JP4931825B2 - 構造核酸指向化学合成 - Google Patents

構造核酸指向化学合成 Download PDF

Info

Publication number
JP4931825B2
JP4931825B2 JP2007539461A JP2007539461A JP4931825B2 JP 4931825 B2 JP4931825 B2 JP 4931825B2 JP 2007539461 A JP2007539461 A JP 2007539461A JP 2007539461 A JP2007539461 A JP 2007539461A JP 4931825 B2 JP4931825 B2 JP 4931825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
reaction
stem
segment
hybridization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007539461A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008518607A (ja
Inventor
ニールス イアコブ ベスト ハンセン
ピーター ブラクスキアー
マーギト ハアール ハンセン
ラース コルスター ピーターセン
タラ レニー ヘイトナー
Original Assignee
ビーパーゲン アンパーツゼルスカブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ビーパーゲン アンパーツゼルスカブ filed Critical ビーパーゲン アンパーツゼルスカブ
Publication of JP2008518607A publication Critical patent/JP2008518607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4931825B2 publication Critical patent/JP4931825B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B61/00Other general methods
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1075Isolating an individual clone by screening libraries by coupling phenotype to genotype, not provided for in other groups of this subclass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1068Template (nucleic acid) mediated chemical library synthesis, e.g. chemical and enzymatical DNA-templated organic molecule synthesis, libraries prepared by non ribosomal polypeptide synthesis [NRPS], DNA/RNA-polymerase mediated polypeptide synthesis

Description

発明の分野
本発明は、非天然ポリマーや小分子のような、種々の分子の表示を可能にする、インビトロDNAディスプレイテクノロジーのための組成物および方法を提供する。そのような方法の利点は、コンビナトリアルライブラリーが構築され、及び分子の進化を可能にする、所望の活性のための選択、増幅及び多様化のラウンド(rounds)に供され得ることである。
背景
ディスプレイテクノロジーは情報ストレージと核酸の増幅能力を他の化合物の機能活性と組み合わせるために開発されてきた。ディスプレイテクノロジーは機能実体(functional entity)と機能実体の構造について情報を与える核酸配列の間の関連に依存する。そのような方法の利点は非常に大きなライブラリーが構築されて機能実体の所望の活性について証明され得ることである。それから所望の活性を有するライブラリーメンバーは所望の活性を有さないライブラリーメンバーから分けることができ、従って所望の活性を有するメンバーのより多くの分画を有する濃縮ライブラリーを作成する。この方法は選択と呼ばれる。それから濃縮ライブラリー中のライブラリーメンバーの構造はそれらの同族の核酸配列によって同定されることができ、従って物質の微小量からでさえ同定を可能にする。いくつかのディスプレイテクノロジーはさらにそのメンバーのアイデンティティ; 単なる核酸配列だけでなく機能実体も知ること無しで濃縮ライブラリーが増幅されることを可能にする。そのようなディスプレイテクノロジーは“増幅可能ディスプレイテクノロジー”と呼ばれる。選択と増幅の反復ラウンドが所望の活性の高められた濃縮を可能にして行われることができるので、これらのテクノロジーは特に大きなライブラリーを処理するときに利点がある。増幅可能ディスプレイテクノロジーのもう一つの利点は、選択、増幅及び多様化のラウンドが行われることができ、所望の機能を有する分子を進化させるために、従って自然選択におけるのと同じ原理を使用する。この方法は分子進化と呼ばれる。
生物系を利用したディスプレイテクノロジーが開発されてきたが、その中で最も著名なのがファージディスプレイ(Smith, Science, 228, 1315-7, 1985)である。しかしながら、そのような系はタンパク質とペプチドのような天然で生じる生成物のディスプレイに制限される。
有機化学の柔軟性を使用したインビトロディスプレイテクノロジーが記載されてきた。一つの例がUS5723598に記載されている。その方法は二官能性分子; 化学基を受容することができる一つの官能性と核酸配列を受容することができる一つの官能性、を使用する。そのようなライブラリーを合成する方法は混合と二官能性分子をコンパートメント(compartments)に分割するラウンドからなる、“スプリット アンド ミックス”として一般に知られている。化学基と核酸配列のコンパートメント特異的なペアが加えられる。核酸配列はこのように化学基をコード化している。すべての二官能性分子はそれから混合され、その方法が大きなコンビナトリアルライブラリーを生成するために繰り返された。ライブラリーはそれから選択に供され、選択された核酸配列がPCRによって増幅され、そしてそれは通常の分子生物学; クローニング及びDNA配列決定によって同定のために使用されるかもしれない。
もう一つの例はWO04/039825A2に記載されており、そこでコンビナトリアルライブラリーは二官能性分子; 化学基を受容することができる一つの官能性と核酸配列を受容することができる一つの官能性、への化学基と核酸コードの同族体ペアの近接誘導付加のラウンドによって、生成される。そのうえ、いわゆる転移ユニットのレパートリーが使用され、そこで化学基は、コーディングセグメントと二官能性分子へアニールできるセグメントを含んでいる、オリゴヌクレオチドに結合している。転移ユニットのレパートリーは二官能性分子にアニールされ、それはコードを二官能性分子に酵素的に移されることを可能にするのに加えて、化学基がまさに同じ二官能性分子と反応するように指向する。この方法は大きなコンビナトリアルライブラリーを生成するために再度繰り返され得る。
上で記載されたライブラリーは濃縮ライブラリーを形成するために選択に供され得る。濃縮されたライブラリーメンバーの合成履歴はコード化核酸によって後に導き出され得る。しかしながらこれらのアプローチの制限は濃縮ライブラリーが増幅され得ないことである。
有機化学の柔軟性及び選択、増幅及び多様化のラウンドを利用したインビトロディスプレイテクノロジーが記載されている。これらの方法はテンプレートの使用に依存する。
一つの例が“スプリット アンド ミックス’原理を使用して、WO00/23458に記載されている。ssDNAテンプレートのライブラリーが、化学反応部位とコドンセグメントのいくつかの位置を各々含んで、使用された。そのテンプレートは与えられたコドン位置のためのアンチコドン配列のレパートリーにハイブリダイズすることによってコンパートメント化された。それから、コンパートメント特異的な化学反応がテンプレートでの反応部位を修飾して行われた。テンプレートはそれから混合され、その方法はコンビナトリアルライブラリーを形成するために他のコドン位置を使用することによって再度繰り返される。
もう一つの例が“シングルポット”原理を使用して、WO02/074929A2に記載されている。オリゴヌクレオチドテンプレートのライブラリーが、化学反応部位とコドンセグメントのいくつかの位置を各々含んで、使用される。そのうえ、転移ユニットのレパートリーを使用して、その方法はオリゴヌクレオチドのアンチコドン配列及び化学反応基からなる。テンプレートのライブラリーは与えられたコドン位置のための転移ユニットのレパートリーとハイブリダイズされた。これはハイブリダイズされた転移ユニットの化学基をハイブリダイズされたテンプレートの反応部位の近くに導き、その結果それは同族体ペアの化学反応を指向する。この方法はそれからコンビナトリアルライブラリーを形成するために他のコドン位置を使用して再度繰り返される。
コードと化学基の同族体ペアの上の近接誘導の制限はテンプレートオリゴヌクレオチドの直鎖構造によって与えられる。直鎖の結果として、コドンと化学反応部位の間の距離はコドン位置ごとに異なるであろう。反応部位からより遠く離れたコドン位置にとって、局所濃度が距離の関数として3乗まで下がるので、近接誘導が損なわれる。この不利益は、より多くのコドン位置やより複雑なコドンを有する、複雑なライブラリーでより明確になる。
この問題はWO04/016767A2で調べられ、解決されており、そこでアンチコドンセグメントの他にも転移ユニットはまた、反応部位に近いテンプレートの一定の配列に相補的である、一定のセグメントを含んでいる。従って、転移ユニットをテンプレートにハイブリダイズすることによって、問題のコドン部位と一定のセグメントの間のテンプレート配列が、いわゆるオメガ構造を形成するために、突き出ているという結果になる。その概念はコドンセグメントが特異性を担い、一定のセグメントが近接性を担う。WO04/016767A2ではまた示されているのは、テンプレートのいわゆるT構造であり、そこで両側に広がったコドン位置とともに、テンプレートの反応部位がテンプレートの中央に位置する。結果として、距離の問題はいわゆる“カット イン ハーフ”である。
WO 2004/056994A2は出願中でテンプレートが結合ポリヌクレオチドと名付けられた、小さい配列に切断されるという違いを有するWO02/074929A2又はWO04/016767A2によく似た方法を開示する。結合ポリヌクレオチドは転移ユニットをこれらを反応近接に持ってくるために結合する。ある実施態様では結合ポリヌクレオチドは反応化学基を含んでもよい。コード化された分子を得るためにその方法は反応前のコドン/アンチコドン認識に依存する。
上で記載されたテンプレート指向ライブラリーが濃縮ライブラリーを形成するためにその後選択に供される。それから濃縮ライブラリーメンバーの合成履歴はコード化している核酸によって導き出され得る。濃縮ライブラリーは、例えばエラープローンPCRによって増幅され、多様化されることができ、従って分子進化を可能にする。
これらのアプローチにおける制限は多数のテンプレートが生成されなければならないことであり、それは厄介であり、なぜならテンプレートは適切なコドン/アンチコドン ハイブリダイゼーションを確実にするためにかなりの長さを有さなければならないからである。最終的に指向された合成を作成するために多数の小さな配列を使用する方法では、合成される配列の数は実際のライブラリーサイズよりいっそう高い。
テンプレートを使用する先行技術の方法は、コード化がコドンとアンチコドン配列のハイブリダイゼーションに依存するという不利益を欠点として持つ。時々、一本鎖オリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションが完全な相補性なしで起こるであろう。ライブラリー構築の場合にその結果はコード化と合成履歴の間の関連の損失である。その結果、選択におけるポジティブコードが非選択されているかもしれないし、ネガティブコードが選択されているかもしれない。より複雑なライブラリーにとって一本鎖オリゴヌクレオチドの複雑性がまた、長さと配列の両方の数に関して、増加するにつれこの不利益はより重大になってくる。これはその方法を制御するのをより困難にする。
上で記載されたように、種々の化合物クラスの表示、選択、増幅及び多様化を可能にするインビトロディスプレイテクノロジーが開発されてきた。しかしながら、特にライブラリー構築と多様化の品質に関して、改善のための進行中の必要性がまだある。本発明は多数のテンプレートのプレ合成を必要としないコード化された分子を生成するための方法を提供する。そのうえ、本方法は形成されるコード化された分子にとってコドン/アンチコドン認識に依存しない。
発明の概要
本発明は有機化学の柔軟性を利用し、選択、増幅及び多様化のラウンドを可能にするインビトロディスプレイテクノロジーに関する。
特に、本発明は核酸と化合物を含む組成物に関しており、前記組成物が反応中心から伸びる3又はより多いステムを定めている星形構造を形成し、そこでステムが核酸デュプレックスによって形成され、化合物が反応中心で3個の又はより多い化学基の反応生成物として形成された。
その核酸は超構造を形成し、そこで異なるセグメントが星に似た構造を形成するように互いにハイブリダイズする。星形構造は反応中心及び多くのステムを含む。反応中心では、化合物は3個の又はより多い化学基の反応生成物として調製された。ステムは核酸デュプレックスであり、すなわち化合物を形成するように化学基の反応に有利である条件下でデュプレックスが形成されるためにステムは十分互いに相補する二本のハイブリダイズするセグメントを含む。
少なくともステムの一つが中心から放射状に伸びる。好適に、3又はより多いステムが反応中心から外に向かって放射状に伸びる。ステムのデュプレックス核酸は反応近接を得るように化学基を集めること信じられる。化学基の間に作られた近接は局所濃度を増加させて反応が進行する機会を増す。星形構造の3又はより多いステムの存在は強力な超構造を生じさせ、それは1個のデュプレックスが2個の分離した1本鎖の核酸に分離する条件でさえ安定である。従って、星形構造は融通のきく(versatile)反応条件を化学基間の反応を促進するために使用されることを可能にする。ここで報告された実験は3ステムの星形構造は35%を超えるアセトニトリルとテトラヒドロフラン及び40%を超えるDMFを含む媒体中で有機合成に導くために十分安定であることを示す。本発明のある実施態様では、星形構造は共通の(mutual)反応中心に結合された4, 5, 6, 7又はより多いステムを含む。ステムの数が増加するとき、星形構造の安定性はまた増加する。
核酸は特定の機能を有する様々な部分にセグメント化される。本発明のある局面で、核酸は、形成された化合物の形成に関与する、1個の又はより多い化学基を同定する1個の又はより多いコドンを含む。コドンセグメントの存在は反応近接を促進するために核酸を使用することだけでなく化合物の形成に関与した1個の又はより多い化学基をコードするための核酸を使用することもまた可能にする。1個の又はより多いコドンの存在は解読目的のために特に有効である。形成された化合物は少量で存在するか他の化合物との混合物中に存在するとき、簡単な同定が分子生物学的手法によって行われ得る。
化学基を同定するコドンは星形構造を形成する核酸中のどこに存在してもよく、すなわちコドンは反応中心に又はその近くに、星形構造のハイブリダイゼーションセグメントに又は他の部分に存在してもよい。本発明のある局面ではコドンはステムの末端に位置している。先端のコドンは必ずしもデュプレックスの形成に又は反応中心のための環境の形成に加わる必要が無いので、中心から離れた方を向いているステムの末端に置かれたコドンは核酸の星形構造のデザインにより多くの自由を許容する。
ステムは平滑末端、粘着末端であってもよく、又はループが存在しても良い。平滑末端又は粘着末端ステムは、もう一つの核酸にステムをライゲートする目的のとき、好ましいかもしれない。ある実施態様で、ループはステムの末端に形成される。ループは二本鎖間の物理結合を形成し、それゆえ核酸超構造の様々な部分間で共有結合を形成する。ある実施態様でループは環状核酸を形成するようにステムのすべての末端で存在する。もう一つの実施態様で、連続した核酸配列を形成するように、ループが一個を除いたステムのすべての末端で存在する。好適に、連続した配列はポリメラーゼ又は別の核酸活性酵素を使用して核酸を酵素的に伸長するプライミング部位を含む。適切な例でプライミング部位はループを有さないステムに存在する。好適に、核酸はDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素のためのプライミング部位を含む。従って、ループは形成された化合物を表示する二本鎖伸長産物を調製することを可能にする。
重要なことに、伸長産物は一般に直鎖デュプレックスからなり、すなわち、相補する鎖が伸長反応によって形成された。伸長反応は反応中心を壊すので反応中心での反応によって予め形成された化合物は媒体中に表示される。この明細書中で後に論じられるように、化合物の表示は伸長産物のライブラリーにおける様々な選択戦略の使用を可能にする。
選択の後に、核酸を増幅する可能性は同定目的のために特に重要であり、なぜなら微小な濃度でしか存在しない場合でさえ化合物が同定され得るからである。連続した核酸配列は好適に、コード化された化合物の形成に関与した、すべての反応物のコドンを含む。
本発明の特に好ましい実施態様でコドンはステムループ構造の非塩基対形成部分に位置している。コドンの特異的な配列がハイブリダイゼーションと反応能力に物質的な影響を有しないので、コドンのループでの存在はデザインにおけるヌクレオチドの任意の組み合わせの使用を許容する。
本発明のいくつかの局面で酵素制限部位がステムループ構造中に存在する。使用される特異的なエンドヌクレアーゼに依存して、ステムループ構造の1本又は両方の鎖が切断されるかもしれない。ある実施態様でループに近い鎖の1本だけにニックが入れられ、それによって一本鎖核酸セグメントを形成する。一本鎖核酸セグメントは好適に該コドンを含む。この目的のために有用な酵素はN. Bbvc IAである。もう一つの実施態様で両方の鎖が切断されて粘着末端、すなわち一本鎖核酸オーバーハングが形成される。好適に、コドンは一本鎖オーバーハングに存在する。本発明の一つの局面でループの核酸配列の少なくとも一部に相補的なヘルパーオリゴヌクレオチドを加えることが好ましい。適切な条件下で、ヘルパーオリゴヌクレオチドはループ配列にハイブリダイズして制限酵素のための基質を形成する。
星形構造のステムは任意の適切な長さを有してよい。一般に、ステムは少なくとも80%の相補性を有する2個のハイブリダイゼーションセグメントを含み各ハイブリダイゼーションセグメントは12又はより多いヌクレオチドを含む。相補性は一般に90%またはそれより上であり、例えば95%又はそれより上である。ハイブリダイゼーションセグメントは星形構造の安定性が問題とならない特定の応用にとって、11, 10, 9, 8, 7, 又は6ヌクレオチドのような12ヌクレオチド未満を含んでいてもよい。しかしながら、一般に高い安定性が望ましい。ほとんどの条件下で適切な安定性は、各ハイブリダイゼーションセグメントが18又はより多いヌクレオチドを含むときに一般に得られる。ハイブリダイゼーションに有利でない条件、すなわち室温より非常に高い温度、高い塩濃度、又は有機溶媒の存在が使用された場合、20又はより多いヌクレオチドのハイブリダイゼーションセグメントが通常利用される。
個々の化学基の反応後、形成された化合物は核酸に好ましくは共有結合的に結合している。ある応用で星形構造の核酸に形成された化合物を結合させるためにハイブリダイゼーションを使用することが望ましいかもしれない; しかしながら共有結合は化合物と核酸部分が次の選択中に一緒のままであることを確実にする。
反応中心で反応されるための化学基は任意の適切な方法で核酸と結合していてもよい。例として、反応前の化学基は核酸に共有結合的に結合している。通常、共有結合の1個又はより多くが反応と同時に又は反応の後に切断される。共有結合は切断可能または耐久性であるかをデザインされてもよい。その上、切断可能な結合は反応中に直ぐに切断されるようにデザインされ、又は反応後の工程で切断されるようにデザインされてもよい。
通常、化合物は核酸に結合した化学基及び任意に1個の又はより多い更なる反応物の反応によって形成される。反応物は、核酸と結合していない遊離の反応物として媒体に加えられた化合物を含む、いずれの供給源から生じていてもよい。さらに反応物は足場(scaffolds)、架橋剤、活性化剤、脱保護剤等であってもよい。
本発明に記載の星形構造は遺伝暗号と結合した異なる化合物のライブラリーの生成に有用である。それゆえに、本発明はまた星形構造のライブラリーに関する。星形構造の各々は媒体中に数個のコピーで存在するかもしれないし、媒体は一般に異なる化合物を含む星形構造を含む。例として、本発明のライブラリーは少なくとも1000個の異なる化合物、好ましくは106個の異なる化合物、そしてより好ましくは109個の異なる化合物を含み得る。
もう一つの局面で、本発明は、例えば相互に相補的なオリゴヌクレオチドによって形成される“星形構造”によってコード化核酸と結合した大きなライブラリーを合成するための方法に関するとして記載されるかもしれない。これは2個のセグメントを含むオリゴヌクレオチドをハイブリダイズすることによって得られ、そこであるオリゴヌクレオチドの3’末端の方のセグメントが隣接の5’の方のセグメントにハイブリダイズするなどである。最後に、最後の3’末端のセグメントが1番目のオリゴヌクレオチドの5’末端のセグメントにハイブリダイズする。その結果、星形構造を与える、各オリゴヌクレオチドの2個のハイブリダイゼーションセグメント間の中間セクションは形成されたリングの中央に向いているのに対し、末端は外を向いている。そのように、オリゴヌクレオチドの3タイプが使用されたときは3ステムが形成され、オリゴヌクレオチドの4タイプが使用されたときは4ステムが形成されるなどである。化学反応基は各オリゴヌクレオチドの中間セクションに結合し、したがって近接誘導化学反応が中心で生じることを可能にする。そのうえ、コドンは各オリゴヌクレオチドのハイブリダイズされたセグメントの外に都合良く位置し、したがって反応生成物の生成に関与する化学基のコード化を可能にする。結合した化学基を有するオリゴヌクレオチドはここでキャリアーモジュールと呼ばれる。その結果、キャリアーモジュールは化学基、2個の位置特異的セグメント及びコドンを有する。各位置でのキャリアーモジュールのレパートリーが使用されるとき、コード化されたコンビナトリアルライブラリーの形成は可能にされる。ある実施態様によれば、1個を除く各ステムの末端が5’と3’末端を有する連続のオリゴヌクレオチドを形成するためにループ形成を介してライゲートされるとき、集合したオリゴヌクレオチドが伸長可能又は増幅可能にされる。したがって、1個のステムと幾つかのステムループからなる、星形構造はPCRによって増幅され又は適切な酵素で伸長され得る。その結果、コンビナトリアルディスプレイライブラリーは選択に供され、そして濃縮ライブラリーメンバーはそれらのコード化オリゴヌクレオチドによって同定され得る。
従って、本発明の局面は以下の工程を含む1個の又はより多い化学構造を生成する方法に関する:
(i)以下を含むN(N = 3-100)個のキャリアーモジュールを提供する工程:
(1)以下を有する1番目の位置のキャリアーモジュール
i)N位置のキャリアーモジュールの核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメ ント、及び
ii)2番目の位置のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグ メント、
(2)n-1キャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメ ント、及びn+1キャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメ ントを有するn位置のキャリアーモジュール(n = 2からN-1)、及び
(3)前記N-1キャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セ グメント、及び前記1番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能 な核酸セグメントを有するN位置のキャリアーモジュール、
ここで
前記キャリアーモジュールの少なくとも3個がハイブリダイゼーションセグメント間の 中間セクションに又はこの近くに位置する結合した化学基(CG)及び必要に応じてハイブ リダイゼーションセグメントの一方の外に位置するコドンセグメントを含む;
(ii)形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも1個と結合する、前記化学基を近傍に持ってくる、前記ハイブリダイゼーションセグメントのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で前記キャリアーモジュールを接触させる工程。

Nは化学構造の形成に使用されたキャリアーモジュールの総数を示す。従って、3個のキャリアーモジュールが化学構造の形成に使用されるとき、Nは3であり、4個のキャリアーモジュールが化学構造の形成に使用されるとき、そのときNは4であるなどである。nはキャリアーモジュールの特異的な位置を示す。
従って、Nが3のとき、(1)1番目の位置のキャリアーモジュールは3番目の位置のキャリアーモジュールの核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び2番目の位置のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; (2)2番目(n=2)の位置のキャリアーモジュールは1番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び3番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; 及び(3) 3番目の位置のキャリアーモジュールは前記2番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び前記1番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される。
Nが4のとき、(1)1番目の位置のキャリアーモジュールは4番目の位置のキャリアーモジュールの核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び2番目の位置のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; (2) (n=2)2番目の位置のキャリアーモジュールは1番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び3番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; 及び(n=3)3番目の位置のキャリアーモジュールは2番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント及び4番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用され及び(3) 4番目の位置のキャリアーモジュールは前記3番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び前記1番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される。
Nが5のとき、(1)1番目の位置のキャリアーモジュールは5番目の位置のキャリアーモジュールの核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び2番目の位置のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; (2) (n=2)2番目の位置のキャリアーモジュールは1番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び3番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; 及び(n=3)3番目の位置のキャリアーモジュールは2番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント及び4番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用され及び(n=4)4番目の位置のキャリアーモジュールは3番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント及び5番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される; 及び(3) 5番目の位置のキャリアーモジュールは前記4番目のキャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び前記1番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメントを有して使用される。
上の方法はモジュールnへのモジュールn-1及びモジュールNへのモジュールN-1の末端のライゲーションを可能にする条件を提供する工程を伴い、それによってステムループ構造及び結合した化合物を有する連続する核酸分子を形成する。したがって、Nが3のとき、1番目のモジュールの末端は2番目のモジュールの末端にライゲートすることが可能にされ、及び2番目のモジュールの末端は3番目のモジュールにライゲートすることが可能にされる。Nが4のとき、(n=2)1番目のモジュールの末端は2番目のモジュールの末端にライゲートすることが可能にされ、(n=3)2番目のモジュールの末端は3番目のモジュールにライゲートすることが可能にされ、及び3番目のモジュールの末端は4番目のモジュールにライゲートすることが可能にされる。Nが5のとき、(n=2) 1番目のモジュールの末端は2番目のモジュールの末端にライゲートすることが可能にされ、(n=3)2番目のモジュールの末端は3番目のモジュールにライゲートすることが可能にされ、(n=4)3番目のモジュールの末端は4番目のモジュールにライゲートすることが可能にされ、及び4番目のモジュールの末端は5番目のモジュールの末端にライゲートすることが可能にされる。
本発明の更なる局面によれば、N位置のキャリアーモジュールは、環状核酸を形成するように、1番目のキャリアーモジュールにライゲートされてもよい。
キャリアーモジュールは先行技術で生成された構造と異なる新規の“星形構造”を生成するので、上で示された方法に従って作成された核酸と結合した化合物を含む組成物は新規である。例えば、上の背景の欄で論じられた先行技術を参照。
本発明の好ましい局面で、反応化学基間の高い近接及び形成された化合物の合成履歴の全体の遺伝コードの増幅を確実にする、方法が提供される。従って、好ましい局面で、本方法は反応基を反応近接に持ってくる、ハイブリダイゼーションセグメントのハイブリダイゼーションを可能にする条件下でキャリアーモジュールを接触させること; 及び
形成された化合物が少なくとも1個のキャリアーモジュールと結合している、反応基の反応を可能にする条件を提供すること; 及び
モジュールnへのモジュールn-1及びモジュールNへのモジュールN-1の末端のライゲーションを可能にする条件及びそれによってステムループ構造及び結合した化合物を有する連続した核酸分子を形成することを含む。
好ましい実施態様によれば、Nは3、4、5、6、7である。キャリアーモジュールの各々がハイブリダイゼーションセグメント間の中間セクションに又はこの近くに位置する結合した化学基(CG)及びハイブリダイゼーションセグメントの一方の外に位置するコドンセグメントを含むことはまた好ましい。
キャリアーモジュールの接触は逐次的に行ってもよく、すなわちキャリアーモジュールは個々のキャリアーモジュール間で任意の順序で接触してもよく又は接触が同時に行われてもよく、すなわちすべてのキャリアーモジュール、又はキャリアーモジュールの少なくともかなり量が超分子構造を形成するようなハイブリダイゼーション条件下で共に混合される。化学基の逐次的な反応が行われ完全な星形構造を構築するために必要とされるキャリアーモジュールの全体量のフラクションだけが使用されるとき、補助のオリゴヌクレオチドは星形構造を構築するために使用されてもよく、それによって反応中心が形成される。したがって、化合物の形成における工程がそれぞれのハイブリダイゼーションセグメントのハイブリダイゼーションによって2個のキャリアーモジュールを集合することを含むとき、ハイブリダイズされないハイブリダイゼーションセグメントに逆(invers)相補的なセグメントを有する補助のオリゴヌクレオチドが星形構造を形成するために加えられてもよい。
キャリアーモジュールに結合した化学基が反応中心で近接に持ってこられた後、反応が生じる。化学基は基が互いの反応距離に来るときに反応が直ぐに起こるようにデザインされてもよく又は基が外部成分が反応が生じるために必要となるようにデザインされてもよい。外部成分は、反応を生じさせる反応物、光子、電磁気力またはいずれかの他の刺激であってもよい。本発明のある局面ではオルトゴナル化学(orthogonal chemistry)が使用され、すなわち化学基が反応の順序が指向されるようにデザインされる。
反応中心は前記中心を囲むステムによって定められる。反応中心での2個の反応物間の距離は10 nm未満であることが示唆された。反応中心が球形であると仮定して; 反応物の濃度は1mMまで計算され得る。生物学的状況(biological context)ではこのサイズの濃度は高いとみなされ反応は妥当な時間内で進行するとみなし得る。そのうえ、キャリアーモジュールが調整されたモル量で投与されたとき、媒体中の遊離の反応物の濃度が非常に低く、従って反応中心における反応は向けられていない反応に比較して大きく有利である。
キャリアーモジュールの中間セクションは任意の適切な化学基を含み得る。例えばポリメラーゼによる酵素伸長を許容するために、キャリアーモジュールの中間セクションは好適に化学結合又は1から20ヌクレオチドを含む。ヌクレオチドは反応中心でのある反応条件を得るために修飾されてもよい。例として、中間セクションのヌクレオチドは結合した化学基の高い移動性と反応性を提供するために親油性基で修飾されてもよい。化学基は様々な位置でキャリアー分子と結合し得る。一つの局面で、化学基は中間セクションの核酸塩基と結合する。もう一つの局面で、化学基は中間セクションのホスホジエステル結合と結合する。
化学基がバックボーンに結合しているとき、結合の位置は一般にヌクレオシド間結合のリン(phosphor)である。核酸塩基が化学基の結合のために使われるとき、結合位置は通常プリン又は7-デアザ-プリンの7位に又はピリミジンの5位にある。ヌクレオチドはスペーサー部分によって化学基の反応基から離されていてもよい。反応基によって抽出された(sampled)コンフォメーション空間は反応中心でのもう一つの化学基の反応基との反応のために最適化されるようにスペーサーがデザインされてもよい。一般に、化学基は1個の又はより多い共有結合によって中間セクションに結合している。
ライゲーションは反応の前、反応と同時又は反応の後に行われてもよくライゲーションは実験者の選択で酵素的又は化学的に行われてもよい。媒体中の遊離のハイブリダイズしていないキャリアーモジュールの量を減らすために、反応前にキャリアーモジュールをライゲートすることが一般に望ましい。
形成された化合物は種々の化学的相互作用によって核酸と結合していてもよい。好ましい局面によれば形成された化合物は前記キャリアーモジュールの少なくとも一個又は連続した核酸分子と共有結合的に結合している。水素結合のようなより弱い結合を破壊するかもしれない苛酷な条件が我々に望ましいかもしれないので共有結合のような形成された化合物と核酸の間の相対的に強い結合がライブラリーのスクリーニング中に有用である。
本発明の好ましい局面で1個又はより多いキャリアーモジュールはDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素のプライミング部位を提供する。プライミング部位の存在は、化合物の形成において反応した、化学基のための遺伝コードの増幅を補助する。ライゲーションが無いとき、すなわち各化学基の遺伝コードは別々の実体がハイブリダイゼーションによって共に保持されたままのとき、各キャリアーモジュールがプライミング部位を含むことが好ましい。ライブラリーの選択が行われた後、首尾よい化合物、すなわち所望の特性を有する化合物の形成に関与したのがどの化学基であるかに関する情報を得ることが可能である。この情報を得る一つの方法は、QPCR又はマイクロアレイと併用されたスタンダードPCRのようなよく知られた方法によって、増幅産物を定量化することである。その情報は減少した多様性を有する第2世代ライブラリーの形成において使用されてもよく、なぜなら成功しているライブラリーにキャリアーモジュールを含めることが必要なだけだからである。減少した多様性のライブラリーはまた所望の特性を有する化合物の存在量がより高いので集中されたライブラリーである。
2個の又はより多いモジュールが共にライゲートされるとき、所望の特性を有する化合物の形成に共に関与している、反応物の情報を得ることが可能である。好ましくはすべての、キャリアーモジュールは直鎖核酸又は環状核酸を形成するように共にライゲートされる。従って、2個の又はより多いキャリアーモジュールが共にライゲートされるとき、一つのプライミング部位が2個のコドンを含む連続した核酸を増幅するために必要とされる。好ましい実施態様によれば、本発明の方法は少なくとも1番目のキャリアーモジュールに及び/又は少なくともNキャリアーモジュール中にDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素部位のためのプライミング部位を含む。すべてのキャリアーモジュールが共にライゲートされたとき、すなわち1番目のキャリアーモジュールがキャリアーモジュールn(n=2からN-1)にライゲートされ、そしてそれがキャリアーモジュールNにライゲートされるとき、プライミング部位が末端の一つに位置するときに核酸は伸長され得る。形成された化合物が反応中心に隠されたままであるというリスクを減少させるために、伸長は好ましくは選択プロセスより前に行われる。連続したヌクレオチドの伸長が媒体及びそこに存在するかもしれない、いずれかのターゲットに形成された化合物を効果的に表示する。
好ましくは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプロトコルに従った増幅を可能にするように、フォワードプライマーのハイブリダイゼーションのためのプライミング部位は一方の末端に位置し、リバースプライマーのハイブリダイゼーションのためのプライミング部位は他方の末端に位置する。選択が所望の特性を有する構造の遺伝物質のより多くのコピーを作成するために行われた後にPCR増幅は好適に行われる。
従って、本発明の第二の局面は核酸及び結合した化合物の構造を含む組成物または上で示された方法によって得ることができる1を超えるそのような構造のライブラリーに関する。
化合物の形成に関与している、化学基をコードする核酸と結合した化合物のライブラリーは1個の又はより多い位置でキャリアーモジュールのレパートリーを使用することによって形成され得る。
本書に記載されているようなライブラリーは関心のある化合物をスクリーニングするために使用されてもよい。所望の活性を有する化合物を発見する可能性を増加させるためにできるだけ大きなライブラリーを持つことが一般に要求される。本発明のある局面で関心のある化合物の特性はターゲットに結合する能力である。一般に、ターゲットに対する高い親和性と特異性を有する化合物を発見する可能性はライブラリーサイズを増加させることで増加すると仮定される。従って、本発明によるライブラリーは合成履歴をコード化する核酸と結合した103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、又は1014個を超える異なる化合物を好適に含む。
ライブラリーを得るためにキャリアーモジュールのレパートリーが幾つかの位置で使用されても良い。本発明の局面で、少なくとも1個の位置でレパートリーは少なくとも10個の異なるキャリアーモジュールを含む。ある局面で少なくとも2個の位置でレパートリーは少なくとも10個の異なるキャリアーモジュールを含む。同じ容器中で100万個の異なる化合物のライブラリーを得るために、本発明の多数の構造は3個の異なる位置での100個のキャリアーモジュールを用いて形成され得る。換言すれば、ただ300個のキャリアーモジュールの合成が100万個のライブラリーの形成を可能にする。同様に、1億個の化合物のライブラリーは4個の異なる位置での100個のキャリアーモジュールを用いて形成され得る。
本発明はまたモジュール置換を行うための方法に関する。その方法は次の工程からなる;
a)N個のハイブリダイゼーションセグメント及び相補するハイブリダイゼーションセグメントに加えてハイブリダイゼーションセグメントと相補するハイブリダイゼーションセグメントの間にN-1個のハイブリダイズしないセグメントを含む一本鎖の連続した核酸配列を提供する工程、
b)それによって少なくともN-1個のステムループと1個のステムを含む連続した核酸を形成する、分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下で核酸をハイブリダイズする工程;
c)それによって少なくともコドンセグメントを含むオーバーハングを生成する、前記ステム又はループに切断を導入する工程;
d)少なくとも以下を有するキャリアーモジュールの1番目のグループを提供する工程:
前記ステムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、隣接したステムループのステムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、必要に応じて結合した反応基、及びアンチコドンセグメント;
d)コドン及びアンチコドンセグメントのハイブリダイゼーションを可能にする条件を提供する工程; 及び
e)前記オーバーハングの退行 (recessive)末端に前記ハイブリダイズされたキャリアーモジュールの酵素的または化学的なライゲーションを可能にする条件を提供する工程; そして次の工程を行う;
i)それによって少なくとも隣接したコドンセグメントを含むオーバーハングを生成す る、前記コドン配列に隣接したステムループのループ又はステムを制限酵素で消化する 工程; 及び
ii)核酸を変性させる工程; 及び
iii)それによってN-1個のステムループと少なくとも前記隣接したコドンセグメントを 含むオーバーハングを有する1個のステムを形成する、分子内ハイブリダイゼーション セグメントに有利である条件下でハイブリダイズさせる工程; 及び
iv)形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも1個に結合する、前記 反応基の反応を可能にする条件を必要に応じて提供する工程; 及び
v)少なくとも以下を有するキャリアーモジュールの隣接したグループを提供する工程;
前記ステムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び隣接したステムループのス テムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び必要に応じて反応基を結合させ、及 びアンチコドンセグメントを有する工程;及び
vi)前記オーバーハングの退行 (recessive)末端にハイブリダイズされたキャリアーモ ジュールの酵素的な又は化学的にライゲーションを可能にする条件を提供する工程; 及 び
工程i)からvi)をN-1回繰り返す; 及び
f)前記1番目のキャリアーモジュールに結合した少なくとも前記アンチコドンセグメントを残しておいてキャリアーモジュールの前記1番目のグループの一部からなる前記ステムループ構造中に切断を導入する工程; 及び
g)核酸を変性させる工程; 及び
h)それによってN-1個のステムループと1個のステムを形成する分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下でハイブリダイズさせる工程; 及び
i)必要に応じて、形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも1個と結合する、前記反応基の反応を可能にする条件を提供する工程。

工程a)で使用された連続した核酸配列は幾つかの供給源から提供され得る。第一の局面によれば、核酸は上の方法によって提供され、しかしながら化学基を有さないダミーキャリアーモジュールを使用する。キャリアーモジュールを表すこれらの核酸は共にライゲートされるとき、直鎖又は環状の核酸が形成される。第二の局面によれば、工程a)の連続した核酸配列は形成された化合物を表示するための酵素伸長反応を行うことによって得られ得る。従って、星形構造の形成の後、一本鎖伸長産物又は伸長産物に相補しているストランドが工程a)で使用されるかもしれない。もし所望であれば、伸長産物は、核酸のコピー数を増幅するために、PCRのようなポリヌクレオチド増幅に供されてもよい。
ある局面で、工程a)、b)、又はc)での連続した核酸配列が固体支持体にPCR産物のセンス鎖を固定すること、固体支持体を単離すること、星形構造を形成するようにセンス鎖が自己ハイブリダイズするのを可能にすること、及び、必要に応じて、自己ハイブリダイズされた星形構造を固体支持体と結合するステムを切断すること、それによって固体支持体から星形構造を遊離させることによって得られる。
センス鎖を固定化する適切な方法はセンス鎖を生成するプライマーにビオチンを結合することである。センス鎖は、ストレプトアビジンで覆われたビーズのような固体支持体に結合し得る。固体支持体の特性に依存してそれは幾つかの方法で媒体の残りから単離されるかもしれない。現在、マグネットビーズを使用することは好ましく、それは容易にマグネットによって単離され得る。固体支持体は数回洗浄された後、センス鎖は新たに星形構造を形成するために自己ハイブリダイズすることが可能である。好ましい局面で、再折り畳みは瞬間冷却によって行われる。星形構造はモジュール置換の過程中、固体支持体に保持されていてもよく、または星形構造は固体支持体から切断されてもよい。好適に固体支持体と再び折り畳まれた星形構造を結合するステムの切断が制限酵素で行われる。制限酵素が切断を行う能力は実際には分子内折りたたみを確認するテストである。
本発明のある局面でループ中で星形構造を切断することは適切であるかもしれない。ほとんどの制限酵素は二本鎖核酸のみを基質として認識するので制限酵素を使用してループ中で切断することは直ちに可能ではない。それゆえ、本発明はループ中に制限酵素のための二本鎖基質を生成するために、消化の工程の前に、ループの配列に相補的なヘルパーオリゴヌクレオチドを加える更なる工程を含む。
本発明はまた次からなる1を超える化合物のライブラリーをスクリーニングするための方法に関する:
所望の特性の化合物を有するライブラリーメンバーを得るためにライブラリーを探索(probing)すること;
所望の特性を有さないライブラリーメンバーから所望の特性を有するライブラリーメンバーを分けること; 及び
それによって所望の特性を有するライブラリーメンバーの濃縮プールを得ること。
所望の特性を有するライブラリーメンバーの濃縮プールは分離されて所望であれば特徴付けされ得る。しかしながら、この方法の利点の一つは濃縮プールを分離する必要がないことである。好ましい実施態様で、濃縮プールは所望の特性を有する化合物の合成履歴を示す遺伝物質を増加させるために核酸増幅法に供される。所望の特性を有する化合物の濃縮ライブラリーを表す増幅された核酸のプールは、所望の特性を有する化合物の合成に関係している、反応物を同定するために解読されてもよい。しかしながら、もし濃縮プールが核酸の全体量を解読することが容易に実行可能なものより大きいなら、本発明は濃縮ライブラリーメンバー又はモジュール置換を行う上の方法を使用したそのような濃縮ライブラリーを表す核酸によってコードされる化合物を再度構築する可能性を提供する。
1つの実施態様で、本発明は所望の特性を有するライブラリーメンバーの濃縮プールの増幅のための方法を提供する。その方法はPCR増幅されたオリゴヌクレオチドが分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下でハイブリダイズすることを可能にされ、それによってステムと幾らかのステムループからなる星形構造が再生成される。好ましくはループの無いステムは制限酵素の認識部位を含み、それはその認識配列の外で切断して消化物にオーバーハングを生成する。生成されたオーバーハング中の配列の冗長性はコドンを含むために都合良く利用されるかもしれない。そのときステムの制限酵素消化はこの1番目の位置のためにコドン特異的なオーバーハングを生成する。制限酵素で消化された星形構造はその後1番目の位置のための2個の一定のセグメント及び化学基及びアンチコドンの同族体ペアを含むキャリアーモジュールのレパートリーとハイブリダイされる。その結果、コドン/アンチコドンハイブリダイゼーションはキャリアーモジュールと星形構造の適切な対がDNAリガーゼによってライゲートされることを可能にする。隣接したステムループはまたこの2番目の位置のためのコドン特異的オーバーハングを残すことが可能な別の制限酵素の認識部位を含む。したがってこの2番目の制限酵素での消化は構造の残りへのPCR増幅された1番目のモジュールの共有結合を取り除く。星形構造は変性され、その後分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下でハイブリダイズされる。星形構造はそれによって再生成され、しかし今や位置1に新しいキャリアーモジュール(結合した化学基を有する)を有し、ループ無しのステムは今や位置2に位置する。化学基の適切な組み合わせの近接誘導化学反応を考慮に入れて、この方法のラウンドがすべての位置を置換するために行われてもよい。その結果、選択と増幅のラウンドが所望の濃縮が達成されるまで行われ得る。
ステム中での切断は、例えばRNase、エンドヌクレアーゼ III、エンドヌクレアーゼ VIII、APE1、Fpgのような制限酵素による、または化学的切断又は光切断によるような幾つかの方法によって導入され得る。
上で記載されたモジュール置換法の工程a)で使用された連続した核酸配列は“交配(breeding)”によって提供され得る。ある実施態様で、交配法は次の工程を含む;
問題の該モジュールと残りの構造の間の共有結合を取り除く、2種の連続した制限酵素で濃縮ライブラリーに由来する分子間ハイブリダイズした核酸構造を消化する工程、
消化された構造を変性する工程、
交配を得るために該モジュールを特定する核酸分画の交換を行い、消化された構造からの核酸フラグメントの再ハイブリダイゼーションを可能にすること、及び
適切な末端のライゲーション。
この方法によれば、キャリアーモジュール又はキャリアーモジュールを表す核酸部分は混合(shuffled)される。混合は減数分裂の生物系での交配によく似た遺伝子プールの多様化を可能にする。その方法は第一世代のライブラリーの形成に存在しなかった、キャリアーモジュールを表す核酸フラグメントが再ハイブリダイゼーションを可能にする前に加えられるときに変更され得る。代替的に、キャリアーモジュールがそういうものとして再ハイブリダイゼーションを可能にする前に加えられ得る。新しい遺伝物質が遺伝子プールに加えられたとき、これは生物系における突然変異に似ている。ライブラリーの世代間で交配と突然変異操作を行う可能性は新しい薬物候補の探索における天然の進化過程に非常に似た進化を可能にする。
したがって、ある実施態様で、本発明は濃縮ライブラリーの多様化のための方法を提供して、分子進化を可能にする。ディスプレイライブラリーの増幅のために上で記載された方法で、モジュール置換の各ラウンドにおけるライブラリーのフラクションは2種の連続した制限酵素で消化され、それは問題の該モジュールと残りの構造の間の共有結合を取り除く。星形構造は変性されて問題の該位置のキャリアーモジュールのレパートリーとハイブリダイズされる。位置特異的な一定のセグメントはこのように、第一次のライブラリーの生成に相当する、ハイブリダイゼーションを指向する。適切な末端はライゲートされ形成された生成物はコドン誘導で構築されたライブラリーのフラクションと共にプールされ、多様化に導く。その結果、このように分子進化を許容する、選択、増幅及び多様化のラウンドは行われ得る。
もう一つの実施態様で、本発明は濃縮ライブラリーの交配のための方法を提供し、したがって分子進化を可能にする。ディスプレイライブラリーの増幅のために上で記載された方法で、モジュール置換の各ラウンドにおけるライブラリーのフラクションは2種の連続した酵素で消化され、それは問題の該モジュールと残りの構造の間の共有結合を取り除く。星形構造は変性されてハイブリダイズされる。位置特異的な一定のセグメントはこのようにハイブリダイゼーションを指向して問題の該モジュールの交換、すなわち交配を可能にしている。適切な末端はライゲートされ形成された生成物はコドン誘導で構築されたライブラリーのフラクションと共にプールされ、多様化に導く。その結果、このように分子進化を許容する、選択、増幅、多様化及び交配のラウンドが行われ得る。
もう一つの実施態様で、本発明はポリマー又は小分子のコンビナトリアルディスプレイライブラリーを生成するための方法を提供する。化学反応は、例えばオルトゴナル化学、保護/マスク基、キャリアーモジュールの逐次的混合、又はCRGが無いキャリアーモジュールの逐次的混合の使用による、同時又は逐次的のどちらで行われてもよい。
一つの実施態様で、本発明は触媒活性のコンビナトリアルディスプレイライブラリーを生成する方法を提供する。この局面で、キャリアーモジュールは反応部位の官能基と結合していて、星形構造はこれらの官能基の3次元配列のためのフレームワークを提供する。
上で記載された局面及び実施態様は先行技術を超えた明らかな利点を示している。幾つかを挙げるために、本発明の様々な可能性のある実施態様は次の利点の1個またはより多くを示す; 1)コンビナトリアルディスプレイライブラリーの構築のための独自の方法、2)化学反応の近接誘導の独自の構造、3) 化学反応が一定のセグメントによって反応部位から分離されているのでコドン配列と高く独立している、4)関連する位置のコドンだけが新規のキャリアーモジュールを指向でき、これらだけがライゲーションを容易にするための末端を含むのでディスプレイライブラリーの増幅において高精度、及び5)もし偶然に不正確なコドン/アンチコドン指向が生じたなら、新規のキャリアーモジュールはCRGとコードの両方を提供するのでコード化と表示の間の関連はまだ存在するであろう。
発明の詳細な説明.
核酸
ここに記載されているように核酸にコード化される化学合成はコンビナトリアルディスプレイライブラリーの生成及び小分子や非天然ポリマーのような化合物の幅広い種類の選択、増幅及び進化の実行を可能にする。核酸は例えば、化学反応物を集め、化学反応物の3次元配置を指向し、化学合成履歴に関する情報を蓄積し、化学反応物の選択された組み合わせを適切に結びつけるために指向し及び化合物の多様化と交配を可能にするような多数の機能を提供する。
その方法は同時に1分子、1兆分子、又はより多いものでさえを集めるために使用されてもよい。
化合物の宇宙(chemical space)が系統的に所望の特性を有するリガンドを探索され得るので、その方法は伝統的合理的設計及びコンビナトリアルドラッグディスカバリー法によって分離されるものより優れた特性を有するリガンド又はドラッグの分離を可能にする。
核酸指向化学合成は、核酸の性質の化合物に制限されるだけでなく、条件の広いレンジ下で化学反応の広いレンジを指向することに応用もまたできる、広いレンジの現象であることが示されていた(WO 2004/016767, WO 2002/074929A2)。関心のあるほとんどの分子が核酸又は核酸アナログに似ていないので、これは特に重要である。最終的な化合物の形成に関与する化学基は足場上の受容化学物質(chemical entity)へ1工程で移されてもよいし、又は化学基は2工程で移されてもよく、そこで第一工程は化学基と受容物質の間の架橋を含み、第二工程は移動を完成するためにキャリアーモジュールからの化学基の切断を含む。反応の前者のタイプの例は活性化剤として役立つ結合した5員環置換N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)環を有するキャリアーモジュールであり、すなわち不安定な結合がNHS環に結合した酸素原子と移される化学基の間に形成される。化学基は足場に存在してもよい、受容求核基、典型的にはアミン基に移され得る。フラグメントの残りは反応の脱離基に変換される。化学基がカルボニル基によって活性化剤に結合し受容基がアミンであるとき、足場で形成される結合はアミド結合であろう。
2段階反応の例はいわゆるアリルグリシン反応である。第一工程でカルボン酸又はその誘導体を含む化学基はアミンのような求核基と反応する。化学基はアリルグリシン基に結合し、それは第二工程で化学基を放出するためにヨウ素で切断され得る。2段階反応法はWO 2004/039825でより詳細に開示されており、その内容は引用によりここに組み込まれている。2段階反応戦略のもう一つの例は実施例10により詳細に示されている。
コンビナトリアルディスプレイライブラリーの核酸指向合成のために中心的に重要なのは反応物の近接誘導であり、それは反応効率及びコード化と表示の適切な関連を確実にする。反応物の近接は幾つかの種類のリンカーによって、反応物を共に結合することによって得られる。近接はまた局所濃度として表されることができ、それはリンカーの長さと柔軟性に依存する。もしリンカーの自由な柔軟性が仮定されたなら、局所濃度はリンカーの長さを半径として用いた球の体積を使用することによって計算され得る。球の体積を計算する公式は次である; v =4/3*pi*r3。その結果、近接又は局所濃度はリンカーの長さの関数として3乗で下がる。例えば約10 nmのリンカーの長さは約100ミリモル濃度に相当するであろうし、一方で100 nmのリンカーは1マイクロモル濃度に相当する。効率的な有機化学は典型的にはミリモルからモル濃度のレンジで行われる。その結果、化学反応での効率を確実にするためにリンカーの長さは10 nmより有意に長くすべきではない。
好ましくは、反応基は100 nm未満、より好ましくは50 nm未満、更により好ましくは25 nm未満、更により好ましくは10 nm未満及び最も好ましくは5 nm未満の反応近接にもたらされる。
増幅を可能にするDNAコード化ディスプレイライブラリーのシングルポット合成についての先行技術では、テンプレートの長さ全体に分散されたコドンを有する1本鎖DNAテンプレートが使用される(WO 2004/016767, WO 2002/074929A2)。テンプレートは転移ユニットのレパートリーから適切なアンチコドン配列を有する転移ユニットを補充すること、それによってテンプレートと転移ユニットの化学基を集めることを担う。その結果、1本鎖テンプレートはまたテンプレート上の化学基とテンプレートにハイブリダイズした転移ユニット上の化学基の間のリンカーとして作用する。それゆえ、リンカーの長さ及びこれによる反応物の局所濃度はどのコドン位置が使用されるかに依存するであろう。例えば、20ヌクレオチドを有する折り畳まれていない(伸ばされた)オリゴヌクレオチドは約10 nmの長さを有するであろう、(6結合のバックボーンの間隔が約0.63 nmである)そして200ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドは約100 nmの長さを有するであろう。その結果、(10nm、約1ミリモル濃度に相当する)20ヌクレオチドよりかなり長い折り畳まれていないオリゴヌクレオチドは化学反応の近接誘導を生成するのに一般的に適切ではない。
1つの実施態様で本発明は反応物に反応近接をもたらす使用において核酸の伸ばされた構造を回避する。これは安定な3次元構造に折りたたみ可能なオリゴヌクレオチドの適切な配列を選択することによって達成され及びそれによって多くのヌクレオシドによって分離された配列位置による近接誘導を可能にする。図1aで示されているように、これは二重特異性(bi-specific)オリゴヌクレオチド(互いに相補的である)を使用することによって達成され、それは“星形構造”にハイブリダイズし得る。二重特異性オリゴヌクレオチドは二個のセグメントを含んでいる: あるオリゴヌクレオチドの3’末端のセグメントは隣接の5’のセグメントにハイブリダイズするなどである。最後に、最後の3’末端のセグメントは1番目のオリゴヌクレオチドの5’末端のセグメントにハイブリダイズする。その結果、各オリゴヌクレオチドの2個のセグメント間の中間セクションは中央の方を向いている。この中間セクションは結合又はセグメントであり得る。反対に、末端は外を向いており、従って星形構造を与える。そこで、オリゴヌクレオチドの3タイプが使用されたとき3ステムが形成され、オリゴヌクレオチドの4タイプが使用されたとき4ステムが形成されるなどである。化学反応基(CRG)は各オリゴヌクレオチドの中間セクションに又は中間セクションの近くに都合良く結合する。DNA二重らせんの直径が約2 nmのとき、化学反応基は反応近接になり、したがって近接誘導化学反応が中心で又は中心の近くで生じ得る。
化学反応は形成された生成物が少なくとも1個のオリゴヌクレオチドに結合するように行われる。そのうえ、コドンは各オリゴヌクレオチドでハイブリダイズしたセグメントの一方又は両方の外に都合良く位置し、したがって化学基のコード化を可能にする。結合した化学基、2個の位置特異的ハイブリダイゼーションセグメント及びコドンを有するオリゴヌクレオチドはキャリアーモジュールと呼ばれる。
例えばPCRによって増幅可能なオリゴヌクレオチドの生成された組み合わせを作成するために、1個を除いて各ステムの末端は、5’と3’末端を有する連続したオリゴヌクレオチドを形成するためにループ形成を介してライゲートされる。一つの局面で、構造は1個のステムと幾らかのステムループからなり、それは末端でPCRプライミング部位を有することによって増幅され得る(図1dと1e)。代替的に、すべての末端が閉環を形成してライゲートされ、それは鎖置換活性を有さないDNAポリメラーゼによるプライマー伸長によって増幅されてもよい。
化学基の段階的反応を使用する方法は図1bで示されている。最初に、2種類のキャリアーモジュールがハイブリダイゼーション条件下で接触される。キャリアーモジュールAはハイブリダイゼーションセグメントaを含み、それはキャリアーモジュールBのハイブリダイゼーションセグメントa’にアニールする。アニーリング工程の次に、キャリアーモジュールAの化学基CAとキャリアーモジュールBのCBの間で化学反応が可能にされる。第三工程で、キャリアーモジュールCがハイブリダイゼーション条件下で加えられる。キャリアーモジュールCはハイブリダイゼーションセグメントb’を含み、それはキャリアーモジュールBのハイブリダイゼーションセグメントdと相補する。生成物CA-CBの化学基CCへの反応近接は化学反応が生成物CA-CB-CCを生成するように進行することを可能にする。4番目のキャリアーモジュールDはハイブリダイゼーション条件下で加えられる。反応物CDを先の反応の反応生成物の近接に持ってくるように、キャリアーモジュールDは伸長している星形構造にハイブリダイズ可能にされ、それによって反応は最終的な化合物CA-CB-CC-CDを生成するように促進される。
図1cは収束合成法を開示し、そこで最初の反応工程は2個の別々の経路をたどる。反応の1番目の系列でキャリアーモジュールAとBが1番目の容器中でハイブリダイゼーション条件下で独立して接触する。キャリアーモジュールAのハイブリダイゼーションセグメントaとキャリアーモジュールBのハイブリダイゼーションセグメントa’が互いにアニールし化学基CAとCBの間の反応が生じる。キャリアーモジュールCのハイブリダイゼーションセグメントcがキャリアーモジュールDのハイブリダイゼーションセグメントc’にアニールされるハイブリダイゼーション産物を形成するように2番目の容器中でハイブリダイゼーション条件下でキャリアーモジュールCとDが混合される。その後、中間生成物CC-CDを生成するために化学基CCと化学基CDの間で反応が生じる。中間生成物はハイブリダイゼーション条件下で互いにアニールすることが可能になり、それによって星型構造が形成される。その後、又は星型構造の形成と同時に、2個の中間反応生成物CA-CBとCC-CDの間の反応が最終的な化合物CA-CB-CC-CDを生成することを可能にする。段階的又は収束合成を行うとき、化学基の反応より前に反応中心を形成するための補助オリゴヌクレオチドを提供することは有用かもしれない。
一つの実施態様で、本発明は図1dで示されるようなキャリアーモジュールによって提供されるようにステムループ構造でのループの形成に関する。代替的に、ループは図1eで示されるような他のオリゴヌクレオチドによって提供されるステム-ループのライゲーション又は図1d及び図1eで示される実施態様のこれらの任意の組み合わせによって形成される。末端のキャリアーモジュールはPCRプライミング部位を含んでいてもよいし又はプライミング部位は他のオリゴヌクレオチドをライゲートすることによって提供されてもよい。
図1dで開示される実施態様は5工程で示される。第一工程で、反応基Rと二重特異性オリゴヌクレオチドを各々有する4個のキャリアーモジュールがハイブリダイゼーション条件下で接触する。キャリアーモジュールは星型構造で平衡状態にある。第二工程でハイブリダイゼーション複合体は連続した核酸を形成するようにキャリアーモジュールの末端でライゲートされる。星型構造の中心での化学基の近接が反応を促進し工程3で生成物が形成され、それは化合物の形成に関与した化学基をコード化する核酸に結合物質で結合する。工程4でポリメラーゼのためのプライミング部位が核酸の伸長を可能にするために星型構造にライゲートされる。最後の工程は星型構造の核酸をテンプレートとして使用して2本鎖DNAが形成された伸長産物を示す。
図1eで、ステムループが独立して加えられて星型構造にライゲートされるような、図1dの実施態様の変形が示されている。第一工程で、4個のキャリアーモジュールが混合される。ハイブリダイゼーションセグメントの存在のため、星型構造がハイブリダイゼーション条件下で形成される。ハイブリダイゼーション複合体の形成の後に、反応が化合物を形成するために実施される。4個の化学基の反応による化合物の形成後、3ステムループとポリメラーゼのための1個のプライミング部位が加えられる。ステムループとプライミング部位は星型構造のオーバーハングに相補するオーバーハングを含む。リガーゼが加えられたとき、ステムループとプライミング部位が連続した核酸を形成するように、星型構造にライゲートされる。
ある実施態様で本発明は、例えばT4 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ又はE. coli DNAリガーゼのような酵素を用いること又は化学的ライゲーションによる、キャリアーモジュールのライゲーションに関する(Shabarova et al., Nucleic Acids Res, 19, 4247-51, 1991)。

キャリアーモジュール-オリゴヌクレオチド部分
オリゴヌクレオチドは本発明で化学反応を指向するために使用される。この文脈でオリゴヌクレオチドはキャリアーモジュールと呼ばれ、それは少なくとも2個の位置特異的ハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチドセグメント、必要に応じてオリゴヌクレオチドコドンセグメント、及び反応性化学基を含む。
1つの実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、そこでオリゴヌクレオチド部分はDNA、RNAまたはこれらのアナログあるいはこれらのいずれかの組み合わせからなる。オリゴヌクレオチド部分は核酸複製及び/又は増幅のための標準的なプロトコルにおける適切なテンプレートになることが、少なくとも修飾後、可能である。
キャリアーモジュールは当該技術で知られた方法論を使用して合成され得る。例えばオリゴヌクレオチドは、例えば自動合成装置を使用した固相合成法のような、オリゴヌクレオチドを合成するための当該技術分野で知られたいずれの方法によって調製されてもよい。合成後にオリゴヌクレオチドは、所望の場合には当該技術分野で知られた標準的なカップリング化学を使用して関心のあるCRGと(共有結合的に又は非共有結合的に結合される)結合してもよい。
一つ実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、そこでオリゴヌクレオチドへのCRGの結合はハイブリダイゼーションセグメント間の中間セクションに又はこれの近くにある。中間セクションはホスホジエステル結合、その誘導体又は核酸セグメントであってもよい。中間セクションの近くではデュプレックス核酸ステムの位置、優先的には中間セクションに近い位置に関する。好ましくは、中間セクションの近くは20ヌクレオチド未満、より好ましくは10ヌクレオチド未満、更に好ましくは5ヌクレオチド未満そして最も好ましくは2ヌクレオチド未満に関する。
一つの実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、そこでオリゴヌクレオチドへのCRGの結合はリンカー又はスペーサーを介して生じ、それは十分長く柔軟性があるので反応物が反応近接にくることができる。リンカーはオリゴヌクレオチドによって対になった反応物間の反応を可能にするが、対になっていない物質との反応を最小化する長さと組成を優先的に有する。さらに、オリゴヌクレオチドとCRG間の結合は共有結合を介してでもよい。ある実施態様で、共有結合は1より多くてもよい。
結合は例えば光、酸化、加水分解、酸暴露、塩基暴露、又は還元によって切断し得る。本発明の実施に有用な種々の結合は先行技術に記載されている(Fruchtel and Jung, Angew Chem Int Ed Engl, 35, 17, 1996)。リンカーは反応物の接触を手伝い、ある実施態様で所望の反応に依存して、脱離基としてDNAを位置づけ、そこでリンカーは反応の自然な結果として切断される。ある実施態様で所望の環境に依存して一つの反応基の反応は化学官能性を提供できる余分な原子をあとに残さずに生成物を産生するために2番目の反応基に結合するリンカーの切断を伴う。
一つ実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、ここでCRGのオリゴヌクレオチドへの結合は核酸のバックボーンを介して生じる。
一つの実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、ここでCRGのオリゴヌクレオチドへの結合は塩基を介している。好ましい実施態様でCRGは非ワトソン-クリック水素結合部分に結合する。
一つの実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、ここでCRGのオリゴヌクレオチドへの結合は、少なくともその除去の後、DNAポリメラーゼによるリードスルーを可能にする。
1つの実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、ここでCRGのオリゴヌクレオチドへの結合は非共有結合である。例えばもしビオチンがオリゴヌクレオチドに結合しストレプトアビジンがCRGに結合しているなら、それゆえビオチンとストレプトアビジン間の相互作用は非共有結合的に互いにオリゴヌクレオチドとCRGを結合させる。

キャリアーモジュール-化学
広範囲の化合物及び/又は化合物ライブラリーはここに記載された方法を使用して調製され得る。ある実施態様で、核酸又はそれのアナログでない、又は類似しない化合物は本発明の方法に従って合成される。ある他の実施態様で、タンパク質又はそれのアナログでない、又は類似しない化合物は本発明の方法に従って合成される。
ある実施態様で本発明は近接誘導反応物の逐次的な化学反応に関する。例えば、オルトゴナル化学の使用又はオルトゴナル保護/マスク基の使用による、又はキャリアー分子の逐次的な集合および反応による。
環形成なしでのキャリアーモジュールの集合、すなわち連続した核酸の形成は適切に位置したCRGを独力で近接に持ってきてもよく、なぜなら二重らせんの直径は反応近接内で幾つかの連続したCRGの位置決定を可能にする約2 nmであるからである。反応条件、リンカー、反応物及び反応部位は非オリゴヌクレオチド指向反応を避け、オリゴヌクレオチド指向反応を加速するために選択される。逐次的な又は同時のキャリアー分子の接触は合成される特定の化合物に依存して使用され得る。特別の関心のある或る実施態様で、複雑な化合物の多段階合成を容易にするために3個の又はより多いキャリアー分子が逐次的に接触する化合物の多段階合成が意図される。
ある実施態様で本発明はキャリアーモジュールのアニーリングに関するものであって、それは多くの伝統的な有機合成で使用される濃度より低い濃度でキャリアーモジュールの使用を可能にする。従ってキャリアーモジュールはミリモル濃度以下で使用されてもよい。好ましくは、キャリアーモジュールの濃度は100マイクロモル未満、より好ましくは10マイクロモル未満、更により好ましくは1マイクロモル未満、さらにより好ましくは100ナノモル未満そして最も好ましくは10ナノモル未満のミリモル濃度以下で使用され得る。
一つの実施態様で本発明は小分子又はポリマーを形成するCRGに関する。ポリマー又は小分子を合成する知られた化学反応は本発明の実施で使用され得る。選択された反応は好ましくはDNAやRNA又はそれのアナログのような、核酸と適合性のものである。有用な反応は、例えば、置換反応、炭素−炭素結合形成反応、脱離反応、及び付加反応を含む。
CRG又は反応物は種々の試薬を含み化学技術分野で知られたいずれの化学基又は反応部分(例えば求電子基、求核基)でもあり得る。
本発明の方法を使用した小分子の合成でキャリアーモジュールは小分子が集合し得る結合された足場を有していてもよい。足場は機能付与のための2個の又はより多い部位を有する任意の化合物であり得る。該部位は当該技術分野で知られた方法や保護基によって保護されていてもよい。個々に除去され得るために保護基は互いにオルトゴナルであってもよい。足場を修飾するために反応物は、例えば求電子基(例えばアセチル、アミド、酸塩化物、エステル、イミン)、求核基(例えばアミン、ヒドロキシル基、チオール)又は側鎖であってもよい。
ある実施態様で、ポリマー、特に非天然のポリマーは本発明の方法に従って合成される。本発明の方法や系を使用して合成され得る非天然のポリマーは任意の非天然のポリマーを含む。例えば非天然のポリマーはペプチド核酸(PNA)ポリマー、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリエステル、ポリアクリレート(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリカーボネート、非天然の立体化学を有するポリペプチド、非天然のアミノ酸を有するポリペプチド、及びそれの組合せを含むが、それらに限定されない。ある実施態様で、ポリマーは少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、25個のモノマーユニット又はより多くを含む。ある実施態様でモノマーユニットはダイマー、トリマー又はテトラマー又はオリゴマーからなってもよい。本発明の系を使用して合成されたポリマーは、例えば、触媒、薬剤又は診断親和性リガンドとして使用され得る。ある非天然のポリマーの調製で、モノマーユニットはキャリアーモジュールに結合する。モノマーユニットは、例えば、カルバメート、D-アミノ酸、非天然のアミノ酸、PNAs、尿素、ヒドロキシ酸、エステル、カーボネート、アクリレート、又はエーテルであってもよい。ある実施態様で、モノマーユニットはモノマーユニットを伸長するポリマー鎖に結合するために使用される2個の反応基を有する。好ましくは、2個の反応基は同じではなく、その結果、モノマーユニットは方向性の様式でポリマーに組み込まれてもよく、例えば、一方の末端で求電子基であって他方の末端で求核基であってもよい。反応基はエステル、アミド、カルボン酸、活性化カルボニル基、酸塩化物、アミン、ヒドロキシル基及びチオールを含んでもよいが、これらに制限されない。ある実施態様で、重合はCRGsが脱保護される所望の時間まで生じなくてもよいためにCRGsはマスクされ又は保護される(Green et al(1999) Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition, Wiley)。いったんモノマーがキャリアーモジュール集合を介して集められたなら、重合の開始は重合が次の重合工程で使用されるための反応基の脱保護という結果になる重合と脱保護工程のカスケードという結果になる。重合されるモノマーユニットは2又はより多いモノマーを含み得る。
モノマーユニットは当該技術分野で知られた任意の化学基を含んでいてもよい。反応性化学基、特に重合、ハイブリダイゼーション等を妨げるものは好ましくは知られた保護基を使用してマスクされる((Green et al(1999) Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition, Wiley)。一般に、これらの反応基をマスクするために使用される保護基は重合工程で使用される基を保護することに使用されるものにとってオルトゴナルである。
ある実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、そこで反応部位はすべての化学反応のために同じキャリアーモジュールと結合する。例えば小分子の足場は一つのキャリアーモジュールと結合し残りのキャリアーモジュールは足場を修飾するための物質を提供する。
一つの実施態様で本発明はキャリアーモジュールに関するものであって、そこで反応部位は化学反応の間に位置を移すだろう。
一つの実施態様で本発明は、例えば少なくとも除去後には、DNAポリメラーゼによるリードスルーを維持している間のオリゴヌクレオチドへの形成された化合物の結合に関する。

コンビナトリアルライブラリーの調製
伝統的なものと核酸指向ライブラリー合成の間の重要な実施上の相違は各操作のスケールである。スクリーニングと化合物同定のために必要となる物質の量のために、伝統的なコンビナトリアル合成は典型的にライブラリーメンバー当たりナノモル-マイクロモルスケールで進行する。対照的に、各核酸結合合成分子の微少量だけ(例えば約10-20 mol)が選択やPCR増幅のために必要となるので、核酸指向ライブラリー合成はフェムトモル-ピコモルスケールで生じる。核酸指向ライブラリー合成で一溶液方式(single-solution format)と併用された、スケールにおける大変大きな違いが必要とされる物質の調製を大きく単純化する。
一つの実施態様で、本発明はコンビナトリアルディスプレイライブラリーの形成に関する。ライブラリーは幾つかの又はすべての部位でのキャリアーモジュールのレパートリーの使用によって生成され得る(図2a)。第一工程で各位置のキャリアーモジュールのレパートリーが提供される。キャリアーモジュールはハイブリダイゼーション条件下で混合されるとき、それらはハイブリダイゼーションセグメントの配列によって向けられた、星形構造に集合するであろう。キャリアーモジュールの集合の後、ライゲーションと反応が任意の順序で行われる。本発明の局面で、ライゲーションは星形構造の安定性を増加させるために反応前に行われる。近接誘導反応の後に、ポリメラーゼプライミング部位が星形構造にライゲートされ伸長反応が外部環境に形成された化合物を表示するために行われる。
当業者によって高く評価されるように、小分子とポリマーのライブラリーはここに開示された原理を使用して合成され得る。結果として、コンビナトリアルディスプレイライブラリーは選択に供され濃縮ライブラリーのメンバーはコードするオリゴヌクレオチドにより同定され得る。
環境に依存して2又はより多い位置のためのキャリアーモジュールのレパートリーは最初に混合されて結合したCRGs間での核酸指向化学反応に供される。環境に依存してライブラリーは多数の化学反応によって形成されることができ、そこでの各中間生成物は反応の後のラウンド前に精製される。好ましくは20未満の化学反応工程がライブラリーを生成するために必要とされる。他の実施態様では、10未満の化学反応工程が必要とされ、そしてより好ましくは3と9の間の工程がライブラリーを生成するために必要とされる。

選択
所望の活性(例えば、触媒活性、結合親和性、結合特異性、又は活性アッセイでの特定の効果)を有する反応生成物のための選択及び/又はスクリーニングは任意の標準的なプロトコルに従って行われてもよい。例えば、親和性選択(図3参照)はファージディスプレイ(Smith, Science, 228, 1315-7, 1998)、リボソームディスプレイ(Hanes et al., Proc Natl Acad Sci U S A, 95, 14130-5, 1998)、mRNAディスプレイ(Roberts and Szostak, Proc Natl Acad Sci U S A, 94, 12297-302, 1997)又はDNAコード化学ライブラリー(WO 2004/016767, WO 2002/074929A2)のようなライブラリーに基づく方法での原理に従って行われもよい。触媒活性の選択は例えば、遷移状態アナログ親和性カラムでの親和性選択によって(Baca et al., Proc Natl Acad Sci U S A, 94, 10063-8, 1997)又は官能基(function)に基づいた選択スキームによって (Pedersen et al., Proc Natl Acad Sci U S A,95, 10523-8, 1998)行われてもよい。DNAの微少量(〜100分子)がPCRによって増幅され得るので、従ってこれらの選択は経済的であり効率的でもあり、所望の活性のための本当に幅広い探索を可能してこの大きさのスケールで行われ得る。
ディスプレイライブラリーはターゲット分子への結合に関して選択され又は分割され得る。この文脈で、選択又は分割はターゲット分子に結合するライブラリーメンバーがターゲット分子に結合しないライブラリーメンバーから分離される任意の方法を意味する。選択は当該技術分野で知られた様々な方法によって達成され得る。ほとんどの応用で、好ましいターゲット分子への結合は、ターゲットへの結合が他の結合現象以上に有利となるように選択的である。最終的に、本発明を使用して同定された結合分子は治療剤及び/又は診断剤として有用であり得る。
選択戦略はほとんどの任意のターゲットに対する選択を可能にするために実行され得る。重要なことに、選択戦略はターゲット分子について又はディスプレイライブラリーのメンバーについていずれの詳細な構造情報も必要としない。全体の過程は与えられたターゲット分子に結合するライブラリーメンバーに関係する結合親和性及び特異性によって駆動される。
選択されたライブラリーメンバーは標準的な分子生物学を使用した、それらのコードする核酸によって簡単に同定され得る。本発明は任意の知られたターゲット分子のための結合分子を同定することを広く可能にする。加えて、新規の知られていないターゲットは選択されたライブラリーメンバーの結合分子を分離することによって発見されることができ、そしてターゲット分子の同定及びバリデーションのためにこれらを使用する。
ディスプレイライブラリーからの結合分子の選択は結合ライブラリーメンバーを同定するためのいずれかの形式で実行されてもよい。結合選択は典型的に所望のターゲット分子を固定化すること、ディスプレイライブラリーを加えること、結合を可能にすること、及び洗浄によって非結合物/弱い結合物を除去することを含む。ターゲットに結合したままの濃縮ライブラリーは、例えば酸、カオトロピック塩、熱、知られたリガンドとの競合的溶出、高塩、塩基、ターゲットのタンパク質分解解離、核酸の酵素的放出で溶出され得る。幾つかの実施態様で溶出されたライブラリーメンバーは、濃縮を増すであろう同じ又はよりストリンジェント条件を使用して又は異なる結合形式を使用して、結合と溶出のより多くのラウンドに供される。他の実施態様で結合ライブラリーメンバーはターゲットから溶出されない。イオンチャネル又は膜貫通受容体のような細胞表面で発現されるタンパク質に結合するライブラリーメンバーについて選択するために、細胞それ自身が選択因子として使用され得る。選択手順はまた結合分子と共に受容体が細胞質、核、又は他の細胞コンパートメント、例えばゴルジ又はリソソームに移るために内部に取り入れられる細胞表面受容体に結合するための選択を含み得る。問題となる該コンパートメントの分離は、内部に取り入れられなかったライブラリーメンバーから内部に取り入れられたライブラリーメンバーの分割に導く(Hart et al., J Biol Chem, 269, 12468-74., 1994)。選択手順はまたインビボでの選択を含んでもよい。例えばインビボでの器官ターゲティングによって、そこでライブラリーが動物に注入され関心のある器官がその後に分離されそれによってその器官にターゲット化されたライブラリーメンバーの濃縮プールを得る(Pasqualini and Ruoslahti, Nature, 380, 364-6, 1996)。濃縮ライブラリーの核酸部分は、多オーダーの増幅に導き、例えばクローニングやDNA配列決定による同定を可能にする、例えばPCRによって増幅されてもよい。
図3で示される親和性選択のための特異的な実施態様によれば、図2aで示される実施態様の結果として生じる反応生成物のライブラリーは結合条件下でターゲットと接触する。もし1個の又はより多くの形成された化合物がターゲットに対して親和性を有するなら結合が生じるだろう。その後の工程で、結合ライブラリーメンバー又はそこから由来の核酸は分割(partitioned)される。形成された化合物に結合する核酸はその後核酸の多数のコピーを生成するために例えばPCRによって増幅され、それは所望の親和性を表示する化合物の合成履歴をコード化する。増幅された核酸は首尾よい化合物の形成に関与したのがどの化学基かを解読するために幾つかのよく知られた技術によって配列決定され得る。代替的に、増幅された核酸は次の世代のライブラリーの形成のために使用され得る。

他の選択
触媒又は他の官能基活性のような、他の特性のための選択が行われ得る。一般に、選択は所望の活性を有するライブラリーメンバーが他のライブラリーメンバーと分離され得るようにデザインされるべきである。例えば、結合切断を触媒する能力を有するライブラリーメンバーのための選択は、問題の該結合によってビオチンを各ライブラリーメンバーに結合することによって行われ得る。それからストレプトアビジンを使用する分別(partitioning)は触媒活性を有するライブラリーメンバーを他から分離し得る。もう一つの例は結合形成能力を有するライブラリーメンバーについての選択である。これは、基質を各ライブラリーメンバーに結合させその後にビオチンが結合する基質を加えることによって、行われ得る。結合を形成する2種の基質間の反応はビオチンを触媒ライブラリーメンバーに結合させるであろう。それからストレプトアビジンを使用する分別は触媒活性を有するライブラリーメンバーを他から分離し得る。二量体化及び/又は重合のような、他の特性についての選択はまた行われてもよい。この場合にライブラリーメンバーは例えば、HPLC、アクリルアミド又はアガロースゲル又はサイズ排除カラムを使用して、形成された複合体のサイズによって分割され得る。

核酸増幅
濃縮ライブラリーメンバーの核酸部分の増幅は、核酸増幅のための標準的なプロトコルによって行われてもよい。これらの方法は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Saiki et al., Science, 230, 1350-4, 1985)、核酸配列に基づく増幅(nucleic acid sequence-based amplification)(NASBA)(Compton, Nature, 350, 91-2, 1991)、鎖置換増幅(strand displacement amplification)(Nycz et al., Anal Biochem, 259, 226-34, 1998)、自己維持配列複製(self-sustained sequence replication)(Mueller et al., Histochem Cell Biol, 108, 431-7, 1997)、プライマー伸長、及びプラスミド増幅(例えばSambrook, J., Fritsch, EF, and Maniatis, T. (1989) in: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratoryを参照)を含む。

モジュール置換によるディスプレイライブラリーの構築
一つの実施態様で、本発明は濃縮ライブラリーメンバーの再構成/増幅又は表示を再生成するための濃縮ライブラリーメンバーの第二世代ライブラリーに関する。濃縮ライブラリーの場合では濃縮ディスプレイライブラリーは形成され、したがって選択と増幅と再アッセンブリのラウンドを可能にする。例えば、図4aで示されているように、濃縮ライブラリーメンバーの上記のPCR増幅オリゴヌクレオチドは分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下でハイブリダイズすることが可能になり、それによってステムと幾つかのステムループからなる星形構造は再生成される。ループのないステムは制限酵素のための認識部位を含んでもよく、それはアンビギュアス塩基(ambiguous base(s))を有するオーバーハングを生じる。生成されたオーバーハングでの配列のアンビギュアス塩基はコドンを含むために都合良く利用される。従ってステムの制限酵素消化はこの1番目の位置のためのコドン特異的オーバーハングを生ずる。制限酵素消化された星形構造はそれから1番目の位置のための2個の一定のセグメント及びCRGとアンチコドンの同族体ペアを含むキャリアーモジュールのレパートリーとハイブリダイズされる。その結果、コドン/アンチコドンハイブリダイゼーションはライゲートされるためのキャリアーモジュールと星形構造の適切なペアを可能にする。隣接するステムループはまたこの2番目の位置のためのコドン特異的オーバーハングを残すことができるもう一つの制限酵素のための認識部位を含んでいても良い。従ってこの2番目の制限酵素での消化は構造の残りにPCR増幅された1番目のモジュールの共有結合を取り除く。星形構造は変性し、その後分子内ハイブリダイゼーションに有利な条件下でハイブリダイズすることを可能にする。それによって星形構造が再生成されるが、今や(CRGを有する)位置1に新しいキャリアーモジュールを有し、位置2にループのないステムが位置する。この方法のラウンドは、CRGsの適切な組合せの近接誘導化学反応を許容して、すべての位置を置換するために行われる; それによってディスプレイライブラリーは増幅され、再構成される。最終的にPCRプライミング部位は星形構造にライゲートされてもよい。その結果、選択と増幅と再構成のラウンドは所望の濃縮が達成されるまで行われ得る(図5参照)。
一つの実施態様で、本発明は制限酵素によって生成されるコドン特異的オーバーハングの形成に関する。適切な制限酵素は1個より多い特異的配列を有するオーバーハングを形成することができる。そのような制限酵素はi)それらの認識部位配列にアンビギュアス塩基を有する制限酵素、ii)それらの認識配列の外で切断する制限酵素、iii)ニックを行う制限酵素(ニッキングエンドヌクレアーゼ)を含む。そのような制限酵素の例; AlwNI, ApaBI, AsuI, BbvI, BbvII, BccI, Bce83I, Bcef1, BciVI, BglI, BinI, BseMII, BseRI, BsgI, BsiYI, BsmAI, BspMI, BsrDI, BstEII, BstXI, BtgZI, DdeI, DraII, DraIII, DrdI, Eam1105I, EciI, Eco31I, Eco57I, Eco57MI, EcoNI, EspI, Esp3I, Fnu4HI, FokI, GsuI, HinfI, Hpy178III, Hpy188I, Ksp632I, MaeIII, MboII, MmeI, MwoI, PflMI, PfoI, PleI, SapI, SauI, ScrFI, SecI, SfaNI, SfiI, Sth132I, Tsp4CI, TspDTI, TspGWI, TspRI, Tth111I, Tth111II, XcmI, N.AlwI, N.BstNBI, N.BbvCIA及びN.BbvCIB。

オーバーハングのコード化容量(可能な異なるコドンの数)は制限酵素によって生成されるオーバーハングでのアンビギュアス塩基の数によって与えられる。すべてのN(N = A、T、G又はC)にとって4種の異なる残基が選択されることができ、すべてのH(H = A、C又はT)、V(V = A、C又はG)、B( = C、G又はT)及びD(D = A、G又はT)にとって3種の異なる残基が選択されることができ、そしてすべてのR(R = A又はG)、K(K = G又はT)、Y(Y = C又はT)、S(S = C又はG)及びM(M = A又はC)及びW(W = A又はT)にとって2種の異なる残基が選択され得る。その結果、コード化容量は各位置での異なる残基の数を互いに掛けることによって計算される。例えばSfi I;
5’-...GGCCNNNN/NGGCC...-3’
3’-...CCGGN/NNNNCCGG...-5’
はオーバーハング5’-NNN-3’を生成し、従って3個のNを含み、従って64( = 4 x 4 x 4)のコード化容量を有する。
もう一つの例、Ava II;
5’−...G/GWCC...−3’
3’−...CCWG/G...−5’
はオーバーハング5’-GWC-3’を生成し、従って2のコード化容量を有する。
もう一つの例はBbs I;
5’-...GAAGACNN/NNNN...-3’
3’-...CTTCTGNNNNNN/...-5’
は4個のNからなるオーバーハングを生成し、従って256( = 4 x 4 x 4 x 4)のコード化容量を有する。
制限酵素の特別なグループは一本鎖のみ切断する制限酵素である(ニッキングエンドヌクレアーゼ)。これらの酵素は原則的には不定のコード化容量を有するかもしれない; 例えば、i)認識配列がステムループ構造のステムに位置する、ii)末端のオーバーハングを生成するために使用される、又はiii)もう一つの制限酵素と組み合わせる場合。これは生成されたオーバーハングの長さが原則的には不定の長さを有し得るからである。
例えば、ステムループ構造のステムに位置するN. BbvC IA;
5’-...CC/TCAGCNNN

3’-...GGAGTCGNNN
消化は以下の結果になる;
5’-...CC−3’
3’-...GGAGTCGNNNNNNCGACT-5’
この例で6個のNが形成されたオーバーハングに存在し、従って1024( = 4 x 4 x 4 x 4 x 4 x 4)のコード化容量を与える。しかしながら、Nの数は任意に選択されることができ、従って不定のコード化容量を与えることは明らかである。この例で可能な配列の総数の小さいフラクションは使用されることができない。すなわち使用中の制限酵素の認識配列を形成するそれらの配列。
そのうえニッキングエンドヌクレアーゼは任意の長さの末端オーバーハングを生成することができ、例えば
N.BbvC IA
5’-...CC/TCAGCNNNNNNNN-3’
3’-...GGAGTCGNNNNNNNN-5’
消化は以下の結果になる;
5’-...CC-3’
3’-...GGAGTCGNNNNNNNN-5’
及び
5’-TCAGCNNNNNNNN-3’
この例で8個のNは形成されたオーバーハング中に存在し、したがって65536(=4の8乗)のコード化容量を与える。しかしながら、Nの数は任意に選択されることができ、したがって不定のコード化容量を与えることは明らかである。この例での可能な配列の総数の小さいフラクションは使用され得ない。すなわち使用中の制限酵素の認識配列を形成するそれらの配列。
そのうえ制限酵素と共同したニッキングエンドヌクレアーゼはステムループ構造のどのような必要性もなしに任意の長さのオーバーハングを生成するために使用され得る。例えば
Eco RIと併用されたN.BbvC IA;
5’-...CC/TCAGCNNNNNNNNG/AATTC...-3’
3’-...GGAGTCGNNNNNNNNCTTAA/G...-5’
消化は以下の結果となる;
5’-...CC-3’
3’-...GGAGTCGNNNNNNNNCTTAA-5’
及び;
5’-TCAGCNNNNNNNNG-3’
及び
5’-AATTC-3’
3’-G-5’
この例で8個のNは形成されたオーバーハング中に存在し、したがって65536(=4の8乗)のコード化容量を与える。しかしながら、Nの数は任意に選択されることができ、したがって不定のコード化容量を与えることは明らかである。この例での可能な配列の総数の小さいフラクションは使用され得ない。すなわち使用中の制限酵素の認識配列を形成するそれらの配列。
コドンセグメントの長さは変化してもよいけれども、コドンセグメントは1から50ヌクレオチド、1から40、1から30、1から15、1から10の範囲にあるかもしれない。コドンセグメントは、しかしながら、優先的に2、3、4、5、6、7、8、9又は10ヌクレオチド長である。
セグメントを形成するステムの長さは変化してもよいけれども、ステムセグメントは優先的に5から50ヌクレオチド、5から40、5から30、5から15、5から10の範囲にある。ステムセグメントは、しかしながら優先的に10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25,26、27、28、29又は30ヌクレオチド長である。
セグメントを形成するステム間の中間セクションの長さは変化してもよい。中間セクションは優先的に1個のホスホジエステル結合(又はアナログ結合)から20ヌクレオチドの長く伸びた配列の範囲にあるかもしれない。しかしながら、中間セクションは優先的に1個のホスホジエステル結合又は1、2、3、4、5、又は6、ヌクレオチド長である。
一つの実施態様で本発明はディスプレイライブラリーの再構成/増幅のための方法に関するものであって、そこで制限酵素消化に続く星形構造はさらにホスファターゼで処理されて、それは5’リン酸エステルを取り除きしたがって2個の星形構造のライゲーションを防ぐ。例えば南極ホスファターゼ(antarctic phosphatase)及び仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(calf intestinal alkaline phosphatase)のような、幾つかの適切なホスファターゼは当該技術分野で知られている。
一つの実施態様で本発明はディスプレイライブラリーの再構成/増幅のための方法に関するものであって、そこでキャリアーモジュールは星形構造へのライゲーションを容易にするために5’リン酸エステルを含む。
一つの実施態様で本発明はディスプレイライブラリーの再構成/増幅の方法に関するものであって、そこでキャリアーモジュールは星形構造へのライゲーションの後リン酸化される。これは遊離のキャリアーモジュールとの間のライゲーションを防ぐ。
ある実施態様で本発明はディスプレイライブラリーの再構成/増幅のための方法に関するものであって、PCR増幅された星形構造の5’末端は制限酵素より他の方法によって生成されてもよく、例えば; RNase、エンドヌクレアーゼ III、エンドヌクレアーゼ VIII、APE1、Fpg、化学切断又は光切断。PCR生成物は5’末端でのプライマー及びDNAポリメラーゼによって形成される残りの配列からなる。プライマーは、dUTP又はRNAのような、DNAポリメラーゼによって形成されたセグメントでは見つけられない残基を含んでいるかもしれない。そのような残基は特異的に認識されて適切な方法によって切断されるかもしれなく、それは規定された末端を生成するであろう(Smith et al., PCR Methods Appl, 2, 328-32, 1993)。
ある実施態様で本発明はディスプレイライブラリーの再構成/増幅のための方法に関する。PCR増幅された濃縮ライブラリー末端は、上記の方法のいずれかによって、星形構造の形成前に修飾されてもよい。

多様化
一つの実施態様で、本発明は分子進化を可能にする、表示された化合物または表示された化合物のライブラリーの多様化のための方法を意図する。これは本発明の範囲を超えることなく幾つかの方法で達成され得る。例えば(図4b参照)、モジュール置換のためのラウンドで分子のフラクションは2種の連続した制限酵素で消化され、それは問題の該モジュールと残りの構造の間の共有結合を除去する。星形構造は変性されて問題の該位置のためのキャリアーモジュールのレパートリーとハイブリダイズされる。したがって位置特異的な一定のセグメントは、第一次のライブラリーが生成されたのと同じ方法でハイブリダイゼーションを指向する。適切な末端はライゲートされて形成された生成物はコドン誘導で構築された分画と共にプールされ、多様化に導く。これはモジュール置換の1つ、幾つか又はすべてのラウンドでなされてもよい。もう一つの例で、モジュール置換のためのラウンドで分子のフラクションは、例えばエキソヌクレアーゼによる、問題の該位置のためのコドン特異的オーバーハングの除去に供される。その後、問題の該位置のためのキャリアーモジュールのレパートリーはハイブリダイズされライゲートされる。それから形成された非コドン誘導生成物はコドン誘導で構成された分画と共にプールされ、多様化に導く。これはモジュール置換の一つ、幾つか又はすべてのラウンドでなされてもよい。
多様化はまたモジュール置換過程前にライブラリーメンバー間でのモジュールの混合/組み換え (交配)によって行われもよい。例えば、濃縮ライブラリーメンバーの核酸部分は増幅され一定のセグメントで切断する制限酵素で消化されて、したがって2又はより多いフラグメントを生成する。フラグメントは全長の生成物を形成するために他のライブラリーメンバーから生じたフラグメントとライゲートされることができ、それによって混合/組み換えが生じる。混合/組み換えのための方法のもう一つの例は星形構造を使用することによる(図4b)。星形構造は2種の連続した制限酵素によって消化され、変性され、ハイブリダイズすることが可能にされて問題の該モジュールの交換に導く。その結果、選択、増幅及び多様化のラウンドが行われることができ、従って分子進化を許容する(図6参照)。

触媒活性のための選択
記載される原理はまた触媒活性のための選択に適用され得る。この場合にキャリアーモジュールは反応部位官能性を含み星形構造はこれらの官能性の3次元配列のためのフレームワークを提供し、従ってタンパク質の酵素を模倣する。
種々の触媒活性のための選択スキームは考慮される。例えばi)遷移状態アナログへの結合についての選択、ii)他の基質が例えばビーズに固定されている間に一方の基質を星形構造に結合させることによる結合形成についての選択(その結果ビーズに結合したライブラリーメンバーは結合形成できる)、又はiii)基質を星形構造とビーズの両方に結合させることによる結合切断についての選択(その結果ビーズに結合しないライブラリーメンバーは結合切断できる。)(図7参照)。

コドン特異的コンパートメント化
星形構造は例えば適切な制限酵素の使用によっていずれかのコドン位置が末端で1本鎖になることを可能にし、従って特定のコドン位置のためのハイブリダイゼーションと必要に応じたライゲーションによって高特異的なコンパートメント化を可能にする。コンパートメント化のための種々の方法が当該技術分野で知られている、例えば、アンチコドン配列のマイクロアレイ(Lockhart et al., Nat Biotechnol, 14, 1675-80, 1996)、アンチコドン配列のカラム(Halpin and Harbury, PLoS Biol, 2, E173, 2004)又は個々のビーズがアンチコドン配列及び、その後の例えば蛍光活性化細胞選別(fluorescence activated cell sorted)による選別を可能にする、蛍光タグを含むビーズを使用すること(Iannone et al., Cytometry, 39, 131-40, 2000)。
そのようなコンパートメント化は本発明の実施において有用であるかもしれない、例えば; i)化学反応後修飾のためのライブラリー合成の間、ii)単一クローンの分析、iii)選択における経過の分析、又はiv)多様性の分析。その結果、状況ii)-iv)のコンパートメント化は単一の配列又は配列のライブラリーのデコンヴォルーションのためにDNA配列決定に対する迅速で経済的な代替手段であるかもしれない。
組成物が特異的な成分を有すること(having)、含むこと(including)、又は包含すること(comprising)として記載されており、又は方法が特異的な方法の工程を有すること、含むこと、又は包含することとして記載されている説明全体を通して、本発明の組成物はまた列挙された成分から本質的に成るか(consist essentially of)、又はから成ること(consist of)、及び本発明の方法はまた列挙された方法の工程から本質的になるか、又はからなることが意図されている。その上、工程の順序又はある作用を行うための順序は本発明が実施可能な限りは重要でないことは理解されるべきである。その上、2種の又はより多い工程又は作用が同時に行われもよい。
本発明の方法と組成物は所望の特性を有する分子を生じるための新しい方法を表している。このアプローチは非常に高感度で効果的な分子生物学を有機化学の柔軟性と、組み合わせている。分子進化による非天然のポリマーと小分子を調整、増幅、及び進化させる能力はより遅い伝統的探索法で分離されたものより優れた特性を有する触媒、新規リガンド、又は薬剤の新しいクラスに導くかもしれない。
本発明はまた本発明の方法での使用のためのキットと組成物を提供する。

定義
ここで使用される“核酸”又は“オリゴヌクレオチド”という用語はヌクレオチドのポリマーを意味する。ポリマーは、制限無しで、天然ヌクレオシド(すなわちアデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン; 及びデオキシシチジン)、ヌクレオシドアナログ、(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ウロウリジン(C5-urouridine)、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、及び2-チオシチジン)、化学的に修飾された塩基、生物学的に修飾された塩基(例えばメチル化された塩基)、挿入された塩基、修飾された糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース及びヘキソース)、又は修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエート及び5’,-N-ホスホルアミダイト結合)を含んでもよい。核酸及びオリゴヌクレオチドはまた、固定化(locked)核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、トレオース核酸(TNA)及び増幅技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応又はリガーゼ連鎖反応を用いて、増幅反応のためのテンプレートとして機能できるいずれかの他のポリマーのような、修飾されたバックボーンを有する塩基の他のポリマーを含んでもよい。
ここで使用される“セグメント”という用語は、オリゴヌクレオチド配列の連続した部分を意味する。
ここで使用される“コドン”及び“アンチコドン”という用語は、該コドン又はアンチコドンと結合したある化学基をコードするオリゴヌクレオチド配列を意味する。一連のコドンはコードされた分子の形成に関与する、特異的な化学反応物の組合せをコードする。
ここで使用される“ステムループ”という用語は、核酸配列の一本鎖において、ほとんど二本鎖の性質の“ステム”と呼ばれる“自己対合(self-paired)”領域及び前記ステムの一方の末端に位置する不対“ループ”領域を構成するために同じ核酸分子のもう一つの部分と、分子内水素結合を介している、少なくとも1個の核酸部分を含むいずれかの二次構造を意味する。ループの長さがゼロであるとき、それは“ヘアピン”又は回文配列と呼ばれるステムループの特別な場合を生じる。
ここで使用される“小分子”という用語は1モル当たり10,000グラム未満、必要に応じて1モル当たり5,000グラム未満、及び必要に応じて1モル当たり2,000グラム未満、例えば1モル当たり1000グラム未満の分子量を有する研究室で合成されるか又は天然で見つけられるかいずれかの有機化合物を意味する。好ましい小分子は経口投与に好適である。
ここで使用される“小分子足場”又は“分子足場”という用語は、機能性付与に適切な少なくとも1個の部位又は化学部分(chemical moiety)を有する化合物を指す。小分子足場又は分子足場は機能性付与に適切な2、3、4、5個の又はより多い部位又は化学部分を有してもよい。これらの機能性付与部位は当業者によって認識されるように保護され又はマスクされてもよい。該部位はまた基礎環状構造又はバックボーンで見つけられてもよい。
ここで使用される“化学反応基”又は“化学基”又は“反応ユニット”という用語は、もう一つの化学部分を修飾し、加え、又は取り去ることができるいずれかの化学部分を指す。例えば、しかし制限はされないが、ビルディングブロック、モノマー、モノマー単位、分子足場、又は近接媒介化学合成で有用な他の反応物を含む。幾つかの例で化学基はヌクレオチド又はそれの誘導体ではない。もう一つの局面で形成される化合物の合成に関与する化学基の少なくとも1個は天然で生じるアミノ酸ではない。
ここで使用される“結合する(associated with)”という用語は2個の又はより多い基、部分、化合物、モノマーなどの間での相互作用を説明する。2個の又はより多い実体がここで記載されるようなもう一つのものと“結合する”とき、それらは直接又は間接の共有又は非共有の相互作用によって結合する。好ましくは、結合は共有結合である。共有結合は、例えば、しかし制限はされないが、アミド、エステル、炭素−炭素、ジスルフィド、カルバメート、エーテル、チオエーテル、尿素、アミン、又はカルボナート結合によってでもよい。共有結合はまたリンカー部分、例えば、光切断可能なリンカーを含んでいてもよい。所望の非共有相互作用は水素結合、ファンデルワールス相互作用、双極子−双極子相互作用、パイスタッキング相互作用、疎水性相互作用、磁気相互作用、静電的相互作用などを含む。また、2個の又はより多い実体又は薬剤は同じ組成物中に一緒に存在することによってもう一つのものと“結合”するかもしれない。
ここで使用される“キャリアーモジュール”という用語は、オリゴヌクレオチドに結合する化学基、及び2番目のオリゴヌクレオチドの5’側のセグメントにハイブリダイズできる3’末端側のセグメント及び3番目のオリゴヌクレオチドの3’末端側のセグメントにハイブリダイズできる5’末端側のセグメントを意味する。キャリアーモジュールは必要に応じてコドン又はアンチコドンセグメントを含む。ここで使用される“ハイブリダイゼーションセグメント”という用語は前記オリゴヌクレオチドのセグメントを意味する。
ここで使用される“星形構造”という用語は、ほとんど2本鎖の性質の少なくとも3個のステムを有する任意の2次構造を意味する。0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又はより多いヌクレオチド残基がステムを分離するかもしれない。0個のヌクレオチド残基が4個のステムを分離している特別な場合では接合部はホリデイジャンクションと呼ばれる。星形構造は1個の核酸分子からなってもよく、又はそれは複数の核酸分子からなってもよい。
ここで使用される“反応近接”という用語は、上記の反応物の反応が制御された、効率的な及び時宜を得た様式で生じ得る反応物間の距離を意味する。
ここで使用される“近接誘導化学反応”という用語は、反応物間の化学反応を意味し、それらは反応物が結合する核酸のハイブリダイゼーションによって反応近接に導かれている。
実施例
実施例1
相互に相補的な二重特異性オリゴヌクレオチドによるトリマー及びテトラマーのDNA星形構造の形成が証明された。
DNAオリゴヌクレオチド(DNA Technology Arhus, Denmarkによって調製された)は各々1xリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl中に2 μMの濃度で図8に示されている表で示されているように混合された。混合物は80℃で2分間インキュベートされ、水浴中で室温までゆっくり冷却された。PAGE native(7.5%ポリアクリルアミド)によって生成物は分析され、続いて標準的なプロトコルを使用して(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)、エチジウムブロマイドで染色した。
オリゴ6及びオリゴ7(それぞれ、Vip006及びvip007に対応する)、オリゴ6及びオリゴ8(vip006及びvip008に対応する)及びオリゴ7及びオリゴ8(それぞれ、vip007及びvip008に対応する)は各々相互に相補的なセグメントを有し、したがってアニールされたダイマーを形成できる。よって、ダイマーに対応するバンドがレーン1-3で観察される。Vip006、vip007及びvip008は各々2個の隣接したオリゴに相互に相補的なセグメントを有し、従って閉じたアニールされたトリマー構造を形成できる(図8参照)。よって、トリマーに対応するバンドはレーン4で観察された。
オリゴ6、オリゴ7、及びオリゴ9(それぞれ、Vip006、vip007及びvip009に対応する)は各々隣接したオリゴに相互に相補的なセグメントを有し、したがってアニールされたトリマー構造を形成できる。しかしながら、vip008とvip006が相補的なセグメントを有しないので構造は開いている(図8参照)。よって、トリマーに対応するバンドはレーン5で観察された。開いたトリマーはより小型の閉じたトリマー形態よりゲル中でわずかに遅い移動度を有することが予想される。移動度の相違はレーン4を5と比較するときに実際に観察される。
遅く移動するトリマーのバンドの等しい観察はオリゴ6、オリゴ7、及びオリゴ10を使用することによって得られ (それぞれ、vip006、vip007及びvip010に対応する)、ここでvip006とvip010は直接互いにアニールしない(レーン4と6を比較)。閉じたトリマー形態の形成の効率を評価するためにオリゴ6、オリゴ7、及びオリゴ8(それぞれ、vip006、vip007、及びvip008に対応する)がオリゴ9及びオリゴ10(それぞれ、vip009又はvip010に対応する)の2倍過剰の存在中でアニールされた。興味深いことには、レーン7と8の両方で主要なバンドはvip006、vip007及びvip008からなる閉じたトリマーの速く移動するスピーシーズに対応する。閉じたテトラマーの首尾よい形成はオリゴ6、オリゴ7、オリゴ9及びオリゴ10(それぞれ、vip006、vip007、vip009及びvip010に対応する)をアニールすることによって達成され、レーン9で1個の主要なバンドとして観察された。すべての追跡で意図された結合価が高い効率で得られた; 1個の主要なバンドとして観察されたことに注目すべきである。
実施例2
トリマーDNA星形構造のT4 DNAリガーゼによるDNAの1本の連続した鎖への変換.
DNAの1本の中断されていない鎖からなる3ステムのDNA星形構造の首尾よい生成はこの実施例で証明された。相互に相補的な二重特異性オリゴヌクレオチドはアニールされ、そしてその後DNAの連続した鎖を形成するためにライゲートされた。
DNAオリゴ(DNA Technology Arhus, Denmarkによって調製された)は各々1xリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl中に2 μMの濃度で図9に示されているように混合された。混合物は80℃で2分間インキュベートされ水浴中で室温までゆっくり冷却された。
オリゴヌクレオチドの5’末端はT4 DNAポリヌクレオチドキナーゼによってリン酸化された。1.67 μM星形構造, 1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl及び0.2 u/μl T4 DNAポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs, cat# M0201)からなる混合物は調製され37℃で30分間インキュベートされた。
アニールされたオリゴヌクレオチドの並列された末端間のホスホジエステル結合はT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)によって形成された。リガーゼミックスの1/3 x容量, 1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl, 及び100 u/μl T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)が上に記載されたキナーゼ処理混合物に加えられ室温で2時間インキュベートされた。non-native PAGE(7.5%ポリアクリルアミド、8M尿素)によって生成物は分析され、続いて標準的なプロトコルを使用して(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)、エチジウムブロマイドで染色した。
Vip076(25nt)及びvip017(42 nt)はアニーリングの際にvip017の5’末端に隣接してvip076の3’末端を置く各々相互に相補的なセグメントを有し、したがってT4 DNAリガーゼのための基質を作る。よって、vip076-vip017(67 nt)に対応する顕著なバンドがレーン1に観察された(non-native PAGE)。同様に、vip017-vip078(100 nt)に対応する顕著なバンドの形成がレーン3で観察された。対照的に、vip076とvip078(58 nt)は各々相互に相補的なセグメントを有するがアニールされた隣接した末端を形成せずライゲートされることは予想されない。よって、vip076とvip078のモノマーに対応するバンドだけがレーン2で観察された。vip076に対応するバンドがよりかすかであることに注目すべきであり、それはvip076がより小さくてオリゴヌクレオチドは等モル濃度であるので予想される。そのうえ、vip078(58 nt)はゲル中でvip076-vip017(67 nt)より遅く移動し、それはvip076-vip017がより小型の折り畳み、従ってゲル中でより高い移動度を与えるステムループ構造の生成のための配列を含んでいるので予想されないことではない。
Vip076、vip017及びvip078はアニーリングの際にvip017の5’末端に隣接してvip076の3’末端を、vip078の5’末端に隣接してvip017の3’末端を置く各々相互に相補的なセグメントを有し、従ってT4 DNAリガーゼのための2種の基質を作る。よって、vip076-vip017vip078に対応する顕著なバンドがレーン4で観察された。
その結果、DNAの1本の連続した鎖からなるトリマーのDNA星形構造の生成がこれによって証明された。
実施例3;
3ステムのDNA星形構造の増幅
DNAの1本の連続した鎖からなるトリマーのDNA星形構造の首尾よい増幅はこの実施例で証明された。相互に相補的な二重特異性オリゴヌクレオチドはアニールされ、ライゲートされその後プライマー伸長反応におけるテンプレートとして使用された。
DNAオリゴ(DNA Technology Arhus, Denmarkによって調製された)は各々1xリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl中に2 μMの濃度で以下に示されているように混合された。混合物は80℃で2分間インキュベートされ水浴中で室温までゆっくり冷却された。
オリゴヌクレオチドの5’末端はT4 DNAポリヌクレオチドキナーゼによってリン酸化された。1.67 μM星形構造, 1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl及び0.2 u/μl T4 DNAポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs, cat# M0201)からなる混合物は調製され37Cで30分間インキュベートされた
アニールされたオリゴヌクレオチドの並列された末端間のホスホジエステル結合はT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)によって形成された。リガーゼミックスの1/3 x容量, 1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl, 及び100 u/μl T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)がキナーゼ処理された混合物に加えられ室温でオーバーナイトでインキュベートされた。
プライマー伸長反応は3容量の伸長ミックス、1.33 xベントバッファー(New England Biolabs), 1,33 μM vip038, 2.67 mM dNTPを1.33 u/μlベント(エキソ-) DNAポリメラーゼ(New England Biolabs, cat# M0257)と共に又は無しで1容量のライゲーション反応に加えることによって行われた。溶液は92Cで1分間、50Cで1分間そして74Cで10分間インキュベートされ氷上に置かれた。
native PAGE(7.5%ポリアクリルアミド)によって反応物は分析され、続いて標準的なプロトコルを使用して(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)、エチジウムブロマイドで染色した。
実験の結果は図10に示されている。Vip038はvip078での20個の最も5’末端塩基に逆相補的でありそれゆえテンプレートとしてvip078又はvip078融合物を使用した伸長反応をプライムし得る。よって、二本鎖vip078に対応する1本の顕著なバンドがvip038、vip076及びvip078を含む伸長反応で得られた(レーン2)。このバンドはレーン6に存在せず、それは含まれていたDNAポリメラーゼが無い以外は等しいことに注目すべきである。対照的に、レーン6は2本のバンドを含み、それは多分アニールしたvip076/vip078/vip038及びアニールしたvip078/vip038からなる。
反応の特異性はvip038、vip076及びvip017によって証明され、そこでDNAポリメラーゼを有する又は有しない場合の間の目に見える違いは観察されなかった、レーン1と5を比較せよ。
首尾よいプライマー伸長はまたレーン3での顕著なバンドによって例証されたライゲーション反応vip017-vip078を使用して観察された。二本鎖vip078に対応するよりかすかなバンドはすべてのvip078がvip017にライゲートしなかったことの観察された例証であることに注目すべきである。DNAポリメラーゼを有さない対応するレーン7で二本鎖vip017-vip078と同じ移動度を有するよりかすかなバンドが観察される。バンドは多分アニールされたvip038/vip017-vip078からなる。
首尾よいプライマー伸長はまたテンプレートとしてvip076-vip017-vip078ライゲーション反応を使用して観察された。二本鎖vip017-vip078よりゲル中で低い移動度を有する二本のバンドが観察された。下のバンドはDNAポリメラーゼを有さない対応するレーン8に比較したときに見られるアニールされたvip038/vip076-vip017-vip078に対応する。しかしながら、レーン4での上のバンドは特有でありそれゆえ二本鎖vip076-vip017-vip078からなっている。その結果、この実施例はDNA構造が二本鎖DNAに変換されそれゆえ増幅可能であり得ることを例証する。
実施例4
星形反応中心での化学反応性
星形構造の中心での化学反応性は次の三官能性クロスリンカー(TSAT, トリス-スクシンイミジル アミノトリアセタート, Pierce cat. No 33063)を使用することによって達成された;
Figure 0004931825
すべて内部アミノ修飾されたdT(GlenResearch, cat. No.: 10-1038-xx)を有する、DNAオリゴ: vip016/vip017又はvip016/vip017/vip018(DNA Technology Arhus, Denmarkによって調製された)が150 mM NaCl, 100 mMリン酸ナトリウム, pH 7.2中で20 μMの総オリゴ濃度を与えて混合された。混合物は80℃で2分間インキュベートされ水浴中で室温までゆっくり冷却された。TSATはDMFに溶解された。DMFでの10倍の連続希釈液が調製された。1容量のDMF又はTSAT希釈液は150 mM NaCl, 100 mMリン酸ナトリウム, pH 7.2の最終バッファー濃度を与える9容量のバッファーで混合された。1容量の緩衝化DMF又は緩衝化TSAT希釈液は最終のオリゴ:TSAT比; 1:0、1:10、1:100、1:1000、1:10000を与える1容量のアニールされたDNAオリゴ混合物と混合され、室温で2時間インキュベートされた。native(7.5%ポリアクリルアミド) によるPAGEと同様にnon-native PAGE(7.5%ポリアクリルアミド、8M尿素)によっても反応は分析され、続いて標準的なプロトコルを使用して(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)、エチジウムブロマイドで染色した。
Figure 0004931825
Vip016及びvip017は各々相互に相補的なセグメントを有しており、したがってアニールされたダイマー構造を形成できる。Vip016、vip017及びvip018は隣接したオリゴに各々相互に相補的なセグメントを有しており、したがって閉じたアニールされたトリマー構造を形成できる(図12参照)。
予想されるようにネイティブゲル、レーン1-5で、主要なバンドはダイマー構造に対応しており、一方ネイティブゲル中のレーン6-10での主要なバンドはトリマー構造に対応する。ノンネイティブゲルでアニーリングは破壊される。予想されるようにモノマーに対応するノンネイティブゲル中のレーン1及び6のバンドが観察された。しかしながら、TSATが含められたときTSATがオリゴを架橋したことを示しているより高次の構造が観察された(レーン2-5、7-10、ノンネイティブゲル)。興味深いことに、vip016及びvip017だけが存在するとき最も高次の架橋された構造はダイマーであるのに(レーン2-5、ノンネイティブゲル)、vip016、vip017、vip018が存在するとき追加のトリマー構造が観察され(ノンネイティブゲル、レーン7-10)、従って架橋はDNAオリゴヌクレオチドのアニーリングに依存していることを示している。予想されるようにベル形用量応答が観察されるのはまた注目すべきである; 低TSAT濃度で反応は遅く低収量に導くだろう、TSAT濃度が増加するにつれ反応はより速く進行してより多くの架橋産物に導くであろう、しかしながらより高いTSAT濃度で架橋は1個のDNAオリゴだけと反応しているTSAT分子によって競合されより低い架橋産物に導くだろう。それゆえに、架橋産物の最も高い収量は1000TSAT当量(レーン4及び9、ノンネイティブゲル)を使用して観察された。そのうえ、架橋のために閉じたアニール構造で有利なことは同じTSAT濃度を有するレーン2-5での対応物に比較されたときレーン7-10で得られるずっと高い全体的な収量によって例証された。
実施例5:
DNA星形構造によって指向される化学反応.
200mM pH 7.4リン酸ナトリウム溶液(200 μL)中のオリゴヌクレオチド(5 nmol)を25℃で10分間DMF中の100mM BSOCOES溶液の0,1 容量で、その後に25℃で2時間300mM NaOH中の300mMアミノ酸(Leu又はGly)溶液の0,3容量で処理することによるホモ二官能性リンカーBSOCOES((ビス[2-(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン), Pierce cat# 21600)によって、オリゴヌクレオチド、vip017はvip017で内部修飾されたdTでの第一級アミンにアミノ酸(L-Leu又はGly Fluka, #61820及び#50052)をα-アミンによって架橋することにより官能性を持たせた。反応の総容量は200μLであった。粗製の結合されたアミノ酸試薬はEtOH沈澱によって分離され更なる精製なしで使用された。DNAは(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)に従ってNaOAc/EtOHによって沈澱された。ペレットは水で再懸濁された。
オリゴヌクレオチドは次のものを調製することによってアニールされた: 各オリゴヌクレオチドの3.125 μM, 125 mM MES pH 6.0, 187.5 mM NaCl。混合物は2分間80℃でインキュベートされ、続いて水浴中で室温にゆっくり冷却した。DNA指向化学反応(アミド結合形成)は前もってアニールされたオリゴヌクレオチド(oligonucleotedes) にEDCとsNHSを加えることによって行われた ; 2.5 μM 前もって形成された星形構造, 100 mM MES pH 6.0, 150 mM NaCl, 20 mM EDC及び15 mM sNHS(最終濃度)。混合物は室温でオーバーナイトでインキュベートされ上に記載されるようにEtOH沈澱された。
PAGE; native(7.5%ポリアクリルアミド)とnon-native PAGE(7.5%ポリアクリルアミド、8M尿素)の両方によっても反応は分析され、続いて標準的なプロトコルを使用して(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)、エチジウムブロマイドで染色した。
オリゴヌクレオチド、vip017はホモ二官能性リンカーBSOCOESによって、vip017で修飾された内部dTでの第一級アミンへのα-アミンによる、アミノ酸、Leu又はGlyを架橋することによって官能性を持たせた。修飾dTはvip017の2個のハイブリダイゼーションセグメントの間に位置する。Vip076はvip017での5’ハイブリダイゼーションセグメントに相補的な3’ハイブリダイゼーションセグメントによって続かれる第一級アミンを含む修飾dTを有する。その結果、vip017とvip076をアニーリングすることによってvip017に結合したアミノ酸とvip076上の第一級アミンの間に近接が作られる。よって、ダイマーに対応するバンドがネイティブゲルでのレーン4-6で観察された。Vip008はvip076とvip017の両方に相補的なセグメントを有しており、従って閉じたトリマーの星形構造を形成でき、星形構造の中心での反応チャンバーでvip017及びvip076の化学官能性をアレンジし得る。よって、トリマーに対応するバンドがネイティブゲルでのレーン1-3で観察された。
EDC/sNHSによる活性化の際に、vip017に結合したアミノ酸とvip076上の第一級アミンの間にアミド結合が形成され得、そしてそれによってvip017とvip076を架橋する。予想されるように星形構造が形成されたとき(vip008存在)、架橋vip076/vip017に対応する特有のバンドがvip017-Gly及びvip017-Leu両方で表われ(none-native PAGE、それぞれ、レーン2及び3)、EDC/sNHS活性化無しで(none-native PAGE, レーン8及び9)又はアセチル化されていないvip017で(none-native PAGE、レーン1)それは存在しない。興味深いことに、特有のバンドはvip008が存在しないときに検出できない(non-native PAGE, レーン5及び6)。これは化学反応が星形構造によって指向され得ること及び星形構造は2個のアニールされたオリゴより化学反応を指向することにおいて効率的であるらしいことを例証する。
実施例6
星形構造の構築及びライゲーション.
dsDNAからなるトリマーのDNA星形構造の首尾よい増幅はこの実施例で例証された。相互に相補的な二重特異性オリゴヌクレオチドはアニールされ、ライゲートされそしてその後PCR反応でテンプレートとして使用された。次のオリゴヌクレオチドは使用された: vip029-vip031-vip0132-vip0133-vip030。図13はオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを概略的に示す。
DNAオリゴヌクレオチド(DNA Technology Arhus, Denmarkによって調製された)は各々1xリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl中に2 μMの濃度で混合された。混合物は次のとおりインキュベートされた: 94℃5分間、80℃30秒、65℃30秒、50℃30秒、35℃30秒、20℃30秒、次の工程まで10℃。アニーリング手順はApplied Biosystem AB2720 PCRマシンで行われた。
オリゴヌクレオチドの5’末端はT4 DNAポリヌクレオチドキナーゼによってリン酸化された。1.5 μM星形構造, 1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl及び0.17 U/μl T4 DNAポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs, cat# M0201)からなる混合物は調製され37℃で30分間インキュベートされた。
アニールされたオリゴヌクレオチドの並列された末端間のホスホジエステル結合は10 μlの容量で1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl, 及び200 U T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)中で、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)によって形成され16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。
PCR増幅は次の条件を使用して行われた:
反応は0,2 mM dNTPs(New England Biolabs O447S), 8 mM MgSO4, 0,2 μMセンスプライマー及び0,2 μMアンチセンスプライマー, 1 Mベタイン(Sigma B0300), ベント(エキソ-)(New England Biolabs M0257L)の1 U/100 μlを有する、1 x ThermoPolバッファー(New England Biolabs B9004S)中で行われた。使用されたプライマーはvip027及びvip028であった。これらの2種のプライマーのビオチン化されたバージョンは、それぞれvip034とvip038である。PCR増幅は次のサイクル条件を使用して行われた: 95℃で2分、そして95℃/30秒、60℃/30秒、74℃/30秒の20サイクル。下の実施例7で報告される折り畳みとssDNA精製のために使用されるPCR産物は、vip034及びvip028プライマーで生成された。PCR産物はnative PAGEによって分析された。201 bpのバンドは図13で示されるゲルにはっきり見られる。
実施例7
PCR産物の再折り畳み.
PCR産物の折り畳みは次のとおり行われた。PCR精製手順はキットの使用説明書に従ってPerfectPrep(Eppendorf, cat# 0032 007.740)を使用して行われた。折り畳みは10 μlの容量で(5 μl 2x バッファー/プライマーミックスと混合された生成物あたり5 μl)、0,1 M NaCl, 0,1 % トリトン X-100, 0,1 μM vip027, 0,1 μM vip028中で行われた。PCR産物は4種の異なる濃度で使用された(1:2希釈から1:20希釈の範囲である)。一系列で、混合物は沸騰水中で2分間インキュベートされ、そしてその後アイス/水浴中で冷却された。第2の系列で、混合物はABI2720 PCRマシンで次のプログラムを使用して加熱と冷却が行われた: 5分間94℃、30秒間80℃、30秒間65℃、30秒間50℃、30秒間35℃、30秒間20℃、次の工程まで10℃。第3の系列で、加熱又は冷却は行われなかった。
生成物は20 % TBE尿素ゲル(Invitrogen)で分析された。ゲルはSYBRグリーン(Molecular Probes S7563, 1 x TBEバッファーで1:10.000希釈、使用説明書に従った)で染色された。
図14でゲルのレーンは次の内容からなる:
レーン1: 1:2希釈された PCR産物、急速冷却
レーン2: 1:4希釈された PCR産物、急速冷却
レーン3: 1:10希釈された PCR産物、急速冷却
レーン4: 1:20希釈された PCR産物、急速冷却
レーン5: 1:2希釈された PCR産物、段階冷却
レーン6: 1:4希釈された PCR産物、段階冷却
レーン7: 1:10希釈された PCR産物、段階冷却
レーン8: 1:20希釈された PCR産物、段階冷却
レーン9: 1:2希釈された PCR産物、未処理
レーン10: 1:4希釈された PCR産物、未処理
レーン11: 1:10希釈された PCR産物、未処理
レーン12: 1:20希釈された PCR産物、未処理
レーン13: PCR産物のみ
実験は201 bp dsDNA産物とは対照的に、一本鎖星形構造DNAは約1000 bpに移動することを示す。星形構造形成のための最適な条件は加熱に続いての反応の急速冷却であるらしい。
実施例8
再び折り畳まれた星形構造の精製.
ssDNA星形構造はストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズを使用して精製された(Dynal, Cat# 650.02)。10 μlビーズは2x BWT(2 M NaCl, 10 mM Tris-HCl, pH 8,0, 1 mM EDTA, 0,2 % トリトン X-100)で二回洗浄された。最終洗浄の後、ビーズは1容量の2x BWTで懸濁され1容量の再び折り畳まれたPCR産物を加えられた。懸濁液は時々撹拌しながら、室温で15分間インキュベートされた。チューブは磁石に置かれ、そしてビーズが集められた後に上清が取り除かれた。ビーズは50℃の暖かさの洗浄バッファー(2 M尿素, 0,1 % トリトン X-100)に懸濁され、そして50℃で2分間インキュベートされた。チューブは磁石上に置かれ、そして洗浄手順がトータルで3回行われた。1回の最終洗浄が1x BWT(1 M NaCl, 5 mM Tris-HCl, pH 8,0, 0,5 mM EDTA, 0,1 % トリトン X-100)で行われた。最終洗浄バッファーの除去に続いて、ビーズは1,5 ml NT(10 mM NaCl, 0,1 % トリトン X-100)中に懸濁され、そして50℃で5分間インキュベートされた。チューブは急速冷却のために氷/水浴に移され、そしてこの手順はストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズに固定された星形構造の形成という結果になった。チューブは急速冷却後に磁石上に置かれ、そして上清が取り除かれた。ビーズは、ビーズからのssDNAの放出のためにBsaIでの消化の準備のために、50 μl NTに懸濁された。
17 μlのビーズは2 μl 10 x NEB3バッファー及び1 μl BsaI(10 U/μl; NEB R0535L)を加えられた。反応は50℃で1.5時間インキュベートされた。消化はサンプルに変性ローディングバッファーを加えること、及びゲルのウェル中にビーズを含む全混合物をロードすることによる、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(10 % TBE-尿素ゲル、Invitrogen)によって分析された。ゲルはSYBRグリーン(Molecular Probes S7563、1 x TBEバッファーで1:10.000希釈、使用説明書に従った)で染色された。
図15で1本のバンドがレーン1(+BsaI)レーンで観察され、レーン2‘-BsaI’レーンではバンドは見られない。従って、ssDNAはストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズ上で折り畳まれてBsaIのための基質を形成することが一本鎖生成物を切り離す酵素の能力によって証明された。
実施例9
消化ループフォーマット
両方が星型構造のループでの消化を可能にする、2本のゲノムがデザインされた。制限酵素は一般にssDNAを消化することができない。しかしながら、ループへの10量体オリゴヌクレオチドのアニーリングは酵素のための基質を生じ、そしてそれによって酵素のための認識配列が二本鎖になるだろう。実験のデザインは図16に概略的に示されている。
2種類の構造が構築された、s129及びs149。s129は次のオリゴヌクレオチドから構成された: vip029-vip161-vip162-vip163-vip070。s149は次のオリゴヌクレオチドから構成された: vip029-vip161-vip192-vip193-vip070。Vip162、vip163、vip192及びvip193のすべては2種の制限酵素のための認識配列を含んでいる(vip162: ApaI及びBamHI、vip163: EcoRI及びKpnI、vip192:PvuII及びSacI、vip193: SamI及びVspI)。
DNAオリゴ (TAGC, Copenhagen, Denmarkによって調製された)は各々1xリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl中に2 μMの濃度で混合された。混合物は次のとおりにインキュベートされた: 94℃5分間、80℃30秒、65℃30秒、50℃30秒、35℃30秒、20℃30秒、次の工程まで10℃。アニーリング手順はApplied Biosystem AB2720 PCRマシンで行われた。
オリゴヌクレオチドの5’末端はT4 DNAポリヌクレオチドキナーゼによってリン酸化された。1.5 μM星形構造, 1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl及び0.17 U/μl T4 DNAポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs, cat# M0201)からなる混合物は調製され37℃で30分間インキュベートされた。
アニールされたオリゴヌクレオチドの並列された末端間のホスホジエステル結合は10 μlの容量で1x DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl, 及び200 U T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)中で、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)によって形成され16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。
PCR増幅は次の条件を使用して行われた:
反応は0,2 mM dNTPs(NEB O447S), 8 mM MgSO4, 0,2 μMセンスプライマー及び0,2 μMアンチセンスプライマー, 1 Mベタイン(Sigma B0300), ベント(エキソ-)(NEB M0257L)の1 U/100 μlを有する、1 x ThermoPolバッファー(NEB B9004S)中で行われた。使用されたプライマーはvip027及びvip028であった。プライマーのビオチン化されたバージョンは、それぞれvip034とvip038である。PCR増幅は次のサイクル条件を使用して行われた: 95℃で2分、そして95℃/30秒、60℃/30秒、74℃/30秒の20サイクル。
実験の結果は図17に示されている。
レーン1及び3で両方のゲノムが首尾よく増幅されたことが見られる。レーン2及び4は2種のゲノムのために加えられるリガーゼが無いネガティブコントロールである。
s129及びs149のssDNA構造の精製.
各ゲノムの(vip034及びvip028プライマーを使用して作成された)80 μl PCR産物はキットの使用説明書に従ってPerfectPrep(Eppendorf, cat# 0032 007.740)を使用して精製された。溶出は40 μl溶出バッファーで行われた。PCR産物の再折り畳みのために、次のことが行われた: 40 μl PCR産物に、750 μl 0,2 M NaCl, 0,2 % トリトン X-100, 7.5 μl vip027及び7,5 μl vip028及び695 μl H2Oを加える。沸騰水中で5分間混合物をインキュベートし、そしてアイス-水浴中で急速に冷却する。
20 μlストレプトアビジンビーズ(Dynal, 650.02)は2x BWT(2 M NaCl, 10 mM Tris-HCl, pH 8,0, 1 mM EDTA, 0,2 % トリトン X-100)で二回洗浄された。最終洗浄の後、ビーズは1容量の2x BWTで懸濁され1容量の再び折り畳まれたPCR産物を加えられた。懸濁液は時々撹拌しながら、室温で15分間インキュベートされた。チューブは磁石上に置かれ、そしてビーズが集められた後に上清が取り除かれた。ビーズは50℃の暖かさの洗浄バッファー(2 M尿素, 0,1 % トリトン X-100)に懸濁され、そして50℃で2分間インキュベートされた。チューブは磁石上に置かれ、そして洗浄手順がトータルで3回行われた。1回の最終洗浄が1 x BWT(1 M NaCl, 5 mM Tris-HCl, pH 8,0, 0,5 mM EDTA, 0,1 % トリトン X-100)で行われた。磁石上での分離後、ビーズは50 μl 10 mM NaCl, 0,1 % トリトン X-100に懸濁された。
各調製品のビーズの20 μlが磁石上で分離され、10 μl 100 mM NaCl, 0,1 % トリトン X-100中に懸濁された。各調製品は各5 μlの2本のチューブに分離され、消化オリゴが次のとおり加えられた:
1: s129−vip164-ApaI
2: s129−vip165-KpnI
3: s149−vip194-PvuII
4: s149−vip195−VspI
1 μMの最終濃度という結果になるように、0.25 μlオリゴ(20 μMストック)が加えられた。アニーリングはプログラム: 50℃−2分; 40℃−2分; 35℃−2分; 30℃−2分; 30℃−2分; 25℃−2分; 20℃−2分を使用してAB2720 PCRマシンで行われた。
ビーズは100 μl 100 mM NaCl, 0.1 % トリトン X-100で洗浄された。ビーズはその後に1.8 μl 1.1 x 消化バッファー中に懸濁された。反応は2本のチューブ、各9 μlに分離され、1 μlの酵素(10 Units)が各チューブに加えられ、消化のために1 x 消化バッファーという結果になる。消化の1セットが30℃でインキュベートされ他のセットは37℃でインキュベートされた。チューブの底からビーズを懸濁するために時々撹拌しながらインキュベーションを5時間行った。
消化に続いて、生成物は10 % TBE-尿素ゲル(Invitrogen)で分析された。ローディングバッファーが消化物に加えられて、ビーズを含む全反応混合物がゲルにロードされた。ゲルはSYBRグリーン(Molecular Probes S7563、1 x TBEバッファーで1:10.000希釈、使用説明書に従った)で染色された。
実験の結果は図18に示されている。
レーン1は37℃でのs129のApaI消化を示す
レーン2は37℃でのs129のKpnI消化を示す。
レーン3は37℃でのs149のPvuII消化を示す。
レーン4は37℃でのs149のVspI消化を示す。
レーン5は30℃でのs129のApaI消化を示す。
レーン6は30℃でのs129のKpnI消化を示す。
レーン7は30℃でのs149のPvuII消化を示す。
レーン8は37℃でのs149のVspI消化を示す。
予想されるバンドサイズは次のとおりである:
ApaI:163 nt, KpnI: 80 nt, PvuII: 165 nt, VspI: 83 nt。
ゲルでは、予想されたサイズのバンドがすべての4種の酵素について現れる。ビオチンを含むフラグメントはビーズに結合しているのでゲルに入らないであろう。両方の温度が生成物を与えて、手順のロバスト性を示している。
実施例10
種々のトポロジーでのアミド結合のDNA指向形成.
200mM pH 7.4リン酸ナトリウム溶液(200 μL)中のオリゴヌクレオチド(5 nmol)を25℃で10分間DMF中の100mM BSOCOES溶液の0,1 容量で、その後に25℃で2時間300mM NaOH中の300mMアミノ酸(グリシン)溶液の0,3容量で処理することによるホモ二官能性リンカーBSOCOES((ビス[2-(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン), Pierce cat# 21600)によって、オリゴヌクレオチド、vip017はvip017で内部修飾されたdTでの第一級アミンにアミノ酸(Glycine, Fluka, cat #50052)をα-アミンによって架橋することにより官能性を持たせた。反応の総容量は200μLであった。粗製の結合されたアミノ酸試薬はEtOH沈澱によって分離され更なる精製なしで使用された。
DNAは(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)に従ってNaOAc/EtOHによって沈澱された。ペレットは水で再懸濁された。
オリゴヌクレオチドは次のものを調製することによってアニールされた: 各オリゴヌクレオチドの0,556 μM, 111 mM MOPS pH 6.5(Fluka 69947), 1,11 M NaCl(Fluka 71376)、その後に次のとおりインキュベートされた: 94℃5分間、80℃30秒間、65℃30秒間、50℃30秒間、35℃30秒間、20℃30秒間、次の工程まで10℃。アニーリング手順はApplied Biosystems AB2720 PCRマシンで行われた。
DNA指向化学反応(アミド結合形成)は100 mM DMTMM(Acros, cat# A017657001)をプレアニールされたオリゴヌクレオチドに加えることによって行われた。DMTMMは1 Mの濃度で水に溶解された。DMTMMを加える前に、反応混合物は50℃に予熱された。各オリゴヌクレオチドの最終濃度は0,5 μMであった。反応は50℃で3時間、20 μlの容量で、100 mM MOPS pH6.5, 1 M NaCl, 100 mM DMTMM(最終濃度)中で行われた。
PAGE; native(20%ポリアクリルアミド、Invitrogen)によって及び変性PAGE(10%ポリアクリルアミド、7M尿素、Invitrogen)の両方によって反応は分析され、続いてSYBRグリーン(Molecular Probes S7563、1 x TBEバッファーで1:10.000希釈、使用説明書に従った)で染色した。すべての結果は図19に示されている。
ホモ二官能性リンカーBSOCOESによって、オリゴヌクレオチド、vip017はvip017で修飾された内部のdTでの第一級アミンにアミノ酸(Glycine)をα-アミンによって架橋することにより官能性を持たせた。修飾されたdTはvip017中の2個のハイブリダイゼーションセグメントの間に位置する。Vip008は修飾されたdT上にアクセプターアミンを含まず、それはVip017にハイブリダイズするであろう1個のハイブリダイゼーションセグメントを含み、従ってそれはDMTMMの付加でVip017-Glyに共有結合的に架橋されないであろう。よって、見えるバンドはレーン1で観察されなかった。
Vip018-NH2はvip017中の5’ハイブリダイゼーションセグメントに相補的な3’ハイブリダイゼーションセグメントによって続かれた第一級アミンを含む修飾されたdTを有する。その結果、vip017-Glyとvip018-NH2をアニールすることによって近接がvip017に結合したアミノ酸とvip018上の第一級アミンの間に作られる。よって、架橋されたvip017-Gly/vip018-NH2から構成されたダイマーに対応するバンドがレーン2で観察された。
Vip006はvip017-Glyとvip018-NH2の両方に相補的なセグメントを有し、従ってそれは閉じたトリマーの星形構造を形成でき星形構造の中心での反応チャンバーでvip017-Gly及びvip018-NH2の化学官能性を準備し得る。よって、架橋されたvip017-Gly/vip018-NH2から構成されたダイマーに対応するバンドがレーン3で観察される。そのうえ、閉じたトリマーの星形構造は開いたダイマー構造より良い反応条件を作ることを示して、レーン3はレーン2より多くの染色を含んでいた。
Vip020-NH2は第一級アミンを含む修飾されたdTを有するが、それはvip017-Glyへのハイブリダイゼーションセグメントを含まない。その結果、vip020-NH2とvip017-Glyの反応物が塩基対によって近接に持ってこられないのでバンドはレーン4に現れない。
Vip006はvip017-Glyのセグメントにハイブリダイできる1個のハイブリダイゼーションセグメント及び、2個のハイブリダイゼーションセグメント間に第一級アミンを含む修飾されたdTを有する、vip020-NH2にハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。従って、vip006は官能基を近接に持ってきて、架橋されたvip017-Glyとvip020-NH2を構成している、バンドがレーン5で見える。
Vip009はvip017-Glyのセグメントにハイブリダイズできる1個のハイブリダイゼーションセグメント及び、2個のハイブリダイゼーションセグメント間に第一級アミンを含む修飾されたdTを有する、vip020-NH2にハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。従って、vip009は官能基を近接に持ってくる。よって、架橋されたvip017-Glyとvip020-NH2を構成している、バンドがレーン6で観察された。
Vip006はvip017-Glyのセグメントにハイブリダイできる1個のハイブリダイゼーションセグメント及び、2個のハイブリダイゼーションセグメント間に第一級アミンを含む修飾されたdTを有する、vip020-NH2にハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。Vip009はvip017-Glyのセグメントにハイブリダイできる1個のハイブリダイゼーションセグメント及び、2個のハイブリダイゼーションセグメント間に第一級アミンを含む修飾されたdTを有する、vip020-NH2にハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。これらの4種のオリゴヌクレオチドをハイブリダイズすることはテトラマーの星形構造の形成という結果になる。vip017-Glyとvip020上の官能基が4種のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって互いの近接に持ってこられたことを示す、レーン7のバンドが観察された。そのうえ、閉じたテトラマーの星形構造は開いたトリマーの構造より良い反応条件を作ることを示して、レーン7はレーン5と6の両方より多くの染色を含んでいる。
Vip048-NH2は第一級アミンを含む修飾されたdT及びvip017-Glyに結合できる1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。第一級アミンを有する修飾されたdTとvip017-Glyにアニールできるハイブリダイゼーションセグメントの間にハイブリダイゼーションに関与しない6ヌクレオチドが挿入されている(ゆらぎヌクレオチド)。バンドはレーン8で観察され、従って2種のオリゴヌクレオチドの架橋を示している。しかしながら、レーン8とレーン2を比べることによって見られるように導入された6個の余分なヌクレオチドは得られた架橋産物の量を低下させた。
Vip006はvip017-Glyのセグメントにハイブリダイズできる1個のハイブリダイゼーションセグメント、及びvip048にハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。vip048-NH2は第一級アミンを含む修飾されたdT及びvip017-Glyに結合できる1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。第一級アミンを有する修飾されたdTとvip017-Glyにアニールできるハイブリダイゼーションセグメントの間にハイブリダイゼーションに関与しない6ヌクレオチドが挿入されている(ゆらぎヌクレオチド)。
vip006の存在は2個の反応基を近接に持ってきて、生成物がレーン9に見られるように形成される。vip006は構造を安定化すること(トリマーの星形構造)と反応が反応のダイマーフォーマットで見出されたものより適切に進行することを示して、バンド強度はレーン8で見られるものより強かった。
Vip048-NH2は第一級アミンを含む修飾されたdT及びvip017-Glyに結合できる1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。第一級アミンを有する修飾されたdTとvip017-Glyにアニールできるハイブリダイゼーションセグメントの間にハイブリダイゼーションに関係しない6ヌクレオチドが挿入される(ゆらぎヌクレオチド)。Vip056はvip017-Glyにハイブリダイズできる1個のハイブリダイゼーションセグメント及び6ゆらぎヌクレオチドを含むvip048-NH2のセグメントにハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを含む。従って、これらの3種のオリゴヌクレオチドのアニーリングの際、vip048上の修飾されたdTの第一級アミンは反応チャンバーに対して6ヌクレオチド離れて2本鎖アームに今位置する。二本鎖DNAは一本鎖DNAとは対照的に非常に柔軟性が無く従って結合した部分が自由に動くのを妨げそれによって反応性を減少させる。それゆえに、非常にかすかな染色だけがレーン10で観察された。
Vip018-NH2はvip017-Glyでの5’ハイブリダイゼーションセグメントに相補的な3’ハイブリダイゼーションセグメントによって続かれる第一級アミンを含む修飾されたdTを有している。
vip056はvip017-Glyにハイブリダイズできる1個のハイブリダイゼーションセグメント、及びvip018-NH2のセグメントにハイブリダイズできるもう1個のハイブリダイゼーションセグメントを有する。2個のハイブリダイゼーションセグメントの間に、vip056は6個の余分なヌクレオチドを含む(ゆらぎヌクレオチド)。化学反応が生じるために反応基が互いの近接に持ってこられること、そしてvip056での6ゆらぎヌクレオチドがこの実験での現行の構造での近接を減じないことを示して、ダイマーバンドがレーン11で見られる。
実施例11
種々のオリゴヌクレオチドの化学的調製
実施例 11.1 内部修飾されたdT(アミン-C6-dT)(位置 n = 1)を有するオリゴヌクレオチドのアセチル化
DMT-MMによって促進されるFmoc-AA-OHでのアセチル化。
内部にアミン-C6-dTを有するオリゴヌクレオチドVip068は、DMFと300 mM NaClを合わせた1:1混合液中で溶解されたオリゴヌクレオチド(500 pmol)を次のバッファー: DMT-MM 50 mMを含むリン酸ナトリウム 400 mM, pH 7.0, MOPS 400 mM, pH 7.5, HEPES 400 mM pH8.0, リン酸ナトリウム 400 mM, pH 8.8のうちの一つで処理することによるDMT-MM(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム クロライド, Fluka #74104)によって促進されてFmoc-Leu-OHでアシル化された。総反応容量は20 μLであった。反応は25℃で16時間インキュベートされた。反応混合物は50 μLに希釈されて製造元のプロトコルに従ってスピンカラム(Amersham Biosciences #275325-01)で精製され続いてHPLCによる精製及び質量分析法の分析があった。
一般的な精製方法:
官能化オリゴヌクレオチドは溶離液としてアセトニトリル/TEAA 100 mM pH 7.0混合液を使用してXTerra C18カラム(Waters #186000602)でオートサンプラーとフラクションコレクターを有するヒューレットパッカード アジレント HPLC機器によって精製された。適切な分画は凍結乾燥されて水で20 mMまで希釈された。
一般的な質量分析法の分析:
官能化オリゴヌクレオチドは陰イオンリフレクターモードを使用してHPA/クエン酸アンモニウム マトリックス中でBruker AutoFlex機器でMALDI-TOF質量分析法によって分析された。
DNA 計算質量 検出質量
vip068-LeuFmoc 6843,340 6844,5
実施例 11.2 内部修飾されたdTを有するオリゴヌクレオチドのアセチル化(アミン-C6-dT)(位置 n = 1)
Fmoc-AA-Osuでのアセチル化
オリゴヌクレオチドVip046は25℃で2時間 DMF及びリン酸ナトリウムバッファー 100 mM, pH 7.4の1:1混合液中で溶解されたオリゴヌクレオチド(125 pmol)を25 mM Fmoc-Gly-OSu(ChemImpex #02420)又はFmoc-Leu-OSu(ChemImpex #02429)で処理することによってFmoc-AA-Osu(AA = Gly又はLeu)でアシル化された。官能化オリゴヌクレオチドは(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in “Molecular Cloning: a Laboratory Manual”, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring, Harbor, New York)に従ってNH4OAc/EtOHによって沈澱された。ペレットは水で再懸濁されMALDI-TOF質量分析法によって分析された。
DNA 計算質量 検出質量
vip046-LeuFmoc 6932,3642 6932,1
vip046-GlyFmoc 6876,3016 6876,1
実施例 11.3 内部修飾されたdTを有するオリゴヌクレオチドのアセチル化(アミン-C6-dT)(位置 n = 1)
ペプチド-オリゴヌクレオチド複合体の合成(アミノ酸に使用される一文字略号): YGGFL-Vip068、GLFYG-Vip068、YGGFL-PEG-Vip068、GLFYG-PEG-Vip068、GFL-Vip016及びGFL-PEG-Vip016: Sepharoseでの後の脱保護を有するFmoc-AA-Osuでのアセチル化。
ペプチドはDEAE Sepharose(Sigma #DFF100)に吸収されたオリゴヌクレオチドで内部修飾されたdTでの第一級アミンから合成された。アミノ酸はFmoc-AA-OSu(AA = Gly, Leu, Phe, Tyr, C6, PEG) (Fmoc-L-グリシン N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #02420; Fmoc-L-ロイシン N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #02429; Fmoc-L-フェニルアラニン N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #02446; Fmoc-L-チロシン N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #11972; Fmoc-6-アミノヘキサン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #7296; Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸 ヒドロキシスクシンイミドエステル, N-ヒドロキシスクシンイミドとのEDC結合によってFmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ChemImpex #7310)から合成された) を用いたアシル化のラウンドによって結合し続いてHalpinとHarburyの手順(Plos Biology 2004, 2, 1-8)に従いFmocを脱保護した。sepharoseからDNAの溶出後に混合物は製造元のプロトコルに従ってスピンカラム(Amerasham Biosciences #27-5325-01)で脱塩化され続いてHPLCにより精製された。収量はHPLCによって測定された。
DNA 分離された収量
YGGFL-Vip068 19%
YGGFL-PEG-Vip068 32%
GLFYG-Vip068 11%
GLFYG-PEG-Vip068 18%
GFL-Vip016 30%
GFL-PEG-Vip016 36%
実施例 11.4 内部修飾されたdTを有するオリゴヌクレオチドのアセチル化(アミン-C6-dT)(位置 n = 1)
C6-NH2、PEG-NH2及びGly-NH2リンカーを用いたアクセプターオリゴヌクレオチドの合成.
DEAE Sepharose(Sigma #DFF100)に吸収されたオリゴヌクレオチド、vip016は、FmocNH-C6-CO2Su(Fmoc-6-アミノヘキサン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #7296)、FmocNH-PEG-OSu(Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸 ヒドロキシスクシンイミドエステル, N-ヒドロキシスクシンイミドとのEDC結合によってFmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ChemImpex #7310)から合成された)又はFmoc-Gly-OSu (Fmoc-L-グリシン N-ヒドロキシスクシンイミド エステル, ChemImpex #02420)を用いてvip016で内部修飾されたdT上の第一級アミンでアシル化され続いてHalpinとHarburyの手順(Plos Biology 2004, 2, 1-8)に従ってFmoc保護基が切断された。反応は1nmol DNAで行われた。sepharoseからDNAの溶出後に混合物は製造元のプロトコルに従ってスピンカラム(Amerasham Biosciences #27-5325-01)で脱塩され続いてHPLCによる精製された。収量はHPLCによって測定された。
DNA 分離された収量
H2N-PEG-vip016 39%
H2N-C6-vip016 39%
H-G-vip016 45%
実施例 11.5 位置 n ≠ 1でBSOCOES又はDSSを介した内部修飾されたdT(アミン-C6-dT)を有するオリゴヌクレオチドへのアミノ酸の結合。
オリゴヌクレオチド、vip046、vip017、vip047及びvip048は、DMFと400mM pH 8.4リン酸ナトリウム緩衝液の1:1混合液中のオリゴヌクレオチド(0.5 nmol)及びアミノ酸(15 mM)をリンカー(10 mM)で処理することによるホモ二官能性リンカーBSOCOES((ビス[2-(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン), Pierce cat# 21600)及びDSS(ジスクシンイミジル スベラート, Pierce #21655)によって、オリゴヌクレオチド中の内部修飾されたdT上の第一級アミンにアミノ酸(Gly, L-Leu, L-Phe, L-Tyr, Fluka, #50052, #61820, #78020, #93829)をα-アミンによって架橋することにより官能化した。反応の総容量は20μLであった。反応は25℃で4時間インキュベートされた。反応混合物は50 μLに希釈され製造元のプロトコルに従ってスピンカラム(Amersham Biosciences #27-5325-01)で精製され続いてHPLCで精製した。収率はHPLCによって測定された。同一性はMALDI-TOF質量分析法によって測定された。
DNA 単離された収率 計算質量 検出質量
vip046-BSOCOES-Gly 32% 6878,2325 6879,3
vip046-BSOCOES-Leu 48% 6934,2951 6936,1
vip046-BSOCOES-Phe 49% 6968,2795 6969,0
vip046-BSOCOES-Tyr 51% 6984,2744 6985,5
実施例12
異なる温度で反応中心でのアシル化反応の安定性
この実施例ではトリマーの星形構造での上昇した温度で1個のアミノ酸転移がどのように影響し得るかが証明される。結果は図20に示されている。
20 mMストック溶液のオリゴvip006、vip018、及びvip017-Leu(DNA Technology Arhus, Denmark,実施例11で記載されるように誘導体化されたvip017)はモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, 100 mM, pH 7.0)及びNaCl(1M)の最終組成を含むバッファー溶液中で混合された。溶液はアニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。各反応は化学活性化剤(DMTMM, Fluka #74104, 100mM aq. sol, 5 mMの最終濃度)を加えられ25℃又は75℃で表示された時間インキュベートされた。
反応混合物は変性(10%)PAGEによって分析されてバンドはSYBRグリーン染色(5分間50% EtOH中でのゲルの固定化、水浴中での洗浄5分、それから1xTBEバッファーで10.000倍希釈されたSYBRグリーンのDMSOストックで10分間インキュベートされた)によって可視化された。
25℃で行われた反応にとって、生成物の未検出の量は最初の2時間後(反応 1-5)に観察された。4時間反応で(反応6 )、少量が観察された。より多くの活性化物質が加えられた場合に観察された最も高い強度を有して相当量はオーバーナイトインキュベーション後に観察された。
70℃で行われた反応にとって、生成物の最初の痕跡は5分後に観察された(反応 2)。増加する量が240分まで観察されて、それからオーバーナイト反応に向かって減少した量が観察された。
vip017-Leu及びvip018の所望の架橋産物は25℃と70℃の両方で明らかに形成され、従って星形構造は上昇した温度で行われた反応を媒介できたことを証明している。反応速度はこの実験で使用された2種の温度で明らかに異なっている。しかしながら、DMTMMによるアミノ酸カルボン酸の初期の活性化はDNAによる随意制御化(dirigation)ではなく、分子間衝突のみによって制御されるのでこれは予想されるだろう。
実施例 13
異なるpHのものでの反応中心でのアシル化反応の安定性
この実施例でどのように1個のアミノ酸が5.2から8.0のpHの範囲でトリマーの星形構造で転移され得るかが証明される。低pHで、アクセプターアミノ基は部分的にプロトン化されているかもしれない、従って強力な求核基としてそれを不活性化する。より高いpHで、アミノ酸のカルボン酸の活性化によって生成された反応中間体は加水分解されることができ、従ってそれを不活性化し化学活性化剤を破壊する。両方は所望のアミド結合の形成を妨げるかもしれない。結果は図21に示されている。
20 mMストック溶液のオリゴvip016、vip008、及びvip017-Tyr(DNA Technology Arhus, Denmark, 実施例11で記載されるように誘導体化されたvip017)は2M NaCl(1M)中で混合され、アニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。このアニーリング混合物はモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, 100 mM, pH 5.2, 5.5, 6.0, 6.5, 7.0, 7.5, 又は8.0)、NaCl(1M)及び化学活性化剤(DMTMM, Fluka #74104, 1,0M aq. sol, 75 mMの最終濃度)の最終組成までバッファー溶液に希釈され50℃で1時間インキュベートされた。最終DNA濃度は0.5 mMであった。反応混合物は変性PAGE(10% ゲル)によって分析され、それは10分間SYBRグリーン(DMSOストックからTBE-EtOH(96%) 1:1で10.000倍希釈)でインキュベートされた。
5.2と8.0の間のpHをカバーしているすべての7個のレーンは機能するための幅広いpHウィンドウを示して架橋オリゴvip016-vip017-Tyrのための強いバンドを示した。
従って、アクセプターアミンのプロトン化又は反応中間体の加水分解は上の条件を使用して重要な問題ではない。
実施例14
異なる有機溶媒のレベルで反応中心でのアシル化反応の安定性
DNA星形構造の安定性を証明するために、1個のアミノ酸の転移は従って有機化学合成で使用される条件に似ている、H2Oと有機溶媒の混合液中で行われた。もし塩基対と星形構造がこれらの条件下で破壊されたなら、架橋産物は形成され得ない。溶媒ジオキサン、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランは水との混和性及び有機合成での一般的な適用性に関して選択された。
20 μMストック溶液のオリゴvip016、vip008、及びvip017-Phe (DNA Technology Arhus, Denmark, 実施例11で記載されるように誘導体化されたvip017)はMOPS(200 mM, pH6.5; Fluka #69947)及びNaCl(2M; Fluka #71376)のバッファー中で混合され、アニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。このアニーリング混合物はモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, 100 mM, pH 6.5)、NaCl(1M)、溶媒(0, 10, 20, 30, 又は35vol%)、及び化学活性化剤(DMTMM, Fluka #74104, 1,0M aq. sol, 75 mMの最終濃度)の最終組成まで溶媒と水の混合物に希釈され、それは50℃で1時間インキュベートされた。最終DNA濃度は0.5 μMであった。反応混合物は変性PAGE(10% ゲル)によって分析され、それは製品使用説明書に従ってSYBRグリーン(Molecular Probes, #S7563)で染色された。結果は図22に示されている。
ジオキサンにとって、架橋産物は20%溶媒までで形成された。一方で、アセトニトリル又はテトラヒドロフランを含むすべての反応にとって、生成物のよく似た量が形成され、従って少なくとも有機溶媒の35%までの存在が十分許容されDNA塩基対形成が損なわれていないことを示している。
実施例15
異なるDMFのレベルでの反応中心の安定性
DNA星形構造の安定性を証明するために、1個のアミノ酸の転移が、有機化学合成で使用される条件に似ている、H2O−DMF混合液中で行われた。もしこれらの条件下で塩基対形成及び星形構造が破壊されたなら、架橋産物は形成され得ない。
20μMストック溶液のオリゴvip016、vip008、及びvip017-Phe (DNA Technology Arhus, Denmark, 実施例11で記載されるように誘導体化されたvip017)はMOPS(500 mM, pH6.5; Fluka #69947)及び NaCl(4M; Fluka #71376)のバッファー中で混合され、アニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。このアニーリング混合物はモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, 12.5 mM, pH 6.5), NaCl(100mM), DMF(0, 10, 20, 30, 40, 50, 60, 又は70vol% DMF), 及び化学活性化剤(DMTMM, Fluka #74104, 1,0M aq. sol, 75 mMの最終濃度)の最終組成までDMFと水の混合物に希釈され、それは25℃でオーバーナイトでインキュベートされた。最終DNA濃度は0.5 μMであった。反応混合物は変性PAGE(10% ゲル)によって分析され、それは製品使用説明書に従ってSYBRグリーン(Molecular Probes, #S7563)で染色された。結果は図23に示されている
最初の5個のレーンで生成された生成物のバンドはよく似た強度を有しており、従って有機溶媒、DMFの少なくとも40%までの存在は十分許容されDNA塩基対が損なわれていないことを示している。50%DMFで、弱いバンドがまだ観察され、しかし60%から及びより上では架橋産物は検出されなかった。
実施例16
化学反応を媒介するための異なる活性化剤.
この実施例は種々の化学活性化剤及び補助求核剤がアミノ酸でのアクセプターアミンのアシル化を媒介するためにどのように使用され得るのかを例証するために役に立つ。補助の求核剤の付加がアシル化速度を大きく高め得ること及び/又は反応の最終結果を変更し得ることがペプチド化学から知られている。この実施例では反応は補助求核剤無しで、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS, 例えばFluka #56480)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド ナトリウム塩(s-NHS, Fluka #56485)、又はN-ヒドロキシベンゾトリアゾール 水和物(例えば Fluka #54804)を使用して行われ活性化剤としてDMTMM(Fluka #74104)又はEDC(例えば Fluka #03449)と共に使用された。
20 mMストック溶液のオリゴvip016、vip008、及びvip017-Tyr (DNA Technology Arhus, Denmark, 実施例11で記載されるように誘導体化されたvip017)はMOPS(200 mM, pH6.5)及びNaCl(2M)のバッファー中で混合され、アニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。このアニーリング混合物はモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, 100 mM, pH 6.5)、NaCl(1M), 補助求核剤(最終濃度 25 mM), 及び化学活性化剤(DMTMM又はEDC, 0.5M aq. sol, 75 mMの最終濃度)の最終組成まで水と添加剤の溶液で希釈された。最終DNA濃度は0.5 mMであった。反応は50℃で1時間インキュベートされた。
反応混合物は変性PAGE(10% ゲル)によって分析され、それは10分間SYBRグリーン(DMSOストックからTBE-EtOH(96%) 1:1で10.000倍希釈)でインキュベートされた。結果は図24に示されている。
活性化剤としてDMTMMを使用した反応1-4、添加剤を使用するか又は使用しないことによって違いは観察されなかった。最もはっきりEDCだけに対して観察され、その場合には全く、又はかすかにだけ、生成物が観察された。しかしながら、どちらの補助求核剤の付加も再度架橋産物の類似の量を与えた。これはEDCを活性化剤として使用したときに補助の求核剤が必要とされ、他の点ではそれは反応混合物中で十分許容されることを証明している。
実施例17
他のアクセプターへのアミノ酸の転移
この実施例はどのようにアミノ酸が種々の方法で結合された幾つかのアクセプターアミンに効果的に転移されるのかを証明する。C6-NH2を有するvip016は以前のようにコントロールとして役に立つ。他のアクセプターはトリペプチド GFL-vip016、PEG結合トリペプチド GFL-PEG-vip016、アミノ官能化NH2-PEG-vip016、アミノ官能化NH2-C6-vip016、及びG-vip016でのグリシン(すべて実施例XXで記載されるように調製された)であった
20 mMストック溶液のオリゴvip016-X-NH2、vip008、及びvip017-Gly (DNA Technology Arhus, Denmark, 実施例XXで記載されるように誘導体化されたvip017)はMOPS(200 mM, pH6.5)及びNaCl(2M)のバッファー中で混合され、アニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。このアニーリング混合物はモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, 100 mM, pH 6.5), NaCl(1M), 及び化学活性化剤(DMTMM, Fluka #74104, 1.0M aq. sol, 75 mMの最終濃度)の最終組成まで水と活性化剤の溶液で希釈された。最終DNA濃度は0.5 mMであった。反応は50℃で1時間インキュベートされた。
反応混合物は変性PAGE(10% ゲル)によって分析され、それは10分間SYBRグリーン(DMSOストックからTBE-EtOH(96%) 1:1で10.000倍希釈)でインキュベートされた。結果は図25に示されている。
すべての6種の反応は架橋産物からの強いバンドを示す。レーン4と5はより大きいペプチド(テトラペプチド)のために他と比べてわずかにより遅く動くことが観察された。従って、トリペプチド +/- PEGリンカー、PEGリンカーそれ自身、C6リンカー、又は直接のグリシンを介して結合したアミノ基への1個のグリシンの転移が一致した結果を与える。これは星形構造によって形成された反応器でのロバスト性を証明する。アクセプターの増加するサイズは架橋の結果のほとんど又は全く効果を及ぼさない。
実施例18
2種の構造DNAディスプレイ産物の構成とその後の結合
2種の構造DNAディスプレイ産物は形成された: Leu-エンケファリン(Try-Gly-Gly-Phe-Leu-DNA)及びスクランブルLeu-エンケファリン(Gly-Leu-Phe-Tyr-Gly-DNA)。後者はLeu-エンケファリン特異的なモノクローナル抗体3E7を使用する分別アッセイのためのネガティブコントロールとして含められた。方法のキーの工程は図26に図解されている。
DNAオリゴヌクレオチドはDNA Technology (Aarhus, Denmark)により購入され、実施例11に記載されるように官能化された。
方法の第一工程はそれぞれLeu-エンケファリン-DNAとスクランブルLeu-エンケファリンを形成するための2種類の異なる反応で、次のオリゴのアニーリングを含む。反応1(R1)で; Gly-Phe-Leu-PEG-vip231, Gly-BSOCOES-vip262及びvip088(それぞれ、3本の道のDNA星形構造での位置1, 2及び3)そして反応2(R2)で: Gly-Tyr-Phe-PEG-vip238、Leu-BSOCOES-vip269及びvip088(それぞれ、3本の道のDNA星形構造での位置1, 2及び3)。反応で3種のオリゴは互いにハイブリダイズするだろう、従って3本の道の接合点を形成し、そこで結合したアミノ酸は構造の中心に位置する。vip088は結合した化学官能基を有しないことに注意すべきである。Vip088の機能は閉じた3本の道の接合点を形成するために単純に2個の他のオリゴにハイブリダイズすることである。
各オリゴの200 pmoleは370 μlの総容量で100 mMモルホリノプロパンスルホン酸(MOPS, Fluka #69947)pH 6.5及び1 M NaCl中で混合された。オリゴのアニーリングは、約30分以上の室温への冷却前の、95℃での5分間のインキュベーションによって行われた。活性化剤DMT-MM(Fluka #74104)は水に溶解され75 mMの最終濃度まで加えられた。最終反応容量は400 μlだった。化学反応は50℃で1時間インキュベートされた。それから、生成物は各反応に2.5容量のエタノール及び1 μl GenElute(Sigma 56575)を加え、4℃で30分、20000 x gチューブを遠心分離することによってエタノール沈澱された。自然乾燥され、水で再懸濁される前に、ペレットは70%エタノールで洗浄された。
それから、サンプルは製品使用説明書に従って調製用のノンネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE); 10 % TBE-尿素 ゲル(Invitrogen) に供された。架橋した生成物に対応するバンドが切り取られて生成物が“クラッシュ アンド ソーク”法(Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T.(1989) in: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory)によって抽出された; ゲルピースがつぶされ400 TBEバッファー中でオーバーナイトで浸された。サンプルは上に記載されるようにエタノール沈澱された。沈澱は1 x リガーゼバッファー(New England Biolabs), 50 mM NaClに溶解された。それから、5’末端がポリヌクレオチドキナーゼによってリン酸化された; 50 unitsポリヌクレオチドキナーゼ(NEB M0201)が200 μlの 反応総容量中に含まれていた。反応は37℃で30分間インキュベートされた。
それから、2個の架橋したオリゴはDNAリガーゼによって連続したDNA鎖に変形し、それはR1に関する並列されたvip231の3’末端とvip262の5’末端及びR2に関する並列されたvip238の3’末端とvip269の5’末端の間にホスホジエステル結合を形成した。T4 DNAリガーゼ(NEB M0202L)は1xリガーゼ バッファー, 50 mM NaCl中に加えられて、300 μlの最終反応容量を与えるように、5 units/μlの酵素が加えられた。ライゲーションは16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。
それから、切断可能なBSCOESリンカーが除去された。3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS, Fluka# 29338)(pH 11.8)バッファー及び2-メルカプトエタノール(Fluka# 63689)が 600 μlの最終反応容量で、それぞれ、100と60 mMの最終濃度を与えるように加えられた。反応は37℃で2時間インキュベートされた。反応はそれから200 μl 1 M MOPS, pH 6.5を加えることによって中和された。それから、DNAは標準的な手順に従ってエタノール沈澱された。ペレットの自然乾燥の後、DNAは次の工程の準備ができており、それは位置3に官能化オリゴヌクレオチドの導入であった。BSOCOESリンカーの除去によって2個の第一級アミンが形成された: 一方は元の位置1のオリゴヌクレオチドの伸長ペプチド鎖の末端にあり他方は元の位置2のオリゴヌクレオチドに位置していることに注目すべきである。いわゆる“ゆらぎ”戦略は伸長ペプチド鎖と次の工程で位置3に入ってくるアミノ酸の間の後の反応に有利であるために使用される: 位置2でのオリゴは修飾された塩基の上流に塩基の伸長(ゆらぎ塩基)を含み、それは最初の化学転移の間には対を形成せず、しかしながら2番目の転移過程ではそれらは位置3のオリゴと塩基対を形成する。その結果、元の位置2のオリゴヌクレオチドでの第一級アミンはdsDNAは柔軟性が無いので星形構造の中心にある部分との反応性を減少させるであろうdsDNAの伸長によって構造の中心から離れる。
次の条件下でR1生成物はTyr-BSOCOES-vip263にアニールされR2生成物はGly-BSOCOES-vip270にアニールされた: 240 μlの総容量で100 mM MOPS, pH 6.5, 1 M NaCl中に200 pmoleオリゴ。混合物は、約30分間にわたり室温で冷却する前に、95℃で5分インキュベートされた。それから、活性化剤DMT-MM(Fluka #74104)は、アミノ酸間での化学反応を促進するために、75 mMの最終濃度まで加えらた。化学反応は50℃で1時間インキュベートされた。サンプルはエタノールによって沈澱されその後に架橋された生成物に対応するバンドがゲルから切り取られる(上に記載されているような)調製用のnon-native PAGEに供された。それから、各架橋された生成物はDNAリガーゼによって連続したDNA鎖に変換され、それはそれぞれR1のために並列された元のvip232の3’末端とvip263の5’末端の間およびR2のために並列された元のvip269の3’末端とvip270の5’末端の間にホスホジエステル結合を形成した。
そのうえ末端のPCRプライミング部位はDNAリガーゼによって同じ反応に導入された。R1とR2のために、それぞれ、PCRプライミング部位vip029/vip070及びvip029/vip030を有するDNAオリゴは次の条件下でプレアニールされ: 40 μlの総容量で1 x リガーゼバッファー及び50 mM NaCl中で各オリゴ200 pmole、そしてPCRマシンで95℃で5分間と次の温度で30秒工程の間インキュベートされた: 80℃, 65℃, 50℃, 45℃, 30℃, 20℃。vip070がvip029にアニールされるときvip070の4個の最5’末端ヌクレオチドが突出している。これらの4個はvip231がvip263にアニールされるときまた突出しているvip231での4個の最5’末端ヌクレオチドに逆相補的である。その結果、突出している末端はアニールすることができDNAリガーゼのための基質を形成する。同様に、vip030がvip029にアニールされるときvip070の4個の最5’末端ヌクレオチドが突出している。これらの4個のヌクレオチドはvip238がvip270にアニールされるときまた突出しているvip238での4個の最5’に逆相補的である。架橋され、ゲル精製された産物は1 x リガーゼバッファー、50 mM NaCl中に再懸濁され、DNAオリゴ; それぞれ、R1とR2のためにvip029/vip070及びvip029/vip030を含むプレアニールされたPCR部位と混合された。DNA 5’末端は200 μlの最終容量で50 unitsポリヌクレオチドキナーゼ(NEB 0201L)によって最初にリン酸化された。反応は37℃で30分間インキュベートすることを可能にされた。
それから、DNAはT4 DNAリガーゼによってそれぞれR1とR2でvip029-vip231-vip262-vip263-vip070及びvip029-vip238-vip269-vip270-vip030からなる連続したDNA鎖に変換された。1 x リガーゼバッファー, 50 mM NaCl中の1500 units T4 DNAリガーゼ(NEB 0201L)が300 μlの最終反応容量を与えて反応に加えられた。ライゲーション反応は16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。それから、BSOCOESリンカーが上に記載されているように除去された。上に記載されているようにサンプルはエタノールによって沈澱されその後調製用のnon-native PAGEに供され、再びエタノール沈澱され、20 μlの水に溶解された。集合した生成物はもうプライマー伸長の準備ができた。
上に記載された手順の間、少量のサンプルが上に記載されているようなnone-native PAGEによる分析のために取り除かれた。ゲル写真は図27に示されている。レーン1及び2はそれぞれ、R1及びR2のために首尾よく形成された架橋官能化オリゴvip-231(35 nt)/vip262(68 nt)及び架橋vip-238(35 nt)/vip-269(68 nt)を示す。架橋産物は約200 bpの見かけのサイズを有して移動する。実際のサイズと見かけのサイズの間の観察された相違は逆相補的な配列のためにノンネイティブゲルでさえ存在する形成された生成物中での強い二次構造のために予想されなくはない。そのうえ、おそらく全長のスピーシーズ(specie)の消化から生じるより小さいサイズのバンドが観察された。
レーン3及び4はそれぞれR1とR2のための2種のオリゴのライゲーションとBSOCOESリンカーの除去の両方の後の生成物を示す。主要な生成物は150 bpの見かけのサイズを有して移動する。そのうえ、より小さいサイズのバンドはまた観察されおそらく全長のスピーシーズの消化によって生じた。レーン1と3の両方で(及びレーン2と4で)スピーシーズはサイズにおいてほとんど等しいがゲル中で大きく異なって移動することに注目すべきである。レーン1と2でのスピーシーズは本質的に分枝DNA分子であるのに対し、レーン3と4でのスピーシーズは直鎖DNA分子であるのでこれは予想されなくはない。
レーン5及び6はそれぞれR1とR2のための位置3のオリゴの架橋後の生成物を示す。両方の反応で、位置3のオリゴは74 ntである。従って、予想される生成物は177 ntである。しかしながら、架橋されたスピーシーズのゲル中での見かけのサイズは約600 ntである。これはスピーシーズがDNA星形構造のアームでの逆相補的な配列のために非常に強い二次構造を有する架橋された直鎖DNAからなるので予想されなくはない。PAGEを含む尿素でさえ構造を変性することができない。
レーン7及び8は、それぞれR1とR2のための、位置3のオリゴ及びオリゴを含むPCR部位とのライゲーションと、BSOCOESリンカーの除去の両方の後の生成物を含む。オリゴを含むPCRプライミング部位は総計64 ntを加え、したがって所望の生成物は241 ntである。1000 bpを超過する見かけのサイズの2個の顕著なバンドが観察された。上のバンドはおそらく全長の生成物を含むのに対して、下のバンドはおそらく2個のオリゴを含むPCR部位の内1個を取り損なっている分子を含む。そのうえ、レーン8で、600 ntの見かけのサイズを有して移動するバンドが見られる。そのバンドはおそらくライゲートされるオリゴを含むPCR部位を有さないスピーシーズを表す(レーン8と6を比較せよ)。
レーン9は100 bp DNAラダー(Fermentas, SM0248)を含む。
プライマー伸長.
集合した生成物はプライマー伸長に供され、それは中心に化学的生成物を有する星形構造に折り畳まれたDNAを、表面に提示された化学的生成物を有する直鎖状二本鎖分子に変換する。反応は集合した分子の3’末端に逆相補的であるvip038によってプライムされた。反応は10 μlプライマー伸長反応で1 x Thermopolバッファー, 0.2 mM dNTPs, 8 mM MgSO4, 1 M ベタイン(Sigma, B-0300), 0.4 μM vip038, 0.2 U/10 μl ベント(エキソ-)(NEB M0259L), 及びテンプレートとして5 μlの集合した分子中で行われた。反応混合物は95□Cで2分間、60℃30秒間及び74℃5分間インキュベートされた。
結合アッセイ.
合成されたペプチドを提示するDNAは電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)で分析された。結合の証明は構造DNAによって向けられたキャリアーモジュールから化合物を正確に合成する能力を立証するだろう。
このアッセイは文献から適合される(Halpin and Harbury, PLoS Biol, 2, E174, 2004)。R1(Leu-エンケファリン-DNA)又はR2(スクランブルLeu-エンケファリン-DNA)の10 μLプライマー伸長産物は4チューブに各々置かれた。チューブR1-1及びR2-1に1 μL 0.5 mg/ml 3E7抗Leu-エンケファリン モノクローナル抗体(Chemicon, cat# MAB5276), 1 μL 1M Tris-HCl pH 7.2及び1 μL 0.1% トリトン-X/PBSが加えられた。チューブR1-2及びR2-2に1 μL 0.5 mg/ml W6/32 モノクローナル抗体(Sigma, H1650), 1 μL 1M Tris-HCl pH 7.2及び1 μL 0.1%トリトン-X/PBSが加えられた。チューブR1-3及びR2-3に1 μL 0.5 mg/ml 3E7抗Leu-エンケファリン モノクローナル抗体, 1 μL 20 μM Leu-エンケファリン(Tyr-Gly-Gly-Phe-Leu)(Schafer-N, Denmark)及び1 μL 1M Tris-HCl pH 7.2が加えられた。チューブR1-4及びR2-4に1 μL 0.5 mg/ml 3E7 抗Leu-エンケファリン モノクローナル抗体, 1 μL 20 μMスクランブルLeu-エンケファリン(Gly-Leu-Phe-Tyr-Gly)(Schafer-N, Denmark)及び1 μL 1 M Tris-HCl pH 7.2が加えられた。すべてのサンプルは室温で1時間撹拌しながらインキュベートされた。10Xローディング色素(Invitrogen, Cat# 10816-015)の1.4 μLが各サンプルに加えられ全量がゲルにロードされた。100 bpと1 kbラダーの両方の1 μLもまたロードされた(Fermentas #SM0248及び#SM0318)。10%PAGE TBEゲル(Invitrogen)は45分間220 mV及び15 mAで冷却して泳動された。ゲルは製品使用説明書に従ってSYBR GreenTM 核酸染色(Molecular Probes)で20分間現像された。ゲルの写真は図28に示されている。結果: すべてのレーンで200-250 bpの見かけのサイズを有する2個の顕著なバンドが観察された。バンドがおそらく二本鎖DNAを有するスピーシーズを含む(更なる証拠は例えば実施例21で見出され得る)。上のバンドは意図された241 bpの全長生成物とよく一致するのに対して、下のバンドはおそらく30 bpより小さい生成物を与えるであろうvip029を取り損なっているスピーシーズを含む。約1000 bpの見かけのサイズを有する2個の顕著なバンドがすべてのレーンで観察される。おそらくバンドは星形構造に折り畳まれたDNAを有するスピーシーズを含む: 上のバンドはおそらく全長生成物を含むのに対して、下のバンドはおそらく2個のオリゴを含むPCR部位の内1個を取り損なっている分子を含む。
R1-1を含むレーン1で約1500 bpの見かけのサイズのバンドが観察された。このバンドは複合体全体の電気泳動移動を遅くする3E7抗体に結合しているLeu-エンケファリン-DNA産物を最も多く含む。このバンドはR1生成物がレーン2(R1-2)で示されるようにIgG2Aアイソタイプ対応ネガティブコントロール抗体とインキュベートされたとき欠けている。相互作用の特異性は自由に溶解するLeu-エンケファリンによる結合の競合によってさらに強化された: レーン3でゲルシフトされたバンドはR1生成物、3E7及び遊離のLeu-エンケファリン ペプチドが共にインキュベートされたとき欠いている。競合は自由溶解性のスクランブルLeu-エンケファリンが存在するときR1-4を含むレーン4で見られない。それぞれ、R2-1, R2-2, R2-3及びR2-4を含むレーン5-8は予想されるように、ネガティブコントロールR2生成物(スクランブルLeu-エンケファリン-DNA)が3E7に結合しないことを示す。
増幅
ゲルシフトされたバンド及び他のバンドのDNAが完全な状態であることを証明するためにゲル断片が切り取られDNAはPCRのためのテンプレートとしての使用のために抽出された。図29でボックスに囲まれたゲル断片は切り取られ生成物は“クラッシュ アンド ソーク”法(Sambrook, J., Fritsch, EF, and Maniatis, T. (1989) in: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory)によって抽出された; ゲル断片は潰されて400 μl TEバッファー中にオーバーナイトで浸された。チューブは20 000 x gで10分間回転され上清は新しいチューブに移された。それからPCR[1 x ポリメラーゼ バッファー, 0.2 mM dNTP, 6 mM MgSO4, 0.2 μM vip027, 0.2 μM vip028, 0.5 Mベタイン(betain)(Sigma, B0300), 0.1 mg/ml BSA 0.08 units/μl ベント(エキソ-)(NEB M0259L)]は20 μlの反応で200倍希釈された上清の5 μlを使用して行われた。サーモサイクラーで95℃で30“、60℃で30“及び74℃で30“の20サイクルが行われてサンプルの2 μlがnative 10% PAGE(Invitrogen)で分析され製品使用説明書に従ってSYBR グリーン(Molecular Probes)で染色され写真撮影された。結果は図29で示されている。レーンMは100 bp DNAラダー(Fermentas, SM0248)を含む。レーン1-5はゲル精製されたテンプレートを有する反応を含む: すべてのレーンで約250 bpの顕著なバンドが全長の生成物の予想されたサイズに対応して観察された。対照的に加えられたテンプレートの無いネガティブコントロールを含むレーン6でバンドは観察されなかった。その結果、構造DNAディスプレイ産物が形成、分割及び増幅され得ることがこれによって証明された。
結論として、R1生成物の3E7抗-Leu-エンケファリン 抗体への特異的結合はLeu-エンケファリン ペプチドが正確に本方法によって集合したということを決定的に証明する。そのうえ、リガンドを表示している生成物とリガンドを表示しない生成物を分割することが本当に可能であることが示された。例えばここで例証されるように単純にゲルシフトされたバンドを分離することによる。そのうえ、分割された生成物は例えばDNA配列決定によるその後の同定のために増幅され又は翻訳過程でテンプレートとして使用されることができ、従って、選択及び増幅のサイクルが行われることを可能にする。
実施例19
DNA星形構造の還元的アミノ化の指向(direction)
本実施例は構造DNAが還元的アミノ化を指向し得ることを例証するのに役立つ。還元的アミノ化は重要な及び幅広く応用できる化学選択的反応の例として選択された。
オリゴはDNA Technology(Arhus, Denmark)から購入された。オリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドで内部修飾されたdT上での第一級アミンにおけるDST(酒石酸ジスクシンイミジル, Pierce #20589)を用いてアセチル化され、続いてグリオキシル酸の官能基を持たせたオリゴを産生するためにNaIO4(Aldrich #31, 144-8)を用いた酸化的切断を行なった。オリゴヌクレオチド(2.5 nmol)は400 mM pH 8.8 リン酸ナトリウムバッファーを含む40% DMF/水の混合液中のDST(10 mM)で処理された。反応の総容量は100 μlであった。反応は25℃で2時間インキュベートされた。NaIO4(150 mM溶液の50 μl)がそれから加えられ25℃で追加の2時間インキュベートされた。反応混合物は200 μLまで希釈され製造元のプロトコルに従ってスピンカラム(Amersham Biosciences #27-5325-01)で精製され続いて実施例11に従ってHPLC及び質量分析法により精製した。収率: 36%。
DNA 計算質量 検出質量
vip046-NHCOCHO 6653,202 6656,1
内部修飾されたdTを有するベンズアルデヒド官能化オリゴの合成(アミン-C6-dT)(位置 n = 1)(Vip046-NHCOC6H4CHO)
オリゴヌクレオチドvip046は150 mM NaCl, 200 mM リン酸ナトリウムバッファー pH 8.8を含む40% DMF/水の混合液中に溶解されたオリゴヌクレオチド(2.5 nmol)のDMT-MM 50 mMとの処理によるDMT-MM(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム クロライド, Fluka #74104)によって促進されて4-カルボキシベンズアルデヒド(Lancaster #8192)でアシル化された。総反応容量は100 μlであった。反応は25℃で4時間インキュベートされた。反応混合物は製造元のプロトコルに従ってスピンカラム(Amersham Bioscience #27-5325-01)で精製され続いて実施例11に従ってHPLC及び質量分析法分析による精製を行なった。収率: 53%
DNA 計算質量 検出質量
vip046-NHCOC6H4CHO 6729,233 6729,9
構造DNA指向還元的アミノ化
反応1及び5でそれぞれ、グリオキシル酸と4-ホルミル安息香酸のアミドを有するvip046の2種の誘導体はモルホリノプロパンスルホン酸(Fluka #69947; MOPS, 100 mM, pH 5.2)及びNaCl(Fluka #71376, 1M)の最終組成を含むバッファー溶液中でvip017及びvip008の等モル量(各10 pmole)と混合された。溶液はアニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。アニーリング混合物は還元剤(NaCNBH3; Sigma #156159, 1M aq. sol, 100 mMの最終濃度; 総反応容量 20 μl)を加えられ30℃で2時間インキュベートされた。
コントロールは両方のアルデヒドのために平行して行われた:
・ vip017はアミンを有していないvip007と交換された (反応2+6)。
・ vip008はトリマーに比較したダイマーの効率をテストするために省略された(反応3+7)。
・ vip046-CHOはvip019への架橋を試みられ、従って塩基対を形成できないオリゴ間での反応を行った (反応 4+8)。
すべての8種の反応混合物は50 μlまで希釈されEtOH沈澱された(加えられたGenElute 0.5 μl; Sigma 56575)及び96 % EtOH(Biochemika grade; 250 μl)。氷上で15分インキュベートされ、それから4℃で30分間14000 rpmで回転された。上清はデカントされ、チューブは短く回転され、残りの液体はピペットによって除去され、ペレットは空気の流れの中で)乾燥させた。
粗製のDNAは水中で溶解され変性10% PAGE(Invitrogen)によって分析されその後製品説明書に従ってSYBR グリーン(Molecular Probes)によって染色された。ゲルの写真は図30に示されている。60-70 ntに対応する移動度を有する新しいバンドの形成はvip046(21 nt)とvip017(42 nt)の予想される架橋を確認する(レーン5及び9)。架橋はvip007でのコントロール実験で観察されず、それは内部のdT)にアミンが無い点を除いてはvip017に一致し選択的反応を示している(レーン6及び10)。同じ生成物がダイマーで形成され、しかしかすかにより弱いバンドが観察された(レーン 7+11)。生成物は塩基対を形成できないオリゴに対して観察されず対応した配列が生成物の形成のために必要とされることを示している(レーン 8+12)。
結果的に、構造DNAは高い特異的様式で還元的アミノ化を指向し得る。
実施例20
構造DNAの尿素形成の指向
本実施例は構造DNAが尿素形成を指向し得ることを例証するのに役立つ。2個のアミン間の尿素形成は重要な、幅広く応用できる反応の例として選択された。尿素はメディシャルケミストリー(medicial chemistry)において有名なアイソスターである。
オリゴはDNA Technology Arhus, Denmarkから購入された。
3本の道のDNA接合点からなるDNA星形構造は2つのアミノの官能化オリゴ及び1個の補助オリゴを含んで集合した。オリゴ vip046、vip017、及びvip008はモルホリノプロパンスルホン酸(Fluka #69947; MOPS, 100 mM, pH 8.0)及びNaCl(Fluka #71376, 1M)の最終組成を含むバッファー溶液中で等モル量(各10 pmole)で混合された。溶液はアニーリングプログラム(PCRマシン: 5分 @ 94℃, 30秒 @ 80℃, 30秒 @ 65℃, 30秒 @ 50℃, 30秒 @ 35℃, 30秒 @20℃, 30秒 @ 10℃)に供された。アニーリング混合物は10、50、又は100 mMの最終濃度に(総反応容量20 μL)、尿素形成試薬(N,N’-ジスクシンイミジル カーボネート, Aldrich #225827 (DMF中で0.45M)又はビス(4-ニトロフェニル) カーボネート、Aldrich #161691 (DMF中で1,0M))であり37℃90分間インキュベートする。
各反応混合物のアリコートが変性10% PAGE(Invitorogen)によって分析された。バンドは製品使用説明書に従ってSYBRグリーン染色(Molecular Probes, #S7563)によって可視化された。
PAGEの写真が図31に示されている。60-70 ntに対応する移動度を有する新しいバンドの形成はレーン5-10でvip046(21 nt)とvip017(42 nt)の予想される架橋を確認する。興味深いことに、減少する量の生成物が増加する量の結合試薬で形成された。しかしながら、この観察は両方のアミノ基と試薬分子の反応、したがって両方のアミンを求核基に変換していることによって説明され得る。従って、試薬のより低い濃度は中間体カルバメートを形成するためにアミンの1個だけを許容してもよく、それは予想される尿素を形成するために他のアミンと急速に反応する。
結果的に、構造星形DNAは尿素形成を指向し得る。
実施例21
DNA星形構造の電気泳動移動度
この実施例はネイティブ ポリアクリルアミドゲルでの構造DNAの電気泳動移動度を証明する。
構造DNAは二本鎖DNAよりはっきり異なるコンフォメーションを有する。後者は直鎖の伸長した分子であるのに対して、構造DNAはより球状の構造を有する。結果的に、2種のコンフォメーションの異なる移動パターンがゲル中で予想される: 構造DNAは対応の二本鎖の直鎖DNAのものをはるかに上回る見かけのサイズを有する。この現象を証明するために次の実験が行われた:
末端PCRプライミング部位を有するトリマーDNA星形構造は5種のオリゴ vip029、vip161、vip192、vip193及びvip207のライゲーションによって形成された。構成の略図は図32に示されている。
DNAオリゴ(DNA Technology Arhus, Denmarkによって調製された)は1x リガーゼ バッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl中で各2 μMの濃度で混合された。混合物は次のとおりインキュベートされた: 5分間94μC、30秒間80μC、30秒間65μC、30秒間50μC、30秒間35μC、30秒間20μC、次の工程まで10℃。アニーリング手順はApplied Biosystems AB2720 PCRマシンで行われた。オリゴヌクレオチドの5’末端はT4 DNAポリヌクレオチド キナーゼによってリン酸化された。1.5 μM 星形構造, 1x DNAリガーゼ バッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl及び0.17 u/μl T4 DNAポリヌクレオチド キナーゼ(New Englans Biolabs, cat# M0201)からなる混合物が調製され37℃で30分間インキュベートされた。アニールされたオリゴヌクレオチドの並列された末端間のホスホジエステル結合が10 μlの容量で1x DNAリガーゼ バッファー(New England Biolabs), 50 mM NaCl, 及び200 U T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)中でT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs, cat# M0202)によって形成され16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。
PCR増幅:
ライゲーション反応の0.04 μlが400 μl PCR反応ミックス [1 x Thermopolバッファー(New England Biolabs B9004S), 0.2 mM dNTPs(New England Biolabs O447S), 8 mM MgSO4, 0.2 μM vip202及びvip224μM, 0.5 M ベタイン(Sigma, B0300), ベント(エキソ-)の1 U/100 μl(New England Biolabs M0257L)中でテンプレートとして使用された。PCR増幅は次のサイクル条件を使用して50 μlのアリコートで行われた: 92℃で30秒、及び92℃/15秒、50℃/15秒、70℃/30秒の25サイクル。
サンプルは1 ml エタノール及び10分の1の3 M 酢酸ナトリウム(pH 5.2)を加えることによってエタノール沈澱され、氷上で30分インキュベートされ20 000 x gで30分遠心分離機にかけられ、上清が捨てられてペレットが1 x ローディングバッファー(Invitrogen)に再懸濁されて調製用のnative 10% PAGE(Invitrogen)に供され、製品使用説明書に従いSYBRグリーン(Molecular Probes, S7563)で染色された。ゲルの写真は図32に示されている。レーンMは100 bp DNAラダー(Fermentas, SM0248)を含む。2種のバンドが分離された: 約250 bp (A)のバンド及び1000 bpを超過する見かけのサイズを有するバンド。図32でボックスで囲まれたゲル断片は切り取られ生成物は“クラッシュ アンド ソーク”法(Sambrook, J., Fritsch, EF, and Maniatis, T. (1989) in: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory)によって抽出された; ゲル断片は潰されて400 μl TEバッファー中にオーバーナイトで浸された。チューブは20 000 x gで10分間回転され上清は新しいチューブに移されて上に記載されているようにエタノール沈澱され100 μlの水で再懸濁された。
プライマー伸長
テンプレートとして分離したDNAを使用してプライマー伸長はそれから行われた。2 μlのテンプレートが[1 x Thermopolバッファー(New England Biolabs B9004S), 0.2 mM dNTPs(New England Biolabs O447S), 8 mM MgSO4, 0.5 M ベタイン(Sigma, B0300), ベント(エキソ-)の1 U/100 μl(New England Biolabs M0257L)]を含む20 μlの反応液で使用された。反応1及び5にプライマーは含まれず、反応2及び6で0.2 μM vip202が含まれ、反応3及び7で0.2 μM vip224が含まれ反応4及び8で0.2 μM vip202及びvip204が含まれた。プライマー伸長は95□Cで1分間、50□Cで15秒間及び70□Cで30秒間サンプルをインキュベートすることによって行われた。反応の10 μlは上に記載されているように10% PAGEによって分析された。
考察及び結論
最初に、PCRはテンプレートとして末端PCRプライミング部位を有するトリマーのDNA星形構造を使用して行われた。第二に、サンプルは2種のバンドが分離された調製用のPAGEに供された: 約250 bp(二本鎖PCR産物の予想されるサイズは241 bpである)の見かけのサイズを有するバンド(A)及び1000 bpを超過する見かけのサイズを有するバンド(B)。最後に、単離されたDNAがプライマー伸長反応でテンプレートとして使用されPAGEによって分析された。図32で示されているように、両方のテンプレートがフォワード(レーン2及び6)及びバックワードプライマー(レーン3及び7)の両方で、約250 bpのサイズを有して二本鎖生成物を生じる。そのうえ、両方のプライマーが存在するときに、より多くの生成物が形成される(レーン4及び8)。これはバンドA及びBの両方が意図された241 bpの生成物を含むこと及びゲル中での移動度における相違はそれゆえフォールディングのためであることを例証している: Aはたぶん二本鎖の直鎖生成物であるのに対し、Bは星形構造に折り畳まれたDNAである。
興味深いことに、プライマー伸長反応においていずれのプライマーも存在すること無くレーン1に示されているように開始が二本鎖DNAであったときでさえ約250 bpの二本鎖バンドは少しでさえ観察されない。これは正確にはサンプルが経験した熱の変性と復元のサイクルのためであり、それは二本鎖DNAと星形構造に折り畳まれたDNAの混合された生成物の形成に導くであろう。同じ現象は開始物質がバンドBであるレーン5で観察される。
結果的に、241ヌクレオチド長のDNA分子はコンフォメーション(星形構造)に折り畳むことができて、それは1000 bpを超過するネイティブゲル中での見かけのサイズに導くことがこれによって証明された。
実施例22
DNA星形構造の翻訳
この実施例はDNA星形構造の翻訳方法の原理を証明する。この文脈で翻訳方法は種々の位置で個々のモジュールが新しいモジュールによって置換されそして置換方法がコドン/アンチコドン認識によって向けられる方法である。新しいモジュールが一部となるだろう新しいDNA星形構造の適切な折り畳みの際に中心にまたは中心の近くに位置するように結合した化学反応物を新しいモジュールは有するかもしれない。結果的に、翻訳はDNA星形構造によってコード化された化合物が合成されることを可能にする。
翻訳方法のための開始物質は例えば実施例18で示されているようにテンプレートとして選択方法からの出力を使用するPCR産物であってもよい。これは選択及び増幅の反復サイクルを可能にし、それは多様なライブラリーが適用された選択圧力についての溶液に変換することを順に可能にするだろう。
翻訳方法の概略
開始物質としてPCR産物を使用する翻訳方法の主要な工程の略図が図33に示されている。
最初に、DNA星形構造がビオチン化したバックワードプライマーを使用するPCRによって増幅され、それは二種の鎖の分離を可能にした。分離は磁気ストレプトアビジンビーズを使用することによって行われた。関心のある鎖(上の鎖)がビーズから溶出されて2個のステムループとステムを有するDNA星形構造に折り畳まれた。それから、位置1のステム(ループが無い)は制限酵素Bsa Iによって消化され、それはその認識配列の外で消化して5’オーバーハングを形成した。このオーバーハングは位置1のためのコドンであった。
それから適切な5’アンチコドン配列を有する位置1のための新しいキャリアーモジュールは星形構造にライゲートされた。ライゲーション及び下流での精製を補助するためにビオチン化されたヘルパーオリゴは含められた。ヘルパーオリゴはアンチコドンである5’オーバーハングを作るように新しい位置1キャリアーモジュールにハイブリダイズする。それゆえ、その後のライゲーション(ヘルパーオリゴ/星形構造/モジュール1がコドン/アンチコドン ハイブリダイゼーションによって指向された。
それから、位置1での元のモジュールは新しいキャリアーモジュールが星形構造での元の位置1のモジュールと置き換わっていた最初の変性工程を行うことによって星形構造から解放されそして制限酵素消化が2番目のステムの末端のループに当初位置した配列で行われた。この実行によって元の位置1のモジュール間の共有結合と星形構造への塩基対形成が除去された。制限酵素消化はストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズに捕捉された星形構造で行われた。結果的に、ビーズから解放された星形構造は首尾良く位置1について翻訳された。
星形構造に折り畳む際に、新しい位置1のモジュールの3’末端は2番目のステム及び位置2のコドンのすぐ前のステム末端を形成することに関与していたことに注目すべきである。それゆえ、新しいモジュール1の3’末端は位置2についてのコドン/アンチコドン相互作用によって向けられる位置2のための新しいキャリアーモジュールを受け入れるために並べられた。それゆえ、構造は2番目のコドン/アンチコドン指向モジュール置換の準備ができた。それゆえ、星形構造ですべての位置のために記載された置換方法を繰り返すことによって完全な翻訳が達成される。
星形構造の形成
最初の工程は5種のオリゴ: vip206, vip161, vip192及びvip193 vip207のアニーリングを含む。構成の略図は図34に示されている。反応で5種のオリゴは互いにハイブリダイズするであろう、従って3本の道の接合点の中心への末端では2個のステムループ及び5’も3’もハイブリダイズしない配列を有する1個のステムからなる、3本の道の接合点を形成する。ハイブリダイズしない配列はPCRプライミング配列(vip206の5’セグメント及びvip207の3’セグメント)に相当する。オリゴは10 μlの容量で各オリゴヌクレオチドの20 pmolを有する、1 x リガーゼ バッファー(NEB B0202S), 50 mM NaCl中で混合された。アニーリングは95℃で5分間と次の温度で30秒工程の間PCRマシンでのインキュベートによって行われた: 80℃, 65℃, 50℃, 45℃, 30℃, 20℃。
それから、5’末端はポリヌクレオチド キナーゼによってリン酸化された; 2.5 units ポリヌクレオチド キナーゼ(NEB M0201)が1 x リガーゼ バッファー, 50 mM NaCl中に、15 μlの反応容量で含なれた。反応は37℃で30分間インキュベートされた。
アニールされたオリゴはDNAリガーゼによって連続したDNA鎖に変換され、それはそれぞれ、並列されたvip206の3’末端とvip161の5’末端の間、及び並列されたvip161の3’末端とvip192の5’末端の間、及び並列されたvip192の3’末端とvip193の5’末端の間、及びvip193の3’末端とvip207の5’末端の間のホスホジエステル結合を形成した。20 μlの最終反応容量を与えて、T4 DNAリガーゼ(NEB M0202L)が1x リガーゼ バッファー、50 mM NaCl中に加えられ、20 units/μlの酵素が加えられた。ライゲーションは16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。DNA星形構造は1 x Thermopolバッファー(NEB M0257L), 8 mM MgCl2, 0.2 mM dNTPs, 0.5 M ベタイン(Sigma B0300), 1 μg/ml BSA (NEB B9001S), 0.1 μM プライマー(vip202及びvip224)及び32 units ベント(エキソ-)(NEB M257L)中で、400 μlの総反応容量でPCR増幅された。ストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズにPCR産物の捕捉を可能にする、ビオチン部分を5’末端にvip224は有した。増幅は92℃で30秒間の最初の変性工程を有して、続いて92℃で30秒間、60℃で15秒間及び70℃で30秒間のインキュベーションを有する25サイクルが行われた。70℃で1分間の最終伸長がなされた。
PCR増幅後、PCR産物は使用説明書に従ってエッペンドルフ キット(0032 007.740)を使用して精製された。2本のカラムが使用された。溶出は各カラムに対して150 μl TEでなされた。それから、精製されたPCR産物はストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズ(Dynal MyOne, 605.02)に加えられた。100 μlのビーズは2 x BWT(10 mM Tris-HCl, pH 8.0, 1 mM EDTA, 2 M NaCl, 0.1 % トリトン X-100)で2回洗浄された。ビーズは300 μl 2 x BWT中に懸濁され、300 μlの精製されたPCR産物はビーズに加えられた。ビーズはゆっくり振盪しながら、RTで15分間インキュベートされた。ビーズは磁石に捕捉され、上清は取り除かれた。ビーズは1 x BWT(2 x BWTの半分の濃度)で3回洗浄された。DNAは50 μl 10 mM NaOHを加えることによって磁気ビーズに捕捉された相補的なビオチン化されたDNA鎖から溶出され、室温で5分間インキュベートされた。ビーズは磁石で捕捉され、上のDNA鎖を含む上清は取り除かれて直ぐに20 μl 1 M Tris-HCl, pH 7.2で中和された。
溶出されたDNAの純度は別々の反応でフォワードとリバースプライマーを用いたプライマー伸長反応によってテストされた。プライマー伸長反応は反応当たり1 x Thermopolバッファー, 8 mM MgCl2, 0.2 mM dNTPs, 1 M ベタイン及び0.2 units ベント(エキソ-)及び0.2 μlテンプレート及び0.4 μM vip202又は0.4 μM vip203中で、10 μlの反応で、ベント(エキソ-) (NEB)を使用して行われた。プライマー伸長反応は次の通りであった: 95℃2分、60℃30秒、及び74℃5分。
手順の概略は図34Aに示されている。該手順を通してサンプルはPAGEによる分析のために取り除かれた。ゲルの写真は図34Bに示されている。ゲルはまた品質管理のプライマー伸長反応を含んでいる。レーン2で241 bpの予想されるサイズのバンドが観察され、それはテンプレートを加えられていないネガティブコントロールでは存在しない(レーン1)。結果的に、DNA星形構造は首尾良く集合し増幅された。そのうえ、1000 bpを超過する見かけのサイズを有する2個のバンドがレーン2で観察され、それは折り畳まれたDNA星形構造を表す(参考のために実施例21参照)。レーン3はPCR精製後の生成物を示している。
生成物はPCR産物のより下の鎖でのビオチン部分を介して捕捉された。フロースルーはレーン4に示されている。1000 bpを超過する見かけのサイズを有する2個のバンドの内の低い方はここで見られ、それは結果的にビオチンを含まず、ビオチン化された鎖にハイブリダイズしなかった。ビーズの洗浄後、ビオチン化されていない鎖は塩基対形成を破壊する高pHによって溶出された。溶出生成物はレーン5に示されている。PCR産物のビオチン化されていない上の鎖の首尾よい分離を示して、1000 bpを超過する見かけのサイズを有する2個のバンドの内の低い方に相当する1個のバンドが観察された。興味深いことに、1000 bpを超過する見かけのサイズを有する2個のバンドの上のバンドはPCRの両方の鎖が存在するときに観察されただけであった(レーン1及び2)。それゆえ、上のバンドはおそらく2個のハイブリダイズしたDNA星形構造分子−末端のPCRプライミング部位を介してハイブリダイズされている−を表す。
精製されたDNAの品質管理として2種のプライマー伸長が行われた。一つの反応でフォワードプライマー(vip202)が使用され第二の反応でバックワードプライマー(vip203)が使用され、それらはそれぞれ下の部分と上の部分でPCR鎖をプライムする。その結果として、もし分離されたDNAが純粋であるなら二番目の反応だけがプライマー伸長産物を生じさせるべきである。よって、241 bpの予想されるサイズに対応するバンドだけがレーン7で観察されるのに対してプライマー伸長産物はレーン6では観察されなかった。それゆえに、PCR産物の所望の鎖の首尾よい精製は高い純度の調製で達成された。
位置1でのコドンの露出
DNA星形構造は2個のステムループと1個のステムを含んでいた。ループのないステムは位置1のためのコドンを含んでいた。コドンはBsa Iによる制限酵素消化によって露出され、それはその認識配列の外で切断して4ヌクレオチドの5’オーバーハングを形成し、その配列は制限無しで選択されることができ、従ってコード化目的のために理想的である。この文脈でオーバーハングは位置1のためのコドンを呼ぶ。
星形構造DNAはBsa Iでの消化に供された。Bsa Iのための二本鎖基質はvip161の5’セグメントとvip193の3’セグメントのハイブリダイゼーションによって生じた1番目のステム(ループの無いステム)で見出された。BsaI消化の後に得られた生成物はこの実施例の最初に記載されたvip161-vip192-vip193の配列に対応することに注目すべきである。
110 μlの精製された星形構造DNAは200 μlの総容量で20 μl 10 x NEB3バッファー及びBsa I(NEB R0535L)の200 unitsと混合された。消化は50℃で2.5時間インキュベートされた。ゲル精製のための10 % TBE-尿素 ゲル(Invitrogen)に適用される前に、DNAは標準的なエタノール沈澱に供された。
図35にSYBR グリーン染色後のゲルの写真が示されている。切断されていないDNAは参考としてレーン1にロードされた。1000 bpを超過する見かけのサイズを有して移動する顕著なバンドが観察される(レーンMにロードされたマーカーから“あふれ出ている”ことに注目すべきである)。多数のバンドがBsaI消化物がロードされたレーン2-7で観察され、従ってBsaI消化が完了していなかったことを示している。しかしながら、関心のあるバンドは(図で囲まれている)ゲルから切り取られ、DNAは“クラッシュ アンド ソーク”法によってゲル断片から抽出され、エタノール沈澱されて以前に記載されているように40 μl H2Oに再度溶解された。
コドン/アンチコドン相互作用によって向けられた新しい位置1のモジュールのライゲーション.
新しい位置1のモジュール、vip271はBsa I消化及び精製されたDNA星形構造にライゲートされた。vip066はライゲーションの補助として、及び下流の精製を容易にするためにライゲーション産物にビオチン分子を導入するためにライゲーション反応に含められた。vip271及びvip066のアニーリングはこの文脈でアンチコドンと呼ばれる4ヌクレオチド5’オーバーハング(vip271)を有する生成物を生じるだろう。それゆえ配列はDNA星形構造での位置1のコドンに逆相補的なように選択された。結果的にコドン/アンチコドン ハイブリダイゼーションはDNA星形構造と2種の入ってくるオリゴのライゲーションを指向することができる。vip271及びvip066は10 μlの容量で各オリゴヌクレオチドの50 pmoleと1 x リガーゼ バッファー(NEB B0202S), 50 mM NaCl中で混合された。アニーリングは上に記載されているアニーリングプログラムを使用してPCRマシンで行われた。
それから、アニールされたvip271/vip066がBsa Iで消化され精製されたDNA星形構造(30 μl)と混合され、5’末端がポリヌクレオチド キナーゼによってリン酸化された; 12.5 unitsポリヌクレオチド キナーゼ(NEB M0201)は1 x リガーゼ バッファー、50 mM NaCl 中に50 μlの反応容量で含められた。反応は37℃30分間インキュベートされた。
それから、分子の同族末端がDNAリガーゼによって結合し、それは並列されたvip066の3’末端とBsa Iで消化されたDNAの5’末端の間、及び並列されたBsa Iで消化されたDNAの3’末端とvip271の5’末端の間のホスホジエステル結合を形成した。60 μlの最終反応容量を与えて、T4 DNA リガーゼ(NEB M0202L)は1 x リガーゼ バッファー、50 mM NaCl中に加えられ20 units/μlの酵素が加えられた。ライゲーションは16℃でオーバーナイトでインキュベートされた。
置換
次の工程は星形構造からの元の位置1のモジュールを除去することであった。分子は新しい位置1のモジュールを3本の道の接合点の一部になることを可能にして再び折り畳まれ元の位置1とDNA星形構造の間の共有結合は除去された。そのうえ、ヘルパーオリゴ(vip194)が導入され、それはPvu IIのための二本鎖基質を形成して2番目のステムの末端の元のループでPvu II部位にアニールした(図36参照)。その結果、共有結合と塩基対形成の両方が元の位置1のモジュールと星形構造の間で破壊された。そのうえ、新しい位置1のモジュールは3本の道の接合点の一部として導入された。
ライゲーション反応の43 μlが60 μlの総容量で10 mM Tris-HCl pH 8, 1 mM EDTA, 100 mM NaCl, 0.1 % トリトン X-100中でvip194の200 pmoleと混合された。変性とアニーリングは95℃で5分間及び次の温度で30秒工程の間PCRマシンで行われた: 80℃、65℃、50℃、45℃、30℃、20℃。
DNAはそれからストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズ(Dynal)で捕捉された。30 μlビーズは2 x BWT(2M NaCl, 10 mM Tris-HCl, pH8, 1 mM EDTA, 0.1 % トリトン X-100)中で2回洗浄された。最終洗浄後、ビーズは60 μl 2 x BWT中に懸濁され、60 μl vip194/星形構造アニーリング反応が加えられた。インキュベーションはゆるやかに振盪しながら室温で15分間なされた。結合したDNAを今有するビーズは、磁石に捕捉されてその後Pvu II消化バッファーに懸濁された: 22 μl H2O及び3 μl 10 x Pvu II消化バッファーがビーズに加えられ、5 μl Pvu II(10 units/μl; Fermentas ER0637)が加えられた。消化は37℃で6時間インキュベートされた。消化後に、ビーズは磁石で上清から分離された。
手順の間を通して、アリコートが製造元のプロトコルに従ったSYBRグリーン(Molecular Probes)で染色された10 % TBE-尿素 ゲル(Invitrogen)による分析のために蓄えられた。ゲルの写真は図36に示されている。
精製されたBsa Iで消化された星形構造はレーン1にロードされた; 約600 ntの予想される見かけのサイズの顕著なバンドが観察された。位置1のための新しいモジュール/ヘルパーオリゴ(vip066)とBsa Iで消化された星形構造のライゲーション生成物はレーン2にロードされた。1000 ntを超過する見かけのサイズを有する顕著なバンドが観察され、従って首尾よいライゲーションを示している。Pvu II消化後のビーズはレーン4にロードされた。1000 ntを超過する見かけのサイズを有するバンドが観察された。このバンドはレーン2との比較によって見られる未消化のDNAに対応する。しかしながら、Pvu II消化物からの上清で(レーン5)約600 ntの見かけのサイズを有するバンドが観察された。このバンドは首尾よい置換産物の約600 ntの予想される見かけのサイズに対応する。それが上清中に見つけられたという事実は位置1の新しいモジュールが星形構造の位置1で元のモジュールを置換したことを示す。
結果的に、首尾よい翻訳、すなわちコドン/アンチコドンに向けられたモジュール置換が証明された。
実施例で使用されたオリゴヌクレオチドのリスト
Figure 0004931825
Figure 0004931825
図1aは星型構造の形成における工程を開示し、その中で化学基が同時に反応する。 図1bは星型構造の形成のおける工程を開示し、その中で化学基が逐次的に反応する。 図1cは化合物の収束合成を使用する方法を開示する。 図1dは各メンバーが効率的に形成された化合物を表示するライブラリーを形成するための5工程での方法を示す。 図1eはループが化学基の反応後に加えられる方法を開示する。 図2aは二重特異性オリゴヌクレオチドのレパートリーによるコンビナトリアルライブラリーの自己構築のための方法を開示する。 図3は親和性選択における5工程を示す。 図4aはライブラリーの形成における工程を開示する。 図4aはライブラリーの形成における工程を開示する。 図4aはライブラリーの形成における工程を開示する。 図4bは濃縮ライブラリーの交配と突然変異の原理を開示する。 図5は濃縮ライブラリーの形成に導く方法における工程を開示する。 図6は分子進化の原理を開示する。 図7は固定化基質を含む本発明の実施態様を開示する。 図8は実施例1の実験結果を開示する。 図9は実施例2で報告された実験結果を示す。 図10は実施例3による実験結果を示す。 図11は実施例4で報告された実験結果を開示する。 図12は実施例5に記載された実験で得られたゲルを示す。 図13は実施例6からのnative PAGEゲルを示す。 図14は実施例7で報告された実験からのゲルを示す。 図15は実施例8の再折り畳み実験のゲルを開示する。 図16は実施例9のデザインの概略図である。 図17は実施例9で報告された実験の結果であるゲルを示す。 図18は実施例9で報告された実験の結果であるゲルを開示する。 図19は実施例10で報告された反応デザインの様々な構造を示す。 図20は実施例12で開示された実験の結果である2個のゲルを示す。 図21は実施例13で報告された実験からのゲルを開示する。 図22は実施例14で報告された実験からのゲルを示す。 図23は実施例15で報告された実験からのゲルを示す。 図24は実施例16で開示された実験からのゲルを開示する。 図25は実施例17で示された実験の結果を示す。 図26は実施例18で使用された実験戦略のアウトラインを開示する。 図26は実施例18で使用された実験戦略のアウトラインを開示する。 図26は実施例18で使用された実験戦略のアウトラインを開示する。 図27は実施例18で使用された方法での個々の工程のnon-native PAGEゲルを示す。 図28は実施例18で報告された結合分析のnon-native PAGEゲルを示す。 図29は実施例18で報告されたPCR増幅ゲルを示す。 図30は還元的アミノ化の存在を証明するゲルの写真を示す。 図31は尿素結合の存在を証明するゲルの写真を開示する。 図32は星型構造の電気移動度についての研究のゲルを示す。 図33は翻訳過程の概略図を示す。 図33は翻訳過程の概略図を示す。 図33は翻訳過程の概略図を示す。 図33は翻訳過程の概略図を示す。 図33は翻訳過程の概略図を示す。 図33は翻訳過程の概略図を示す。 図34は実施例22で報告された実験の結果を示す。 図35は実施例22で報告された実験の結果を示す。 図36は実施例22で報告された実験の結果を示す。

Claims (55)

  1. 核酸及び化合物を含む組成物であって、前記組成物が反応中心から伸びる3又はより多いステムによって定められる星形構造を形成し、そこで少なくとも1つのステムが該中心から放射状に伸びており、各ステム核酸デュプレックスを含み、該化合物は反応中心に位置し、少なくとも1つの核酸と結合している、組成物。
  2. 3又はより多いステムが反応中心から外側に放射状に伸びている、請求項1の組成物。
  3. 形成された化合物の形成に関与した、1個以上の化学基を同定する1個以上のコドンを核酸が含む、請求項1又は2の組成物
  4. コドンがステムの末端に位置している、請求項3に記載の組成物。
  5. ループがステムの末端に形成される、請求項1から4のいずれか一つに記載の組成物。
  6. コドンがステムループ構造の非塩基対形成部分に位置している、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. 酵素制限部位がステムループ構造中に存在する、請求項1から6のいずれか一つに記載の組成物。
  8. ループがヘルパーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズでき、それによって制限酵素のための基質を形成する、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
  9. 連続した核酸配列を形成するように、ループが1個を除いたステムのすべての末端に存在する、請求項1から8のいずれか一つに記載の組成物。
  10. 連続した核酸配列が酵素的に伸長可能である、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
  11. 核酸がDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素のためのプライミング部位を含む、請求項10に記載の組成物。
  12. プライミング部位がループを有さないステムに存在する、請求項9から11のいずれか一つに記載の組成物。
  13. ステムが少なくとも80%の相補性を有する2個のハイブリダイゼーションセグメントを含み、各ハイブリダイゼーションセグメントが12又はより多いヌクレオチドを含む、請求項1から12のいずれか一つに記載の組成物。
  14. 各ハイブリダイゼーションセグメントが18又はより多いヌクレオチドを含む請求項13に記載の組成物。
  15. 化合物が共有結合的に核酸に結合している、請求項1に記載の組成物。
  16. 反応前に化学基が共有結合的に核酸に結合している、請求項1から15のいずれか一つに記載の組成物。
  17. 1個又はより多くの共有結合が反応と同時に又は反応の後に切断される、請求項16に記載の組成物。
  18. 共有結合の1個以外のすべてが反応と同時に又は反応の後に切断される、請求項1から17のいずれか一つに記載の組成物
  19. 化合物が核酸に結合した化学基及び任意に1個の又はより多い更なる反応物の反応によって形成される、請求項1から18のいずれか一つに記載の組成物。
  20. 1個の又はより多い反応物が核酸と結合していない遊離の反応物である、請求項1から19のいずれか一つに記載の組成物。
  21. 請求項1から20のいずれかに記載の多数の異なる組成物を含む組成物のライブラリー。
  22. 以下の工程を含む1個又はより多い化学構造を生成する方法:
    (i)以下を含むN(N = 3-100)個のキャリアーモジュールを提供する工程:
    (1)以下を有する1番目の位置のキャリアーモジュール
    i)N位置のキャリアーモジュールの核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメ ント、及び
    ii)2番目の位置のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグ メント、
    (2)n-1キャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメ ント、及びn+1キャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能な核酸セグメ ントを有するn位置のキャリアーモジュール(n = 2からN-1)、及び
    (3)前記N-1キャリアーモジュールの前記核酸セグメントにハイブリダイズ可能な核酸セ グメント、及び前記1番目のキャリアーモジュールのセグメントにハイブリダイズ可能 な核酸セグメントを有するN位置のキャリアーモジュール、
    ここで
    前記キャリアーモジュールの少なくとも3個がハイブリダイゼーションセグメント間の 中間セクション又はこの近くに位置する結合した化学基(CG)及び必要に応じてハイブリ ダイゼーションセグメントの1個の外に位置するコドンセグメントを含む;
    (ii)前記ハイブリダイゼーションセグメントのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で前記キャリアーモジュールを接触させ、前記化学基を近傍に持ってきて、形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも一つと結合する、工程:
    (iii)モジュールn-1からモジュールn並びにモジュールN-1からモジュールNの末端のライゲーションを可能にする条件を提供し、それによってステムループ構造及び結合した化合物を有する連続した核酸分子を形成する、工程
  23. 形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも1個又は連続した核酸分子と共有結合的に結合している、請求項22の方法。
  24. 反応基を反応近接に持ってくる、ハイブリダイゼーションセグメントのハイブリダイゼーションを可能にする条件下でキャリアーモジュールを接触させること; 及び
    形成された化合物が少なくとも1個のキャリアーモジュールと結合している、反応基の反応を可能にする条件を提供すること; 及び
    モジュールnへのモジュールn-1並びにモジュールNへのモジュールN-1の末端のライゲーションを可能にする条件及びそれによってステムループ構造及び結合した化合物を有する連続した核酸分子を形成することを含む、請求項22又は23に記載の方法。
  25. キャリアーモジュールの接触が逐次的に又は同時に行われる、請求項22に記載の方法。
  26. 化学反応が逐次的に又は同時に行われ及び/又は前記ライゲーションが酵素的に又は化学的に; そして逐次的に、又は同時に行われる、請求項22〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 少なくとも1番目のキャリアーモジュールに及び/又は少なくともNキャリアーモジュールにDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素部位のためのプライミング部位を更に含む、請求項22〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 形成された化合物を表示するために酵素的伸長反応を行う更なる工程を含む、請求項22〜27のいずれか一つに記載の方法。
  29. Nが3、4、5、6又は7であり特にキャリアーモジュールの各々がハイブリダイゼーションセグメント間の中間セクションに又はこの近くに位置する結合した化学基(CG)及びハイブリダイゼーションセグメントの一方の外に位置するコドンセグメントを含む、請求項22〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 1個より多くの化合物のライブラリーが一つの又はより多い位置でキャリアーモジュールのレパートリーを有することによって合成される、請求項22〜29のいずれか一つに記載の方法。
  31. 少なくとも1個の位置で該レパートリーが少なくとも10個の異なるキャリアーモジュールを含む、請求項30に記載の方法。
  32. 少なくとも2個の位置で該レパートリーが少なくとも10個の異なるキャリアーモジュールを含む、請求項30又は31のいずれか一つに記載の方法。
  33. 中間セクションが化学結合又は1から20ヌクレオチドを含む、請求項22又は23に記載の方法。
  34. 化学基が中間セクションの核酸塩基と結合している、請求項22〜33のいずれかに記載の方法。
  35. 化学基が中間セクションのホスホジエステル結合と結合している、請求項22〜33のいずれかに記載の方法。
  36. 化学基が1個の又はより多い共有結合によって中間セクションに結合している、請求項22〜35のいずれかに記載の方法。
  37. 次の工程を含む、モジュール置換を行うための方法:
    a)N個のハイブリダイゼーションセグメントおよび相補するハイブリダイゼーションセグメントに加えてハイブリダイゼーションセグメントと相補するハイブリダイゼーションセグメント間のN-1個のハイブリダイズしないセグメントを含む一本鎖の連続した核酸配列を提供する工程、
    b)それによって少なくともN-1個のステムループと1個のステムを含む連続した核酸を形成する、分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下で核酸をハイブリダイズする工程;
    c)それによって少なくともコドンセグメントを含むオーバーハングを生成する、前記ステム又はループに切断を導入する工程;
    d)少なくとも以下を有するキャリアーモジュールの1番目のグループを提供する工程:
    前記ステムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、隣接したステムループのステムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、必要に応じて結合した反応基、及びアンチコドンセグメント;
    d)コドン及びアンチコドンセグメントのハイブリダイゼーションを可能にする条件を提供する工程; 及び
    e)前記オーバーハングの退行 (recessive)末端に前記ハイブリダイズされたキャリアーモジュールの酵素的または化学的なライゲーションを可能にする条件を提供する工程; そして次の工程を行う;
    i)それによって少なくとも隣接したコドンセグメントを含むオーバーハングを生成す る、前記コドン配列に隣接したステムループのループ又はステムを制限酵素で消化する 工程; 及び
    ii)核酸を変性させる工程; 及び
    iii)それによってN-1個のステムループと少なくとも前記隣接したコドンセグメントを 含むオーバーハングを有する1個のステムを形成する、分子内ハイブリダイゼーション セグメントに有利である条件下でハイブリダイズさせる工程; 及び
    iv)形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも1個に結合する、前記 反応基の反応を可能にする条件を必要に応じて提供する工程; 及び
    v)少なくとも以下を有するキャリアーモジュールの隣接したグループを提供する工程;
    前記ステムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び隣接したステムループのス テムにハイブリダイズ可能な核酸セグメント、及び必要に応じて反応基を結合させ、及 びアンチコドンセグメントを有する工程;及び
    vi)前記オーバーハングの退行 (recessive)末端にハイブリダイズされたキャリアーモ ジュールの酵素的な又は化学的にライゲーションを可能にする条件を提供する工程; 及 び
    工程i)からvi)をN-1回繰り返す; 及び
    f)前記1番目のキャリアーモジュールに結合した少なくとも前記アンチコドンセグメントを残しておいてキャリアーモジュールの前記1番目のグループの一部からなる前記ステムループ構造中に切断を導入する工程; 及び
    g)核酸を変性させる工程; 及び
    h)それによってN-1個のステムループと1個のステムを形成する分子内ハイブリダイゼーションに有利である条件下でハイブリダイズさせる工程; 及び
    i) 必要に応じて、形成された化合物が前記キャリアーモジュールの少なくとも1個と結合する、前記反応基の反応を可能にする条件を提供する工程。
  38. 工程a)の連続した核酸配列が請求項22〜36の方法によって得ることができ、しかし化学基を含んでいない(ダミーライブラリー)、請求項37に記載の方法。
  39. 工程a)の連続した核酸配列が請求項28の方法によって得ることができる、請求項37に記載の方法。
  40. 請求項28の伸長産物がPCRによって増幅される、請求項39に記載の方法。
  41. 工程a)、b)、又はc)での連続した核酸配列が固体支持体にPCR産物のセンス鎖を固定化すること、固体支持体を単離すること、星形構造を形成するようにセンス鎖が自己ハイブリダイズするのを可能にすること、及び、必要に応じて、自己ハイブリダイズされた星形構造を固体支持体と結合するステムを切断すること、それによって固体支持体から星形構造を遊離させることによって得られる、請求項37〜40のいずれかに記載の方法。
  42. 自己ハイブリダイゼーションが瞬間冷却(instant cooling)によって行われる、請求項41に記載の方法。
  43. 固体支持体と再び折り畳まれた星形構造を結合するステムの切断が制限酵素で行われる、請求項41又は42に記載の方法。
  44. ループ中に制限酵素のための二本鎖基質を生成するために、消化する工程の前に、ループの配列に相補的なヘルパーオリゴヌクレオチドを加える工程を更に含む、請求項37〜43のいずれかに記載の方法。
  45. 請求項22〜36のいずれかの方法によって得ることができる核酸及び結合した化合物の構造又はそのような構造の1を超えるライブラリーを含む組成物。
  46. 次の工程を含む、請求項28で開示されているように調製された1を超える化合物のライブラリーをスクリーニングするための方法:
    所望の特性の化合物を有するライブラリーメンバーを得るためにライブラリーを探索する工程;
    所望の特性を有さないライブラリーメンバーから所望の特性を有するライブラリーメンバーを分ける工程; 及び
    それによって所望の特性を有するライブラリーメンバーの濃縮プールを得る工程。
  47. 該方法が更に、前記核酸が化学反応の履歴を示す、濃縮プールのメンバーの核酸を増幅することを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 請求項46又は47に記載の濃縮ライブラリーメンバーによってコードされた化合物の再構成を更に含む、請求項37に記載の方法。
  49. ステム又はループ中での切断が制限酵素、RNase、エンドヌクレアーゼ III、エンドヌクレアーゼ VIII、APE1、Fpg、化学的切断又は光切断によって導入される、請求項37に記載の方法。
  50. 化学反応が逐次的に又は同時に行われることを更に含む、請求項48又は49に記載の方法。
  51. 少なくとも1番目のキャリアーモジュール又はNキャリアーモジュール中にDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、又は逆転写酵素のためのプライミング部位を更に含む、請求項48〜50のいずれかに記載の方法。
  52. 工程a)の連続した核酸配列は次の工程によって調製される核酸配列を含む、請求項37〜51のいずれかに記載の方法:
    問題の該モジュールと残りの構造の間の共有結合を取り除く、2種の連続した制限酵素で濃縮ライブラリーに由来する分子間ハイブリダイズした核酸構造を消化する工程、
    消化された構造を変性する工程、
    交配を得るために問題の該モジュールを特定する核酸分画を交換させる、消化された構造からの核酸フラグメントの再ハイブリダイゼーションを可能にする工程、及び
    適切な末端のライゲーション。
  53. 第一世代のライブラリーの形成に存在しなかった、キャリアーモジュールを表す核酸フラグメントが再ハイブリダイゼーションを可能にする前に加えられる、請求項52の方法。
  54. 第一世代のライブラリーの形成に使用されなかったキャリアーモジュールのレパートリーが再ハイブリダイゼーションを可能にする前に加えられる、請求項52の方法。
  55. 濃縮ライブラリーの分画が請求項52の工程に供されて交配された結果が濃縮ライブラリーの残りの部分と共にプールされる、請求項52に記載の方法。
JP2007539461A 2004-11-08 2005-11-08 構造核酸指向化学合成 Active JP4931825B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP04105597.1 2004-11-08
EP04105597 2004-11-08
US68784905P 2005-06-07 2005-06-07
US60/687,849 2005-06-07
US72534705P 2005-10-11 2005-10-11
US60/725,347 2005-10-11
PCT/DK2005/000714 WO2006048025A1 (en) 2004-11-08 2005-11-08 Structural nucleic acid guided chemical synthesis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008518607A JP2008518607A (ja) 2008-06-05
JP4931825B2 true JP4931825B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=34929821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007539461A Active JP4931825B2 (ja) 2004-11-08 2005-11-08 構造核酸指向化学合成

Country Status (16)

Country Link
US (2) US8202823B2 (ja)
EP (1) EP1809743B1 (ja)
JP (1) JP4931825B2 (ja)
KR (1) KR101411361B1 (ja)
CN (3) CN101056980B (ja)
AT (1) ATE419344T1 (ja)
AU (1) AU2005300886B2 (ja)
CA (1) CA2587010C (ja)
DE (1) DE602005012139D1 (ja)
DK (1) DK1809743T3 (ja)
EA (1) EA024849B1 (ja)
ES (1) ES2320361T3 (ja)
IL (1) IL183013A (ja)
NZ (1) NZ555698A (ja)
WO (1) WO2006048025A1 (ja)
ZA (1) ZA200704520B (ja)

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1401850A1 (en) 2001-06-20 2004-03-31 Nuevolution A/S Nucleoside derivatives for library preparation
WO2003078625A2 (en) 2002-03-15 2003-09-25 Nuevolution A/S An improved method for synthesising templated molecules
AU2003247266A1 (en) 2002-08-01 2004-02-23 Nuevolution A/S Multi-step synthesis of templated molecules
CN106337046B (zh) 2002-10-30 2021-03-23 纽韦卢森公司 合成双功能复合物的方法
DE60330406D1 (de) 2002-12-19 2010-01-14 Nuevolution As Durch quasizufallsstrukturen und funktionen geführte synthesemethode
WO2004074429A2 (en) 2003-02-21 2004-09-02 Nuevolution A/S Method for producing second-generation library
EP2236606B1 (en) 2003-03-20 2013-11-06 Nuevolution A/S Ligational encoding of small molecules
DE602004023960D1 (de) 2003-09-18 2009-12-17 Nuevolution As Methode zur Gewinnung struktureller Informationen kodierter Moleküle und zur Selektion von Verbindungen
ATE447020T1 (de) 2004-03-22 2009-11-15 Nuevolution As Ligationscodierung unter verwendung von oligonukleotidbausteinen
US7727721B2 (en) 2005-03-08 2010-06-01 California Institute Of Technology Hybridization chain reaction amplification for in situ imaging
WO2007044727A2 (en) 2005-10-07 2007-04-19 California Institute Of Technology Pkr activation via hybridization chain reaction
ES2897529T3 (es) 2005-12-01 2022-03-01 Nuevolution As Métodos de codificación enzimática para la síntesis eficiente de bibliotecas grandes
EP2021470A1 (en) * 2006-05-03 2009-02-11 Vipergen APS A method for preparing compounds by nucleic acid directed synthesis
US8318921B2 (en) 2007-03-01 2012-11-27 California Institute Of Technology Triggered RNAi
EP2155770B1 (en) * 2007-05-16 2013-10-16 California Institute of Technology A versatile nucleic acid hairpin motif for programming biomolecular self-assembly pathways
WO2009093667A1 (ja) * 2008-01-22 2009-07-30 Hiroshima University 核酸結合蛋白質アッセイ法およびキット
US8497364B2 (en) 2008-02-27 2013-07-30 California Institute Of Technology Triggered RNAi
US8241854B2 (en) 2008-05-22 2012-08-14 California Institute Of Technology Triggered RNAi
EA021797B1 (ru) 2009-02-13 2015-09-30 Икс-Чем, Инк. Способы создания и скрининга библиотек, кодируемых днк
EP2452294A2 (en) * 2009-07-07 2012-05-16 The Procter & Gamble Company Property-space similarity modeling
WO2011127933A1 (en) 2010-04-16 2011-10-20 Nuevolution A/S Bi-functional complexes and methods for making and using such complexes
US8658780B2 (en) 2010-05-18 2014-02-25 California Institute Of Technology Triggered covalent probes for imaging and silencing genetic expression
US9834439B2 (en) 2010-07-20 2017-12-05 California Institute Of Technology Biomolecular self-assembly
US8962241B2 (en) 2010-07-20 2015-02-24 California Institute Of Technology Triggered molecular geometry based bioimaging probes
US8877438B2 (en) 2010-07-20 2014-11-04 California Institute Of Technology Self-assembled polynucleotide structure
EP3399035B1 (en) * 2010-09-27 2021-02-17 Vipergen A method for making an enriched library
BR112014005205A2 (pt) 2011-09-07 2017-03-21 X-Chem Inc métodos para etiquetar bibliotecas codificadas com dna
US9078078B1 (en) * 2011-09-15 2015-07-07 Google Inc. Call forwarding methods and systems
NZ739931A (en) 2012-07-13 2019-08-30 X Chem Inc Dna-encoded libraries having encoding oligonucleotide linkages not readable by polymerases
US9856472B2 (en) 2013-07-01 2018-01-02 California Institute Of Technology Small conditional RNAs
GB201322692D0 (en) 2013-12-20 2014-02-05 Philochem Ag Production of encoded chemical libraries
WO2016074683A1 (en) 2014-11-11 2016-05-19 Lundorf Pedersen Materials Aps Method for identification of molecules with desired characteristics
NL2013857B1 (en) * 2014-11-21 2016-10-11 Piculet Biosciences Tech B V Self-assembled bivalent ligand complex (SABLC) libraries and methods for screening such libraries.
CN109312492B (zh) 2016-06-16 2022-10-04 哈斯达克科学公司 寡核苷酸指导和记录的编码探针分子的组合合成
EP3481843B1 (en) 2016-07-05 2022-01-26 California Institute of Technology Fractional initiator hybridization chain reaction
AU2017321492A1 (en) 2016-08-30 2019-03-14 California Institute Of Technology Immunohistochemistry via hybridization chain reaction
US11795580B2 (en) 2017-05-02 2023-10-24 Haystack Sciences Corporation Molecules for verifying oligonucleotide directed combinatorial synthesis and methods of making and using the same
RU2020112854A (ru) 2017-11-30 2021-12-30 Арракис Терапьютикс, Инк. Фотозонды, связывающие нуклеиновые кислоты, и способы их применения
GB201817321D0 (en) 2018-10-24 2018-12-05 Nanna Therapeutics Ltd Microbeads for tagless encoded chemical library screening
GB201821109D0 (en) * 2018-12-21 2019-02-06 Philochem Ag Nucleic acid encoded chemical libraries
AU2020211270A1 (en) 2019-01-22 2021-07-15 Vipergen Aps A method for screening of an in vitro display library within a cell
EP4284925A1 (en) 2021-01-26 2023-12-06 California Institute of Technology Allosteric conditional guide rnas for cell-selective regulation of crispr/cas

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0151631A1 (en) * 1983-08-03 1985-08-21 The Research Foundation Of State University Of New York Nucleic acid branched junctions with precisely defined migrational mobility
US5386020A (en) * 1991-01-10 1995-01-31 New York University Multiply connected, three-dimensional nucleic acid structures
US5278051A (en) * 1991-12-12 1994-01-11 New York University Construction of geometrical objects from polynucleotides
US6072044A (en) * 1996-04-26 2000-06-06 New York University Nanoconstructions of geometrical objects and lattices from antiparallel nucleic acid double crossover molecules
WO2000023458A1 (en) 1998-10-19 2000-04-27 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Dna-templated combinatorial library chemistry
EP1208219A1 (en) * 1999-04-08 2002-05-29 Pavel Sergeev Synthesis of biologically active compounds in cells
AU2001268228A1 (en) * 2000-06-08 2001-12-17 La Jolla Pharmaceutical Company Multivalent platform molecules comprising high molecular weight polyethylene oxide
AU2002306777C1 (en) 2001-03-19 2008-04-24 President And Fellows Of Harvard College Evolving new molecular function
WO2004016767A2 (en) 2002-08-19 2004-02-26 The President And Fellows Of Harvard College Evolving new molecular function
EP1539953A2 (en) * 2002-09-12 2005-06-15 Nuevolution A/S Proximity-aided synthesis of templated molecules
CN106337046B (zh) * 2002-10-30 2021-03-23 纽韦卢森公司 合成双功能复合物的方法
BR0315056A (pt) 2002-11-01 2005-08-16 Pharmacia & Upjohn Co Llc Compostos tendo tanto atividade agonista nicotìnica de alfa7 quanto atividade antagonista de 5ht3 para o tratamento de doenças do sistema nervoso central
AU2002953366A0 (en) 2002-12-17 2003-01-09 Hearts And Minds Crm Pty Ltd A method of analysing a business network
DE60330406D1 (de) * 2002-12-19 2010-01-14 Nuevolution As Durch quasizufallsstrukturen und funktionen geführte synthesemethode

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008518607A (ja) 2008-06-05
CN101056980A (zh) 2007-10-17
WO2006048025A1 (en) 2006-05-11
CN101056980B (zh) 2012-05-23
ZA200704520B (en) 2008-09-25
ES2320361T3 (es) 2009-05-21
AU2005300886B2 (en) 2009-11-12
CN101914528B (zh) 2013-04-03
ATE419344T1 (de) 2009-01-15
US20110045990A1 (en) 2011-02-24
EA024849B1 (ru) 2016-10-31
US20130005581A1 (en) 2013-01-03
DK1809743T3 (da) 2009-05-04
IL183013A0 (en) 2007-08-19
CA2587010C (en) 2017-08-15
US8202823B2 (en) 2012-06-19
NZ555698A (en) 2010-07-30
US9006150B2 (en) 2015-04-14
KR20070085977A (ko) 2007-08-27
IL183013A (en) 2011-12-29
CN101914528A (zh) 2010-12-15
CN101914527A (zh) 2010-12-15
EA200701022A1 (ru) 2007-10-26
EP1809743A1 (en) 2007-07-25
CA2587010A1 (en) 2006-05-11
AU2005300886A1 (en) 2006-05-11
EP1809743B1 (en) 2008-12-31
DE602005012139D1 (de) 2009-02-12
CN101914527B (zh) 2012-06-27
KR101411361B1 (ko) 2014-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4931825B2 (ja) 構造核酸指向化学合成
JP7010875B2 (ja) Dnaコード化ライブラリを作製およびスクリーニングする方法
AU2003273792B2 (en) Method for the synthesis of a bifunctional complex
EP1730277B1 (en) Ligational encoding using building block oligonucleotides
US9121110B2 (en) Quasirandom structure and function guided synthesis methods
AU2011226815B2 (en) Enzymatic encoding

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4931825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250