JP5595680B2 - 圧力調整装置および磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

圧力調整装置および磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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Description

本発明は、超伝導コイルを冷却するための冷却液を収容するベッセルの内圧を調整する圧力調整装置、および磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場を発生させる超伝導コイルを有している。超伝導コイルは、液体ヘリウムに浸漬された状態でベッセルに収容されている。ベッセルには外部から常に熱が侵入するので、その結果、液体ヘリウムが気化し、ベッセルの内圧は変化する。しかし、ベッセルの内圧が大きく変化してしまうと、超伝導コイルが発生する静磁場にも影響があるので、ベッセルの内圧ができるだけ一定値に保たれるように、冷凍機を用いて、気化した液体ヘリウムを再液化させている。しかし、冷凍機の冷却能力が高すぎると、気化した液体ヘリウムが必要以上に液化されてしまい、ベッセルの内圧が低くなりすぎることがある。そこで、ヒータを使って、液化ヘリウムの気化と液化のバランスを保つ方法が知られている。(特許文献1参照)。
特開2007-134703号公報
しかし、特許文献1の方法では、ヒータを使うので、消費電力が高くなるという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、消費電力を低減することができる圧力調整装置、磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決する本発明の第1の圧力調整装置は、
超伝導コイルを冷却するための冷却液を収容するベッセルの内圧を調整する圧力調整装置であって、
冷媒を圧縮する圧縮手段と、
コールドヘッドを有する冷却手段であって、前記圧縮手段により圧縮された冷媒を前記圧縮手段から前記コールドヘッドに供給し、前記コールドヘッドに供給された前記冷媒を断熱膨張させて前記圧縮手段に帰還させることにより、前記ベッセルの内部で気化した前記冷却液を冷却する冷却手段と、
を有し、
前記冷却手段は、
前記ベッセルの内圧が所定の値になるように、前記冷媒の前記コールドヘッドへの供給から前記圧縮手段への帰還までの期間を調整する。
上記の問題を解決する本発明の第2の圧力調整装置は、
超伝導コイルを冷却するための冷却液を収容するベッセルの内圧を調整する圧力調整装置であって、
前記ベッセルの内部で気化した前記冷却液を冷却する冷却手段、
を有し、
前記冷却手段は、
前記ベッセルの内圧が第1のしきい値以下になった場合、気化した前記冷却液の冷却を停止し、前記ベッセルの内圧が前記第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値以上になった場合、気化した前記冷却液の冷却を再開する。
上記の問題を解決する本発明の第3の圧力調整装置は、
超伝導コイルを冷却するための冷却液を収容するベッセルの内圧を調整する圧力調整装置であって、
冷媒を圧縮する圧縮手段と、
コールドヘッドを有する冷却手段であって、前記圧縮手段により圧縮された冷媒を前記圧縮手段から前記コールドヘッドに供給し、前記コールドヘッドに供給された前記冷媒を断熱膨張させて前記圧縮手段に帰還させることにより、前記ベッセルの内部で気化した前記冷却液を冷却する冷却手段と、
を有し、
前記冷却手段は、
前記圧縮手段により圧縮された冷媒を前記圧縮手段から前記コールドヘッドに供給するための供給路と、
前記コールドヘッドに供給された冷媒を前記圧縮手段に帰還させるための排出路と、
前記供給路と前記排出路とを繋ぐバイパスと、
前記ベッセルの内圧に応じて、前記バイパスを流れる前記冷媒の量を調整する冷媒量調整手段と、
を有する。
本発明の磁気共鳴イメージング装置は、本発明の第1〜第3の圧力調整装置のうちのいずれかの圧力調整装置を有している。
本発明では、ヒータを使わなくても、ベッセルの内圧を制御することができるので、消費電力を低減することができる。
第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の概略図である。 図1のA−A断面図である。 ベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造の説明図である。 ベッセル22の内圧の時間変化と、電源42の電源周波数Fの時間変化との関係を示すグラフである。 冷却ステージ36の温度Tを上げるための電源周波数F’をどのように決定しているかの説明図である。 第2の実施形態におけるベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造の説明図である。 ベッセル22の内圧の時間変化と、圧縮機4の動作との関係を示す図である。 第3の実施形態におけるベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造の説明図である。 ベッセル22の内圧の時間変化と、圧縮機4の電磁弁の開閉状態との関係を示す図である。
(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の概略図である。
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic
Resonance Imaging)装置と呼ぶ)1は、主な構成要素として、コイルアセンブリ2と、冷凍機3と、圧縮機4と、テーブル7と、受信コイル8と、制御装置9と、入力装置10と、表示装置11とを有している。
コイルアセンブリ2は、被検体9が収容されるボア21などを有している。以下に、コイルアセンブリ2の構造について説明する。
図2は、図1のA−A断面図である。
コイルアセンブリ2は、ベッセル22を内蔵している。ベッセル22は、超伝導コイル23と、超伝導コイル23を冷却する液体ヘリウム24とを収容している。コイルアセンブリ2は、超伝導コイル23の他に、勾配コイルや送信コイルを備えているが、図示省略されている。ベッセル22には、冷凍機3が取り付けられている。冷凍機3は、供給管5と排気管6によって、圧縮機4に接続されている。
尚、ベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の具体的な構造については、後述する(図3参照)。
図1に戻って説明を続ける。
テーブル7は、クレードル71を有している。クレードル71は、z方向および−z方向に移動するように構成されている。クレードル71がz方向に移動することによって、被検体12がボア21に搬送される。クレードル71が−z方向に移動することによって、ボア21に搬送された被検体12は、ボア21から搬出される。
受信コイル8は、被検体12の頭部に取り付けられている。受信コイル8が受信したMR(Magnetic
Resonance)信号は、制御装置9に伝送される。
制御装置9は、コイル制御手段91および信号処理手段92を有している。
コイル制御手段91は、パルスシーケンスが実行されるように、勾配コイルおよび送信コイル(図示せず)を制御する。
信号処理手段92は、受信コイル8が受信した磁気共鳴信号を処理する。
尚、コイル制御手段91および信号処理手段92は、各手段を実行するためのプログラムを制御装置9にインストールすることにより実現されている。ただし、プログラムを用いずに、ハードウェアのみで実現してもよい。
入力装置10は、オペレータ13の操作に応じて、種々の命令を制御装置9に入力する。
表示装置11は、種々の情報を表示する。
MRI装置1は、上記のように構成されている。次に、MRI装置1が備えているベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造について具体的に説明する。
図3は、ベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造の説明図である。
ベッセル22は、液体ヘリウム槽22aと、輻射シールド22bと、真空槽22cとを有している。
液体ヘリウム槽22aは、超伝導コイル23と、超伝導コイル23を冷却する液体ヘリウム24とを収容している。また、液体ヘリウム槽22aには、液体ヘリウム槽22aの内圧を検出する圧力センサ25が取り付けられている。液体ヘリウム槽22aは輻射シールド22bに囲まれている。また、液体ヘリウム槽22aおよび輻射シールド22bは、真空槽22cに収容されている。
ベッセル22には冷凍機3が取り付けられている。
冷凍機3はGM(Gifford-McMahon)方式の冷凍機である。冷凍機3はコールドヘッド31を有している。
コールドヘッド31は、シリンダ32とディスプレーサ33とを有している。ディスプレーサ33は、シリンダ32内で往復運動ができるように、シリンダ32に対して摺動自在に取り付けられている。シリンダ32とディスプレーサ33との間には、後述する圧縮ヘリウムガス41aが流入する膨張室34および35が設けられている。ディスプレーサ33が上死点側に移動することにより、膨張室34および35の容積は大きくなり、ディスプレーサ33が下死点側に移動することにより、膨張室34および35の容積は小さくなる。膨張室34の周囲には冷却ステージ36が設けられており、膨張室35の周囲には冷却ステージ37が設けられている。冷却ステージ36は、気化した液体ヘリウム24aを冷却して再液化するためのステージであり、冷却ステージ37は、輻射シールド22bを冷却するためのステージである。
また、冷凍機3は、供給バルブ38と、排出バルブ39と、モータ40とを有している。
供給バルブ38は、圧縮機4が生成した圧縮ヘリウムガス41aを、圧縮機4からコールドヘッド31に供給するためのものである。供給バルブ38が開状態になると、圧縮機4からの圧縮ヘリウムガス41aがコールドヘッド31に供給され、供給バルブ38が閉状態になると、圧縮機4からコールドヘッド31への圧縮ヘリウムガス41aの供給は停止される。
排出バルブ39は、コールドヘッド31に供給された圧縮ヘリウムガス41aを断熱膨張させるためのものである。排出バルブ39が閉状態では、コールドヘッド31に供給された圧縮ヘリウムガス41aは、圧縮されたままであるが、排出バルブ39が開状態になると、コールドヘッド31内の圧縮ヘリウムガス41aが低圧状態から高圧状態に変化し、その結果、圧縮ヘリウムガス41aが断熱膨張する。
モータ40は、供給バルブ38の開閉、排出バルブ39の開閉、およびディスプレーサ33の往復運動に必要な駆動エネルギーを供給するものである。
圧縮機4は、圧縮ヘリウムガス生成手段41と、電源42と、電源周波数制御手段43とを有している。
圧縮ヘリウムガス生成手段41は、ヘリウムガスを圧縮するものである。圧縮ヘリウムガス生成手段41は、供給管5を介して冷凍機3の供給バルブ38に接続されており、排出管48を介して冷凍機3の排出バルブ39に接続されている。冷凍機3の供給バルブ38が開状態になると、圧縮ヘリウムガス41aが、圧縮ヘリウムガス生成手段41から供給管5を経由してコールドヘッド31に供給される。冷凍機3の供給バルブ38を閉状態にすると、圧縮ヘリウムガス生成手段41からコールドヘッド31への圧縮ヘリウムガス41aの供給が停止される。供給バルブ38を閉状態にするとともに排出バルブ39を開状態にすると、膨張室34および35の圧縮ヘリウムガス41aが膨張し、膨張したヘリウムガス41bは、コールドヘッド31から排気管6を経由して圧縮ヘリウムガス生成手段41に回収される。
電源42は、冷凍機3のモータ40を回転させるための電力を発生し、この電力をモータ40に供給する。
電源周波数制御手段43は、電源42の電源周波数Fを調整するものであり、電源周波数変更判断手段431と、電源周波数決定手段432とを有している。
電源周波数変更判断手段431は、ベッセル22の内部に取り付けられた圧力センサ25の検出信号から、ベッセル22の内圧を算出し、算出した内圧に基づいて、電源42の電源周波数Fを変更するか否かを判断する。
電源周波数決定手段432は、電源周波数変更手段431が電源42の電源周波数Fを変更すると判断した場合、算出した内圧に基づいて、電源42の新たな電源周波数Fを決定する。
ベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4は、上記のように構成されている。尚、冷凍機3、圧縮機4、供給管5、排気管6、および圧力センサ25を組み合わせたものが、本発明の第1の圧力調整装置の一例に相当する。
次に、冷凍機3の動作について説明する。
冷凍機3はモータ40によって以下のように動作する。
(1)モータ40の回転によって、先ず、冷凍機3の排出バルブ39が閉じるとともに、供給バルブ38が開く。供給バルブ38が開くと、圧縮機4の圧縮ヘリウムガス生成手段41からコールドヘッド31に圧縮ヘリウムガス41aが供給される。
(2)次に、冷凍機3のディスプレーサ33が下死点から上死点に移動する。膨張室34および35には圧縮ヘリウムガス41aが流入する。
(3)次に、供給バルブ38と閉じるとともに、排出バルブ39を開く。排出バルブ39が開くと、膨張室34および35の圧縮ヘリウムガス41aがサイモン膨張する。このとき、膨張室34および35に寒冷が発生し、冷却ステージ36および37が冷却される。
(4)次に、ディスプレーサ33が上死点から下死点に移動する。この移動によって、膨張室34および35に残ったヘリウムガスは、コールドヘッド31から排気管6を経由して圧縮ヘリウムガス生成手段41に帰還する。
冷凍機3は、上記の(1)〜(4)の動作を1サイクルとして、(1)〜(4)の動作を繰り返し実行することによって、冷却ステージ36および37を冷却し続ける。したがって、ベッセル22内において気化したヘリウム24aを再液化することができる。
第1の実施形態では、上記のように構成された冷凍機3および圧縮機4を用いることによって、ヒータを用いることなくベッセル22の内圧を調整することができるという効果がある。次に、第1の実施形態において、ベッセル22の内圧を調整する場合、冷凍機3および圧縮機4がどのように動作するかについて、図4を参照しながら説明する。
図4は、ベッセル22の内圧の時間変化と、電源42の電源周波数Fの時間変化との関係を示すグラフである。
グラフの横軸は時間、左側の縦軸はベッセル22の内圧P、右側の縦軸は電源42の電源周波数Fである。左側の縦軸には、ベッセル22の内圧として許容できる下限値(以下、「下限許容値」と呼ぶ)PLと、ベッセル22の内圧として許容できる上限値(以下、「上限許容値」と呼ぶ)PUが示されている。
時刻t0において、冷凍機3のモータ40が電源42から供給されている電力の電源周波数Fは、F=F1であるとする。電源周波数F=F1の場合、冷凍機3が上記の(1)〜(4)の動作を実行するのに掛かる時間Acは、Ac=A1である(例えば、A1=1秒)。したがって、冷凍機3は、電源周波数F=F1の間は、(1)〜(4)の動作を時間A1で繰返し実行する。
一方、電源周波数制御手段42は、圧力センサ25で検出された検出信号から、時刻ti(iは整数)におけるベッセル22の内圧Piを算出し、算出したベッセル22の内圧Piに基づいて、電源42の電源周波数Fを制御する。以下に、電源42の電源周波数Fを制御する理由について説明する。
先ず、時刻tiにおけるベッセル22の内圧Piが、ベッセル22の内圧の許容範囲に含まれているが上限許容値PUに近い場合について考察する。内圧Piが上限許容値PUに近い場合、これは、液体ヘリウム24の気化が、気化した液体ヘリウム24aの再液化よりも促進されていることを意味していると考えられる。したがって、このまま液体ヘリウム24の気化が促進されると、ベッセル22の内圧が上昇し続け、上限許容値PUよりも大きくなる恐れがある。しかし、冷凍機3の冷却ステージ36の温度Tを下げることができれば、気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進されるので、ベッセルの内圧が低下し、ベッセル22の内圧が上限許容値PUよりも大きくならないようにすることができる。そこで、第1の実施形態では、内圧Piが上限許容値PUに近い場合、冷却ステージ36の温度Tを下げるために、電源周波数Fを変更している。電源周波数Fを変更すると、モータ40の回転数Nが変化するので、冷凍機3の(1)〜(4)の動作に掛かる時間Acが変化し、その結果、冷却ステージ36の温度Tも変化することは経験的に分かっている。したがって、冷却ステージ36の温度Tと電源周波数Fとの対応関係を予め調べておけば、この対応関係に基づいて、冷却ステージ36の温度Tが下がるように電源周波数Fを変更することがきる。冷却ステージ36の温度Tが下がると、気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進されるので、ベッセル22の内圧が低下し、ベッセル22の内圧が上限許容値PUよりも大きくならないようにすることができる。
上記の考察では、時刻tiにおけるベッセル22の内圧Piが上限許容値PUに近い場合について説明されているが、時刻tiにおけるベッセル22の内圧Piが下限許容値PLに近い場合についても同様に説明できる。内圧Piが下限許容値PLに近い場合、これは、気化した液体ヘリウム24aの再液化が、液体ヘリウム24の気化よりも促進されていることを意味していると考えられる。したがって、このまま気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進されると、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくなる恐れがある。しかし、冷凍機3の冷却ステージ36の温度Tを上げることができれば、液体ヘリウム24の気化が促進されるので、ベッセルの内圧が上昇し、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくならないようにすることができる。そこで、第1の実施形態では、内圧Piが下限許容値PUに近い場合、冷却ステージ36の温度Tを上げるために、電源周波数Fを変更している。上記のように、電源周波数Fを変更すると冷却ステージ36の温度Tが変化することは経験的に分かっている。したがって、冷却ステージ36の温度Tと電源周波数Fとの対応関係を予め調べておけば、この対応関係に基づいて、冷却ステージ36の温度Tが上げるように電源周波数Fを変更することがきる。冷却ステージ36の温度Tが上がると、液体ヘリウム24の気化が促進されるので、ベッセル22の内圧が上昇し、ベッセル22の内圧が下限許容値PUよりも小さくならないようにすることができる。
上記のように、電源周波数制御手段42は、ベッセル22の内圧が許容範囲からはみ出ないようにするために、ベッセル22の内圧Piに基づいて電源周波数Fを制御している。電源周波数制御手段42は、ベッセル22の内圧Piに基づいて電源周波数Fを制御するために、電源周波数変更判断手段431および電源周波数決定手段432を有している。以下に、電源周波数変更判断手段431および電源周波数決定手段432の動作について説明する。
電源周波数変更判断手段431は、圧力センサ25で検出された検出信号から、時刻ti(iは整数)におけるベッセル22の内圧Piを算出し、算出された内圧Piの値から、電源周波数Fを変更するかどうかを判断する。電源周波数変更判断手段431は、先ず、時刻t1におけるベッセル22の内圧P1を算出する。電源周波数変更判断手段431は、算出したベッセル22の内圧P1が、上限許容値PU又は下限許容値PLに近い値であるか否かを判断する。この判断を行うために、電源周波数変更判断手段431は、算出したベッセル22の内圧P1と、上限しきい値Pth1および下限しきい値Pth2とを比較する。上限しきい値Pth1は、上限許容値PUよりもΔP1だけ小さい値であり、一方、下限しきい値Pth2は、下限許容値PLよりもΔP2だけ大きい値である。
電源周波数変更判断手段431は、内圧P1と上限しきい値Pth1とを比較し、P1>Pth1の場合は、内圧P1は上限許容値PUに近い値であると判断する。また、電源周波数変更判断手段431は、内圧P1と下限しきい値Pth2とを比較し、P1<Pth2の場合は、内圧P1は下限許容値PLに近い値であると判断する。図4を参照すると、Pth2<P1<Pth1であるので、電源周波数変更判断手段431は、内圧P1は上限許容値PUおよび下限許容値PLに近い値ではないと判断する。この場合、電源周波数変更判断手段431は、電源周波数Fを変更する必要はないと判断し、電源45は、同じ電源周波数F=F1の電力をモータ40に供給し続ける。電源45は、同じ電源周波数F=F1の電力をモータ40に供給し続けるので、冷凍機3が上記の(1)〜(4)の動作を実行するのに掛かる時間Acは、Ac=A1のままである。
時刻t2に到達すると、電源周波数変更判断手段431は、時刻t2におけるベッセル22の内圧P2を計算する。電源周波数変更判断手段431は、算出したベッセル22の内圧P2が、上限許容値PU又は下限許容値PLに近い値であるか否かを判断する。この判断を行うために、電源周波数変更判断手段431は、算出したベッセル22の内圧P2と、上限しきい値Pth1および下限しきい値Pth2とを比較する。内圧P2と上限しきい値Pth1とを比較すると、P2<Pth2である。したがって、電源周波数変更判断手段431は、内圧P2は、下限許容値PLに近い値であると判断する。この場合、電源周波数変更判断手段431は、電源周波数F=F1を変更する必要がある旨を、電源周波数決定手段432に送る。
電源周波数決定手段432は、電源周波数F=F1を変更する必要がある旨を受け取った場合、電源周波数変更判断手段431より算出された内圧Piの値に基づいて、新たな電源周波数Fの値を決定する。電源周波数決定手段432は、新たな電源周波数Fの値を決定するために、先ず、内圧Piの値に基づいて、冷却ステージ36の温度を下げるのか、それとも上げるのかを決定する。具体的は、電源周波数決定手段432は、内圧Piが上限許容値PUに近い値である場合は、ベッセル22の内圧を下げる必要があるので、冷却ステージ36の温度を下げると決定する。一方、内圧Piが下限許容値PLに近い値である場合は、ベッセル22の内圧を上げる必要があるので、冷却ステージ36の温度を上げると決定する。時刻t2における内圧P2を参照すると、下限許容値PLに近い値であるので、電源周波数決定手段432は、冷却ステージ36の温度を上げると決定する。電源周波数決定手段432は、冷却ステージ36の温度を上げると決定した場合、冷却ステージ36の温度Tを上げるための新たな電源周波数F’を決定する。以下に、電源周波数決定手段432が、冷却ステージ36の温度Tを上げるための新たな電源周波数F’をどのように決定しているかについて説明する。
図5は、冷却ステージ36の温度Tを上げるための電源周波数F’をどのように決定しているかの説明図である。
電源周波数決定手段432は、電源周波数Fと冷却ステージ36の温度Tとの対応関係を予め記憶している。図5には、この対応関係を概略的に表したグラフが示されている。グラフの横軸は、電源周波数Fであり、グラフの縦軸は冷却ステージ36の温度Tである。図5のグラフは、電源周波数F=Fa〜Fbの範囲における冷却ステージ36の温度Tを概略的に示している。電源周波数決定手段432は、電源周波数Fを変更する必要がある旨を受け取った場合、図5に示すグラフから、時刻tiにおける電源周波数Fに対応する冷却ステージ36の温度Tを求める。時刻t2では電源周波数F=F1であるので、冷却ステージ36の温度T=T1である。冷却ステージ36の温度T=T1を求めた後、電源周波数決定手段432は、温度T1よりもΔTUだけ高い温度T2における電源周波数を、新たな電源周波数F’として決定する。図5では、温度T2における電源周波数Fは、F2およびF2’がある。この場合、電源周波数決定手段432は、電源周波数F1に近いほうの電源周波数F=F2を、新たな電源周波数F’として決定する。新たな電源周波数F’=F2を決定した後、電源周波数FをF1からF2に変更すべき命令を電源42に送る。この命令を受けて、電源42は、モータ40に電源周波数F2の電力を供給する。したがって、冷却ステージ36の温度Tが上がるので、液体ヘリウム24の気化が促進され、ベッセル22の内圧を上昇させることができる。モータ40に供給される電力の電源周波数FがF1からF2に変化することによって、冷凍機3が上記の(1)〜(4)の動作を実行するのに掛かる時間Acは、Ac=A1からA2に変化する。
尚、ΔTUの値が大きすぎると、温度T2の値が大きくなりすぎてしまうので、温度T2に対応する新たな電源周波数F’=F2の電力をモータに供給すると、冷却ステージ36の温度が急激に大きくなり、ベッセル22の内圧が急激に上昇する恐れがある。一方、ΔTUの値が小さすぎると、新たな電源周波数F’=F2の電力をモータに供給しても、冷却ステージ36の温度があまり大きくならず、ベッセル22の内圧を上昇させることができない。したがって、ΔTUの値は、図5に示す電源周波数Fと冷却ステージ36の温度Tとの対応関係を考慮して決める必要がある。ΔTUの値を決める方法としては、電源周波数Fと冷却ステージ36の温度Tとの対応関係に基づいて、電源周波数FとΔTUとの対応関係を表すF−ΔTU曲線を予め決めておき、F−ΔTU曲線を参照して変更前の電源周波数F=F1に対応するΔTUの値を検出し、検出されたΔTUの値を、温度T2を求めるためのΔTUの値として決めることが考えられる。
図4に戻って説明を続ける。
時刻t2において、モータ40に供給される電力の電源周波数Fは、F1からF2に変化する。したがって、冷却ステージ36の温度Tが上昇するので、液体ヘリウム24の気化が促進され、ベッセル22の内圧を上昇させることができる。
時刻t3に到達すると、電源周波数変更判断手段431は、時刻t3におけるベッセル22の内圧P3を計算する。電源周波数変更判断手段431は、算出したベッセル22の内圧P3が、上限許容値PU又は下限許容値PLに近い値であるか否かを判断する。内圧P2は、Pth2<P2<Pth1であるので、電源周波数変更判断手段431は、内圧P2は上限許容値PUおよび下限許容値PLに近い値ではないと判断する。この場合、電源周波数変更判断手段431は、電源周波数Fを変更する必要はないと判断し、電源45は、同じ電源周波数F=F2の電力をモータ40に供給し続ける。電源45は、同じ電源周波数F=F2の電力をモータ40に供給し続けるので、冷凍機3が上記の(1)〜(4)の動作を実行するのに掛かる時間Acは、Ac=A2のままである。
時刻t4に到達すると、電源周波数変更判断手段431は、時刻t4におけるベッセル22の内圧P4を計算する。電源周波数変更判断手段431は、算出したベッセル22の内圧P4が、上限許容値PU又は下限許容値PLに近い値であるか否かを判断する。内圧P4と下限しきい値Pth2とを比較すると、P4>Pth1である。したがって、電源周波数変更判断手段431は、内圧P4は、上限許容値PUに近い値であると判断し、電源周波数Fを変更する必要がある旨を、電源周波数決定手段432に送る。
電源周波数決定手段432は、電源周波数F2を変更する必要がある旨を受け取ると、冷却ステージ36の温度を下げるのか、それとも上げるのかを決定する。時刻t4における内圧P4は上限許容値PUに近い値であるので、ベッセル22の内圧を下げる必要がある。そこで、電源周波数決定手段432は、ベッセル22の内圧を下げるために、冷却ステージ36の温度を下げると決定する。電源周波数決定手段432は、冷却ステージ36の温度を下げると決定した場合、冷却ステージ36の温度Tを下げるための新たな電源周波数F’’を決定する。以下に、電源周波数決定手段432が、冷却ステージ36の温度Tを下げるための新たな電源周波数F’’をどのように決定しているかについて、図5を参照しながら説明する。
電源周波数決定手段432は、図5に示すグラフから、時刻t4における電源周波数F2に対応する冷却ステージ36の温度Tを求める。図5に示すグラフでは、電源周波数F2の場合、冷却ステージ36の温度Tは、T=T2である。冷却ステージ36の温度T=T2を求めた後、電源周波数決定手段432は、温度T2よりもΔTLだけ低い温度T3における電源周波数Fを、新たな電源周波数F’’として決定する。図5では、温度T3における電源周波数Fは、F3およびF3’がある。この場合、電源周波数決定手段432は、電源周波数F2に近いほうの電源周波数F3を、新たな電源周波数F’’として決定する。新たな電源周波数F’’=F3を決定した後、電源周波数決定手段432は、電源周波数FをF2からF3に変更すべき命令を電源42に送る。この命令を受けて、電源42は、モータ40に電源周波数F3の電力を供給する。したがって、冷却ステージ36の温度Tが下降するので、気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進され、ベッセル22の内圧を下げることができる。モータ40に供給される電力の電源周波数FがF2からF3に変化することによって、冷凍機3が上記の(1)〜(4)の動作を実行するのに掛かる時間Acは、Ac=A2からA3に変化する。
尚、ΔTLの値が大きすぎると、温度T3の値が小さくなりすぎてしまうので、温度T3に対応する新たな電源周波数F’’=F3の電力をモータに供給すると、冷却ステージ36の温度が急激に小さくなり、ベッセル22の内圧が急激に下がる恐れがある。一方、ΔTLの値が小さすぎると、新たな電源周波数F’’=F3の電力をモータに供給しても、冷却ステージ36の温度があまり小さくならず、ベッセル22の内圧を下げることができない。したがって、ΔTLの値は、図5に示す電源周波数Fと冷却ステージ36の温度Tとの対応関係を考慮して決める必要がある。ΔTLの値を決める方法としては、電源周波数Fと冷却ステージ36の温度Tとの対応関係に基づいて、電源周波数FとΔTLとの対応関係を表すF−ΔTL曲線を予め決めておき、F−ΔTL曲線を参照して変更前の電源周波数F=F2に対応するΔTLの値を検出し、検出されたΔTLの値を、温度T3を求めるためのΔTLの値として決めることが考えられる。
時刻t4において、モータ40に供給される電力の電源周波数Fは、F2からF3に変化する。したがって、冷却ステージ36の温度Tが下がるので、気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進され、ベッセル22の内圧を下げることができる。
以下同様の方法でベッセル22の内圧が調整される。
第1の実施形態では、冷凍機3のモータ40に供給される電力の電源周波数Fを調整することによって、ベッセル22の内圧を調整している。したがって、ベッセル22の内圧を調整するためのヒータが不要となり、低消費電力化が図られる。
尚、第1の実施形態では、ベッセル22の内圧を、上限しきい値Pth1および下限しきい値Pth2と比較することによって、電源周波数Fを変更するか否かを判断しているが、別の方法で判断してもよい。例えば、時刻ti+1におけるベッセル22の内圧Pi+1が、時刻tiにおけるベッセル22の内圧Piに対して増減した値を求め、この増減した値がしきい値を超えているか否かに基づいて電源周波数を変更するか否かを決定してもよい。
(2)第2の実施形態
第2の実施形態では、第1の実施形態とは別の方法でベッセル22の内圧を調整する方法について説明する。
第2の実施形態のMRI装置は、第1の実施形態のMRIと比較すると、圧縮機の構成が異なるが、その他の構成は同じであるので、以下では、圧縮機の構成を主に説明する。
図6は、第2の実施形態におけるベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造の説明図である。
ベッセル22および冷凍機3の構成は、第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
圧縮機4は、圧縮ヘリウムガス生成手段41と、電源42と、電源供給制御手段44とを有している。
圧縮ヘリウムガス生成手段41は、第1の実施形態と同じ構成であるので説明は省略する。
電源42は、固定の電源周波数F0(例えば、F0=60Hz)の電力を冷凍機3のモータ40に供給する。
電源供給制御手段44は、圧力センサ25の検出信号からベッセル22の内圧を算出し、算出した内圧に基づいて、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を続行するか、それとも停止するかを決定する。
第2の実施形態における圧縮機4は、上記のように構成されている。尚、冷凍機3、圧縮機4、供給管5、排気管6、および圧力センサ25を組み合わせたものが、本発明の第2の圧力調整装置の一例に相当する。
第2の実施形態では、上記のように構成された冷凍機3および圧縮機4を用いることによって、ヒータを用いることなくベッセル22の内圧を調整することができるという効果がある。次に、第2の実施形態において、ベッセル22の内圧を調整する場合、冷凍機3および圧縮機4がどのように動作するかについて、図7を参照しながら説明する。
図7は、ベッセル22の内圧の時間変化と、圧縮機4の動作との関係を示す図である。
時刻t0において、電源42は、冷凍機3のモータ40に電源周波数F0の電力を供給しているとする。
電源供給制御手段44は、各時刻tiにおける内圧Piを算出し、内圧Piが下限しきい値Pth2より大きい間は、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を続行すると決定する。図7を参照すると、時刻t1では内圧P1は下限しきい値Pth2より大きいので、電源供給制御手段44は、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を続行すると決定する。したがって、電源42は、冷凍機3のモータ40に電力を供給し続ける。
しかし、何らかの原因で、冷凍機3の冷凍効率が上昇すると、気化した液体ヘリウム24aの液化が促進されるので、ベッセル22の内圧が低下し、下限しきい値Pth2より小さくなる場合がある。ベッセル22の内圧が下限しきい値Pth2よりも小さくなった場合、内圧が更に低下し、下限許容値PLよりも小さくなる恐れがある。例えば、図7を参照すると、時刻t1におけるベッセル22の内圧P1は下限しきい値Pth2よりも大きいが、時刻t2におけるベッセル22の内圧P2は下限しきい値Pth2よりも小さくなっている。したがって、このままではベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくなる恐れがある。そこで、第2の実施形態では、時刻ti-1におけるベッセル22の内圧Pi-1が下限しきい値Pth2よりも大きいが、次の時刻t2におけるベッセル22の内圧Piが下限しきい値Pth2よりも小さくなった場合、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくなる恐れがあると判断して、冷凍機3をオフ状態にする。冷凍機3をオフ状態にすると、ベッセル22内の液体ヘリウム24の気化が促進されるので、ベッセル22の内圧が上昇し、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくならないようにすることができる。冷凍機3をオフ状態にする手順は、以下の通りである。
時刻ti-1におけるベッセル22の内圧Pi-1が下限しきい値Pth2よりも大きいが、次の時刻t2におけるベッセル22の内圧Piが下限しきい値Pth2よりも小さくなった場合、電源供給制御手段44は、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を停止すると決定し、電力の供給の停止命令を電源42に送る。図7では、時刻t1におけるベッセル22の内圧P1は下限しきい値Pth2よりも大きいが、時刻t2におけるベッセル22の内圧P2は下限しきい値Pth2よりも小さくなっている。したがって、電源供給制御手段44は、時刻t2において、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を停止すると決定し、電力の供給の停止命令を電源42に送る。電源42は、この停止命令に応答して、冷凍機3のモータ40への電力の供給を停止する。したがって、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくならないようにすることができる。
冷凍機3のモータ40への電力の供給が停止された後は、電源供給制御手段44は、時刻tiにおける内圧Piが上限しきい値Pth1よりも大きくなるまでは、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を再開しないと決定する。しかし、冷凍機3のモータ40への電力の供給は停止されているので、ベッセル22の内圧は、時間とともに上昇し、上限許容値PUに近づく。そこで、電源供給制御手段44は、時刻tiにおける内圧Piが上限しきい値Pth1よりも大きくなったら、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を再開すると決定する。図7では、時刻t3における内圧P3は、上限しきい値Pth1に到達していないので、電源供給制御手段44は、電力の供給を再開するとは決定しない。しかし、時刻t4における内圧P4が上限しきい値Pth1よりも大きい値になっている。したがって、電源供給制御手段44は、時刻t4において、電源42から冷凍機3のモータ40への電力の供給を再開すると決定し、電力の供給の再開命令を電源42に送る。電源42は、この再開命令に応答して、冷凍機3のモータ40への電力の供給を再開する。したがって、冷凍機3の冷却ステージ36の温度が低下し、気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進されるので、ベッセル22の内圧が低下し、ベッセル22の内圧が上限許容値PUよりも大きくならないようにすることができる。
第2の実施形態では、電源42から冷凍機3のモータ40に電力を供給するか否かによって、ベッセル22の内圧を調整している。したがって、ベッセル22の内圧を調整するためのヒータが不要となり、低消費電力化が図られる。
尚、第2の実施形態において、電源42から冷凍機3のモータ40に電力が供給されているにもかかわらず、ベッセル22の内圧が上昇してしまうと、ベッセル22の内圧を許容範囲に収めることができなくなる。したがって、第2の実施形態でベッセル22の内圧を制御する場合は、冷凍機3が駆動している間はベッセル22の内圧が上限しきい値Pth1を超えないように冷凍機3の駆動条件を設定しておく必要がある。
また、第2の実施形態では、ベッセル22の内圧を、上限しきい値Pth1および下限しきい値Pth2と比較することによって、モータ40に電力を供給するか否かを判断しているが、別の方法で判断してもよい。例えば、時刻ti+1におけるベッセル22の内圧Pi+1が、時刻tiにおけるベッセル22の内圧Piに対して増減した値を求め、この増減した値がしきい値を超えているか否かに基づいてモータ40に電力を供給するか否かを判断してもよい。
(3)第3の実施形態
第3の実施形態では、第1および第2の実施形態とは別の方法でベッセル22の内圧を調整する方法について説明する。
第3の実施形態のMRI装置は、第1の実施形態のMRIと比較すると、圧縮機の構成が異なるが、その他の構成は同じであるので、以下では、圧縮機の構成を主に説明する。
図8は、第3の実施形態におけるベッセル22、冷凍機3、および圧縮機4の構造の説明図である。
ベッセル22および冷凍機3の構成は、第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
圧縮機4は、圧縮ヘリウムガス生成手段41と、電源42と、バイパス管45と、電磁弁46、電磁弁制御手段47とを有している。
圧縮ヘリウムガス生成手段41は、第1の実施形態と同じ構成であるので説明は省略する。
電源42は、固定の電源周波数F(例えば、60Hz)の電力を冷凍機3のモータ40に供給する。
バイパス管45は、供給管5に流入した圧縮ヘリウムガス41aのうちの一部の圧縮ヘリウムガス41cを、排出管6に流出さるための経路である。
電磁弁46は、バイパス管45の内部に設けられている。電磁弁46は、圧縮ヘリウムガス41cが供給管5から排出管6に流出するのを遮断するための弁である。
電磁弁制御手段47は、ベッセル22の内圧に応じて、電磁弁46の開閉を制御する。
第3の実施形態における圧縮機4は、上記のように構成されている。尚、冷凍機3、圧縮機4、供給管5、排気管6、および圧力センサ25を組み合わせたものが、本発明の第3の圧力調整装置の一例に相当する。
第3の実施形態では、上記のように構成された冷凍機3および圧縮機4を用いることによって、ヒータを用いることなくベッセル22の内圧を調整することができるという効果がある。次に、第3の実施形態において、ベッセル22の内圧を調整する場合、冷凍機3および圧縮機4がどのように動作するかについて、図9を参照しながら説明する。
図9は、ベッセル22の内圧の時間変化と、圧縮機4の電磁弁の開閉状態との関係を示す図である。
時刻t0において、電磁弁46は閉状態であり、電源42は、冷凍機3のモータ40に電源周波数F0の電力を供給しているとする。電磁弁46は閉状態であるので、供給管5に流入した圧縮ヘリウムガス41aは、排出管6に流出することなく冷凍機3に供給される。
電磁弁制御手段47は、各時刻tiにおける内圧Piを算出し、内圧Piが下限しきい値Pth2より大きい間は、電磁弁46が閉状態になるように、電磁弁46を制御する。図9を参照すると、時刻t1では内圧P1は下限しきい値Pth2より大きいので、電磁弁46は閉状態のままである。
しかし、何らかの原因で、冷凍機3の冷凍効率が上昇すると、気化した液体ヘリウム24aの液化が促進されるので、ベッセル22の内圧が低下し、下限しきい値Pth2より小さくなる場合がある。ベッセル22の内圧が下限しきい値Pth2よりも小さくなった場合、内圧が更に低下し、下限許容値PLよりも小さくなる恐れがある。例えは、図9を参照すると、時刻t1におけるベッセル22の内圧P1は下限しきい値Pth2よりも大きいが、時刻t2におけるベッセル22の内圧P2は下限しきい値Pth2よりも小さくなっている。したがって、このままではベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくなる恐れがある。そこで、第2の実施形態では、時刻ti-1におけるベッセル22の内圧Pi-1が下限しきい値Pth2よりも大きいが、次の時刻tにおけるベッセル22の内圧Piが下限しきい値Pth2よりも小さくなった場合、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくなる恐れがあると判断して、電磁弁制御手段47は、電磁弁46を開状態にする。電磁弁46を開状態にすると、供給管5に流入した圧縮ヘリウムガス41aのうちの一部の圧縮ヘリウムガス41cが排出管6に流出されので、冷凍機3のコールドヘッド31に供給される圧縮ヘリウムガス41aの量が減少する。したがって、冷凍機3の冷却ステージ36の温度が上昇し、ベッセル22内の液体ヘリウム24の気化が促進されるので、ベッセル22の内圧が上昇し、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくならないようにすることができる。
図9では、時刻t1におけるベッセル22の内圧P1は下限しきい値Pth2よりも大きいが、時刻t2におけるベッセル22の内圧P2は下限しきい値Pth2よりも小さくなっている。したがって、電磁弁制御手段47は、時刻t2において電磁弁46を開状態にする。電磁弁46を開状態にすると、冷凍機3のコールドヘッド31に供給される圧縮ヘリウムガス41aの量が減少するので、ベッセル22の内圧が下限許容値PLよりも小さくならないようにすることができる。
電磁弁46が開状態になった後は、電磁弁制御手段47は、時刻tiにおける内圧Piが上限しきい値Pth1よりも大きくなるまでは、電磁弁46を開状態のままに保持する。しかし、冷凍機3のコールドヘッド31に供給される圧縮ヘリウムガス41aの量は減少しているので、ベッセル22の内圧は、時間とともに上昇し、上限許容値PUに近づく。そこで、電磁弁制御手段47は、時刻tiにおける内圧Piが上限しきい値Pth1よりも大きくなったら、電磁弁46を閉状態にする。図7では、時刻t3における内圧P3は、上限しきい値Pth1に到達していないので、電磁弁制御手段47は、電磁弁46を開状態のままに保持する。しかし、時刻t4における内圧P4が上限しきい値Pth1よりも大きい値になっている。したがって、電磁弁制御手段47は、電磁弁46を閉状態にする。電磁弁46が閉状態になると、供給管5から排出管6に流出していた圧縮ヘリウムガス41cの量がゼロとなり、供給管5に供給された全ての圧縮ヘリウムガス41aが冷凍機3のコールドヘッド31に供給される。したがって、冷凍機3の冷却ステージ36の温度が低下し、気化した液体ヘリウム24aの再液化が促進されるので、ベッセル22の内圧が低下し、ベッセル22の内圧が上限許容値PUよりも大きくならないようにすることができる。
第3の実施形態では、電磁弁46の開閉によってベッセル22の内圧を調整している。したがって、ベッセル22の内圧を調整するためのヒータが不要となり、低消費電力化が図られる。
第3の実施形態において、電磁弁46が閉状態であるにもかかわらず、ベッセル22の内圧が上昇してしまうと、ベッセル22の内圧を許容範囲に収めることができなくなる。したがって、第3の実施形態でベッセル22の内圧を制御する場合は、電磁弁46が閉状態である間はベッセル22の内圧が上限しきい値Pth1を超えないように冷凍機3の駆動条件を設定しておく必要がある。
また、第3の実施形態では、ベッセル22の内圧を、上限しきい値Pth1および下限しきい値Pth2と比較することによって、電磁弁46を開くか閉じるかを判断しているが、別の方法で判断してもよい。例えば、時刻ti+1におけるベッセル22の内圧Pi+1が、時刻tiにおけるベッセル22の内圧Piに対して増減した値を求め、この増減した値がしきい値を超えているか否かに基づいて電磁弁46を開くか閉じるかを判断してもよい。
また、第3の実施形態では、電磁弁46が使用されているが、電磁弁46以外の別の弁を用いてもよい。
尚、第1〜第3の実施形態では、冷凍機として、GM方式の冷凍機が使用されているが、本発明は、GM方式以外の別の冷凍機(例えば、スターリング冷凍機)を用いてもよい。
1 磁気共鳴イメージング装置
2 コイルアセンブリ
3 冷凍機
4 圧縮機
5 供給管
6 排気管
7 テーブル
8 受信コイル
9 制御装置
10 入力装置
11 表示装置
21 ボア
22 ベッセル
22a 液体ヘリウム槽
22b 輻射シールド
22c 真空槽
23 超伝導コイル
24 液体ヘリウム
32 シリンダ
33 ディスプレーサ
34、35 膨張室
38 供給バルブ
39 排出バルブ
40 モータ
41 圧縮ヘリウムガス生成手段
42 電源
43 電源周波数制御手段
44 電源供給制御手段
45 バイパス管
46 電磁弁
47 電磁弁制御手段
71 クレードル
91 コイル制御手段
92 信号処理手段
431 電源周波数変更判断手段
432 電源周波数決定手段

Claims (4)

  1. 超伝導コイルを冷却するための冷却液を収容するベッセルの内圧を調整する圧力調整装置であって、
    冷媒を圧縮する圧縮手段と、
    コールドヘッドを有する冷却手段であって、前記圧縮手段により圧縮された冷媒を前記圧縮手段から前記コールドヘッドに供給し、前記コールドヘッドに供給された前記冷媒を断熱膨張させて前記圧縮手段に帰還させることにより、前記ベッセルの内部で気化した前記冷却液を冷却する冷却手段と、
    を有し、
    前記冷却手段は、
    前記圧縮手段により圧縮された冷媒を前記圧縮手段から前記コールドヘッドに供給するための供給路と、
    前記コールドヘッドに供給された冷媒を前記圧縮手段に帰還させるための排出路と、
    前記供給路と前記排出路とを繋ぐバイパスと、
    前記ベッセルの内圧に応じて、前記バイパスを流れる前記冷媒の量を調整する冷媒量調整手段と、
    を有する、圧力調整装置。
  2. 前記冷媒量調整手段は、
    前記バイパスに設けられた電磁弁と、
    前記電磁弁の開閉を制御する電磁弁制御手段と、
    を有する、請求項に記載の圧力調整装置。
  3. 前記電磁弁制御手段は、
    前記ベッセルの内圧が下限しきい値より小さくなった場合前記電磁弁が開状態になり、前記ベッセルの内圧が上限しきい値より大きくなった場合前記電磁弁が閉状態になるように、前記電磁弁の開閉を制御する、請求項2に記載の圧力調整装置。
  4. 請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の圧力調整装置を有する磁気共鳴イメージング装置。
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