JP4930666B2 - 電動ホッチキスにおけるステープルカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動ホッチキスに着脱可能にされるとともに、多数のステープルを収容したカートリッジ本体の前端部に設けられたステープルの打ち込み用の打出通路を形成しているフェースプレートを、カートリッジ本体に対して前方に引き出すようにスライド可能及び回転可能にカートリッジ本体に支持させた電動ホッチキス用のステープルカートリッジに関する。
【0002】
モータの駆動によりドライバを駆動してマガジン部に装填されたステープルを順次打ち出すようにした電動ホッチキスにおいては、マガジン部へのステープルの装填を容易にするため、多数のステープルを収容したステープルカートリッジを電動ホッチキスのマガジン部に装着して、ステープルカートリッジ内のステープルを順次ドライバにより打ち出してステープル止めを行うようにしたカートリッジタイプのものが知られている。ステープルカートリッジには多数のステープルを収容する収容部と、このステープルの先頭の一本を被綴じ用紙に向けて打ち出すための打出通路が形成されており、該打出通路は前記収容部の前方壁とマガジンの前端部に取り付けられたフェースプレートとの間に形成されている。ホッチキスの本体側に設けられたモータによって往復駆動されるドライバはこのカートリッジの打出通路内に進入して該通路に臨んでいるステープルをコ字形に成形して打ち出し、綴じ用紙を貫通したステープルの脚先端をクリンチャによって折り曲げるようにされている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前述のホッチキスにおいては、使用するステープルのサイズに応じて綴じ用紙の厚さが規制されており、規制された厚さよりも被綴じ用紙を厚く挿入してしまった場合には、ドライバによって打出通路から打ち出されるステープルの脚が綴じ用紙を貫通できず、座屈してしまい前記打出通路内に詰まってしまうことが希に発生する。この場合には、詰まったステープルを打出通路内から除去するために、フェースプレートを移動又は回転させて前記打出通路を解放させる作業が必要となる。従来のカートリッジにおいては、フェースプレートがステープルカートリッジの先端に回転可能に軸支されているため、詰まった針を除去するためにフェースプレートを回転操作する際に詰まった針の針先に指が触れて怪我をするおそれがあった。また、フェースプレートを軸支するための支点軸とこの支点軸を保持するための機構が必要であり機構を複雑化していた。この種のステープルカートリッジはカートリッジ内に収容したステープルを消費した後には廃棄するように設計されており、複雑な機構を採用したカートリッジはコストアップとなるという問題があった。
【0004】
本発明は、ステープルの打出通路内で詰まってしまったジャムステープルを安全に容易に除去することが可能であり、更に使用後に廃棄する使い捨てのカートリッジとして構成が簡単で安価に製造できるステープル用のカートリッジを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明のステープルカートリッジは、モータ駆動されるドライバによってステープルカートリッジに収容されたステープルを綴じ用紙に向けて打ち出し、綴じ用紙を貫通したステープルの脚を前記ドライバと対向して配置されたクリンチャによって折り曲げるようにした電動ホッチキスにおいて、前記ステープルカートリッジは、多数のステープルを収容するカートリッジ本体と、該カートリッジ本体の前端部に前記ドライバによって打ち出されるステープルの打出通路を形成しているプラスチック製のフェースプレートを備え、該フェースプレートの両側縁から後方に向けて支持片を一体に形成し、該支持片に形成した突起部をカートリッジ本体の前端部両側面に形成した前後方向に長い凹部内に係合させ、フェースプレートをカートリッジ本体に対して前方に引き出すようにスライド可能及び回転可能にカートリッジ本体に支持させたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。図1は本発明のステープルカートリッジを装着した電動ホッチキスを示すもので、この実施例の電動ホッチキスは、例えばコピー機、印刷機又はファックス機等の装置内に組み込まれて、コピー、印刷又はファックス受信した所定枚数の用紙を自動的に綴じ合わせるようにした機器内蔵型の電動ホッチキスである。電動ホッチキス1はフレーム2の下部内に駆動源となる電動モータとこれによって駆動されるドライバ及びステープルを成型するためのフォーミングプレートが収容されており、フレーム2の上部には前記ドライバによって打ち出されて綴じ用紙を貫通したステープルの脚部を折り曲げるクリンチャアーム3が揺動可能に支持されている。
【0007】
図2及び図3に示すようにステープルカートリッジ4はフレーム2の後方から前記クリンチャアーム3とドライバとの間に形成されているマガジン部へ挿入される。ステープルカートリッジ4の後端部には、ステープルカートリッジ4をフレーム2に装着又は離脱するためにフレーム2から露出して配置されるノブ5が形成されている。図4及び図5に示すように、ステープルカートリッジ4は、断面がほぼコ字状に成形されたカートリッジ本体6と、該カートリッジ本体6内に収容される直状のステープル素材7aを多数並べて接着した平面状のシートステープル7、該シートステープル7をカートリッジ本体6の底部に押圧させる板バネ8及び、上面の開口部を閉鎖するカバー9によって構成されている。
【0008】
なお、この実施例では、ステープルカートリッジ4内に装填されるステープル素材7aはコ字形に成形される前の直状の形状であり、ドライバによって綴じ用紙に打ち出される直前にフォーミングプレートによりコ字形に成形されるものである。なお、図において、16はカートリッジ本体6内に収容したシートステープル7を前方に向けて供給する送り機構の爪をカートリッジ内のシートステープル7の下面に係合させるためにカートリッジ本体6の底部に形成した開口であり、17はカートリッジ内のシートステープルの有無を検出する検出器をシートステープル7に係合させるための開口、また、18はステープルカートリッジ4を電動ホッチキスのフレーム2に装着した状態で固定するためのフックである。19は逆止爪であり、カートリッジ本体6内で図5における左側に向けて送られていくシートステープル7が逆行するのを防止するためのものである。
【0009】
ステープルカートリッジ4の前端部には、カートリッジ本体6の前壁と協働してドライバによってステープルカートリッジ4から打ち出されるステープルを綴じ用紙へ向けて案内するための打出通路11を形成しているフェースプレート10が設けられている。フェースプレート10は、フェースプレート10の両側縁から後方に向けて一体に形成されている支持片12と、両支持片12の端部内側に向けて突出形成されている係止突起13によってカートリッジ本体6の前端部側面に係合されている。カートリッジ本体6の前端部両側面には前記支持片12に対応した前後方向に長い凹部14が形成されており、凹部14の中央部底面には凹部を前後方向に二分するように縦方向の凸条15が底面から隆起させて形成されている。フェースプレート10の両支持片12の係止突起13が前記カートリッジ本体6の凹部14内に収容されることにより、フェースプレート10がカートリッジ本体6に対してスライドかつ回転可能に支持される。
【0010】
図6に示すように、ステープルカートリッジ4が電動ホッチキス1に装着されている状態では、フェースプレート10の支持片12に形成された係止突起13は、カートリッジ本体6の凹部14内の凸条15より後端側(図6における右側)に配置されており、この状態でフェースプレート10とカートリッジ本体6の前壁によって適切な打出通路11が形成されている。打出通路11内にジャムしたステープルが詰まった場合には、ステープルカートリッジ4を電動ホッチキス1のフレーム2から引き出して、図7に示すようにフェースプレート10の支持片12の係止突起13を凹部14内でスライドさせて係止突起13が凸条15を乗り越えて凹部14の前方側(図7における左側)に配置されるように、フェースプレート10をカートリッジ本体6に対して前方に引き出して打出通路11を開く。更に続けて図8に示すようにフェースプレート10を係止突起13を中心として回転させることにより、打出通路11の前面が開放されて打出通路11内に残されているジャムステープルを容易に除去することが可能となる。また、フェースプレート10は、プラスチック製であるため、弾力があり、図6の状態からフェースプレート10を上に引き上げるだけでも係止突起13が自動的に凸条15を乗り越えてフェースプレート10が回転し、図8の状態になる。
【0011】
【発明の効果】
本発明のステープルカートリッジは、打出通路11を形成するフェースプレート10を、カートリッジ本体に6対してスライドかつ回転が可能に支持させているので、打出通路11内にムステープルが詰まった場合でも、フェースプレート10の引き出し操作と回転操作が一度の操作でスムースに行えて打出通路11を開放でき、ジャムステープルに指先が触れる等して怪我をする恐れが無く、ジャムステープルの除去が安全にかつ容易に行える。また、フェースプレート10の両側縁から係止突起13部を形成した支持片12を一体に成形して、カートリッジ本体6に形成した凹部14内に係止突起13を嵌合させるだけの簡単な構成であるので、製造コストが低くでき、安価なステープルカートリッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステープルカートリッジを装着した電動ホッチキスの斜視図
【図2】同じ実施例のステープルカートリッジの側面図
【図3】同じ実施例のステープルカートリッジの上面図
【図4】本発明のステープルカートリッジの縦断側面図
【図5】本発明のステープルカートリッジの分解斜視図
【図6】フェースプレートが通常状態に配置されているステープルカートリッジの主要部の横断平面図
【図7】フェースプレートをスライドさせた状態の図6と同じ横断平面図
【図8】図7の状態からフェースプレートを更に回転させた状態の図6と同じ横断平面図
【符号の説明】
1 電動ホッチキス
2 フレーム
3 クリンチャアーム
4 ステープルカートリッジ
5 ノブ
6 カートリッジ本体
7 シートステープル
8 板バネ
9 カバー
10 フェースプレート
11 打出通路
12 支持片
13 係止突起
14 凹部
15 凸条
Claims (1)
- モータ駆動されるドライバによってステープルカートリッジに収容されたステープルを綴じ用紙に向けて打ち出し、綴じ用紙を貫通したステープルの脚を前記ドライバと対向して配置されたクリンチャによって折り曲げるようにした電動ホッチキスにおいて、前記ステープルカートリッジは、多数のステープルを収容するカートリッジ本体と、該カートリッジ本体の前端部に前記ドライバによって打ち出されるステープルの打出通路を形成しているプラスチック製のフェースプレートを備え、該フェースプレートの両側縁から後方に向けて支持片を一体に形成し、該支持片に形成した突起部をカートリッジ本体の前端部両側面に形成した前後方向に長い凹部内に係合させ、フェースプレートをカートリッジ本体に対して前方に引き出すようにスライド可能及び回転可能にカートリッジ本体に支持させたことを特徴とする電動ホッチキスにおけるステープルカートリッジ。
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