JP3930210B2 - 超電導磁石 - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D19/00Arrangement or mounting of refrigeration units with respect to devices or objects to be refrigerated, e.g. infrared detectors
    • F25D19/006Thermal coupling structure or interface

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体ヘリウム浸漬冷却型超電導磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
超電導コイルを液体ヘリウム中に浸漬して冷却するようにした超電導磁石としては、侵入熱等により蒸発した液体ヘリウムを大気に開放するタイプと冷凍機により再凝縮するタイプがある。
【0003】
図15は、再凝縮タイプを採用した超電導磁石の一例を示すものである。
【0004】
図15に示す超電導磁石は、ヘリウム容器4内の液体ヘリウム2中に浸漬させて超電導コイル1が収められ、またこのヘリウム容器4を包囲するように輻射シールド5を設け、ヘリウム容器4に入る輻射熱を低減している。そして、これらヘリウム容器4、輻射シールド5を包囲するように真空容器6が配置されている。
【0005】
この真空容器6には、冷凍機3が装備され、この冷凍機3の1段部を輻射シールド5に熱的に接触させ、2段部をヘリウム容器4に熱的に接触させて冷熱を与えている。
【0006】
なお、図中8はヘリウム容器4内の液体ヘリウムの液面を計測する液面計測手段である。
【0007】
このような超電導磁石において、輻射シールド5は、冷凍機3の1段部によって50K程度に冷却される。また、超電導コイル1は、液体ヘリウム2により冷却され、約4Kに保持されている。
【0008】
さらに、ヘリウム容器4の支持材からの熱伝導、輻射熱などの侵入熱で液体ヘリウム2は蒸発し、そのガスヘリウム7を再凝縮させて液体ヘリウム2に戻すには、ガスヘリウム7が凝縮する温度(約4K)より低い温度の部分に接触させる必要がある。この接触部を以下ではヘリウム凝縮面と呼ぶ。
【0009】
このため、従来では、図示するように冷凍機3とヘリウム容器4とを直接熱的に接続し、ヘリウム容器4の内面が、ヘリウム凝縮面となるように冷熱を与えてヘリウムガスを再凝縮している。
【0010】
一方、図16は、従来の超電導磁石と保護回路の一例を示すものである。
【0011】
超電導コイル1は、その両端部に酸化物超電導電流リード9が接続され、クライオスタット内部に収められている。酸化物超電導電流リード9は、クライオスタットの外部へ導出され、超電導コイル1を励磁するための励磁電源10に遮断器11を介して接続され、これら励磁電源10及び遮断器11は、制御装置12に接続されている。
【0012】
また、保護回路としては、超電導コイル1と並列にクライオスタットの内部に設置されたダイオード13と放電抵抗14の直列回路を接続している。
【0013】
このような超電導磁石の保護回路において、超電導コイル1のクエンチが検出されると、制御装置12からの信号で遮断器11は回路を切り離し、励磁電源10から流れていた電流は保護回路に転流する。保護回路の中に酸化物超電導電流リード9が組み込まれていないのは、酸化物超電導電流リード9がクエンチとなる可能性があり、その場合継続的に通電ができないため、保護回路の構成要素として適さないためである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構造の超電導磁石において、冷凍機3の能力は図14に示すように温度に対して強い依存性があり、温度が下がると冷却能力が急激に悪化するという傾向がある。
【0015】
しかるに、従来のヘリウム容器4は、オーステナイト系ステンレス鋼のような熱伝導率の低い材質が用いられているため、このヘリウム容器4に冷凍機3を熱的に接触させ、ヘリウム容器4の内面を凝縮面とする場合、そこに大きな温度差ΔTが生じてしまう。図14からわかるように、温度差ΔTに対して冷凍機3の能力はその分だけ落ちてしまうので、冷凍機3の能力を生かしきれていないという欠点があった。
【0016】
また、図15において、冷凍機3とヘリウム容器4の位置関係は、熱収縮率の差により、装置組立時と冷却完了時では相対的にずれが生じ、また冷凍機3とヘリウム容器4とは熱的に接触させているため、これらの位置関係にずれが生じないように固定するとその固定部分に大きな荷重がかかり、冷凍機3の性能劣化や、構造破壊の原因になってしまう。
【0017】
さらに、図15において、ヘリウム容器4の内部圧力は、侵入熱の量と、冷凍機3の冷却能力のバランスにより決まるが、それが大気圧以下になると、ヘリウム容器4の中に大気が吸い込まれて氷結し、配管づまりの原因になる。
【0018】
また、図15において、超電導コイル1を励磁する際、液体ヘリウム2の液量が少ないとクエンチする可能性があるので、液面高さの把握は重要となる。従って、通常は液面を測定する液面計測手段が設けられているが、この液面計測手段の熱負荷は、冷凍機3の能力と匹敵するくらい大きいので、1分計測、1時間休止というような間欠運転をして熱負荷を減らしている。
【0019】
しかし、この運転方法は、通常の液面の場合はほとんど変化しないので十分であるが、励消磁時など一時的に大きな発熱がある場合には、急激に液面が変化する場合があり、液面測定の測定間隔中、すなわち液面測定を行っていないときに励消磁運転をすると液面高さをモニターできないことになる。
【0020】
一方、図16に示す超電導磁石の保護回路においては、クライオスタットの中で保護回路の構成要素としてダイオード13のような半導体素子を使用するのは、信頼性の点で好ましいことではなく、ダイオード9に何らかの故障が発生した場合には、クライオスタットを分解、交換の必要があった。
【0021】
また、超電導コイル1がクライオスタットの内部に配置された超電導磁石では、超電導コイル1に通電するための電流導入端子がクライオスタット外表面に設置される。しかしながら、電流導入端子は、内部からの伝導冷却で冷却されるため、外表面に水滴がつき、対地絶縁性能が悪化する。励磁電圧が数ボルト程度と低い場合には、そのまま通電することもできるが、励磁電圧が高くなると漏電の危険性がでてくる。
【0022】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、冷凍機の能力を有効に利用でき、また冷凍機とヘリウム容器の冷却による位置ずれを吸収することができる超電導磁石を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により超電導磁石及びその保護回路を構成するものである。
【0025】
請求項1に対応する発明は、液体ヘリウムが貯液されたヘリウム容器と、このヘリウム容器内の液体ヘリウム中に浸漬させて配設された超電導コイルと、前記ヘリウム容器を包囲するように設けられた輻射シールドと、これらヘリウム容器および輻射シールドを包囲し、且つ内部が真空に保持された真空容器と、前記真空容器側に設けられ、前記輻射シールドおよび前記ヘリウム容器内で蒸発したガスヘリウムをそれぞれ冷却する冷凍機とを備えた超電導磁石において、前記ヘリウム容器の上面部に適宜大きさの開口部を設け、この開口部に高熱伝導率材料からなる凝縮棒を前記ヘリウム容器内のガスヘリウム雰囲気中に突出させて固定し、この凝縮棒と前記冷凍機の冷熱伝導部とを熱的に接続し、さらに、前記ヘリウム容器の前記開口部より先端部が液体ヘリウムの液面近傍に達するように対流防止部材を挿入し、この対流防止部材に包囲されるように前記凝縮棒を配設したものである。
【0026】
上記請求項1に対応する発明の超電導磁石によれば、冷凍機に熱的に接触させた熱伝導率の高い凝縮棒により、液体ヘリウムの凝縮温度以下に冷やされた十分な面積の凝縮面が得られるので、再凝縮効率を高めることができる。さらに、凝縮棒の外周に対流防止部材を設置することにより、液体温度に近いガスだけが凝縮棒の近くに集まるので、効率良く再凝縮できる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0049】
図1は本発明による超電導磁石の第1の実施の形態を示す断面図であり、図15と同一部品には同一符号を付して説明する。
【0050】
図1において、4は内部に液体ヘリウム2が貯液され、且つ上面部に開けられた適宜大きさの開口部に筒体4aが取付けられたヘリウム容器で、このヘリウム容器4内には超電導コイル1が液体ヘリウム中に浸漬させて収納されている。
【0051】
また、5はヘリウム容器4を包囲するように設けられた輻射シールド、6は内部にヘリウム容器を包囲した輻射シールド5を配置した真空容器である。
【0052】
一方、3は真空容器6の上面部に装備された冷凍機で、この冷凍機3は1段部及び2段部の冷熱伝導体を有している。そして、1段部の冷熱伝導体を輻射シールド5に熱的に接触させ、2段部の冷熱伝導体をヘリウム容器4側の筒体4aに先端部をヘリウム容器4内に臨ませて挿入された凝縮棒15に熱的に接触させている。この凝縮棒15はガスヘリウム7が凝縮する温度(約4K)より低い温度に保たれるため、この部分にガスヘリウム7を熱的に接触させて冷熱を与えている。
【0053】
この場合、冷凍機3の1段部の冷熱伝導体により輻射シールド5は、50K程度に冷却保持されている。また、凝縮棒15は、冷凍機3とほとんど温度差ができないように無酸素銅などの高熱伝導率材料から作製されている。
【0054】
上記構成の第1の実施の形態によれば、ヘリウム容器4内のヘリウムガス7とその接触部が液体ヘリウム2の凝縮温度以下に保たれ、十分な面積の凝縮面がヘリウム容器4の中で得られるので、侵入熱により蒸発したガスヘリウム7は効率よく再凝縮される。
【0055】
図2は本発明による超電導磁石の第2の実施の形態を示す断面図で、図1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0056】
第2の実施の形態では、図2に示すようにヘリウム容器4の上面部に開けられた適宜大きさの開口部周縁と冷凍機3の2段部と熱的に接触する凝縮棒15の頭部との間に、冷凍機3とヘリウム容器4との熱収縮率の差により生じる位置関係のずれによる変位が吸収可能なベローズのような弾性体16を介在させて、凝縮棒15をヘリウム容器4に固定するものである。
【0057】
上記構成の第2の実施の形態によれば、熱収縮の差により生じる冷凍機3とヘリウム容器4の位置ずれを弾性体16で吸収することができるので、冷凍機3の性能劣化や構造破壊を惹起することがない。
【0058】
図3は本発明による超電導磁石の第3の実施の形態を示す断面図で、図1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0059】
第3の実施の形態では、図3に示すように冷凍機3の2段部とヘリウム容器4側の筒体4aに挿入保持された凝縮棒15の頭部との間に、可撓体17を介在させて熱的な接触を得るようにしたものである。この可撓体17は高熱伝導率材料である無酸素銅の平網線や薄板を重ねたものなどが望ましい。
【0060】
上記構成の第3の実施の形態としても、第2の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0061】
図4は本発明による超電導磁石の第4の実施の形態を示す断面図で、図1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0062】
第4の実施の形態では、図4に示すようにヘリウム容器4の上面部に開けられた適宜大きさの開口部に筒状の対流防止部材18の一端が液体ヘリウム2の液面近傍に達するように挿入して取付け、この対流防止部材18に先端部をヘリウム容器4内に臨ませて挿入保持された凝縮棒15に冷凍機3の2段部の冷熱伝導体と熱的に接触させるようにしたものである。
【0063】
上記構成の超電導磁石において、ガスヘリウム7の温度は、凝縮温度すなわち液体温度に近いほど液体ヘリウム2に再凝縮しやすい。一方、ガスヘリウム7中では、侵入熱の分布によって形成されるガス温度分布が原因となって対流が発生し、凝縮棒15の近傍に暖かいガスが流れてくる可能性がある。
【0064】
第4の実施の形態によれば、対流防止部材18により、液体温度に近い液面近くのヘリウムガス7だけが凝縮棒15の近くに集まるので、効率よく再凝縮することができる。
【0065】
図5は本発明による超電導磁石の第5の実施の形態を示す断面図で、図1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0066】
第5の実施の形態では、図5に示すようにヘリウム容器4の内部にヒータ19を液体ヘリウム中に没入させて設けると共に、ヘリウム容器4内部のヘリウムガス7の雰囲気中にガス圧力を測定する圧力計測手段20を設け、ヒータ19を真空容器6の外部に導出されたリード線を介してヒータ電源21に接続し、圧力計測手段20の測定部を真空容器6の外部に導出してヒータ電源21と共に圧力制御器22にそれぞれ接続するものである。
【0067】
この場合、圧力制御器22は圧力計測手段20により測定された圧力が、予め設定された圧力以下になったときに、ヒータ電源を働かせ、別途予め設定された圧力になるまでヒータ19を加熱させるようになっている。
【0068】
上記構成の第5の実施の形態によれば、ヒータ19を加熱して液体ヘリウムを蒸発させ、ヘリウム容器4が大気圧以下にならないように調整するので、大気を吸い込むことはなくなり、長期運転可能な超電導磁石となし得る。
【0069】
図6は本発明による超電導磁石の第6の実施の形態を示す断面図で、図1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0070】
第6の実施の形態では、図6に示すようにヘリウム容器4の内部にヘリウム液面を測定する液面計測手段8を設け、その液面計測信号を真空容器6の外部の液面計23に入力し、また超電導コイル1の両端を真空容器6の外部の励磁電源24に接続すると共に、その励磁電圧を測定する電圧計25を設け、これら液面計23、励磁電源24及び電圧計25を制御装置26に接続する構成とするものである。
【0071】
ここで、上記制御装置26は、予め設定された時間間隔で液面計23を通して液面計測手段8に液面を計測させるとともに、電圧計25に励磁電圧が感知されると、それに応じて随時液面計測手段8を運転させる。また、液面計測手段8により計測された液面がある設定値以下になれば、励磁電源24にインターロック信号を送ることもできる。
【0072】
上記構成の第6の実施の形態によれば、液面計測手段8を間欠運転させることによりヘリウム容器4内での熱負荷を最小限に抑えつつ、励磁を自動的に感知して随時液面を計測することが可能となり、液体ヘリウム2の不足によるクエンチの発生を抑制できる。
【0073】
図7は本発明による超電導磁石の第7の形態を示す回路図で、図16と同一部品には同一符号を付して説明する。
【0074】
第7の実施の形態において、超電導コイル1は、その両端部に酸化物超電導電流リード9が接続され、クライオスタット内部に収められている。酸化物超電導電流リード9は、クライオスタットの外部へ導出され、超電導コイル1を励磁するための励磁電源10に遮断器11を介して接続されている。
【0075】
そして、これら励磁電源10および遮断器11は制御装置12に接続されている。
【0076】
また、保護回路としては、超電導コイル1の両端と酸化物超電導電流リード9との間に補助リード27の一端を接続し、その他端をクライオスタットの外部へ導出し、その導出端子間に放電抵抗14が接続され、保護回路を形成している。
【0077】
このような超電導磁石の保護回路において、クエンチが検出されると、制御装置12からの信号で遮断器は励磁回路を切り離し、励磁電源10から流れていた電流は保護回路に転流する。正常な励磁の場合は、励磁電源10から供給される電流のうち、保護回路には、励磁電圧(V)と放電抵抗14(R)に相応したI=V/Rの分流があり、放電抵抗14で発熱するが、この放電抵抗14はクライオスタットの外部にあるので、特に問題はない。
【0078】
本実施の形態によれば、超電導コイル1の両端に補助リード27を接続することにより、放電抵抗14をクライオスタット外部に設置できるため、従来のようにダイオードのような半導体素子をクライオスタット内部に設置する必要がなく、信頼性の高い保護回路となし得る。
【0079】
図8は本発明による超電導磁石の第8の形態を示す回路図で、図7と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0080】
第8の形態では、図8に示すようにクライオスタットの外部に導出された補助リード27の導出端子間に放電抵抗14と直列に電流制御部28を接続して、保護回路を形成し、制御装置12により電流制御部28を制御可能な構成とするものである。
【0081】
この場合、上記電流制御部28は、制御装置12からの信号により電流を制御する素子または回路で、例えばサイリスタのような一方向電流制御素子から構成されている。
【0082】
上記構成の超電導磁石の保護回路において、超電導コイル1の通電中にクエンチが検出されると、制御装置12からの信号により電流制御部28は短絡される。その後、制御装置12からの信号により遮断器1は励磁回路を切り離し、励磁電源10から超電導コイル1に流れていた電流は保護回路に転流し、第7の実施の形態と同様に放電抵抗14の発熱によりエネルギーが消費される。
【0083】
上記第8の実施の形態によれば、電流制御部28を設けたことで、正常な励磁中においては、保護回路に分流しないので、励磁電源10を流れる電流と、実際に超電導コイル1に流れる電流が常に一致し、応答性の速い超電導磁石となし得る。
【0084】
図9は本発明による超電導磁石の第9の形態を示す回路図で、図8と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0085】
第9の実施の形態では、放電抵抗14と直列に接続された電流制御部28として、ダイオードなどの一方向電流制御素子や、図10に示すようにある設定電圧以上になるとサイリスタ19に点弧信号が自動的に入るように設計された自己点弧型の回路により構成して制御装置12による制御を不要にしたものである。
【0086】
上記構成の第9の実施の形態によれば、制御装置12での信号処理の失敗などによる誤動作などがなく、安全性の高い保護回路となし得る。
【0087】
上記では、制御装置12からの信号により制御を受けない図10に示すような回路構成の電流制御部28を使用したが、第9の実施の形態において、電流制御部28として、図11に示すように制御装置12からの信号により電流を制御するサイリスタ29のような電流制御素子と、ある設定電圧以上になると短絡する電流制御回路とを並列接続した回路構成のものを使用してもよい。
【0088】
上記構成の超電導磁石の保護回路において、通常は第8の実施の形態と同様にクエンチが検出されると、電流制御部28は短絡されるが、仮にこの制御が失敗したとしても、電流制御部28の両端に発生する電圧により、自己点弧型の電流制御回路が短絡されるので、保護回路としての機能が失われることがない。
【0089】
このような構成の電流制御部28を用いれば、電流制御を制御装置12の信号で行う緻密な制御と、自己点弧型の電流制御回路のような受動的に行う制御との二重化を図ることにより、安全性を兼ね備えた保護回路となし得る。
【0090】
また、図11に示す回路構成の電流制御部をお互いに逆向きにして並列に接続した図12に示すような回路構成の電流制御部28を用いてもよい。
【0091】
このような構成の電流制御部を用いれば、正逆の両励磁方向に対応できる超電導磁石の保護回路となし得る。
【0092】
図13は本発明による超電導磁石の第10の実施の形態における電流導入端子部の構成を示す断面図である。
【0093】
第10の実施の形態では、図13に示すようにクライオスタットの内側と外側を貫通させてクライオスタットの内部の超電導コイルに電流を導入する電流導入端子30を設け、クライオスタットの外側、すなわち電流導入端子30の大気側を感電防止用のカバー31で包囲すると共に、このカバー31に送風手段32を設ける構成とするものである。
【0094】
このカバー31には、排気出口33が設けられており、通風路を形成しているので、効率良く電流導入端子30に送風することができる。また、電流導入端子30は、クライオスタット内部からの伝熱で冷却され、露点以下の温度になる可能性が有るが、送風手段32により大気温度近くで保持されるので、水滴がつくことはない。
【0095】
上記構成の第10の実施の形態によれば、電流導入端子30に水滴がつくことを防止することで、対地絶縁が良好である。
【0096】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による超電導磁石によれば、高熱伝導率材料からなる凝縮棒をヘリウム容器内のガスヘリウム雰囲気中に突出させて固定し、この凝縮棒と冷凍機の冷熱伝導部とを熱的に接続して、冷凍機の能力を有効に利用できると共に、安全且つ信頼性の向上を図ることができ、また冷凍機とヘリウム容器の冷却による位置ずれを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導磁石の第1の実施の形態を示す断面図。
【図2】本発明による超電導磁石の第2の実施の形態を示す断面図。
【図3】本発明による超電導磁石の第3の実施の形態を示す断面図。
【図4】本発明による超電導磁石の第4の実施の形態を示す断面図。
【図5】本発明による超電導磁石の第5の実施の形態を示す断面図。
【図6】本発明による超電導磁石の第6の実施の形態を示す断面図。
【図7】本発明による超電導磁石の第7の実施の形態を示す回路図。
【図8】本発明による超電導磁石の第8の実施の形態を示す回路図。
【図9】本発明による超電導磁石の第9の実施の形態を示す回路図。
【図10】同実施の形態における電流制御部の構成例を示す回路図。
【図11】同実施の形態における電流制御部の他の構成例を示す回路図。
【図12】同実施の形態における電流制御部のさらに異なる構成例を示す回路図。
【図13】本発明による超電導磁石の第10の実施の形態における電流導入端子部の構成を示す断面図。
【図14】再凝縮タイプを採用した超電導磁石に使用される冷凍機の冷却特性の説明図。
【図15】従来の再凝縮タイプを採用した超電導磁石の一例を示す断面図。
【図16】従来の保護回路を備えた超電導磁石の一例を示す回路図。
【符号の説明】
1……超電導コイル
2……液体ヘリウム
3……冷凍機
4……ヘリウム容器
5……輻射シールド
6……真空容器
7……ガスヘリウム
8……液面計測手段
9……酸化物超電導電流リード
10……励磁電源
11……遮断器
12……制御装置
13……ダイオード
14……放電抵抗
15……凝縮棒
16……弾性体
17……可撓体
18……対流防止部材
19……ヒータ
20……圧力計測手段
21……ヒータ電源
22……圧力制御器
23……液面計
24……励磁電源
25……電圧計
26……制御装置
27……補助リード
28……電流制御部
29……サイリスタ
30……電流導入端子
31……カバー
32……送風手段

Claims (1)

  1. 液体ヘリウムが貯液されたヘリウム容器と、このヘリウム容器内の液体ヘリウム中に浸漬させて配設された超電導コイルと、前記ヘリウム容器を包囲するように設けられた輻射シールドと、これらヘリウム容器および輻射シールドを包囲し、且つ内部が真空に保持された真空容器と、前記真空容器側に設けられ、前記輻射シールドおよび前記ヘリウム容器内で蒸発したガスヘリウムをそれぞれ冷却する冷凍機とを備えた超電導磁石において、
    前記ヘリウム容器の上面部に適宜大きさの開口部を設け、この開口部に高熱伝導率材料からなる凝縮棒を前記ヘリウム容器内のガスヘリウム雰囲気中に突出させて固定し、この凝縮棒と前記冷凍機の冷熱伝導部とを熱的に接続し
    さらに、前記ヘリウム容器の前記開口部より先端部が液体ヘリウムの液面近傍に達するように対流防止部材を挿入し、この対流防止部材に包囲されるように前記凝縮棒を配設したことを特徴とする超電導磁石。
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