JP4923792B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動販売機に関し、より詳細には、複数の商品収容庫に収容された缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度状態に調整するようにした自動販売機に関するものである。
図7は、一般的な自動販売機を示した正面断面図であり、図8は、図7に示した自動販売機の断面側面図である。これら図7および図8において、自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱筐体として形成されたものである。この本体キャビネット1には、その前面に外扉2および内扉3が設けられており、その内部に例えば2つの断熱仕切板4によって仕切られた3つの独立した商品収容庫5が左右に並んだ態様で設けられている。外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものである。内扉3は、商品収容庫5の前面を開閉するためのものである。商品収容庫5は、飲料缶やペットボトルを所望の温度に維持した状態で収容するためのものである。
商品収容庫5には、それぞれ商品収納ラック6、搬出機構7および商品シュータ8が設けられている。商品収納ラック6は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けられており、この商品収納ラック6に収納された商品群のうち最下位にある商品を一つずつ搬出するためのものである。商品シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品を外扉2に設けた商品取出口2aに導くためのものである。
上記本体キャビネット1の内部において商品収容庫5の外部となる機械室9には、冷凍ユニットの構成機器である圧縮機61、庫外送風ファン62、凝縮器63および膨張機構64等が設けられている。商品収容庫5の内部には、それぞれ同冷凍ユニットの構成機器である蒸発器65、庫内送風ファンFが設けられているとともに、該蒸発器65の背面側に背面ダクト66が設けられている。また、商品収容庫5には、加熱用のヒータHが設けられている。
そのような自動販売機では、次のようにして商品を冷却することができる。ヒータHをオフにした後、冷凍ユニットおよび庫内送風ファンFを駆動させる。これにより、蒸発器65に熱交換されて得られた冷気は、庫内送風ファンFで商品シュータ8の下側から吹き出され、商品収納ラック6の下部にある商品を冷却した後、背面ダクト66を経て蒸発器65に戻ることになる。このように冷気が商品収容庫5の内部で循環するよう冷凍ユニットおよび庫内送風ファンFを断続的に駆動させることにより、商品収納ラック6の商品の温度を販売適温(約5℃)に冷却することができる。
そして、上記自動販売機において、蒸発器65の除霜運転を行う場合には、蒸発器65は、各商品収容庫5に個別に配設されていることから、各商品収容庫5の庫内送風ファンFを強制的に駆動させて蒸発器65の除霜を行っている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、環境保護等の観点からスターリング冷凍機が注目されている。スターリング冷凍機は、外部に圧縮機や凝縮器等を備えていない自己冷却型の冷凍ユニットであり、内部のガスを往復圧縮機で圧縮、膨張させることで、低温の冷却端部と、高温の放熱端部とを発生するものである。ここに、ガスとしては、ヘリウムガス等の自然冷媒が用いられており、フロン系ガスを用いないので、スターリング冷凍機は地球環境に優しいものである。また、スターリング冷凍機は小型であり、高エネルギー効率を有することも周知である。
しかしながら、スターリング冷凍機は、ガスの圧縮および膨張による冷凍効果を利用するものであるため、圧縮・膨張空間の構造に制約があり、冷却端部の面積が僅かな部分に限られるという特質を有する。
そこで、スターリング冷凍機を用いて各商品収容庫の内部に収容された商品を冷却するために、蒸発器を内蔵する断熱容器を各商品収容庫の内部に連通した状態で機械室に配設し、各商品収容庫の内部空気(内部雰囲気)を、商品収容庫と断熱容器との間で循環させている。そして、スターリング冷凍機で発生した冷熱を断熱容器の内部の蒸発器に移送し、該断熱容器の内部を通過する内部空気を冷却することにより、各商品収容庫の内部に収容された商品を冷却するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−201239号公報 特開2005−3351号公報
ところで、各商品収容庫の内部に連通した断熱容器を機械室に配設する自動販売機では、各商品収容庫が該断熱容器を通じて連通することになる。つまり、一の商品収容庫の内部空気は、他の商品収容庫の内部に進入することが可能になる。そこで、そのような構造を有する自動販売機では、断熱容器の内部の熱交換器(蒸発器)の除霜を良好に行うことができることが求められている。尚、ここでは、スターリング冷凍機を用いる場合の一例として、各商品収容庫の内部に連通した断熱容器を機械室に配設する場合について説明したが、これに限られず、上述した冷凍ユニットを用い、かつ各商品収容庫の内部に連通した断熱容器を機械室に配設した自動販売機についても同様の課題があることはいうまでもない。
本発明は、上記実情に鑑みて、各商品収容庫に連通する断熱容器の内部の熱交換器の除霜を良好に行うことができる自動販売機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、複数の商品収容庫のそれぞれの内部に連通した共通の断熱容器と、複数の商品収容庫のそれぞれの内部に配設され、駆動することにより商品収容庫と断熱容器との間で商品収容庫の内部雰囲気を循環させる庫内送風ファンと、前記断熱容器の内部に配設され、該断熱容器の内部を通過する内部雰囲気を冷却する熱交換器とを備え、前記商品収容庫に収容された商品を所望の温度状態に調整するようにした自動販売機において、前記熱交換器の各商品収容庫に対応する個所に配設され、該個所における温度を検知する複数の検知手段と、前記熱交換器の除霜運転指令が発せられた場合において、前記検知手段により検知された検知温度が予め設定された除霜解除温度より低い商品収容庫の庫内送風ファンを除霜運転のために除霜運転駆動させる一方、前記検知手段により検知された検知温度が前記除霜解除温度以上の商品収容庫の庫内送風ファンを前記除霜運転駆動よりも低い必要最低限の回転数でミニマム駆動させることで、少なくとも一つの庫内送風ファンを除霜のために駆動させている場合には、常に他の庫内送風ファンを駆動させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、熱交換器の各商品収容庫に対応する個所にそれぞれ配設された検知手段が、該個所における温度を検知し、制御手段が、熱交換器の除霜運転指令が発せられた場合に、検知手段により検知された検知温度が予め設定された除霜解除温度より低いときには、該当する庫内送風ファンを除霜のために駆動させるので、熱交換器の霜を庫内送風ファンの風量により除去することができる。しかも、制御手段が、少なくとも一つの庫内送風ファンを除霜のために駆動させている場合には、常に他の庫内送風ファンを駆動させるので、断熱容器と各商品収容庫との間で空気が逆流してしまうことを有効に防止することができる。従って、各商品収容庫に連通する断熱容器の内部の熱交換器の除霜を良好に行うことができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態である自動販売機を概念的に示したものである。ここで例示する自動販売機は、図7および図8に示したものと同様に、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を冷却、若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット1を備えている。尚、図7および図8に示したものと同じものには同一の符号を付して説明する。
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱筐体として形成されたものである。この本体キャビネット1には、その前面に外扉2および内扉3が設けてあり、その内部に例えば2つの断熱仕切板4によって仕切られた3つの独立した商品収容庫5が左右に並んだ態様で設けてある。外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものである。内扉3は、商品収容庫5の前面を開閉するためのものである。商品収容庫5は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのものである。
商品収容庫5には、それぞれ、商品収納ラック6、搬出機構7、商品シュータ8および背面ダクト66(図2参照)が設けてある。商品収納ラック6は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群のうち最下位にある商品を一つずつ搬出するためのものである。商品シュータ8は、多数の通気孔を有した平板状部材であり、商品収容庫5の後方から前方に向けて低く傾斜する態様で配設してある。この商品シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品を外扉2に設けた商品取出口2aに導くためのものである。背面ダクト66は、商品収容庫5において背面側に位置する部分に設けた導風路である。
そして、本体キャビネット1の内部には、スターリング冷凍機10と、冷却ユニット20と、循環ユニット30とが設けてある。
スターリング冷凍機10は、本体キャビネット1の機械室9に横置きに載置してあり、稼動することにより冷熱を発生する冷却端部11と、高温排熱を発生する放熱端部12とを有している。
冷却ユニット20は、本体キャビネット1の機械室9の内部に配設してある。この冷却ユニット20は、スターリング冷凍機10の冷却端部11から発生した冷熱を、循環ユニット30を構成する断熱容器31まで移送して、該断熱容器31の内部の空気を冷却するものである。冷却ユニット20について詳細に説明すると、熱輸送手段としてのヒートパイプを有している。ヒートパイプは、その内部に冷媒が封入してあり、凝縮熱交換器21、蒸発熱交換器(熱交換器)22、液体配管23および気体配管24を備えて構成してある。ここに、冷媒としては、例えば二酸化炭素等のように常温では気体であって、スターリング冷凍機10の冷却端部11からの冷熱では凍らないもの(不凍冷媒)が用いられている。
凝縮熱交換器21は、スターリング冷凍機10の冷却端部11に熱的に接続してある。この凝縮熱交換器21では、冷却端部11から得た冷熱、すなわち冷却端部11から発生した冷熱により冷媒が凝縮されて凝縮液になる。
蒸発熱交換器22は、凝縮熱交換器21から所定の距離だけ離隔した位置で、かつ凝縮熱交換器21よりも相対的に低い位置に配設してある。より詳細に説明すると、図3および図4に示すように、蒸発熱交換器22は、断熱容器31の内部に収容してあり、蛇行状通路221と、複数のフィン222とを有している。蛇行状通路221は、例えばアルミニウムや銅等の金属材料から形成され、内径が数ミリ以下となる細管を蛇行状に曲げ加工して構成したものである。この蛇行状通路221は、細管内に冷媒を通過させるものである。複数のフィン222は、蛇行状通路221と同様に、例えばアルミニウム等の金属材料からなる板状体である。これら複数のフィン222は、所定の間隔ごとに蛇行状通路221にろう付けされて配設してある。
このような蒸発熱交換器22では、蛇行状通路221を通過する冷媒が断熱容器31の内部空気から得た熱により蒸発して蒸気になる。換言すると、蒸発熱交換器22の周辺領域である断熱容器31の内部空気は、冷媒が蒸発することによって熱が奪われることになり冷却される。
そして、上記蒸発熱交換器22の各商品収容庫5に対応する個所には、除霜用温度センサ(検知手段)Sが1つずつ合計で3つ設けてある。より詳細には、蒸発熱交換器22の各商品収容庫5に対応する領域の下方部に除霜用温度センサSが1つずつ設けてある。除霜用温度センサSは、配設個所における温度を検知して、検知した検知温度を検知温度情報として、後述する制御装置40に出力するものである。
液体配管23は、凝縮熱交換器21と蒸発熱交換器22とを繋ぐ管路である。この液体配管23は、凝縮熱交換器21で凝縮した冷媒を蒸発熱交換器22まで移動させるためのものである。
気体配管24は、上記液体配管23とは別個に、凝縮熱交換器21と蒸発熱交換器22とを繋ぐ管路である。この気体配管24は、蒸発熱交換器22で蒸発した冷媒を凝縮熱交換器21まで移動させるためのものである。
液体配管23と気体配管24との配置関係は、気体配管24が液体配管23の上方に位置するようになっている。これは、気体配管24を通る冷媒の密度の方が、液体配管23を通る冷媒の密度よりも小さいためである。
上記のような冷却ユニット20では、スターリング冷凍機10の冷却端部11からの冷熱を次のようにして蒸発熱交換器22まで移送して、断熱容器31の内部空気を冷却する。冷却端部11に熱的に接続している凝縮熱交換器21において急激に冷却されて凝縮液になった冷媒が、その重力により液体配管23を通じて蒸発熱交換器22まで移動する。この蒸発熱交換器22において、冷媒は、該蒸発熱交換器22を収容する断熱容器31の内部空気の熱により蒸発して蒸気になる。つまり、断熱容器31の内部空気は熱が奪われることになり、これにより、断熱容器31の内部空気は冷却される。ところで、蒸発熱交換器22において蒸発して蒸気になった冷媒は、気体配管24を通じて凝縮熱交換器21まで移動し、該凝縮熱交換器21で再び凝縮液になって上記サイクルを繰り返す。
循環ユニット30は、上記断熱容器31、送気切換シャッタ32、吸気切換シャッタ33および庫内送風ファンFを備えて構成してある。
断熱容器31は、機械室9の背面側に配設してある。この断熱容器31は、送気管路31aおよび吸気管路31bを有している。送気管路31aは、商品収容庫5のそれぞれと断熱構造を保持する態様で連設してある。詳細に説明すると、送気管路31aは、各商品収容庫5の底面上に配設されたファンルーム34にガス送気口35を通じて連通している。ここに、ファンルーム34は、後述する庫内送風ファンFを収容するものである。このファンルーム34の後方にはヒータルーム36が設けてあり、ファンルーム34は、ヒータルーム36と吹出口37を通じて連通している。このヒータルーム36は、加熱用のヒータHを内蔵するものである。
吸気管路31bは、各商品収容庫5に配設された背面ダクト66と断熱構造を保持する態様で連設してある。詳細に説明すると、吸気管路31bは、各背面ダクト66にガス吸気口38を通じて連通している。この背面ダクト66の下部前方には、ヒータルーム36が設けてある。背面ダクト66は、ヒータルーム36と吸入口39を通じて連通している。
送気切換シャッタ32は、図2に示すように、ガス送気口35および吹出口37を開閉するものである。具体的には、ガス送気口35を開成状態にする場合には、吹出口37を閉成状態にし、逆に吹出口37を開成状態にする場合には、ガス送気口35を閉成状態にするものである。
吸気切換シャッタ33は、図2に示すように、ガス吸気口38および吸入口39を開閉するものである。具体的には、ガス吸気口38を開成状態にする場合には、吸入口39を閉成状態にし、逆に吸入口39を開成状態にする場合には、ガス吸気口38を閉成状態にするものである。
そのような送気切換シャッタ32および吸気切換シャッタ33の開閉動作は、互いに連係している。具体的には、送気切換シャッタ32がガス送気口35を開成状態にする場合には、吸気切換シャッタ33がガス吸気口38を開成状態にし、送気切換シャッタ32が吸入口39を閉成状態にする場合には、吸気切換シャッタ33が吸入口39を閉成状態にするようになっている。
庫内送風ファンFは、駆動することにより、商品収容庫5の内部の空気(内部雰囲気)を循環させるためのものである。そのような庫内送風ファンFの駆動は、次のような制御装置40により制御されている。
図5は、図1および図2における自動販売機を構成する庫内送風ファンの駆動を制御する制御装置を示すブロック図である。この図5において、制御装置(制御手段)40は、制御部40aおよび記憶部40bを有している。制御部40aは、指令入力部41と、情報入力部42と、駆動条件決定部43と、ファン駆動処理部44と、冷凍機駆動処理部45と、出力部46とを備えて構成してある。
指令入力部41は、自販機制御部50から発せられた除霜運転指令を入力するものである。ここに、自販機制御部50は、自動販売機の動作を統括的に制御するものであり、予め決められた時間毎に除霜運転指令を発するようにプログラムされている。
情報入力部42は、それぞれの除霜用温度センサSから出力された検知温度情報を入力するものである。
駆動条件決定部43は、情報入力部42を通じて入力した検知温度情報のそれぞれと、記憶部40bに予め格納してある除霜解除温度情報47とを比較して、各商品収容庫5の内部に設けられた庫内送風ファンFの駆動条件を決定するものである。より詳細には、それぞれの検知温度情報に含まれる検知温度(Te)と、除霜解除温度情報47に含まれる除霜解除温度(T)とを比較して、庫内送風ファンFの駆動条件を決定するものである。ここで、決定される駆動条件は、次のようなものである。3つの商品収容庫5に対応する全ての検知温度(Te)が除霜解除温度(T)より低い場合には、全ての庫内送風ファンFを除霜運転のために駆動させる旨を決定する。3つの商品収容庫5のうち2つの商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)より低い場合には、対応する2つの庫内送風ファンFを除霜運転のために駆動(以下、「除霜運転駆動」ともいう)させ、かつ残りの1つの庫内送風ファンFを必要最低限の回転数で駆動(以下、「ミニマム駆動」ともいう)させる旨を決定する。3つの商品収容庫5のうち1つの商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)より低い場合には、対応する1つの庫内送風ファンFを除霜運転駆動させ、かつ残りの2つの庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。3つの商品収容庫5に対応する全ての検知温度(Te)が除霜解除温度より大きい場合には、除霜運転解除の旨を決定する。すなわち庫内送風ファンFの駆動を停止する旨を決定する。
ファン駆動処理部44は、駆動条件決定部43を通じて決定された駆動条件に基づいて、庫内送風ファンFの駆動処理を行うものである。冷凍機駆動処理部45は、スターリング冷凍機10の駆動処理を行うものである。
出力部46は、駆動条件決定部43を通じて除霜運転解除と決定された場合に、その旨を除霜解除信号として上記自販機制御部50に出力するものである。
上記のような自動販売機は、次のようにして各商品収容庫5に収容された商品を所望の温度状態に調整する。以下においては、すべての商品収容庫5に収容された商品を冷却する場合について説明するものとし、その前提として、各商品収容庫5の内部において、送気切換シャッタ32がガス送気口35を開成状態にし、かつ吸気切換シャッタ33がガス吸気口38を開成状態にしているものとして説明する。
予め各商品収容庫5の庫内送風ファンFが駆動しているものとする。そのように庫内送風ファンFが駆動することにより、各商品収容庫5の内部の空気は、背面ダクト66、断熱容器31(吸気管路31bおよび送気管路31a)および商品収容庫5の内部を循環する。より詳細には、各商品収容庫5の内部の空気は、背面ダクト66に進入し、開成状態のガス吸気口38を通じて断熱容器31の内部に至り、該断熱容器31で合流することになる。
断熱容器31の内部に至った空気は、該断熱容器31の内部を通過中に蒸発熱交換器22により冷却される。冷却された空気は、分流した後に開成状態のガス送気口35を通じてファンルーム34に至り、その後各商品収容庫5の内部を図2中の矢印方向に沿って移動する。つまり、冷却された空気は、商品収納ラック6に収納された商品群のうち下方にある商品群に通過する態様で移動する。このように冷却された空気が商品収納ラック6の下方にある商品群を通過する態様で移動することにより、冷却された空気と商品との間で熱交換が行われ、該商品が冷却されることになる。
商品との間で熱交換が行われて温められた空気は、再び背面ダクト66に進入して、開成状態のガス吸気口38を通じて断熱容器31に至る。そして、該断熱容器31で再び冷却され、上述した循環を繰り返す。
そして、制御装置40は、蒸発熱交換器22の除霜を行う場合には、各商品収容庫5の庫内送風ファンFの駆動を次のように制御する。図6は、制御装置40を構成する制御部40aの処理内容を示したフローチャートである。以下においては、図6を適宜用いて制御装置の制御内容について説明する。
まず、制御装置40の制御部40aは、指令入力部41を通じて自販機制御部50からの除霜運転指令を入力した場合には、冷凍機駆動処理部45を通じてスターリング冷凍機10の運転を停止させる(ステップS101,ステップS102)。
次に、スターリング冷凍機10の運転を停止させた制御部40aは、情報入力部42を通じて検知温度情報の入力があるか否かを確認し(ステップS103)、検知温度情報の入力が確認できた場合には、それぞれの検知温度(Te)と、記憶部40bから読み出した除霜解除温度(T)との比較を行って、ファンの駆動条件を決定する(ステップS104〜ステップS110)。具体的には次のようになる。
全ての検知温度(Te)が除霜解除温度(T)より低いか否かを判断し(ステップS104)、全ての検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、全ての庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる旨のファン駆動条件(イ)を決定する(ステップS105)。
上記ステップS104において、全ての検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いものでない場合に、2つの検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いか否かを判断し(ステップS106)、2つの検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いと判断した場合には、対応する2つの庫内送風ファンFを除霜運転駆動させ、かつ残りの1つの庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨のファン駆動条件(ロ)を決定する(ステップS107)。より詳細には、例えば右側商品収容庫5および中央側商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、右側商品収容庫5および中央側商品収容庫5のそれぞれの内部に配設した庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる一方、左側商品収容庫5の内部に配設した庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。また、例えば中央側商品収容庫5および左側商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、中央側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部に配設した庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる一方、右側商品収容庫5の内部に配設した庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。更に、例えば右側商品収容庫5および左側商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、右側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部に配設した庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる一方、中央側商品収容庫5の内部に配設した庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。
上記ステップS106において、2つの検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いものでない場合に、1つの検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いか否かを判断し(ステップS108)、1つの検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いと判断した場合には、対応する庫内送風ファンFを除霜運転駆動させ、かつ残りの2つの庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨のファン駆動条件(ハ)を決定する(ステップS109)。より詳細には、例えば右側商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、右側商品収容庫5の内部に配設した庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる一方、中央側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部に配設した庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。また、例えば中央側商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、中央側商品収容庫5の内部に配設した庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる一方、右側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部に配設した庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。更に、例えば左側商品収容庫5に対応する検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低い場合には、左側商品収容庫5の内部に配設した庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる一方、右側商品収容庫5および中央側商品収容庫5のそれぞれの内部に配設した庫内送風ファンFをミニマム駆動させる旨を決定する。
上記ステップS108において、1つの検知温度(Te)が除霜解除温度(T)よりも低いものでない場合には、制御部40aは、駆動条件決定部43を通じて除霜解除の旨を決定する(ステップS110)。
上記ステップS105においてファン駆動条件(イ)を決定した制御部40aは、ファン駆動処理部44を通じてファン駆動処理(イ)を行う(ステップS111)。すなわち、全ての庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる。その後、今回の処理を終了する。
上記ステップS107においてファン駆動条件(ロ)を決定した制御部40aは、ファン駆動処理部44を通じてファン駆動処理(ロ)を行う(ステップS112)。すなわち、対応する2つの庫内送風ファンFに除霜運転駆動させる一方、残りの庫内送風ファンFにミニマム駆動させる。具体的には、右側商品収容庫5および中央側商品収容庫5のそれぞれの内部の庫内送風ファンFに除霜運転駆動をさせる場合には、左側商品収容庫5の庫内送風ファンFにミニマム駆動させる。また、中央側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部の庫内送風ファンFに除霜運転駆動をさせる場合には、右側商品収容庫5の庫内送風ファンFにミニマム駆動させる。更に、右側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部の庫内送風ファンFに除霜運転駆動をさせる場合には、中央側商品収容庫5の庫内送風ファンFにミニマム駆動させる。そして、その後、今回の処理を終了する。
上記ステップS108においてファン駆動条件(ハ)を決定した制御部40aは、ファン駆動処理部44を通じてファン駆動処理(ハ)を行う(ステップS113)。すなわち、対応する1つの庫内送風ファンFに除霜運転駆動させる一方、残りの2つの庫内送風ファンFにミニマム駆動させる。具体的には、右側商品収容庫5の庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる場合には、中央側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部の庫内送風ファンFをミニマム駆動させる。また、中央側商品収容庫5の庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる場合には、右側商品収容庫5および左側商品収容庫5のそれぞれの内部の庫内送風ファンFをミニマム駆動させる。更に、左側商品収容庫5の庫内送風ファンFを除霜運転駆動させる場合には、右側商品収容庫5および中央側商品収容庫5のそれぞれの内部の庫内送風ファンFをミニマム駆動させる。そして、その後、今回の処理を終了する。
上記ステップS110において、除霜解除の旨を決定した制御部40aは、出力部46を通じて自販機制御部50に除霜解除信号を出力して(ステップS114)、今回の処理を終了する。
以上説明したような自動販売機においては、蒸発熱交換器22の各商品収容庫5に対応する個所にそれぞれ設けられた除霜用温度センサSが、配設個所における温度を検知し、制御装置40が、除霜運転指令が発せられた場合に、除霜用温度センサSにより検知された検知温度が予め設定された除霜解除温度より低いときには、該当する庫内送風ファンFを除霜のために駆動(除霜運転駆動)させるので、蒸発熱交換器22の霜を庫内送風ファンFの風量により除去することができる。しかも、制御装置40が、少なくとも一つの庫内送風ファンFを除霜運転駆動させている場合には、常に他の庫内送風ファンFを駆動、すなわちミニマム駆動させるので、断熱容器31と各商品収容庫5との間で空気が逆流してしまうことを有効に防止することができる。従って、各商品収容庫5に連通する断熱容器31の内部の蒸発熱交換器22の除霜を良好に行うことができる。
特に除霜用温度センサSを蒸発熱交換器22の各商品収容庫5に対応する領域の下方部に設けたことにより、蒸発熱交換器22の最も着霜しやすい部分の温度を検知することができるので、庫内送風ファンFを除霜運転駆動させることにより、確実に霜の溶け残り部分をなくすことができる。
以上の実施の形態では、スターリング冷凍機10を用いた自動販売機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来の冷凍ユニットを用いたものであっても構わない。
以上のように、本発明に係る自動販売機は、複数の商品収容庫に収容された缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度状態に調整するのに有用である。
本発明の実施の形態である自動販売機の内部構成を概念的に示した断面図である。 本発明の実施の形態における自動販売機の要部を示した断面側面図である。 図1および図2における自動販売機を構成する冷却ユニットを模式的に示した断面平面図である。 図3における冷却ユニットを構成する蒸発熱交換器の模式的に示した正面図である。 図1および図2における自動販売機を構成する庫内送風ファンの駆動を制御する制御装置を示すブロック図である。 図6は、制御装置を構成する制御部の処理内容を示したフローチャートである。 一般的な自動販売機を示した正面断面図である。 図7に示した自動販売機の断面側面図である。
符号の説明
10 スターリング冷凍機
20 冷却ユニット
21 凝縮熱交換器
22 蒸発熱交換器
30 循環ユニット
31 断熱容器
40 制御装置
40a 制御部
41 指令入力部
42 情報入力部
43 駆動条件決定部
44 ファン駆動処理部
45 冷凍機駆動処理部
46 出力部
47 除霜解除温度情報
50 自販機制御部
S 除霜用温度センサ

Claims (1)

  1. 複数の商品収容庫のそれぞれの内部に連通した共通の断熱容器と、
    複数の商品収容庫のそれぞれの内部に配設され、駆動することにより商品収容庫と断熱容器との間で商品収容庫の内部雰囲気を循環させる庫内送風ファンと、
    前記断熱容器の内部に配設され、該断熱容器の内部を通過する内部雰囲気を冷却する熱交換器と
    を備え、
    前記商品収容庫に収容された商品を所望の温度状態に調整するようにした自動販売機において、
    前記熱交換器の各商品収容庫に対応する個所に配設され、該個所における温度を検知する複数の検知手段と、
    前記熱交換器の除霜運転指令が発せられた場合において、前記検知手段により検知された検知温度が予め設定された除霜解除温度より低い商品収容庫の庫内送風ファンを除霜運転のために除霜運転駆動させる一方、前記検知手段により検知された検知温度が前記除霜解除温度以上の商品収容庫の庫内送風ファンを前記除霜運転駆動よりも低い必要最低限の回転数でミニマム駆動させることで、少なくとも一つの庫内送風ファンを除霜のために駆動させている場合には、常に他の庫内送風ファンを駆動させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする自動販売機。
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