JP4932528B2 - 硬化レリーフパターン付き基材の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の通りである。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種類のシラノール化合物、下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物、及び触媒を混合し、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られるポリオルガノシロキサン:100質量部
(b)光重合開始剤:0.2〜20質量部
(c)光重合性の不飽和結合基を2つ以上有する(a)成分以外の化合物:1〜100質量部
(2)上記触媒として、下記一般式(3)及び下記一般式(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物並びにアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることを特徴とする上記(1)のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン付き基材の製造方法。
(3)上記触媒として、上記一般式(3)及び(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシドを用いることを特徴とする(2)記載のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン付き基材の製造方法。
(4)前記触媒として、更に、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を用いることを特徴とする(3)記載のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン付き基材の製造方法。
(a)ポリオルガノシロキサン
本発明における(a)成分、ポリオルガノシロキサンは、下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び、下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物及び触媒を混合し、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる。
中でも、触媒として、上記一般式(3)及び(4)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド(以下、「金属アルコキシド」と略称する場合もある)を必須成分とし、更にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ類金属水酸化物を用いることがより好ましい。
金属アルコキシドの重合添加量の上限は、目的とするポリオルガノシロキサンの性能に依存する。本発明の目的の如く、永久材料として具備すべき実用レベルの力学物性を有する硬化レリーフパターンを形成しうるポリオルガノシロキサンとするには、前記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物は必須であり、その最低必要量を考慮すると、金属アルコキシドの重合添加量の上限は、本発明で好適に用いられるシラノール化合物に対して、多くとも40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
本発明の組成物には、感光性を付与する目的で、光重合開始剤を添加することが重要である。好ましいものとしては以下の化合物が挙げられる。
(1)ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン
(2)アセトフェノン誘導体:例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE651)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE184)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE907)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE127)、フェニルグリオキシル酸メチル
(3)チオキサントン誘導体:例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン
(4)ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール
(5)ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、DAROCURE1173)
(6)オキシム系化合物:例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O-メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)] (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE OXE01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE OXE02)
(7)α−ヒドロキシケトン系化合物:例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン
(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE369)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE379)
(9)フォスフィンオキサイド系化合物:例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、DAROCURE TPO)
(10)チタノセン化合物:例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE784)
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
本発明の組成物には、製膜特性や感光特性並びに硬化後の力学特性を改善する目的で、光重合性の不飽和結合基を2つ以上有する、(a)成分以外の化合物を添加することが重要である。このような化合物としては、光重合開始剤の作用により重合可能な多官能(メタ)アクリル化合物が好ましい。
このような増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)インダノン、2−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)インダノン、2−(p−4’−ジメチルアミノビフェニル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレンなどが挙げられる。また、使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。増感剤を添加する場合の添加量は、他の添加剤成分量との兼ね合いもあるが、(a)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
上記以外にも、本発明の組成物には、紫外線吸収剤や塗膜平滑性付与剤などをはじめ、本発明の組成物の諸特性を阻害するものでない限り、必要に応じて、種々の添加剤を適宜配合することができる。
[金属配線を含む基材上又は金属配線を含まない基材上に、上記(a)〜(c)の各成分を含む感光性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布してポリオルガノシロキサン膜を形成する工程]
上記(a)〜(c)の各成分を含む感光性ポリオルガノシロキサン組成物を金属配線を含む基材上又は金属配線を含まない基材、例えば、シリコンウェハー、セラミック基板、アルミ基板などの他、所望の各種基材上に塗布する。塗布装置または塗布方法としては、スピンコーター、ダイコータ−、スプレーコーター、浸漬、印刷、ブレードコーター、ロールコーティング等が利用できる。その後、これを80〜200℃でソフトベークしてもよい。
活性光線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが利用できるが、本発明においては、200〜500nmの波長のものを用いるのが好ましい。硬化レリーフパターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長は、特にUV−i線(365nm)が好ましく、露光投影装置としてはステッパーが特に好ましい。
この後、光感度の向上などの目的で、必要に応じて、任意の温度、時間の組み合わせ(好ましくは温度40℃〜200℃、時間10秒〜360秒)による露光後ベーク(PEB)や、現像前ベークを施しても良い。
現像は、浸漬法、パドル法、及び回転スプレー法等の方法から選択して行うことが出来る。現像液としては、本発明の組成物およびそのソフトベーク膜の良溶媒を単独で、もしくは良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることが出来る。良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが、貧溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および水などが用いられる。現像液の温度は20℃以上25℃以下が好ましく、現像時間は膜厚に応じて適宜決定すればよい。
現像終了後、洗浄液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、硬化レリーフパターン付き塗膜が得られる。この際、洗浄液の選択が適切でないと、リンスショックにより残渣が発生したり、硬化レリーフパターンが基板から剥離することがある。この問題を回避するため、洗浄液としては、特定のアルコール系化合物を単独または混合して用いたり、更に水と適宜混合した溶媒を用いたりすることが好ましい。
リンス方法としては、スプレーリンス、浸漬リンス、超音波リンスなどが好例として挙げられるが、最も効果的なリンス効果が得られるのはスプレーリンス法である。スプレー現像法とスプレーリンス法を併用する場合は、現像からリンスへ移行する過程で、両者を同時にスプレーする、いわゆるオーバーラップ過程を数秒から数十秒挿入すると、リンスショックが緩和されるため、残滓解消により効果的である。
また洗浄液温度は20℃以上25℃以下、リンス時間は5秒以上30秒以下であることが好ましい。
加熱は、例えば、ホットプレート、イナートオーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどにより行うことが出来る。加熱の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。加熱温度は150〜250℃、加熱時間は1〜4時間とすることが好ましい。
[合成例1]
(ポリオルガノシロキサンP−1の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール540.78g(2.5mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン577.41g(2.325mol)、テトラ−iso−プロポキシチタン24.87g(0.0875mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を120℃に設定し、室温より加熱を開始した。途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還留させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、コールドトラップを介して真空ポンプに接続されたホースを装着し、オイルバスを用いて80℃で加熱しつつ強撹拌し、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−1(23℃における粘度100ポイズ)を得た。
(ポリオルガノシロキサンP−2の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール540.78g(2.5mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン619.63g(2.495mol)、テトラ−iso−プロポキシチタン0.71g(0.0025mol)、水酸化ナトリウム0.2g(0.005mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を120℃に設定し、室温より加熱を開始した。途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還留させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、コールドトラップを介して真空ポンプに接続されたホースを装着し、オイルバスを用いて80℃で加熱しつつ強撹拌し、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−2(23℃における粘度87ポイズ)を得た。
(感光性ポリオルガノシロキサン組成物C−1の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを1質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8;日本油脂製PDT−650)を10質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを5質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状の感光性ポリオルガノシロキサン組成物C−1を得た。
シリコンウェハー上にスピンコーター(東京エレクトロン製、クリーントラックMk−8)を用いてC−1を塗布し、125℃のホットプレートで12分乾燥した。膜厚は45μmであった。この塗膜に一辺を50〜100μmとする八角形のスルーホールテストパターンが形成されたレチクルを使用し、i線ステッパー(ニコン製、NSR2005i8A)を用いて100〜300mJ/cm2で露光した。次に、スプレー現像機(大日本スクリーン製造製、D−spin636)を用いて、スプレー現像を実施した。現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、洗浄液としてイソブタノールを、それぞれ50ml/minの流量で用い、現像液で10秒、現像液と洗浄液を同時に10秒、さらに洗浄液で10秒スプレー処理を実施し、振り切り乾燥させることにより所定の硬化レリーフパターンを形成した。得られたレリーフパターンの解像度は50μmであり、残渣が全く存在しない良好な硬化レリーフパターンが得られた。
(感光性ポリオルガノシロキサン組成物C−2の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを1質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを10質量部、フェニルシリコーンレジン(東レ・ダウコーニング社製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状の感光性ポリオルガノシロキサン組成物C−2を得た。
以降、実施例1と同様にして評価用硬化レリ−フパターンを作成した。現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、洗浄液としてイソブタノールを用いたのも実施例1と同様である。得られたレリーフパターンの解像度は50μmであり、残渣が全く存在しない良好な硬化レリーフパターンが得られた。
用いるポリオルガノシロキサンを合成例2で得られたP−2とした以外は実施例2と同様の組成物C−3を調製し、以降実施例1と同様にして評価用硬化レリ−フパターンを作成した。現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、洗浄液としてイソブタノールを用いたのも実施例1と同様である。得られたレリーフパターンの解像度は50μmであり、残渣が全く存在しない良好な硬化レリーフパターンが得られた。
洗浄液をメチルイソブチルカルビノールとした以外は実施例3と同様な機器、組成物を用い、現像性評価を行った。その結果、実施例3と同様の、残渣が全く存在しない良好な硬化レリーフパターンが得られた。
洗浄液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルとした以外は実施例1と同様の機器、組成物を用い、実施例1と同様の現像性評価を行った。その結果、レリーフパターンの剥離等は観察されなかったが、一部のスルーホール底部に現像除去しきれなかった残滓が観察され、硬化レリーフパターンの解像度(残滓の見られない八角形の最少辺)は80μmであった。
洗浄液を、乳酸エチルとした以外は実施例1と同様の機器、組成物を用い、実施例1と同様の現像性評価を行った。その結果、硬化レリーフパターンの剥離等は観察されなかったが、全てのスルーホール底部に現像除去しきれなかった残滓が多量に観察された。
洗浄液を、キシレンとした以外は実施例1と同様の機器、組成物を用い、実施例1と同様の現像性評価を行った。その結果、全てのスルーホール底部の硬化レリーフパターンに剥離が確認され、同時に現像除去しきれなかった残滓も観察された。
ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8;日本油脂製PDT−650)を添加しない以外は実施例1と同様の組成物C−4を調製し、以降実施例1と同様にして評価用レリ−フパターンを作成した。現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、洗浄液としてイソプロピルアルコールを用いた。その結果、硬化レリーフパターンの剥離、及び一部のスルーホール底部に現像除去しきれなかった残滓が観察され、レリーフパターンの解像度(残滓の見られない八角形の最少辺)は80μmであった。
評価結果をまとめて表1に示す。
(力学物性の評価:伸度)
上記実施例、比較例の各組成物を、5インチシリコンウェハー上にアルミニウムを真空蒸着した基材上にスピンコーター(東京エレクトロン製、クリーントラックMk−8)を用いて塗布し、125℃のホットプレートで12分乾燥し、膜厚15μmに製膜した。このサンプルを縦型キュア炉(光洋サーモシステム社製、形式名VF−2000B)を用いて、窒素雰囲気下、180℃で2時間の加熱硬化処理を施し、硬化後膜厚14μmの樹脂膜とした。この樹脂膜を、ダイシングソー(ディスコ製、型式名DAD−2H/6T)を用いて3.0mm幅にカットし、10%塩酸水溶液に浸漬してシリコンウェハー上から剥離し、短冊状のフィルムサンプルとした。
このフィルムサンプルを23℃、55%RHの雰囲気に24時間放置した後、ASTM D−882−88に準拠したテンシロンによる引張り試験を行い、伸度を評価した。
Claims (4)
- 金属配線を含む基材上又は金属配線を含まない基材上に、下記(a)〜(c)の各成分を含む感光性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布してポリオルガノシロキサン膜を形成する工程、該ポリオルガノシロキサン膜を露光する露光工程、現像する工程、得られたポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンをイソブタノールまたはメチルイソブチルカルビノールによって洗浄する工程、基材ごと加熱する工程、を含むポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン付き基材の製造方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種類のシラノール化合物、下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物、及び触媒を混合し、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られるポリオルガノシロキサン:100質量部
(b)光重合開始剤:0.2〜20質量部
(c)光重合性の不飽和結合基を2つ以上有する(a)成分以外の化合物:1〜100質量部 - 上記触媒として、上記一般式(3)及び(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシドを用いることを特徴とする請求項2記載のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン付き基材の製造方法。
- 前記触媒として、更に、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を用いることを特徴とする請求項3記載のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン付き基材の製造方法。
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