徴とする、穴を有する素材の位置決め固定装置。
  3. 請求項1又は2に記載した穴を有する素材の位置決め固定装置において、
    前記の素材(2)は、所定の間隔をあけて配設された穴(3・3)を有し、
    上記の穴(3・3)の軸心を結ぶ直線と前記の幅方向(W)がほぼ一致している、
    ことを特徴とする、穴を有する素材の位置決め固定装置。
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