JP5142622B2 - ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の絶縁材料、並びに表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜及び光学的機能や機械的機能を持った素子を搭載した半導体装置に使用されるポリオルガノシロキサン組成物、およびそれを用いて製造される半導体装置に関する。
特許文献1には、コーティング材料として、貯蔵安定性が良く、UVでキュアでき、光の透過性が高く、1〜150μmの膜厚を有することができる感光性ポリオルガノシロキサン組成物についての開示がある。具体的には、Ba(OH)(水酸化バリウム)を触媒として重合可能基を有する有機シラン及び加水分解反応点を有する有機シランからなる、ドイツ国 Fraunhofer ISC製のコーティング材料、ORMOCER ONEの開示がある。ORMOCER ONEは、150℃という低温でのキュアが可能であり、その硬化物は、300℃以上の耐熱性、10Mpa以下の残留低応力、平坦性3%以内などの優れた特性を有する。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術だけでは、感光性ポリオルガノシロキサン組成物を電子部品や半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜、隔壁、平坦化膜などの永久材料とするだけの物理的性能、例えば下地基材との密着性や実用レベルの力学特性を実現することは難しい。
一方、集積回路内に、あるいはそれとは別に、光学的機能や機械的機能を持った素子、例えば、イメージセンサー、マイクロマシン、またはアクチュエーターを搭載した半導体装置が実用化されている。これらの多くは、シリコンなどの結晶基板に従来から知られた半導体製造プロセスを用いてトランジスタなどの素子を形成した後、半導体装置の目的に応じた機能を持つ素子を形成し、これらを一体としてパッケージすることにより製造される。
このようなパッケージ技術の例として、例えば特許文献2には、結晶基板を備えた装置が、ミクロ構造体が形成された結晶基板と、少なくとも1つのパッケージ層であって、その少なくとも1つのパッケージ層が、接着剤により前記ミクロ構造体を覆ってシールされていて、さらに前記結晶基板と前記少なくとも1つのパッケージ層との間に少なくとも1つのキャビティを画成してなる少なくとも1つのパッケージ層とを具備している結晶基板を備えた装置およびその例が詳細に開示されている。特許文献2に開示された技術は、マイクロレンズアレイ、ケミカルセンサーなどの各種センサー、あるいは表面弾性波装置等の広範囲の半導体装置に好適に用いることができるが、特許文献2に記載された発明を実施するには、パッケージ材をミクロ構造体上に支持するためのスペーサーが重要な役割を果たす。スペーサーに求められる特性としては、下記の2点が考えられるが、特許文献2には、スペーサーに好適に用いられる具体的な部材の開示はなされていない。
第一に、このスペーサーは、支持体として必要な部分にのみ形成されるべきであるため、それ自身が感光性を有する部材で形成されていると有利である。なぜならば、スペーサー自身が感光性を有していれば、必要な部分にのみスペーサーを残すために通常用いられるリソグラフィー工程とエッチング工程のうち、後者を省略することができるからである。
第二に、このスペーサーが形成される面はシリコンなどの無機物で構成されているとは限らずカラーフィルター層、その保護膜及びその他有機薄膜が形成されている場合も有る。したがって、これら有機薄膜での濡れ性にも優れていなければならない。濡れ性を評価する項目の1つとして、塗布するときのウエハーの周辺部分(エッジ)の組成物の除去性
がある。スペーサー製造工程において、ウエハーは専用のアームで搬送されるが、この時シリコンウエハー周囲に組成物が残っていると、スペーサーを製造する装置を汚染するという問題がある。そのため、この工程においては、ウエハー周囲部の組成物を取り除くという工程(エッジカット)が行われる。
代表的なエッジカットの方法は、スピンコート段階において周辺部のエッジリンスを行った後、ホットプレートで乾燥するという方法である。しかしこの方法ではしばしば、ホットプレートでの乾燥中に組成物が周囲より後退しひけが発生するため、スペーサー製造過程において支障をきたすことになる。したがってこれを防ぐためには、有機薄膜上での濡れ性がよいことが求められる。
欧州特許第1196478号公報 特表2003−516634号公報
本発明の課題は、有機薄膜上での塗布時の濡れ性及びUV−i線での感光特性に優れる感光性ポリオルガノシロキサン組成物を実現することにある。
本発明は以下の通りである。
1.基材上に下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を得る工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程からなる、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
(R1は、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の一価の基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
(R2はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、R3はメチル基またはエチル基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
(M 1 はケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
(M 2 はホウ素またはアルミニウムを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
(c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。
2.前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする上記1.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
3.前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物である上記2.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
(R 4 はトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であり、nは1〜25の整数である。)
4.上記1.〜3.のいずれかに記載の方法によって得られるポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターン。
5.上記4.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
6.集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、該ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、該パッケージ材を該ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、該スペーサー材が上記4.に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを用いてなることを特徴とする半導体装置。
7.集積回路がフォトダイオードを含むことを特徴とする上記6.に記載の半導体装置。
8.ミクロ構造体がマイクロレンズであることを特徴とする上記6。又は7.に記載の半導体装置。
9.集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を形成する塗布工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる硬化工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する除去工程、該基材ごと加熱する加熱工程を含むことを特徴とする半導
体装置の製造方法。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
(R 1 は、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の一価の基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
(R 2 はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、R はメチル基またはエチル基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
(M 1 はケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
(M 2 はホウ素またはアルミニウムを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
(c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。
10.前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする上記9.に記載の半導体装置の製造方法。
11.前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする上記10.に記載の半導体装置の製造方法。
(R 4 はトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であり、nは1〜25の整数である。)
本発明のポリオルガノシロキサン組成物は、有機薄膜上での塗布時の濡れ性、及びUV−i線での感光特性に優れる。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
<ポリオルガノシロキサン組成物>
(a)ポリオルガノシロキサン
本発明のポリオルガノシロキサン組成物に用いられるポリオルガノシロキサンは、下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示
される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られるものである。
(Rは、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の基であり、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
(Rはエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、それぞれ同じであっても異なっていてもよい)
上記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物(以下、「シラノール化合物」、と略称する場合もある)において、Rは少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の基である。具体的には、以下の構造で表される基の中から選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。
(Aは炭素原子数1〜4のアルキル基、−CH=CH、−CH=CH−CHまたは−CH−CH=CHのいずれかであり、yは0、1または2の整数である。)
好適なシラノール化合物としては、例えば、ジフェニルシランジオール、ジ−p−トリルシランジオール、ジ−4-ビニルフェニルシランジオール、ジナフチルシランジオールが挙げられる。価格、入手性、性能などを考慮すると、ジフェニルシランジオールが特に好適である。
上記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物(以下、「アルコキシシラン化合物」、と略称する場合もある)において、Rはエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。Rはメチル基またはエチル基である。Rの具体例としては、以下の構造で表される基の中から選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。
(Bは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、zは0、1または2の整数である。)
好適なアルコキシシラン化合物としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、1−プロペニルトリメトキシシラン、1−プロペニルトリエトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリエトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリエトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリエトキシシランなどが挙げられる。優れた感光特性を得るためには、光重合性の炭素−炭素二重結合を有する、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランがより好ましく、価格や有害性、性能などを考慮すると、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好適である。
本発明における触媒とは、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物のシラノール基と上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基との脱アルコール縮合反応を促進する化合物であり、本発明に好適な触媒としては下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド(以下、「金属アルコキシド」、と略称する場合もある)、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。

(Mはケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)

(Mはホウ素またはアルミニウムを示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)
上記一般式(4)及び上記一般式(5)で示される金属アルコキシドは、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物のシラノール基と上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基の脱アルコール縮合反応を触媒しつつ、自身もアルコキシ基含有化合物として振る舞って脱アルコール縮合反応に関与し、ポリオルガノシロキサン分子内に取り込まれる。
上記一般式(4)及び上記一般式(5)で示される金属アルコキシドの混合比率は、シラノール化合物とアルコキシシラン化合物を1:1で混合するのを基本とし、ここに上記一般式(4)及び上記一般式(5)で示される金属アルコキシドを混合するに際して、アルコキシシラン化合物の一部を置き換える(アルコキシシラン化合物混合量を一定の比率で減じる)形で全体の混合比を調整するのが好ましい。
具体的には、金属アルコキシドとして、上記一般式(4)で示される4価の金属アルコキシドを用いる場合には、4価の金属アルコキシドと上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物を、それぞれ1:2のモル比で換算し、置き換える(即ち、4価の金属アルコキシド混合量を1モル増やす毎に、上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物を2モル減じる)のが好ましい。また、上記一般式(5)で示される3価の金属アルコキシドを用いる場合には、3価の金属アルコキシドと上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物を、それぞれ2:3のモル比で換算し、置き換えるのが好ましい。
また、好適な3価もしくは4価の金属アルコキシドとしては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−tert−ブトキシボロンテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−iso−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−tert−ブトキシゲルマニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−iso−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウムが挙げられる。迅速かつ均一な重
合反応を達成するには反応温度領域で液状であることが好ましく、また触媒としての活性の高さや入手性を考慮すると、テトラ−iso−プロポキシチタンが特に好適である。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物を重合生成する際の加熱温度は、生成するポリオルガノシロキサンの重合度を制御する上で重要なパラメーターである。目的の重合度にもよるが、上記原料混合物を70℃〜150℃程度に加熱し、重合させるのが好ましい。
触媒の添加量は、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物に対して、金属アルコキシドの重合時の添加量が2モル%を下回ると、上記好適温度範囲以上に加熱したとしても、ポリオルガノシロキサンの重合度を思うように上げることができない。このような場合、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を触媒としてシラノール化合物に対して0.05モル%〜1モル%添加すると、金属アルコキシドの不足分を補って、生成するポリオルガノシロキサンの重合度を適度に制御することが可能となる。
好適なアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、好適なアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物およびその水和物が挙げられる。
触媒の上限は、目的とするポリオルガノシロキサンの性能に依存する。優れた感光特性を達成するには、前述の光重合性の炭素−炭素二重結合を有するアルコキシシラン化合物は必須であり、その最低必要量から計算して、金属アルコキシドの重合添加量の上限は、(a)シラノール化合物に対して、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
(b)光重合開始剤
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、感光性を付与する目的で、光重合開始剤を添加することが重要である。好ましいものとしては以下の化合物が挙げられる。
1.ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノンがある。
2.アセトフェノン誘導体:例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチルがある。
3.チオキサントン誘導体:例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンがある。
4.ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールがある。
5.ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オンがある。
6.オキシム系化合物:例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O-メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオ
キシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)がある。
7.α−ヒドロキシケトン系化合物:例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパンがある。
8.α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オンがある。
9.フォスフィンオキサイド系化合物:例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドがある。
10.チタノセン化合物:例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムがある。
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
上記した光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、8.のα−アミノアルキルフェノン系化合物がより好ましい。その添加量は、本発明の(a)ポリオルガノシロキサン成分100質量部に対して、0.2〜20質量部とするのが好ましく、1〜10質量部とするのがより好ましい。添加量が0.2質量部を上回ると、露光に際して、光ラジカル重合が充分に進行するだけのラジカルが供給されるため、露光部の硬化が進行し、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。また、逆に添加量が20質量部を下回ると、塗膜表面付近での露光吸収が大きくなりすぎることを防ぐため、基板面付近まで露光光線が到達し、よって光ラジカル重合が膜厚方向で均一に起り、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。
(C)非イオン性界面活性剤
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、有機薄膜に対する濡れ性を向上させる目的で、界面活性剤を添加することが重要である。
界面活性剤にはイオンに解離するイオン性界面活性剤と解離しない非イオン性界面活性剤の2つがある。イオン性界面活性剤は親水基である−COO、−SO などと親油基であるH、Na、K、NH 、Ca++、Cl、Brなどの基を含む形で形成される。
これらのイオン性界面活性剤を本発明のポリオルガノシロキサン組成物に添加するとレリーフパターン形成時、レリーフパターン硬化時、および半導体装置形成後に、イオン性化合物により配線金属の腐食による不良などの問題が起きる。したがって、これらイオン性化合物を含まない非イオン性界面活性剤を添加することが重要である。
本発明で用いる非イオン性界面活性剤としては以下の化合物が挙げられる。
1.エーテル型
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル
2.エステルエーテル型
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油脂肪酸エステル
3.エステル型
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル
4.シリコーン系界面活性剤
ジメチルシロキサンエチレンオキシグラフト化合物、ジメチルシロキサンプロピレンオキシグラフト化合物、(ヒドロキシエチレンオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン化合物
5.フッ素系界面活性剤
パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(大日本インキ化学工業製、商標名メガファック 品番R−08)、及び下記一般式(3)で示される化合物
(Rはトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であり、nは1〜25の整数である。)
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
上記した非イオン性界面活性剤の中では、有機薄膜に対する濡れ性の効果の点で5.フッ素系界面活性剤がより好ましい。具体例として、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(大日本インキ化学工業製、商標名メガファック 品番R−08)、下記一般式(6)、または、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。

特に上記一般式(3)に示される化合物は環境に有害であるとされるパーフルオロアルキル基(C2n+1、n=6から12)を含まないのでさらに好ましい。具体例として、上記一般式(6)または上記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。その添加量は、(a)ポリオルガノシロキサン成分100質量部に対して、0.01〜10質量部とするのが好ましく、0.1〜5質量部とするのがより好ましい。
添加量が0.01質量部を上回ると、有機薄膜に対する濡れ性が向上する。また、逆に添加量が10質量部を下回ると、リソグラフィーにおける現像部残滓、パターン浮き上がり及び剥れを抑制することができる。
(D)その他の成分
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、製膜特性、感光特性、及び硬化後の力学特性を改善する目的で、(a)シラノール化合物とは別に光重合性の不飽和結合基を有する化合物を任意で添加することが出来る。このものとしては、光重合開始剤の作用により重合可能な多官能(メタ)アクリル化合物が好ましく、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリエチレングリコールジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリ(1,2−プロピレングリコール)ジアクリレート[1,2−プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリ(1,2-プロピレングリコール)ジメタクリレート[1,2−プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、トリ−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル-メタクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、N,N’−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)尿素などが挙げられる。また、これらの使用にあたっては、必要に応じて、単独でも2種以上を混合して用いてもかまわない。添加する場合の添加量は、(a)成分100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、ソフトベーク後のコーティング膜のタック性や流動性を改善する目的で、シリコーンレジンを任意で添加することができる。ここでいうシリコーンレジンとは、例えば、日刊工業新聞社刊「シリコーンハンドブック」(1990)に記されている、アルコキシシリル基やクロロシリル基などの加水分解性基を2〜4個有するオルガノシラン化合物を共加水分解し重合して得られる三次元網目構造をとったポリマーのことを指す。
本発明の目的においては、その中でも、メチル系、フェニル系、フェニルメチル系、フェニルエチル系、フェニルプロピル系などの、いわゆるストレートシリコーンレジンを添加することが好ましい。これらの例としては、KR220L、KR242A、KC89、KR400、KR500(以上信越化学工業製)などのメチルシリコーンレジン、217フレーク(東レ・ダウコーニング製)、SR−20、SR−21(以上小西化学工業製)などのフェニル系シリコーンレジン、KR213、KR9218(以上信越化学工業製)、220フレーク、223フレーク、249フレーク(以上東レ・ダウコーニング製)などのフェニルメチル系シリコーンレジン、SR−23(小西化学工業製)などのフェニルエチル系シリコーンレジン、Z−6018(東レ・ダウコーニング製)などのフェニルプロピル系シリコーンレジン等が挙げられる。タック性や流動性の改善という目的では、より架橋密度が高く、常用温度域で固体であるシリコーンレジンの添加が好ましく、その意味では上記好適例の中でも、フェニル系もしくはフェニルプロピル系のシリコーンレジンを選択することが特に好ましい。更に、その構造中にシラノール残基を一部有するものを選択した方が、タック性や流動性の改善効果が更に高まる傾向が、本発明者らの検討で明らかになっており、好ましい。
これら本発明に好適なシリコーンレジンの添加量は、本発明の(a)成分100質量部に対して50〜200質量部であることが好ましい。タック性や流動性の改善効果を得るには最低でも50質量部以上は必要であり、また200質量部以下であれば、i線感光性などの感光特性を維持することが可能である。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、溶媒を添加して粘度を調整することもできる。好適な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、特に好ましい。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、本発明のポリオルガノシロキサン組成物に適宜加えることができるが、(a)成分100質量部に対し、5〜100質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、所望に応じ、光感度向上のための増感剤を添加することができる。このような増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)インダノン、2−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)インダノン、2−(p−4’−ジメチルアミノビフェニ
ル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレンなどが挙げられる。また、使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。添加する場合の添加量は、他の添加剤成分量との兼ね合いもあるが、(a)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.4〜5質量部であることがより好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、所望に応じ、保存時の粘度や光感度の安定性を向上させる目的で、重合禁止剤を添加することができる。このような重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル)フェニルメタンなどを用いることができる。添加する場合の添加量は、(a)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物には、さらに密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤を添加することが出来る。シランカップリング剤の例としては以下のようなものが挙げられる。(以下、アルコキシの表記はメトキシ基又はエトキシ基のことを指す。)ビニルトリアルコキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、3−グリシドキプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキプロピルメチルジアルコキシシラン、4−ビニルフェニルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジアルコキシラン、3−アクリロキシプロピルトリアルコキシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジアルコキシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−トリアルコキシシリル−N−(1.3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルメチルジアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジアルコキシシラン、ビス(トリアルコキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアナトプロピルトリアルコキシシランなどを用いることができる。添加する場
合の添加量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、2〜35質量部であることがより好ましい。
以上の他にも、本発明のポリオルガノシロキサン組成物には紫外線吸収剤などをはじめ、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の諸特性を阻害するものでない限り、必要に応じて、種々の添加剤を適宜配合することができる。
<ポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法>
次に、本発明のポリオルガノシロキサン組成物を用いた硬化レリーフパターンを形成する方法の好適例を以下に示す。
[塗布工程]
ポリオルガノシロキサン組成物を、シリコンウェハー、セラミック基板、またはアルミ基板及びこれらにポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリ(メタクリル酸エステル)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸エステル)またはこれらの共重合体などの有機薄膜を形成した基板の他、所望の各種基材上に塗布する。
塗布装置または塗布方法としては、スピンコーター、ダイコータ−、スプレーコーター、浸漬、印刷、ブレードコーター、ロールコーティング等が利用できる。塗布後、80〜200℃でソフトベークしても良い。
[硬化工程]
コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光投影装置を用いて、所望のフォトマスクを介して活性光線を照射する。
活性光線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが利用できるが、本発明においては、200〜500nmの波長のものを用いるのが好ましい。パターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長は、特にUVのi線(365nm)が好ましく、露光投影装置としてはステッパーが特に好ましい。
露光後、光感度の向上などの目的で、必要に応じて、任意の温度、時間の組み合わせ(好ましくは温度40℃〜200℃、時間10秒〜360秒)による露光後ベーク(PEB)や、現像前ベークを施しても良い。
[除去工程]
現像方法としては、浸漬法、パドル法、及び回転スプレー法の方法から選択して行うことが出来る。これにより、現像後レリーフパターンが得られる。現像液としては、本発明のポリオルガノシロキサン組成物の良溶媒を単独で、もしくは良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることが出来る。良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが、貧溶媒としてはメタノール、エタノール、iso−プロパノール、及び水などが用いられる。
現像終了後、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、レリーフパターン付き塗膜が得られる。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、iso−ブチルアルコール、及び4−メチルーペンタノール等を単独または適宜混合して用いたり、また段階的に組み合わせて用いたりすることもできる。
[加熱工程]
得られた現像後レリーフパターンは、硬化温度150〜250℃でポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターン(以下、「硬化レリーフパターン」、と略称する場合
もある。)に変換される。この加熱硬化は、ホットプレート、イナートオーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどを用いて行うことが出来る。加熱硬化させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、必要に応じて窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
上述した硬化レリーフパターンを、シリコンウェハー等の基材上に形成された半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜、及びマイクロレンズアレイなどのミクロ構造体とそのパッケージ材との間のスペーサー材(隔壁)からなる群から選択されるいずれかとして使用し、他の工程は周知の半導体装置の製造方法を適用することで、CMOSイメージセンサなどの光学素子を含む、各種の半導体装置を製造することができる。また、上述したポリオルガノシロキサン組成物を硬化させた樹脂からなる塗膜を有する電子部品や半導体装置を得ることができる。
集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、該ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、該パッケージ材を該ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、該スペーサー材として本発明のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを用いて半導体装置とすることもできる。
ここで、集積回路の具体例としては、シリコン、ニオブ酸リチウム、酒石酸リチウム又は水晶を含んでいる結晶基板を用いた集積回路やフォトダイオードを含む集積回路が挙げられる。ミクロ構造体とは、0.1μm〜1000μmの機械的、光機械的、電子機械的なデバイスを意味する。具体的には、マイクロレンズが挙げられる。パッケージ材は、好ましくは透明であって、ガラスで形成されていても良い。
上記半導体装置の製造方法としては、集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して本発明のポリオルガノシロキサン組成物を塗布して塗布膜を形成する工程、スペーサー材を形成したい部分のみ開口部を有しているパターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化の部分を除去する工程、該基材ごと塗布膜を加熱する工程を含む製造方法が挙げられる。各工程は上述の方法により行うことが出来る。
次に、実施例および比較例によって、本発明を説明する。
[合成例1]
(ポリオルガノシロキサンP−1の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール540.78g(2.5mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン577.41g(2.325mol)、テトラ−iso−プロポキシチタン24.87g(0.0875mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を120℃に設定し、室温より加熱を開始した。
途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還留させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、コールドトラップと真空ポンプとに接続されたホースを装着し、オイルバスを用いて80℃で加熱しつつ強撹拌し、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−1(23℃における粘度100ポイズ)を得た。
[実施例1]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−1の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.4質量部、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(エチレングリコールユニット数30 日本油脂製PDBE−1300)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(小西化学工業製 SR−20)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを80質量部、及び下記式(6)で示されるフッ素系界面活性剤S−1(OMNOVA Solutions製 商標名PolyFox 品番PF−656)を0.4質量部それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−1を得た。
(濡れ性の評価)
上記組成物C−1を、スピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて6インチシリコンウエハー上に塗布し、シクロペンタノンを用いてウェハー端より3mmエッジカットし、125℃で12分間ソフトベークし、初期膜厚45ミクロンの塗膜を得た。
この塗膜が形成されたウェハー外周部を観察し、ウェハー端から塗膜最外周の距離を測定し濡れ性を評価した(○:端から3mm ひけなし、△:端から3mmより大きく5mm以下 ひけ2mm以内、×:端から5mmより大きい ひけ2mm以上)。結果を表1に示す。
次に、ポリ(メタクリル酸グリシジル)の10%メチルエチルケトン溶液(和光純薬工業(株)製)をスピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて6インチシリコンウエハー上に塗布し、160℃で10分間ソフトベークし、膜厚0.8ミクロンのポリ(メタクリル酸グリシジル)からなる有機薄膜が形成された6インチシリコンウエハーを得た。この有機薄膜が形成された6インチシリコンウェハーを用いて上記と同じ条件で上記組成物C−1を塗布し、濡れ性の評価を行った。観察した結果、ウェハー端から塗膜最外周の距離は3mmであり濡れ性は良好であった。
(感光特性評価:現像部の残滓、パターンの膨潤、パターンの浮き上がりまたは剥れの評価)
上記組成物C−1を、スピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて6インチシリコンウエハー上に塗布し、125℃で12分間ソフトベークし、初期膜厚45ミクロンの塗膜を得た。この塗膜をi線ステッパー露光機(ニコン製 型式名NSR2005i8A)により、CMOSイメージセンサーのレンズアレイ保護用スペーサー構造を模した格子状パターンをデザインした評価用フォトマスクを通して、露光量を100〜900mJ/cm2の範囲で横方向に100mJ/cm2ずつ、フォーカスを16ミクロン〜32ミクロンの範囲で縦方向に2ミクロンずつ、それぞれ段階的に変化させて露光した。露光から30分後、現像液としてプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテートを用いて、未露光部が完全に溶解消失するまでの時間に1.4を乗じた時間の回転スプレー現像を施し、引き続きiso−ブチルアルコールで10秒間回転スプレーリンス処理を施して格子状のレリ−フパターンを得た。
得られたレリーフパターンを光学顕微鏡下で目視観察し、現像部の残滓の有無(○:残滓なし、×:残滓あり)、パターンの膨潤の有無(○:膨潤なくシャープ、△:局所的に僅かに膨潤、×:明らかに膨潤)、基材からのパターンの浮き上がりまたは剥れの有無(○:浮き上がりまたは剥れなし、△:局所的に僅かに浮き上がりまたは剥れあり、×:明確な浮き上がりまたは剥れあり)を評価した。結果を表1に示す。
(硬化特性:硬化フィルムの引張り伸度の評価)
上記ポリオルガノシロキサン組成物を、上述の感光特性評価と同様にして、6インチシリコンウェハー上にアルミニウムを真空蒸着した基材上に塗布、ソフトベークした後、縦型キュア炉(光洋サーモシステム製、形式名VF−2000B)を用いて、窒素雰囲気下、180℃で2時間の加熱硬化処理を施し、硬化後膜厚15μmの塗膜を作製した。 この塗膜を、ダイシングソー(ディスコ製、型式名DAD−2H/6T)を用いて3.0mm幅にカットし、10%塩酸水溶液に浸漬してシリコンウェハー上から剥離し、短冊状のフィルムサンプルとした。
このフィルムサンプルを23℃、相対湿度55%の雰囲気に24時間放置した後、ASTM D−882−88に準拠したテンシロンによる引張り試験を行い、伸度を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、下記式(7)で示されるフッ素系界面活性剤S−2(OMNOVA Solutions製 商標名PolyFox 品番PF−6320)0.4質量部に変更し、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−2を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、シリコーン系界面活性剤S−3[(ヒドロキシエチレンオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン化合物である、Gelest製 品番CMS−626]0.4質量部に変更し、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−3を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1
に示す。
[実施例4]
上記実施例3におけるシリコーン系界面活性剤S−3、0.4質量部を、10質量部に変更しそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−4を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、エーテル系界面活性剤S−4[ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルである、日本乳化剤製 商標名ニューコール 品番714]0.4質量部に変更しそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−5を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1、0.4質量部を、フッ素系界面活性剤S−5[パーフルオロアルキル基含有オリゴマーである、大日本インキ化学工業製、商標名メガファック 品番R−08]0.4質量部に変更しそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−6を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1を添加せずにそれぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−7を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。有機薄膜が形成された6インチシリコンウエハーにおいても濡れ性の評価を行った。観察した結果、ウェハー端から塗膜最外周の距離は6mmであった。
[比較例2]
上記実施例1におけるフッ素系界面活性剤S−1の添加量を0.4質量部から15質量部に変更し、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−8を得た。
次に上記実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1と同様に、6インチシリコンウエハー上での濡れ性、感光特性及び硬化特性の評価を同様に行った。結果を表1に示す。
本発明の実施例は、シリコンウエハー及び有機薄膜に対する良好な濡れ性、優れた感光特性を達成している。
比較例1は本発明の必須成分である非イオン性界面活性剤を適用しない場合であるが、有機薄膜に対する濡れ性が本発明に劣る。
比較例2は本発明の必須成分である非イオン性界面活性剤を15質量部添加した場合であるが有機薄膜に対する感光特性(現像部の残渣)が本発明に劣る。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物は、電子部品の絶縁材料、並びに半導体装置における表面保護膜、層間絶縁膜、及びα線遮蔽膜などの形成に関するものであり、イメージセンサー、マイクロマシン、またはマイクロアクチュエーターを搭載した半導体装置に使用される樹脂組成物として好適に利用できる。

Claims (11)

  1. 基材上に下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を得る工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程からなる、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
    (a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
    (R1は、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の一価の基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
    (R2はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、R3はメチル基またはエチル基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
    (M 1 はケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
    (M 2 はホウ素またはアルミニウムを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
    (b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
    (c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。
  2. 前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
  3. 前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物である請求項2に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンの形成方法。
    (R4はトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であり、nは1〜25の整数である。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって得られるポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターン。
  5. 請求項4に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
  6. 集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、該ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、該パッケージ材を該ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、該スペーサー材が請求項に記載のポリオルガノシロキサン組成物の硬化レリーフパターンを用いてなることを特徴とする半導体装置。
  7. 集積回路がフォトダイオードを含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. ミクロ構造体がマイクロレンズであることを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置。
  9. 集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物を塗布しエッジカットしソフトベークして塗布膜を形成する塗布工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる硬化工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化部分を除去する除去工程、該基材ごと加熱する加熱工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
    (a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部。
    (R1は、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜18の一価の基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
    (R2はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、ともに同じであっても異なっていても良い。)
    (M 1 はケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
    (M 2 はホウ素またはアルミニウムを示し、R 5 は炭素数1〜4のアルキル基である。)
    (b)光重合開始剤0.2〜20質量部。
    (c)フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、エーテル系界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤0.01〜10質量部。
  10. 前記(c)界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記(c)界面活性剤が下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
    (R4はトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であり、nは1〜25の整数である。)
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