JP5960152B2 - 磁気共鳴イメージング装置およびその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(Magnetic Resonance Imaging装置、以下、MRI装置と称する)に係わり、特に、クライオクーラを備えた超電導磁石を用いたMRI装置に関する。
超電導磁石を用いるMRI装置には、液体ヘリウム容器内で気化したヘリウムガスを冷却凝縮して再び液体ヘリウムに戻すクライオクーラが備えられている。ヘリウム容器内の圧力は、できるだけ一定に保つことが望ましいが、クライオクーラの冷却能力が高すぎる場合、気化した液体ヘリウムが必要以上に液化され、容器内の圧力が低くなりすぎる。そのため、ヘリウム容器内にヒータを配置し、必要に応じて容器内で液体ヘリウムを気化させ、ヘリウム容器内の圧力を一定に保つ構成が一般的に採用されている。
また、特許文献1では、ヘリウム容器内のヒータにより、MRI装置の消費電力が高くなるという問題を解決するために、予め定めた圧力の上限値および下限値に容器内の圧力が近づいたならば、クライオクーラの冷却能力自体を増減させる技術が提案されている。
冷却能力を変化させるために、特許文献1では、冷却サイクルの周波数を変化させる方法や、クライオクーラへの電力供給を停止して動作を停止させる方法や、クライオクーラへの圧縮されたヘリウムガスの供給量を調整する方法が開示されている。
特開2011-5091号公報
特許文献1に記載の技術は、ヒータ発熱による制御に比べて、クライオクーラの冷却能力のレスポンスが遅く、ヘリウム容器の圧力を一定にすることが困難である。そのため、特許文献1にも記載されているように、所定の圧力の幅(上限値および下限値)の範囲内で圧力が変化する。このように、ヘリウム容器内の圧力が変化すると、超電導磁石の磁場性能がわずかながら変化するため、これを許容しなければならない。
また、特許文献1の技術では、予め定めた圧力の上限値および下限値に、ヘリウム容器内の圧力が近づいたならば、クライオクーラの制御量(冷却サイクルの周波数の値や、クライオクーラへの電力供給のオンオフや、圧縮した冷媒ガスの供給量)をステップ状に急激に変化させる。クライオクーラの冷却能力を急激に増加させた場合、クライオクーラは過渡的に冷媒ガス圧が高くなり、圧縮機ユニットが過負荷運転となる。圧縮機ユニットの過負荷運転により、内部の潤滑油が熱分解し、メタンガス(CH4)、一酸化炭素(CO)、水素ガス(H2)が発生する。これらの分解ガスは、組み込まれているフィルターでは完全に除去できず、冷媒ガスに混入して、コールドヘッドにまで達し、その内部で凍結してコールドヘッドの故障や冷却能力の低下の原因となる。この現象は、不純物コンタミネーションと呼ばれ、クライオクーラの寿命短縮の原因となる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、冷却機(クライオクーラ)の寿命を長くして、冷却機のメンテナンスのためのMRI装置の休止期間を少なくし、MRI装置の稼働率を上げることである。
上記課題を解決するため、本発明では、次のようなMRI装置の構成とした。すなわち、撮像空間に静磁場を発生する超電導磁石と、撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、撮像空間に高周波磁場を印加する高周波コイルと、傾斜磁場コイルと高周波コイルの動作を制御して所定の撮影シーケンスを実行させる制御部とを備えた磁気共鳴イメージング装置である。超電導磁石は、冷媒および超電導コイルを収容するための冷媒容器と、前記冷媒容器に接続された、前記冷媒容器内で気化した冷媒ガスを再凝縮する冷却機と、冷媒容器内の圧力を検出する検出器とを備える。制御部は、検出器の検出した圧力値と、予め定めた一つの設定圧力値とを比較し、設定圧力値よりも圧力値が大きい場合には、冷却機の冷却能力を増加させ、設定圧力値よりも圧力値が小さい場合には、冷却機の冷却能力を低減するフィードバック制御を連続的に行って、設定圧力値での熱平衡状態を保つ。
本発明のMRI装置によれば、以下のような効果が得られる。
(1)冷却機(クライオクーラ)の寿命を長くして、そのメンテナンスによるMRI検査(撮像)の休止期間を少なくし、MRI装置の稼働率を上げることができる。
(2)冷却機の圧縮機ユニットの過負荷運転を防止し、不純物コンタミネーションによる問題を回避できる。
(3)冷却機の寿命で、その冷却能力が低下した状態であっても、液体ヘリウムの気化を防ぎ、そのメンテナンス作業に計画性を持たせることができる。
本実施形態のMRI装置の全体構成を示すブロック図。 図1に示すMRI装置を構成する超電導磁石とクライオクーラの詳細を説明する断面図。 第1実施形態のクライオクーラの構造とその制御回路とを説明する図。 クライオクーラの冷却特性の一例を示す図。 第1の実施形態のクライオクーラの制御動作を示すフローチャート。 第2実施形態のクライオクーラの制御回路を説明する図。 第3の実施形態のクライオクーラの制御動作を示すフローチャート。 クライオクーラの冷却能力の画像表示例を示す説明図。
本発明のMRI装置は、撮像空間に静磁場を発生する超電導磁石と、撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、撮像空間に高周波磁場を印加する高周波コイルと、傾斜磁場コイルと高周波コイルの動作を制御して所定の撮影シーケンスを実行させる制御部とを備える。超電導磁石は、冷媒(ヘリウム)および超電導コイルを収容するための冷媒容器(ヘリウム容器)と、冷媒容器に接続された、冷媒容器内で気化した冷媒ガスを再凝縮する冷却機(クライオクーラ)と、冷媒容器内の圧力を検出する検出器(圧力センサー)とを備える。制御部は、検出器の検出した圧力値と、予め定めた一つの設定圧力値とを比較し、設定圧力値よりも圧力値が大きい場合には、冷却機の冷却能力を増加させ、設定圧力値よりも圧力値が小さい場合には、冷却機の冷却能力を低減するフィードバック制御を連続的に行って、設定圧力値での熱平衡状態を保つ。
このように、一つの設定圧力値の目標として連続的にフィードバックを行うことにより、過負荷運転を防止できるため、冷却機の寿命を長くできる。そのメンテナンスによるMRI検査(撮像)の休止期間を少なくし、MRI装置の稼働率を上げることができる。
また、本発明の第2の態様のMRI装置では、複数種類の撮像シーケンスごとに予め求めておいた、撮像シーケンス実行時の傾斜磁場および高周波磁場により冷媒容器に侵入する熱量に基づいて、冷却機に増加させるべき冷却能力の大きさを予測する。この予測した冷却能力の大きさまで冷却機の冷却能力を連続的に増加させる。
この第2の態様のMRI装置においても、予測した熱量に基づいて連続的に冷却能力を増加させることで、過負荷運転を防止できるため、冷却機の寿命を長くできる。
また、本発明の第3の態様のMRI装置は、冷媒容器へ侵入する熱量と、ほぼ一致する冷却吸熱を発揮するように冷却機の冷却能力をコントロールし、冷媒容器の圧力を許容する圧力範囲内に保持させると共に、冷媒容器内の圧力変化に伴う、撮像空間の磁場強度および磁場均一度の変化分の少なくとも一方を、磁場調整部により補償する。
この第3の態様のMRI装置においては、冷媒容器へ侵入する熱量と、ほぼ一致する冷却吸熱を発揮するように冷却機の冷却能力をコントロールすることにより、過負荷運転を防止できるため、冷却機の寿命を長くできる。
第3の態様のMRI装置において、超電導磁石は、冷媒容器内の圧力を検出するための検出器を備える構成にすることもできる。この場合、検出器の検出した圧力値に応じて、冷却機の冷却能力をコントロールすることができる。
第3の形態のMRI装置において、所定の撮像シーケンスは、複数種類ある場合、撮像シーケンスの種類により、撮像シーケンス実行時の傾斜磁場および高周波磁場により冷媒容器に侵入する熱量を予測することも可能である。この場合、予測した熱量に基づいて、冷却機の冷却能力をコントロールすることができる。
撮像シーケンスの種類と冷却機の冷却能力のコントロール値との関係を記憶しておき、次回の撮像シーケンスの実行時の侵入熱量の予測に用いる構成にすることも可能である。
冷却機が、シリンダーと、ディスプレサーと、シリンダー内でディスプレサーを往復運動させる駆動部と、シリンダー内に圧縮された冷媒ガスを供給する圧縮部とを有する構造である場合、冷却機の冷却能力を変化させるために、ディスプレサーの往復運動の振動数および冷媒ガスの圧縮圧の少なくとも一方を制御することが可能である。
また、撮像シーケンスを実行していない状態においても、冷媒容器の圧力を所定の設定圧力に維持するフィードバック制御を行うことにより、冷却機の寿命を延ばすことができる。
また、冷却機の冷却能力の経時的な変化を示す情報を画像表示装置(ディスプレイ)に表示させることも可能である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
<本実施形態のMRI装置の全体構成>
まず、本実施形態で運転するMRI装置の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態のMRI装置が医療施設に据付けられた状態での全体構成を示す。
このMRI装置の静磁場を発生する磁石には開放構造を有する超電導磁石101が用いられている。開放構造の超電導磁石101は、上クライオスタット104と下クライオスタット105を備えている。上クライオスタット104と下クライオスタット105は、被検者102が配置される磁場空間103を挟んで上下に配置され、その内部は液体ヘリウムで満たされ、起磁力源となる超電導コイル203(図1では示してない)が配置されている。上クライオスタット104と下クライオスタット105は、支柱となる連結管106によって支えられ、磁場空間103の前後左右が空いた開放的な構造となっている。
これにより、被検者102に与える圧迫感を和らげ、優しい検査環境を提供することができる。
この超電導磁石101には、コールドヘッド107が備えられている。コールドヘッド107には、圧縮機ユニット108が接続され、圧縮された冷媒ガスが供給される。コールドヘッド107と圧縮機ユニット108は、超電導磁石101のクライオクーラを構成している。
コールドヘッド107は、冷媒ガスが内部で断熱膨張することにより冷却効果を生じ、これによって超電導磁石101を冷却する。すなわち、コールドヘッド107は超電導磁石101の輻射シールド板216(図1では示されていない)を冷却するとともに、上クライオスタット104と下クライオスタット105内で液体ヘリウムが気化したヘリウムガスを冷却して、再び液体ヘリウムに凝縮して、上クライオスタット104に戻す機能を有する。
クライオクーラは、超電導磁石101の熱平衡状態を維持し、クローズドタイプの超電導磁石を実現している。すなわち、コールドヘッド107は、上クライオスタット104と下クライオスタット105への熱量侵入により気化したヘリウムガスを、過不足なく再凝縮するのに必要な冷却能力となるように制御される。よって、気化したヘリウムガスを大気中に放出しない。
また、超電導磁石101には、その運転状態をモニターするための温度センサーや圧力センサー206(図1では示してない)が複数組み込まれており、そのセンサー接続端子109は、磁石制御ユニット110に接続されている。磁石制御ユニット110は、超電導磁石101の運転状態をモニターするとともに、クライオクーラを制御するのに必要な信号を圧縮機ユニット108に出力している。
臨界温度以下である液体ヘリウム温度(4.2ケルビン)に冷却され、超電導状態になっている超電導コイルに、例えば、450アンペアの永久電流を流すことにより、磁場空間(撮像空間)103に磁場強度1テスラの安定な静磁場を発生することができる。
上クライオスタット104と下クライオスタット105の磁場空間103の面には、一対からなるシムプレート111が取り付けられている。シムプレート111には、複数のネジ穴(図では示してない)が開けられており、適切な位置に磁性体の小ネジを埋め込まれている。磁性体の小ネジの発生する磁場により、超電導磁石101が発生する磁束分布を変更することで、磁場空間103の中心40cmの球空間の磁場均一度を、目標値(例えば3ppm以下)に調整する。
シムプレート111の磁場空間103の面には、傾斜磁場を発生する一対の傾斜磁場コイル112が配置されている。この傾斜磁場コイル112は、超電導磁石101の開放的な構造を妨げることがないように平板構造である。上下一対の傾斜磁場コイル112はそれぞれ、互いに直交する3軸方向に傾斜磁場を生じさせるxとyとzの3種類のコイル(図1では区別されない)を積層した構造である。xコイル、yコイル、zコイルには、それぞれ独立に電流を印加する傾斜磁場パワーアンプ113が接続されている。
例えば、zコイルに傾斜磁場パワーアンプ113よりプラス電流が印加されると、上zコイルは超電導磁石101の発生する磁束と同じ向きの磁束を発生し、下zコイルにはそれとは反対向きの磁束を発生する。この結果、磁場空間103のz軸(垂直軸)の上から下に向けて磁束密度が徐々に少なくなる勾配ができる。同様に、xコイルおよびyコイルは、超電導磁石101の発生する磁束の密度をそれぞれx軸、y軸(ともに水平軸)に沿って勾配となるような傾斜磁場を付与する。これらのxコイル、yコイル、zコイルは、それぞれ不均一磁場のx、y、zの一次成分のシムコイルとしても機能する。すなわち、傾斜磁場パワーアンプ113は勾配を発生させるための電流に、磁場均一度を改善するためのシム電流が重畳されて出力させることができる。
傾斜磁場コイル112には、xコイル、yコイル、zコイルの他に、超電導磁石101の発生する磁場強度を補償するBoコイルと、x、y、zの高次モード、例えばx2、y2、x3、x2+y2の磁場を発生するシムコイル等が組み込まれている。これらには、シム電源114により電流が印加される。
傾斜磁場コイル112の磁場空間103側には、一対の高周波コイル115が取り付けられている。この高周波コイル115も超電導磁石101の開放的な構造を妨げることがないように平板構造である。上下一対の高周波コイル115には高周波パワーアンプ116が接続され、高周波電流が供給される。これにより、被検者102の検査部位の核スピンを核磁気共鳴するのに必要な高周波磁界を発生する。本実施形態のMRI装置では、1テスラの磁場強度で水素原子核が核磁気共鳴を起こす42メガHzの高周波磁場を発生する。
上述の安定で均一度の高い静磁場と、傾斜磁場と、高周波磁場とを組み合わせることにより、被検者102の検査部位の水素原子核を正確にかつ、選択的に核磁気共鳴(NMR)現象を起こさせることができる。そして、その後の核スピンの歳差運動過程に傾斜磁場をパルス的に印加することで三次元的位置情報が付加される。
磁場空間103のほぼ中心位置、すなわち被検者102の検査部位には、検出コイル117が配置されている。この検出コイル117は、前述の核スピンの歳差運動によるわずかな磁場変動を、検出コイル117上の誘導電流による電気信号(NMR信号)として検出する。検出したNMR信号は、検出コイル117に接続されている高周波増幅回路118に受け渡される。高周波増幅回路118は、NMR信号に増幅・検波の信号処理を施して、コンピュータ演算処理に適したデジタル信号に変換処理する。
コンピュータ119は、デジタル信号に変換されたNMR信号から医学的な診断に供するための画像やスペクトルチャートを生成する。生成した画像等は、コンピュータ119内の記憶装置(図1では示してない)に保存するとともに、ディスプレイ120に表示する。また、コンピュータ119は、生成した画像等に画像処理や画像解析を行い、診断に役立つ画像を生成する。
また、コンピュータ119は、予め定められた所定の撮像方法を実現するために、所定のタイミングで傾斜磁場コイル112および高周波コイル115から傾斜磁場および高周波磁場を被検者102に印加させ、生じたNMR信号を所定のタイミングで検出する制御を行う。この一連のタイミングは、撮像シーケンスと呼ばれ、撮像方法および撮像条件によって異なる。コンピュータ119は、内蔵する記憶装置に予め格納されているプログラムを実行することにより、入力装置121を介してオペレータが入力した撮像方法および撮像条件を実現する撮像シーケンスを生成し、これに従って、傾斜磁場パワーアンプ113、高周波パワーアンプ116および高周波増幅回路118等を制御する。これにより、例えば高速スピンエコー法や拡散強調エコープレーナー法等の複数種類の撮像方法を種々の撮像条件で実現することができる。なお、入力装置121は、例えば、キーボードやマウス等である。
磁石制御ユニット110、傾斜磁場パワーアンプ113、シム電源114、高周波パワーアンプ116、高周波増幅回路118等の動作状態は、コンピュータ119により内蔵する記憶装置に記録される。またコンピュータ119は、これらの動作状態の情報を、通信制御装置(図では示してない)を経由して外部に出力することも可能である。これにより、MRI装置の遠隔監視を行うことが可能になる。
この他に、MRI装置には、被検者102を磁場空間103の中心に搬送する患者テーブル122が超電導磁石101の前面に配置されている。
超電導磁石101および患者テーブル122は、電磁シールドを施した検査室123に設置されている。これにより、外部機器が発生する電磁波がノイズとして検出コイル117に混入し、診断画像の質を低下させるのを防いでいる。
<超電導磁石とクライオクーラの詳細構造>
上述した超電導磁石101とクライオクーラの詳しい構造についてさらに説明する。
図2は、図1で示したMRI装置の超電導磁石101とコールドヘッド107の詳細を示す断面図である。超電導磁石101は上クライオスタット104と下クライオスタット105の内部構造は基本的に磁場空間103を中心に上下対称なので、図2では上クライオスタット104のみで説明する。
上クライオスタット104は、真空容器201と、その内部に配置されたヘリウム容器202と、ヘリウム容器の内部に配置された超電導コイル203とを含む。真空容器201とヘリウム容器202の間は真空層であり、輻射シールド板216が配置されている。
真空容器201、輻射シールド板216、ヘリウム容器202の互いの位置を固定するために、荷重支持体218が取り付けられている。図2では、荷重支持体218を1箇所のみ図示しているが、実際には複数箇所に備えられている。
真空容器201は厚さ10ミリメートルのステンレススチールで構成されており、本体の重量と内部の真空圧力にも耐えられる剛性を有している。ヘリウム容器202は、厚さ15ミリメートルのステンレススチールで構成され、超電導コイル203に加わる電磁力と内外の圧力差に耐えられる剛性を有している。ヘリウム容器202内の超電導コイル203は、複数のコイルから構成されている(図2では1個のみ示す)。超電導コイル203は、ヘリウム容器202に固定されている。輻射シールド板216は厚さ5ミリメートルのアルミニュームで作られている。表面には鏡面研磨加工が施され、輻射熱を抑えている。また、真空容器201と輻射シールド板216の間隙にはスーパーインシュレータ217(図では一部のみ記載)が敷設されている。スーパーインシュレータ217は、アルミニューム薄膜が蒸着されたポリエチレンシートの多重層で構成され、輻射熱の低減に効果がある。荷重支持体218は、真空容器201から輻射熱シールド板216、そしてヘリウム容器202へと伝わる伝導熱を極小に抑えるため、ステンレススチールと強化炭素樹脂や強化プラスチック樹脂で構成されている。
ヘリウム容器202内はその容積のほぼ90%まで液体ヘリウム204が充填され、超電導コイル203が液体ヘリウム204に浸かるようになっている。これにより、超電導コイル203は液体ヘリウム204の沸点温度である4.2ケルビン(-268.8℃)に冷却され、超電導状態を維持することができる。
ヘリウム容器202の内部には、液体ヘリウム204の液面を計測する液面センサー205と液体ヘリウム204が気化したヘリウムガスの圧力を計測する圧力センサー206が配置されている。これらのセンサーの出力信号線207はハーメチックシール208を介して、センサー接続端子109から超電導磁石101の外部に引き出されている。
ヘリウム容器202の上部にはサービスポート209と、コールドヘッド107が配置されている。サービスポート209は、新たな液体ヘリウムを注入する場合に、上部の栓210を外し注液パイプ(図には記入していない)が挿入できるようになっている。サービスポート209の途中からは、ヘリウムガスの排気パイプ211が接続されている。排気パイプ211は2系統に分離されており、一方には、ヘリウム容器の圧力が20kPa以上になった場合に栓が開くリリーフバルブ212が取り付けられている。他方には、40kPaで開放となる破裂板213が取り付けられている。これにより、超電導磁石101の運転中は、ヘリウム容器202は20kPa以下の圧力で運転され、クエンチ発生時や緊急で磁場減衰が必要な時等大量のヘリウムガスの排気が必要な場合に、リリーフバルブ212および破裂板213が順に開放され、ヘリウム容器202に一定レベル以上の圧力が印加されることがなく、安全性が確保されている。
また、MRI装置による検査(撮像)時、ヘリウム容器202の圧力許容範囲は1kPaから20kPaに設定されている。ヘリウム容器202の圧力変化により、超電導磁石203が形成する磁場空間103の静磁場が変化するが、この圧力範囲内であれば、静磁場の変化は、図1で説明した傾斜磁場コイル、Boコイル、およびシムコイルで補正できる範囲であることが予め確認されている。
ヘリウム容器202の上部のコールドヘッド107は、二段の冷却ステージを有しており、一段目の第一冷却ステージ219は43ケルビン(-230℃)で、定格の運転で約45ワットの冷却能力を有し、二段目の第二冷却ステージ220は4ケルビン(-269℃)で、やはり定格の運転で約1ワットの冷却能力を有している。
コールドヘッド107の第一冷却ステージ219は輻射シールド板216と熱的接触が施され、輻射シールド板216を冷却する。コールドヘッド107の定格の運転で、輻射シールド板216は約70ケルビン(-203℃)の温度で熱平衡に達する。コールドヘッド107の第二冷却ステージ220は、ヘリウム容器202上部のヘリウムガス溜まり部分に位置し、ヘリウムガスを直接冷却して、4.2ケルビンの沸点にまで冷却し、凝縮させる。
<クライオクーラの冷却動作>
次に、クライオクーラの冷却動作について図3を用いて説明する。クライオクーラは、コールドヘッド107と圧縮機ユニット108の他に、GMサイクル制御ユニット301を有し、GMサイクル制御ユニット301は、磁石制御ユニット110により制御される。
コールドヘッド107は、第一ステージ219と第二ステージ220の二段構造のシリンダー304と、二段構造のディスプレサー303と、シリンダー304内でディスプレサー303を往復運動させるディスプレサー駆動部302とを備えている。ディスプレサー303内には一段目は鉛球、二段目は銅ホロビウム球の蓄冷材が詰めてあり、これらを冷媒ガスが通過する過程で熱置換する構造となっている。
ディスプレサー駆動部302には、吸気バルブ305と排気バルブ306が備えられており、これらはディスプレサー303の往復運動と同期して開閉される。吸気バルブ305と排気バルブ306は、それぞれ圧力ガスホース307、308を介して圧縮機ユニット108に接続されている。
コールドヘッド107は、次に示すステップ(1)〜(3)で順に動作することにより冷却作用を生じる。
(1)ディスプレサー303を下方に移動させると、圧縮機ユニット108で圧縮された冷媒ガスは圧力ガスホース307を通って、吸気バルブ305からシリンダー304内の上部空間309に満たされる。
(2)次に、ディスプレサー303を上方に移動させると、圧縮された冷媒ガスはディスプレサー303内の蓄冷剤を通過しながら、下部空間310に移動する。
(3)ディスプレサー303が最上部に達するのに同期して、排気バルブ306が開く。シリンダー304内の冷媒ガスは、圧力低下による断熱膨脹を起こし、温度が低下する。そして、排気バルブ306から圧力ガスホース308を通って、圧縮機ユニット108に戻る。
この(1)から(3)のサイクルを繰り返すことで、冷媒ガスは連続的にシリンダー304の下部空間310から熱を吸収する。この熱サイクルはギフォード・マクマホン・サイクル(GM:Gifford-McMahon cycle)と呼ばれ、このGMサイクルを用いる冷却装置をGM式クライオクーラと呼ばれている。その構造の簡便さと高品質から、MRI装置の超電導磁石に採用されている。
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、ヘリウム容器202へ侵入する熱量と、ほぼ一致する冷却吸熱を発揮するようにクライオクーラの冷却能力をコントロールし、ヘリウム容器の圧力を許容する圧力範囲内に保持させる。また、ヘリウム容器内の圧力変化に伴う、撮像空間(磁場空間)の磁場強度と磁場均一度の変化分を、磁場調整部により補償する。
このとき制御の方法としては、圧力センサーの検出したヘリウム容器内の圧力値と、予め定めた一つの設定圧力値とを比較し、設定圧力値よりも圧力値が大きい場合には、クライオクーラの冷却能力を増加させ、設定圧力値よりも圧力値が小さい場合には、クライオクーラの冷却能力を低減するフィードバック制御を連続的に行う方法を用いる。
本実施形態では、クライオクーラの冷却能力の増加および低減は、コールドヘッド107のディスプレサー303の往復運動振動数(以下、GMサイクル数と称する)を変化させることにより行う。
まず、ヘリウム容器202の圧力制御の回路構成について図3を説明する。磁石制御ユニット110とコールドヘッド107との間には、GMサイクル制御ユニット301が配置されている。GMサイクル制御ユニット301、磁石制御ユニット110およびコンピュータ119は、本発明の制御部を構成している。
GMサイクル制御ユニット301は、磁石制御ユニット110から出力されるヘリウム容器202の圧力センサー206の信号を基準に、ディスプレサー駆動部302のモータに所定の周波数の駆動電力を供給する。これにより、(ヘリウム容器202内のヘリウムガス圧)→(圧力センサー206によるヘリウムガス圧検出)→(磁石制御ユニット110)→(GMサイクル制御ユニット301)→(コールドヘッド107の往復運動振動数変化)→(ヘリウム容器202のヘリウムガスの凝縮によるガス圧変化)という帰還ループ(フィードバックループ)が構成され、ヘリウム容器202内のヘリウムガス圧を媒介して、コールドヘッド107をコントロールする。
図1と図2に示した超電導磁石101は通常運転状態において、例えばヘリウム容器202への侵入熱量は約800mW、その圧力は9kPaである。ここで、クライオクーラの冷却能力と熱平衡にするためには、コールドヘッド107の第二ステージ220の冷却能力も800mWにする必要がある。図4に示すように、コールドヘッド107の冷却能力は、GMサイクルの振動数が大きくなるほど増大し、その大きさは冷媒ガス圧値に依存する。図4の例では、冷媒ガス圧1.8MPa、毎分45回のGMサイクルで800mWの冷却能力が発揮される。
そこで本実施形態では、ヘリウム容器202内の設定圧力値を9kPaとし、この設定圧力値を維持するようにフィードバック制御する。このとき、圧縮機ユニット108の冷媒ガス圧を1.8MPaに調整しておく。これにより、超電導磁石101とクライオクーラは800mWの発熱と吸熱で熱平衡が達成される。
この動作を図5のフローを用いて具体的に説明する。
まず、磁石制御ユニット110は、コンピュータ119が撮像シーケンスを実行しているかどうかをコンピュータ119から信号を受け取って判断する。撮像シーケンスが実行中である場合には、ステップ502に進んで、ヘリウム容器202内の圧力センサー206から圧力を取り込む。
磁場制御ユニット110は、圧力センサー206が検出した圧力が設定圧力値の9kPaに等しい場合には、ステップ501、502に戻り、圧力検出を繰り返す。検出した圧力が設定圧力値9kPaより大きい場合には、GMサイクル制御ユニット301にGMサイクルの振動数を連続的に増加させるように指示し、検出した圧力が設定圧力値9kPaより小さい場合には、GMサイクル制御ユニット301にGMサイクルの振動数を連続的に低減させるように指示する(ステップ504,505,506)。
例えば、高速スピンエコーモードで、被検者102の撮像が実行されている場合、傾斜磁場コイル112から印加される傾斜磁場および高周波コイル115が発生する高周波磁場の影響で、ヘリウム容器202への熱進入量が約100mW増加する。これにより、ヘリウム容器202の液体ヘリウム204の気化が増え、ヘリウム容器202の圧力が9kPaから上昇傾向に転じる。具体的には、100mWの熱で液体ヘリウムは一時間当たり0.125リットル気化する。気化した液体ヘリウムは約10倍の体積(正確には0.92リットル)のヘリウムガスとなってヘリウム容器202の上部に溜まるため圧力が上昇する。
磁石制御ユニット110は、上記ステップ504でこれを検出し、ステップ505において、GMサイクル制御ユニット301にGMサイクルの振動数増加を指示する。GMサイクル制御ユニット301は、その時の振動数(例えば毎分45回)から振動数を連続的に予め定めた上昇レートで増加させる。これにより、コールドヘッド107の第二ステージ307の冷却能力が増加に転じ、上昇した圧力を低減するフィードバック制御が実現される。
つぎに、磁石制御ユニット110は、ステップ502で検出した圧力値をコンピュータ119に受け渡す。コンピュータ119は、設定圧力値と検出した圧力値との差に応じて、傾斜磁場パワーアンプ113およびシム電源114の少なくとも一方を制御して、圧力変化に伴う静磁場強度および均一度の誤差を補償する磁場を発生させる。具体的には、コンピュータ119内には、後述する測定方法により予め測定しておいた、超電導磁石101の内部圧力の設定圧力値からの差と、磁場空間103の磁場強度および磁場均一度の変化成分との対応関係を示すデータが予め格納されている。コンピュータ119は、磁石制御ユニット110から受け取った現在の圧力値と設定圧力値との差に対応する、磁場強度および磁場均一度の変化成分を、上記格納データから読み出し、この変化成分を補償する磁場成分(シム量)を、傾斜磁場パワーアンプ113とシム電源114を制御して発生させる(ステップ507)。すなわち、シム量分を上乗せした磁場を発生しながら、撮像シーケンスを実行する。これにより、ヘリウム容器202内の圧力変動にともなう超電導磁石101の磁場変動を補償しながら、撮像を行うことができる。
撮像シーケンス実行中は、これらのステップ501〜507を繰り返す。
図4から分かるように、GMサイクルの振動数が、毎分65回に達した時点で、900mWの冷却能力が発揮されるため、超電導磁石101とクライオクーラは新たな熱平衡状態になる。クライオクーラの冷却能力が900mWに達する間に、ヘリウム容器202の圧力は11kPaにまで上昇するが、GMサイクルの振動数上昇に伴い徐々に低下する。
撮像シーケンスが終了すると、ステップ501からステップ508に進み、ステップ502〜506のみが行われる。すなわち、撮像シーケンスが終了した場合には、磁場の補償は行わず、圧力制御のみが実行される。これにより、撮像を行っていない状態で、大気圧変化等の環境変化に伴う圧力変化に応じて、圧力を一定に保つ制御を行う。
撮像シーケンスが終了すると、ヘリウム容器202への侵入熱量が800mWに戻るため、コールドヘッド107の第二ステージ307の冷却能力が100mW高く、熱不平衡状態になる。ヘリウムガスの再凝縮が気化量を上回り、ヘリウム容器202の圧力が減少傾向に転じる。
ヘリウム容器202内の圧力がオーバーシュートにより設定圧力値9kPaより下がりすぎた場合には、ステップ504においてステップ506に進み、GMサイクルの振動数を予め定めたレートで連続的に低減させる。
上記動作を繰り返すことにより、徐々に設定圧力値9kPaおよびGMサイクル毎分45回に収束していく。ヘリウム容器202への侵入熱とクライオクーラの冷却能力が800mWに一致し、再び、元の熱平衡状態になる。
このように、本実施形態では、熱平衡に達するまで連続的にGMサイクルを変化させる点で、特許文献1に記載のステップ状にクライオクーラの制御量を変化させる技術とは大きく異なる。本実施形態では連続的にGMサイクルを変化させるため、コールドヘッド107のディスプレサー駆動部302に過渡的な負荷や掛かることや、冷媒ガスの過渡的な高圧が発生することがない。この結果、圧縮機ユニット108の過負荷運転も避けられ、クライオクーラの寿命短縮が避けられる。
ここで、上記ステップ507で用いた、超電導磁石101の内部圧力の設定圧力値からの差と、磁場空間103の磁場強度および磁場均一度の変化成分との対応関係を示すデータの計測方法について説明する。
この計測は、コンピュータ119が、磁場空間103の磁場性能を解析・補正する機能のプログラムを実行することにより行われる。
(1)まず、傾斜磁場コイル112、Boコイル、それと全シムコイルの電流印加の無い状態で、磁場空間103に配設された被検者102もしくはファントムのNMR信号を計測する検査モードが起動する。
(2)計測されたNMR信号はコンピュータ119でフーリエ変換され、そのNMR信号の周波数成分が求められる。
(3)1テスラの磁場強度で、水素原子核スピンの核磁気共鳴周波数42メガHzと、上記ステップで求めた周波数の差分に対応する磁場を計算する。そして、Boコイルで差分磁場を発生するようにシム電源114を制御する。
(4)次に、xコイルに、例えば、10アンペアの電流を印加した状態で、被検者102のNMR信号を計測する。
(5)計測されたNMR信号を球面調和関数で展開処理し、撮像空間103のx軸方向の誤差磁場を解析し、シム電流を求める。
(6)同様に、y軸z軸についても、誤差磁場成分を解析し、シム電流を求める。
(7)上記(1)〜(6)の動作を、ヘリウム容器202の圧力値を種々に変化させて行い、圧力ごとにシム量(Boおよびシム電流)を圧力値(もしくは、設定圧力値との差分値)と対応づけたデータを作成し、コンピュータ119内の記憶装置に格納する。
このデータを参照して、ステップ507でシム量を定めることにより、傾斜磁場コイル112のxコイル、yコイル、zコイルとシムコイルのそれぞれの成分に最適なシム電流が流れるように、傾斜磁場パワーアンプ113、シム電源114を制御することができる。これにより、ヘリウム容器202の圧力の変化に伴い、超電導磁石101の磁場が変動し、磁場空間103の磁場が変動した場合であっても、これを補償した磁場空間103を形成でき、高精度の撮像が可能になる。
<第2の実施形態>
つぎに、第2の実施形態について図6を用いて説明する。第二の実施形態は、GMサイクル数は一定で、圧縮機ユニット108からコールドヘッド107へ供給する冷媒ガスのガス圧を変化させることで、クライオクーラの冷却能力を制御する。そのため、第二の実施形態では、図6のように、冷媒ガス圧制御ユニット603を配置し、圧縮機ユニット108を制御する。他の構成および動作は第1の実施形態と同じである。冷媒ガス圧制御ユニット603、磁石制御ユニット110およびコンピュータ119は、本発明の制御部を構成している。
図6に示すように、圧縮機ユニット108の内部には、ストレージタンク502、圧縮機503、熱交換器504、油除去フィルタータンク505、アドソーバタンク506が配置されている。コールドヘッド107で膨張した冷媒ガスは圧力ガスホース308を通って、ストレージタンク502に一時蓄えられる。その後、冷媒ガスは圧縮機503で圧縮され高圧となるとともに、圧縮作用により高温になる。冷媒ガスは、熱交換器504でほぼ室温にまで冷却され、油除去フィルタータンク505を経由してアドソーバタンク506に蓄えられる。油除去フィルタータンク505では冷媒ガスに混入した圧縮機503で使われる潤滑油のオイルミストが除去される。アドソーバタンク506では潤滑油が熱分解して発生したメタンガス等の不純ガスが除去される。不純物を濾過した冷媒ガスは、圧力ガスホース307を通してコールドヘッド107に供給される。以上の基本構成は、第1の実施形態の圧縮機ユニット108においても同じである。
第2の実施形態では、図5のステップ505、506において、ヘリウム容器202の圧力値に応じて、冷媒ガス圧制御ユニット501が、圧縮機503のポンプの回転を変化させる。これにより、圧縮機ユニット108は、冷媒ガス圧を1.2MPaから2.4MPaの範囲で圧力を変化させて、コールドヘッド107に供給する。
第一の実施形態で説明したように、図1と図2に示した超電導磁石101は通常運転状態で、ヘリウム容器202への侵入熱量は約800mW、その圧力は9kPaである。ここで、クライオクーラの冷却能力と熱平衡にするためには、コールドヘッド107の第二ステージ220の冷却能力も800mWが必要となる。図4に示したクライオクーラの特性から、GMサイクルが毎分45回で一定の場合は、冷媒ガスの圧力1.8MPaで800mWの冷却能力が発揮されることがわかる。圧縮機503は、インバータ回路制御方式を採用しており、定常状態では120Hzの周波数で冷媒ガス圧が1.8MPaに圧縮されるようになっている。
この熱平衡の状態で、第一の実施形態と同じ様に、高速スピンエコーシーケンスで、被検者102の撮像が実行された場合、高速スピンエコーシーケンスによる傾斜磁場と高周波磁場の影響で、ヘリウム容器202への熱進入量が約100mW増加する。これにより、ヘリウム容器202の圧力が9kPaから上昇傾向に転じる。圧力センサー206の検出する圧力により、磁石制御ユニット110は、冷媒ガス圧制御ユニット501に、冷却能力を増大させるように指示する(ステップ505)。冷媒ガス制御ユニット501は、圧縮機503の周波数を120Hzから連続的に増加させる。これにより、冷媒ガス圧も1.8MPaから連続的に徐々に増加し、コールドヘッド107の第二ステージ307の冷却能力も増加に転じる。
圧縮機503の駆動周波数が170Hzに到達した時点で、900mWの冷却能力が発揮され、新たな熱平衡状態になる。冷却能力が900mWに達する間に、ヘリウム容器202の圧力は11kPaにまで上昇する。
撮像シーケンスが終了して、ヘリウム容器202への侵入熱量が800mWに戻ると、コールドヘッド107の第二ステージ307の冷却能力が100mW高く、熱不平衡状態になるため、ヘリウムガスの再凝縮が気化量を上回り、ヘリウム容器202の圧力が減少傾向に転じる。オーバーシュートによりヘリウム容器202の圧力が9kPaより小さくなった場合には、圧縮機503の周波数を減少させ、冷却能力を低減する(ステップ504、506)。これを繰り返すことにより、ヘリウム容器202への侵入熱とクライオクーラの冷却能力を一致させることができ、再び熱平衡状態になる。
第2の実施形態では、熱平衡に達するまで連続的に冷媒ガス圧を変化させるので、圧縮機の過負荷運転が避けられ、クライオクーラの寿命が延長できる。
更に、クライオクーラの消費電力の大半を占める圧縮機503をインバータ回路で運転することで、無駄な電力消費を無くすることができる。さらには、圧縮機503の電力消費に比例させて能力を上げなければならない電源設備にも余裕が生ずる。
上述の第1の実施形態では、クライオクーラの冷却能力コントロールは冷媒のガス圧を一定に維持し、GMサイクル数を変化させる構成とした。一方、第2の実施形態では、GMサイクルを一定とし、冷媒のガス圧を変化させる構成とした。そこで、両者を組み合わせ、GMサイクル数を変化させる構成と冷媒のガス圧を変化させる構成を同時に備えることにより、冷媒ガス圧の変化とGMサイクルの変化を併用するMRI装置を提供することができる。ヘリウム容器202への熱侵入量の範囲は変わらないので、二つを組み合わせてクライオクーラの冷却能力を制御する場合は、冷媒ガス圧とGMサイクル数の変化範囲をより狭い範囲に絞り込むことが可能である。これは、圧縮機ユニット108の過負荷運転を避けるにはより良い運転条件となる。
また、第1の実施形態、および第2の実施形態はいずれも、正確にGMサイクル数や圧縮機503のインバータ回路の周波数を特定する必要は無い。何故ならば、クライオクーラの冷却能力がヘリウム容器のガス圧に反映されるためである。(ヘリウム容器202内のヘリウムガス圧)→(圧力センサー206)→(磁石制御ユニット110)→(GMサイクル制御ユニット301、あるいは冷媒ガス圧制御ユニット501)→(コールドヘッド107)→(ヘリウム容器202のヘリウムガスの凝縮によるガス圧変化)のフィードバックループにより、正確にクライオクーラの冷却能力はヘリウム容器202で気化するヘリウムガス量、すなわちヘリウム容器202への侵入熱量に一致するように制御される。
上記説明では、第二冷却ステージ220の冷却能力についてのみ説明したが、GMサイクル数や冷媒ガス圧に応じて、第一冷却ステージ219の冷却能力も変化する。第一冷却ステージ219の冷却能力が上がれば、輻射熱シールド板216の温度が低下し、ヘリウム容器202への侵入熱量が減少する。ヘリウム容器202の液体ヘリウム204の気化も減少し、ヘリウム容器202の圧力を下げる。すなわち、第一冷却ステージ219も、第二冷却ステージ220と同じ傾向でヘリウム容器202の圧力に作用し、熱平衡状態に達するように機能する。このことも、ヘリウム容器202の圧力信号でクライオクーラの冷却能力をコントロールすることが、超電導磁石101とクライオクーラを熱平衡状態に実現する有効な手段となっている。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について図7を用いて説明する。第3の実施形態では、撮像シーケンスの種類や撮像条件ごとに予め求めておいた、撮像シーケンス実行時の傾斜磁場および高周波磁場によりヘリウム容器に侵入する熱量に基づいて、クライオクーラに増加させるべき冷却能力の大きさを予測する。この予測した冷却能力の大きさを実現するまで、クライオクーラの冷却能力を連続的に増加させる。予測値に達したならば、所定時間は予測値を維持する。これにより、オーバーシュートを防止することができる。以下、詳しく説明する。
ヘリウム容器202の圧力は、超電導磁石101周辺の大気圧の変化にも影響される。
これは、液体ヘリウム204の沸点が変化し(液体ヘリウム204の潜熱が変化)、液体ヘリウムの気化量が変化することによる。一方、撮像シーケンスの実行時の傾斜磁場と高周波磁場の渦電流起因による輻射シールド板216の温度変化とヘリウム容器202での発熱でヘリウム容器202の圧力は大きく変化する。大気圧の変化は比較的周期が長く、その変化量も2、3kPaであるが、撮像シーケンスの実行に伴うヘリウム容器202の圧力変化は短期的であり、かつ変化量も撮像シーケンスの種類によって大きく変化する。
通常、超電導磁石101のヘリウム容器202内の液体ヘリウム204は飽和温度で蓄積されており、ヘリウム容器への侵入熱はすべて液体ヘリウム204の気化熱として消費される。このことは、撮像シーケンスによる発熱はヘリウムガス圧の変化に早いレスポンスで反映することを示す。
一方、コールドヘッド107の冷却能力の変化は、冷媒ガスの熱サイクルを繰り返す必要があることと、ディスプレサーに詰められた蓄冷剤やシリンダーの熱容量を含むので、数分程度かかる。このヘリウム容器202の侵入熱の変化とクライオクーラの冷却能力の変化の時間差のために、第1および第2の実施形態で述べたフィードバックループに制御遅れが生じる。この遅れのために、ヘリウム容器202の圧力は、オーバーシュートやアンダーシュートとなって表れる。
そこで、第3の実施形態では、傾斜磁場と高周波磁場の動作内容とヘリウム容器202の発熱量の変化を求め、撮像シーケンスの種類や撮像条件(撮影モード)毎に発熱量を予測する。例えば、高速スピンエコー法は約100mW、拡散強調エコープレーナー法は300mWのように、侵入熱量を予め計測もしくは演算により求める。さらにこの侵入熱量に対して、コールドヘッド107の冷却能力を熱平衡状態にするために必要なGMサイクルの振動数や冷媒ガス圧を計測もしくは演算により求め、コンピュータ119に記憶させておく。
これにより、GMサイクルや冷媒ガス圧の制御値を予測して、よりスムーズに変化させることが可能となる。すなわち、図7に示すように、ステップ1601,1602を配置し、予測値のGMサイクルの振動数や冷媒ガス圧に達するまでは、ステップ504,505を行って冷却能力を増大させるが、予測値に達したならば、その予測値で所定時間が経過するまでは、予測値を維持する構成とする(ステップ1601,1602)。
また、撮像シーケンスの種類や撮像条件毎の発熱量の予測値としては、前回撮像シーケンスを実行したときにステップ505で増大させた冷却能力の増大量(GMサイクルの振動数や冷媒ガスの圧力)を、次回の撮像シーケンス実行時に予測値として用いることも可能である。すなわち、図7の動作を繰り返すたびに、撮像シーケンスの種類や撮像条件毎に、その時実行した冷却能力の増大量を次回の予測値としてコンピュータ119内に蓄積する。これにより、予め演算や計測を行うことなく、運転しながら次回の撮像シーケンスではその予測値を用いて、冷却能力を増大させることができる。
本実施形態では、オーバーシュートを抑え、結果的に、早く熱平衡状態にすることができる。また、GMサイクルの振動数や冷媒ガス圧の急激な変化を抑えることができ、過負荷運転の防止にも効果がある。
また、本実施形態においては、実際のGMサイクルや冷媒ガス圧の制御値を予測値と逐次比較することで、制御の精度を向上させることができ、超電導磁石101やクライオクーラの冷却能力の経時変化を把握することも可能である。
<本実施形態の効果>
上述してきた各実施形態で述べたように、本発明によれば、ヘリウム容器202内にヒータ発熱など余分な熱量の補償が必要なく、連続的に冷却能力を変化させるコントロールによりディスプレサー駆動部302のストレスや圧縮機ユニットの過負荷運転を避けることできる。すなわち、通常の冷却能力劣化トレンドより緩慢な劣化特性が期待され、定格より長く稼動させることが可能となる。
通常、コールドヘッド107は、規定のGMサイクルや冷媒ガス圧の状態での稼動で、約10000時間を超えると、ディスプレサー駆動部302の磨耗や蓄冷剤内に不純物の蓄積が進み、その冷却能力が低下するが、上述の各実施形態によれば、冷却能力の低下を先延ばしにすることができる。
また、第1の実施形態で説明したように、撮像シーケンスを実行していない状態においても、検出した圧力により、GMサイクルの振動数を制御しているため、クライオクーラの運転可能時間を延ばすこともできる。
例えば、クライオクーラの稼働時間が15000時間となり、コールドヘッド107の第二冷却ステージ220の冷却能力が800mWから、700mWに低下した場合、本発明では、図5のステップ508においてステップ502〜506を実行するため、動作は下記のようになる。
ヘリウム容器202の侵入熱量は通常の状態で800mWである。コールドヘッド107の第二冷却ステージ220の冷却能力は700mWに低下している。この場合、侵入熱量と冷却熱量の差分、100mWの熱量で、毎時0.9リットルのヘリウムガスがヘリウム容器202のヘリウムガス溜まりに溜まり、その圧力を上昇させる。圧力センサー206は9kPaから上昇傾向を示すことになる。
圧力センサー206の信号を受け取った磁石制御ユニット110は、GMサイクル制御ユニット301を制御し、ディスプレサー303の往復運動を増大させ、例えば毎秒60回に上昇させる(ステップ502〜505)。この結果、コールドヘッド107の第二冷却ステージ220の冷却能力は800mWにまで上昇し、ヘリウム容器202の圧力は12kPaあたりで熱平衡状態に達する。あるいは、第2の実施形態の冷媒ガス圧制御ユニット501を用いて、冷媒ガス圧を2.0MPaに上げることでも、同様に熱平衡が達成できる。
このように本実施形態によれば、コールドヘッド107の冷却能力の劣化が進み、メンテナンスが必要とされる時点に達しても、ヘリウム容器202の侵入熱に対応した冷却能力を発揮させることができるため、コールドヘッド107の寿命を実質的に延ばすことや、メンテナンスを遅らせることや、計画的にメンテナンスを組み込むことができる。このことは、MRI装置の稼働率を向上させ、メンテナンスに要する費用の削減にもなる。また、GMサイクル制御ユニット301や冷媒ガス圧制御ユニット501の制御情報をモニターすることで、コールドヘッド107の劣化度合いをオペレータが管理することもできる。
図8は、GMサイクル制御ユニット301や冷媒ガス圧制御ユニット501の制御情報の示す画面601の一例である。画面601は、ディスプレイ119に表示される。GMサイクル数あるいは冷媒ヘリウムガス圧から求められるクライオクーラの冷却能力の値(定格の冷却能力を100%とした相対値)を縦軸602に示し、月日を横軸603に示したグラフ601である。最新の値は常に左端に表示され、現在組み込まれているクライオクーラの冷却能力変化604が表示される。これにより、MRI装置の操作者やMRI装置のサービスマンは、超電導磁石とクライオクーラの動作状態や冷却能力の経時的な低下や障害の程度を把握することができる。これにより、MRI装置の正常・異常や将来のメンテナンス時期についても的確な判断を下すことができる。

更には、クライオクーラの標準的な冷却能力の変化のグラフ605を重ねて表示することにより、現在使用しているクライオクーラが標準的な冷却能力のものよりも寿命が延びているかどうかや動作状態を、グラフ605とグラフ604とを比較することで容易に把握することが可能となる。
101 超電導磁石、102 被検者、107 コールドヘッド、108 圧縮機ユニット、110 磁石制御ユニット、201 真空容器、202 ヘリウム容器、203 超電導コイル、204 液体ヘリウム、206 圧力センサー、216 輻射シールド板、219 第一冷却ステージ、220 第二冷却ステージ、301 GMサイクル制御ユニット、302 ディスプレサー駆動部、303 ディスプレサー、304 シリンダー、501 冷媒ガス圧制御ユニット。

Claims (12)

  1. 撮像空間に静磁場を発生する超電導磁石と、前記撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記撮像空間に高周波磁場を印加する高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルと前記高周波コイルの動作を制御して所定の撮影シーケンスを実行させる制御部とを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記超電導磁石は、冷媒および超電導コイルを収容するための冷媒容器と、前記冷媒容器に接続された、前記冷媒容器内で気化した冷媒ガスを再凝縮する冷却機と、前記冷媒容器内の圧力を検出する検出器とを備え、
    前記制御部は、前記検出器の検出した圧力値と、予め定めた一つの設定圧力値とを比較し、前記設定圧力値よりも前記圧力値が大きい場合には、前記冷却機の冷却能力を増加させ、前記設定圧力値よりも前記圧力値が小さい場合には、前記冷却機の冷却能力を低減するフィードバック制御を連続的に行って、前記設定圧力値での熱平衡状態を保つことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記所定の撮像シーケンスは、複数種類であり、
    前記制御部は、前記複数種類の撮像シーケンスごとに予め求めておいた、当該撮像シーケンス実行時の前記傾斜磁場および高周波磁場により前記冷媒容器に侵入する熱量に基づいて、前記冷却機に増加させるべき冷却能力の大きさを予測し、当該予測した冷却能力の大きさまで前記冷却機の冷却能力を連続的に増加させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 撮像空間に静磁場を発生する超電導磁石と、前記撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記撮像空間に高周波磁場を印加する高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルと前記高周波コイルの動作を制御して所定の撮影シーケンスを実行させる制御部とを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記超電導磁石は、冷媒および超電導コイルを収容するための冷媒容器と、前記冷媒容器に接続された、前記冷媒容器内で気化した冷媒ガスを再凝縮する冷却機とを備え、
    前記所定の撮像シーケンスは、複数種類であり、
    前記制御部は、前記複数種類の撮像シーケンスごとに予め求めておいた、当該撮像シーケンス実行時の前記傾斜磁場および高周波磁場により前記冷媒容器に侵入する熱量に基づいて、前記冷却機に増加させるべき冷却能力の大きさを予測し、当該予測した冷却能力の大きさまで前記冷却機の冷却能力を連続的に増加させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記撮像空間の静磁場強度および静磁場均一度の少なくとも一方を調整するための磁場調整部をさらに有し、
    前記制御部は、前記冷媒容器内の圧力変化に伴う、前記撮像空間の磁場強度と磁場均一度の変化分を、前記磁場調整部により補償することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 撮像空間に静磁場を発生する超電導磁石と、前記撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記撮像空間に高周波磁場を印加する高周波コイルと、前記撮像空間の静磁場強度および静磁場均一度の少なくとも一方を調整するための磁場調整部と、前記傾斜磁場コイルと前記高周波コイルの動作を制御して所定の撮影シーケンスを実行させる制御部とを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記超電導磁石は、冷媒および超電導コイルを収容するための冷媒容器と、前記冷媒容器に接続された、前記冷媒容器内で気化した冷媒ガスを再凝縮する冷却機とを備え、
    前記制御部は、前記冷媒容器へ侵入する熱量と、ほぼ一致する冷却吸熱を発揮するように前記冷却機の冷却能力をコントロールし、前記冷媒容器の圧力を許容する圧力範囲内に保持させると共に、前記冷媒容器内の圧力変化に伴う、前記撮像空間の磁場強度および磁場均一度の変化分の少なくとも一方を、前記磁場調整部により補償することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記超電導磁石は、前記冷媒容器内の圧力を検出するための検出器を備え、
    前記制御部は、前記検出器の検出した圧力値に応じて、前記冷却機の冷却能力をコントロールすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記所定の撮像シーケンスは、複数種類あり、
    前記制御部は、前記撮像シーケンスの種類により、当該撮像シーケンス実行時の前記傾斜磁場および高周波磁場により前記冷媒容器に侵入する熱量を予測し、当該予測した熱量に基づいて、前記冷却機の冷却能力をコントロールすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記制御部は、前記撮像シーケンスの種類と前記冷却機の冷却能力のコントロール値との関係を記憶させ、次回の前記撮像シーケンスの実行時の侵入熱量の予測に用いることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記冷却機は、シリンダーと、ディスプレサーと、前記シリンダー内でディスプレサーを往復運動させる駆動部と、前記シリンダー内に圧縮された冷媒ガスを供給する圧縮部とを有し、
    前記制御部は、前記冷却機の冷却能力を変化させるために、前記ディスプレサーの往復運動の振動数および前記冷媒ガスの圧縮圧の少なくとも一方を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記制御部は、撮像シーケンスを実行していない状態においても、前記冷媒容器の圧力を所定の設定圧力に維持するフィードバック制御を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記制御部は、前記冷却機の冷却能力の経時的な変化を示す情報を画像表示装置に表示させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 撮像空間に静磁場を発生する超電導磁石と、前記撮像空間に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記撮像空間に高周波磁場を印加する高周波コイルと、前記撮像空間の静磁場強度および静磁場均一度の少なくとも一方を調整するための磁場調整部と、前記傾斜磁場コイルと前記高周波コイルの動作を制御して所定の撮影シーケンスを実行させる制御部とを備えた磁気共鳴イメージング装置の運転方法であって、
    前記超電導磁石の冷媒容器へ侵入する熱量と、ほぼ一致する冷却吸熱を発揮するように、前記超電導磁石の冷却機の冷却能力をコントロールし、前記冷媒容器の圧力を許容する圧力範囲内に保持させると共に、前記冷媒容器内の圧力変化に伴う、前記撮像空間の磁場強度および磁場均一度の変化分の少なくとも一方を、前記磁場調整部により補償することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置の運転方法。
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