JP5142622B2 - ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents
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Description
一方、集積回路内に、あるいはそれとは別に、光学的機能や機械的機能を持った素子、例えば、イメージセンサー、マイクロマシン、またはアクチュエーターを搭載した半導体装置が実用化されている。これらの多くは、シリコンなどの結晶基板に従来から知られた半導体製造プロセスを用いてトランジスタなどの素子を形成した後、半導体装置の目的に応じた機能を持つ素子を形成し、これらを一体としてパッケージすることにより製造される。
第二に、このスペーサーが形成される面はシリコンなどの無機物で構成されているとは限らずカラーフィルター層、その保護膜及びその他有機薄膜が形成されている場合も有る。したがって、これら有機薄膜での濡れ性にも優れていなければならない。濡れ性を評価する項目の1つとして、塗布するときのウエハーの周辺部分(エッジ)の組成物の除去性
がある。スペーサー製造工程において、ウエハーは専用のアームで搬送されるが、この時シリコンウエハー周囲に組成物が残っていると、スペーサーを製造する装置を汚染するという問題がある。そのため、この工程においては、ウエハー周囲部の組成物を取り除くという工程(エッジカット)が行われる。
1.基材上に下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を得る工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程からなる、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
(c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。
2.前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする上記1.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
3.前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物である上記2.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
4.上記1.〜3.のいずれかに記載の方法によって得られるポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターン。
5.上記4.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
6.集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、該ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、該パッケージ材を該ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、該スペーサー材が上記4.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを用いてなることを特徴とする半導体装置。
7.集積回路がフォトダイオードを含むことを特徴とする上記6.に記載の半導体装置。
8.ミクロ構造体がマイクロレンズであることを特徴とする上記6。又は7.に記載の半導体装置。
9.集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を形成する塗布工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる硬化工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する除去工程、該基材ごと加熱する加熱工程を含むことを特徴とする半導
体装置の製造方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
(c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。
10.前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする上記9.に記載の半導体装置の製造方法。
11.前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする上記10.に記載の半導体装置の製造方法。
<ポリオルガノシロキサン組成物>
(a)ポリオルガノシロキサン
本発明のポリオルガノシロキサン組成物に用いられるポリオルガノシロキサンは、下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示
される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られるものである。
上記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物(以下、「シラノール化合物」、と略称する場合もある)において、R1は少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の基である。具体的には、以下の構造で表される基の中から選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。
好適なシラノール化合物としては、例えば、ジフェニルシランジオール、ジ−p−トリルシランジオール、ジ−4-ビニルフェニルシランジオール、ジナフチルシランジオールが挙げられる。価格、入手性、性能などを考慮すると、ジフェニルシランジオールが特に好適である。
好適なアルコキシシラン化合物としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、1−プロペニルトリメトキシシラン、1−プロペニルトリエトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリエトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリエトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリエトキシシランなどが挙げられる。優れた感光特性を得るためには、光重合性の炭素−炭素二重結合を有する、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランがより好ましく、価格や有害性、性能などを考慮すると、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好適である。
(M1はケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R5は炭素数1〜4のアルキル基である。)
(M2はホウ素またはアルミニウムを示し、R5は炭素数1〜4のアルキル基である。)
上記一般式(4)及び上記一般式(5)で示される金属アルコキシドの混合比率は、シラノール化合物とアルコキシシラン化合物を1:1で混合するのを基本とし、ここに上記一般式(4)及び上記一般式(5)で示される金属アルコキシドを混合するに際して、アルコキシシラン化合物の一部を置き換える(アルコキシシラン化合物混合量を一定の比率で減じる)形で全体の混合比を調整するのが好ましい。
合反応を達成するには反応温度領域で液状であることが好ましく、また触媒としての活性の高さや入手性を考慮すると、テトラ−iso−プロポキシチタンが特に好適である。
触媒の添加量は、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物に対して、金属アルコキシドの重合時の添加量が2モル%を下回ると、上記好適温度範囲以上に加熱したとしても、ポリオルガノシロキサンの重合度を思うように上げることができない。このような場合、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を触媒としてシラノール化合物に対して0.05モル%〜1モル%添加すると、金属アルコキシドの不足分を補って、生成するポリオルガノシロキサンの重合度を適度に制御することが可能となる。
触媒の上限は、目的とするポリオルガノシロキサンの性能に依存する。優れた感光特性を達成するには、前述の光重合性の炭素−炭素二重結合を有するアルコキシシラン化合物は必須であり、その最低必要量から計算して、金属アルコキシドの重合添加量の上限は、(a)シラノール化合物に対して、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、感光性を付与する目的で、光重合開始剤を添加することが重要である。好ましいものとしては以下の化合物が挙げられる。
1.ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノンがある。
2.アセトフェノン誘導体:例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチルがある。
4.ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールがある。
5.ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オンがある。
キシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)がある。
8.α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オンがある。
10.チタノセン化合物:例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムがある。
上記した光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、8.のα−アミノアルキルフェノン系化合物がより好ましい。その添加量は、本発明の(a)ポリオルガノシロキサン成分100質量部に対して、0.2〜20質量部とするのが好ましく、1〜10質量部とするのがより好ましい。添加量が0.2質量部を上回ると、露光に際して、光ラジカル重合が充分に進行するだけのラジカルが供給されるため、露光部の硬化が進行し、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。また、逆に添加量が20質量部を下回ると、塗膜表面付近での露光吸収が大きくなりすぎることを防ぐため、基板面付近まで露光光線が到達し、よって光ラジカル重合が膜厚方向で均一に起り、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、有機薄膜に対する濡れ性を向上させる目的で、界面活性剤を添加することが重要である。
界面活性剤にはイオンに解離するイオン性界面活性剤と解離しない非イオン性界面活性剤の2つがある。イオン性界面活性剤は親水基である−COOー、−SO3 −などと親油基であるH+、Na+、K+、NH4 +、Ca++、Cl−、Br−などの基を含む形で形成される。
これらのイオン性界面活性剤を本発明のポリオルガノシロキサン組成物に添加するとレリーフパターン形成時、レリーフパターン硬化時、および半導体装置形成後に、イオン性化合物により配線金属の腐食による不良などの問題が起きる。したがって、これらイオン性化合物を含まない非イオン性界面活性剤を添加することが重要である。
1.エーテル型
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル
2.エステルエーテル型
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油脂肪酸エステル
3.エステル型
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル
ジメチルシロキサンエチレンオキシグラフト化合物、ジメチルシロキサンプロピレンオキシグラフト化合物、(ヒドロキシエチレンオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン化合物
5.フッ素系界面活性剤
パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(大日本インキ化学工業製、商標名メガファック 品番R−08)、及び下記一般式(3)で示される化合物
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
上記した非イオン性界面活性剤の中では、有機薄膜に対する濡れ性の効果の点で5.フッ素系界面活性剤がより好ましい。具体例として、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(大日本インキ化学工業製、商標名メガファック 品番R−08)、下記一般式(6)、または、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
特に上記一般式(3)に示される化合物は環境に有害であるとされるパーフルオロアルキル基(CnF2n+1、n=6から12)を含まないのでさらに好ましい。具体例として、上記一般式(6)または上記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。その添加量は、(a)ポリオルガノシロキサン成分100質量部に対して、0.01〜10質量部とするのが好ましく、0.1〜5質量部とするのがより好ましい。
添加量が0.01質量部を上回ると、有機薄膜に対する濡れ性が向上する。また、逆に添加量が10質量部を下回ると、リソグラフィーにおける現像部残滓、パターン浮き上がり及び剥れを抑制することができる。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、製膜特性、感光特性、及び硬化後の力学特性を改善する目的で、(a)シラノール化合物とは別に光重合性の不飽和結合基を有する化合物を任意で添加することが出来る。このものとしては、光重合開始剤の作用により重合可能な多官能(メタ)アクリル化合物が好ましく、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリエチレングリコールジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリ(1,2−プロピレングリコール)ジアクリレート[1,2−プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリ(1,2-プロピレングリコール)ジメタクリレート[1,2−プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、トリ−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル-メタクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、N,N’−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)尿素などが挙げられる。また、これらの使用にあたっては、必要に応じて、単独でも2種以上を混合して用いてもかまわない。添加する場合の添加量は、(a)成分100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、溶媒を添加して粘度を調整することもできる。好適な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、特に好ましい。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、本発明のポリオルガノシロキサン組成物に適宜加えることができるが、(a)成分100質量部に対し、5〜100質量部の範囲で用いることが好ましい。
ル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレンなどが挙げられる。また、使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。添加する場合の添加量は、他の添加剤成分量との兼ね合いもあるが、(a)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.4〜5質量部であることがより好ましい。
合の添加量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、2〜35質量部であることがより好ましい。
<ポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法>
次に、本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた硬化レリーフパターンを形成する方法の好適例を以下に示す。
ポリオルガノシロキサン組成物を、シリコンウェハー、セラミック基板、またはアルミ基板及びこれらにポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリ(メタクリル酸エステル)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸エステル)またはこれらの共重合体などの有機薄膜を形成した基板の他、所望の各種基材上に塗布する。
塗布装置または塗布方法としては、スピンコーター、ダイコータ−、スプレーコーター、浸漬、印刷、ブレードコーター、ロールコーティング等が利用できる。塗布後、80〜200℃でソフトベークしても良い。
コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光投影装置を用いて、所望のフォトマスクを介して活性光線を照射する。
活性光線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが利用できるが、本発明においては、200〜500nmの波長のものを用いるのが好ましい。パターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長は、特にUVのi線(365nm)が好ましく、露光投影装置としてはステッパーが特に好ましい。
露光後、光感度の向上などの目的で、必要に応じて、任意の温度、時間の組み合わせ(好ましくは温度40℃〜200℃、時間10秒〜360秒)による露光後ベーク(PEB)や、現像前ベークを施しても良い。
現像方法としては、浸漬法、パドル法、及び回転スプレー法の方法から選択して行うことが出来る。これにより、現像後レリーフパターンが得られる。現像液としては、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の良溶媒を単独で、もしくは良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることが出来る。良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが、貧溶媒としてはメタノール、エタノール、iso−プロパノール、及び水などが用いられる。
現像終了後、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、レリーフパターン付き塗膜が得られる。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、iso−ブチルアルコール、及び4−メチルーペンタノール等を単独または適宜混合して用いたり、また段階的に組み合わせて用いたりすることもできる。
得られた現像後レリーフパターンは、硬化温度150〜250℃でポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターン(以下、「硬化レリーフパターン」、と略称する場合
もある。)に変換される。この加熱硬化は、ホットプレート、イナートオーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどを用いて行うことが出来る。加熱硬化させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、必要に応じて窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
ここで、集積回路の具体例としては、シリコン、ニオブ酸リチウム、酒石酸リチウム又は水晶を含んでいる結晶基板を用いた集積回路やフォトダイオードを含む集積回路が挙げられる。ミクロ構造体とは、0.1μm〜1000μmの機械的、光機械的、電子機械的なデバイスを意味する。具体的には、マイクロレンズが挙げられる。パッケージ材は、好ましくは透明であって、ガラスで形成されていても良い。
[合成例1]
(ポリオルガノシロキサンP−1の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール540.78g(2.5mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン577.41g(2.325mol)、テトラ−iso−プロポキシチタン24.87g(0.0875mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を120℃に設定し、室温より加熱を開始した。
その後、コールドトラップと真空ポンプとに接続されたホースを装着し、オイルバスを用いて80℃で加熱しつつ強撹拌し、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−1(23℃における粘度100ポイズ)を得た。
(ポリオルガノシロキサン組成物C−1の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.4質量部、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(エチレングリコールユニット数30 日本油脂製PDBE−1300)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(小西化学工業製 SR−20)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを80質量部、及び下記式(6)で示されるフッ素系界面活性剤S−1(OMNOVA Solutions製 商標名PolyFox 品番PF−656)を0.4質量部それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−1を得た。
上記組成物C−1を、スピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて6インチシリコンウエハー上に塗布し、シクロペンタノンを用いてウェハー端より3mmエッジカットし、125℃で12分間ソフトベークし、初期膜厚45ミクロンの塗膜を得た。
この塗膜が形成されたウェハー外周部を観察し、ウェハー端から塗膜最外周の距離を測定し濡れ性を評価した(○:端から3mm ひけなし、△:端から3mmより大きく5mm以下 ひけ2mm以内、×:端から5mmより大きい ひけ2mm以上)。結果を表1に示す。
(感光特性評価:現像部の残滓、パターンの膨潤、パターンの浮き上がりまたは剥れの評価)
エーテルアセテートを用いて、未露光部が完全に溶解消失するまでの時間に1.4を乗じた時間の回転スプレー現像を施し、引き続きiso−ブチルアルコールで10秒間回転スプレーリンス処理を施して格子状のレリ−フパターンを得た。
(硬化特性:硬化フィルムの引張り伸度の評価)
上記ポリオルガノシロキサン組成物を、上述の感光特性評価と同様にして、6インチシリコンウェハー上にアルミニウムを真空蒸着した基材上に塗布、ソフトベークした後、縦型キュア炉(光洋サーモシステム製、形式名VF−2000B)を用いて、窒素雰囲気下、180℃で2時間の加熱硬化処理を施し、硬化後膜厚15μmの塗膜を作製した。 この塗膜を、ダイシングソー(ディスコ製、型式名DAD−2H/6T)を用いて3.0mm幅にカットし、10%塩酸水溶液に浸漬してシリコンウェハー上から剥離し、短冊状のフィルムサンプルとした。
このフィルムサンプルを23℃、相対湿度55%の雰囲気に24時間放置した後、ASTM D−882−88に準拠したテンシロンによる引張り試験を行い、伸度を評価した。結果を表1に示す。
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、下記式(7)で示されるフッ素系界面活性剤S−2(OMNOVA Solutions製 商標名PolyFox 品番PF−6320)0.4質量部に変更し、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−2を得た。
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、シリコーン系界面活性剤S−3[(ヒドロキシエチレンオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン化合物である、Gelest製 品番CMS−626]0.4質量部に変更し、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−3を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1
に示す。
上記実施例3におけるシリコーン系界面活性剤S−3、0.4質量部を、10質量部に変更しそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−4を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、エーテル系界面活性剤S−4[ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルである、日本乳化剤製 商標名ニューコール 品番714]0.4質量部に変更しそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−5を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、フッ素系界面活性剤S−5[パーフルオロアルキル基含有オリゴマーである、大日本インキ化学工業製、商標名メガファック 品番R−08]0.4質量部に変更しそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−6を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1を添加せずにそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−7を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。有機薄膜が形成された6インチシリコンウエハーにおいても濡れ性の評価を行った。観察した結果、ウェハー端から塗膜最外周の距離は6mmであった。
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1の添加量を0.4質量部から15質量部に変更し、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−8を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1は本発明の必須成分である非イオン性界面活性剤を適用しない場合であるが、有機薄膜に対する濡れ性が本発明に劣る。
比較例2は本発明の必須成分である非イオン性界面活性剤を15質量部添加した場合であるが有機薄膜に対する感光特性(現像部の残渣)が本発明に劣る。
Claims (11)
- 基材上に下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を得る工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程からなる、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
(c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。 - 前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
- 前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物である請求項2に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって得られるポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターン。
- 請求項4に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
- 集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、該ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、該パッケージ材を該ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、該スペーサー材が請求項4に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを用いてなることを特徴とする半導体装置。
- 集積回路がフォトダイオードを含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
- ミクロ構造体がマイクロレンズであることを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置。
- 集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を形成する塗布工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる硬化工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する除去工程、該基材ごと加熱する加熱工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
(c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。 - 前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
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