以下に添付図面を参照して、本発明に係る構造物の一例である自動販売機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明にかかる実施の形態1の構造物の一例である自動販売機を示した断面正面図であり、図2は、図1に示す自動販売機の断面側面図であり、図3は、自動販売機が備える冷却装置を示す説明図であり、図4は、図2におけるA−A線での断面平面図であり、図5は、図2におけるB−B線での断面平面図である。以下、これらの図を参照しながら自動販売機の構成について説明する。
ここで例示する自動販売機は、例えば缶入り飲料、ペットボトル入り飲料、ブリックパック入り飲料、または瓶入り飲料等の商品を販売するためのもので、本体キャビネット10と内扉11とメインドア12と冷却装置25と加温装置61と循環ユニット47とを備えている。
本体キャビネット10は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって構成したもので、前面が開口した直方体状を成している。このような本体キャビネット10の内部は、断熱部材を取り付けることで断熱空間と成している。
本体キャビネット10の内部には、板面が水平面に沿った底板14dを設けることで、上部の収容室9と下部の機械室15とを画成している。
収容室9の内部には、水平面に直交する態様で2枚の断熱部材14eを設けることで、3つの独立した商品収容庫14a,14b,14cを並べて設けてある。
商品収容庫14a,14b,14cは、上記商品を所望の温度に維持した状態で収容するためものである。商品収容庫14a,14b,14cには、それぞれの上部から中央部にかけてコラム状の商品収容ラック16を配設してあり、それぞれの下部に商品シュータ13を配設してある。なお、図示する自動販売機において、図1中、左側に配置する商品収容庫14aには、1列の商品収容ラック16を形成してあり、中央に配置する商品収容庫14bには、1列の商品収容ラック16を形成してあり、右側に配置する商品収容庫14cには、2列の商品収容ラック16を形成してある。
商品収容庫14a,14b,14cの背面側には、図2及び図3に示すように、ダクト形成板17を設けてあり、そのダクト形成板17と本体キャビネット10の背面側の側部10aとで、背面ダクト18を形成し、ダクト形成板17と上記底板14dとで、底面ダクト19を形成してある。背面ダクト18と底面ダクト19との間には、底面ダクト19よりも横断面積の大きなバイパスダクト22を形成してある。
背面ダクト18を形成した商品収容庫14a,14b,14cの底板14dには、図4に示すように、底板14dを鉛直方向に貫通する態様で吸込口20を形成してある。さらに、吸込口20の手前側の底板14dには、底板14dを鉛直方向に貫通する態様で吐出口21を設けてある。
上記のような底板14dの下方であって、機械室15の内部には、図2に示すようにダクト23を設けてある。ダクト23は、上下方向に延在する態様で形成してあって、断熱仕切板23cによって画成された吸込ダクト23aと吐出ダクト23bとを備えている。
吸込ダクト23aは、商品収容庫14a,14b,14cの内部と後述する冷却容器57の第1室58とを連通するものである。
吐出ダクト23bは、商品収容庫14a,14b,14cの内部と後述する冷却容器57の第2室59とを連通するものである。
内扉11及びメインドア12は、それぞれ本体キャビネット10の一側縁部に支承させてある。
内扉11は、本体キャビネット10に設けた商品収容庫14a,14b,14cの前面を覆うに十分な大きさを有したもので、鋼材によって構成してある。
メインドア12は、本体キャビネット10の前面開口を覆うに十分な大きさを有したもので、鋼材により堅牢に構成してある。
冷却装置25は、上記機械室15に配設してある。冷却装置25は、図3に示すように、スターリング冷凍機27と冷却ユニット32と冷却容器(容器)57と放熱ユニット38とを備えている。
スターリング冷凍機27は、図5に示すように、機械室15に横置きに載置してあり、稼動することにより冷熱を発生する冷熱発生部28と高熱を発生する高熱発生部29とを備えている。
冷却ユニット32は、図3に示すように、機械室15の内部に配置してある。この冷却ユニット32は、スターリング冷凍機27の冷熱発生部28からの冷熱を、冷却容器57の内部まで移送して、該冷却容器57の内部の空気(内部雰囲気)を冷却するものである。
このような冷却ユニット32は、熱移送手段として、凝縮熱交換器33、蒸発熱交換器34、液体供給管35及び気体供給管36を備えている。これら凝縮熱交換器33の内部、蒸発熱交換器34の内部、液体供給管35の内部及び気体供給管36の内部には、冷媒を封入してある。冷媒には、常温では気体であり、且つスターリング冷凍機27の冷熱発生部28の冷熱でも液体である二酸化炭素等の不凍冷媒を用いてある。
凝縮熱交換器33は、スターリング冷凍機27の冷熱発生部28に接続してある。凝縮熱交換器33では、冷熱発生部28で発生した冷熱によって気体であった冷媒が液化して凝縮液となる。
蒸発熱交換器34は、凝縮熱交換器33と断熱部材によって隔てた冷却容器57に内蔵してあり、且つ凝縮熱交換器33よりも相対的に低い位置に配置してある。蒸発熱交換器34では、蒸発熱交換器34の内部を通過する冷媒が冷却容器57の内部の空気から得た熱によって気化する。換言すると、蒸発熱交換器34の周辺領域である冷却容器57の内部の空気は、蒸発熱交換器34の内部を通過する冷媒が気化することによって冷却される。
液体供給管35は、凝縮熱交換器33と蒸発熱交換器34とを管状部材で接続することにより、凝縮熱交換器33の内部と蒸発熱交換器34の内部とを接続するものである。一方、気体供給管36は、液体供給管35とは別に、凝縮熱交換器33と蒸発熱交換器34とを管状部材で接続することにより、凝縮熱交換器33の内部と蒸発熱交換器34の内部とを接続するものである。
液体供給管35及び気体供給管36は、気体供給管36が液体供給管35の上方となるよう配置してある。このように配置すると、気体供給管36を通る冷媒の密度が、液体供給管35を通る冷媒の密度よりも小さいため、凝縮熱交換器33で凝縮した冷媒が、凝縮熱交換器33から蒸発熱交換器34まで液体供給管35の内部を移動し、且つ蒸発熱交換器34で蒸発した冷媒が、蒸発熱交換器34から凝縮熱交換器33まで気体供給管36の内部を移動することとなる。
このように構成してある冷却ユニット32の作用を説明する。凝縮熱交換器33の内部の冷媒は、冷熱発生部28で発生した低温によって冷却されることで液化する。液化した冷媒は、液体供給管35を通じて蒸発熱交換器34へ移動する。蒸発熱交換器34の内部へ移動した冷媒は、冷却容器57の内部の空気が有する熱によって気化する。このとき、冷却容器57の内部の空気は、冷媒によって熱が奪われて冷却される。気化した冷媒は、気体供給管36を通じて凝縮熱交換器33へ移動する。凝縮熱交換器33へ移動した冷媒は、冷熱発生部28の低温によって再び冷却されて液化する。このようなサイクルを繰り返すことで、冷却容器57の内部に送り込まれる空気を冷却する。
なお、上述したように、凝縮熱交換器33と蒸発熱交換器34との間を、液体供給管35と気体供給管36とで接続し、冷媒を重力の作用で循環するものは、ループ型サーモサイフォン式ヒートパイプと呼ばれている。
冷却容器57は、断熱材で構成した箱体であって、図2に示すように、底板14dの下方であって、機械室15の背面側に配置してある。冷却容器57の内部には、蒸発熱交換器34の吸込側と吐出側とを仕切るよう蒸発熱交換器34および断熱仕切板56を配設することで、吸込側に面する部分に第1室58を構成してあり、吐出側に面する部分に第2室59を構成してある。
第1室58は、吸込ダクト23aを通して背面ダクト18に接続してある。第2室59は、吐出ダクト23bを通して底面ダクト19に接続してある。
放熱ユニット38は、図3および図5に示すように、機械室15の内部に配置してある。この放熱ユニット38は、スターリング冷凍機27の高熱発生部29から発生した高熱を、本体キャビネット10の外部に放出するためのものである。この放熱ユニット38は、熱移送手段として、第1熱交換器39、第2熱交換器40、第1冷媒供給管41及び第2冷媒供給管42を備えているとともに、庫外送風ファン44を備えている。第1熱交換器39の内部、第2熱交換器40の内部、第1冷媒供給管41の内部及び第2冷媒供給管42の内部には、冷媒を封入してある。冷媒には、例えば水を用いてある。
第1熱交換器39は、スターリング冷凍機27の高熱発生部29に接続してある。第1熱交換器39は、内部の冷媒に、高熱発生部29で発生した高熱を受熱させるものである。
第2熱交換器40は、スターリング冷凍機27から一定の距離だけ離れた位置に配置してある。第2熱交換器40は、内部の冷媒が有する熱を放熱させるものである。このような第2熱交換器40の周囲には、庫外送風ファン44を配置してある。庫外送風ファン44は、第2熱交換器40の周囲の空気を本体キャビネット10の外部に放出するためのものである。
第1冷媒供給管41は、第1熱交換器39と第2熱交換器40とを管状部材で接続し、第1熱交換器39の内部と第2熱交換器40の内部とを接続するものである。一方、第2冷媒供給管42は、第1冷媒供給管41とは別に、第1熱交換器39と第2熱交換器40とを管状部材で接続し、第1熱交換器39の内部と第2熱交換器40の内部とを接続するものである。なお、図には明示していないが、第2冷媒供給管42には循環ポンプを設けてあり、その循環ポンプを稼動することで、第1熱交換器39の内部、第1冷媒供給管41の内部、第2熱交換器40の内部及び第2冷媒供給管42の内部を冷媒が循環する。
このように構成してある放熱ユニット38の作用を説明する。第1熱交換器39の内部の冷媒は、高熱発生部29で発生した高温を受熱されて加温される。加温された冷媒は、循環ポンプの作用で、第1冷媒供給管41を通じて第2熱交換器40へ移動する。第2熱交換器40の内部へ移動した冷媒は、第2熱交換器40によって放熱されることで冷却される。このとき、第2熱交換器40の周囲の空気は、放熱されることによって熱が加えられて加温される。加温された空気は、庫外送風ファン44によって本体キャビネット10の外部に放出される。第2熱交換器40で冷却された冷媒は、第2冷媒供給管42を通じて第1熱交換器39へ移動する。第1熱交換器39へ移動した冷媒は、高熱発生部29の高温によって再び加温される。このようなサイクルを繰り返すことで、高熱発生部29で発生する高熱を本体キャビネット10の外部に放出する。
加温装置61は、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気を加温するためのものであって、加温した空気を商品収容庫14a,14b,14cの内部に循環できるよう後述する庫内送風ファン60の近傍に配置してある。
循環ユニット47は、冷却装置で冷却した空気、または加温装置61で加温した空気を商品収容庫14a,14b,14cの内部に循環させるものであって、庫内送風ファン60とシャッタ機構48とを備えている。
庫内送風ファン60は、商品シュータ13の下方であって底面ダクト19の手前側に配置してある。
シャッタ機構48は、図3に示すように、商品収容庫14a,14b,14cの底板14dの上にそれぞれ配置してあり、図6に示すように、駆動モータ49とラックギヤ51とシャッタ52とを備えている。
駆動モータ49は、稼動することで正回転又は逆回転する駆動軸49aを備えている。駆動軸49aの先端には、ラックギヤ51に噛合するピニオンギヤ50を設けてある。このような駆動モータ49には、ピニオンギヤ50の回転量を制御することができる例えばステッピングモータを使用してある。
ラックギヤ51は、一端をシャッタ52に取り付けてあり、駆動軸49aの正回転又は逆回転によってシャッタ52を手前側又は奥側にスライド移動するものである。
シャッタ52は、第1板状部材52aと第2板状部材52bとを備えている。シャッタ52は、第1板状部材52aの奥側から上方に延在するよう第2板状部材を配置してあり、側面視が略L字状を成すよう形成してあって、第1板状部材52aが底板14dと平行になり、且つ第2板状部材52bが本体キャビネット10の背面側の側部10aと平行になるよう配置してある。
第1板状部材52aには、貫通孔54を形成してある。貫通孔54は、矩形状を成しており、大きさが上述した吐出口21と同一である。貫通孔54よりも奥側の第1板状部材52aの長さは、吸込口20と吐出口21との配置間隔に対応する長さと同一である。
第2板状部材52bは、底面ダクト19よりも横断面積が大きく、バイパスダクト22の内部を移動し、且つ背面ダクト18の内部まで移動するものである。
図6及び図7に示すように、吐出口21と貫通孔54とが合致するようシャッタ52を配置した場合、第2板状部材52bによって背面ダクト18と底面ダクト19との連通を遮断する。
従って、この状態において、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気は、庫内送風ファン60によって背面ダクト18、吸込口20、吸込ダクト23a、第1室58、蒸発熱交換器34、第2室59、吐出ダクト23b、吐出口21、底面ダクト19で構成される冷却通路を通過しながら、商品収容庫14a,14b,14cの内部に戻る。
吐出口21と貫通孔54とが合致するようシャッタ52を配置したとき、シャッタ52による吐出口21及び吸込口20の開口面積は最大であり、且つ開口率は100%である。
この状態から、駆動モータ49を駆動し、ピニオンギヤ50を正回転することでラックギヤ51を介してシャッタ52を奥側へスライド移動した場合には、吐出口21に対して貫通孔54がずれ、吐出口21の一部が第1板状部材52aで塞がれ、吐出口21の開口面積が減少する。しかも、吸込口20の一部も、第1板状部材52aで塞がれ、吐出口21の一部も第1板状部材52aで塞がれる。
図では明示していないが、シャッタ52で吐出口21の一部及び吸込口20一部を遮断した場合、第2板状部材52bによって背面ダクト18と底面ダクト19との連通を遮断し続けている。よって、この状態でも、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気は、庫内送風ファン60によって冷却通路を通過しながら、商品収容庫14a,14b,14cの内部に戻る。
その後、さらに、駆動モータ49を駆動し、ピニオンギヤ50を正回転することでラックギヤ51を介してシャッタ52を奥側へスライド移動した場合、シャッタ52による吐出口21及び吸込口20の開口率は一層減少する。やがて、貫通孔54の左端と吐出口21の右端とが重なるようシャッタ52を移動した場合、吐出口21が第1板状部材52aで塞がれ、シャッタ52による吐出口21の開口面積が0になる。しかも、吸込口20も第1板状部材52aで塞がれ、シャッタ52による吐出口21の開口面積も0になる。
開口面積が0となった場合でも、第2板状部材52bによって背面ダクト18と底面ダクト19との連通を遮断し続けている。従って、この状態でも、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気が冷却通路を通過することがない。もちろん、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気が背面ダクト18及び底面ダクト19を通過することもない。
その後、さらに、駆動モータ49を駆動し、ピニオンギヤ50を正回転することでラックギヤ51を介してシャッタ52を奥側へスライド移動し、第2板状部材52bが背面ダクト18の内部にまで移動すると、図8および図9に示すように、バイパスダクト22を通じて背面ダクト18と底面ダクト19とが連通状態となる。
しかも、この状態では、シャッタ52によって吐出口21及び吸込口20が塞がれている。この状態では、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気は、庫内送風ファン60によって背面ダクト18、バイパスダクト22、底面ダクト19で構成されるバイパス通路を通過しながら、商品収容庫14a,14b,14cの内部を循環する。
このようにシャッタ52をスライド移動することで、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気を適宜の通路を通過させ、又は通路を通過させないようにする。もちろん、必要に応じて、駆動モータ49を逆駆動し、ピニオンギヤ50を逆回転することでラックギヤ51を介してシャッタ52を手前側へスライド移動する。
このような構成を有する自動販売機において、商品収容庫14a,14b,14cに収容してある商品を冷却する場合には、例えば吐出口21と貫通孔54が合致するよう駆動モータ49でシャッタ52を移動し、冷却装置25を稼動して、冷却容器57の内部の空気を冷却しつつ、庫内送風ファン60を稼動し、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気を冷却通路に通す。
一方、商品収容庫14a,14b,14cに収容してある商品を加温する場合には、吸込口20および吐出口21を第1板状部材52aで塞ぎつつ、背面ダクト18の内部に第2板状部材52bが入るよう駆動モータ49でシャッタ52を移動し、加温装置61を稼動しつつ庫内送風ファン60を稼動し、商品収容庫14a,14b,14cの内部の空気をバイパス通路に通す。
さて、次に、このような自動販売機を製造する場合において、互いの内部が連通する態様で上下方向に延在するダクト23の端部に冷却容器57を取り付ける場合を説明する。
ダクト23は、図10および図12に示すように、上下方向に延在する態様で形成してあり、一方の接続面23Bをガスケット(押当手段)64を介して上記底板14dの接続面に取り付けてある。ダクト23の他方の接続面23Aは、図中、左上方から右下方に向け、例えば水平面に対して45°傾斜する態様で形成してあって、機械室15の手前側に向けて傾斜する態様で配置してある。このようなダクト23は、機械室15の奥行方向の中央に、上下方向に沿って断熱仕切板23cを設けることで、図中、右側に配置する吸込ダクト23aと、左側に配置する吐出ダクト23bとを画成している。なお、ガスケット64は、例えば発泡ウレタン等の弾力性を備える材料で形成してあって、接続面23Bの表面を覆うよう配設してあり、空気が冷却通路を通過するよう貫通孔64a,64bを設けてある。
上記ダクト23の他方の接続面23Aの表面には、接続面23Aの表面を覆うようガスケット65を設けてある。ガスケット65は、例えば発泡ウレタン等の弾力性を有する材料で形成してあって、空気が冷却通路を通過するよう貫通孔65a,65bを設けてある。
冷却容器57は、図11に示すように、蒸発熱交換器34を内蔵している。冷却容器57の内部には、蒸発熱交換器34および断熱仕切板56によって、蒸発熱交換器34の吸込側に面する部分に第1室58を画成してあり、蒸発熱交換器34の吐出側に面する部分に第2室59を画成してある。この冷却容器57の上方の接続面57Aは、図中、左上方から右下方に向け、上記ダクト23の接続面23Aに対応する角度、すなわちこの例では45°傾斜する態様で形成してあって、機械室15の奥側に向けて傾斜する態様で配置してある。
冷却容器57の上方の接続面57Aの表面には、ガスケット68を設けてある。ガスケット68は、例えば発泡ウレタン等の弾力性を有する材料で形成してあって、接続面57の表面を覆うよう配設してあり、空気が冷却通路を通過するよう貫通孔68a,68bを設けてある。
冷却容器57は、先ず、スターリング冷凍機27、および放熱ユニット38とともに載置板69に取り付けて冷却装置25を形成する。
次に、冷却装置25を、機械室15の下方の基台15aの上に載置した後、図13に示すように、吸込ダクト23aの内部と第1室58とが連通し、且つ吐出ダクト23bの内部と第2室59とが連通する態様であって、ダクト23の下方の接続面23Aと冷却容器57の上方の接続面57Aとを密接するよう、機械室15の奥方であって、水平方向に沿って冷却装置25をスライド移動する。その後、冷却装置25を機械室15にネジ等の固定部材で取り付ける。
この実施の形態1による自動販売機によれば、冷却容器57を水平方向に沿ってスライド移動させた場合、互いの接続面23A,57Aを密接するようダクト23および冷却容器57を構成したので、ダクト23の下端部に冷却容器57を取り付ける際、冷却容器57を上方に移動させてダクト23に冷却容器57を密接させる必要がない。よって、自動販売機を製造する際の作業性を向上することができる。もちろん、この自動販売機を設置した後、設置場所で冷却容器57を取り替える場合でも、冷却容器57を上方に移動させる必要がないので、冷却容器57を取り替える際の作業性も向上することができる。
しかも、この自動販売機によれば、ダクト23に冷却容器57を取り付けた場合、ダクト23に冷却容器57を押し当てるガスケット64を設けてあるので、ダクト23に冷却容器57を密接させる力を向上することができる。
さらに、この自動販売機によれば、ダクト23を水平方向に延在させることなしに、互いの内部を連通する態様で上下方向に延在するダクト23の端部に冷却容器57を取り付けることができるため、機械室15の大型化を防止することができる。
なお、上述した実施の形態1では、スターリング冷凍機27を備える自動販売機を用いて説明した。しかし、この発明はそれに限られず、スターリング冷凍機27を備えていない自動販売機であっても、互いの内部が連通する態様で上下方向に延在するダクトの端部に冷却容器を取り付けるものに適用することができる。もちろん、自動販売機に限られず、互いの内部が連通する態様で上下方向に延在するダクトの端部に容器を取り付ける構造物であれば適用することができる。
さらに、上述した実施の形態1には、ダクト23の接続面23Aおよび冷却容器57の接続面57Aが水平面に対して45°傾斜するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ダクト23の接続面23Aおよび冷却容器57の接続面57Aを、水平面に対して30°以上、90°未満傾斜する態様で形成すれば、自動販売機を製造する際に作業性を向上することができ、冷却容器57を取り替える際に作業性を向上することができる。
次に、実施の形態1にかかる自動販売機の第1変形例を、図14〜図17を用いて説明する。なお、図14〜図17に示す第1変形例において、図1〜図13に示した自動販売機と同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
図示する自動販売機には、底板14dとダクト23との間にガスケット64を設けず、代わりに、機械室15の奥側であって基台15aの上に、案内台(案内手段)70を設けてある。
案内台70は、第1板状部材70aと第2板状部材70bと第3板状部材70cと第4板状部材70dと第5板状部材70eと第6板状部材70fと第7板状部材70gと第8板状部材70hと第9板状部材70iとを備えており、例えば所要の形状を成した一枚の金属性の板材を折り曲げることによって形成してある。このような案内台70は、ダクト23に冷却容器57を取り付ける際、冷却容器57をダクト23に押し当てるよう案内するものである。
第5板状部材70eおよび第7板状部材70gは、ダクト23に対する冷却容器57の左右方向の位置を案内するものであり、機械室15の奥側の側板15b、および左右方向の側板15cに対して傾斜する態様で配置してあり、且つ立面視がハ字状となる態様で配置してある。第5板状部材70eおよび第7板状部材70gの間隔は、機械室15の奥側の間隔W1が、冷却装置25の載置板69の幅より僅かに幅が広く、機械室15の手前側に向けて漸次幅が広くなる。
第4板状部材70dおよび第6板状部材70fは、冷却装置25のスライド移動に伴ってダクト23に対する冷却容器57の左右方向の位置がずれることを防止するものであり、機械室15の側板15bに直交する態様であって、且つ側板15cに沿う態様で配置してある。さらに、第4板状部材70dと第6板状部材70fとは、平行となる態様で配置してある。第4板状部材70dおよび第6板状部材70fの間隔は、載置板69の幅より僅かに広い。
第1板状部材70aは、ダクト23に対する冷却容器57の上下方向の位置を案内するものであり、水平面に対して傾斜する態様で、機械室15の手前側の端に比して奥側の端が高くなる態様で配置してあり、上記第4板状部材70dと第6板状部材70fとの間に設けてある。
第2板状部材70bは、ダクト23に対する冷却容器57の上下方向の位置を案内するものであり、水平面に対して傾斜する態様で、機械室15の手前側の端に比して奥側の端が高くなる態様で配置してあり、上記第4板状部材70dと第6板状部材70fとの間に設けてある。第2板状部材70bの水平面に対する傾斜角は、冷却容器57の移動方向を徐々に変更してスムーズに移動させるため、上記第1板状部材70aの水平面に対する傾斜角よりも角度が大きく、この例では、上記接続面23A,57Aと同一で、水平面に対して45°である。
第3板状部材70c、第8板状部材70h、および第9板状部材70iは、機械室15の基台15の表面に対する第1板状部材70aの傾斜角、および第2板状部材70bの傾斜角が所定角度となるよう、側面視がコ字状となる態様で第2板状部材70bの後方に配置してある。
次に、上記のような構成を有する案内台70を備える自動販売機において、ダクト23の端部に冷却容器57を取り付ける場合を説明する。
先ず、図16に示すように、載置板69に、スターリング冷凍機27、放熱ユニット38、および冷却容器57を取り付けて、冷却装置25を形成する。
次に、図17に示すように、冷却装置25を、機械室15の基台15aの上に載置した後、機械室15の奥方に向け、水平方向に沿ってスライド移動させる。
その後、載置板69の先端が、案内台70の第5板状部材70e、または第7板状部材70gに当接した場合、ダクト23の左右方向の位置と冷却容器57の左右方向の位置とが合うよう冷却容器57を案内する。
しかも、載置板69の先端が、第1板状部材70aおよび第2板状部材70bに当接した場合、案内台70で冷却容器57をダクト23に押し当てながら、ダクト23の上下方向の位置と冷却容器57の上下方向の位置とが合うよう冷却容器57を案内する。最後に、機械室15の手前側であって、載置板69と基台15aとの間に、高さ調整部材71を配設してから、冷却装置25を機械室にネジ等の固定部材で取り付ける。
この自動販売機によれば、冷却容器57をダクト23に押し当てるよう案内する案内台70を設けたので、ダクト23に冷却容器57を押し当てる力を向上することができる。
しかも、ガスケット65,68に加えられる圧縮力を、案内台70によって、ガスケット65,68の表面に対して直交する方向から加えることができるため、ガスケット65,68の寿命を長くすることができる。
次に、実施の形態1にかかる自動販売機の第2変形例を、図18〜図21を用いて説明する。なお、図18〜図21に示す第2変形例において、図1〜図13に示した自動販売機と同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
図示する自動販売機には、底板14dとダクト23との間にガスケット64を設けず、代わりに、ダクト23と冷却容器57との間に、案内手段75を設けてある。
案内手段75は、ダクト23に冷却容器57を取り付ける際、冷却容器57をダクト23に押し当てるよう案内するものであって、ダクト23に設ける第1案内部材72と、冷却容器57に設ける第2案内部材74とで構成してある。
第1案内部材72は、図19に示すように、例えば底部72aの面積に比して天部72bの面積が狭い四角錘台状を成す態様で形成してある。第1案内部材72は、図19中、下側の側面72cが水平面に沿う態様であって、上側の側面72dが水平面に対して傾斜する態様(水平面に対して45°傾斜する態様)で、且つ右側の側面72eと左側の側面72dとを、図19中、手前(先端)に行くに従い相互間隔が漸次狭くなる態様で形成してある。このような第1案内部材72は、図18に示すように、機械室15の手前側におけるダクト23の下端部に、底部72aを取り付けてある。このような第1案内部材72の先端側において、側面72eと側面72fとの相互間隔はW2である。
第2案内部材74は、図20に示すように、凹部73を有する態様で直方体状に形成してある。凹部73は、図20中、第2案内部材74の右側部に形成してあって、上記第1案内部材72に対応するよう形成してある。すなわち、凹部73は、図20中、右側の側面73aと左側の側面73bとが、凹部73の奥に行くに従い相互間隔が漸次狭くなる態様で形成してあり、下側の側面73cが水平面に沿う態様であって、上側の側面73dが水平面に対して傾斜する態様(水平面に対して45°傾斜する態様)で形成してあり、且つ奥側の側面73eと第2案内部材74の右側部との間隔、すなわち凹部73の深さが、第1案内部材72の底部72aと天部72bとの間隔と同一となるよう形成してある。
第2案内部材74は、図18に示すように、冷却装置25の手前側における冷却容器57の上端部に、冷却容器57の上方へ突出するよう取り付けてある。第2案内部材74の右側面における側面73aと側面73bとの間隔W3は、上記第1案内部材72の側面72eと側面72fとの間隔W2よりもわずかに大きい。
上記第1案内部材72の側面72e,72dと、第2案内部材74の側面73a,73bは、ダクト23に冷却容器57を取り付ける場合、取り付けの初期において相互間隙を大きく確保し、且つ取り付けが進行するに従って相互間隙を小さくする傾斜案内面である。
次に、上記のような構成を有する案内手段75を備える自動販売機において、ダクト23の端部に冷却容器57を取り付ける場合を説明する。
先ず、図18に示すように、載置板69に、スターリング冷凍機27、放熱ユニット38、および冷却容器57を取り付けて、冷却装置25を形成する。
次に、冷却装置25を、機械室15の基台15aの上に載置した後、機械室15の奥方に向け、水平方向に沿ってスライド移動させる。
その後、第2案内部材74の凹部73の側面73aと、第1案内部材72の側面72fとが当接し、第2案内部材74の凹部73の側面73bと、第1案内部材72の側面72eとが当接することで、ダクト23の左右方向の位置と冷却容器57の左右方向の位置とが合うよう冷却容器57を案内する。
しかも、第2案内部材74の凹部73の側面73dと、第1案内部材72の側面72dとが当接すると、冷却容器57をダクト23に押し当てながら、ダクト23の上下方向の位置と冷却容器57の上下方向の位置とが合うよう冷却容器57を案内する。最後に、機械室15の手前側であって、載置板69と基台15aとの間に、高さ調整部材71を配設してから、冷却装置25を機械室15にネジ等の固定部材で取り付ける。
この自動販売機によれば、冷却容器57をダクト23に押し当てるよう案内する案内手段75を設けたので、ダクト23に冷却容器57を押し当てる力を向上することができる。
しかも、ガスケット65,68に加えられる圧縮力を、案内手段75によって、ガスケット65,68の表面に対して直交する方向から加えることができるため、ガスケット65,68の寿命を長くすることができる。
次に、実施の形態1にかかる自動販売機の第3変形例を、図22〜図23を用いて説明する。なお、図22〜図23に示す第3変形例において、図1〜図13に示した自動販売機と同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
図示する自動販売機には、底板14dとダクト23との間にガスケット64を設けず、代わりに、ダクト23と冷却容器57との間に、案内手段79を設けてある。
案内手段79は、ダクト23に冷却容器57を取り付ける際、冷却容器57をダクト23に押し当てるよう案内するものであって、ダクト23に設ける第3案内部材76と、冷却容器57に設ける第4案内部材78とで構成してある。
第3案内部材76は、図22中、左下方から右上方に向けて傾斜し、且つ水平面に対して45°傾斜する傾斜面76aを有している。このような第3案内部材76は、例えば上記傾斜面76aの下方に位置する傾斜面76bが、ダクト23の接続面23Aから突出するよう、ダクト23の左右方向の両側部に取り付けてある。
第4案内部材78は、図22中、左下方から右上方に向けて傾斜し、且つ水平面に対して45°傾斜する傾斜面78aを有している。このような第4案内部材78は、上記第3案内部材76に対応するよう冷却容器57の左右方向の両側部に取り付けてある。すなわち、第4案内部材78は、上記傾斜面78aの下方に位置する傾斜面78bが、冷却容器57の接続面57Aから突出しないよう形成することで、ダクト23に冷却容器57を取り付けた場合、第3案内部材76の傾斜面76aと、第4案内部材78の傾斜面78aとが当接し、且つ第3案内部材76の傾斜面76bと、第4案内部材78の傾斜面78bとが当接するよう第3案内部材76に対応する態様で形成してある。
次に、上記のような構成を有する案内手段79を備える自動販売機において、ダクト23の端部に冷却容器57を取り付ける場合を説明する。
先ず、載置板69に、スターリング冷凍機27、放熱ユニット38、および冷却容器57を取り付けて冷却装置25を形成する。
次に、冷却装置25を、機械室15の基台15aの上に載置した後、機械室15の奥方へ向け、水平方向に沿ってスライド移動させる。
その後、第3案内部材76の傾斜面76aと、第4案内部材78の傾斜面78aとが当接すると、冷却容器57をダクト23に押し当てながら、ダクト23の上下方向の位置と冷却容器57の上下方向の位置とが合うよう、冷却容器57を案内する。最後に、機械室15の手前側であって、載置板69と基台15aとの間に、高さ調整部材71を配設してから、冷却装置25を機械室15にネジ等の固定部材で取り付ける。
この自動販売機によれば、冷却容器57をダクト23に押し当てるよう案内する案内手段79を設けたので、ダクト23に冷却容器57を押し当てる力を向上することができる。
しかも、ガスケット65,68に加えられる圧縮力を、案内手段79によって、ガスケット65,68の表面に対して直交する方向から加えることができるため、ガスケット65,68の寿命を長くすることができる。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2にかかる自動販売機を、図24〜図26を用いて説明する。なお、図24〜図26に示す実施の形態2にかかる自動販売機において、図1〜図13に示した実施の形態1にかかる自動販売機と同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2にかかる自動販売機の機械室15の内部には、図24に示すようにダクト23´を設けてある。ダクト23´は、断熱仕切板23c´によって画成された吸込ダクト23a´と吐出ダクト23b´とを備えている。
吸込ダクト23a´は、商品収容庫14a,14b,14cの内部と、後述する冷却容器57´の第1室58´とを連通するものである。このような吸込ダクト23a´は、下方に向けて伸び、その後、左方に向けて伸びる態様で形成してある。
吐出ダクト23b´は、商品収容庫14a,14b,14cの内部と、後述する冷却容器57´の第2室59´とを連通するものである。このような吐出ダクト23b´は、下方に向けて伸び、その後、右方に向けて伸びてから、下方に向けて伸び、その後、左方に向けて伸びる態様で形成してある。
ダクト23´の他方の接続面23A´は、水平面に対して直交する態様であって、且つ開口を機械室15の手前側に向けて形成してある。
冷却容器57´は、図25に示すように断熱材で構成した箱体である。この冷却容器57´の内部には、蒸発熱交換器34の吸込側と吐出側とを仕切るよう蒸発熱交換器34および断熱仕切板56´を配設することで、吸込側に面する部分に第1室58´を構成してあり、吐出側に面する部分に第2室59´を構成してある。
この冷却容器57´の接続面57A´は、水平面に対して直交する態様であって、且つ開口を機械室15の奥側に向けて形成してある。
次に、このような構成を有するダクト23´に冷却容器57´を取り付ける場合を説明する。
先ず、スターリング冷凍機27、放熱ユニット38、および冷却容器57´を載置板69´に取り付けて冷却装置25´を形成する。
次に、冷却装置25´を、機械室15の基台15aの上に載置した後、図26に示すように、吸込ダクト23a´の内部と第1室58´とが連通し、且つ吐出ダクト23b´の内部と第2室59´とが連通する態様であって、ダクト23´の接続面23A´と冷却容器57´の接続面57A´とを密接するよう機械室15の奥方であって、水平方向に冷却装置25´をスライド移動する。その後、冷却装置25´を機械室15にネジ等の固定部材で取り付ける。
この実施の形態2による自動販売機によれば、冷却容器57´を水平方向に沿ってスライド移動させた場合、互いの接続面23A´,57A´を密接するようダクト23´および冷却容器57´を構成したので、ダクト23´の端部に冷却容器57´を取り付ける際、冷却容器57´を上方に移動させてダクト23´に冷却容器57´を密接させる必要がない。よって、自動販売機を製造する際の作業性を向上することができる。もちろん、この自動販売機を設置した後、設置場所で冷却容器57´を取り替える場合でも、冷却容器57´を上方に移動させる必要がないので、冷却容器57´を取り替える際の作業性も向上することができる。
なお、上述した実施の形態2では、スターリング冷凍機27を備える自動販売機を用いて説明した。しかし、この発明はそれに限られず、スターリング冷凍機27を備えていない自動販売機であっても、互いの内部が連通する態様で上下方向に延在するダクトの端部に冷却容器を取り付ける自動販売機に適用することができる。もちろん、自動販売機に限られず、互いの内部が連通する態様で上下方向に延在するダクトの端部に容器を取り付ける構造物であれば適用することができる。