JP4931303B2 - クリーニングユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はクリーニングユニットおよび画像形成装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
被清掃体を清掃するクリーニング装置は従来より各種の技術分野における機械、装置に広く採用されている。例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ、等として構成される画像形成装置においては、像担持体の表面を清掃するクリーニング装置や、像担持体を帯電させる帯電ローラの周面を清掃するクリーニング装置、あるいは転写ベルトの表面を清掃するクリーニング装置等がそれぞれ用いられている。
【０００３】
このようなクリーニング装置として、被清掃体の表面に当接するブラシを有するブラシローラを備えたクリーニング装置が広く利用されている（例えば特開平７−１４０７６３号公報参照）。従来この種のクリーニング装置は、ブラシローラを駆動装置によって回動駆動し、被清掃体表面に接触するブラシの線速と、その被清掃体表面の線速とに差をもたせ、当該ブラシによって被清掃体表面に付着した異物を掻き取ることにより、その表面を清掃するように構成されている。
【０００４】
ところが、この構成によると、ブラシローラを駆動する駆動装置が必要となるだけでなく、一般にブラシの倒れといわれるブラシ繊維の永久変形を抑えるため、ブラシの食い込み量を規制する手段を設ける必要がある。このため、クリーニング装置のコストが上昇し、かつその構造が複雑化する欠点を免れない。ブラシの食い込み量とは、ブラシローラのブラシを被清掃体の表面に圧接させたとき、そのブラシローラの半径方向におけるブラシの最大変形量であり、従来のブラシローラの場合には、この食い込み量が適正範囲内となるように規制することによって、ブラシの倒れを抑制していた。
【０００５】
そこで上記クリーニング装置の従来の欠点を除去するため提案されたのが、本願出願人が提案した特願２００１―０１７１５０号に示すようなクリーニング装置である。このクリーニング装置におけるブラシローラは、ブラシの長さを短くし、高密度にすることでブラシの倒れを防止し、ブラシローラの自重によりブラシを被清掃体に当接させてブラシローラを被清掃体と連れ回りするようにしている。
【０００６】
このため、ブラシの食い込み量規制もいらず、駆動手段もいらないので低コスト、省スペースを実現できた。このブラシローラは寿命に関しても、ある程度満足な結果が得られているが、それは以下に述べる理由による。
【０００７】
すなわち、ブラシロールのブラシは、繊維長さが短いため、帯電ローラの表面に圧接して弾性変形した繊維は、ブラシローラの回転に伴い被清掃体である帯電ローラから離れる。そうすると、ブラシの繊維は、瞬時にして元の形態に弾性復帰するので、このときの衝撃によって繊維の先端部に付着したトナーが当該繊維から飛び出ると考えられるためである。
【０００８】
ところが、ブラシローラのブラシに付着した異物等が高湿環境で吸湿しブラシから取れにくい状況下にあったり、大量のトナーが一度にブラシに付着するような状況下ではブラシローラの清掃能力は低下し，結果として被清掃体が汚れて異常画像の原因となってしまう。
【０００９】
また、最近市場ではランニングコスト低減が強く求められているため、部品、ユニット等の長寿命化が必要となってくる。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記不具合を解消し、課題を達成するために提案されたものであり、ブラシローラのブラシに付着した異物等が高湿環境で吸湿しブラシから取れにくい状況下であったり、大量のトナーが一度にブラシに付着するような状況下でも、ブラシローラの清掃能力が低下するのを防止し、被清掃体が汚れて異常画像の原因となってしまうのを防止することすることを第一の目的とし、ブラシローラをユニット化することにより、長寿命化を図ると共に交換を容易かつ迅速に行い得るようにすることを第二の目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１の発明は、被清掃体の表面に当接し得るようにしたブラシを有するブラシローラと、該ブラシローラを自重によって前記被清掃体の表面に当接し得るよう案内すると共に回動可能に支持する軸受部と、前記ブラシローラのブラシ先端に当接して当該ブラシ先端に付着したトナーを除去するための板状のマイラーによるフリッカーとを、該フリッカーによって除去したトナーを収納する収納空間を有するケーシングにセットし、前記板状のマイラーによるフリッカーが前記ケーシングの開口部下縁に取付けられたクリーニングユニットを最も主要な特徴とする。
また、請求項２の発明は、請求項１記載のクリーニングユニットを備えて構成された画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【００１４】
請求項１にかかるクリーニングユニットによれば、被清掃体にフリッカーを当接させているため、高湿環境下で吸湿した異物等がブラシに付着したり、大量のトナーが一度にブラシに付着したような場合でも、ブラシローラの清掃能力が低下することがなく、被清掃体を常時清浄に保持することができる。
【００１５】
また、請求項１にかかるクリーニングユニットよれば、ブラシローラ、ケーシング、フリッカーがユニット化されているため、プロセスカートリッジ内や画像形成装置本体内を汚す虞がなく、従って、画像形成装置の長寿命を実現でき、また、ユニット化されているため、交換を迅速に行うことができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図１は本発明のクリーニング装置が適用された画像形成装置の一例を示す断面図であり、画像形成装置は、電子複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの少なくとも２つの機能を備えた複合機等として構成されるものである。
【００１８】
図１に示す画像形成装置は、ドラム状の感光体として構成された像担持体１を有し、画像形成動作の開始に伴って、像担持体１は矢印Ａ方向に回転駆動される。このとき、像担持体１の表面に対向配置された帯電ローラ２が、図示していない駆動装置により、又は像担持体１の表面の移動に従動して矢印Ｂ方向に回転する。帯電ローラ２は、芯金３と、そのまわりに固定された弾性体４とにより構成され、かかる帯電ローラ２が上述のように回転するとき、その芯金３に所定極性の帯電電圧が印加され、これによって像担持体１の表面が所定の極性に帯電される。
【００１９】
帯電ローラ２は、図１に示す如く、像担持体１の表面に圧接していてもよいが、像担持体１の表面から微小間隙をあけ、像担持体１に対して非接触状態で位置していてもよい。帯電された像担持体１の表面には、露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット（図示せず）から出射する光変調されたレーザビームＬＢが照射され、これによって像担持体１の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置５によりトナー像として可視像化される。ここに示した現像装置５は、粉体状の現像剤Ｄを収容した現像ケース６と、現像剤Ｄを担持して搬送する現像ローラ７を有し、矢印Ｃ方向に回転駆動される現像ローラ７の周面に担持された現像剤のトナーが像担持体１に形成された静電潜像に静電的に移行し、該潜像がトナー像として可視像化される。
【００２０】
像担持体１には、矢印Ｅ方向に駆動される転写ベルト８が対向配置され、図示していない給紙部から給送された転写紙Ｐは、この転写ベルト８に担持されて搬送される。転写紙Ｐが像担持体１と転写ベルト８の間の転写領域を通るとき、転写ベルト８を挟んで像担持体１に対向配置された転写装置９に転写電圧が印加され、これによって像担持体１の表面に形成されたトナー像が転写紙Ｐ上に静電的に転写される。像担持体１上に形成されたトナー像を中間転写体に転写し、その転写トナー像を転写紙に転写するように構成することもできる。
【００２１】
トナー像転写後の像担持体１の表面に付着した転写残トナーは、像担持体１の表面に圧接したクリーニングブラシ１０とクリーニングブレード１１のクリーニング部材によって掻き取り除去される。一方、トナー像を転写された転写紙Ｐは、図示していない定着装置を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写紙上に定着される。
【００２２】
図１に示す画像形成装置においては、像担持体１、帯電ローラ２、クリーニングブラシ１０及び後述するブラシローラ１２が、ユニットケース１３に回転自在に組み付けられ、しかもクリーニングブレード１１の基端部がユニットケース１３に固定され、これらの要素によって一体的なユニット１４が構成されている。このユニット１４を、画像形成装置本体に固定されたガイドレール１５に沿って手前側に引き出し、又は奥側に押し込んで、当該ユニット１４を所定の位置に装填することができる。クリーニングブラシ１０、クリーニングブレード１１、及びユニットケース１３の一部により構成されたクリーニングケース１６によって、像担持体１の表面を清掃する像担持体１用のクリーニング装置１７が構成されている。
【００２３】
上述の如き画像形成動作が行われるとき、クリーニングブレード１１をすり抜けたトナーや、画像形成装置本体内に浮遊するトナー等の異物が帯電ローラ２の周面に付着する。これを放置したとすると、像担持体１の帯電むらや帯電不良が発生し、像担持体１上に形成されるトナー像の画質が劣化する。
【００２４】
そこで、本図示例の画像形成装置には、前述のブラシローラ１２を備えた帯電ローラ用のクリーニング装置１８が設けられている。このブラシローラ１２は、帯電ローラ２に対して平行に延び、金属又は硬質樹脂等の剛体より成る芯軸１９とこの芯軸１９の周面に基端部が固定された多数の繊維より成るブラシ２０を有している。かかるブラシ２０が、図１に示すように、被清掃体、この例では帯電ローラ２の表面に当接する。
【００２５】
ここに示したブラシローラ１２は、そのブラシ２０が当該ブラシローラ１２の自重によって被清掃体、すなわち帯電ローラ２の表面に当接し、かつその被清掃体の表面の移動に従動して矢印Ｇ方向に回転するように配置されている。
【００２６】
具体的には、図１に示すように、ユニットケース１３の奥側の側板１３Ａと、手前側の側板（図示せず）に軸受部材２１がそれぞれ固定され、その各軸受部材２１には下部が開放したガイドスロット２２がそれぞれ形成され、その各ガイドスロット２２にブラシローラ１２の芯軸１９の長手方向各端部が、回転自在に、かつそのガイドスロット２２に沿って矢印Ｆ方向（被清掃体の表面に対して接近又は離間する方向）（図２参照）に摺動自在に嵌合している。
【００２７】
ブラシローラ１２は帯電ローラ２の上部領域に位置し、かつその芯軸１９の各端部がガイドスロット２２に摺動自在に嵌合しているのでブラシローラ１２は、そのブラシ２０が、当該ローラ１２の自重によって帯電ローラ２の表面に当接する。しかも、芯軸１９の各端部がガイドスロット２２に回転自在に嵌合しているので、帯電ローラ２が矢印Ｂ方向に回転するとき、ブラシローラ１２は帯電ローラ２の表面の移動に従動して矢印Ｇ方向に回転することができる。ブラシローラ１２が帯電ローラ２の回転に対して連れ回わりし、このとき帯電ローラ２の表面に当接したブラシ２０が帯電ローラ２の表面に付着したトナーを除去し、当該表面を清掃する。
【００２８】
図２及び図３は本発明の実施の形態の一例であり、図２は図１に示すブラシロールの部分の拡大図、図３は図１に示すブラシロールの部分の拡大図の他の例である。図２、３中、図１と同一の符号のものには同一の符号が付してある。
【００２９】
図２に拡大して示すように、クリーニング装置１８側におけるユニットケース１３の内壁面から、リブ状のフリッカー１８−１をユニットケース１３内側に向けて突出させ、該フリッカー１８−１を、ブラシローラ１２のブラシ２０の外周に、ブラシ２０を若干押圧するよう、当接させる。フリッカー１８−１のブラシローラ１２軸線方向長さは、ブラシローラ１２におけるブラシ２０の全幅よりも僅かに長く延在している。
【００３０】
図３に示すようにクリーニング装置１８側におけるユニットケース１３の内壁面にユニットケース１３内側に向けて、短いリブ１８−２を突出させ、リブ１８−２にマイラーを貼りつけ、該マイラーをブラシローラ１２のブラシ２０に当接するように構成してフリッカー２３とすることもできる。この場合も、フリッカー２３のブラシローラ１２軸線方向長さは、ブラシローラ１２におけるブラシ２０の全幅よりも僅かに長く延在している。
【００３１】
画像形成動作時には、上述のように、駆動されているか若しくは像担持体１の表面の移動に従動して回転している帯電ローラ２により、ブラシローラ１２は矢印Ｇ方向へ回転する。この際、フリッカー１８ー１または２３はブラシ２０に当接しているため、ブラシローラ１２のブラシ２０に付着したトナー等の異物はフリッカー１８−１または２３の先端で掻き取られる。
【００３２】
本図示例によれば、高湿環境で吸湿した異物等がブラシ２０に付着したり、大量のトナーが一度にブラシ２０に付着したような場合でも、ブラシローラ１２の清掃能力が低下することがなく、被清掃体、本例では帯電ローラ２を常時清浄に保持することができる。
【００３３】
図４及び図５は本発明の請求項１に対応するクリーニングユニットの実施の形態の一例で、図４はクーリングユニットの斜視図、図５は断面図である。クリーニングユニットは、図４、５に示すように、ブラシローラ１２と、ブラシローラ１２に対向する面が幅全体に亘り開口し、ブラシローラ１２より掻き取ったトナー等の異物を収納し得るようにした収納部２５−１を有するケーシング２５と、ケーシング２５の左右両側に取付けられてブラシローラ１２の芯金部を保持し、ブラシローラ１２を回転可能に支持する軸受部２５−２と、ケーシング２５の開口部下縁に取付けられてブラシローラ１２へ向けて突出し、先端部がブラシローラ１２のブラシ２０に当接するようにしたフリッカー２３とを備えており、帯電ローラを２有するプロセスカートリッジにセットし得るように構成されている。
【００３４】
軸受部２５−２には、ケーシング２５側から帯電ローラ２側へ向けて斜め下方へ延在する長孔が設けられており、従って、ブラシローラ１２は自重により下降しようとするため、ブラシローラ１２のブラシ２０は所定の押圧力で帯電ローラ２の外周に当接し得るようになっている。
【００３５】
クリーニングユニットをプロセスカートリッジにセットして画像画成動作が行われると、上述のように、駆動されているか若しくは像担持体１の表面の移動に従動して回転している帯電ローラ２により、ブラシローラ１２は矢印Ｇ方向へ回転する。この際、フリッカー１８ー１または２３はブラシ２０に当接しているため、ブラシローラ１２のブラシ２０に付着したトナー等の異物はフリッカー１８−１または２３の先端により掻き取られる。掻き取られたトナーは収納部２５−１に溜まるのでプロセスカートリッジ内や画像形成装置本体内を汚す虞がない。従って、画像形成装置の長寿命化を図ることができる。また、ユニット化されているため、交換を迅速に行うことができる。
【００３６】
図６は本発明に対応するクリーニングユニットの実施の形態の他の例で、図６はクーリングユニットの斜視図である。図４、図５では、フリッカーは板状であったが、本例では、図６に示すようにフリッカー２６の形状をスクリュー形状とすると共にブラシの全幅よりも若干長く構成し、図示せぬ駆動手段によって回転させ得るようになっている。
【００３７】
画像画成動作時には、スクリュー形状のフリッカー２はブラシ２０に当接した状態で回転しながブラシ２０に付着したトナーを掻き取り、掻き取られたトナーはフリッカー２６の回転によってケーシング２７の奥側に送られる。ケーシング２７の奥端部には図示してないが開口があり、ケーシング２７の奥側に送られてきたトナーは図示せぬ画像形成装置本体内に設けられた廃トナータンクに排出される。これによってブラシローラ１２もケーシング２７におけるトナーの収納部２７−１も絶えず新品と同様の状態を保持できるため長寿命を実現できる。この図示例においても、また、ユニットと成っているため、交換を迅速に行うことができる。
【００３８】
なお、本発明のクリーニング装置及びクリーニングユニットは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００３９】
【発明の効果】
本発明の請求項１にかかるクリーニングユニットによれば、高湿環境下で吸湿した異物等がブラシに付着したり、大量のトナーが一度にブラシに付着したような場合でも、ブラシローラの清掃能力が低下することがなく、被清掃体を常時清浄に保持することができる。
【００４０】
また、本発明の請求項１にかかるクリーニングユニットによれば、プロセスカートリッジ内や画像形成装置本体内を汚す虞がなく、従って、画像形成装置の長寿命を実現でき、また、ユニット化されているため、交換を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態のクリーニング装置が適用された画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図２】 本発明の実施形態のクリーニング装置の一例で、図１に示すブラシロールの部分の拡大図である。
【図３】 本発明の実施形態のクリーニング装置の他の例で、図１に示すブラシロールの部分の他の例の拡大図である。
【図４】 本発明のクーリングユニットの実施の形態の一例の斜視図である。
【図５】 図４の断面図である
【図６】 本発明のクーリングユニットの実施の形態の他の例の断面図である。
【符号の説明】
２ 帯電ローラ（被清掃体）
１２ ブラシローラ
２０ ブラシ
１８−１ フリッカー
２３ フリッカー
２５ ケーシング
２５−１ 収納部（収納空間）
２５−２ 軸受部
２６ フリッカー
２７ ケーシング
２７−１ 収納部（収納空間）

Claims (2)

1. 被清掃体の表面に当接し得るようにしたブラシを有するブラシローラと、該ブラシローラを自重によって前記被清掃体の表面に当接し得るよう案内すると共に回動可能に支持する軸受部と、前記ブラシローラのブラシ先端に当接して当該ブラシ先端に付着したトナーを除去するための板状のマイラーによるフリッカーとを、該フリッカーによって除去したトナーを収納する収納空間を有するケーシングにセットし、前記板状のマイラーによるフリッカーが前記ケーシングの開口部下縁に取付けられたことを特徴とするクリーニングユニット。
2. 請求項１記載のクリーニングユニットを備えて構成されたことを特徴とする画像形成装置。

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