JP3537639B2 - 超電導電磁石装置 - Google Patents

超電導電磁石装置

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JP3537639B2 JP17023297A JP17023297A JP3537639B2 JP 3537639 B2 JP3537639 B2 JP 3537639B2 JP 17023297 A JP17023297 A JP 17023297A JP 17023297 A JP17023297 A JP 17023297A JP 3537639 B2 JP3537639 B2 JP 3537639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用の核磁気
共鳴診断装置に使用される超電導電磁石装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の核磁気共鳴装置の超電導電磁石装
置の実用されているものとして、超電導コイルを水平方
向に配置し、水平状態の撮影空間に水平方向磁場を与え
る構成の図5に示すものがある。図5において、1は超
電導導体を円筒状に巻回した超電導コイル、2は円筒状
の超電導コイル1を収容し、液体ヘリウム3を充填して
極低温に冷却する極低温容器、4は極低温容器2を包囲
し内部を真空に保持する真空容器、5、6は極低温容器
2を包囲し、真空容器4との間に配置された内側の熱シ
ールドおよび外側の熱シールド、7は真空容器4の上部
壁に取り付けられ、真空容器4の内部を冷却する冷凍機
であり、内側の熱シールド5を20K前後、外側の熱シ
ールド6を70K前後に冷却して外部からの熱の侵入を
防いでいる。8は液体ヘリウムの注液口、蒸発したヘリ
ウムガスの排気する排気管を付属し、超電導コイルを励
磁する電流リードを挿通したサービスポートである。9
は真空容器4の外周を包囲するように配置された強磁性
体で形成された磁気シールド、10は検査対象の被検
者、11は被検者10の断層像を撮像するための傾斜磁
場を与える傾斜磁場コイル、12は磁気共鳴させるため
の高周波電波を発信および受信するためのRFコイル、
13は被検者を載置して中心部に挿入するベッド、14
は冷凍機7に供給する高圧ガスを圧縮する圧縮機、15
は高圧ガスを冷凍機に供給するホースである。
【0003】図5の従来の超電導電磁石装置の構成は水
平方向に撮影空間が形成され、被検者10はベッド13
に載置されて中心部に配置され、断層像を撮影する構成
である。この構成においては、被検者10はベッド13
上に載せられて超電導電磁石の中心部に挿入され、超電
導電磁石装置の中心部において、断層像を撮るために水
素原子に磁気共鳴を発生させるRFコイル12、特定の
部分にある水素原子のみを共鳴させる傾斜磁場を発生さ
せる傾斜磁場コイル11等が駆動され、磁気共鳴によっ
て得られた水素原子の信号によって画像に構成される。
【0004】断層像撮影時の被検者10の状態は、閉鎖
された超電導電磁石装置の中心部に入った状態であり、
被検者10が閉所恐怖症の場合は検査中の苦痛に耐えら
れず、検査ができない場合があった。また、得られた画
像により手術する場合は、そのつど超電導電磁石から被
検者10を引き出して行うことが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の医療診断用
の超電導電磁石装置は、撮影空間が水平方向の円筒状で
あり、被検者は閉鎖された撮影空間に挿入されて行われ
るが、被検者が閉所恐怖症の場合は、検査中の苦痛に耐
えられず、検査ができないという問題点があった。また
撮影した画像を見ながら手術する場合は、そのつど被検
者を超電導電磁石装置から引き出す必要があるという問
題点もあった。
【0006】この発明は、上記問題点を解消するために
なされたものであり、被検者に恐怖感を与えないように
撮影空間が開放的であり、また画像を見ながらの手術が
可能な構成として、超電導電磁石を上部と下部に配置し
て撮影空間が開放的な医療用の核磁気共鳴診断装置に使
用される超電導電磁石装置を構成し、上部と下部に配置
された超電導電磁石の超電導コイルを極低温に冷却する
液体ヘリウムの充填量が、上部と下部でバランスがとれ
るように構成され、液体冷媒の補充のインターバルを長
くした医療用の核磁気共鳴装置に使用される超電導電磁
石装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る超電導電磁石装置は、超電導コイル収容され内部
液体ヘリウムが充填された極低温容器と、極低温容器
の表面とは間隔を置いた位置で包囲するように配置され
た熱シールドと、極低温容器およびこれを包囲した熱シ
ールドを収容し、内部が真空に保持された真空容器とで
構成された上部の超電導電磁石と、上部の超電導電磁石
と同一構成の下部の超電導電磁石とが、それぞれの内部
の超電導コイルが配置された面を対向させて上下方向に
所定の間隔をおいて配置され、上部の超電導電磁石と
部の超電導電磁石の極低温容器相互間は極低温容器連結
管により、真空容器相互間は真空容器連結管によりそれ
ぞれ内部連通するように連結され、熱シールド相互間
は熱的に連結され、上部の超電導電磁石の極低温容器の
上方に液体ヘリウムを注液する注液口と、気化したヘ
リウムガスを排出する排気管と、上部の超電導電磁石お
よび下部の超電導電磁石のそれぞれの超電導コイルを励
磁する電流リードを挿通したサービスポートとを備えた
超電導電磁石装置において、極低温容器連結管は、上端
開口部が上部の超電導電磁石の極低温容器内の液体ヘリ
ウムの適正液面位置に開口するように配置したものであ
る。
【0008】この発明の請求項2に係る超電導電磁石装
置は、請求項1の構成の上部の超電導電磁石および下部
の超電導電磁石のそれぞれの極低温容器相互間を連通す
る極低温容器連結管は、その上端部を上部の超電導電磁
石の極低温容器内部の液体ヘリウムの適正液面位置に開
口する位置とし、下端部を下部の超電導電磁石の極低温
容器内部の液体ヘリウムの適正液面位置に開口する位置
としたものである。
【0009】この発明の請求項3に係る超電導電磁石装
置は、請求項1または請求項2の構成の上部の超電導電
磁石および下部の超電導電磁石の極低温容器相互間を連
通する極低温容器連結管の内径部に挿通され、上端部は
上部の超電導電磁石の極低温容器内部の上方に開口し、
下端部は下部の超電導電磁石の極低温容器内部の上方に
開口する位置として上部の超電導電磁石の空間部と下部
の超電導電磁石の空間部との間を連通するガス抜き管を
設け、このガス抜き管の上端部にガス抜きバルブを配置
したものである。
【0010】この発明の請求項4に係る超電導電磁石
は、上部の超電導電磁石の極低温容器および下部の超超
電導電磁石の極低温容器に冷却媒体の液面を検出する液
面計を設け、ガス抜き管の上端に設けたガス抜きバルブ
および排気管に設けられた排気バルブを開閉して、上部
の超電導電磁石および下部の超電導電磁石の極低温容器
内の極低温冷媒の液面が適正位置になるように制御する
制御装置を設けたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下この発明の実施の形態について説明する。図1は実
施の形態1の超電導電磁石装置の構成を示す断面図であ
る。図において、21は上部超電導コイル、22は上部
超電導コイル21が収容され、液体ヘリウム23が充填
された上部極低温容器、24は上部極低温容器22を収
容する上部真空容器、25は上部極低温容器22の表面
とは所定の間隔を置いて位置で包囲し上部真空容器2
4の外壁との間に配置された上部内側熱シールド、26
は上部内側熱シールド25と上部真空容器24の間に配
置された上部外側熱シールドである。27は上部極低温
容器22と上部真空容器24とを連結し、重量、電磁力
を支持する上部支持部材である。20は上部の超電導電
磁石であり、21〜27で構成されている。
【0012】30は下部の超電導電磁石であり、上部の
超電導電磁石20とは中間に対して各部材が対称に配置
された構成である。31は下部超電導コイル、32は下
部超電導コイル31が収容され、液体ヘリウム33が充
填された下部極低温容器、34は下部極低温容器32を
収容する下部真空容器、35は下部極低温容器32を包
囲し下部真空容器34の外壁との間に配置された下部内
側熱シールド、36は下部内側熱シールド35と下部真
空容器34の間に配置された下部外側熱シールドであ
る。37は下部極低温容器32と下部真空容器34とを
連結し、重量、電磁力を支持する下部支持部材である。
下部の超電導電磁石30は31〜37で構成されてい
る。上部の超電導電磁石20と下部の超電導電磁石30
は中間に対して対称に配置されている。
【0013】40は上部の超電導電磁石20と下部の超
電導電磁石30を連結する連結部である。42は上部極
低温容器22と下部極低温容器32の相互間を連通した
状態で連結する極低温容器連結管であり、上端部は上部
超電導電磁石20の液体ヘリウムの適正液面位置に設定
している。44は上部真空容器24と下部真空容器34
の相互間を連結する真空容器連結管、45は上部内側熱
シールド25と下部内側熱シールド35の相互間を連結
する内側熱シールド連結管、46は上部外側熱シールド
26と下部外側熱シールド36の相互間を連結する外側
熱シールド連結管であり、42、44〜47で構成され
ている。
【0014】51は冷凍機で、冷却ステージが3段式の
ものであり、第1段冷却ステージ51aで70K前後、
第2段冷却ステージ51bで20K前後、第3段冷却ス
テージ51cで10K以下の極低温が発生できるもので
ある。52は上部極低温容器24と極低温冷凍機51の
第3段冷却ステージ51c部分とを連通させる極低温連
通管、54は上部真空容器24の上方の壁に取り付けら
れた冷凍機を取り付ける真空容器連管、55は冷凍機
51の第2段冷却ステージ51bと上部内側熱シールド
24とを接続する内側熱シールド接続管、56は冷凍機
51の第1段冷却ステージ51aと上部外側熱シールド
26とを接続する外側熱シールド接続管、57は液体ヘ
リウムを注液する注液口58、気化したヘリウムガスを
排気する排気管59、排気バルブ59aを付属し、超電
導コイル21、31を励磁する電流リードを挿通させた
サービスポートである。
【0015】図1の構成において、下部の超電導電磁石
30の超電導コイル31は、下部極低温容器32の液体
ヘリウム33の上部空間に配置された構成であるが、下
部極低温容器32は良熱伝導体で構成され、極低温容器
32内に液体ヘリウム33と空間が共存した状態では、
極低温容器31全体が液体ヘリウム33の温度に維持さ
れ、超伝導状態の超電導コイル31には損失がないの
で、液体ヘリウム33中に浸漬されないで気中に曝され
ていても極低温容器31内の温度に維持できる。
【0016】このように上部の超電導電磁石20と下部
の超電導電磁石30を上下に対向して配置したことによ
り、その中間部の解放された空間に強磁界を発生させる
ことができ、従来の図5に示すように横方向に超電導コ
イルを配置し、中心部の撮影空間が閉鎖された構成のよ
うに、被検者10が閉所恐怖症の時に検査ができなくな
るという問題点が解消され、また、撮影空間の周囲が解
放されているので、被検者を引き出すことなく、撮影し
た画像を見ながらの手術も可能となる構成が得られる。
【0017】また、上部の超電導電磁石20と下部の超
電導電磁石30は、所定の間隔をおいて連結部40で連
結されており、上部の超電導電磁石20と下部の超電導
電磁石30の間に働く電磁力、上部の超電導電磁石20
の重量が連結部40で支持され、上部の超電導電磁石2
0と下部の超電導電磁石30の相互間の支持は簡単な部
材で支持することができる。
【0018】上部極低温容器22と下部極低温容器32
の相互間を連通した極低温容器連結管42の上端部の位
置は、上部極低温容器22内部の適正液面位置としたこ
とにより、極低温冷却媒体の液体ヘリウムを注入したと
きに、上部の超電導電磁石20の極低温容器22の適正
液面に注入され、その位置以降の注入は極低温容器連結
管42の上端より内径部を通って下部の超電導電磁石3
0の極低温容器32内にも供給され、1個のサービスポ
ート57で上部の超電導電磁石20および下部の超電導
電磁石30の双方に適正量の液体ヘリウムを注入するこ
とができる。
【0019】装置が運転されて上部極低温容器22内お
よび下部極低温容器32内の液体ヘリウムが外部からの
熱の侵入により気化して圧力が上昇すると排気管59よ
りヘリウムガスを放出して圧力の上昇を防止するように
運転される。上部極低温容器22および下部極低温容器
32のそれぞれの内部の液体ヘリウムは上部、下部それ
ぞれの極低温容器内に侵入する熱量に応じて液体ヘリウ
ムが気化してそれぞれの超電導コイルが極低温に維持さ
れる。下部極低温容器32内で気化したヘリウムガスは
極低温容器連結管42の内径部より上部極低温容器22
内に移動し、排気管59より排気され、内部圧力が一定
に維持される。
【0020】サービスポート57は上部極低温容器22
に取り付けられており、このサービスポート57からの
熱の侵入が最も大きく、サービスポート57が1個でよ
くなると、外部からの熱の侵入は少なくなり、液体ヘリ
ウムの消費量が少なくなる。
【0021】冷凍機51の第1段冷却ステージ51a
は、外側熱シールド接続管56を介して上部外側熱シー
ルド26、外側熱シールド連結管46、下部外側熱シー
ルド36にそれぞれ直列に接続され、第2段冷却ステー
ジ51bは内側熱シールド接続管55を介して上部内側
熱シールド25、内側熱シールド連結管45、下部内側
熱シールド35にそれぞれ直列に接続されており、それ
ぞれの熱シールド接続管55、56、熱シールド25、
26、35、36、熱シールド連結管45、46を例え
ばアルミニウムのような熱の良導体で形成することによ
り、それぞれの熱シールドは冷凍機51の各冷却ステー
ジの温度に保持され真空容器の内部が真空に保持されて
いるので、外部からの熱の侵入が抑制できる。
【0022】また、冷凍機51の極低温を発生する第3
段冷却ステージ51cは上部極低温容器22内に連通す
るように設けられた極低温連通管52内に挿入されてお
り、運転中に気化したヘリウムガスが自然対流して、極
低温冷凍機の第3段冷却ステージ51cの部分で凝縮さ
れ、上部極低温容器24の内部に落下して冷却媒体の消
費が抑制される。
【0023】実施の形態2. 実施の形態2は、実施の形態1の構成の極低温容器連結
管の下端開口部の位置を下部の極低温容器の必要とする
液面の位置まで下げて配置したものである。図2にその
構成を示す。図2の構成は図1の構成の極低温容器連結
管42の下端開口部の位置が異なるのみで、その他の構
成は図1と全く同一である。
【0024】図2に示す極低温容器連結管62の下端開
口部の位置を下部極低温容器32の必要とする液面位置
に配置すると、液体ヘリウムは上部極低温容器22およ
び下部極低温容器32の内部にはほぼ充満するように充
填され、運転中に液体ヘリウムが気化して消耗すると下
部極低温容器32の内部上方にガス空間ができ、上部極
低温容器22の上部にもガス空間ができ、上部極低温容
器32の気化したヘリウムガスが排気管より排気される
のに対して、下部極低温容器内の液体ヘリウムの気化に
つれて下部の極低温容器の上方にガス空間ができるが、
極低温容器連結管62の下部開口部の位置が下部極低温
容器32の適正液面位置に配置されているので、上部極
低温容器22のガスが排気されても、下部極低温容器3
2内の上部のガス空間のガスは抜けないで、空間の容積
が大きくなり、下部極低温容器32内のガス空間の容積
が大きくなるにしたがって下部極低温容器32の内部の
液体ヘリウムが上部極低温容器22内に押し上げられて
移動し、上部極低温容器22、下部極低温容器32のそ
れぞれの内部の液体ヘリウムの量は必要とする液面位置
が最低位置になるまで確保され、液体ヘリウムの補給の
インターバルを長くすることができる。
【0025】実施の形態3. 実施の形態3は、実施の形態2の構成の上部の超電導電
磁石20と下部の超電導電磁石30のそれぞれの液体ヘ
リウムの液面位置を調整できるようにしたものである。
その構成を図3に示す。図3において、21〜27、3
1〜37、44〜46、51、52、54〜59は図1
と同一部分を示すものであり説明は省略する。72は上
端部が上部の超電導電磁石20の極低温容器22内の上
方の適正液面位置に開口し、下端部は下部の超電導電磁
石30の極低温容器32の下方まで延長した極低温容器
連結管、73は極低温容器連結管72の内径部に挿通さ
れ、上端部にガス抜きバルブ73aが取り付けられ、下
端部は下部の超電導電磁石30の極低温容器32の上方
に開口するように配置されたガス抜き管である。ガス抜
きバルブ73aは外部から開閉できるようになってい
る。
【0026】このように構成した場合、液体ヘリウムの
注入時にはガス抜きバルブ73aを開状態として上部の
サービスポート57に取り付けられた注液口58より液
体ヘリウムを注入すると、上部の超電導電磁石20には
適正液面位置まで注入され、それ以上の注入は極低温容
器連結管72の内径部より下部の超電導電磁石30の極
低温容器32内に注入され、下部の超電導電磁石30の
適正液面になると注入を終了する。上部の超電導電磁石
20および下部の超電導電磁石30の液体ヘリウムの液
面が適正液面の状態で運転されると、装置の構成は上部
の超電導電磁石20にサービスポート57、極低温冷凍
機51等が取り付けられており、上部超電導電磁石20
の方が下部の超電導電磁石30よりも外部からの熱の侵
入量は多く、早く液体ヘリウムが減少し、そのまま長期
間運転されると上部の超電導電磁石20の方が早くクエ
ンチすることが想定される。
【0027】上部の超電導電磁石20と下部の超電導電
磁石30の内部の液体ヘリウムの量が一方に偏ったとき
に、ガス抜きバルブ73aを閉じると、下部の超電導電
磁石30の内部圧力が高くなり、極低温容器32内の液
体ヘリウムが上部の超電導電磁石20上部極低温容器2
2内に移送することができる。移送する量は上部および
下部の液体ヘリウムの液面がほぼ等しくなるようにする
のが好ましい。このように、運転中に液体ヘリウムの液
面を監視し、上部および下部の液体ヘリウム量の調整を
行うと液体ヘリウムを補充するインターバルを長くする
ことができる。
【0028】実施の形態4. 実施の形態3では、ガス抜き管73とガス抜きバルブ7
3aの操作について説明したが、これらの操作を円滑に
行う制御方法をこの実施の形態4に示す。図4にその構
成を示す。図4構成は、実施の形態3の構成に上部極低
温容器には上部液面計、および下部極低温容器には下部
液面計を付加したものであり、その他の構成は実施の形
態3の図3と同一である。図4は上部の超電導電磁石2
0および下部の超電導電磁石30は主要部のみを示した
表現にしている。
【0029】図4において、84は上部の超電導電磁石
の上部極低温容器22内部に設けた液面計、85は下部
の超電導電磁石の下部極低温容器32内部に設けた液面
計、86は液面計が検出した液体ヘリウムの液面によ
り、バルブ73aを開閉して上部の超電導電磁石および
下部の超電導電磁石の極低温容器内部の液体ヘリウムの
液面がほぼ同一レベルになるように制御するものであ
る。このように液面計により液体ヘリウムの液面位置を
制御することにより、液体ヘリウムの補充のインターバ
ルを長くすることができ、長期間の連続運転ができる。
【0030】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る超電導電磁石
装置は、超電導コイル収容され内部に液体ヘリウム
が充填された極低温容器と、極低温容器の表面とは間隔
を置いた位置で包囲するように配置された熱シールド
と、極低温容器およびこれを包囲した熱シールドを収容
し、内部が真空に保持された真空容器とで構成された
部の超電導電磁石と、上部の超電導電磁石と同一構成の
下部の超電導電磁石とが、それぞれの内部の超電導コイ
ルが配置された面を対向させて上下方向に所定の間隔を
おいて配置上部の超電導電磁石と下部の超電導電磁
石の極低温容器相互間は極低温容器連結管により、真空
容器相互間は真空容器連結管によりそれぞれ内部連通
するように連結され、熱シールド相互間は熱的に連結さ
れ、上部の超電導電磁石の極低温容器の上方に液体ヘ
リウムを注液する注液口と、気化したヘリウムガスを排
出する排気管と、上部の超電導電磁石および下部の超電
導電磁石のそれぞれの超電導コイルを励磁する電流リー
ドを挿通したサービスポートとを備えた超電導電磁石装
置において、極低温容器連結管は、上端開口部が上部の
超電導電磁石の極低温容器内の液体ヘリウムの適正液面
位置に開口するように配置したので、極低温冷却媒体の
液体ヘリウムを注入したときに、上部の超電導電磁石の
上部極低温容器の適正液面に注入され、その位置以降の
注入は極低温容器連結管の上端より内径部を通って下部
の超電導電磁石の極低温容器内に供給され、1個のサ
ービスポートで上部の超電導電磁石および下部の超電導
電磁石の双方に適正量の液体ヘリウムを注入することが
でき、また、サービスポートが1個としたことにより
外部からの熱の侵入は少なくなり、液体ヘリウムの消費
量が少なくなる効果も得られる。
【0031】この発明の請求項2に係る超電導電磁石装
置は、請求項1の構成の上部の超電導電磁石および下部
の超電導電磁石の極低温容器相互間を連通する連結管
は、上端部を上部の超電導電磁石の極低温容器内部の上
方に開口するように配置し、下端部は下部の超電導電磁
石の極低温容器内部の液体ヘリウムが必要な適正液面位
置に開口するように配置したので、上部極低温容器の気
化したガスが排気されると、下部極低温容器内の上部の
ガス空間の容積が大きくなり、下部極低温容器の液体ヘ
リウムが上部極低温容器内に押し上げられ、上部極低温
容器、下部極低温容器のそれぞれの液体ヘリウムの量は
必要とする液面位置が最低位置になるまで確保され、液
体ヘリウムの補給インターバルを長くすることができ
る。
【0032】この発明の請求項3に係る超電導電磁石装
置は、請求項1または請求項2の構成の上部の超電導電
磁石および下部の超電導電磁石の極低温容器相互間を連
通する連結管は、上端部を上部極低温容器内部の上方に
開口するように配置し、下端部は下部極低温容器内部の
下方に開口するように配置し、この連結管の内径部を挿
通し、上部および下部の超電導電磁石の上部ガス空間に
開口するガス抜き管を設け、このガス抜き管の上端部に
ガス抜きバルブを取り付け、このガス抜きバルブの位置
を連結管の上端部に配置したガス抜き管を設けたので、
上部極低温容器と下部極低温容器の内部の液体ヘリウム
の量がアンバランスになったときに、ガス抜きバルブを
閉じて下部極低温容器内の液体ヘリウムを上部極低温容
器内に移送し、上部極低温容器と下部極低温容器の液体
ヘリウムの液面がほぼ等しくすることができる。このよ
うに、運転中に液体ヘリウムの量を監視し、上部および
下部の液体ヘリウム量の調整を行うことで液体ヘリウム
を補充する間隔を長くすることができる。
【0033】この発明の請求項4に係る超電導電磁石装
置は、請求項3の構成の上部の超電導電磁石の極低温容
器、および下部の超電導電磁石の極低温容器それぞれに
液体ヘリウムの液面を検出する液面計を設け、ガス抜き
管の上端に設けたガス抜きバルブを開閉して上部超電導
電磁石および下部の超電導電磁石装置の極低温容器内の
液体ヘリウムの液面が適量になるように制御する制御装
置を設けたので、液体ヘリウムの液面位置を自動で細か
く制御することができるため、液体ヘリウムの補充のイ
ンターバルを長くすることができ、長期間の連続運転が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の超電導電磁石装置
の構成を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2の超電導電磁石装置
の構成を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3の超電導電磁石装置
の構成を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4の超電導電磁石装置
の構成を示す断面図である。
【図5】 従来の超電導電磁石の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
20 上部の超電導電磁石、21 上部超電導コイル、
22 上部極低温容器、23 液体ヘリウム、24 上
部真空容器、25 上部内側熱シールド、26 上部外
側熱シールド、27 上部支持部材、30 下部の超電
導電磁石、31 下部超電導コイル、32 下部極低温
容器、33 液体ヘリウム、34 下部真空容器、35
下部内側熱シールド、36 下部外側熱シールド、3
7 下部支持部材、40 連結部、42 極低温容器連
結管、44 真空容器連結管、45 内側熱シールド連
結管、46 外側熱シールド連結管、51 冷凍機、5
2 極低温容器連通管、54 真空容器連通管、55
内側熱シールド接続管、56 外側熱シールド接続管、
57 サービスポート、58 注液口、59 排気管、
59a 排気バルブ、62 極低温容器連結管、72
極低温容器連結管、73 ガス抜き管、73a ガス抜
きバルブ、84 上部液面計、85 下部液面計、86
液量制御装置。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−135027(JP,A) 特開 平4−107805(JP,A) 特開 平7−324830(JP,A) 特開 平9−167704(JP,A) 特開 平9−182731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 6/00 - 6/06 H01L 39/02 - 39/04 H01L 39/14 - 39/116 H01L 39/20 A61B 5/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイル収容され内部に液体ヘ
    リウムが充填された極低温容器と、該極低温容器の表面
    とは間隔を置いた位置で包囲するように配置された熱シ
    ールドと、上記極低温容器およびこれを包囲した上記
    シールドを収容し、内部が真空に保持された真空容器と
    で構成された上部の超電導電磁石と、該上部の超電導電
    磁石と同一構成の下部の超電導電磁石とが、それぞれの
    内部の上記超電導コイルが配置された面を対向させて
    下方向に所定の間隔をおいて配置され、上記上部の超電
    導電磁石と上記下部の超電導電磁石の極低温容器相互間
    極低温容器連結管により、真空容器相互間は真空容器
    連結管によりそれぞれ内部連通するように連結され、
    上記熱シールド相互間は熱的に連結され、上記上部の
    電導電磁石の上記極低温容器の上方に液体ヘリウム
    注液する注液口と、気化したヘリウムガスを排出する排
    気管と、上記上部の超電導電磁石および上記下部の超電
    導電磁石のそれぞれの超電導コイルを励磁する電流リー
    ドを挿通したサービスポートとを備えた超電導電磁石装
    置において、上記極低温容器連結管は、上端開口部が上
    記上部の超電導電磁石の極低温容器内の上記液体ヘリウ
    ムの適正液面位置に開口するように配置されていること
    を特徴とする超電導電磁石装置。
  2. 【請求項2】 上記上部の超電導電磁石および上記下部
    の超電導電磁石のそれぞれの極低温容器相互間を連通す
    る上記極低温容器連結管は、その上端部を上記上部の超
    電導電磁石の極低温容器内部の液体ヘリウムの適正液面
    位置に開口する位置とし、下端部を下部の超電導電磁石
    の極低温容器内部の液体ヘリウムの適正液面位置に開口
    する位置としたことを特徴とする請求項1記載の超電導
    電磁石装置。
  3. 【請求項3】 上記上部の超電導電磁石および上記下部
    の超電導電磁石の上記極低温容器相互間を連通する上記
    極低温容器連結管の内径部に挿通され、上端部は上部の
    超電導電磁石の極低温容器内部の上方に開口し、下端部
    は下部の超電導電磁石の極低温容器内部の上方に開口す
    る位置として上記上部の超電導電磁石の空間部と上記下
    部の超電導電磁石の空間部との間を連通するガス抜き管
    を設け、該ガス抜き管の上端部にガス抜きバルブが配置
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の超電導電磁石装置。
  4. 【請求項4】 上記上部の超電導電磁石の極低温容器お
    よび下部の超超電導電磁石の極低温容器に冷却媒体の液
    面を検出する液面計を設け、上記ガス抜き管の上端に設
    けたガス抜きバルブおよび上記排気管に設けられた排気
    バルブを開閉して、上部の超電導電磁石および下部の超
    電導電磁石の極低温容器内の極低温冷媒の液面が適正位
    置になるように制御する制御装置を設けたことを特徴と
    する請求項1〜請求項のいずれかに記載の超電導電磁
    石装置。
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