本発明における第1の表示装置は、周囲の環境条件に応じて起電流を出力する環境センサと、前記起電流の大きさに応じて電圧信号を出力する検出装置とを備えた表示装置であって、前記検出装置は、前記起電流が出力されると電荷を蓄積して前記電圧信号を発生させる可変容量部と、前記可変容量部の容量を調整する制御部とを備え、前記可変容量部は、複数の容量素子を備え、前記制御部は、前記電圧信号の出力電圧と基準電圧とを比較し、比較結果に応じて一又は二以上の容量素子を機能させて、前記可変容量部の容量を調整することを特徴とする。
また、本発明における第1の検出装置は、環境センサが出力した起電流の大きさに応じて電圧信号を出力する検出装置であって、前記起電流が出力されると電荷を蓄積して前記電圧信号を発生させる可変容量部と、前記可変容量部の容量を調整する制御部とを備え、前記可変容量部は、複数の容量素子を備え、前記制御部は、前記電圧信号の出力電圧と基準電圧とを比較し、比較結果に応じて一又は二以上の容量素子を機能させて、前記可変容量部の容量を調整することを特徴とする。
上記本発明における第1の表示装置及び第1の検出装置においては、前記複数の容量素子が、互いに並列に接続され、前記可変容量部が、前記複数の容量素子それぞれ毎に、複数のスイッチング素子を更に備え、前記複数の容量素子それぞれは、対応する前記容量素子に接続され、前記制御部が、前記比較結果に応じて一又は二以上のスイッチング素子をオンにして、前記可変容量部の容量を調整する態様であっても良い。この態様によれば、簡単な構成で可変容量部の容量を調整することができる。
また、上記本発明における第1の表示装置及び第1の検出装置においては、前記複数の容量素子それぞれが、第1の導電膜と、前記第1の導電膜の上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の上に形成された第2の導電膜とを備えた態様とすることができる。この態様によれば、容量素子の形成を安価に行うことができる。更に、この態様においては、前記第1の導電膜が、半導体領域を有するシリコン膜であっても良い。この場合、容量素子における単位体積当たりの容量値を増大させることができ、容量素子が占める面積を小さくすることができる。
更に、上記本発明における第1の表示装置及び第1の検出装置においては、前記可変容量部が、前記複数の容量素子として複数のトランジスタ素子を備え、前記制御部が、前記比較結果に応じて、一又は二以上の前記トランジスタ素子のゲートに、予め設定された大きさの電圧を印加し、前記電圧を印加した前記トランジスタ素子のゲート容量を前記容量素子として機能させることによって、前記可変容量部の容量を調整する態様とすることもできる。この態様では、トランジスタ素子のゲートに入力する電圧の大きさを調整することによってゲート容量のオン・オフができる。このため、上述した態様に比べ、可変容量部の部品点数を削減することができ、表示装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、上記態様においては、前記複数のトランジスタ素子それぞれが、半導体領域が形成されたシリコン膜と、前記シリコン膜の上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極とを備え、前記複数のトランジスタ素子それぞれのシリコン膜は、互いに直列に接続されているのが好ましい。この場合は、配線を簡略化でき、表示装置の更なる低コスト化を図ることができる。
また、上記本発明における第1の表示装置及び第1の検出装置においては、前記環境センサとして、入射した光の強度に応じて起電流を出力する光センサを用いることができる。
上記本発明における第1の表示装置は、複数のアクティブ素子が形成されたアクティブマトリクス基板を更に備え、前記環境センサと、前記可変容量部及び前記制御部のうち少なくとも一方とが、前記アクティブマトリクス基板に形成されている態様とできる。この場合、前記環境センサと、前記可変容量部及び前記制御部のうち少なくとも一方とは、前記複数のアクティブ素子を形成するための工程を用いて、前記アクティブマトリクス基板に形成するのが好ましい。このような態様とすれば、ディスクリート部品として提供される光センサや検出装置を表示装置に実装する場合に比べて、表示装置の製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明における第2の表示装置は、周囲の環境条件に応じて起電流を出力する環境センサと、前記起電流の大きさに応じて電圧信号を出力する検出装置とを備えた表示装置であって、前記検出装置は、前記起電流が出力されると電荷を蓄積して前記電圧信号を発生させる可変容量部を備え、前記可変容量部は、複数の容量素子と、前記複数の容量素子をそれぞれ個別に機能させる信号を前記検出装置の外部から入力するための入力端子とを備え、前記信号の入力によって前記可変容量部の容量が調整されることを特徴とする。
更に、本発明における第2の検出装置は、環境センサが出力した起電流の大きさに応じて電圧信号を出力する検出装置であって、前記起電流が出力されると電荷を蓄積して前記電圧信号を発生させる可変容量部を備え、前記可変容量部は、複数の容量素子と、前記複数の容量素子をそれぞれ個別に機能させる信号を外部から入力するための入力端子とを備え、前記信号の入力によって前記可変容量部の容量が調整されることを特徴とする。
上記本発明における第2の表示装置及び第2の検出装置によれば、制御回路を用いないで可変容量部の容量を調整できる。よって、検出装置における消費電力やレイアウト面積を低減することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における検出装置及びそれを備えた表示装置について、図1〜図9を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態1における検出装置の概略構成について図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における検出装置の概略構成を示す図である。なお、本実施の形態1においては、環境センサ(アンビエントセンサ)として光センサを使用する例について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における検出装置1は、可変容量部2、制御回路3、センシング用スイッチ4、及びリフレッシュ用スイッチ5を備えている。可変容量部2は、背景技術において図21に示した容量部62と同様に、光センサ7と直列に接続されており、光センサ7が起電流IPHを出力すると電荷を蓄積する。また、これにより、蓄積された電荷量に応じた電圧が発生し、光センサ7と可変容量部2とを接続する配線から分岐した出力配線6を介して、電圧信号が出力される(出力電圧V0)。
また、本実施の形態1においても、リフレッシュ用スイッチ5をオン、センシング用スイッチ4をオフにして(図1において破線で示した状態)、可変容量部2のリセットが行われる。また、リフレッシュ用スイッチ5をオフ、センシング用スイッチ4をオンにして、検出が行われる。
但し、本実施の形態1においては、可変容量部2は、背景技術において図21に示した容量部62と異なり、容量を可変できるように構成されている。また、制御回路3は、出力電圧V0に基づいて、可変容量部2の容量を調整する。
ここで、図2及び図3を用いて可変容量部2について説明する。図2は、本発明の実施の形態1の検出装置に備えられた可変容量部の回路構成を示す図である。図2に示すように、本実施の形態1においては、可変容量部2は、複数の容量素子C1〜Cnと、複数のスイッチング素子SW1〜SWnとを備えている。複数の容量素子C1〜Cnは、互いに並列に接続されている。図2中において、容量素子C1〜Cnと共に示された「1、2、4、8、16、・・・、L、M」は、容量素子C1の容量を「1」としたときの各容量素子の容量を示している。
複数のスイッチング素子SW1〜SWnは、複数の容量素子C1〜Cnそれぞれ毎に設けられている。本実施の形態1において、スイッチング素子SW1〜SWnは、対応する容量素子C1〜Cnに直列に接続されている。よって、いずれかのスイッチング素子SW1〜SWnがオンにされると、対応する容量素子C1〜Cnは容量として機能する。
本実施の形態1においては、スイッチング素子SW1〜SWnのオン・オフは、制御回路3からの容量調整用信号S1〜Snによって行われる。また、本実施の形態1では、後述するように、スイッチング素子SW1〜SWnとしてトランジスタ素子(図5参照)が用いられるため、容量調整用信号S1〜Snの論理レベルの切替えによって、スイッチング素子SW1〜SWnがオン・オフされる。
図3は、容量素子の容量の総和と容量調整用信号との関係を示す図である。図3において、「○」は容量調整用信号の論理レベルがハイであること示し、「×」は容量調整用信号の論理レベルがローであることを示している。「K」は全ての容量素子がオンとなったときの容量の総和を示している。図3に示すように、例えば、容量調整用信号S1の論理レベルのみがハイとなった場合は、容量素子C1のみが容量として機能するため、容量素子の容量の総和(可変容量部2の容量)は「1」となる。また、容量調整用信号S2とS3の論理レベルがハイとなった場合は、容量素子C2と容量素子C3とが容量として機能するため、容量素子の容量の総和は「6(=2+4)」となる。
次に、図4及び図5を用いて制御回路3について説明する。図4は、本発明の実施の形態1の検出装置に備えられた制御回路の回路構成を示す図である。図5は、出力電圧V0と可変容量部の容量(容量素子の容量の総和)との関係を示す図である。
図4に示すように、制御回路3は、比較回路41と、論理回路42と、ラッチ回路43とを備えている。比較回路41は、複数の比較器44と、抵抗45とを備えている。抵抗45の一方の極には基準電圧Vref1が印加され、他方の極には基準電圧Vref2が印加されている。また、各比較器44の一方の入力端子には出力電圧V0が入力されている。各比較器44それぞれの他方の入力端子は、抵抗45の異なる箇所に接続されており、各入力端子には異なる電圧レベルの電圧が入力される。
また、各比較器44は、入力された電圧の電圧レベルと出力電圧V0の電圧レベルとを比較し、比較結果に応じて論理レベルハイ又は論理レベルローの信号を出力する。このため、比較回路41においては、出力電圧V0と基準電圧Vref(Vref1−Vref2)との差分値のレベルに応じて、論理レベルハイの信号の数と論理レベルローの信号の数とが増減することになる。
各比較器44が出力した論理信号は、論理回路42に出力され、論理回路42は、nビットのデジタル信号を出力する。このnビットのデジタル信号のデジタル値は、論理レベルハイ又は論理レベルローの信号に数に対応している。言い換えると、論理回路42は、論理レベルハイ又は論理レベルローの信号の数に基いて、出力電圧V0と基準電圧Vref(Vref1−Vref2)との差分値を特定するデジタル信号を生成し、これを出力する。本実施の形態1では、このnビットのデジタル信号が容量調整用信号S1〜Snとなる。また、ラッチ回路43は、制御信号による指示があるまで、論理回路42の出力したデジタル信号を保持する。
また、後述するように、本実施の形態1における検出装置は、表示装置に搭載されている。よって、図4に示す制御信号として、表示装置のドライバの制御を行う制御回路(図3において図示せず、図6参照)が出力する制御信号を利用することができる。また、基準電圧Vref(Vref1及びVref2)は、表示装置内部で使用される電源電圧(図6参照)や、表示装置の他の回路で使用される基準電圧から、抵抗分圧によって生成することができる。更に、制御信号や基準電圧Vrefは表示装置の外部から入力することもできる。また、基準電圧Vref(Vref1及びVref2)の大きさは、製品出荷段階で予め設定されていても良いし、表示装置の利用者等が任意に設定する態様であっても良い。
このように、制御回路3は、出力電圧V0の電圧レベルに応じて、一又は二以上のスイッチング素子SW1〜SWnをオンにして、可変容量部2(図2参照)の容量をフィードバック制御している。つまり、起電流IPHに対して可変容量部2の容量が大きい場合は、制御回路3は、現時点よりも可変容量部2の容量が小さくなるように、一又は二以上のスイッチング素子SW1〜SWnをオンにする。一方、起電流IPHに対して可変容量部2の容量が小さい場合は、制御回路3は、現時点よりも可変容量部2の容量が大きくなるように、一又は二以上のスイッチング素子SW1〜SWnをオンにする。
また、図3に示したように、可変容量部2の容量(容量素子の容量の総和)は、一定の幅で増加又は減少させることができる。このため、図5に示すように、出力電圧V0は線形的に増加又は減少することになる。
以上、図1〜図5を用いて説明したように、本実施の形態1における検出装置1を用いれば、可変容量部2の容量は、制御回路3によって、起電流IPHの大きさに応じた適切な値に調整される。このため、起電流IPHのばらつきによる出力電圧V0の変動が抑制される。また、検出装置1を表示装置に搭載すれば、適切な輝度調整が困難になる事態を回避できる。
なお、図1〜図5においては図示していないが、検出装置1が出力した電圧信号(出力電圧V0)は、例えば、デジタル信号生成回路に入力される。デジタル信号生成回路は、出力電圧V0が出力された時から、予め設定された値に達するまでの時間をカウントし、カウント値をデジタル信号に変換する。このとき、光センサに入射した光の強度が高い程、カウント値は低くなる。よって、例えば、液晶表示装置の場合は、このデジタル信号に基づいてバックライトの輝度調整が行われる。
ここで、本実施の形態1における表示装置について図6〜図9を用いて説明する。先ず、図6を用いて表示装置全体の構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態1における表示装置の概略構成を示す図である。なお、図6に示す表示装置は、図1〜図4に示した検出装置を備えている。
図6に示すように、本実施の形態1における表示装置は、アクティブマトリクス基板101と対向基板103との間に液晶層102を挟みこんで形成した液晶表示装置である。アクティブマトリクス基板101の液晶層102と接触する領域は表示領域である。表示領域には、図示していないが、アクティブ素子(図7参照)と画素電極とを備えた複数の画素がマトリクス状に形成されている。
また、アクティブマトリクス基板101の周辺領域(表示領域以外の領域)には、水平駆動回路(ソースドライバ)104と垂直駆動回路(ゲートドライバ)105とが搭載されている。本実施の形態1においては、水平駆動回路104と垂直駆動回路105とは、アクティブマトリクス基板101のベース基板となるガラス基板(図7参照)上にモノリシックに形成されている。なお、「ガラス基板上にモノリシックに形成される」とは、物理的プロセスおよび/または化学的プロセスにより、ガラス基板上に直接に素子が形成されることを意味し、半導体回路がガラス基板に実装されることを含まない意である。
更に、アクティブマトリクス基板の周辺領域には、光センサ7と検出装置1も搭載されている。更に、光センサ7と検出装置1も、水平駆動回路104及び垂直駆動回路105と同様に、アクティブ素子(図7参照)の形成工程を用いて、アクティブマトリクス基板101のベース基板となるガラス基板(図7参照)上にモノリシックに形成されている。
また、アクティブマトリクス基板101には、FPC106を介して外部基板107が接続されている。外部基板107には、ICチップ108及び109が実装されている。ICチップ109は、表示装置内部で使用される電源電圧を発生させる基準電源回路を備えている。ICチップ108は、水平駆動回路104及び垂直駆動回路105の制御を行うための制御回路を備えている。なお、本実施の形態1において、外部基板107には、ICチップ108及びICチップ109以外のICチップを実装することもできる。
次に、図7を用いてアクティブマトリクス基板の表示領域に形成されたアクティブ素子について説明する。図7は、図6に示す表示装置に備えられたアクティブ素子を示す断面図である。なお、図7において、ガラス基板10についてはハッチングを省略している。
図7に示すように、アクティブ素子110は、シリコン膜111と、ゲート電極112とを備えている。図7の例では、アクティブ素子110はn型のTFTである。よって、シリコン膜111には、TFTのソース又はドレインとなるn型の半導体領域111a及び111cが形成されている。111bは、TFTのチャネルとなるチャネル領域を示している。
ゲート電極112とシリコン膜111との間には第1の層間絶縁膜114が介在している。第1の層間絶縁膜114のゲート電極112の直下にある部分は、ゲート絶縁膜として機能している。また、第1の層間絶縁膜114の上には、ゲート電極112を被覆するように第2の層間絶縁膜115が形成されている。更に、第1の層間絶縁膜114及び第2の層間絶縁膜115を貫通するコンタクトプラグ113aと、コンタクトプラグ113aと接続された電極パターン113bも形成されている。
また、アクティブ素子110において、シリコン膜111は、ガラス基板上にシリコン膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法によるレジストパターンの形成、レジストパターンをマスクとしたエッチングを実施することによって形成される。このとき成膜するシリコン膜は、アモルファスシリコン膜よりも電荷移動度が速いシリコン膜、例えばポリシリコン膜、低温ポリシリコン膜、又はCG(連続粒界結晶)シリコン膜等であるのが好ましい。これは、本実施の形態1においては、水平駆動回路104、垂直駆動回路105、更に検出装置1をガラス基板10上にモノリシックに形成するためである。また、n型の半導体領域111a及び111cは、ヒ素等のn型の不純物をイオン注入することによって形成される。
第1の層間絶縁膜114は、シリコン膜111の形成後に、CVD法によってシリコン窒化膜やシリコン酸化膜を成膜することによって形成される。ゲート電極112は、第1の層間絶縁膜114の上にCVD法等によってシリコン膜等の導電膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法によるレジストパターンの形成、レジストパターンをマスクとしたエッチングを実施することによって形成される。また、第2の層間絶縁膜115は、ゲート電極112の形成後に、第1の層間絶縁膜114と同様に、CVD法によってシリコン窒化膜やシリコン酸化膜を成膜することによって形成される。
コンタクトプラグ113aは、第1の層間絶縁膜114及び第2の層間絶縁膜115を貫通するコンタクトホールを形成した後、コンタクトホール内にタングステン等の導電材料を充填することによって形成される。また、電極パターンは、第2の層間絶縁膜115の上に、導電膜を成膜し、これをフォトリソグラフィとエッチングによってパターニングすることによって形成されている。
また、図6及び図7には示していないが、水平駆動回路104及び垂直駆動回路105は、n型のTFTとp型のTFTとを備えている。これらのTFTも、アクティブ素子110(図7参照)の形成工程を用いてガラス基板10(図7参照)上に形成されている。
次に、図8を用いてアクティブマトリクス基板の周辺領域に形成された光センサ7について説明する。図8は、図6に示した光センサを拡大して示す断面図である。なお、図8においても、ガラス基板10についてはハッチングを省略している。
図8に示すように、本実施の形態1において、光センサ7は、PIN型のフォトダイオードであり、ガラス基板10上に形成されたシリコン膜116を備えている。シリコン膜116には、p型の半導体領域(p層)116aと、真性半導体領域(i層)116bと、n型の半導体領域(n層)116cとが形成されている。なお、本実施の形態1において、光センサ7は、PIN型のフォトダイオードに限定されない。本実施の形態1においては、光センサ7は、光の入射によって起電流を発生させるものであれば良く、その他の光センサ7としては、フォトトランジスタ等が挙げられる。
シリコン膜116は、アクティブ素子110を構成するシリコン膜111(図7参照)と同一のシリコン膜である。シリコン膜116は、シリコン膜111の形成工程により、シリコン膜111と同時に形成される。また、シリコン膜116のn層116c及びp層116aは、アクティブ素子110(図7参照)や、水平駆動回路104、垂直駆動回路105(図6参照)のp型又はn型の半導体領域の形成工程(イオン注入工程)によって形成される。
例えば、シリコン膜116のn層116cは、図7に示したアクティブ素子110の半導体領域111a及び111cの形成工程(イオン注入工程)によって形成できる。アクティブ素子110の半導体領域111a及び111cが、注入条件の異なる複数回のイオン注入によって行われる場合は、この中から、n層116cの形成に最適なイオン注入が選択される。
シリコン膜116のi層116bは、n層116cやp層116aよりも電気的に中性であれば良い。具体的には、i層116bは、これらの不純物濃度が、n層116cの不純物濃度及びp層116aの不純物濃度より薄くなるように形成する。例えば、i層116bは、イオン注入時にi層116bの形成領域にマスクを設けたり、成膜されたシリコン膜が電気的に中性でない場合は、i層116bの形成領域にイオン注入を行ったりすることによって形成できる。また、イオン注入を行う場合は、アクティブ素子110や、水平駆動回路104、垂直駆動回路105の形成時に行われるイオン注入工程の中から、最適な条件のものを選択し、それを利用できる。なお、i層116bは、i層116bとなる領域を電気的に中性にする方法によれば形成でき、形成方法は上記の方法に限定されるものではない。
また、光センサ7の上面には、第1の層間絶縁膜118と第2の層間絶縁膜119とが順に積層されている。第1の層間絶縁膜118、第2の層間絶縁膜119の形成は、図7に示したアクティブ素子110の第1の層間絶縁膜114、又は第2の層間絶縁膜115の形成工程を用いて行われる。
更に、光センサ7においても、p層110a又はn層110bに接続されたコンタクトプラグ117aと、コンタクトプラグ117aに接続された電極パターン117bとが形成されている。コンタクトプラグ117a及び電極パターン117bの形成は、図7に示したアクティブ素子110のコンタクトプラグ113a及び電極パターン113bの形成工程を用いて行われる。
次に、アクティブマトリクス基板101にモノリシックに形成された検出装置1の具体的構成について図9を用いて説明する。図9は、図6に示す可変容量部を拡大して示す図であり、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)中の切断線A−A´に沿って切断した断面図である。なお、図9においては、図2に示した容量素子C1〜Cnうちの一つとスイッチング素子SW1〜SWnのうちの一つとを示している(容量素子Cx及びスイッチング素子SWx:1≦x≦n)。また、図9においても、ガラス基板についてはハッチングを省略している。
図9(a)及び(b)に示すように、容量素子Cx及びスイッチング素子SWxは、図8に示した光センサと同様に、アクティブマトリクス基板(図6参照)のベースとなるガラス基板10に形成されている。本実施の形態1において、容量素子Cxは、第1の金属層11と第2の金属層12とを備えている。第1の金属層11には、容量素子Cxを接地(GND)へと導くための配線13が一体的に形成されている。第2の金属層12には、スイッチング素子SWxと接続するための配線14が一体的に形成されている。
また、図9(b)に示すように、第1の金属層11は第1の層間絶縁膜19の上に形成されている。第1の金属層11と第2の金属層12との間には、第2の層間絶縁膜20が介在しており、第2の層間絶縁膜20における第1の金属層11の直下の部分が誘電体として機能している。なお、図9(a)においては、第1の層間絶縁膜19及び第2の層間絶縁膜20の図示を省略している。
図9の例において、スイッチング素子SWxはn型のトランジスタ素子(TFT)である。スイッチング素子SWxは、シリコン膜16と、ゲート電極15とを備えている。シリコン膜16には、n型の不純物のイオン注入によって、ソース又はドレインとなる半導体領域16a及び半導体領域16cが形成されている。16bは、TFTのチャネルとなるチャネル領域を示している。また、ゲート電極15とシリコン膜16との間にも第1の層間絶縁膜19が介在しており、第1の層間絶縁膜19のゲート電極15の直下にある部分がゲート絶縁膜として機能している。ゲート電極15は、第2の層間絶縁膜20によって被覆されている。
また、スイッチング素子SWxのシリコン膜16の両端には、端子となる配線17及び配線18が一体的に形成されている。配線17は第2の金属層12の配線14と接続されている。よって、ゲート電極15に印加される容量調整用信号Sxの論理レベルがハイとなり、ゲート電極15に高電圧が印加されると、チャネル16bが開き、容量素子Cxは容量として機能する。
また、本実施の形態1において、スイッチング素子SWx(配線17及び配線18を含む)は、図7に示したアクティブ素子110の形成工程を用いて形成されている。第2の金属層12及び配線14は、図7に示したアクティブ素子110のゲート電極112の形成工程を用いて形成されている。第1の層間絶縁膜19及び第2の層間絶縁膜20も、それぞれ、図7に示したアクティブ素子110の第1の層間絶縁膜114及び第2の層間絶縁膜115の形成工程を用いて形成されている。第1の金属層11及び配線13は、アクティブ素子110の電極パターン113bの形成工程を用いて形成されている。
なお、本実施の形態1においては、スイッチング素子SWxとしてn型のTFTを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明においては、スイッチング素子としてp型のTFTを用いることもできる。
以上、図6〜図9を用いて説明したように、本実施の形態1において、光センサ7及び可変容量部2は、アクティブ素子の形成工程を用いて、ガラス基板10上にモノリシックに形成される。また、図6〜図9においては図示していないが、本実施の形態1においては、制御回路3も、ガラス基板10上にモノリシックに形成することができる。よって、本実施の形態1によれば、ディスクリート部品として提供される光センサや検出装置を表示装置に実装する場合に比べて、表示装置の製造コストの低減を図ることができる。
また、図1〜図9を用いて説明した例では、可変容量部2の容量は、制御回路3によって調整されているが、本実施の形態1は、この例に限定されるものではない。本実施の形態1においては、制御回路3を用いないで、可変容量部2の容量を調整する態様とすることもできる。この態様について図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施の形態1において使用される可変容量部の他の例の回路構成を示す図である。図10の例においても、可変容量部2は、複数の容量素子C1〜Cnと、複数のスイッチング素子SW1〜SWnとを備えている。また、複数のスイッチング素子SW1〜SWnは、複数の容量素子C1〜Cnそれぞれ毎に設けられており、スイッチング素子SW1〜SWnのオン・オフは容量調整用信号S1〜Snによって行われる。
但し、図10の例では、図2の例と異なり、スイッチング素子SW1〜SWnそれぞれに、入力端子IT1〜ITnが接続されている。また、入力端子IT1〜ITnを介して、検出装置の外部から容量調整用信号S1〜Snが入力され、可変容量部2の容量が調整される。
このように、図10の例では、容量調整用の制御回路を用いることなく、可変容量部2の容量を調整できる。このため、検出装置における消費電力やレイアウト面積の低減化を図ることができる。また、この態様において、容量調整用信号S1〜Snは、表示装置の制御回路から入力しても良いし、表示装置とは別個の装置から入力しても良い。例えば、容量調整用信号S1〜Snを出力できる信号出力回路を表示装置や検出装置とは別個に設けておき、表示装置の利用者が操作ボタンや操作ダイヤル等を用いて、可変容量部2の容量を調整できる態様とすることもできる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における検出装置及びそれを備えた表示装置について説明する。本実施の形態2における検出装置は、可変容量部の構成の点で、実施の形態1における検出装置と異なる。それ以外の点では、本実施の形態2における検出装置は、実施の形態1における検出装置と同様に構成される。また、本実施の形態2における検出装置も、アクティブ素子(図7参照)の形成工程を用いて、アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板上にモノリシックに形成される。
本実施の形態2における検出装置を構成する可変容量部について図11及び図12を用いて説明する。最初に、図11を用いて可変容量部の回路構成について説明する。図11は、本発明の実施の形態2における検出装置で用いられる可変容量部の回路構成を示す図である。図11に示すように、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、可変容量部2は、複数の容量素子C1〜Cnと、複数のスイッチング素子SW1〜SWnとを備えている。複数の容量素子C1〜Cnは、互いに並列に接続されている。
但し、本実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、複数の容量素子C1〜Cnは、ゲート容量によって構成されている。また、複数の容量素子C1〜Cnの断面構造は実施の形態1と異なっている。
なお、本実施の形態2においても、複数のスイッチング素子SW1〜SWnは、複数の容量素子C1〜Cnそれぞれ毎に設けられ、対応する容量素子C1〜Cnに直列に接続されている。更に、制御回路3(図4参照)による容量調整用信号S1〜Snの論理レベルの切替えによって、スイッチング素子SW1〜SWnがオン・オフされる。また、容量素子C1〜Cn及びスイッチング素子SW1〜SWnは、実施の形態1と同様に、ガラス基板上にモノリシックに形成される。
次に、図12を用いて可変容量部の具体的構成について説明する。図12は、図11に示す可変容量部を拡大して示す図であり、図12(a)は平面図、図12(b)は図12(a)中の切断線B−B´に沿って切断した断面図である。図12においても、図9の例と同様に、図11に示した容量素子C1〜Cnのうちの一つと、スイッチング素子SW1〜SWnのうちの一つとを示している(容量素子Cx及びスイッチング素子SWx:1≦x≦n)。また、図12においても、ガラス基板10についてはハッチングを省略している。
図12(a)及び(b)に示すように、容量素子Cxとスイッチング素子SWxは、ガラス基板10の上に形成されている。本実施の形態2においては、容量素子Cxは、金属層21とシリコン膜22とを備えている。シリコン膜22には、容量素子Cxを接地(GND)へと導くための配線23が一体的に形成されている。また、シリコン膜22には、n型の不純物がイオン注入され、これによりn型の半導体領域22aが形成されている。金属層21には、スイッチング素子SWxと接続するための配線24が一体的に形成されている。
また、図12(b)に示すように、金属層21とシリコン膜22との間には、第1の層間絶縁膜25が介在しており、第1の層間絶縁膜25における金属層21の直下の部分が誘電体として機能している。第1の層間絶縁膜25の上には第2の層間絶縁膜26が形成されている。なお、図12(a)においては、第1の層間絶縁膜25及び第2の層間絶縁膜26の図示を省略している。
また、本実施の形態2において、容量素子Cxを構成するシリコン膜22は、図7に示したアクティブ素子110を構成するシリコン膜111と同一のシリコン膜であり、シリコン膜111の形成工程を用いて形成されている。n型の半導体領域22aは、図7に示したアクティブ素子110のソース又はドレインとなる半導体領域111a及び111cの形成工程(イオン注入工程)を用いて形成されている。
金属層21及び配線24は、図7に示したアクティブ素子110のゲート電極112の形成工程を用いて形成されている。また、第1の層間絶縁膜25及び第2の層間絶縁膜26も、図7に示したアクティブ素子110の第1の層間絶縁膜114及び第2の層間絶縁膜115(図7参照)の形成工程を用いて形成されている。
スイッチング素子SWxは、図9(a)及び(b)に示したものと同様のものであり、n型のトランジスタ素子(TFT)である。本実施の形態2においても、スイッチング素子SWx(配線17及び配線18を含む)は、図7に示したアクティブ素子110の形成工程を用いて形成されている。
このように、本実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、容量素子としてゲート容量を用いている。よって、実施の形態1に比べて、容量素子における単位体積当たりの容量値を増大させることができる。また、本実施の形態2における容量素子と実施の形態1で示した容量素子との容量値が同じである場合、本実施の形態2における容量素子によれば、容量素子の専有面積を小さくすることができる。このため、本実施の形態2によれば、実施の形態1に比べ、更なる表示装置の小型化を図ることができる。
また、本実施の形態2における検出装置は、可変容量部2の構成以外の点では、実施の形態1の検出装置と同様に構成されている。従って、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、起電流IPHのばらつきによる出力電圧V0の変動を抑制でき、表示装置において適切な輝度調整が困難になる事態を回避できる。更に、本実施の形態2における検出装置も、ガラス基板10上にモノリシックに形成できるため、表示装置の製造コストの低減に貢献できる。
本実施の形態2で使用される可変容量部2においては、実施の形態1において図2に示した可変容量部と異なり、容量に電圧依存性がある。このため、シリコン膜22の半導体領域22aの導電型がn型である場合は、出力電圧V0がスレッショールド電圧(閾値電圧)Vthnよりも高くなるように、容量素子C1〜Cnを形成するのが良い。
本実施の形態2において、シリコン膜22の半導体領域22aの導電型はn型であるが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。シリコン膜22には、p型の半導体領域を形成しても良い。なお、シリコン膜22にp型の半導体領域を形成する態様は、ソース・ドレイン間に高電圧が印加され、出力電圧V0とソース・ドレイン間電圧の差がスレッショールド電圧(閾値電圧)Vthpよりも低くなる場合に、有効である。
また、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、制御回路(図4参照)を用いないで、可変容量部2の容量を調整とできる。図13は、本発明の実施の形態2において使用される可変容量部の他の例の回路構成を示す図である。図13に示すように、本実施の形態2においても、スイッチング素子SW1〜SWnそれぞれに入力端子IT1〜ITnを接続し、入力端子IT1〜ITnを介して、容量調整用信号S1〜Snを入力する態様とできる。
図13の例とした場合も、実施の形態1において図10に示した例と同様に、容量調整用の制御回路を用いることなく、可変容量部2の容量を調整できる。従って、検出装置における消費電力やレイアウト面積の低減化を図ることができる。また、容量調整用信号S1〜Snは、表示装置の制御回路から入力しても良いし、表示装置とは別個の装置から入力しても良い。例えば、容量調整用信号S1〜Snを出力できる信号出力回路を表示装置や検出装置とは別個に設けておき、表示装置の利用者が操作ボタンや操作ダイヤル等を用いて、可変容量部2の容量を調整できる態様とすることもできる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における検出装置及びそれを備えた表示装置について説明する。本実施の形態3における検出装置は、可変容量部の構成の点で、実施の形態1及び実施の形態2における検出装置と異なる。それ以外の点では、本実施の形態3における検出装置は、実施の形態1及び2における検出装置と同様に構成される。また、本実施の形態3における検出装置も、アクティブ素子(図7参照)の形成工程を用いて、アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板上にモノリシックに形成される。
最初に、図14〜図16を用いて可変容量部の回路構成について説明する。図14は、本発明の実施の形態3における検出装置で用いられる可変容量部の一例の回路構成を示す図である。図15は、本発明の実施の形態3における検出装置で用いられる可変容量部の他の例の回路構成を示す図である。
図14に示すように、本実施の形態3において、可変容量部2は、実施の形態1及び2において示した複数の容量素子C1〜Cn(図2及び図11参照)の代わりに、複数のトランジスタ素子TN1〜TNnを備えている。本実施の形態3においては、複数のトランジスタ素子TN1〜TNnのゲート容量を容量素子として機能させている。図14の例では、トランジスタ素子TN1〜TNnは、n型のTFT(n−TFT)であるが、図15に示すようにp型のTFT(p−TFT)であっても良い。
また、図14及び図15のどちらの例においても、トランジスタ素子TN1〜TNnのゲートに入力する電圧(ゲート電圧)のレベルの調整によってゲート容量をオン・オフできる。このため、本実施の形態3においては、制御回路3は、トランジスタ素子TN1〜TNnの各ゲートに容量調整用信号S1〜Snを入力し、論理レベルを切替えることによって、即ちゲート電圧のレベルを切替えることによって、ゲート容量をオン・オフしている。
なお、本実施の形態3における制御回路3も、実施の形態1において図4に示した回路構成を備えている。よって、本実施の形態3においても、制御回路3は、出力電圧V0と、基準電圧Vrefとを比較し、比較結果に応じて、各容量調整用信号の論理レベルを切替える。このため、起電流IPHの大きさに応じて、一又は二以上のゲート容量がオンとなり(容量素子として機能し)、可変容量部2の容量は適切な値となる。
ここで、図14及び図15に示したトランジスタ素子TN1〜TNnをゲート容量として使用する場合のゲート電圧について、図16を参照しながら説明する。図16は、トランジスタ素子のゲート容量特性を示す図であり、図16(a)はn−TFTの場合を示し、図16(b)はp−TFTの場合を示している。
先ず、トランジスタ素子TN1〜TNnがn−TFTの場合について説明する。n−TFTの場合のスレッショールド電圧(閾値電圧)をVthn(Vthn>0)、ゲート容量をオンにする場合の容量調整用信号S1〜Snの電圧(ゲート電圧)をVG、出力電圧V0とVGとの差をVGS(=VG−V0)とする。この場合、トランジスタ素子TN1〜TNnがゲート容量として機能するためには、下記式(1)が満たされて、トランジスタ素子TN1〜TNnが強反転領域で動作する必要がある。
(数1)
VGS−Vthn>0・・・・・(1)
例えば、スレッショールド電圧(閾値電圧)Vthnが1[V]の場合であるならば、上記式(1)より、VGSが1[V]より大きな値であれば、トランジスタ素子はゲート容量として機能する。
また、出力電圧V0が0[V]〜4[V]の範囲で変動する場合、これを上記式(1)に代入すると、{VG−(0〜4)}−1>0となり、VG>(1〜5)[V]に書き換えることができる。よって、VGを5[V]より大きな値に設定したときは、トランジスタ素子はゲート容量として機能する。
また、図16(a)に示すように、n−TFTの場合、ゲート容量の容量値は、VGSがスレッショールド電圧Vthnに達するまでは急激に上昇し、VGSがスレッショールド電圧Vthn以上となった場合は略横ばい状態となる。このことから、VGSがスレッショールド電圧Vthnよりも大きな値の領域では、一定した容量値を得ることが可能となる。
次に、トランジスタ素子TN1〜TNnがp−TFTの場合について説明する。p−TFTの場合のスレッショールド電圧(閾値電圧)をVthp(Vthp<0)とする。この場合、トランジスタ素子TN1〜TNnがゲート容量として機能するためには、下記式(2)が満たされて、トランジスタ素子TN1〜TNnが強反転領域で動作する必要がある。
(数2)
VGS−Vthp<0・・・・・(2)
例えば、スレッショールド電圧(閾値電圧)Vthpが−1[V]の場合であるならば、上記式(1)より、VGSが1[V]より小さな値であれば、トランジスタ素子はゲート容量として機能する。
また、出力電圧V0が0[V]〜4[V]の範囲で変動する場合、これを上記式(2)に代入すると、{VG−(0〜4)}−(−1)<0となり、VG<(1〜3)[V]に書き換えることができる。よって、VGを1[V]より小さな値に設定したときは、トランジスタ素子はゲート容量として機能する。
また、図16(b)に示すように、p−TFTの場合、ゲート容量の容量値は、VGSが負の方向においてスレッショールド電圧Vthpに達するまでは急激に上昇し、VGSが負の方向においてスレッショールド電圧Vthp以上となった場合は略横ばい状態となる。このことから、VGSが負の方向においてスレッショールド電圧Vthpよりも大きな値の領域では、一定した容量値を得ることが可能となる。
このように、本実施の形態3においては、ゲート容量をオンにする場合の容量調整用信号S1〜Snの電圧VGは、出力電圧V0と、使用されるトランジスタ素子TN1〜TNnのスレッショールド電圧とを考慮して設定するのが良い。また、トランジスタ素子TN1〜TNnとして、n型及びp型のいずれを使用するかは、出力電圧V0とVGとの関係に基いて決定すれば良い。
次に、図17及び図18を用いて可変容量部の具体的構成について説明する。図17は、図14に示す可変容量部の具体的構成を拡大して示す平面図である。図18は、図17中の切断線C−C´に沿って切断した断面図である。図17及び図18においては、図14に示したトランジスタ素子TN1〜TNnのうちのTN1〜TN4のみを図示している。また、図18においても、ガラス基板10についてはハッチングを省略している。
図17及び図18に示すように、トランジスタ素子TN1〜TN4は、アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板10の上に形成されている。本実施の形態3において、トランジスタ素子TN1〜TN4それぞれは、シリコン膜と、ゲート電極とを備えている。
また、図14及び図15に示したように、トランジスタ素子TN1〜TN4の容量は、それぞれ、「1」、「2」、「4」、「8」に設定されている。このため、トランジスタ素子TN2のゲート電極312、トランジスタ素子TN3のゲート電極313及びトランジスタ素子TN4のゲート電極314の面積は、それぞれ、トランジスタ素子TN1のゲート電極311の面積の2倍、4倍、8倍に設定されている。同様に、トランジスタ素子TN2のシリコン膜322、トランジスタ素子TN3のシリコン膜323及びトランジスタ素子TN4のシリコン膜324の面積も、それぞれ、トランジスタ素子TN1のゲートシリコン膜321の面積の2倍、4倍、8倍に設定されている。
また、トランジスタ素子TN1〜TN4のシリコン膜321〜324は、配線33を介して互いに直列に接続されている。トランジスタ素子TN1のシリコン膜321には、光センサ(図示せず)と接続するための配線34が接続されている。本実施の形態3において、シリコン膜321〜324、各配線33及び配線34は、ガラス基板10上に成膜された一つのシリコン膜から一体的に形成されている。具体的には、これらは、図7に示したアクティブ素子110のシリコン膜111の形成工程を用いて一体的に形成されている。
また、トランジスタ素子TN1〜TN4のシリコン膜321〜324には、ソースとして機能するn型の半導体領域32aと、ドレインとして機能するn型の半導体領域32cとが形成されている。更に、半導体領域32aと半導体領域32cとの間のチャネル領域にも、n型の半導体領域32bが形成されている。半導体領域32bの不純物濃度は、半導体領域32a及び32cに比べて低濃度に設定されている。
また、トランジスタ素子TN1〜TN4は、チャネル領域にも半導体領域32bを備えるため、ソースとドレインとが完全に分離したトランジスタ(例えば、図7、9、11に示したトランジスタ素子)に比べてゲート容量の容量値を高めることができる。また、トランジスタ素子TN1〜TN4においては、ソースとドレインとが、半導体領域32bによって、分離されないで接続されている。このため、全てのトランジスタ素子がゲート容量として機能していなくても、電圧信号(出力電圧V0)は、シリコン膜321〜324と各配線33とを経由して伝送される。
また、トランジスタ素子TN1〜TN4の容量の違いから、トランジスタ素子TN2〜TN4の半導体領域32a〜32cの総面積は、それぞれ、トランジスタ素子TN1の半導体領域32a〜32cの面積の2倍、4倍、8倍となっている。更に、トランジスタ素子TN2〜TN4においては、半導体領域32a〜32cは複数個所に分けて形成されている。半導体領域32a及び半導体領域32cは、図7に示したアクティブ素子110のn型の半導体領域111a及び111cの形成工程を用いて形成されている。
また、トランジスタ素子TN2〜TN4においては、複数個所に形成された半導体領域32a〜32cに対応するため、ゲート電極312〜314は、配線36によって接続された複数個の電極片31で形成されている。例えば、TN4のゲート電極314は、8個の電極片31を配線36で接続することによって形成されている。更に、トランジスタ素子TN1〜TN4のゲート電極311〜314には、容量調整用信号S1〜S4を供給するための配線35が接続されている。本実施の形態3において、各電極片31、各配線36、及び各配線35は一体的に形成されている。具体的には、これらは、図7に示したアクティブ素子110のゲート電極112の形成工程を用いて一体的に形成されている。
各トランジスタ素子TN1〜TN4において、シリコン膜321〜324とゲート電極311〜314との間には、第1の層間絶縁膜36が介在している。第1の層間絶縁膜36におけるゲート電極311〜314の直下の部分は、ゲート絶縁膜として機能している。第1の層間絶縁膜36の上には第2の層間絶縁膜37が形成されている。なお、図17においては、第1の層間絶縁膜36及び第2の層間絶縁膜37の図示を省略している。第1の層間絶縁膜36及び第2の層間絶縁膜37の形成も、それぞれ、図7に示したアクティブ素子110の第1の層間絶縁膜114及び第2の層間絶縁膜115の形成工程を用いて行われている。
このように、本実施の形態3によれば、実施の形態1及び2と異なり、容量素子とは別にスイッチング素子を設ける必要がない。よって、可変容量部2の部品点数を削減でき、検出装置及び表示装置のコストの低減を図ることができる。また、検出装置を搭載するために必要な面積を実施の形態1及び2に比べて小さくできるため、表示装置の小型化にも貢献できる。
また、本実施の形態3における検出装置は、可変容量部2の構成以外の点では、実施の形態1の検出装置と同様に構成されている。従って、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、起電流IPHのばらつきによる出力電圧V0の変動を抑制でき、表示装置において適切な輝度調整が困難になる事態を回避できる。更に、本実施の形態3における検出装置も、ガラス基板10上にモノリシックに形成できるため、表示装置の製造コストの低減に貢献できる。
また、本実施の形態3においても、実施の形態1及び2と同様に、制御回路(図4参照)を用いないで、可変容量部2の容量を調整とできる。図19及び図20は、本発明の実施の形態3において使用される可変容量部の他の例の回路構成を示す図である。図19及び図20の例においても、可変容量部2は、複数のトランジスタ素子TN1〜TNnを備えている。また、複数のトランジスタ素子TN1〜TNnのゲート容量を容量素子として機能させている。図19の例では、トランジスタ素子TN1〜TNnとしてn型のTFTが使用されている。図20の例では、トランジスタ素子TN1〜TNnとしてp型のTFTが使用されている。
図19及び図20のどちらの例においても、トランジスタ素子TN1〜TNnのゲートそれぞれに、入力端子IT1〜ITnが接続されている。また、実施の形態1及び2で示した例と同様に、入力端子IT1〜ITnを介して、検出装置の外部から容量調整用信号S1〜Snが入力され、可変容量部2の容量が調整される。
このように、図19及び図20の例においても、実施の形態1において図10に示した例と同様に、容量調整用の制御回路を用いることなく、可変容量部2の容量を調整できる。このため、検出装置における消費電力やレイアウト面積の低減化を図ることができる。また、容量調整用信号S1〜Snは、表示装置の制御回路から入力しても良いし、表示装置とは別個の装置から入力しても良い。例えば、容量調整用信号S1〜Snを出力できる信号出力回路を表示装置や検出装置とは別個に設けておき、表示装置の利用者が操作ボタンや操作ダイヤル等を用いて、可変容量部2の容量を調整できる態様とすることもできる。
ところで、上記実施の形態1〜3においては、本発明の検出装置を液晶表示装置に搭載する例について説明しているが、本発明において検出装置を搭載する表示装置は液晶表示装置に限定されるものではない。本発明における表示装置は、EL表示装置であっても良い。また、上記実施の形態1〜3においては、アンビエントセンサとして光センサが使用される例について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明においては、アンビエントセンサは、周囲の環境条件に応じて起電流を出力するものであれば良く、その他、温度センサであっても良い。