JP4924844B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置に関する。
自動車等に搭載されるエンジン、特にディーゼルエンジンから排出される排気ガス中には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)や、微粒子状物質(PM:Particulate Matter)等が多く含まれている。このため、一般的には、エンジンから排出される排気ガスが通過する排気通路に、例えば、上記汚染物質を分解(還元等)するための三元触媒や、PMを捕捉するためのパティキュレートフィルタ等を設け、排気ガスを浄化して大気中に放出されるようにしている。
このようなパティキュレートフィルタは、使用に伴ってフィルタ内にPMが堆積して通過抵抗が増大するため、必要に応じて再生処理を行う必要がある。このような再生処理としては、パティキュレートフィルタに加熱装置を配設し、加熱によりPMを燃焼さて除去することが行われていたが、パティキュレートフィルタの上流に設けられた酸化触媒に燃料(軽油)などの炭化水素系液体を流入させて発熱反応を生じさせ、この熱によりパティキュレートフィルタの再生処理を行う方法も提案されている。
また、ディーゼルエンジンにおいては、窒素酸化物(NOx)が特に多く発生し易い。このため、ディーゼルエンジンには、排気ガス中のNOxを効率的に分解するために、例えば、NOxの吸着と還元とを繰り返し行ってNOxを分解(還元)する、いわゆるNOxトラップ触媒が多く採用されている。
このようなNOxトラップ触媒は、吸着したNOxを分解(還元)するため、NOxトラップ触媒に外部から還元剤(添加剤)を適宜供給する必要がある。このため、一般的には、燃料(軽油)等を還元剤として排気通路内に噴射することでNOxトラップ触媒に供給するようにしている。例えば、排気管に設けられたインジェクタによって燃料を排気通路内に噴射し、燃料が混合された排気ガスをNOxトラップ触媒に供給するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
またNOxトラップ触媒にはNOxと共に硫黄酸化物(SOx)も吸着されるため、NOxトラップ触媒に燃料(還元剤)を供給してNOxトラップ触媒を高温にすることで、SOxを分解(還元)することも行われている。
特開2005−214100号公報 特開2004−044483号公報
このようなインジェクタの先端面及びその周囲には、いわゆるデポジットが徐々に堆積してしまい、ノズルの目詰まり等の問題が生じる虞がある。具体的には、排気通路内に燃料等の還元剤を噴射するインジェクタのノズルが開口する先端面は、排気通路内に露出されており高温の排気ガスに晒されるため、この先端面の温度は比較的高温になる。このため、インジェクタから噴射した還元剤(例えば、燃料)がインジェクタの先端面に付着すると、付着した還元剤の揮発成分が蒸発して残った成分が変質してデポジットとして徐々に堆積してしまう。また付着した還元剤がバインダとなって排ガス中の煤が付着してデポジットとして徐々に堆積してしまう。このようにインジェクションの先端面にデポジットが堆積すると、インジェクタのノズルの目詰まりが生じて排気通路に還元剤を良好に供給できなくなる虞がある。
また、例えば、排気通路に連通する噴射空間(連通路)を設け、この噴射空間を介して排気通路内に還元剤が噴射されるように構成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。このように連通路が設けられている場合には、インジェクタの先端面だけでなく、インジェクタの周囲、つまり連通路の内壁にもデポジットが堆積してしまう虞がある。連通路の内壁にデポジットが堆積すると還元剤の通路が狭まってしまい、排気通路に還元剤を良好に供給できなくなる虞がある。
なおこのようにデポジットが堆積してしまった場合には、インジェクタを取り外して堆積したデポジットを除去するメンテナンス作業を行う必要があった。インジェクタを取り外すには、インジェクタが取り付けられている装着部材や、インジェクタに取り付けられている還元剤(燃料)の配管や、その周囲に配されている冷却水の配管等を取り外す必要があり、メンテナンス作業にはかなりの労力を必要とする。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、インジェクタの先端面等に堆積したデポジットを比較的容易に除去することができ、排気通路に還元剤を常に良好に供給できる排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、エンジンに連通する排気通路に介装される排気浄化用触媒と、該排気浄化用触媒よりも上流側に配されると共に前記排気通路に連通する連通路内に先端面が露出した状態で固定され、前記連通路を介して前記排気通路に添加剤を噴射するインジェクタとを具備し、前記連通路の周壁部には当該連通路内と外部とを貫通する貫通孔が設けられていると共に、該貫通孔が当該貫通孔に取り外し可能に設けられた封止部材によって封止されていることを特徴とする排気浄化装置にある。
かかる第1の態様では、貫通孔を通じて連通路の点検を行うことができる。更に、貫通孔から清掃部材を挿入し、清掃部材でインジェクタの先端面等に堆積したデポジットを容易に除去することもできる。
本発明の第2の態様は、前記貫通孔の内面には雌ねじ部が設けられていると共に前記封止部材が雄ねじ部を有し、当該封止部材が前記貫通孔に螺合されていることを特徴とする第1の態様の排気浄化装置にある。
かかる第2の態様では、貫通孔を封止部材によって確実に封止することができ、且つ封止部材を容易に取り外すことができる。
本発明の第3の態様は、前記貫通孔が、前記排気通路の上流側の前記周壁部に設けられていることを特徴とする第1又は2の態様の排気浄化装置にある。
かかる第3の態様では、排気通路の下流側においてデポジットが堆積し易い傾向にあるが、それとは反対の上流側に貫通孔が設けられていることで、貫通孔を通じて連通路の点検やデポジットの除去を比較的容易に行うことができる。
本発明の第4の態様は、前記貫通孔が、前記連通路の前記インジェクタ側の端部近傍に設けられていることを特徴とする第1〜3の何れか一つの態様の排気浄化装置にある。
かかる第4の態様では、貫通孔からインジェクタの先端面の点検やデポジットの除去確実に行える。
本発明の第5の態様は、前記貫通孔が、前記インジェクタの先端面と同等の高さに形成されていることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様の排気浄化装置にある。
かかる第5の態様では、貫通孔からインジェクタの先端面の点検やデポジットの除去をより確実に行うことができる。
本発明に係る排気浄化装置では、封止部材を取り外して貫通孔から連通路内の内面に堆積したデポジットを容易に点検することができる。したがって、メンテナンス作業時にインジェクタ等を取り外す必要が無くなり、メンテナンス作業の労力が大幅に軽減される。またこのような比較的な簡単なメンテナンス作業で、排気通路に還元剤を良好に供給することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る排気浄化装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、排気浄化装置10は、複数の排気浄化用触媒と排気浄化用フィルタとを有し、これら複数の排気浄化用触媒と排気浄化用フィルタとは、車両に搭載される多気筒ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)11の排気管(排気通路)12に介装されている。
エンジン11は、シリンダヘッド13とシリンダブロック14とを有し、シリンダブロック14の各シリンダボア15内には、ピストン16が往復移動自在に収容されている。そして、このピストン16とシリンダボア15とシリンダヘッド13とで燃焼室17が形成されている。なお、ピストン16は、コンロッド18を介してクランクシャフト19に接続されており、ピストン16の往復運動によってクランクシャフト19が回転するようになっている。
またシリンダヘッド13には吸気ポート20が形成され、この吸気ポート20には吸気マニホールド21を含む吸気管(吸気通路)22が接続されている。また、吸気ポート20には、吸気弁23が設けられておりこの吸気弁23によって吸気ポート20が開閉されるようになっている。また、シリンダヘッド13には、排気ポート24が形成され、この排気ポート24には、排気マニホールド25を含む排気管(排気通路)12が接続されている。なお、排気ポート24には排気弁26が設けられており、吸気ポート20と同様に、排気ポート24はこの排気弁26によって開閉されるようになっている。そして、これら吸気管22及び排気管12の途中には、ターボチャージャ27が設けられ、排気管12のターボチャージャ27の下流側には、排気浄化装置10を構成する排気浄化用触媒及び排気浄化用フィルタが介装されている。
ターボチャージャ27は、図示しないタービンと、このタービンに連結されたコンプレッサとを有し、エンジン11からターボチャージャ27内に排気ガスが流れ込むと、排気ガスの流れによってタービンが回転し、このタービンの回転に伴ってコンプレッサが回転して吸気管22aからターボチャージャ27内に空気を吸い込んで加圧するようになっている。そして、ターボチャージャ27で加圧された空気は、吸気管22bを介してエンジン11の各吸気ポート20に供給される。
なお、シリンダヘッド13には、各気筒の燃焼室17内に燃料を直噴射する電子制御式の燃料噴射弁31が設けられており、この燃料噴射弁31には、図示しないコモンレールから所定の燃圧に制御された高圧燃料が供給されるようになっている。
ここで、本実施形態では、ターボチャージャ27の下流側の排気管12に、排気浄化用触媒であるディーゼル酸化触媒(以下、単に酸化触媒と称する)32及びNOxトラップ触媒33と、排気浄化用フィルタであるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter:以下、DPFと称する)34とが上流側から順に配されている。また、詳しくは後述するが、ターボチャージャ27と酸化触媒32との間の排気管12aには、還元剤(添加剤)である燃料(軽油)を排気管(排気通路)12a内に噴射するインジェクタ50が設けられている。
酸化触媒32は、例えば、セラミックス材料で形成されたハニカム構造の担体に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属が担持されてなる。酸化触媒32では、排気ガスが流入すると、排気ガス中の一酸化窒素(NO)が酸化されて二酸化窒素(NO)が生成される。また、酸化触媒32における酸化反応が起こるには、酸化触媒32が所定温度以上に加熱されている必要があるため、酸化触媒32は可及的にエンジン11に近い位置に配されていることが好ましい。酸化触媒32がエンジン11の熱によって加熱され、エンジン始動時等であっても、比較的短時間で酸化触媒32を所定温度以上に加熱することができるからである。
NOxトラップ触媒33は、例えば、酸化アルミニウム(AL)からなるハニカム構造の担体に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属が担持されると共に、吸蔵剤としてバリウム(Ba)等のアルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属が担持されてなる。そして、NOxトラップ触媒33では、酸化雰囲気においてNOx、すなわち、酸化触媒32で生成されたNO、また酸化触媒32で酸化されずに排気ガス中に残存するNOを一旦吸蔵し、例えば、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を含む還元雰囲気中において、NOxを放出して窒素(N)等に還元する。
また酸化触媒32で生成されたNOの多くはNOxトラップ触媒33によって吸着・分解(還元)され、吸着・分解されなかった残りのNOはDPF34での反応により浄化されるようになっている。
通常、エンジン11から排出される排気ガスの大部分はNOが占めておりHCの量は極めて少ないため、NOxトラップ触媒33内が酸化雰囲気となり、NOxトラップ触媒33ではNOxが吸着されるのみで吸着されたNOxが分解(還元)されることはない。このため、NOxトラップ触媒33に所定量のNOxが吸着されると、ターボチャージャ27と酸化触媒32との間の排気管12aに固定されたインジェクタ50から添加剤である燃料(軽油)が噴射されるようになっている。これにより、燃料が混合された排気ガスが酸化触媒32を通過してNOxトラップ触媒33に供給され、NOxトラップ触媒33内が還元雰囲気となり、吸着されたNOxが分解(還元)される。なおNOxトラップ触媒33は、窒素酸化物(NOx)と同様に硫黄酸化物(SOx)も吸蔵すると共に分解(還元)している。
DPF34は、例えば、セラミックス材料で形成されたハニカム構造のフィルタであり、DPF34内には、例えば、上流側端部が開放され下流側端部が閉塞された排気ガス通路38と下流側端部が開放され上流側端部が閉塞された排気ガス通路39とが交互に配列されている。そして、排気ガスは、まず上流側端部が開放された排気ガス通路38に流入し、隣接する排気ガス通路39との間に設けられた多孔質の壁面から下流側端部が開放された排気ガス通路39に流入して下流側に流出し、この過程において排気ガス中の微粒子状物質(PM)が、壁面に衝突したり吸着されたりして捕捉される。
捕捉されたPMは、排気ガス中のNOによって酸化(燃焼)されCOとして排出され、またDPF34内に残存するNOはNに分解されて排出されるようになっている。すなわち、DPF34では、排気ガスを浄化して、PM及びNOxの排出量を大幅に低減できるようになっている。また、PMが燃焼されることで、DPF34の性能がある程度再生される。
ここで、通常は、上述したようにNOxはNOxトラップ触媒33で吸着されるため、DPF34に供給される排気ガス中のNOの量は少なく、DPF34にはPMが徐々に堆積されていく。そして、DPF34に所定量のPMが堆積すると、排気管12aに固定されているインジェクタ50から所定量の燃料が噴射されるようになっている。上述したように排気ガスに燃料が混合されると、NOxトラップ触媒33では吸着されたNOxが還元されるため、排気ガスに含まれているNOx(NO)はNOxトラップ触媒33で吸着されずにDPF34に供給される。これにより、DPF34におけるPMの燃焼が促進されるようになっている。
なお、これら酸化触媒32、NOxトラップ触媒33及びDPF34の上流側近傍及びDPF34の下流側近傍には、それぞれ排気温センサ40が設けられており、これら複数の排気温センサ40によって、酸化触媒32、NOxトラップ触媒33及びDPF34に流入する排気ガスの温度と、酸化触媒32、NOxトラップ触媒33及びDPF34から排出される排気ガスの温度を検出している。さらに、酸化触媒32及びDPF34の上流側近傍には、排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサ41が設けられている。また、車両には、図示しないが電子制御ユニット(ECU)が設けられており、このECUには、入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶を行う記憶装置、中央処理装置及びタイマやカウンタ類が備えられている。そして、このECUが、上記各センサからの情報に基づいて、エンジン11及び排気浄化装置10の総合的な制御を行っている。
図2は、実施形態1に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。還元剤である燃料を噴射するインジェクタ50は、図2に示すように、本実施形態では、排気管(排気通路)12aに対して略直交する方向に配され、排気管12aに固定された装着部材60とこの装着部材60に固定される固定部材70とによって保持されている。
装着部材60には、一端が排気管(排気通路)12aに連通する連通路61が形成されており、この連通路61の他端側に、インジェクタ50が装着される装着孔62が形成されている。また装着部材60には、この装着孔62の周囲に、冷却水の流路である冷却水路63が形成されている。インジェクタ50は、装着部材60の装着孔62に装着され、ノズル51が開口する先端面52が連通路61内に露出された状態で、固定部材70によって装着部材60に固定されている。なお固定部材70は、例えば、ボルト等の締結部材によって装着部材60に対して取り外し可能に固定されている。
さらに装着部材60には、連通路61の壁面を構成する周壁部64に、この周壁部64を貫通し、連通路61内と外部とを連通する貫通孔65が設けられている。この貫通孔65は、通常は封止部材80によって封止されている。例えば、本実施形態では、貫通孔65の内周面に雌ねじ部66が形成されている。一方、封止部材80は雌ねじ部66(図3参照)に螺合される雌ねじ部81(図3参照)を外周部に有する部材である。そして、封止部材80が、シール部材85を介して貫通孔65内に螺合されて貫通孔65が封止されている。
ここで、この貫通孔65は、例えば、連通路61内のデポジットの堆積状態を点検すると共に、清掃部材100を連通路61内に挿入するための孔であり、清掃部材100の大きさに応じた大きさに形成されている。すなわちこの貫通孔65は清掃部材100を挿入可能に形成されている(図3(b)参照)。清掃部材100の構成は、特に限定されないが、例えば、本実施形態に係る清掃部材100は、棒状の支持部材101の先端部に、その周方向に亘って繊維が植毛されたブラシ部102を有する清掃ブラシ103からなる。
そして、例えば、車検・点検時、或いはフェール検出時等の所定のタイミングで、インジェクタ50の先端面52や連通路61の内壁面に堆積したデポジットをこの清掃ブラシ103で掻き落とすメンテナンス作業を行っている。具体的には、まず図3(a)に示すように、貫通孔65を封止している封止部材80を装着部材60から取り外して貫通孔65を開口させる。そして図3(b)に示すように、この貫通孔65から連通路61内に清掃ブラシ103を挿入し、ブラシ部102によってインジェクタ50の先端面52及びその近傍に堆積しているデポジットを掻き落とす(図3(c))。デポジットを掻き落とした後は、貫通孔65から清掃ブラシ103を引き抜き、貫通孔65に封止部材80を螺合することで、メンテナンス作業が終了する。なお、このようなメンテナンス作業は、貫通孔65から連通路61内のデポジットの堆積状態を確認した上で実施される。
メンテナンス作業で掻き落とされたデポジットは、排気通路12内に流れ込むことになるが、排気通路12、NOxトラップ触媒33或いはDPF34内で燃焼されるため、特に問題はない。
このように清掃ブラシ103が挿入される貫通孔65の形成位置は、特に限定されないが、排気管(排気通路)12の上流側(排気上流側)の周壁部64aであることが好ましい。連通路61内の排気ガスの流れによると思われるが、連通路61内には、排気管12の下流側(排気下流側)の周壁部64bにデポジットが堆積し易い傾向にあるからである。連通路61の周壁部64bとは逆側(排気上流側)の周壁部64aに貫通孔65が設けられていることで、貫通孔65から連通路61内に挿入した清掃ブラシ103によって周壁部64bに堆積しているデポジットを掻き落とすことができる。
また貫通孔65は、連通路61のインジェクタ50側の端部近傍に設けられていることが好ましい。すなわち貫通孔65は、インジェクタ50の先端面52と同等の高さ(排気管12からの距離)に形成されていることが好ましい。これにより、貫通孔65から連通路61内に清掃ブラシ103を真っ直ぐに挿入するだけで、インジェクタ50の先端面52に堆積しているデポジットを確実に掻き落とすことができる。
以上説明したように、本実施形態の構成では、貫通孔65から連通路61内に清掃部材100(本実施形態では清掃ブラシ103)を挿入してインジェクタ50の先端面52、或いは連通路61の内壁面に堆積したデポジットを良好に除去することができる。したがって、メンテナンス作業時にインジェクタ50等を取り外す必要が無くなり、メンテナンス作業時の労力が大幅に軽減される。
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。上述の実施形態では、連通路が装着部材に設けられていたが、本実施形態は、連通路を装着部材とは別途形成した例である。
すなわち本実施形態では、図4に示すように、排気管12に、連通路61を構成する連通管110が接続され、この連通管110にインジェクタ50が装着される装着部材60が固定されている。そして連通管110に貫通孔65が設けられている。なお本実施形態では、連通管110の肉厚が比較的薄いため、連通管110の外周面に補強部材120を固定し、この補強部材120及び連通管110を貫通して貫通孔65が設けられている。また補強部材120に、封止部材80の雄ねじ部81が螺合される雌ねじ部121が設けられている。勿論、連通管110の肉厚が比較的厚ければ、補強部材120は設けられていなくてもよい。
このような本実施形態の構成においても、実施形態1と同様に、貫通孔65から連通路61内に清掃ブラシ103を挿入して、インジェクタ50の先端面52や、連通路61の内面に堆積したデポジットを極めて容易に除去することができる。したがって、メンテナンス作業時にインジェクタ50等を取り外す必要が無くなり、メンテナンス作業時の労力が大幅に軽減される。
また本実施形態では、清掃ブラシ103を構成する支持部材101の直径よりも大幅に大きくなるように、貫通孔65の内径を可及的に大きく形成するようにしている。これにより清掃ブラシ103の連通路61内における移動範囲が広がるため、連通路61の内壁面に堆積しているデポジットをさらに良好に掻き落とすことができる。さらに貫通孔65の内径を比較的大きくしている場合には、清掃ブラシ103を構成する支持部材101の先端部に角度を付けておいてもよい(図4(b)参照)。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
また上述の実施形態では、清掃部材として清掃ブラシを例示したが、清掃部材の構成は特に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、清掃部材100Aは、清掃ブラシ103と、清掃ブラシ103が挿通されて少なくともその一部が変形可能に形成された筒状のガイド部材104とで構成されていてもよい。このような清掃部材100Aを用いることで、例えば、図5に示すように連通路61が装着部材60及び連通管110によって構成されてその長さが比較的長くなっている場合でも、連通路61の内壁面に堆積したデポジットを良好に掻き落とすことができる。すなわち、清掃ブラシ103をガイド部材104内に収容した状態で貫通孔65から連通路61内に清掃部材100Aを挿入し、清掃部材100Aをさらに押し込むと、図5(a)に示すように、ガイド部材104が連通路61の内壁面に当接して清掃ブラシ103と共に連通路61の内壁面に沿って変形する。ガイド部材104をこの状態に保持して、清掃ブラシ103のみを貫通孔65に対してさらに押し込むと、図5(b)に示すように、清掃ブラシ103は連通路61の内壁面に沿って移動する。したがって、このような清掃部材100Aを用いることで、連通路61の長さが比較的長い場合であっても、連通路61の内壁面に堆積しているデポジットを良好に掻き落とすことができる。
また掻き落としたデポジットは上述したように燃焼されるが、勿論、回収するようにしてもよい。例えば、図6に示すように、清掃ブラシ103の先端部にパラシュート状の受け部材105を設け、この受け部材105に掻き落としたデポジットを溜めて回収するようにしてもよい。これにより、例えば、一度に大量のデポジットが掻き落とされた場合であっても、DPF34が目詰まりを起こすといった問題が生じることはない。なお、受け部材105としてパラシュート状の部材を例示したが、この受け部材105はガイド部材104に収容可能な構造であれば特に限定されない。
また上述の実施形態では、排気浄化装置として、排気管(排気通路)に、排気浄化用触媒である酸化触媒及びNOxトラップ触媒と、排気浄化用フィルタであるDPFとを、上流側から酸化触媒、NOxトラップ触媒、DPFの順で配置した例を挙げたが、これら排気浄化用触媒及び排気浄化用フィルタの配置及び種類は特に限定されるものではない。
例えば、図7(a)に示すように、ターボチャージャ27の下流側の排気管12に、NOxトラップ触媒33、酸化触媒32、DPF34の順で配置するようにしてもよい。また、例えば、図7(b)に示すように、ターボチャージャ27の下流側の排気管12に、酸化触媒32を設けずに、NOxトラップ触媒33とDPF34とを順に配置するようにしてもよい。また、例えば、図7(c)に示すように、排気浄化用触媒を設けずに、触媒機能を有するDPF34Aのみを設けた構成としてもよい。すなわち、排気浄化用触媒を兼ねる排気浄化用フィルタであるDPF34Aのみを設けた構成としてもよい。何れにしても、排気浄化用触媒や排気浄化フィルタの上流側に燃料等の添加剤を噴射するインジェクタを有する構成であれば、本発明を採用することで上述したような効果を奏する。
また、上述した実施形態では、NOxを分解(還元)する排気浄化用触媒として、燃料(軽油)を還元剤としてNOxを分解(還元)するNOxトラップ触媒を例示したが、これに限定されず、例えば、排気ガス中のNOxを選択的に触媒に吸着させ、還元剤としてアンモニアあるいは尿素をインジェクタから噴射してNOxを分解(還元)する、いわゆるSCR(Selective Catalytic Reduction)等であってもよい。
また、上述した実施形態では、添加剤として還元剤を添加した例を説明したが、添加剤は還元作用を目的としたものに限らず、排気系に添加するものであれば、例えば、燃焼による昇温を目的とした燃料等であってもよい。
さらに、上述した実施形態では過給器としてターボチャージャを備えている吸排気系の構成の一例を示しているが、特にこれに限定されず、例えば、過給器は必ずしも設ける必要はない。また、排気通路と吸気通路とにわたり冷却排気ガスの再循環路を有する冷却排気ガス再循環装置、いわゆるEGR装置を設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、貫通孔65を、清掃部材100を連通路61内に挿入するための孔として説明したが、貫通孔65を用いて連通路61内を清掃できるのであれば清掃方法については別の方法を用いても良い。さらに、貫通孔65は、単にデポジットの堆積状態を確認するための点検孔であってもよい。
実施形態1に係る排気浄化装置の概略構成を示す図である。 実施形態1に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。 実施形態1に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。 実施形態2に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。 他の実施形態に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。 他の実施形態に係る排気浄化装置の要部を示す断面図である。 排気浄化装置の変形例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 排気浄化装置
11 エンジン
12 排気管(排気通路)
13 シリンダヘッド
14 シリンダブロック
15 シリンダボア
16 ピストン
17 燃焼室
18 コンロッド
19 クランクシャフト
20 吸気ポート
21 吸気マニホールド
22 吸気管
23 吸気弁
24 排気ポート
25 排気マニホールド
26 排気弁
27 ターボチャージャ
31 燃料噴射弁
32 酸化触媒
33 NOxトラップ触媒
34 DPF
40 排気温センサ
41 酸素濃度センサ
50 インジェクタ
51 ノズル
52 先端面
60 装着部材
61 連通路
62 装着孔
63 冷却水路
64 周壁部
65 貫通孔
66 雌ねじ部
70 固定部材
80 封止部材
81 雄ねじ部
100、100A 清掃部材
101 支持部材
102 ブラシ部
103 清掃ブラシ
104 ガイド部材
105 受け部材
110 連通管
120 補強部材

Claims (5)

  1. エンジンに連通する排気通路に介装される排気浄化用触媒と、
    該排気浄化用触媒よりも上流側に配されると共に前記排気通路に連通する連通路内に先端面が露出した状態で固定され、前記連通路を介して前記排気通路に添加剤を噴射するインジェクタとを具備し、
    前記連通路の周壁部には当該連通路内と外部とを貫通する貫通孔が設けられていると共に、該貫通孔が当該貫通孔に取り外し可能に設けられた封止部材によって封止されていることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記貫通孔の内面には雌ねじ部が設けられていると共に前記封止部材が雄ねじ部を有し、当該封止部材が前記貫通孔に螺合されていることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記貫通孔が、前記排気通路の上流側の前記周壁部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記貫通孔が、前記連通路の前記インジェクタ側の端部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の排気浄化装置。
  5. 前記貫通孔が、前記インジェクタの先端面と同等の高さに形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の排気浄化装置。
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