JP4929534B2 - 低温焼成セラミックス基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い線熱膨張性と高いQf値を有し、強度も十分なガラスセラミックス型の低温焼成セラミックス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のICチップ (LSI) の高性能化と小型化に伴い、ICチップを搭載する回路基板についても配線密度の高密度化が重要な課題となっている。この回路基板としては、内部に内層導体配線を有する多層回路基板が一般に使用されている。回路基板は、絶縁材料がプラスチックであるプラスチック基板と、絶縁材料がセラミックスであるセラミックス基板とに大別される。
【0003】
セラミックス基板は耐熱性、従って信頼性に優れる上、多層回路基板の製造工程がプラスチック基板に比べて単純であるという特長があり、特に通信用のRFモジュール基板といった用途ではセラミックス基板が主流になっている。
【0004】
セラミックス基板の代表例はアルミナ基板である。アルミナ基板は、絶縁性に優れ、かつ機械強度も、抗折強度300 MPa 以上と非常に高い。しかし、アルミナ基板は、焼成温度が1500〜1600℃と高いため、多層化する場合には、配線材料としてW、Moといった高融点金属を使用することになる。しかし、これらの金属は電気抵抗が比較的高いので、信号の伝送損失、および電力損失が大きくなる。また、アルミナは比誘電率が約9と比較的高く、伝送信号の高周波数化に伴って信号遅延速度が大きくなる。以上の点から、アルミナ基板はICチップの高速化には不向きである。
【0005】
この問題を解決するため、850 ℃〜1050℃で焼成可能な低温焼成セラミックス基板が開発された。焼成温度が低いと、低抵抗のCu、Agの金属を配線材料として使用することができ、信号の伝送損失や電力損失が著しく低減する。低温焼成セラミックス基板の多くは、ガラスと骨材の結晶質フィラー (セラミックス) との混合物からなるガラス複合材料(ガラスセラミックス)からなる。この種のセラミックス基板は一般にアルミナ基板より比誘電率が低く、高周波数での信号遅延も抑えられる。
【0006】
一方、ICチップを回路基板に搭載する方法として、従来のワイヤボンディングに代わって、高密度で電気的接続にも優れたフリップチップ (FC) 実装の採用が多くなっている。ICチップを回路基板に搭載したパッケージのプリント配線板への実装方法についても、従来のPGA(pin grid array)に代わり、BGA(ball grid array) が主流になりつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
FC、BGAによる接続は、高密度化が可能で、パッケージの小型化や実装密度の増大といった要求に応えることができる。しかし、チップと回路基板またはパッケージとプリント配線板との接続部が短くなるため、接続部には単位体積当たりでより大きな熱応力が加わる。この熱応力は、チップと基板、またはパッケージ (回路基板) とプリント配線板の熱膨張係数が異なることから、LSIの動作で発生する熱により生じるものである。
【0008】
LSIの集積度の向上と小型化により、パッケージの発熱量は大きくなる一方であり、接続部に加わる熱応力は増大傾向にある。接続部の距離が短いFCやBGAでは、熱応力が十分に吸収されないと接続部が剥離することがあり、接続の信頼性を損なう結果となる。従って、FCやBGA接続には、熱応力による接続信頼性の低下を防ぐことが求められる。熱応力は、FCやBGAの両側の部材の熱膨張係数の差が小さいほど小さくなる。
【0009】
FC接続については、チップ材料であるシリコンの熱膨張係数に近いセラミックス基板材料が開発され、高い接続信頼性の確保が可能となった。また、チップと回路基板との間に補強樹脂を注入することで、熱膨張係数にある程度の差があっても、接続信頼性には問題がなくなった。
【0010】
しかし、パッケージとプリント配線板との間のBGA接続では、回路基板がセラミックス基板であるセラミックスパッケージの場合、セラミックス基板の熱膨張係数は、樹脂とガラス繊維からなるプリント配線板のそれよりかなり小さく、熱膨張係数の差が大きいため、高い接続信頼性を得ることが困難であった。プリント配線板へのパッケージのBGA実装では、パッケージの交換を不可能にする補強樹脂の注入という手段は採用しにくい。従って、BGA接続の信頼性を改善するには、熱膨張係数がプリント配線板に近いセラミックス回路基板が必要となる。
【0011】
電子機器の動作温度は通常は100 ℃以下であるが、BGAがリフロー法によるハンダ実装であるため、リフロー実装時にパッケージとプリント配線板は300 ℃近い温度に曝される。従って、室温〜300 ℃までの温度範囲について、セラミックス基板とプリント配線板の熱膨張係数をマッチさせなければならない。
【0012】
また、特に携帯電話用のRF (高周波) モジュール用の回路基板では、高周波化に対応するため、伝送損失の低い基板、即ち、Q×fで与えられるQf値 (Qは誘電損失の逆数、即ち、Q=1/tanδ<tanδ=誘電損失> 、fは周波数) の高い基板が求められている。
【0013】
ガラスセラミックス型の低温焼成セラミックス基板は、アルミナ基板に比べると、強度が低くならざるを得ないが、抗折強度がある程度高くないと、基板の小型化 (薄型化) に対応できない。
【0014】
本発明は、これらの点に着目し、Qf値が高く(Qf=3000 GHz以上)、内層導体の低抵抗化のために低温焼成が可能(Ag配線が可能な930 ℃以下で焼成できる)、熱膨張係数が適度に高い(室温〜300 ℃で9〜12 ppm/℃)、抗折強度が高い (≧180 Mpa)という特性を満たすセラミックス基板を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、石英を主成分とする骨材と、SrO およびSiO2を含むガラスとの焼結体からなるガラスセラミックス型の低温焼成セラミックス基板により上記課題を解決することができる。
【0016】
ここに、本発明は、石英を主成分とする骨材と、SrO およびSiO2を含むガラス、との焼結体からなるセラミックス基板であって、
室温から300 ℃までの温度範囲の線熱膨張係数が9〜12 ppm/℃、
抗折強度が180 MPa 以上、
Qf値が3000 GHz以上、
であることを特徴とするセラミックス基板である。
【0017】
上記セラミックス基板は、質量%で、骨材35〜40%(うち、石英30〜39.5%)、ガラス60〜65%からなり、ガラスの組成が、
SrO :40〜46%、SiO2:35〜40%、
B203: 9〜11%、SnO2: 1.5〜5.8 %、
ZnO : 2〜4 %、Al203 + AlN : 0.6〜2.8 %、
Na20 + K20: 0.1〜2%、MgO : 0.1〜1.5 %、
その他不純物:合計2%以下、
である。
【0018】
骨材は、好ましくは、アルミナ、窒化アルミニウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた少なくとも1種のアルミニウム化合物、ならびに/または酸化第二鉄(Fe203) を、合計 0.5〜5質量%(但し、Fe2O3 の上限は2質量%)の割合で含有する。
【0019】
上記セラミックス基板は、内部に内層導体配線を有する多層セラミックス回路基板を構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のガラスセラミックス型の低温焼成セラミックス基板は、従来のガラスセラミックス基板に比べて、熱膨張係数とQf値が共に大きいという特徴を有する。この大きな熱膨張係数とQf値は、次に説明するように、ガラスおよび骨材の組成の選択によって達成することができる。
【0021】
骨材としては、シリカ結晶の1つである石英を使用する。石英は熱膨張係数が14 ppm/℃程度と高い。骨材として、非晶質のシリカ、あるいはクリストバライトやトリジマイトといった、他のシリカ結晶を用いた場合、熱膨張係数が低くなるか、或いは300 ℃以下に相転移があり、熱膨張係数が変化する。また、アルミナ、ムライト等のシリカ以外の骨材を用いた場合にも、熱膨張係数、Qf値、強度の少なくとも1つの特性が低下する。
【0022】
ガラスについても、熱膨張係数が高くなるように、SrO とSiO2を主成分とし、少量のNa2Oおよび/またはK2O を含有するガラス組成を選択する。それにより、焼成時に熱膨張係数の高い、SrO-SiO2-Al2O3、SrO-SiO2-Fe2O3といった結晶がガラス内部から析出し、熱膨張係数の高い結晶化ガラスとなる。
【0023】
内部配線の低抵抗化や、誘電特性と強度の向上のために、Ag配線の場合に必要な930 ℃以下の低温焼成で緻密に焼結が促進し、ガラス内部に結晶を多く析出させる必要がある。このために、B2O3、SnO2、ZnO 、Al2O3 を添加する。
【0024】
骨材は、石英だけでもよいが、さらにアルミナ、窒化アルミニウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた少なくとも1種のアルミニウム化合物と、Fe2O3 の一方または両方を添加すると、前記の熱膨張係数の高い結晶の析出が促進されるので好ましい。
【0025】
骨材とガラスの比率は、骨材が多すぎると、焼結性が不良となり、緻密な焼結体を得ることができない。一方、ガラスが多すぎると、セラミックス基板の機械的強度が低下する。
【0026】
以上の理由により、本発明によれば、室温から300 ℃までの温度範囲の線熱膨張係数が9〜12 ppm/℃、抗折強度が180 MPa 以上、Qf値が3000 GHz以上の特性を持つ、930 ℃以下の温度で焼成可能な低温焼成セラミックス基板が、質量%で、骨材35〜40%(うち、石英30〜39.5%)、ガラス60〜65%からなり、ガラスの組成が、
SrO :40〜46%、SiO2:35〜40%、
B203: 9〜11%、SnO2: 1.5〜5.8 %、
ZnO : 2〜4 %、Al203 + AlN : 0.6〜2.8 %、
Na20 + K20: 0.1〜2%、MgO : 0.1〜1.5 %、
その他不純物:合計2%以下、
であるという組成によって達成される。
【0027】
骨材は、好ましくは、アルミナ、窒化アルミニウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた少なくとも1種のアルミニウム化合物、ならびに/または酸化第二鉄(Fe203) を、合計 0.5〜5質量%(但し、Fe2O3 の上限は2質量%)の割合で含有する。このうち、水酸化アルミニウムは、焼成中にアルミナに変化する。これらの化合物は、焼成時に、SrO-SiO2-Al2O3、SrO-SiO2-Fe2O3といった熱膨張係数の高い結晶がガラス中で析出するのを促進する。しかし、骨材がこれらの化合物を全く含有していなくても、ガラス中に含まれるAl2O3 により、このガラスの析出が起こる。但し、その場合には、石英の上限は39.5%となり、これより石英の量が多いと (例、40%) 、熱膨張係数またはQf値を満たすことができなくなる。
【0028】
骨材が上記少なくとも1種のアルミニウム化合物を含有する場合、焼成後の骨材とガラスとを合わせた基板全体の組成は、一般に、質量%で、SiO2: 65.5〜51%、SrO:24〜29.9%、Na2O+K2O: 0.06〜1.3 %、B2O3:5.4〜7.2 %、Al2O3+AlN: 0.9〜6.8 %、SnO2: 0.9 〜3.8 %、MgO:0.06〜1.0 %、ZnO: 1.2〜2.6 %、その他不純物2%以下となろう。
【0029】
一方、骨材が2質量%以下のFe2O3 を含有する場合には、焼成後の基板全体の組成は、一般に質量%で、SiO2: 65.5〜51%、SrO:24〜29.9%、Na2O+K2O: 0.06〜1.3 %、B2O:5.4 〜7.2 %、Al2O3+AlN: 0.4〜1.8 %、SnO2:0.9〜3.8 %、MgO:0.06〜1.0 %、ZnO: 1.2〜2.6 %、Fe2O3: 0.5〜2%、その他不純物2%以下となろう。
【0030】
上記の基板全体の組成のSiO2は、骨材の石英とガラス中のSiO2とを含む量であるが、焼成後も石英は結晶形態が変化しないので、X線回折により基板中の骨材由来の石英の量を定量することができる。
【0031】
本発明のセラミックス基板は、基本的には、骨材とガラスの各粉末を混合し、必要に応じて成形してから焼成し、ガラスを少なくとも部分的に溶融させて焼結体とすることにより製造できる。製造方法は特に制限されず、従来法と同様でよい。粉末の混合と成形は、適当なバインダーとバインダーの溶媒とを使用して、例えば、スリップキャスティングによるシート成形により行うことができる。厚膜印刷法のように、バインダーと少量の溶媒と粉末混合物から作製したペーストをスクリーン印刷し、焼成してセラミックス基板を作製することもできる。単層基板の場合には、バインダーを用いなくても成形可能である。
【0032】
焼成温度は、緻密な焼結体が得られる限り制限はないが、通常は850 ℃以上である。内層導体を有する多層回路基板のように、配線材料と一緒に焼成される場合には、配線材料の融点より十分に低い温度で焼成を行う。例えば、配線材料がAgの場合には930 ℃以下、Cuの場合には1050℃以下がよい。焼成雰囲気も配線材料に応じて選択する。例えば、Cuの場合には非酸化性雰囲気 (例、真空または不活性ガス雰囲気) であるが、Agのように貴金属の場合には大気雰囲気でよい。配線材料は、その他、Ag−Pd、Auなども可能である。
【0033】
本発明のセラミックス基板は、周知のグリーンシート積層法または厚膜多層印刷法により、内部に内層導体配線を有する多層セラミックス回路基板の構成とすることが好ましい。低温焼成であるので、内層導体には上記のようなAgを始めとする低抵抗の配線材料を使用でき、信号の伝送損失が少なくなる。伝送損失は、基板それ自体のQf値が高いため、さらに低下する。
【0034】
本発明のセラミックス基板は、室温から300 ℃までの温度範囲の線熱膨張係数が9〜12 ppm/℃、抗折強度が180 MPa 以上、Qf値が3000 GHz以上という性質示す。
【0035】
一般的なプリント配線板材料であるガラス−エポキシ材料の同じ温度域での線熱膨張係数は約14〜15 ppm/℃であるので、本発明のセラミックス基板は、プリント配線板との熱膨張係数の差が小さい。そのため、例えば、リフロー実装時に300 ℃近くまで加熱されても、BGA接続部に発生する熱応力は小さく、接続の信頼性を確保することができる。また、ICチップの材料であるシリコンの熱膨張係数は約 ppm/℃であり、チップ側をFC接続とし場合の熱応力もそれほど大きくない。熱膨張係数が9 ppm/℃より小さいか、12 ppm/℃より大きいと、プリント配線板またはチップとの熱膨張係数の差が大きくなりすぎる。
【0036】
本発明のセラミックス基板は、Qf値が3000 GHz以上と非常に大きいため、高周波での伝送損失が小さい。従って、高速処理のために動作周波数を高くしたLSIを搭載した場合にも良好な信号応答性を保持できる。また、動作周波数が非常に高い、携帯電話用のRFモジュール基板として利用した場合でも、伝送損失を低く抑えることができる。
【0037】
【実施例】
表1の組成を持つA〜Dの4種類のガラスを、通常の溶融・急冷法により調製し、10μm程度の平均粒径となるように粉砕した。ガラスAは前記範囲外の組成を持つ比較用のガラスであり、残りのガラスB〜Dは前記範囲内の組成を持つガラスである。
【0038】
これらから選んだガラス粉末に、表2に示す配合比で、骨材の石英粉末 (平均粒径約2μm) を加え、場合によりさらに骨材の一部としてAl2O3 またはFe2O3 の粉末を加えた。この粉末混合物を、ボールミル内で、有機溶媒を粉砕溶媒として30分間混合粉砕した。ここに、アクリル系バインダーと可塑剤を添加し、ボールミル中での混合をさらに18時間続けて、スラリー化した。このスラリーをドクターブレード法によりシート成形し、乾燥して、厚み0.1 mmのグリーンシートを作製した。
【0039】
(1) 線熱膨張係数の測定
上記グリーンシートを35枚積層し、熱プレスで接着した後、3.5 mm×17.5 mm にカットした。この積層サンプルを、Agの融点より低い930 ℃の焼成温度で保持時間を30分にして大気中で焼成した。焼成により得られた焼結サンプルを室温から300 ℃まで10℃/minで昇温し、そのときのサンプルの伸び量をTMA (熱機械分析) により測定して、線熱膨張係数を算出した。
【0040】
(2) 抗折強度測定
上記グリーンシートを12枚積層し、熱プレスで接着後、10.0 mm ×50.0 mm にカットした。この積層サンプルを大気中、930 ℃にて30分の保持時間で焼成した。得られた焼結サンプルを用いて曲げ試験を行い、抗折強度を測定した。
【0041】
(3) Qf値の測定
上記ガラス粉末と石英粉末をボールミルで有機溶媒を用いて混合粉砕した後、100 ℃で24時間乾燥させた。得られた粉末混合物を金型プレスにより直径15 mm の円柱状に成形し、得られた成形体を大気中で930 ℃にて30分の保持時間で焼成し、焼結体を作製した。得られた円柱状の焼結サンプルを用いて、誘電体共振法によりQ値と共振周波数fを測定し、Qf値を算出した。
【0042】
上記(1) 〜(3) の焼成において、緻密な焼結体が得られず、焼結体の収縮量が10%未満であった場合は、焼結不良と判定し、上記の各測定は実施しなかった。以上の測定結果を表2にまとめて示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表2からわかるように、質量基準で骨材の量が40%より多くなると、焼結不良となる。骨材の量が40%以下であれば、緻密な焼結体が得られるが、骨材の量が35%を下回ると、焼結したセラミックス基板の強度が低下する。骨材の量が35〜40%の範囲で、緻密かつ強度も十分な焼結体からなるセラミックス基板を得ることができる。
【0046】
セラミックス基板の熱膨張係数とQf値に関しては、骨材中の石英が39.5%以下で、かつガラス組成が前記範囲であれば、線熱膨張係数が9〜12 ppm/℃の範囲内で、Qf値が3000 GHz以上の、リフロー実装しても接続部の信頼性が高く、かつ高周波での伝送損失が少なく、信号応答性に優れた基板となる。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、Qfが3000 GHz以上と高く、930 ℃以下で焼成可能で、室温〜300 ℃での線熱膨張係数が9〜12 ppm/℃の範囲内であり、かつ抗折強度が180 Mpa 以上のセラミックス基板が提供される。
【0048】
本発明のセラミックス基板は、低抵抗のAgを内層導体とする多層セラミックス回路基板とすることができる。配線の低抵抗化に加え、基板それ自体のQf値が高いので、動作周波数が高くても伝送損失の低い基板となる。従って、本発明のセラミックス基板は高周波化に対応でき、特に携帯電話のRFモジュール基板や動作周波数の高いLSI用基板として有用である。
Claims (3)
- 石英を主成分とする骨材と、SrO およびSiO2を含むガラス、との焼結体からなるセラミックス基板であって、
室温から300 ℃までの温度範囲の線熱膨張係数が9〜12 ppm/℃、
抗折強度が180 MPa 以上、
Qf値が3000 GHz以上、であり、
質量%で、骨材35〜40%(うち、石英30〜39.5%)、ガラス60〜65%からなり、ガラスの組成が、
SrO :40〜46%、SiO 2 :35〜40%、
B 2 0 3 : 9〜11%、SnO 2 : 1.5〜5.8 %、
ZnO : 2〜4 %、Al 2 0 3 + AlN : 0.6〜2.8 %、
Na 2 0 + K 2 0: 0.1〜2%、MgO : 0.1〜1.5 %、
その他不純物:合計2%以下、
である、セラミックス基板。 - 骨材が、アルミナ、窒化アルミニウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた少なくとも1種のアルミニウム化合物、ならびに/または酸化第二鉄(Fe203) を、合計 0.5〜5質量%(但し、Fe2O3の上限は2質量%)の割合で含有する、請求項1記載のセラミックス基板。
- 内部に内層導体配線を有する多層セラミックス回路基板を構成している請求項1または2に記載のセラミックス基板。
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