JP4929620B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵または温蔵した缶入り飲料、ペットボトル飲料等の商品を販売する自動販売機に関するものである。
従来から冷蔵または温蔵した缶入り飲料、ペットボトル飲料等の商品を販売する自動販売機は、断熱筐体を成す本体キャビネットの収容庫に冷却/加熱ユニットと送風ファンとを設置するとともに、庫内を循環した空気を効率的に冷却/加熱ユニットに供給する通風ダクトを構成するダクトパネルを庫内背面に沿って設置していた。
このダクトパネルを本体キャビネットに簡単に取り付けるために、ダクトパネルの上部中央に係止爪、下部中央にネジ座を設けるとともに、庫内背面を構成する背面パネルに、係止爪およびネジ座とそれぞれ対向するように係止穴およびネジ穴を形成し、係止穴に係止爪を係止した後、ネジ座とネジ穴とをネジ止めした自動販売機が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、背面パネル等を設けることなく、断熱材が収容庫の内部に露出した、いわゆる内箱レスと称される自動販売機が提案されている。この内箱レスの自動販売機は、背面パネルを有しないので、背面パネルに係止穴、ネジ穴を設けることもできない。そこで、ダクトパネルの中央部にいわゆる返しを有する鋭利な係止爪を設け、庫内背面をなす断熱材にこの係止爪を突き刺すことにより、ダクトパネルを取り付けていた。そして、断熱材とダクトパネルとにより構成した通風ダクトにより、空気を冷却/加熱ユニットに供給していた。
特開平09−293169号公報
しかしながら、内箱レスの自動販売機をなす断熱材が真空断熱材の場合には、係止爪を突き刺すことにより、断熱材の断熱性能が低下するという問題が生じていた。
また、庫内背面をなす断熱材にダクトパネルを取り付ける場合、特に収容庫の奥行きが深い場合には、手が届きにくいために、正確な取り付けが困難となり、ダクトパネルと断熱材との間に隙間が生じうる。さらに、庫内を温蔵または冷蔵する熱の影響により、あるいは、経年変化により、庫内背面をなす断熱材が変形し、ダクトパネルと断熱材との間に隙間が生じうる。
たとえば、図14−1が従来のダクトパネルPが断熱材に正常に取り付いた状態を示す正面図とすると、ダクトパネルPの取り付け不良により、図14−2に示すように、従来のダクトパネルPが断熱材に傾いて取り付き、ダクトパネルPと床板Fとの間に隙間が空いた状態となりうる。
また、図15−1が従来のダクトパネルPが断熱材Dに正常に取り付いた状態を示す側面図とすると、ダクトパネルPの取り付け不良、あるいは断熱材Dの変形により、図15−2に示すように、従来のダクトパネルPの上下方向上側において断熱材Dとの間に隙間が空いた状態、図15−3に示すように、従来のダクトパネルPの上下方向下側において断熱材Dとの間に隙間が空いた状態となりうる。また、取り付け方によっては、図15−4に示すように、従来のダクトパネルDの下縁と床板Fとの間に隙間が空いた状態となりうる。さらに、上下方向において庫内側が凸となるように断熱材Dが変形した場合には、図15−5に示すように、ダクトパネルPの上側と下側とに隙間が生じ、上下方向において庫内側が凹となるように断熱材Dが変形した場合には、図15−6に示すように、ダクトパネルPの中央に隙間が生じることになる。
また、図16−1が従来のダクトパネルPが断熱材Dに正常に取り付けた状態を示す平面図とすると、ダクトパネルPの取り付け不良、あるいは断熱材Dの変形により、図16−2に示すように、ダクトパネルPの側部において断熱材Dとの間に隙間が生じうる。さらに、隙間が生じない場合であっても、左右方向において庫内側が凸となるように断熱材Dが変形した場合には、図16−3に示すように、通気断面積が減少し、左右方向において庫内側が凹となるように断熱材Dが変形した場合には、図16−4に示すように、通気断面積が増大することになる。
このように通風ダクトを構成するダクトパネルPと断熱材Dとの間に隙間が生じた場合、あるいは、通風ダクトの通気断面積が増減した場合には、通風ダクトの通気抵抗が変動し、自動販売機は想定した性能を発揮できなかった。
本発明は、上記実情に鑑みて、通風ダクトの通気抵抗を維持することにより、想定した性能を継続して発揮することができる自動販売機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる自動販売機は、床板に配設した送風ユニットから商品を収納した商品収納ラックを経由して、前記送風ユニットに空気を供給する通風ダクトを備えた自動販売機において、前記通風ダクトを、床板の後縁から起立するように、床板と一体に設けられ、商品収容庫を画成する背壁に沿って配設される背面パネルと、該背面パネルと組み合わさるように、該背面パネルの前面に取り付けられたダクトパネルとにより構成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項2にかかる自動販売機は、上記請求項1において、前記商品収容庫に前記床板取り付けることにより、前記通風ダクトを前記商品収容庫に固定したことを特徴とする。
また、本発明の請求項3にかかる自動販売機は、上記請求項1または2において、送風ユニットに向けて通気断面積が増大する態様で、前記通風ダクトを構成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項4にかかる自動販売機は、請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記通風ダクトが、奥行き寸法が20mm以下で、幅寸法が150mm以上の矩形形状の通気断面を有することを特徴とする。
本発明にかかる自動販売機は、通風ダクトを、床板の後縁から起立するように、床板と一体に設けられ、商品収容庫を画成する背壁に沿って配設される背面パネルと、該背面パネルと組み合わさるように、該背面パネルの前面に取り付けられたダクトパネルとにより構成したので、断熱材が変形した場合でも通風ダクトの通気断面積が増減することがないので、通気抵抗も変動することがなく、想定した性能を継続して発揮できる。
また、本発明にかかる自動販売機は、商品収容庫に床板を取り付けることにより、通風ダクトを商品収容庫に固定したので、商品収容庫の内部で通風ダクトを組み立てる必要がなく、効率的な組立作業を実現できる。
また、本発明にかかる自動販売機は、送風ユニットに向けて通気断面積が増大する態様で通風ダクトを構成したので、送風ユニットの手前で通気抵抗を低減でき、送風ユニットに効率的に空気を供給できる。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる自動販売機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、本発明の実施例1にかかる自動販売機について説明する。本発明の実施例1にかかる自動販売機は、冷凍機にスターリング冷凍機を採用したものである。
図1〜図3はそれぞれ本発明の実施例1にかかる自動販売機を示したものであり、図1は外扉2と内扉3を取り外した状態を示す自動販売機の正面図、図2は図1に示した自動販売機の側断面図、図3は図1に示した自動販売機の要部を拡大した拡大正面断面図である。これら図1〜図3において、自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって構成したもので、前面が開口した直方状の断熱筐体である。この本体キャビネット1には、図2に示すように、前面に外扉2と内扉3とが設けてあり、その内部に、たとえば、二つの断熱仕切板4により仕切られた三つの独立した商品収容庫5a,5b,5cが左右に並んだ態様で配設してある。より詳細に説明すると、外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を閉塞するものであり、内扉3は、商品収容庫5a,5b,5cの前面を閉塞するものである。商品収容庫5a,5b,5cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に保持した状態で収容するものである。
上記本体キャビネット1の内部において商品収容庫5a,5b,5cの外部となる機械室9には、スターリング冷凍機10と、冷却器21と、放熱装置(放熱ユニット)22とが配設してある。スターリング冷凍機10は、機械室9の内部に横置きに載置してあり、稼動することにより冷熱を発生する冷却端11と、高熱を発生する放熱端12とを有している。
冷却器21は、機械室9の内部に配設してあり、スターリング冷凍機10の冷却端11からの冷熱を熱交換ダクト23まで伝達して、該熱交換ダクト23の内部の空気を冷却するものである。この冷却器21について詳細に説明すると次のようなものである。
冷却器21は、熱伝達手段としてのヒートパイプを有している。ヒートパイプは、その内部に冷媒を封入してあり、凝縮部211と、蒸発部212と、液体流路213と、蒸気流路214とを備えて構成してある。ここで、冷媒としては、例えば二酸化炭素のように常温では気体であって、スターリング冷凍機10の冷却端11からの冷熱では凍らないもの(不凍冷媒)が用いられている。
凝縮部211は、スターリング冷凍機10の冷却端11に熱的に接続してある。この凝縮部211では、冷却端11から得た冷熱により冷媒が凝縮されて凝縮液になる。蒸発部212は、凝縮部211から所定の距離だけ離隔した位置に配設してある。この蒸発部212では、外部から得た熱により冷媒が気化されて蒸気になる。換言すると、蒸発部212の周辺領域は、冷媒が気化することによって熱が奪われることになり、冷却される。液体流路213は、凝縮部211と蒸発部212とを繋ぐ流路である。この液体流路213は、凝縮部211で凝縮された冷媒を、該凝縮部211から蒸発部212まで移動させるためのものである。蒸気流路214は、上記液体流路213とは別個に、凝縮部211と蒸発部212とを繋ぐ流路である。この蒸気流路214は、蒸発部212で気化された冷媒を、該蒸発部212から凝縮部211まで移動させるためのものである。液体流路213と蒸気流路214との配置関係は、蒸気流路214が液体流路213の上方に位置するようになっている。これは、蒸気流路214を通る冷媒の密度の方が、液体流路213を通る冷媒の密度よりも小さいためである。このようなヒートパイプは、上述のように、液体流路213と蒸気流路214とが別個に設けられており、ループ型サーモサイフォン式ヒートパイプと呼ばれるものである。
放熱装置22は、機械室9の内部に配設してあり、スターリング冷凍機10の放熱端12からの高熱を自動販売機の外部に放出するためのものであり、高熱移送手段と、放熱用送風ファン226とを有している。
高熱移送手段は、その内部に冷媒を封入してあり、蒸発部221と、凝縮部222と、蒸気流路223と、液体流路224とを備えて構成してある。ここに、冷媒としては、例えば水のように常温では液体であって、スターリング冷凍機10の放熱端12からの高熱で気化されるものが用いられる。
蒸発部221は、スターリング冷凍機10の放熱端12に熱的に接続してある。この蒸発部221では、放熱端12からの高熱により冷媒が気化されて蒸気になる。凝縮部222は、蒸発部221から所定の距離だけ離隔した位置に配設してある。この凝縮部222では、外部から得た熱により冷媒が凝縮されて凝縮液になる。換言すると、凝縮部222の周辺領域は、冷媒が凝縮することによって熱が与えられることになり、加熱される。蒸気流路223は、蒸発部221と凝縮部222とを繋ぐ流路である。この蒸気流路223は、蒸発部221で気化された冷媒を、該蒸発部221から凝縮部222まで移動させるためのものである。液体流路224は、上記蒸気流路223とは別個に、蒸発部221と凝縮部222とを繋ぐ流路である。この液体流路224は、凝縮部222で凝縮された冷媒を、該凝縮部222から蒸発部221まで移動させるためのものである。これら高熱移送手段には、冷媒を循環させるための動力となるポンプ225が所定の個所に配設してある。
放熱用送風ファン226は、凝縮部222の周辺領域における所定の個所に配設してある。この放熱用送風ファン226は、凝縮部222で冷媒が凝縮することによって加熱された空気を自動販売機の外部に放出するためのものである。
熱交換ダクト23は、冷却器21の蒸発部212を包囲する態様で配設した管路であり、その内部を流れる空気を冷却するものである。より詳細に説明すると、熱交換ダクト23は、蒸発部212で冷媒が気化することにより、その内部を流れる空気を冷却するものである。このように熱交換ダクト23で冷却された空気は、送気ダクト24を経由して商品収容庫5a,5b,5cの内部まで移動することになる。
商品収容庫5a,5b,5cには、それぞれ、送風ユニット6、商品収納ラック7、搬出機構8が設けてある。送風ユニット6は、冷やされた空気、または温められた空気を循環させるものであって、通風ダクト30、ヒータ31、送風ファン32、搬出シュータ33を有している。
通風ダクト30は、各商品収容庫5a,5b,5cの底壁をなす床板40を有している。床板40は、ヒータ31、送風ファン32を取り付ける部分であり、図4に示すように、断熱仕切板4と本体キャビネット1との間に隙間が空かないように、側部が上方に延在するように、折り曲げてある。また、床板40の手前側端部は、搬出シュータ33の手前側端部が取り付けるために、上方に延在するように、折り曲げてある。
また、床板40には、一対の通気口40a,40bが形成してある。一方の通気口40aは、上述した熱交換ダクト23に商品収容庫5a,5b,5cの庫内の空気を供給するものであり、他方の通気口40bは送気ダクト24から商品収容庫5a,5b,5cの庫内に空気を供給するものである。これら一対の通気口40a,40bは、ともに矩形形状を有している。これらの通気口40a,40bは、図示せぬシャッターにより閉塞可能であり、商品収容庫5a,5b,5cに収容した商品を冷却(冷蔵)する場合にこれらの通気口40a,40bは閉塞され、商品収容庫に収容した商品を加熱(温蔵)する場合にこれらの通気口40a,40bは開放される。
さらに、床板40の後縁から背面パネル41が起立するように、背面パネル41が床板40と一体に設けてある。背面パネル41は、各商品収容庫5a,5b,5cの背壁に沿って配設されるものである。背面パネル41の下側側部は、手前側に延在するように折り曲げてあり、上側側部は、手前側に延在するように折り曲げた後、さらに、内側に延在するように折り曲げてある。
このように形成した背面パネル41には、2本のネジにより、図5に示すようなダクトパネル42が取り付けてある。ダクトパネル42は、背面パネル41と組み合わせることにより、通風ダクト30を構成するものである(図6参照)。ダクトパネル42の上側側部は、背面パネル41の上側側部を収容するように奥側に折り曲げてある。そして、このダクトパネル42の上側正面部には、開口42aが形成してある。この開口42aは、各商品収容庫5a,5b,5cの空気が吸入する部分となる。このように構成した通風ダクト30は、奥行き寸法が20mm以下で、幅寸法が150mm以上の細長い矩形形状の通気断面を有することになる。また、ダクトパネル42は、奥側から手前側に向けて前下がり傾斜となるように折り曲げて、通気断面積を拡げた後、下方に延在させてある。そして、この下方に延在した部分には、開口42bが形成してある。この開口42bは、送風ユニット6に空気を供給する部分となる。さらに、前下がり傾斜となる部分のやや上方には、一対のシュータ取付スリット42cが形成してある。シュータ取付スリット42cは、矩形のスリットであり、搬出シュータ33の奥側の一部が差し込み可能である。
このように構成した通風ダクト30の床板40には、図6に示すように、奥側から手前側に、シャッターダクト43、ヒータ31、送風ファン32が順番に取り付けてある。シャッターダクト43は、上述した図示せぬシャッターを内蔵したものであり、ダクトパネル42の開口42bとの間に隙間が生じないように取り付けてある。
ヒータ31は、商品収容庫5a,5b,5cに収容する商品を加熱(温蔵)する場合に稼働させるものであり、図示せぬシャッターにより、上述した通気口40a,40bは閉塞される。一方、商品収容庫5a,5b,5cに収容する商品を冷却(冷蔵)する場合には、ヒータ31を稼働することなく、図示せぬシャッターにより、上述した通気口40a,40bは開放される。
送風ファン32は、商品収容庫5a,5b,5cの庫内の空気を循環させるものであり、送風ファン32が稼働すると、商品収容庫5a,5b,5cの庫内を冷却(冷蔵)する場合には、商品収納ラック7、通風ダクト30、通気口40a、熱交換ダクト23、送気ダクト24、通気口40bに順番に空気が循環することになる。一方、商品収容庫5a,5b,5cの庫内を加熱(温蔵)する場合には、商品収納ラック7、通風ダクト30、ヒータ31の順番に空気が循環することになる。
このように構成した送風ユニット6の上部には、奥側から手前側に向けて漸次低くなるように傾斜した搬出シュータ33が取り付けてある。より詳細に説明すると、ダクトパネル42に形成したシュータ取付スリット42cに搬出シュータ33の奥側の一部を差し込むとともに、搬出シュータ33の手前側を床板40の手前側端部にネジ止めすることにより、搬出シュータ33が取り付けてある。
搬出シュータ33は、搬出機構8から搬出された商品を外扉2に設けた商品取出口2aに導くものであり、商品収納ラック7に収納した商品に、加熱,または冷却した空気を供給可能とする通気孔(図示せず)が形成してある。
商品収納ラック7は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を横倒し姿勢とし、上下方向に沿って並ぶ態様で収納するものである。搬出機構8は、商品収納ラック7の下部に設けてあり、この商品収納ラック7に収納された商品群のうち最下部にある商品を一つずつ搬出するものである。そして、搬出機構8から搬出された商品は、上述した搬出シュータ33上を転動し、外扉2に設けた商品取出口2aに導かれる。
上述した自動販売機の送風ファン32を稼働すると、熱交換ダクト23で冷やされた空気、あるいはヒータ31で温められた空気は、商品収納ラック7の下方部から通風ダクト30の開口に向けて循環することになる。
このように構成した自動販売機の通風ダクト30は、予め、背面パネル41にダクトパネル42を取り付けた後に、各商品収容庫5a,5b,5cに取り付ける。このように、予め、背面パネル41にダクトパネル42を取り付けた後に、商品収容庫5a,5b,5cに背面パネル41(床板40)を取り付けるようにすると、限られた空間(各商品収容庫内)で背面パネル41にダクトパネル42を取り付ける必要がなく、効率的な組み立て作業が可能となる。
つぎに、本発明の実施例2に係る自動販売機について説明する。本発明の実施例2にかかる自動販売機は、商品収容庫ごとに蒸発器を配設したものである。なお、図7は本発明の実施例2にかかる自動販売機を示す正面模式図、図8は図7に示した自動販売機の側断面である。
本体キャビネット51は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって構成したもので、前面が開口した直方状の断熱筐体である。この本体キャビネット51には、図8に示すように、前面に外扉52と内扉53とが設けてあり、その内部に、たとえば、二つの断熱仕切板54により仕切られた三つの独立した商品収容庫55a,55b,55cが左右に並んだ態様で配設してある。より、詳細に説明すると、外扉52は、本体キャビネット51の前面開口を閉塞するものであり、内扉53は、商品収容庫55a,55b,55cの前面を閉塞するものである。商品収容庫55a,55b,55cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に保持した状態で収容するものである。
上記本体キャビネット51の内部において商品収容庫の外部となる機械室59には、圧縮機60、凝縮器61、膨張器62、電磁弁63が配設してあり、さらに、凝縮器61の後方には、送風ファン64が配設してある。
商品収容庫55a,55b,55cには、それぞれ、送風ユニット56、商品収納ラック57、搬出機構58が設けてある。送風ユニット56は、冷やされた空気、または温められた空気を循環させるものであって、通風ダクト80、蒸発器81、ヒータ82、送風ファン83、搬出シュータ84を有している。
通風ダクト80は、各商品収容庫55a,55b,55cの底壁をなす床板90を有している。床板90は、蒸発器81、ヒータ82、送風ファン83を取り付ける部分であり、図9に示すように、断熱仕切板54と本体キャビネット51との間に隙間が空かないように、側部が上方に延在するように、折り曲げてある。また、床板90の手前側端部は、搬出シュータ84の手前側端部を取り付けるために、上方に延在するように、折り曲げてある。
さらに、床板90の後縁から背面パネル91が起立するように、背面パネル91が床板90と一体に設けてある。背面パネル91は、各商品収容庫55a,55b,55cの背壁に沿って配設されるものである。背面パネル91の下側側部は、手前側に延在するように折り曲げてあり、上側側部は、手前側に延在するように折り曲げた後、さらに、内側に延在するように折り曲げてある。
このように形成した背面パネル91には、2本のネジにより、ダクトパネル92が取り付けてある。ダクトパネル92は、背面パネル91と組み合わせることにより、通風ダクト80を構成するものである(図11参照)。ダクトパネル92の上側側部は、背面パネル91の上側側部を収容するように奥側に折り曲げてある。そして、このダクトパネル92の上側端部は、開口92aしている。この開口92aは、各商品収容庫55a,55b,55cの空気が流入する部分となる。このように構成した通風ダクト80は、奥行き寸法が20mm以下で、幅寸法が150mm以上の細長い矩形形状の通気断面を有することになる。また、ダクトパネル92は、奥側から手前側に向けて前下がり傾斜となるように折り曲げて、通気断面積を拡げた後、下方に延在させてある。この下方に延在した部分には、開口92bが形成してある。この開口92bは、送風ユニット56に空気を供給する部分となる。さらに、前下がり傾斜となる部分のやや上方には、一対のシュータ取付スリット92cが形成してある。シュータ取付スリット92cは、矩形のスリットであり、搬出シュータ84の奥側の一部が差し込み可能である。
このように構成した通風ダクト80の床板90には、奥側から手前側に、蒸発器81、ヒータ82、送風ファン83が順番に取り付けてある。蒸発器81は、機械室59に配設した圧縮機60、凝縮器61、膨張器62、電磁弁63により冷凍サイクルを構成するものであり、ダクトパネル92の開口92bとの間に隙間が生じないように取り付けてある。
ヒータ82は、商品収容庫55a,55b,55cに収容する商品を加熱(温蔵)する場合に稼働させるものであり、商品収容庫55a,55b,55cに収容する商品を冷却(冷蔵)する場合には稼働することはない。
送風ファン83は、商品収容庫55a,55b,55cの庫内の空気を循環させるものであり、送風ファン83が稼働すると、商品収納ラック57、通風ダクト80、蒸発器81、ヒータ82の順番に空気が循環することになる。
このように構成した送風ユニット56の上部には、奥側から手間側に向けて漸次低くなるように傾斜した搬出シュータ84が取り付けてある。より詳細に説明すると、ダクトパネル92に形成したシュータ取付スリット92cに搬出シュータ84の奥側の一部を差し込むとともに、搬出シュータ84の手前側を床板90の手前側端部にネジ止めすることにより、搬出シュータ84が取り付けてある。
搬出シュータ84は、搬出機構58から搬出された商品を外扉に設けた商品取出口52aに導くものであり、商品収納ラック57に収納した商品に、加熱または冷却した空気を供給可能とする通気孔(図示せず)が形成してある。
商品収納ラック57は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を横倒し姿勢とし、上下方向に沿って並ぶ態様で収納するものである。搬出機構58は、商品収納ラック57の下部に設けてあり、この商品収納ラック57に収納された商品群のうち最下部にある商品を一つずつ搬出するものである。そして、搬出機構58から搬出された商品は、上述した搬出シュータ84上を転動し、外扉に設けた商品取出口に導かれる。
上述した自動販売機の送風ファン83を稼働すると、蒸発器81で冷やされた空気、あるいはヒータ82で温められた空気は、商品収納ラック57の下方部から通風ダクト80の開口92aに向けて循環することになる。
このように構成した自動販売機の通風ダクト80は、予め、背面パネル91にダクトパネル92を取り付けた後に、各商品収容庫55a,55b,55cに取り付ける。このように、予め、背面パネル91にダクトパネル92を取り付けた後に、商品収容庫55a,55b,55cに背面パネル91(床板90)を取り付けるようにすると、限られた空間(各商品収容庫内)で背面パネル91にダクトパネル92を取り付ける必要がなく、効率的な組み立て作業が可能となる。
実施例1および実施例2にかかる自動販売機によれば、断熱材が変形した場合であっても、通気断面積が増減することがなく、通風ダクト30,80の通気抵抗は維持される。したがって、実施例1および実施例2にかかる自動販売機は、想定した性能を継続して発揮することができる。
たとえば、図12−1が本実施例の通風ダクトが断熱材に正常に取り付いた状態を示す側面図とすると、本体キャビネット1,51の背壁をなす断熱材の変形により、図12−2および図12−3に示すように、断熱材と背面パネル41,91との間に隙間が生じても、通風ダクト30,80に隙間が生じたり、通風ダクト30,80の通気断面積が増減したりすることがない。さらに、上下方向において庫内側が凸となるように断熱材が変形した場合、上下方向において庫内側が凹となるように断熱材が変形した場合にも、図12−4および図12−5に示すように、通風ダクト30,80に隙間が生じたり、通風ダクト30,80の通気断面積が増減したりすることがない。
また、図13−1が本実施例の通風ダクトが断熱材に正常に取り付いた状態を示す平面図とすると、本体キャビネット1,51の背壁をなす断熱材の変形により、図13−2に示すように、断熱材と背面パネルとの間に隙間が生じても、通風ダクト30,80に隙間が生じたり、通風ダクト30,80の通気断面積が増減したりすることがない。また、図13−3に示すように、左右方向において庫内側が凸となるように断熱材が変形した場合、図13−4に示すように、左右方向において庫内側が凹となるように断熱材が変形した場合にも、通風ダクト30,80に隙間が生じたり、通風ダクト30,80の通気断面積が増減したりすることがない。
以上のように、本発明にかかる自動販売機は、商品を冷蔵または温蔵する自動販売機に有用であり、特に、缶入り飲料、ペットボトル飲料等の商品を販売する自動販売機に適している。
本発明の実施例1にかかる自動販売機であって、外扉と内扉とを取り外した状態を示す自動販売機の正面図である。 図1に示した自動販売機の側断面図である。 図1に示した自動販売機の要部を示す図である。 床板を示す斜視図である。 ダクトパネルを示す斜視図である。 通風ダクトに送風ユニットを組み付けた状態を示す側面図である。 本発明の実施例2にかかる自動販売機を示す正面模式図である。 図7に示した自動販売機の側断面図である。 床板を示す斜視図である。 ダクトパネルを示す斜視図である。 通風ダクトに送風ユニットを取り付けた状態を示す側面図である。 通風ダクトが断熱材に正常に取り付いた状態を示す側面図である。 通風ダクトが断熱材に傾いて取り付いた状態を示す側面図である。 通風ダクトが断熱材に傾いて取り付いた状態を示す側面図である。 庫内側が凸となるように断熱材が変形した状態を示す側面図である。 庫内側が凹となるように断熱材が変形した状態を示す側面図である 通風ダクトが断熱材に正常に取り付いた状態を示す平面図である。 通風ダクトが断熱材に傾いて取り付いた状態を示す平面図である。 庫内側が凸となるように断熱材が変形した状態を示す平面図である。 庫内側が凹となるように断熱材が変形した状態を示す平面図である。 従来のダクトパネルが断熱材に正常に取り付いた状態を示す正面図である。 従来のダクトパネルが断熱材に傾いて取り付いた状態を示す正面図である。 従来のダクトパネルが断熱材に正常に取り付いた状態を示す側面図である。 従来のダクトパネルの上下方向上側において断熱材との間に隙間が空いた状態を示す側面図である。 従来のダクトパネルの上下方向下側において断熱材との間に隙間が空いた状態を示す側面図である。 従来のダクトパネルの下縁と床板との間に隙間が空いた状態を示す側面図である。 庫内側が凸となるように断熱材が変形した状態を示す側面図である。 庫内側が凹となるように断熱材が変形した状態を示す側面図である。 従来のダクトパネルが断熱材に正常に取り付いた状態を示す正面図である。 従来のダクトパネルの側部において断熱材との間に隙間が空いた状態を示す正面図である。 庫内側が凸となるように断熱材が変形した状態を示す平面図である。 庫内側が凹となるように断熱材が変形した状態を示す平面図である。
符号の説明
5a,5b,5c 商品収容庫
6 送風ユニット
7 商品収納ラック
8 搬出機構
9 機械室
10 スターリング冷凍機
23 熱交換ダクト
24 送気ダクト
30 通風ダクト
31 ヒータ
32 送風ファン
33 搬出シュータ
40 床板
40a,40b 通気口
41 背面パネル
42 ダクトパネル
42a 開口
42b 開口
42c シュータ取付スリット
43 シャッターダクト
55a,55b,55c 商品収容庫
56 送風ユニット
57 商品収納ラック
58 搬出機構
59 機械室
60 圧縮機
61 凝縮器
62 膨張器
63 電磁弁
64 送風ファン
80 通風ダクト
81 蒸発器
82 ヒータ
83 送風ファン
84 搬出シュータ
90 床板
91 背面パネル
92 ダクトパネル
92a 開口
92b 開口
92c シュータ取付スリット

Claims (4)

  1. 床板に配設した送風ユニットから商品を収納した商品収納ラックを経由して、前記送風ユニットに空気を供給する通風ダクトを備えた自動販売機において、
    前記通風ダクトを、床板の後縁から起立するように、床板と一体に設けられ、商品収容庫を画成する背壁に沿って配設される背面パネルと、該背面パネルと組み合わさるように、該背面パネルの前面に取り付けられたダクトパネルとにより構成したことを特徴とする自動販売機。
  2. 前記商品収容庫に前記床板取り付けることにより、前記通風ダクトを前記商品収容庫に固定したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
  3. 送風ユニットに向けて通気断面積が増大する態様で、前記通風ダクトを構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
  4. 前記通風ダクトが、奥行き寸法が20mm以下で、幅寸法が150mm以上の矩形形状の通気断面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動販売機。
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