JP4930923B2 - 多機能飛行体 - Google Patents

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本発明は、テールローターレスのヘリコプターや垂直離着陸できる飛行体の機能を備えた多機能飛行体に関し、特に、胴体に主ローターと制御翼と尾翼と操縦室とを備え安定した操縦飛行と大きな浮揚力が得られるように改良された新規な多機能飛行体に係るものである。
近年、テールローターレスのヘリコプターや垂直離着陸できる飛行体が離着陸用の広い滑走路を持たなくても良いことから、その需要が高まっている。
特に、最近は、テールローターレスの小型・簡易型の1人乗りヘリコプターが提案されている。これは、テールローター動力無しで反動トルクと方向転換のコントロール及び従来テールローターで使っていた動力分の効率向上を図ったものである。その構成は、可変整流翼(1)をシングルローター・ヘリコプターのメインローター(2)の中心を軸にしてメインローター(2)の下に付けたもので、従来のシングルローター・ヘリコプターとメインローター(2)や胴体(3)は同じだが、テールローターが無く、反動トルクのコントロールと方向転換にはメインローター(2)下の可変整流翼(1)で行うものである。これにより、従来のシングルローター・ヘリコプターのテールローターに使われていた動力分の高効率化が達成できる他、テールローターへの動力伝達や可変ピッチなどの機構が無くなり簡素化できるヘリコプターである(例えば、特許文献1参照。)。
また、別のヘリコプターは、運転席以下に複数のモーターをおき、その複数のモーターの軸の内側と外側に、複数のプロペラを取り付けた輪状回転軸を取り付けたものである。またハンドルバーの先端にバッテリーを取り付けたものである。上記の複数のモーターは、同重量、同馬力のものが好ましく、また、上部と下部のプロペラの数も同数個で、大きさも重量も同じものが好ましい。そして、2本のハンドルバーの先端にバッテリーを取り付けたものは、動力部カバーボディーの直径の端から前後にスライド式となっている。プロペラ部を囲む動力部カバーボディーはどの様なかたちでも良いが、軽くて丈夫な材質が良いとしたものである(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−70898号 特開2007−91187号
上記従来の特開平11−70898号のヘリコプターは、可変整流翼をシングルローター・ヘリコプターのメインローターの中心を軸にしてメインローターの下に付けたもので、従来のシングルローター・ヘリコプターとメインローターや胴体は同じだが、テールローターが無く、反動トルクのコントロールと方向転換にはメインローター下の可変整流翼で行うものであり、テールローターを省略することが可能である。しかしながら、その操縦方法とその機構は、従来のシングルローター・ヘリコプターと同じだとして開示されていない。従って、どの様な操縦機構と操縦方法に依存しているのかの新規なヘリコプターとして完成していないと言う問題点が指摘できる。
また、別の特開2007−91187号の円盤状飛行機は、運転席以下に複数のモーターをおき、その複数のモーターの軸の内側と外側に、複数のプロペラを取り付けた輪状回転軸を取り付けたものであり、特開平11−70898号と同じく、テールローターを省略することが可能である。しかしながら、その操縦方法とその機構は、全く開示されていないから、どの様な操縦機構と操縦方法に依存しているのかの新規な円盤状飛行機として完成していないと言う問題点が指摘される。
更には、上記ヘリコプターや円盤状飛行機においては、浮揚力の分力(胴体を進行方向へ傾斜させて得られる推力)によって飛行させるものである。これにより、飛行速度が遅くしかも操縦室が飛行方向に傾斜して下方に傾き低くなり、飛行時に必要以上の不安感を与える。そして、垂直離着陸飛行機においては、飛行機の機体は水平姿勢のままで離着陸するから、大型機では広い離着陸基地が必要であるし、小型機でも狭い敷地内で離着陸ができない事となる。
本発明は、上記ヘリコプターや円盤状飛行機や垂直離着陸機に見られる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、胴体に主ローターと制御翼と尾翼と操縦室とを備え安定した操縦飛行と大きな浮揚力が得られるように改良された新規な多機能飛行体を提供するものである。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による多機能飛行体は、胴体の上部には浮揚力及び推進力を得る主ローターと胴体の旋回抑制力及び浮揚力を得る右可変翼と左可変翼とからなる制御翼とを備え、上記右可変翼と左可変翼は、垂直飛行時に主ローターの回転方向と対面する正面側を平坦面となし回転方向の背面側を凸状面となし、水平飛行時に右可変翼と左可変翼との凸状面を上方に姿勢制御するサーボ制御系を備え、胴体の中腹部に備える操縦室は、胴体の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢を維持させる垂直姿勢制御系を備え、胴体の下部には胴体の姿勢及び推力方向を制御する水平尾翼と垂直尾からなる尾翼を備えた多機能飛行体において、
上記右可変翼と左可変翼の支持構成は、胴体から左右に突出させた作動棒に右可変翼と左可変翼との中腹部が支持され、上記作動棒は、この各軸幹に取付けたベベルギアと右可変翼駆動サーボモータのベベルギアと左可変翼駆動サーボモータのベベルギアとが噛み合わされ、上記右可変翼駆動サーボモータと左可変翼駆動サーボモータとの回転制御により上記右可変翼と上記左可変翼とが旋回されて、上記凸状面を横向きにした垂直飛行と上記凸状面を上方にした水平飛行とに切替え可能とし、上記右可変翼駆動サーボモータと左可変翼駆動サーボモータは、操縦桿からの情報を入力するサーボ制御系によって制御され、
上記胴体の中腹部に設けた操縦室は、胴体に球状の外壁体を付設し、この外壁体内で自由に揺動できるように支持部材で支持され、操縦室の外壁に付設したラック棒にパイロットルーム姿勢制御サーボモータのピニオンを噛合させ、上記操縦室には、水平姿勢探知手段を備え、胴体の垂直姿勢・水平姿勢に係らず操縦室を常に垂直姿勢を維持させるべく、垂直姿勢制御系が水平姿勢探知手段からの傾き情報を入力し、傾きを零に補正すべくパイロットルーム姿勢制御サーボモータを正逆回転させ、
上記胴体の下部に備える尾翼は、一枚の三角形の水平尾翼と二枚の三角形の垂直尾翼からなり、胴体の下 端部に設けたギヤ列に吊り下げられ、上記ギヤ列は、水平尾翼と二枚の垂直尾翼を揺動させる水平尾翼駆動サーボモータと垂直尾翼駆動サーボモータの各回転軸に連結され、上記水平尾翼駆動サーボモータと垂直尾翼駆動サーボモータは、上記操縦室内に備える操縦桿により回転駆動され、胴体を垂直姿勢と水平姿勢に姿勢制御するほか、飛行方向や上昇・下降飛行・ホバリング・胴体の旋回及び旋回抑制を行うことを特徴とするものである。
すなわち、本発明の請求項1の多機能飛行体は、胴体の上部に浮揚力及び推進力を得る主ローターと胴体の旋回抑制力及び浮揚力を得る制御翼を備えている。上記制御翼の右可変翼と左可変翼は、垂直飛行時に主ローターの回転方向と対面する正面側を平坦面となし回転方向の背面側を凸状面となし垂直姿勢に固定したままで、主ローターからの空気流を受けて反動トルクを打ち消して胴体の旋回をなくせる。更に、サーボ制御系により、水平飛行時に右可変翼と左可変翼との凸状面を上方に姿勢制御されるから、安定した水平飛行が高速度で行われる。
これにより、上記多機能飛行体は、垂直姿勢の状態での安定した離着陸が可能である。更に、上記操縦室は、垂直姿勢制御系を備えているから、胴体の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢に維持させることができ、操縦室に乗る人の姿勢を安定した垂直姿勢に保持させられる。そして、胴体の下部に備える尾翼は、水平尾翼と垂直尾翼からなり、胴体を垂直姿勢と水平姿勢に制御させられるとともに、水平姿勢にした状態での安定した飛行姿勢と飛行方向の制御が行える。
本発明の多機能飛行体によると、操縦桿を備えた操縦室に乗る人の操作により、狭い敷地での垂直姿勢による離着陸ができるとともに、一旦離陸するとホバリングや垂直飛行ができる。この垂直姿勢の飛行時に、制御翼を垂直姿勢に固定したままで良く、その制御系が不要になる上、より安定した飛行ができる。また、胴体を水平姿勢として通常の飛行機のように、制御翼を主翼とし水平尾翼と垂直尾翼による安定した高速飛行ができる。また、上記操縦室は、垂直姿勢制御系を備えているから、胴体の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢に維持させることができ、操縦室に乗る人の姿勢を安定した垂直姿勢に保持できる。
以下、図1乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は多機能飛行体の垂直姿勢時の斜視図、図2は制御翼の作用図、図3は多機能飛行体の垂直飛行時の正面図、図4は垂直姿勢での水平飛行時の正面図、図5は水平飛行時の正面図である。
本発明の多機能飛行体100は、下記のように構成されている。まず、図1に示すように、全体構成は、胴体1の上部(前部)1Aには浮揚力F及び推進力F1を得る大径の主ローター10と胴体1の旋回抑制力F2及び浮揚力Fを得る二枚の制御翼11とを備えている。上記制御翼11は、右可変翼11Aと左可変翼11Bとからなり、その断面形状は効率の良い浮揚力を発生させる航空機の主翼断面と同一形状になっている。即ち、図1と図2に示すように、上記右可変翼11Aと左可変翼11Bは、垂直飛行時に主ローター10の回転方向と対面する正面側を平坦面Aとなし回転方向の背面側を凸状面Bとなし、水平飛行時に右可変翼と左可変翼との凸状面を上方に姿勢制御するサーボ制御系S0を備えている。尚、胴体1に加速度計Kを備え、加速度K0の有無(大・小)により胴体の振れまわし状況を感知し、凸状面Bの形状を制御させ、振れまわしを抑制させても良い。上記胴体1の中腹部1Bには操縦桿SKを備えた操縦室3を備えている。上記操縦室3は、垂直姿勢制御系SSを備え胴体1の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢を維持させる。上記胴体1の下部1Cには胴体1の姿勢及び推力方向F1を制御する水平尾翼12Aと垂直尾翼13A,13Bからなる尾翼14とを、備えたものからなる。
続いて、上記多機能飛行体100の各構成を詳細に説明する。主ローター10は、胴体1の上部(前部)1Aに装備した駆動源(エンジン又は電動モータ)Dの回転軸5の先端に取付けられている。図示では、上記主ローター10は、2枚羽根構成であるが、3枚羽根構成や4枚羽根構成とすることができる。しかして、上記主ローター10は、この浮揚力Fを発生させる回転方向(矢印の左回転のトルクTa)によって回転駆動される。この時に、胴体1に回転反力F1が発生する。尚、上記駆動源(電動モータ又はエンジン)Dの蓄電池又は燃料収納室は、操縦室3の床下に配置されている。
上記主ローター10の下側となる胴体1には、二枚構成の制御翼11を備えている。図1と図2に見るように、制御翼11の右可変翼11Aと左可変翼11Bは、垂直姿勢の胴体1に対して、垂直姿勢に配置されている。これで、多機能飛行体100を飛行させた時に、胴体1が旋回しない静止姿勢を維持する。その原理は、主ローター10の回転により発生する回転反力F1を、制御翼11に当たる気流Eで発生するトルクTbの反力(旋回抑制力)F2を凸状面B側の方向に均等に発生させ、回転反力F1と逆向きに打ち消し合うようにしている。上記右可変翼11Aと左可変翼11Bの支持構成は、胴体1から左右に突出させた作動棒20,21に右可変翼11Aと左可変翼11Bとの中腹部が支持されている。上記作動棒20,21は、この軸幹に取付けたベベルギアBG1,BG2と右可変翼駆動サーボモータSM1のベベルギアBG3と左可変翼駆動サーボモータSM2のベベルギアBG4とが噛み合わされ、上記右可変翼駆動サーボモータSM1と左可変翼駆動サーボモータSM2との回転制御により上記右可変翼11Aと上記左可変翼11Bとが旋回されて、垂直飛行(凸状面Bを横向きにする)と水平飛行(凸状面Bを上方にする)とを切替える。なお、上記右可変翼駆動サーボモータSM1と左可変翼駆動サーボモータSM2は、操縦桿SKからの情報を入力するサーボ制御系S0によって制御される。
上記胴体1の中腹部1Bに設けた操縦室3は、胴体1に球状の外壁体3Aを付設しており、この外壁体3A内で自由に揺動できるように支持部材(複数の球体支持部材等からなる)30で支持されていて、操縦室3の外壁に付設したラック棒3Bにパイロットルーム姿勢制御サーボモータSM3のピニオン3Cが噛合っている。また、上記操縦室3には、水平姿勢探知手段31を備え、胴体1の垂直姿勢・水平姿勢に係らず操縦室3を常に垂直姿勢を維持させるべく、垂直姿勢制御系SSが水平姿勢探知手段31からの傾き情報を入力し、傾きを零に補正すべくパイロットルーム姿勢制御サーボモータSM3を正逆回転する。
上記胴体2の下部に備える尾翼14は、一枚の三角形の水平尾翼12Aと二枚の三角形の垂直尾翼13A,13Bからなり、胴体1の下端部1Cに設けたギヤ列G1,G2に吊り下げられている。上記ギヤ列G1,G2は、水平尾翼12Aと二枚の垂直尾翼13A,13Bを揺動させる水平尾翼駆動サーボモータSM4と垂直尾翼駆動サーボモータSM5の回転軸D1,D2に連結されている。上記水平尾翼駆動サーボモータSM4と垂直尾翼駆動サーボモータSM5は、上記操縦室3内に備える操縦桿SKにより回転駆動され、機体(胴体)1を垂直姿勢と水平姿勢とすべく、姿勢制御する。また、飛行方向や上昇・下降飛行・ホバリング・胴体の旋回及び旋回抑制も制御する。更に、水平飛行時は、上記制御翼11が二枚の主翼となるように、操縦桿SKによりその傾きが制御される。しかして、胴体が垂直姿勢時には、主ローター10から吹き下げられる気流Eにより傾けられた尾翼14の水平尾翼12Aの側面12Bを押して胴体1を傾け、これにより浮揚力Fの一部で作られる推進力F3を発生させ水平方向へ移動する飛行力を作り出す。また、上記尾翼14により、胴体を垂直姿勢として上昇又は下降又はホバリング状態に制御される。更には、水平尾翼12Aの側面12Bを押して胴体1を水平姿勢にまですれば、ヘリコプターの斜め推進力F3による飛行から、完全に水平飛行の推進力F4が得られる。
本発明の多機能飛行体100は、上記のように構成され、以下のように作用する。まず、図1〜図5に示すように、垂直姿勢の多機能飛行体100は、主ローター10の駆動力(トルクTa)により、主ローター10は左回転(反時計方向回転)して空気流Eを下方へ吹き降ろす気流で浮揚力Fが発生するとともに、主ローター10の左回転に対向する右回転の回転反力F1が胴体1に発生する。他方、主ローター10から吹き降ろす気流Eが下側に備えた垂直姿勢の右可変翼11Aと左可変翼11Bとの回転方向と対面する正面側の平坦面Aと回転方向の背面側の凸状面Bを通過する。この時、凸状面B側に外向きの反力(旋回抑制力)F2(トルクTb)を発生させる。これで、上記主ローター10の回転反力F1を打ち消す方向(反時計方向)にトルクTb及び回転反力(旋回抑制力)F2は、上記主ローター10の回転反力F1に均等(F1=F2)になるように、凸状面Bの形状が微細に調節される。尚、その僅かな不均等(プラス側又はマイナス側)を作り出すことにより、胴体をゆっくり右旋回(F1>F2)又は左旋回(F1<F2)させられる。勿論、胴体1の旋回防止は、サーボ制御系S0に繋がる胴体1に備えた加速度計Kからの加速度K0により水平尾翼12Aまたは垂直尾翼13A,13Bの捻れ量αを微調節して胴体の振れ回しを防止できるし、ゆっくりと旋回させられる。
更に、図3に示すように、上記胴体2の下部に備えた尾翼14は、その方向を垂直真下とすれば、胴体1を垂直姿勢として上昇又は下降又はホバリング状態に制御される。上記各状態は、主ローター10の回転数による浮揚力Fの制御により行われる。また、図4に示すように、胴体1を任意な方向に傾けて水平方向に進める推進力F3を発生させるには、水平方向に進めたい方向側へ尾翼14における水平尾翼12Aを水平尾翼駆動サーボモータSM4により、根元部12Cで旋回(傾斜角θ)させて折り曲げれば、この傾斜面12Bに上記主ローター10からの気流Eが当たりここで作り出され水平尾翼12Aを押し込む力F4が胴体2の下端側を傾けた側とは反対側へ傾かせる。その結果として、主ローター10が作り出す浮揚力Fの一部が胴体1を傾かせた側への推進力F3(F3=F/tanθ)となり、この推進力F3で多機能飛行体100を水平方向へ進めることが出来る。従って、上記水平尾翼12Aの方向制御により、水平方向への推進力F3が調節できる。また、多機能飛行体100の推進方向を変えるには、垂直尾翼13A,13Bを左右に振ることで行われる。上記右可変翼11Aと上記左可変翼11Bの傾斜角度の調節でも行われる。
更に、図5に示すように、多機能飛行体100を垂直姿勢の離陸姿勢から、高速飛行が可能な水平姿勢の飛行に移行するには、パイロットが操縦室3内に備える操縦桿SKにより行われる。その操作方法は、操縦桿SKで水平尾翼12Aを水平尾翼駆動サーボモータSM4により、根元部12Cで大きく旋回(傾斜角θ)させる。これで、尾翼14側の胴体が浮揚力Fを得て水平姿勢にまで姿勢制御されたところで、水平尾翼12Aの旋回(傾斜角θ)を緩めて水平飛行が維持できる状態とする。これと同時に、サーボ制御系S0が右可変翼11Aと左可変翼11Bとを多機能飛行体100の主翼姿勢にするとともに同一断面形状(凸状面Bの膨らみ側を上にして)に制御させて安定した水平姿勢に飛行させる。更に、上記操縦室3は、垂直姿勢制御系SSが水平姿勢探知手段31からの傾き情報を入力し、傾きを零に補正すべくパイロットルーム姿勢制御サーボモータSM3を正逆回転させ、胴体1の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢を維持させる。尚、制御翼11には浮揚力Fを発生させ、主ローター10には推進力F4が発生させる。
本発明の多機能飛行体100の実施の形態によると、下記の効果が奏せられる。まず、操縦桿SKを備えた操縦室3に乗る人の操作により、狭い敷地での垂直姿勢による離着陸が胴体の旋回を起こさせることなく安定してできるとともに、一旦離陸するとホバリングや垂直飛行ができる。この垂直姿勢の飛行時に、制御翼を垂直姿勢に固定したままで良く、その制御系が不要になる上、より安定した飛行ができる。更に、胴体を水平姿勢として通常の飛行機のように、制御翼を主翼とし水平尾翼と垂直尾翼による安定した高速飛行ができる。また、上記操縦室は、垂直姿勢制御系を備えているから、胴体の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢に維持させることができ、操縦室に乗る人の姿勢を安定した垂直姿勢に保持できる。
本発明の第1の実施の形態を示し、多機能飛行体の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、制御翼の作用図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、多機能飛行体の垂直飛行時の正面図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、垂直姿勢状態での水平飛行の正面図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、水平飛行時の正面図である。
1 胴体
1A 上部(前部)
1B 中腹部
1C 下部
3 操縦室
3A 外壁体
3B ラック棒
3C ピニオン
5 回転軸
10 主ローター
11 制御翼
11A 右可変翼
11B 左可変翼
12A 水平尾翼
12B 側面
12C 根元部
13A,13B 垂直尾翼
14 尾翼
20,21 作動棒
30 支持部材(複数の球体支持部材)
31 水平姿勢探知手段
100 多機能飛行体
B 凸状面
BG1,BG2 ベベルギア
BG3 ベベルギア
D 駆動源(エンジン又は電動モータ)
E 気流
F 浮揚力
F1 主ローターの回転反力
F2 回転反力(旋回抑制力)
F3 推進力
F4 推進
G1,G2 ギヤ列
K 加速度計
K0 加速度
M 道路地図
SK 操縦桿
S0 サーボ制御系
SM1 右可変翼駆動サーボモータ
SM2 左可変翼駆動サーボモータ
SM3 パイロットルーム姿勢制御サーボモータ
SM4 水平尾翼駆動サーボモータ
SM5 垂直尾翼駆動サーボモータ
SS 垂直姿勢制御系
Ta,Tb トルク
θ 旋回(傾斜角)
α 捻れ

Claims (1)

  1. 胴体の上部には浮揚力及び推進力を得る主ローターと胴体の旋回抑制力及び浮揚力を得る右可変翼と左可変翼とからなる制御翼とを備え、上記右可変翼と左可変翼は、垂直飛行時に主ローターの回転方向と対面する正面側を平坦面となし回転方向の背面側を凸状面となし、水平飛行時に右可変翼と左可変翼との凸状面を上方に姿勢制御するサーボ制御系を備え、胴体の中腹部に備える操縦室は、胴体の垂直姿勢又は水平姿勢に係りなく常に垂直姿勢を維持させる垂直姿勢制御系を備え、胴体の下部には胴体の姿勢及び推力方向を制御する水平尾翼と垂直尾からなる尾翼を備えた多機能飛行体において、
    上記右可変翼と左可変翼の支持構成は、胴体から左右に突出させた作動棒に右可変翼と左可変翼との中腹部が支持され、上記作動棒は、この各軸幹に取付けたベベルギアと右可変翼駆動サーボモータのベベルギアと左可変翼駆動サーボモータのベベルギアとが噛み合わされ、上記右可変翼駆動サーボモータと左可変翼駆動サーボモータとの回転制御により上記右可変翼と上記左可変翼とが旋回されて、上記凸状面を横向きにした垂直飛行と上記凸状面を上方にした水平飛行とに切替え可能とし、上記右可変翼駆動サーボモータと左可変翼駆動サーボモータは、操縦桿からの情報を入力するサーボ制御系によって制御され、
    上記胴体の中腹部に設けた操縦室は、胴体に球状の外壁体を付設し、この外壁体内で自由に揺動できるように支持部材で支持され、操縦室の外壁に付設したラック棒にパイロットルーム姿勢制御サーボモータのピニオンを噛合させ、上記操縦室には、水平姿勢探知手段を備え、胴体の垂直姿勢・水平姿勢に係らず操縦室を常に垂直姿勢を維持させるべく、垂直姿勢制御系が水平姿勢探知手段からの傾き情報を入力し、傾きを零に補正すべくパイロットルーム姿勢制御サーボモータを正逆回転させ、
    上記胴体の下部に備える尾翼は、一枚の三角形の水平尾翼と二枚の三角形の垂直尾翼からなり、胴体の下端部に設けたギヤ列に吊り下げられ、上記ギヤ列は、水平尾翼と二枚の垂直尾翼を揺動させる水平尾翼駆動サーボモータと垂直尾翼駆動サーボモータの各回転軸に連結され、上記水平尾翼駆動サーボモータと垂直尾翼駆動サーボモータは、上記操縦室内に備える操縦桿により回転駆動され、胴体を垂直姿勢と水平姿勢に姿勢制御するほか、飛行方向や上昇・下降飛行・ホバリング・胴体の旋回及び旋回抑制を行うことを特徴とする多機能飛行体。
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