JP2008141137A - 半導体装置用絶縁膜 - Google Patents
半導体装置用絶縁膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008141137A JP2008141137A JP2006328675A JP2006328675A JP2008141137A JP 2008141137 A JP2008141137 A JP 2008141137A JP 2006328675 A JP2006328675 A JP 2006328675A JP 2006328675 A JP2006328675 A JP 2006328675A JP 2008141137 A JP2008141137 A JP 2008141137A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating film
- polyorganosiloxane
- film
- semiconductor device
- lower step
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
【解決手段】平坦な基材上に形成された高さHの下部段差上に形成された貫通孔を有する半導体装置用絶縁膜において、基材上の膜厚D1が10μm以上20μm以下であり、下部段差上の膜厚に該下部段差の高さを加えた値をD2とし、表面粗さを(D2−D1)/D1×100で表したときに、表面粗さが10%以下であることを特徴とする半導体装置用絶縁膜。
【選択図】図1
Description
また、最近の半導体装置の設計思想として、従来からの多層高密度化の流れと同時に、モジュール間、あるいはチップ間を接続する配線の電気抵抗と、これに伴う抵抗ノイズ、抵抗発熱などを低減する目的で、必要箇所の配線断面を大面積化する試みがなされている。このような、時に高さ10μm以上の「巨大配線」層を従来のポリイミド前駆体組成物で被覆し、熱硬化させると、主に残存溶剤成分の揮散により、40%前後もの体積収縮をきたし、「巨大配線」上とその周辺とで大きな段差が生じてしまう。しかも被覆されるべき配線層の厚さに対応して、被覆層の厚さも厚くしなければならないため、その表面に発生する段差も必然的に大きくなってしまう。これをより均一かつ平坦に被覆しうる絶縁膜への要求も高い。
また、絶縁膜が形成される基材上の段差が非常に大きい場合は、研磨される絶縁膜の表面粗さもそれに伴って大きくなるが、この場合は研磨によって除去される分、初期の膜厚を厚くしなければならず、成膜工程に負担が増大する。しかも膜厚がある程度以上に厚くなると絶縁膜自身に発生する残留応力によりクラック等の欠陥が発生するという懸念もあった。従って従来知られた方法では、絶縁膜の膜厚を無制限に厚くすることはできず、一般には数μm程度が限界である。半導体装置の製造工程のうち、トランジスタとトランジスタの接続を目的とする配線を形成する、いわゆる前工程と呼ばれる部分においては、この程度の膜厚でも十分であるが、前述した巨大配線が形成されるような後工程と呼ばれる部分で使用するには、より厚くかつ平坦な絶縁膜、および化学機械研磨のような方法によらずにこれを形成する方法が望まれていた。
本発明の第二は、平坦な基材上に形成された高さHの下部段差上に形成された貫通孔を有する半導体装置用絶縁膜において、基材上の膜厚D1が10μm以上20μm以下であり、下部段差上の膜厚に該下部段差の高さを加えた値をD2とし、表面粗さを(D2−D1)/D1×100で表したときに、表面粗さが10%以下であることを特徴とするポリオルガノシロキサンからなる半導体装置用絶縁膜である。
本発明の第三は、このような半導体装置用絶縁膜で特に下部段差の高さHが5μm以上10μm以下であることを特徴とする本発明の第一または第二に記載の半導体装置用絶縁膜である。
<本発明の半導体装置用絶縁膜およびその形成方法>
図1は本発明の半導体装置用絶縁膜が形成された半導体装置について、下部段差被覆後の平坦さが明確になるよう、模式的に示した図である。図中3は基材、2は基材3上に形成された下部段差である。この段差は、実際の半導体装置においては、トランジスタやキャパシタ等を相互に接続する配線の場合や、あるいはこれらの配線を半導体装置外部と接続するパッドの場合などがある。4は絶縁膜を貫通する貫通孔である。この貫通孔は、実際の半導体装置においては、例えば絶縁膜下部に位置する金属配線と絶縁膜上部に位置する金属配線との電気的接続に使用される導通部、いわゆるビアホールなどを設けるために用いられる。
図2および図3は、それぞれ本発明の半導体装置用絶縁膜および従来から知られた半導体装置用絶縁膜の形成過程を模式的に示したものである。それぞれの図において、(a)は半導体用絶縁膜を形成するため、感光性樹脂組成物を基板上に塗布して感光性薄膜5または6を得た後、貫通孔4を形成した状態、(b)はこれを熱処理して絶縁膜1または7とした状態を示す。
次に従来知られた半導体装置用絶縁膜、たとえばポリイミドからなる絶縁膜を形成する工程について説明し、本発明の場合と対照する。比較しやすいよう、図3(a)における従来知られた感光性薄膜8を形成する前の構造は図2(a)におけるものと同一であり、かつ感光性薄膜の膜厚D3やD4も図2(a)と全く同一であるものとした。図3(b)において記号D5およびD6は図2(b)におけるD1およびD2に対応するもので、これらとD3およびD4との大小関係も図2の場合と同様である。しかしながら、従来知られた絶縁膜においては、図3(b)を図2(b)と比較すれば明らかなように、表面段差D6−D5は本発明の場合より大きい。これは前述したように、従来知られたポリイミド等の材料では、熱処理による収縮が非常に大きいためである。
本発明で使用する固形分濃度が85%以上の感光性樹脂組成物は特に限定されないが、例えば、溶剤を含有しない、または15%以下の溶剤を含有する感光性ポリオルガノシロキサンが好適に用いられる。このようなポリオルガノシロキサンとしては、一般式(1)で示される、少なくとも1種のシラノール化合物と、一般式(2)で示される、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物とを重合させて得られる組成物に、光重合開始剤を添加したものが挙げられる。
ポリオルガノシロキサンを得る過程において、その触媒として水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの触媒を用いることもできる。
一般式(1)で示されるシラノール化合物において、Rは少なくとも芳香族基をひとつ
含む炭素数6〜20の基である。具体的には、以下の構造で表される基の中から選ばれる
少なくとも1つの基であることが好ましい。
炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選択され
る少なくとも1つの基を含む。R’’メチル基またはエチル基である。R’の具体例と
しては、以下の構造で表される基の中から選ばれる少なくとも1つの基であることが好ま
しい。
一般式(3)および一般式(4)で示される金属アルコキシドは、シラノール化合物(シラノール基)とアルコキシシラン化合物(アルコキシシリル基)の脱アルコール縮合反応を触媒しつつ、自身もアルコキシ基含有化合物として振る舞って脱アルコール縮合反応に関与し、分子内に取り込まれる形でポリシロキサンないしはポリシルセスキオキサン構造を形成する。
具体的には、金属アルコキシドとして、一般式(3)で示される4価の金属アルコキシドを用いる場合には、4価の金属アルコキシドとアルコキシシラン化合物を、それぞれ1:2のモル比で換算し、置き換える(4価の金属アルコキシド混合量を1モル増やす毎に、アルコキシシラン化合物を2モル減じる)のが好ましい。また、一般式(4)で示される3価の金属アルコキシドを用いる場合には、3価の金属アルコキシドとアルコキシシラン化合物を、それぞれ2:3のモル比で換算し、置き換えるのが好ましい。
また、本発明に好適なアルコキシシラン化合物としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、1−プロペニルトリメトキシシラン、1−プロペニルトリエトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリエトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリエトキシシランなどが挙げられるが、優れたUV−i線感光特性を得るためには、光重合性の炭素−炭素二重結合を有する、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランがより好ましく、価格や有害性、性能などを考慮すると、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好適である。
本発明で好適に用いられるシラノール化合物に対して、金属アルコキシドの重合時添加量が2モル%を下回ると、上記好適温度範囲以上に加熱したとしても、ポリオルガノシロキサンの重合度を思うように上げることができない。このような場合、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを触媒として適量添加すると、金属アルコキシドの不足分を補って、生成するポリオルガノシロキサンの重合度を適度に制御することが可能となる。
但し、本発明で好適な金属アルコキシドを重合時に添加せず、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの触媒作用だけで本発明のシラノール化合物とアルコキシシラン化合物を重合しようとすると、重合条件に関わらずに、結晶性の高い重合体成分が一部生成することが避けられず、これが結晶化して析出し、白濁や沈殿となり、系が不均化するため好ましくない。この「結晶化」を回避する意味からも、金属アルコキシドを重合時に添加することが好ましく、その重合添加量は、シラノール化合物に対して、少なくとも0.1モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上である。
また、以上に記載した感光性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた場合、本発明の絶縁膜は、以下の繰り返し単位(5)の化学構造から選択される少なくとも1つの構造を有するものである。
この際、上記化学構造(5)のうち、(6)を(7)に、(8)を(9)に、(10)を(11)に、それぞれ全て、もしくはその一部を置き換えることも可能である。ここで、Mはケイ素、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウムのいずれかを示し、R’’’は炭素数1〜4のアルキル基であり、M’はホウ素またはアルミニウムを示し、R’’’’は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
(1)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノンなどのベンゾフェノン誘導体
(2)2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチルなどのアセトフェノン誘導体
(3)チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体
(4)ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどのベンジル誘導体
(5)ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、などのベンゾイン誘導体
(6)1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O-メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシム系化合物
(7)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、などのα−ヒドロキシケトン系化合物、
(8)2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オンなどのα−アミノアルキルフェノン系化合物、
(9)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどのフォスフィンオキサイド系化合物
(10)ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン化合物
、などが好ましく挙げられる。また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混
合物でもかまわない。
ノン系化合物がより好ましい。その添加量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.2〜20質量部とするのが好ましく、1〜10質量部とするのがより好ましい。添加量が0.2質量部を上回ると、露光に際して、光ラジカル重合が充分に進行するだけのラジカルが供給されるため、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。また、添加量が20質量部を下回れば、塗膜表面付近での露光吸収が大きくなりすぎることが無く、基板面付近まで露光光線が到達し、よって光ラジカル重合が膜厚方向で均一となり、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。
本発明の目的においては、その中でも、メチル系、フェニル系、フェニルメチル系、フェニルエチル系、フェニルプロピル系などの、いわゆるストレートシリコーンレジンを添加することが好ましい。これらの例としては、KR220L、KR242A、KC89、KR400、KR500(以上信越化学工業製)などのメチルシリコーンレジン、217フレーク(東レ・ダウコーニング製)、SR−20、SR−21(以上小西化学工業製)などのフェニル系シリコーンレジン、KR213、KR9218(以上信越化学工業製)、220フレーク、223フレーク、249フレーク(以上東レ・ダウコーニング製)などのフェニルメチル系シリコーンレジン、SR−23(小西化学工業製)などのフェニルエチル系シリコーンレジン、Z−6018(東レ・ダウコーニング製)などのフェニルプロピル系シリコーンレジン等が挙げられる。
これら本発明に好適なシリコーンレジンの添加量は、ポリオルガノシロキサン成分に対して50〜200質量部であることが好ましい。タック性や流動性の改善効果を得るには最低でも50質量部以上は必要であり、また200質量部以下であれば、i線感光性などのリソグラフィー特性を維持することが可能である。
次に、本発明の半導体装置用絶縁膜において、硬化レリーフパターンを形成する方法の好適例を以下に示す。
まず、下部段差が形成されたシリコンウェハー、セラミック基板、アルミ基板などの他、所望の各種基材上に感光性樹脂組成物を塗布する。塗布装置または塗布方法としては、スピンコーター、ダイコータ−、スプレーコーター、浸漬、印刷、ブレードコーター、ロールコーティング等が利用できる。これを80〜200℃でソフトベークした後、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光投影装置を用いて、所望のフォトマスクを介して活性光線を照射する。なお、下部段差は、公知の方法、例えばアルミニウム、チタン、タングステンなどの金属からなる薄膜をスパッタ、蒸着、化学気相成長法などで形成後フォトレジストを塗布し、所望の配線パターンを形成後ドライエッチングで転写するなどの方法を用いて形成することができる。
この後、光感度の向上などの目的で、必要に応じて、任意の温度、時間の組み合わせ(好ましくは温度40℃〜200℃、時間10秒〜360秒)による露光後ベーク(PEB)や、現像前ベークを施しても良い。
次に現像を行うが、浸漬法、パドル法、及び回転スプレー法等の方法から選択して行うことが出来る。現像液としては、本発明の組成物の良溶剤を単独で、もしくは良溶剤と貧溶剤を適宜混合して用いることが出来る。良溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが、貧溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および水などが用いられる。
このようにして得られたレリ−フパターンは、熱処理により硬化レリーフパターンに変換される。そのための加熱硬化は、ホットプレート、イナートオーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどを用いて行うことが出来る。感光性ポリオルガノシロキサン組成物を用いる場合には、150℃〜250℃の低い温度でこの加熱硬化が進行するので、耐熱性に制約がある半導体装置に適用する場合にも好適に用いることができる。加熱硬化させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、必要に応じて窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
[合成例1]
(ポリオルガノシロキサンP−1の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(以下DPD)540.78g(2.5mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下MEMO)577.41g(2.325mol)、テトラ−isoプロポキシチタン(以下TIP)24.87g(0.0875mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を120℃に設定し、室温より加熱を開始した。途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還留させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、コールドトラップと真空ポンプとに接続されたホースを装着し、オイルバスを用いて80℃で加熱しつつ強撹拌し、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−1(23℃における粘度100ポイズ)を得た。
(ポリオルガノシロキサンP−2の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、DPDを432.62g(2.0mol)、MEMOを495.71g(1.996mol)、TIPを0.568g(0.002mol)、水酸化ナトリウムを0.16g(0.004mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を80℃に設定し、室温より加熱を開始した。途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還留させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーリスト15、乾燥重量40gをメタノールで膨潤・洗浄したもの)を充填したガラスカラムに通液させ、ナトリウムイオンを除去した。
これをバキュームシール付き撹拌羽根、およびコールドトラップと真空ポンプとに接続されたホースを装着した丸底フラスコに移し、80℃に加熱したオイルバスに浸け、強撹拌しつつ、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−2(23℃における粘度50ポイズ)を得た。ICP−MSイオン分析の結果、P−2中のナトリウムイオン濃度は1ppm未満であった。
(ポリオルガノシロキサンP−3の合成)
合成例1におけるTIPをテトラ−isoプロポキシジルコニウムとした以外は合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサンP−3(23℃における粘度78ポイズ)を得た。
[合成例4]
(ポリオルガノシロキサンP−4の合成)
合成例1におけるMEMOを565.0g(2.275mol)、TIPをトリ−isoプロポキシアルミニウム30.63g(0.15mol)とした以外は合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサンP−4(23℃における粘度122ポイズ)を得た。
(ポリアミドP−5の合成)
容量5Lのセパラブルフラスコに、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物310.22g(1.00mol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート270.69g(2.08mol)、ピリジン158.2g(2.00mol)、ガンマーブチロラクトン1000gを投入、混合し、常温で16時間撹拌放置した。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド400.28g(1.94mol)をガンマーブチロラクトン400gに溶解希釈したものを、氷冷下、30分ほどかけて滴下投入し、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル185.97g(0.93mol)をガンマーブチロラクトン650gに分散させたものを、60分ほどかけて加えた。氷冷のまま3時間撹拌し、その後エタノールを50g加え、氷冷バスを取り外し、更に1時間撹拌放置した。上記プロセスで析出してきた固形分(ジシクロヘキシルウレア)を加圧濾別した後、反応液を40Lのエタノールに滴下投入し、その際析出する重合体を分離、洗浄し、50℃で24時間真空乾燥することにより、ポリアミドP−5を得た。ポリスチレン換算GPC重量平均分子量(テトラヒドロフラン中)は25500であった。
(ポリオルガノシロキサン組成物C−1の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オンを4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを1質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8;日本油脂製PDT−650)を10質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを5質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−1を得た。
(ポリオルガノシロキサン組成物C−2の調整)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オンを4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを1質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを10質量部、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−2を得た。この場合の固形分濃度、すなわち全組成物重量に対する溶剤(N−メチルー2−ピロリドン)以外の成分の重量の比率は88.3%となる。
(ポリオルガノシロキサン組成物C−3の調製)
ポリオルガノシロキサンとして合成例2のP−2を用いた以外は調製例2と同様にして、ポリオルガノシロキサンC−3を得た。
[感光性樹脂組成物の調製例4]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−4の調製)
ポリオルガノシロキサンとして合成例3のP−3を用いた以外は調製例2と同様にして、ポリオルガノシロキサンC−4を得た。
(ポリオルガノシロキサン組成物C−5の調製)
ポリオルガノシロキサンとして合成例4のP−4を用いた以外は調製例2と同様にして、ポリオルガノシロキサンC−5を得た。
[感光性樹脂組成物の調製例6]
(感光性ポリアミド組成物C−6の調製)
合成例5で得られた感光性ポリアミドP−5を100重量部、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム4質量部、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール1質量部、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン3質量部、N−ニトロソジフェニルアミン0.05質量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート4質量部、N−メチル−2−ピロリドン240質量部を混合溶解させ、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターでろ過し、ワニス状の感光性ポリアミド組成物C−6を得た。
感光性ポリアミド組成物C−6を直径5インチシリコンウェハー上にスピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて塗布した。この際、初期膜厚が22μmとなるよう回転数を調整した。この塗膜にi線ステッパー露光機(ニコン製 型式名NSR2005i8A)を用いて、図4に示すパターンを転写した。露光後30分放置し、現像液としてシクロペンタノンを、リンス液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて現像した。これを縦型キュア炉(光洋サーモシステム製、形式名VF−2000B)を用いて、窒素雰囲気下、350℃で2時間焼成してポリイミドからなる硬化膜を得た。この硬化膜の膜厚は10μmであった。なお、ここで作成した下部段差付基材を、今後単に「段差付基材」と呼ぶ。
感光性樹脂組成物の調製例1〜5で得られたワニス状の感光性組成物を、スピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて段差付基材上に塗布し、125℃で12分間ソフトベークし、初期膜厚21μmの塗膜を得た。ここで初期膜厚とは、図4のA部における塗膜の膜厚(以下も同様)である。これをそれぞれ実施例1〜5とする。同様に感光性樹脂組成物の調製例6で得られたものを用いて得た塗膜を比較例1とする。ただし初期膜厚は28μmとなるように、スピンコーターの回転数を調整した。これは実施例1〜5と比較例1とでは熱処理時の収縮率(硬化膜膜厚(μm)/初期膜厚(μm)×100%)が大幅に異なるため、初期膜厚を同じにすると硬化膜の膜厚が異なってしまい、同等に比較することができなくなるためである。
この塗膜に、i線ステッパー露光機(ニコン製 型式名NSR2005i8A)により、一辺40μmの正方形ビアホールパターンが描画された評価用フォトマスクを通して、露光量を100〜900mJ/cm2の範囲で横方向に100mJ/cm2ずつ、フォーカスを16μm〜32μmの範囲で縦方向に2μmずつ、それぞれ段階的に変化させて露光した。
得られたレリーフパターンを光学顕微鏡下で目視観察し、現像部分の残滓の有無(○:残滓なし、△:局所的に僅かに残滓あり、×:残滓多し)、パターンの膨潤の有無(○:膨潤なくシャープ、△:局所的に僅かに膨潤、×:明らかに膨潤)、基材からの浮き上がりやはがれなどの有無(○:浮き上がりやはがれなし、△:局所的に僅かに浮き上がりやはがれあり、×:全面かもしくは明確な浮き上がりやはがれあり)を評価した。結果を表1に示す。
リソグラフィ評価で作成した実施例1〜5、および比較例1のパターン付塗膜が形成された段差付基材を、縦型キュア炉(光洋サーモシステム製、形式名VF−2000B)を用いて、窒素雰囲気下、180℃で2時間焼成した。得られた硬化膜の膜厚および表面粗さを測定するため、図4のA部とB部の段差を触針式段差計(KLAテンコール製、型式名P−15)で測定した。結果を表2に示す。
リソグラフィ特性は実施例1〜5および比較例1ともに良好な結果を示す。しかしながら、平坦性は実施例1〜5ではいずれも段差が0.5μm以下となり、硬化膜の膜厚に対し3%以下の実質的に平坦な膜が得られるのに対し、比較例1では段差が3μm近くになってしまう。
2 下部段差
3 基材
4 貫通孔
5 本発明の半導体装置用絶縁膜の形成工程で用いる感光性薄膜
6 従来知られた半導体装置用絶縁膜の形成工程で用いる感光性薄膜
7 従来知られた半導体装置用絶縁膜
Claims (4)
- 平坦な基材上に形成された高さHの下部段差上に形成された貫通孔を有する半導体装置用絶縁膜において、基材上の膜厚D1が10μm以上20μm以下であり、下部段差上の膜厚に該下部段差の高さを加えた値をD2とし、表面粗さを(D2−D1)/D1×100で表したときに、表面粗さが10%以下であることを特徴とする半導体装置用絶縁膜。
- ポリオルガノシロキサン樹脂からなる請求項1に記載の半導体装置用絶縁膜。
- 前記下部段差の高さHが5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置用絶縁膜。
- 固形分濃度が85%以上の感光性樹脂組成物を、下部段差を有する基材上に塗布して感光性樹脂層を形成する工程と、該感光性樹脂層をフォトリソグラフィ法により貫通孔を有する薄膜とする工程と、該薄膜を熱処理する工程とを有する請求項1〜3にいずれかに記載の半導体装置用絶縁膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006328675A JP2008141137A (ja) | 2006-12-05 | 2006-12-05 | 半導体装置用絶縁膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006328675A JP2008141137A (ja) | 2006-12-05 | 2006-12-05 | 半導体装置用絶縁膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008141137A true JP2008141137A (ja) | 2008-06-19 |
Family
ID=39602263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006328675A Pending JP2008141137A (ja) | 2006-12-05 | 2006-12-05 | 半導体装置用絶縁膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008141137A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010153649A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Tosoh Corp | 環状シロキサン組成物および薄膜 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62293239A (ja) * | 1986-06-12 | 1987-12-19 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 感光性高分子膜およびこれを用いた多層配線板 |
JP2001118814A (ja) * | 1999-10-19 | 2001-04-27 | Daido Steel Co Ltd | 絶縁層の研磨方法とこれに用いるウェハ用吸着治具 |
-
2006
- 2006-12-05 JP JP2006328675A patent/JP2008141137A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62293239A (ja) * | 1986-06-12 | 1987-12-19 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 感光性高分子膜およびこれを用いた多層配線板 |
JP2001118814A (ja) * | 1999-10-19 | 2001-04-27 | Daido Steel Co Ltd | 絶縁層の研磨方法とこれに用いるウェハ用吸着治具 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010153649A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Tosoh Corp | 環状シロキサン組成物および薄膜 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5388331B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP5199336B2 (ja) | 感光性ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP5525821B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP5826341B2 (ja) | 硬化物の製造方法 | |
JP5144646B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP4932527B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン組成物 | |
WO2013157643A1 (ja) | ラジカル架橋性基を有するポリシロキサン組成物 | |
JP5078475B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン | |
JP2011202127A (ja) | 感光性樹脂組成物及び硬化物 | |
JP5179972B2 (ja) | 感光性ポリオルガノシロキサン組成物、ポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン及びその形成方法、並びに半導体装置及びその製造方法 | |
JP2008203613A (ja) | ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP4932528B2 (ja) | 硬化レリーフパターン付き基材の製造方法 | |
JP6022870B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP5411919B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP2008141137A (ja) | 半導体装置用絶縁膜 | |
JP5142622B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20090401 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091015 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111004 |