JP2016118372A - 極低温冷凍機および極低温冷凍機の運転方法 - Google Patents

極低温冷凍機および極低温冷凍機の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極低温冷凍機が発生する寒冷の到達温度を下げる技術を提供する。【解決手段】ヘリウムを膨張させることによって4[K]以下の寒冷を発生させる極低温冷凍機1において、膨張器50は、高圧のヘリウムを膨張させる。圧縮機12は、膨張器50から戻ってきた低圧のヘリウムを圧縮して高圧のヘリウムを生成し、膨張器50に供給する。膨張器50内のヘリウムの温度が2.17[K]以下のとき、低圧のヘリウムの圧力は、横軸を温度、縦軸を圧力とするヘリウムの状態図において、ヘリウムの体積熱膨張率が0となる曲線の圧力以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮装置から供給される高圧のヘリウムを膨張することによって寒冷を発生させる極低温冷凍機、およびその極低温冷凍機の運転方法に関する。
極低温冷凍機として例えば特許文献1に記載のものがある。ディスプレーサ式の極低温冷凍機は、ディスプレーサをシリンダ内部に移動可能に収容して構成される膨張器を備える。ディスプレーサ式の極低温冷凍機は、シリンダ内部でディスプレーサを往復運動させながら、膨張器内でのヘリウムを膨張させることにより、寒冷を発生する。膨張器で発生したヘリウムの寒冷は、蓄冷器にて蓄積されながら冷却ステージに伝達されて所望の極低温に到達して、冷却ステージに接続された冷却対象を冷却する。
これらの極低温冷凍機は、例えば大気圧下における液体ヘリウムの生成に利用する場合には、通常4[K]程度の寒冷を発生させる。この寒冷の到達温度をさらに下げることができれば、例えばヘリウム超流動転移温度を提供することが可能となる。
特開2006−242484号公報
本発明のある目的は、極低温冷凍機が発生する寒冷の到達温度を下げる技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の極低温冷凍機は、ヘリウムを膨張させることによって4[K]以下の寒冷を発生させる極低温冷凍機であって、高圧のヘリウムを膨張させる膨張器と、膨張器から戻ってきた低圧のヘリウムを圧縮して高圧のヘリウムを生成し、膨張器に供給する圧縮機とを備える。膨張器内のヘリウムの温度が2.17[K]以下のとき、低圧のヘリウムの圧力は、横軸を温度、縦軸を圧力とするヘリウムの状態図において、ヘリウムの体積熱膨張率が0となる曲線の圧力以上である。
本発明の別の態様は、高圧のヘリウムを膨張させる膨張器と、膨張器から戻ってきた低圧のヘリウムを圧縮して高圧のヘリウムを生成して膨張器に供給する圧縮機とを備える極低温冷凍機においてヘリウムを膨張させることによって4[K]以下の寒冷を発生させるの運転方法である。この方法は、膨張器内のヘリウムの温度を検出するステップと、検出した温度が2.17[K]以下のとき、横軸を温度、縦軸を圧力とするヘリウムの状態図において、ヘリウムの体積熱膨張率が0となる曲線の圧力以上に低圧のヘリウムの圧力を設定するステップとを含む。
本発明によれば、極低温冷凍機が発生する寒冷の到達温度を下げる技術を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る極低温冷凍機を示す模式図である。 極低温におけるヘリウム4の相を示す状態図である。 本発明の実施の形態に係る極低温冷凍機を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る極低温冷凍機を示す模式図である。
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る極低温冷凍機1を示す模式図である。実施の形態に係る極低温冷凍機1は、冷媒ガスとしてヘリウム4(He)のヘリウムを用いるギフォードマクマホンタイプの冷凍機である。極低温冷凍機1は、ディスプレーサ2との間に、高圧のヘリウムを膨張させる膨張空間3を形成するシリンダ4と、膨張空間3に隣接するとともに外包するように位置する有底円筒状の冷却ステージ5を備える。冷却ステージ5は、冷却対象とヘリウムとの間の熱交換を行う熱交換器として機能する。以下本明細書において、シリンダ4にディスプレーサ2を収容してヘリウムを膨張させる構成全体を「膨張器50」と総称する。圧縮機12は、膨張器50から戻ってきた低圧のヘリウムを回収し、これを圧縮した後に高圧のヘリウムを膨張器50に供給する。
ディスプレーサ2は、本体部2aと低温端に備えられた蓋部2bとを含む。蓋部2bは、本体部2aと同一の部材で構成されてもよい。また、蓋部2bは、本体部2aよりも熱伝導率が高い材質で構成されてもよい。そうすると、蓋部2bは、蓋部2b内を流れるヘリウムとの間で熱交換を行なう熱伝導部としても機能する。蓋部2bには、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなど、少なくとも本体部2aよりも熱伝導率の大きな材料が用いられる。冷却ステージ5は、例えば銅、アルミニウム、ステンレス等により構成される。
シリンダ4は、ディスプレーサ2を長手方向に往復移動可能に収容する。シリンダ4には強度、熱伝導率、ヘリウム遮断能などの観点から、例えばステンレス鋼が用いられる。
ディスプレーサ2の高温端には、ディスプレーサ2を往復駆動する図示しないスコッチヨーク機構が設けられており、ディスプレーサ2はシリンダ4の軸方向にそって往復移動する。
ディスプレーサ2は円筒状の外周面を有しており、ディスプレーサ2の内部には、蓄冷材が充填されている。このディスプレーサ2の内部空間は蓄冷器7を構成する。蓄冷器7の上端側および下端側には、それぞれヘリウムの流れを整流する上端側整流器9および下端側整流器10が設けられている。
ディスプレーサ2の高温端には、室温室8からディスプレーサ2にヘリウムを流通する上部開口11が形成されている。室温室8は、シリンダ4とディスプレーサ2の高温端により形成される空間であり、ディスプレーサ2の往復移動に伴い容積が変化する。
室温室8には、圧縮機12、サプライバルブ13、リターンバルブ14からなる給排気系統を相互に接続する配管のうち、給排共通配管が接続されている。また、ディスプレーサ2の高温端よりの部分とシリンダ4との間にはシール15が装着されている。
ディスプレーサ2の低温端には、膨張空間3にヘリウムを導入するヘリウムの吹き出し口16が形成されている。また、ディスプレーサ2の外壁とシリンダ4の内壁との間には、ディスプレーサ2の内部空間と膨張空間3とを結ぶヘリウムの流路となるクリアランスCが設けられている。
膨張空間3は、シリンダ4とディスプレーサ2により形成される空間であり、ディスプレーサ2の往復移動に伴い容積が変化する。シリンダ4の外周および底部の膨張空間3に対応する位置には、冷却対象に熱的に接続された冷却ステージ5が配置されている。ヘリウムは、ヘリウムの吹き出し口16およびクリアランスCを通って膨張空間3に流入することにより、膨張空間3に供給される。
次に、極低温冷凍機1の動作を説明する。
ヘリウム供給工程のある時点においては、ディスプレーサ2は、図1に示すようにシリンダ4の下死点LPに位置する。それと同時、またはわずかにずれたタイミングでサプライバルブ13を開くと、サプライバルブ13を介して高圧のヘリウムが給排共通配管からシリンダ4内に供給される。この結果、ディスプレーサ2の上部に位置する上部開口11から、高圧のヘリウムがディスプレーサ2の内部の蓄冷器7に流入する。蓄冷器7に流入した高圧のヘリウムは、蓄冷材により冷却されながらディスプレーサ2の下部に位置するヘリウムの吹き出し口16およびクリアランスCを介して、膨張空間3に供給される。
膨張空間3が高圧のヘリウムで満たされると、サプライバルブ13は閉じられる。この時、ディスプレーサ2は、シリンダ4内の上死点UPに位置する。ディスプレーサ2がシリンダ4内の上死点UPに位置すると同時、またはわずかにずれたタイミングでリターンバルブ14を開くと、膨張空間3のヘリウムは減圧され、膨張する。膨張により低温になった膨張空間3のヘリウムは、ヘリウムは冷却ステージ5の熱を吸収する。
ディスプレーサ2は下死点LPに向けて移動し、膨張空間3の容積は減少する。膨張空間3内のヘリウムは、ヘリウムの吹き出し口16およびクリアランスCを通ってディスプレーサ2内に回収される。このときも、ヘリウムは冷却ステージ5の熱を吸収する。膨張空間3から蓄冷器7に戻ったヘリウムは、蓄冷器7内の蓄冷材も冷却する。ディスプレーサ2に回収されたヘリウムはさらに、蓄冷器7、上部開口11を介して圧縮機12の吸入側に戻される。以上の工程を1サイクルとし、極低温冷凍機1はこの冷却サイクルを繰り返すことで、冷却ステージ5を冷却する。
以上説明したように、実施の形態に係る極低温冷凍機1においては、膨張器50を構成するシリンダ4内でディスプレーサ2が往復移動することで膨張空間3内のヘリウムが膨張し、寒冷が発生する。
ここで、大気圧下におけるヘリウムの沸点である約4.2[K]の寒冷を発生させるためには、圧縮機12の運転圧力の高圧側を25[bar]とし、低圧側を8[bar]とすると効率がよい。すなわち、膨張器50内で25[bar]のヘリウムを8[bar]となるまで膨張させる冷却サイクルを繰り返すことで、極低温冷凍機1は、大気圧下におけるヘリウムが液化する約4[K]の寒冷を効率よく発生することができる。
続いて、4[K]以下の極低温におけるヘリウム4の物性について説明する。ヘリウムは、同位体としてヘリウム4(He)とヘリウム3(He)とが存在するが、両者は極低温における物性が異なる。以下ではヘリウムがヘリウム4であることを前提として説明する。
図2は、極低温におけるヘリウム4の相を示す状態図である。図2は、米国Horizon Technologies社のHePak(version 3.40)を用いて生成した図である。
図2には、横軸を温度T[K]、縦軸を圧力P[bar]とするヘリウムの状態図である。図2において、ヘリウムの温度の範囲は1.7[K]から2.4[K]であり、圧力の範囲は0[bar]から40[bar]である。図2においてmで示す破線は、ヘリウムの融解曲線である。またλで示す破線はλ線(lambda line)である。ヘリウムの温度および圧力がλ線よりも下側となると、ヘリウムは超流動状態(superfluidity)となる。
図2において、αで示す破線は、ヘリウムの体積熱膨張率(volumetric thermal expansion coefficient)αが0となる曲線を示す。以下本明細書において、図2に示す状態図においてヘリウムの体積熱膨張率が0となる曲線を、便宜上「α曲線」と記載する。
図2において、α曲線よりも上側の領域は、ヘリウムの体積熱膨張率αが正の値を取る領域である。また、α曲線よりも下の領域は、ヘリウムの体積熱膨張率αが負の値を取る領域である。ヘリウムの温度および圧力がα曲線よりも上側にあるとき、ヘリウムを断熱膨張させるとヘリウムの温度は低下する。これに対し、ヘリウムの温度および圧力がα曲線よりも下側にあるとき、ヘリウムを断熱膨張させるとヘリウムの温度は上昇する。
図2において、数字とともに示される実線は、ヘリウムの等エントロピー曲線を示す。各数字は、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーs[J/gK]を示す。例えば圧力が24[bar]で温度が2.09[K]となるヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsは1.407[J/gK]となる。ヘリウムが断熱膨張するとき、ヘリウムの温度および圧力は、等エントロピー曲線に沿って変化する。
ヘリウムの沸点は、1気圧(およそ1[bar])において、およそ4.2[K]である。1[bar]のヘリウムは、4.2[K]以下となると液体ヘリウムとなる。1[bar]、4.2[K]のヘリウムを減圧し、蒸気圧をおよそ0.05[bar]まで下げると、ヘリウムの温度はおよそ2.17[K]となる。このとき、ヘリウムは超流動状態に転移する。すなわち、ヘリウムの超流動転移温度は飽和蒸気圧においておよそ2.17[K]である。
図2に示すように、ヘリウムのλ線は状態図において右肩下がりの負の傾きを持つ曲線である。これは、ヘリウムの圧力が高くなると、超流動転移温度が低下することを意味する。したがって、ヘリウムを超流動状態に転移するためには、最低でも2.17[K]の寒冷が必要である。以下、本明細書において特に区別する場合を除き、「超流動温度域」は、ヘリウムを超流動状態に転移させるために最低限必要な温度である2.17[K]以下の温度領域を意味することとする。
図2から明らかなように、超流動温度域においてヘリウムを断熱膨張させる場合、ヘリウムの温度は、等エントロピー曲線とα曲線との交点における温度未満には下がらない。すなわち、図2に示すヘリウムの状態図において、等エントロピー曲線とα曲線との交点における温度は、ヘリウムが断熱膨張するときに到達する温度の下限値を示す。
図2から明らかなように、α曲線はλ曲線の上側にあり、λ曲線と交わることはない。このことは、超流動温度域においてヘリウムを減圧して断熱膨張させると、ヘリウムがλ転移して超流動状態となる前に、ヘリウムは最低温度に到達することを意味する。つまり、ヘリウムがλ転移する直前まで減圧すると、ヘリウムの温度は最低温度に到達した後に上昇することを意味する。したがって、超流動温度域においてヘリウムを断熱膨張させる場合には、膨張空間3におけるヘリウムの圧力が等エントロピー曲線とα曲線との交点の圧力未満とならないように、減圧を制御する。これにより、断熱膨張によるヘリウムの温度上昇が抑制でき、冷却効率を高めることができる。
またα曲線は、λ曲線と同様に、図2に示すヘリウムの状態図において右肩下がりの負の傾きを持つ曲線となる。これは、ヘリウムのエントロピーが小さくなると、等エントロピー曲線とα曲線との交点における圧力が上昇することを意味する。膨張空間3内で断熱膨張すると、ヘリウムの温度が下がり、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーも小さくなる。したがって、超流動温度域でヘリウムが冷却サイクルを繰り返すにしたがってヘリウムのエントロピーが小さくなり、等エントロピー曲線とα曲線との交点における圧力が上昇する。
したがって、極低温冷凍機1が目標とする最低到達温度をもとに、その温度におけるヘリウムのエントロピーを算出する。膨張空間3内のヘリウムの温度を検出し、少なくとも検出した温度が2.17[K]以下のときは、圧縮機12の運転圧力の低圧側の圧力を、算出したエントロピーにおける等エントロピー曲線とα曲線との交点における圧力以上に設定する。これにより、膨張空間3内の低圧のヘリウムの圧力は、図2に示す状態図において、ヘリウムのα曲線の上側を変動することになる。ヘリウムの圧力は等エントロピー曲線とα曲線との交点における圧以上となるので、ヘリウムの断熱膨張によってヘリウムの温度が上昇することが抑制できる。結果として、極低温冷凍機1の超流動温度域における冷却効率を高めることができる。なお、膨張空間3内のヘリウムの温度を直接検出することが困難な場合には、冷却ステージ5の温度を測定し、測定した温度を膨張空間3内のヘリウムの温度と見なしてもよい。
あるいは、膨張空間3内のヘリウムの温度が2.17[K]以下のときは、ヘリウムの温度に応じて圧縮機12の運転圧力の低圧側の圧力の設定値を適応的に変更してもよい。より具体的には、図2に示す状態図において、ヘリウムの温度に応じて定まるエントロピーに応じた等エントロピー曲線とα曲線との交点の圧力を、圧縮機12の運転圧力の低圧側の圧力の設定値とすればよい。これにより、膨張空間3内のヘリウムの温度が高いときは圧縮機12の運転圧力の低圧側の圧力の設定値が低くなり、膨張空間3内でより低い温度の寒冷を発生させることができる。
限定はしない例として、圧縮機12の低温側の圧力を15[bar]とする。この場合、膨張空間3内のヘリウムは、低くても15[bar]以上となる。図2に示すα曲線において、圧力が15[bar]の場合、温度はおよそ2.06[K]となる。すなわち、圧縮機12の低温側の圧力を15[bar]とすることで、極低温冷凍機1が発生する寒冷の最低到達温度が2.06[K]となる。この温度はヘリウムを超流動状態に転移するために必要な最低温度である2.17[K]よりも0.1[K]以上低い。このため、極低温冷凍機1を、ヘリウムを超流動状態に転移させるための冷凍機として安定的に利用することができる。
極低温冷凍機1はヘリウムを液化させる用途に用いられる場合も多い。上述したように、圧縮機12の運転圧力の高圧側を25[bar]とすると、大気圧下におけるヘリウムの沸点である約4.2[K]の寒冷を効率よく発生することができる。このため、既存の圧縮機の運転圧力の高圧側は25[bar]程度に設定されている場合が多く、極低温冷凍機1全体としても、25[bar]程度の耐圧設計がなされている場合が多い。
一般に、極低温冷凍機1において圧縮機12の低圧側の圧力と高圧側の圧力との差圧が小さいと、極低温冷凍機1の運転効率が下がる。圧縮機12の運転圧力の高圧側が25[bar]程度に設定されている既存の極低温冷凍機1を用いる場合、圧縮機12の低圧側の圧力を15[bar]としても、その差圧は10[bar]ある。このため、極低温冷凍機1の運転効率も実用の範囲であると考えられる。したがって、圧縮機12の低圧側の圧力を15[bar]とすることにより、極低温冷凍機1の耐圧設計を変更しなくても、ヘリウムを超流動状態に転移させるために十分な寒冷を発生することができる。
限定しない別の例として、圧縮機12の低圧側の圧力を25[bar]としてもよい。この場合、膨張空間3内のヘリウムは、低くても25[bar]以上となる。図2に示すα曲線において、圧力が25[bar]の場合、温度はおよそ1.93[K]となる。この場合、極低温冷凍機1は2[K]を下回る寒冷を発生させることができることになり、より安定してヘリウムの超流動転移温度を提供することができる。
圧縮機12の低圧側の圧力を25[bar]に設定する場合、高圧側の圧力は25[bar]以上に設定する。極低温冷凍機1の運転効率を高めるためには、圧縮機12の高圧側の圧力は低圧側の圧力よりも十分高い方が好ましい。しかしながら、圧縮機12の高圧側の圧力を高くしすぎると、ヘリウムの圧力も上昇し、温度にかかわらずヘリウムが固体となってしまう。
上述したように、図2に示す状態図において、mで示す破線はヘリウムの融解曲線である。図2に示す状態図においてヘリウムの温度および圧力が融解曲線よりも上にある場合、ヘリウムは固体となる。したがって、極低温冷凍機1を動作させるために、ヘリウムの圧力が状態図におけるヘリウムの融解曲線以下となるように、圧縮機12の高圧側の圧力を設定する。
限定しない例として、圧縮機12の高圧側の圧力は35[bar]とする。この場合、膨張空間3内のヘリウムは、高くても35[bar]以下となる。図2に示すヘリウムの融解曲線において、圧力が35[bar]の場合、温度はおよそ1.91[K]となる。圧力が35[bar]において温度が1.91[K]となるヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsは、およそ1.25[J/gK]である。図2に示す状態図において、単位質量あたりのエントロピーsが1.25[J/gK]である等エントロピー曲線は、およそ1.82[K]、28[bar]の点でα曲線と交差する。したがって、圧縮機12の低圧側の圧力を28[bar]とすることにより、極低温冷凍機1は、1.9[K]以下の寒冷を発生させることができるようになる。また、ヘリウムが固体となることも抑制できる。
次に、図2に示すヘリウムの状態図における、α曲線を表す式について説明する。
ヘリウムを断熱膨張させるとき、すなわちヘリウムのエントロピーを一定に保ちながら減圧させるとき、ヘリウムの温度は圧力に依存して変化する。図2に示すように、超流動温度域においては、ヘリウムの温度は圧力に対して極小値を持つ。これは、ヘリウムの温度をT[K]、圧力をP[bar]、単位質量あたりのエントロピーをs[J/gK]とするとき、超流動温度域においては∂T/∂P=0となる圧力Pが存在することを意味する。また、このときのヘリウムの温度をTとする。
超流動温度域において∂T/∂P=0となる圧力Pは、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsに応じて変化する。したがって、圧力Pは、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsの関数としてP(s)と表すことができる。同様に、∂T/∂P=0となるときのヘリウムの温度Tも、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsの関数として、T(s)として表される。以上より、α曲線は、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsを媒介変数として、図2に示すヘリウムの状態図において点(T(s),P(s))と表すことができる。すなわち、α曲線は、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsを変化させたとき、点(T(s),P(s))が描く軌跡として表される。
α曲線は、偏微分を用いると以下の式のようになる。
Figure 2016118372
図2より、ヘリウムの単位質量あたりのエントロピーsは、およそ1.2[J/gK]<s<1.6[J/gK]の間を変化する。
上記の式は、図2に示すヘリウムの状態図において、超流動温度域におけるヘリウムガスの圧力変化に対する温度勾配が0となる点を、ヘリウムガスの単位質量あたりのエントロピーsを変化させながら描画した軌跡を表す。α曲線は、超流動温度域においてヘリウムガスを断熱膨張させたときに、ヘリウムガスが到達可能な最低温度を与える曲線である。
以上説明したように、実施の形態に係る極低温冷凍機1は、ヘリウムの膨張で発生する寒冷の到達温度を下げることができる。
特に、実施の形態に係る極低温冷凍機1によれば、ヘリウム4の超流動転移温度である2.17[K]以下の寒冷を安定して発生できる。このため、実施の形態に係る極低温冷凍機は、ヘリウム4を超流動転移させるための冷凍機としても利用しうる。ヘリウム3を用いてこの温度領域の寒冷を発生させる冷凍機が存在するが、ヘリウム4はヘリウム3と比較して非常にコストが低い。したがって、実施の形態に係る極低温冷凍機1は、ヘリウム4の超流動転移温度を低コストで提供することができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る極低温冷凍機60を示す模式図である。極低温冷凍機60は、膨張器62、圧縮機64、ヘリウムガスライン66、ヘリウムタンク部68、及びヘリウムタンク制御部70を備える。極低温冷凍機60は二段式の冷凍機であり、従って膨張器62は、一段冷却部72及び二段冷却部74を有する。二段冷却部74は、二段ヘリウム膨張室76と、二段ヘリウム膨張室76を外包する二段熱交換器78または二段冷却ステージと、を備える。
ヘリウムガスライン66は、膨張器62から圧縮機64へと低圧のヘリウムを回収し圧縮機64から膨張器62へと高圧のヘリウムを供給するよう膨張器62を圧縮機64に連結する。圧縮機64の低圧側圧力を以下では圧縮機64の運転低圧ともいう。ヘリウムガスライン66は、サプライバルブ80及びリターンバルブ82を含むバルブ部84を備える。また、ヘリウムガスライン66は、低圧配管86、高圧配管88、及び給排共通配管90を備える。低圧配管86は、リターンバルブ82を圧縮機64の低圧ポートに連結する。高圧配管88は、サプライバルブ80を圧縮機64の高圧ポートに連結する。給排共通配管90は、バルブ部84を一段冷却部72の室温室に連結する。
ヘリウムタンク部68は、極低温冷凍機60にヘリウムを供給するよう極低温冷凍機60に連結されている。ヘリウムタンク部68は、ヘリウムタンク92と、ヘリウムタンク92を極低温冷凍機60のヘリウムガスライン66に連結する連結配管94と、連結配管94に設置されたバルブ96と、を備える。
ヘリウムタンク92は、所定の圧力を有するヘリウムガスを蓄えるよう構成されている圧力容器である。ヘリウムタンク92の圧力及び容積は、ヘリウムタンク92からヘリウムガスライン66へのヘリウム供給によって圧縮機64の運転低圧が目標圧力に増加されるように設計されている。目標圧力は、上述の超流動温度域またはその近傍温度においてα曲線から定められる圧力値以上である。例えば、ヘリウムタンク92は、超流動温度域またはその近傍温度において圧縮機64の運転低圧を初期の運転低圧(例えば、8[bar])から15[bar]以上へと増加するように設計されている。
バルブ96は、連結配管94のヘリウムガス流れを制御するよう構成されている。バルブ96は、ヘリウムタンク制御部70から入力されるバルブ制御信号Vに従って制御される。つまりバルブ96はバルブ制御信号Vに従って開閉され、または開度が調節される。バルブ96は、バルブ制御信号Vを受信するようヘリウムタンク制御部70と通信可能に接続されている。
バルブ96が開放されるとヘリウムタンク92は連結配管94を通じてヘリウムガスライン66に連通され、ヘリウムタンク92とヘリウムガスライン66との間のヘリウムガス流れが許容される。バルブ96が閉鎖されるとヘリウムタンク92はヘリウムガスライン66から切断され、ヘリウムタンク92とヘリウムガスライン66との間のヘリウムガス流れが遮断される。
ヘリウムタンク部68は、圧縮機64の低圧側に連結されている。連結配管94は、ヘリウムタンク92を低圧配管86に連結する。ヘリウムタンク圧が圧縮機64の運転低圧より高ければ、バルブ96が開かれているときヘリウムタンク92から極低温冷凍機60にヘリウムが供給される。ヘリウムタンク圧が圧縮機64の運転低圧より低ければ、バルブ96が開かれているとき極低温冷凍機60からヘリウムタンク92にヘリウムが回収される。したがって、ヘリウムタンク部68を圧縮機64の低圧側に連結することによって、ヘリウムタンク圧を比較的低くすることができる。これは、ヘリウムタンク92の構造の簡素化と重量低減に役立つ。
なお、ヘリウムタンク部68は、圧縮機64の高圧側に連結されてもよい。この場合、ヘリウムタンク92から極低温冷凍機60にヘリウムを供給するためには、ヘリウムタンク圧は圧縮機64の高圧側圧力よりも高くなければならない。
極低温冷凍機60は、二段ヘリウム膨張室76及び/または二段熱交換器78の温度を測定する二段温度センサ98を備える。二段温度センサ98は、膨張器62の二段熱交換器78に取り付けられている。二段温度センサ98は、測定温度T2をヘリウムタンク制御部70に出力するようヘリウムタンク制御部70と通信可能に接続されている。
ヘリウムタンク制御部70は、二段ヘリウム膨張室76及び/または二段熱交換器78の温度に基づいてヘリウムタンク部68から極低温冷凍機60へのヘリウムの供給を開始するようヘリウムタンク部68を制御するよう構成されている。
ヘリウムタンク制御部70は、温度比較部100と、バルブ制御部102と、を備える。温度比較部100は、測定温度T2を温度しきい値T0と比較するよう構成されている。温度比較部100は、温度比較の結果をバルブ制御部102に出力するよう構成されている。バルブ制御部102は、温度比較部100からの入力に従ってバルブ制御信号Vを生成するよう構成されている。バルブ制御部102は、測定温度T2が温度しきい値T0より高いときバルブ96を閉鎖し、測定温度T2が温度しきい値T0以下のときバルブ96を開放する。温度しきい値T0は、2.17[K]より高く5[K]以下の温度範囲から予め定められている。温度しきい値T0は例えば、4[K]であってもよい。ヘリウムタンク制御部70は、温度しきい値T0を記憶する記憶部104を備えてもよい。
こうした構成により、室温から極低温への冷却過程において二段冷却部74の冷却温度が監視される。極低温冷凍機60の運転当初は測定温度T2が温度しきい値T0より高いので、バルブ96は閉じられヘリウムタンク92はヘリウムガスライン66にヘリウムを供給しない。このときヘリウムタンク92の圧力は設計上の初期圧力に保持されている。極低温冷凍機60は圧縮機64の初期運転圧力で運転されている。冷却過程が進行して測定温度T2が温度しきい値T0まで低下すると、バルブ96が開かれヘリウムタンク92からヘリウムガスライン66の低圧配管86へのヘリウムの供給が始まる。こうしてヘリウムタンク部68は極低温冷凍機60のヘリウムガス量を増加する。その結果、圧縮機64の運転低圧が、超流動温度域またはその近傍温度においてα曲線から定められる圧力値以上に増加される。
よって、極低温冷凍機60は、上述のように2.17[K]以下の寒冷を発生することができる。また、極低温冷凍機60は、4[K]より高い温度領域ではそれに適した低いヘリウム圧力で運転することができる。
バルブ96が開かれた直後に冷却温度がいくらか高まるかもしれない。これは、極低温冷凍機60のヘリウムガス量の増加に伴う過渡的な現象である。したがって、ヘリウムタンク制御部70は、バルブ96の開放直後に一時的に測定温度T2を無視するよう構成されていてもよい。例えば、バルブ制御部102は、バルブ96を一度開いたら、温度比較部100からの入力にかかわらず、バルブ96を所定時間開き続けるよう構成されていてもよい。このようにすれば、過渡的な昇温によるバルブ96の閉鎖及びヘリウムの供給停止を避けることができる。
また、そうした過渡的な昇温を軽減または防止するために、ヘリウムタンク制御部70は、ヘリウムタンク部68から極低温冷凍機60にヘリウムを段階的に供給するようヘリウムタンク部68を制御するよう構成されていてもよい。そのために、バルブ制御部102は、バルブ96の開放と閉鎖を反復してもよい。こうしてヘリウムを徐々に供給することによって昇温を抑制することができる。
ヘリウムタンク制御部70は、圧縮機64の運転低圧及び/またはヘリウムタンク92の圧力に基づいてヘリウムタンク部68から極低温冷凍機60へのヘリウムの供給を停止するようヘリウムタンク部68を制御するよう構成されていてもよい。圧縮機64の運転低圧は圧縮機64に内蔵された圧縮機圧力センサによって測定されてもよい。ヘリウムタンク92の圧力はヘリウムタンク92に取り付けられたタンク圧力センサによって測定されてもよい。圧力センサは、測定圧力をヘリウムタンク制御部70に出力するようヘリウムタンク制御部70と通信可能に接続されている。
ヘリウムタンク制御部70は、予め定められた圧力しきい値と測定圧力を比較し、比較の結果をバルブ制御部102に出力するよう構成されている圧力比較部を備えてもよい。圧力しきい値は例えば上述の目標圧力である。バルブ制御部102は、圧力比較部からの入力に従ってバルブ制御信号Vを生成するよう構成されていてもよい。バルブ制御部102は、測定圧力が圧力しきい値以上のときバルブ96を閉鎖し、測定圧力が圧力しきい値未満のときバルブ96の開放を継続してもよい。圧力しきい値は記憶部104に記憶されていてもよい。
ヘリウムタンク92の初期圧力は、圧縮機64の高圧と低圧の平均圧力であってもよい。このようにすれば、極低温冷凍機60の運転停止中にバルブ96を開放することによって、次回の運転のためにヘリウムタンク92を初期圧力に復元することができる。あるいは、ヘリウムタンク92は、初期圧力への復元のために圧縮機64の高圧側に連結されていてもよい。
図4は、本発明の実施の形態に係る極低温冷凍機110を示す模式図である。極低温冷凍機110は、予冷機能を提供する第1冷却部112と、超流動温度域への冷却機能を提供する第2冷却部114と、を備える。第2冷却部114は、第1冷却部112によって予冷される。このように、極低温冷凍機110は、高温段の予冷冷凍機と低温段冷凍機とを個別に有する。
第1冷却部112は、第1膨張器116、第1圧縮機118、及び第1ヘリウムガスライン120を備える。第1膨張器116は、その低温側にヘリウム膨張室122を有する。第1ヘリウムガスライン120は、第1膨張器116から第1低圧PL1のヘリウムを回収し第1圧縮機118から第1高圧PH1のヘリウムを供給するよう第1膨張器116を第1圧縮機118に連結する。図示される第1冷却部112は単段冷凍機であるが、第1冷却部112は二段式の冷凍機(例えば4K−GM冷凍機)であってもよい。
第2冷却部114は、第2膨張器124、第2圧縮機126、及び第2ヘリウムガスライン128を備える。第2膨張器124は、その高温側にヘリウム受入室130を有する。ヘリウム受入室130は、伝熱部材132によって第1冷却部112のヘリウム膨張室122と熱的に接続されている。伝熱部材132は、その一部が第1冷却部112のヘリウム膨張室122に装着され、他の一部が第2冷却部114のヘリウム受入室130に装着されている。ヘリウム膨張室122からヘリウム受入室130への伝導冷却によって、第1冷却部112は第2冷却部114を予冷する。
第2ヘリウムガスライン128は、第2膨張器124から第2低圧PL2のヘリウムを回収し第2圧縮機126から第2高圧PH2のヘリウムを供給するよう第2膨張器124を第1圧縮機118に連結する。第2ヘリウムガスライン128は、第1ヘリウムガスライン120から分離されている。よって、第2冷却部114のヘリウム循環回路は、第1冷却部112のヘリウム循環回路から隔離されている。
第2冷却部114は、第1冷却部112と異なるヘリウム圧力で運転される。第2低圧PL2は、第1低圧PL1より高い。第2低圧PL2は、15[bar]以上であってもよい。第1低圧PL1は、8[bar]以下であってもよい。また、第2高圧PH2は、第1高圧PH1より高くてもよい。
したがって、極低温冷凍機110は、第1冷却部112及び第2冷却部114のそれぞれに適するヘリウム圧力で運転することができる。すなわち、第1冷却部112を予冷に適した低いヘリウム圧力で運転し、第2冷却部114を2.17[K]以下の冷却に適した高いヘリウム圧力で運転することができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
上記では、極低温冷凍機1としてGM冷凍機を前提に説明した。極低温冷凍機1としては、この他にも、ヘリウム4を作動流体とするディスプレーサ式のスターリング冷凍機であってもよい。この場合においても、スターリング冷凍機の目標温度をもとに図2に示すα曲線を参照して、圧縮機の低圧側の圧力を設定すればよい。また、ヘリウムの圧力が融解曲線以上とならないように、圧縮機の高圧側の圧力を設定すればよい。これにより、スターリング冷凍機の最低到達温度を下げつつ、かつ、ヘリウムの断熱膨張によってヘリウムガスの温度が上昇することを抑制できる。
上記では、極低温冷凍機1として単段のGM冷凍機を前提に説明した。極低温冷凍機1としては、2段以上の多段型のGM冷凍機であってもよい。この場合においても、冷凍機の目標温度をもとに図2に示すα曲線を参照して、圧縮機の低圧側の圧力を設定すればよい。また、ヘリウムの圧力が融解曲線以上とならないように、圧縮機の高圧側の圧力を設定すればよい。
1 極低温冷凍機、 2 ディスプレーサ、 2a 本体部、 2b 蓋部、 3 膨張空間、 4 シリンダ、 5 冷却ステージ、 7 蓄冷器、 8 室温室、 9 上端側整流器、 10 下端側整流器、 11 上部開口、 12 圧縮機、 13 サプライバルブ、 14 リターンバルブ、 15 シール、 16 吹き出し口、 50 膨張器、 60 極低温冷凍機、 62 膨張器、 64 圧縮機、 68 ヘリウムタンク部、 70 ヘリウムタンク制御部、 76 二段ヘリウム膨張室、 78 二段熱交換器、 92 ヘリウムタンク、 94 連結配管、 96 バルブ、 98 二段温度センサ、 100 温度比較部、 102 バルブ制御部、 110 極低温冷凍機、 112 第1冷却部、 114 第2冷却部、 116 第1膨張器、 118 第1圧縮機、 120 第1ヘリウムガスライン、 122 ヘリウム膨張室、 124 第2膨張器、 126 第2圧縮機、 128 第2ヘリウムガスライン、 130 ヘリウム受入室。

Claims (12)

  1. ヘリウムを膨張させることによって4[K]以下の寒冷を発生させる極低温冷凍機であって、
    高圧のヘリウムを膨張させる膨張器と、
    前記膨張器から戻ってきた低圧のヘリウムを圧縮して高圧のヘリウムを生成し、前記膨張器に供給する圧縮機とを備え、
    前記膨張器内のヘリウムの温度が2.17[K]以下のとき、前記低圧のヘリウムの圧力は、横軸を温度、縦軸を圧力とするヘリウムの状態図において、ヘリウムの体積熱膨張率が0となる曲線の圧力以上であることを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 前記低圧のヘリウムの圧力は15[bar]以上であることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
  3. 前記低圧のヘリウムの圧力は25[bar]以上であることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
  4. 前記高圧のヘリウムの圧力は、前記状態図におけるヘリウムの融解曲線以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の極低温冷凍機。
  5. 前記高圧のヘリウムの圧力は、35[bar]以下であることを特徴とする請求項4に記載の極低温冷凍機。
  6. 前記膨張器におけるヘリウムの温度をT[K]、圧力をP[bar]、単位質量あたりのエントロピーをs[J/gK]とするとき、前記体積熱膨張率が0となる曲線は、
    Figure 2016118372
    で表される曲線であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の極低温冷凍機。
  7. 前記ヘリウムは、ヘリウム4であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の極低温冷凍機。
  8. 前記膨張器は、ヘリウム膨張室と、前記ヘリウム膨張室を外包する熱交換器と、を備え、
    前記極低温冷凍機は、
    前記極低温冷凍機にヘリウムを供給するよう前記極低温冷凍機に連結されているヘリウムタンク部と、
    前記ヘリウム膨張室及び/または前記熱交換器の温度に基づいて前記ヘリウムタンク部から前記極低温冷凍機へのヘリウムの供給を開始するよう前記ヘリウムタンク部を制御するヘリウムタンク制御部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の極低温冷凍機。
  9. 前記極低温冷凍機は、前記ヘリウム膨張室及び/または前記熱交換器の温度を測定するよう前記膨張器に取り付けられ、測定温度を前記ヘリウムタンク制御部に出力するよう前記ヘリウムタンク制御部と通信可能に接続されている温度センサをさらに備え、
    前記ヘリウムタンク部は、ヘリウムタンクと、前記ヘリウムタンクを前記極低温冷凍機に連結する連結配管と、前記連結配管に設置されたバルブと、を備え、
    前記ヘリウムタンク制御部は、前記測定温度を温度しきい値と比較するよう構成されている温度比較部と、前記測定温度が前記温度しきい値より高いとき前記バルブを閉鎖し前記測定温度が前記温度しきい値以下のとき前記バルブを開放するよう前記温度比較部からの入力に従って前記バルブを制御するよう構成されているバルブ制御部と、を備え、前記温度しきい値は、2.17[K]より高く5[K]以下の範囲から予め定められていることを特徴とする請求項8に記載の極低温冷凍機。
  10. 前記ヘリウムタンク部は、前記圧縮機の低圧側に連結されていることを特徴とする請求項8または9に記載の極低温冷凍機。
  11. ヘリウム膨張室を有する第1膨張器と、第1圧縮機と、前記第1膨張器から第1低圧のヘリウムを回収し前記第1圧縮機から第1高圧のヘリウムを供給するよう前記第1膨張器を前記第1圧縮機に連結する第1ヘリウムガスラインと、を備える第1冷却部と、
    前記ヘリウム膨張室と熱的に接続されたヘリウム受入室を有する第2膨張器と、第2圧縮機と、前記第1ヘリウムガスラインから分離され、前記第2膨張器から第2低圧のヘリウムを回収し前記第2圧縮機から第2高圧のヘリウムを供給するよう前記第2膨張器を前記第2圧縮機に連結する第2ヘリウムガスラインと、を備える第2冷却部と、を備え、前記第2低圧は、前記第1低圧より高いことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の極低温冷凍機。
  12. 高圧のヘリウムを膨張させる膨張器と、前記膨張器から戻ってきた低圧のヘリウムを圧縮して高圧のヘリウムを生成して前記膨張器に供給する圧縮機とを備える極低温冷凍機においてヘリウムを膨張させることによって4[K]以下の寒冷を発生させる運転方法であって、
    前記膨張器内のヘリウムの温度を検出するステップと、
    検出した温度が2.17[K]以下のとき、横軸を温度、縦軸を圧力とするヘリウムの状態図において、ヘリウムの体積熱膨張率が0となる曲線の圧力以上に前記低圧のヘリウムの圧力を設定するステップとを含むことを特徴とする極低温冷凍機の運転方法。
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