JP4925826B2 - 磁気共鳴イメージング装置及びその保守方法 - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献1記載の気化したヘリウムガスを再凝縮するためにクライオクーラーを用いた磁気共鳴イメージング装置では、クライオクーラーを保守のために取り外す場合がある。その際、クライオクーラーの挿入孔から空気が入り込むと、空気の中の成分がヘリウム容器の前記挿入孔付近で固化して、前記挿入孔を塞ぐ等の問題を引き起こしている。より具体的には、例えば液体ヘリウム容器に接続されているクライオクーラーを挿入するためのパイプの最も液体ヘリウム容器側で、空気の中の成分が固化することにより、クライオクーラーを再装着したときに、クライオクーラーがヘリウム容器内と遮断されることがある。この場合、気化したヘリウムガスがクライオクーラーまで到達されず、再凝縮されなくなるという問題が生じる。
図1は、本発明の実施例に係るMRI装置の一般的な全体構成を示すブロック図である。
CPU1は、予め定められたプログラムに従って、シーケンサ2、送信系3、受信系5、信号処理系6を制御する。シーケンサ2は、CPU1からの制御指令に基づいて動作し、被検体7の断層面の画像データ収集に必要な種々の命令を送信系3、傾斜磁場発生系21、受信系5に送る。
静磁場発生用磁石4は、被検体7の周りの所定の大きさを持った空間(以下、撮影空間という。)内に、所定の方向に均一な静磁場を発生させるためのものである。この静磁場発生用磁石4には、照射コイル11と、傾斜磁場コイル13と、受信コイル14とが配置されている。
傾斜磁場コイル13は、傾斜磁場発生系21に含まれ、傾斜磁場電源12より電流の供給を受け、シーケンサ2の制御により前記撮影空間内に傾斜磁場を発生する。
そして、受信系5からのデータがCPU1に入力されると、CPU1が信号処理、画像再構成などの処理を実行し、被検体7の所望の断層面の画像をディスプレイ18で表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク20などに記憶させる。
図2において、201は被検体、202及び203は、被検体201が配置される撮影空間を挟んで上下に配置され、撮影空間に静磁場を発生するための超電導コイル(図示せず。)等を内部に配置された上クライオスタット及び下クライオスタット、204は上下のクライオスタット(202及び203)を接続することで、クライオスタットの内部に配置された上下の超電導コイルを接続すると共に、液体ヘリウムが上クライオスタットから下クライオスタットへ流れるようにするための連結管である。205は上クライオスタットの上部に取り付けられ、気化したヘリウムガスを凝縮して液体ヘリウムに戻す働きをするクライオクーラー、206はクライオクーラー205に接続され、クライオクーラー205を駆動するための圧縮機、207はクライオスタット内の液体ヘリウムの残量や圧力を計測するために、上下のクライオスタット内の液体ヘリウム容器(図示せず。)内に配置されている液体ヘリウム残量センサー及び液体ヘリウム容器内圧力センサー(図示せず。)により検出した信号等を取り出すための出力端子、208は上クライオスタットの上部に固定され、後述するシールド室内の圧力を検出するための室内圧力センサである。209は出力端子207及び室内圧力センサ208に接続され、出力端子207及び室内圧力センサ208により取り出された信号を、液体ヘリウムの残量や液体ヘリウム容器内やシールド室内の圧力等の値に変換したり、クライオクーラーの運転の状況に応じて、液体ヘリウム容器内の圧力が下がり過ぎた場合には、一時的にクライオクーラーの運転を止めたりするための制御を行うクライオスタット制御ユニットである。210は撮影空間を挟んで対向して配置され、撮影空間に傾斜磁場を発生するための傾斜磁場コイル、211は傾斜磁場コイル210に接続され、傾斜磁場コイル210に電流を流すための傾斜磁場パワーアンプである。212は撮影空間を挟んで対向して配置され、撮影空間にほぼ均一な高周波磁界を発生するための高周波コイル、213は高周波コイル212に接続され、撮影空間に配置された被検体201を構成する特定の原子核の共鳴周波数と一致する高周波電流を高周波コイル212に流すための高周波パワーアンプである。214は被検体201の直近に配置され、被検体201を構成する原子核によって発生するNMR信号を検出するための検出コイル、215は検出コイル214に接続され、検出コイル214により検出した微弱なNMR信号を増幅・検波し・コンピュータ処理に適したデジタル信号に変換して出力するための受信ユニットである。216は傾斜磁場パワーアンプ211、高周波パワーアンプ213、受信ユニット215等に後述するバスラインを介して接続され、それらを定められた検査シーケンスによる時間間隔で動作するように制御をしたり、受信ユニット215によりデジタル信号に変換されたNMR信号を、診断のためのスペクトルや画像に変換する処理を行ったり、液体ヘリウム残量センサー及び液体ヘリウム内圧力センサーによって得られた液体ヘリウム容器内の液体ヘリウム残量や圧力に関する情報を下に、クライオスタット内の状況を監視して、該情報が所定の範囲外になった場合に警告メッセージを次に説明するディスプレイ217へ表示したりするための制御を行うコンピュータである。217はコンピュータ216に接続され、コンピュータ216で変換処理をして生成したスペクトルや画像を表示したり、前記警告メッセージを表示するためのディスプレイである。218はコンピュータ216に接続され、前記センサーによって得られた液体ヘリウム残量や圧力に関する情報や、前記警告メッセージを遠隔操作で操作者へ転送するためのモデム、219は圧縮機206、クライオスタット制御ユニット208、傾斜磁場パワーアンプ211、高周波パワーアンプ213、受信ユニット215とコンピュータ216を接続するためのバスラインである。220は外部からの電磁波ノイズを遮蔽してMRI装置のガントリー部分を設置するためのシールド室、221はケーブルを介してシールド室220内へ外部からノイズが侵入するのを防ぐためのノイズフィルター、222はシールド室220の壁に配置され、閉空間であるシールド室220内で液体ヘリウムの注液作業を作業者が安全に行えるようにするための換気設備、223,224,225はそれぞれクライオスタット内に液体ヘリウムを注入するためのヘリウムジュアー、トランスファーチューブ、及び注入ポートである。また、図2には図示されていないが、コンピュータ216には操作卓が備えられていて、それにより操作者は種々の情報をコンピュータ216へ入力できるようになっている。
上ヘリウム容器303と下ヘリウム容器304の外側には輻射熱シールド板311が設けられている。この輻射熱シールド板311は、上部でクライオクーラー205の一段目冷却ステージ306と熱接触し、全体の温度が一段目冷却ステージ306の50度ケルビン温度になるようになっていて、例えば熱伝導が良好な5ミリメートル厚の純アルミニューム板で構成されている。
本発明の実施例3は、クライオクーラー205の交換作業の約1日前からクライオクーラー205の運転の一部もしくは全てを停止して、クライオスタット内の液体ヘリウムの蒸発量を増加させ、上クライオスタット303の内圧を上昇させる方法である。クライオクーラー205の運転の一部もしくは全てを停止してクライオクーラー205の冷却能力を低下させると、輻射熱シール板311の温度上昇がおこり、外部からの熱侵入とクライオクーラー205の冷却能力の熱平衡のバランスが大きく崩れる。その結果、液体ヘリウム容器内の液体ヘリウムの蒸発量が増加し、上ヘリウム容器303の内圧が増加する。従って、作業者は上ヘリウム容器303内の圧力値とシールド室内の圧力値をディスプレー217でモニターし、上ヘリウム容器303内の圧力がシールド室内の圧力より十分高くなったのを確認してから、クライオクーラー205を交換するようにする。
本発明の実施例4は、クライオクーラー205の交換時に、シールド室220内の換気設備222を作動させ、シールド室220内の圧力を低下させる方法である。シールド室220の内圧を低下させる。そして、上ヘリウム容器303内の圧力値をディスプレー217でモニターし、一方シールド室内の圧力値をディスプレー217でモニターし、ディスプレー217表示上で上ヘリウム容器303内の圧力がシールド室内の圧力より十分高くなったのを確認してから、クライオクーラー205を交換するようにする。
Claims (5)
- 内部を真空にするための真空容器と、前記真空容器の内部に設置され、内部に液体冷媒を納めるための液体冷媒容器と、前記液体冷媒容器の内部に設置され、前記液体冷媒に含浸されることにより超電導状態にされ、電流が流される超電導部材と、前記冷媒容器に直接連結された挿入口と、前記挿入口に接続され、液体冷媒容器内で前記液体冷媒が気化した気体を再凝縮するための冷凍手段と、前記液体冷媒の残量を制御する液量センサーとを備えた磁気共鳴イメージング装置の保守方法であって、
前記冷凍手段の運転を停止するステップと、
前記液量センサーに連続的に電流を流すステップと、
前記液量センサーが発生する熱により前記液体冷媒を気化させて、前記液体冷媒容器内の圧力を上昇させるステップと、
前記液体冷媒容器内の圧力を上昇させた後に、前記液体冷媒容器の挿入口から気化した冷媒ガスを噴出させるステップと、
前記冷媒ガスが噴出している間に、前記冷凍手段を取り替えるステップと、
前記冷凍手段を取り替えた後、前記液量センサーに電流を流すことを止めるステップと、
を含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置の保守方法。 - 前記冷媒は、液体ヘリウムであることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置の保守方法。
- 前記冷媒容器内の圧力を上昇させるステップでは、前記冷媒容器の内部と外部との圧力差が13.8〜27.9kPaとなるまで、前記冷媒容器内の圧力を上昇させることを特徴する請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置の保守方法。
- 前記冷媒容器内の圧力を上昇させるステップから前記冷凍手段を取り替えるステップまでを、前記冷媒容器内の圧力値と前記冷媒容器外部の圧力値をモニターしながら実行することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置の保守方法。
- 前記液体冷媒容器の挿入口から気化した冷媒ガスを噴出させるステップと前記冷凍手段を取り替えるステップとの間に、前記挿入口の端部を塞ぎ、前記液体冷媒容器内の圧力を上昇させるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置の保守方法。
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