JP4931666B2 - 計量器 - Google Patents

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Description

本発明は、動的質量計量を行う計量器に関し、より詳しくは重量センサに重畳した不要な振動成分を除去する技術に関するものである。
動的質量計量を行う計量器として、搬送コンベア上を搬送される被計量物をその搬送コンベアに連結された重量センサによって計量するようにした重量選別機が知られている。この重量選別機において、重量センサの計量信号には、通常、被計量物の重量による信号のほかに、重量センサ自体の固有振動と、搬送コンベアを駆動するモータの振動と、搬送コンベアのローラプーリの回転により発生する振動と、外乱とを原因とする不要な振動信号が重畳されている。従来、この種の不要な振動信号を除去するために、ローパス・フィルタもしくはディジタル・フィルタを用いるものが提案されている。
ここで、ディジタル・フィルタを用いた技術として、特許文献1に開示されるものがある。この技術は、重量信号をサンプリングし、これらサンプリング値について複数回にわたって移動平均をとり、この移動平均をさらに多重で行って、各振動成分を除去するようにしたものである。
また、他の計量コンベア用フィルタに関する技術として、特許文献2に開示されるものがある。この技術は、計量条件の下で発生する周期振動ノイズ、すなわち計量センサ自体の固有振動と、搬送コンベアを駆動するモータの振動と、ローラプーリの振動と、外乱とによる周期振動ノイズに対応するフィルタ定数をフーリエ変換技術で求め、このフィルタ定数で、重量センサからの重量信号を濾波処理して定周期振動ノイズを除去するようにしたものである。
しかしながら、上記従来技術においては、重量センサからの重量信号を巡回させる巡回型、あるいは巡回させない非巡回型を問わず、フィルタリング処理において、周期の長い振動ノイズを減衰させるには時定数の大きい高次のフィルタが必要であり、最終値への応答信号の収束が遅くなるため、測定時間の短い計量器では実用的でないという問題点がある。
特公平6−21814号公報 特開平8−62032号公報
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、振動波形の一周期分の時間を要さずに重量値を安定して求めることができて、計量処理時間の短縮化を図ることのできる計量器を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明による計量器は、
振動ノイズ信号の重畳する重量測定信号に対し、LMS(Least−mean−square)アルゴリズムを適応することによって前記振動ノイズ信号の影響を除去して被計量物の重量測定値を算出する重量測定値演算手段を備え、
前記LMSアルゴリズムは、前記被計量物の重量値の測定可能な時間が前記振動ノイズ信号の一周期より短い場合にのみ適応され、かつ前記LMSアルゴリズムに用いられるステップサイズパラメータは、前記振動ノイズ信号の周波数の関数として表されることを特徴とするものである。
前記第1発明において、前記振動ノイズ信号の周波数を測定する振動ノイズ周波数測定手段を備え、この振動ノイズ周波数測定手段により測定された振動ノイズ信号の周波数値が前記重量測定値演算手段に入力されるのが好ましい(第2発明)。
ここで、前記LMSアルゴリズムに用いられるステップサイズパラメータは、前記振動ノイズ信号の周波数の関係式から求める複数の振動周波数成分に対して、1つのステップサイズパラメータを用いる方法にて求められるのが好ましい(第3発明)。
また、前記LMSアルゴリズムに用いられるステップサイズパラメータは、前記振動ノイズ信号の周波数の関係式から求める複数の振動周波数成分のそれぞれに対して、各ステップサイズパラメータを用いる方法にて求められるのが好ましい(第4発明)。
また、第発明による計量器は、
被計量物の重量値の測定が可能な区間を検出する重量値測定区間検出手段と、振動ノイズ信号の重畳する重量測定信号に対し、LMSアルゴリズムを適応することによって被計量物の重量測定値を算出する第1の重量測定値演算手段と、前記振動ノイズ信号の重畳する重量測定信号に対し、その振動ノイズ信号の整数周期分の重量測定信号の平均値を求めることによって被計量物の重量測定値を算出する第2の重量測定値演算手段と、前記第1の重量測定値演算手段と第2の重量測定値演算手段の演算動作を切替える重量値演算動作切替手段とを備え、
前記重量値演算動作切替手段は、前記重量値測定区間検出手段により検出される重量値測定区間が前記振動ノイズ信号の一周期より短い場合には前記第1の重量測定値演算手段により被計量物の重量測定値を算出し、前記重量値測定区間検出手段により検出される重量値測定区間が前記振動ノイズ信号の一周期以上の場合には前記第2の重量測定値演算手段により被計量物の重量測定値を算出するように切り替え動作を行うことを特徴とするものである。
従来、振動ノイズを除去する手法として、振動信号の一周期分の時間をかけて平均化を行う方法が一般的であるが、この従来方法によれば、測定能力が高くなって測定時間が短くなってくると、フィルタリングに必要とされる振動信号の一周期分の時間が確保できなくなり、含まれる振動信号の十分な除去が行えなくなり、計測能力および精度が悪化するという問題があった。これに対し、本発明(第1発明)によれば、LMSアルゴリズムが用いられているので、振動信号の一周期分の時間より短い時間で振動信号の除去を行うことができ、計量処理時間の短縮化を図ることができる。
また、発明によれば、複数のノイズ信号の周波数を求めておき、それぞれの周波数成分に対して、スッテプサイズパラメータを変えながら最大の減衰効果を持つステップサイズパラメータの最適値をノイズ信号周波数の関数で表現することにより、収束性を左右する重要なステップサイズパラメータの選択を容易に行うことができる。
発明においては、振動ノイズ周波数測定手段によって自動的に振動ノイズ信号の周波数値が測定される。また、予め振動ノイズ周波数がわかっている場合には、例えばノイズ源であるローラプーリ、モータの振動周波数はモータの回転数の関数であるので、重量選別機の選別能力もしくはコンベア速度を設定することで、周波数の測定を行わずに、自動で求めることができる。また、軸重計のように車のスプリングに起因した3〜4Hzの振動ノイズを含む重量信号を想定する場合には、その周波数を既知の値として予め設定しておいて演算を行うことができる。
発明においては、重量値測定区間検出手段により検出される重量値測定区間が振動ノイズ信号の一周期より短い場合にはLMSアルゴリズムが適用され、長い場合には重量測定値の平均値を求める演算手段が適用される。ここで、自動的に重量値測定区間(重量測定時間)を求める方法としては、次の方法がある。すなわち、まず、重量信号を一定時間でサンプリングしたディジタル値である時系列データの時間変化率を求める。そして、隣接する重量変化率の比率が一定値未満になれば測定区間に入り、その比率が一定値以上になれば測定区間が終了したと判断する。
次に、本発明による計量器の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る重量選別機の計量器のシステム構成図が示されている。
この計量器は、被計量物1を搬送する送入コンベア2と、この送入コンベア2に連設される計量コンベア3とを備え、計量コンベア3上にて被計量物1の重量が計量されるように構成されている。両コンベア2,3間には物品検出センサ4が配され、この物品検出センサ4によって計量コンベア3上に被計量物1が搬送されるタイミングが検知される。
前記送入コンベア2は、モータ駆動部5にて制御されるモータ6の回転が、このモータ6とタイミングベルト(もしくはギア)7を介して連結されたローラプーリ8に伝達されることで駆動される。一方、計量コンベア3は、モータ制御部9にて制御されるモータ10の回転が、このモータ10とタイミングベルト(もしくはギア)11を介して連結されたローラプーリ12に伝達されることで駆動される。送入コンベア2および計量コンベア3は、その速度が操作設定表示部13にて設定され、CPU装置部14から制御用データがそれぞれモータ制御部5,9に送られて制御される。
計量コンベア3上に載置された被計量物1の重量は、計量コンベア3に連結された重量検出部15にて検出され、その検出データをCPU装置部14で処理することにより得られる。CPU装置部14には、演算用メモリおよび計量器を制御するためのプログラムメモリとしての記憶装置部16が付設されている。また、物品検出センサ4による検知信号はI/O制御部17を経由してCPU装置部14に送られる。
上記計量器においては、計量コンベア3上を流れている被計量物1の重量測定信号に、重量検出部15の重量センサ自体の固有振動、計量コンベア3を駆動するモータ10の振動、計量コンベア3のローラプーリ12の回転により発生する振動および外乱を原因とする不要な振動信号(振動ノイズ信号)が重畳している。本実施形態では、この振動ノイズ信号による影響を除去するために、LMSアルゴリズムが適応される。
次に、このLMSアルゴリズムについて説明する。振動信号の連続時間関数g(t)は、連続フーリエ係数G(f)を用いると、次式で表される。
Figure 0004931666
ここで、g(t)がf<fとf>fの区間でスペクトル成分を持たないとすると、(1)式は次式のように表現できる。
Figure 0004931666
(2)式を連続系ではなく離散系を用いて近似すれば、(2)式の積分式は和の形で表現できる。連続時間関数g(t)が実数ならばフーリエ係数G(f)とG(−f)が複素共役になるので、(2)式は次のように近似できる。
Figure 0004931666
また、(3)式をg(t)のサンプリングデータ(サンプリング周期:ΔT)に対して表現すると、次式のようになる。
Figure 0004931666
ここで、フーリエ係数Gと入力ベクトルX(k)を次のように定義する。
G=[G,・・・,G,・・・G ・・・(5)
X(k)=[exp(j2πfkΔT),・・・,exp(j2πfkΔT),・・・,exp(j2πfkΔT)] ・・・(6)
(5)式、(6)式を用いると、(4)式は次のようになる。
Figure 0004931666
振動ノイズ信号の原信号をd(k)とすると、このd(k)はg(k)というフーリエ係数を用いて近似して表現することができる。そのときの近似誤差ε(k)は次式で表される。
Figure 0004931666
振動ノイズ信号の原信号d(k)には被計量物の重量値に相当する直流成分が含まれている。LMSアルゴリズムを適用する際に、直流成分を含んだ信号を直接処理すると演算のための桁数が大きくなり、それに伴って演算誤差も累積してくる。そのため、(8a)式において、実際は次式のように演算して直流成分の影響を取り除いている。
d(k)=d(k)−d(0) ・・・(9)
ここで、d(0)は計測区間のt=0における重量サンプリング値、d(k)は計測区間のt=k(k=0,1,2,3,・・・)における重量サンプリング値である。
このように直流成分をオフセットとして、振動を含む原信号を差し引いたので、アルゴリズム処理後の直流成分を含んだ出力は、
ε(k)+g(k)+d(0)
と表現される。
LMSアルゴリズムとは、ε(k)の自乗誤差を最小化させるためのアルゴリズムであり、フーリエ係数G(k)はサンプリング周期毎に次式を用いて連続的に更新される。
Figure 0004931666
ここで、μは収束性および安定性を制御するステップサイズパラメータである。
フーリエ係数ベクトルG(k)は次式、
(k+1)=G(k)+jG(k) ・・・(11)
で表されるので、次式が成立する。
(k+1)=G(k)+4με(k)X(k)・・(12)
(k+1)=G(k)−4με(k)X(k)・・(13)
周波数fを持つ入力ベクトルX(k)は、(6)式から
X(k)=cos(2π・f・k・ΔT)+jsin(2π・f・k・ΔT)
・・・(14)
となるので、(7)式、(12)式、(13)式はそれぞれ次のようになる。
g(k)=2G(k)cos(2π・f・k・ΔT)
−2G(k)sin(2π・f・k・ΔT)・・・(15)
(k+1)=G(k)+4με(k)cos(2π・f・k・ΔT)
・・・(16)
(k+1)=G(k)−4με(k)sin(2π・f・k・ΔT)
・・・(17)
次に、図2に示されるフローチャートを参照しつつ、CPU装置部14によるフーリエ係数の更新処理の手順について説明する。なお、S1〜S19は各ステップを示す。
S1:振動信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)分析を行い振動成分の周波数fを求める(本発明の「振動ノイズ周波数測定手段」に対応する)。
S2:ステップサイズパラメータμを求める。なお、振動周波数が与えられた時のステップサイズパラメータμを求める方法については後述の実施例にて詳述する。
S3〜S5:被計量物1が計量コンベア3に完全に乗り移るまで待ち(S3)、乗り移ったら下記(18)式から安定時間TSTを求め(S4)、次いで繰り返し回数Nを求める(S5)。この繰り返し回数Nは、(18)式で与えられる安定時間TSTをA/D変換器のサンプリング時間ΔTで除した値TST/ΔTとなる。
ST={(L0−L)×1000}/(V/60×1000)−Tad
={60×(L0−L)}/V−Tad ・・・(18)
ここで、安定時間TSTは、被計量物が計量コンベアに完全に乗り移ってから計量コンベアを出始めるまでの時間、すなわちフィルタリングに使える時間のことである。また、(18)式においてTadは、A/D変換器のデータ出力遅れ(A/D変換器内部のディジタルフィルター処理時間)を示す。また、L0は計量コンベア長、Lは被計量物長、Vはコンベア速度を示す。
S6〜S7:繰り返し処理用フラグkに0をセットし(S6)、G(0)=0、G(0)=0としてフーリエ係数の初期化を行う(S7)。
S8〜S9:次いで、A/D変換がなされるタイミングを待って(S8)、d(k)にA/D変換データを代入する(S9)。
S10〜S11:次に、(15)式からg(k)を求め(S10)、(8b)式の誤差ε(k)=d(k)−g(k)を求める(S11)。
S12〜S13:そして、G(k)、G(k)をもとに、(16)式にて更新されたG(k+1)を求める(S12)とともに、(17)式にて更新されたG(k+1)を求める(S13)。
S14〜S15:ステップS8からS13までの処理を繰り返し回数Nだけ行う。この繰り返し回数Nは、例えば安定時間TSTが60msec、A/Dサンプリング時間ΔTが2msecならば、60/2=30回となる。
S16:次に、振動信号に対してFFT分析を行って、振動成分の周期Tを求める。
S17〜S19:周期Tが安定時間TSTよりも大きいか否かを判定する(S17)(本発明の「重量値測定区間検出手段」に対応する。)。そして、安定時間TSTよりも大きくなければ移動平均法を適用して十分な平均化を行い(S18)、安定時間TSTよりも大きければLMSアルゴリズムを適用してフィルタリングを行って、被計量物の重量測定値を算出する(S19)(本発明の「重量測定値演算手段」に対応する。)。
上述の説明では、1つの周波数fに対してフーリエ係数を求める方法を示したが、振動成分のFFT分析より見つかった複数の周波数成分、例えばf1、f2、f3を有する振動信号除去の場合には、f=f1、f=f2、f=f3に対して順番にそれぞれの係数を求めれば良い。この場合、周波数成分f1、f2、f3にそれぞれ対応する周期をT1、T2、T3とすれば、ステップS16で求める周期TをT1+T2+T3とし、ステップS17では、T1+T2+T3>TSTが成立するか否かを判定し、この不等式が成立する場合にはLMSアルゴリズムを適用し、成立しない場合には、多重移動平均法を適用する。ここで、平均回数をN1=T1/ΔT、N2=T2/ΔT、N3=T3/ΔTとする。
また、T1+T2+T3>TSTを判定する代わりに、個別の周波数に対してLMSアルゴリズムもしくは移動平均法を適用する実施形態も可能である。すなわち、
1)T1>TSTの判定がYESの場合には、周波数成分f1に対してLMSアルゴリズムを適用し、判定がNOの場合には、周波数成分f1に対して平均回数N1の移動平均法を適用し、
2)T2>TSTの判定がYESの場合には、周波数成分f2に対してLMSアルゴリズムを適用し、判定がNOの場合には、周波数成分f2に対して平均回数N2の移動平均法を適用し、
3)T3>TSTの判定がYESの場合には、周波数成分f3に対してLMSアルゴリズムを適用し、判定がNOの場合には、周波数成分f3に対して平均回数N3の移動平均法を適用するようにすれば良い。
従来の重量選別機においては、重量信号に重畳する固有振動、モータ、ローラプーリからの振動成分を除去するのに、ローパスフィルタや前述の特許文献1に記載されているようなディジタルフィルタを用いてフィルタリングを行っていた。ここで、フィルタリングに使える時間である安定時間TSTは、(18)式で与えられる。いま、一例として、(18)式において、計量コンベア長L0=435mm、被計量物長L=400mm、コンベア速度V=32m/min、被計量物重量W=1003g、A/D変換器のデータ出力遅れTad=40msecとすると、安定時間TSTは25msecとなる。また、コンベア速度V=32m/minの条件では、計量コンベア系の固有振動数は28.7Hz、モータの周波数成分は12.6Hz、ローラプーリの周波数成分は6.3Hzとなる。
この重量選別機において、4重の移動平均フィルタをかけ、フィルタ調整時モードにおいてコンベアを空回転(被計量物を流さない)させてFFT分析を行い、振幅成分の大きい順番で振動成分の周波数に対してフィルタ値を決めていくこととする(その詳細内容については前記特許文献2参照)。
A/D変換器のサンプリング時間を2msecとすると、安定時間が25msecであることから、合計で25/2=12次の移動平均が行える。この方法で、4重のフィルタ次数を求めると、N1=12、N2=0、N3=0、N4=0(0は平均が行われないことを示す。)となる。N1=12では、固有振動、モータ、ローラプーリの振動に対して一周期にわたる平均化が行えず、現れるいずれの振動成分の影響も完全に除去できないことは明らかである。
これに対して、本実施形態の計量器によれば、LMSアルゴリズムが用いられているので、振動信号の一周期分の時間より短い時間で振動信号の除去を行うことができ、計量処理時間の短縮化を図ることができる。また、重量値測定区間が振動ノイズ信号の一周期より短い場合にはLMSアルゴリズムを適用し、長い場合には移動平均法を適用することにより、常に適正にフィルタリングを行うことができるという効果がある。
次に、LMSアルゴリズムを採用した本発明の実施例について、従来法と比較して説明する。
本実施例では、被計量物のサンプルに対して、コンベア速度を変化させてLMSアルゴリズムの評価を行った。サンプル寸法はL400mm×W250mm×H15mmであり、サンプル重量は1003gである。このサンプルについてのモータ、ローラプーリ、固有振動といった振動成分周波数に関するFFT分析結果は表1に示すとおりである。
Figure 0004931666
上記サンプルについて、取得したデータから0.125以下の条件の下、最適なステップサイズパラメータを求めた結果を表2に示す。
Figure 0004931666
次に、振動周波数が与えられた時のステップサイズパラメータμを求める方法について説明する。
<方法1>
この方法は、周波数の関係式から求める複数の振動周波数成分に対して、1つのステップサイズパラメータを用いる方法である。表2に示される周波数とステップサイズパラメータとの関係を、多項式近似を行ってグラフ化すると図3に示すようになる。ここで、多項式近似の場合、周波数が高くなるとステップサイズパラメータも非常に大きくなり、固有振動の28.7Hz付近では、ステップサイズパラメータも1を超えてしまうので、この例では、2曲線の交点である約10Hz以降では一次式を用いることとした。その関係は次式で表される。
μ=0.000137f−0.001755f+0.007964f−0.011898(f<10)
μ=0.0029f+0.0009(f≧10) ・・・(19)
(19)式を用いて、固有振動に関するステップサイズパラメータμ1、モータに関するステップサイズパラメータμ2、ローラプーリに関するステップサイズパラメータμ3を求めると、表3に示すようになる。
Figure 0004931666
図4には、製品サンプル寸法:L400×W250×H15、製品サンプル重量:1003g、計量コンベア速度32m/minの条件で、表3に基づいて行った本実施例の精度評価を表すグラフが、フィルタリング前のオリジナル波形および従来法(移動平均法)との比較で示されている。このグラフにおいて、縦軸は重量(g)、横軸は製品サンプル(被計量物)が計量コンベアを出始める時点(計測タイミング)から以前の時間を表している。なお、サンプリング時間は2msecで30点のデータを取得しているので、横軸の時間は60msecに相当する。このグラフから明らかなように、オリジナル波形には28Hzの固有振動が大きく現れている。また、従来法では安定時間が短いため固有振動の一周期にわたる平均化を行うことができず、振動成分が完全に除去できていない。これに対して、本実施例のLMSアルゴリズムを用いた方法では十分な振動抑制の効果が認められる。
1つの製品サンプルを繰り返し100回計量コンベア上に流して得られる重量値データに対する標準偏差をもとにした精度(±3σ)を表4に示す。ここで、従来法における移動平均回数は次のとおりである。
21m/minの時、N1=17、N2=12、N3=0、N4=0
(安定時間=60msecよりN1+N2+N3+N4≦30)
27m/minの時、N1=17、N2=2、N3=0、N4=0
(安定時間=38msecよりN1+N2+N3+N4≦19)
32m/minの時、N1=12、N2=0、N3=0、N4=0
(安定時間=25msecよりN1+N2+N3+N4≦12)
Figure 0004931666
表4から明らかなように、方法1によれば、すべての条件で本実施例のLMSアルゴリズムによる方法が従来法に比べて、秤の精度改善が図られていることがわかる。
<方法2>
この方法は、周波数の関係式から求める複数の振動周波数成分に対して、各振動成分のそれぞれに対して各ステップサイズパラメータを用いる方法である。図5、図6には、表1、表2をもとにモータ(図5)およびローラプーリ(図6)の最適ステップサイズパラメータと周波数との関係を線形として多項式(一次式)で近似したものが示されている。ここで、固有振動は振動の成分として大きく影響していないことから、モータ、ローラプーリのステップサイズパラメータμ2、μ3から算出できるとして、それぞれのステップサイズパラメータを次式により求める。
μ1=0.125−μ2−μ3
μ2=0.0079f−0.0557
μ3=0.001f−0.0036 ・・・(20)
(20)式を用いて、固有振動に関するステップサイズパラメータμ1、モータに関するステップサイズパラメータμ2、ローラプーリに関するステップサイズパラメータμ3を求めると、表5に示すようになる。
Figure 0004931666
表5に基づいて、1つの製品サンプルを繰り返し100回計量コンベア上に流して得られる重量値データに対する標準偏差をもとにした精度(±3σ)を表6に示す。この表6から明らかなように、方法2においても、すべての条件で本実施例のLMSアルゴリズムによる方法が従来法に比べて、精度改善が図られていることがわかる。
Figure 0004931666
本発明の一実施形態に係る重量選別機の計量器のシステム構成図 フーリエ係数の更新処理の手順を示すフローチャート 周波数とステップサイズパラメータとの関係を示すグラフ 本実施例の精度評価を表すグラフ モータの最適ステップサイズパラメータと周波数との関係を示すグラフ ローラプーリの最適ステップサイズパラメータと周波数との関係を示すグラフ
符号の説明
1 被計量物
2 送入コンベア
3 計量コンベア
4 物品検出センサ
5,9 モータ駆動部
6,10 モータ
7,11 タイミングベルト
8,12 ローラプーリ
13 操作設定表示部
14 CPU装置部
15 重量検出部
16 記憶装置部

Claims (5)

  1. 振動ノイズ信号の重畳する重量測定信号に対し、LMSアルゴリズムを適応することによって前記振動ノイズ信号の影響を除去して被計量物の重量測定値を算出する重量測定値演算手段を備え、
    前記LMSアルゴリズムは、前記被計量物の重量値の測定可能な時間が前記振動ノイズ信号の一周期より短い場合にのみ適応され、かつ前記LMSアルゴリズムに用いられるステップサイズパラメータは、前記振動ノイズ信号の周波数の関数として表されることを特徴とする計量器。
  2. 前記振動ノイズ信号の周波数を測定する振動ノイズ周波数測定手段を備え、この振動ノイズ周波数測定手段により測定された振動ノイズ信号の周波数値が前記重量測定値演算手段に入力される請求項1に記載の計量器。
  3. 前記LMSアルゴリズムに用いられるステップサイズパラメータは、前記振動ノイズ信号の周波数の関係式から求める複数の振動周波数成分に対して、1つのステップサイズパラメータを用いる方法にて求められる請求項2に記載の計量器。
  4. 前記LMSアルゴリズムに用いられるステップサイズパラメータは、前記振動ノイズ信号の周波数の関係式から求める複数の振動周波数成分のそれぞれに対して、各ステップサイズパラメータを用いる方法にて求められる請求項2に記載の計量器。
  5. 被計量物の重量値の測定が可能な区間を検出する重量値測定区間検出手段と、振動ノイズ信号の重畳する重量測定信号に対し、LMSアルゴリズムを適応することによって被計量物の重量測定値を算出する第1の重量測定値演算手段と、前記振動ノイズ信号の重畳する重量測定信号に対し、その振動ノイズ信号の整数周期分の重量測定信号の平均値を求めることによって被計量物の重量測定値を算出する第2の重量測定値演算手段と、前記第1の重量測定値演算手段と第2の重量測定値演算手段の演算動作を切替える重量値演算動作切替手段とを備え、
    前記重量値演算動作切替手段は、前記重量値測定区間検出手段により検出される重量値測定区間が前記振動ノイズ信号の一周期より短い場合には前記第1の重量測定値演算手段により被計量物の重量測定値を算出し、前記重量値測定区間検出手段により検出される重量値測定区間が前記振動ノイズ信号の一周期以上の場合には前記第2の重量測定値演算手段により被計量物の重量測定値を算出するように切り替え動作を行うことを特徴とする計量器。
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