JP4923182B2 - セレコキシブ及びニコチンアミド共結晶並びにこの共結晶を含む医薬組成物 - Google Patents
セレコキシブ及びニコチンアミド共結晶並びにこの共結晶を含む医薬組成物 Download PDFInfo
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Description
参照による組み込み
2003年2月28日出願の米国特許出願第60/451,213号の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
非共結晶状態のかかるAPI(遊離酸、遊離塩基、両性イオン、塩等)と比較して、APIの特性を改善する、AIPの新規な共結晶形態が得られることが現在、見出されている。
したがって、第1の態様において、本発明は、APIおよび共結晶形成化合物が、結晶化条件下にて、固相または液相から共結晶化することができるような、API化合物および共結晶形成化合物を含有する共結晶医薬組成物を提供する。
(1)エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、有機ハロゲン化物、ニトロ、s−複素環、チオフェン、n−複素環、ピロール、o−複素環式環、フラン、エポキシド、過酸化物、ヒドロキサム酸、イミダゾールおよびピリジンから選択される少なくとも1つの官能基を有するAPIを準備し;
(2)エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、有機ハロゲン化物、ニトロ、s−複素環式環、チオフェン、n−複素環式環、ピロール、o−複素環式環、フラン、エポキシド、過酸化物、ヒドロキサム酸、イミダゾール、およびピリジンから選択される少なくとも1つの官能基を有する共結晶形成化合物を準備し;
(3)結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(4)それによって形成された共結晶を単離し;
(5)その共結晶を医薬組成物中に組み込む
ことを含むプロセスを提供する。
(1)固相を形成するために、結晶化条件下にて、API化合物を共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離し;
(3)その共結晶を医薬組成物中に組み込む;
ことを含むプロセスを提供する。
(1)(i)1種のAPIまたは複数種の異なるAPI、(ii)1種の共結晶形成化合物または複数種の異なる共結晶形成化合物を準備することを含み、そのAPIおよび共結晶形成化合物の少なくとも1つが、その複数種で準備され;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離し;
(3)その共結晶を医薬組成物中に組み込む;
ことを含むプロセスを提供する。
他の態様において、本発明は、APIの溶解性を調節するためのプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
他の態様において、本発明は、APIの溶解を調節し、それによって、水における溶解速度または人工胃液もしくは人工腸液における、または溶媒(1種または複数種)における溶解速度が増加または低減されるプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
一実施形態において、APIの溶解は増加される。
本発明は、APIのバイオアベイラビリティを調節し、それによって、AUCが増加し、Tmaxまでの時間が減少し、APIの濃度が1/2Tmaxを超える時間の長さが増加し、またはCmaxが増加するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
他の態様において、本発明は、APIの用量反応の直線性を改善するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の態様において、本発明は薬剤塩の安定性を向上させるプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、薬剤塩を共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
他の態様において、塩にするのが難しいまたは非塩性のAPIの共結晶を製造するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の態様において、本発明は、APIの吸湿性を低減する方法であって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の態様において、本発明は、非晶質化合物を結晶化するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の態様において、本発明は、APIの形態多様性を低減するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の態様において、本発明は、APIのモフォロジーを改変するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIと共結晶形成化合物とを含有する共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
本明細書で使用される「共結晶」という用語は、具体的に述べると、APIが室温で液体であることを除いては、構造、融点および融解熱などの特有の物理的特性をそれぞれ有する、室温で2種類以上の固有の固体で構成される結晶質材料を意味する。本発明の共結晶は、APIに水素結合する共結晶形成物(co-crystal former)を含む。共結晶形成物は、APIに直接水素結合するか、またはAPIに結合する更なる分子に水素結合する。その更なる分子は、APIに水素結合するか、またはAPIにイオン結合または共有結合することができる。その更なる分子は、異なるAPIであることも可能である。共結晶形成化合物をさらに含有しないAPI化合物の溶媒和化合物は、本発明による共結晶ではない。しかし、共結晶は、結晶格子中に1つまたは複数の溶媒和化合物分子を含み得る。つまり、室温で液体である溶媒または化合物をさらに含む共結晶(1種または複数種)の溶媒和化合物が本発明に包含されるが、具体的に述べられている液体APIの上述の例外を除いて、1種類のみの固体、および1種または複数種の液体(室温で)で構成される結晶質材料は本発明に包含されない。その共結晶は、共結晶形成物とAPIの塩との共結晶であってもよいが、APIと本発明の共結晶形成物は、水素結合を介して互いに構成または結合される。pi−スタッキング、ゲストホスト錯化およびファンデルワールス相互作用などの分子認識の他の様式も存在することができる。上記の相互作用のうち、水素結合は、共結晶の形成(および本発明に従って必要とされる相互作用)において主要な相互作用であり、それによって、その部位のうちの1つの水素結合供与体と、他の部位の水素結合受容体との間で非共有結合が形成される。水素結合によって、いくつかの異なる分子間構造が生じ得る。例えば、水素結合によって、ダイマー、直鎖、または環状構造が形成し得る。これらの構造はさらに、拡張された(二次元)水素結合網状構造および単離されたトライアドをさらに含み得る(図63)。代替の実施形態は、共結晶形成物が第2のAPIである共結晶を提供する。他の実施形態において、共結晶形成物はAPIではない。他の実施形態において、共結晶は、2種類の共結晶形成物を含む。それにおけるAPIが、共結晶形成化合物により形成された結晶格子領域における「ゲスト」分子であり、したがって包接複合体が形成される、共結晶を形成することもできる。本発明の目的のために、共結晶形態でのAPIの化学的および物理的性質が、異なる形態での同じAPIである参照化合物と比較される。参照化合物は、遊離型として、またはさらに具体的には、遊離酸、遊離塩基、もしくは両性イオン;塩、またはさらに具体的には、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、アルミニウム塩などの無機塩基付加塩、または有機塩基付加塩、またはHBr、HCl、硫酸、硝酸、もしくはリン酸付加塩などの無機酸付加塩、または酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸(malanic)、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ステアリン酸もしくは乳酸付加塩などの有機酸付加塩;遊離型もしくは塩の無水物または水和物、またはさらに具体的には、例えば遊離型もしくは塩の半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物;または遊離型もしくは塩の溶媒和化合物として規定することができる。参照化合物は、結晶質または非晶質として規定することもできる。
(1)エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、有機ハロゲン化物、ニトロ、s−複素環、チオフェン、n−複素環、ピロール、o−複素環、フラン、エポキシド、過酸化物、ヒドロキサム酸、イミダゾール、およびピリジンまたは表IIもしくはIIIの官能基から選択される少なくとも1つの官能基を有するAPIを準備し;
(2)エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、第1級アミン、第2級アミン、アンモニア、第3級アミン、sp2アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、有機ハロゲン化物、ニトロ、s−複素環、チオフェン、n−複素環、ピロール、o−複素環、フラン、エポキシド、過酸化物、ヒドロキサム酸、イミダゾール、およびピリジンまたは表I、IIもしくはIIIの官能基から選択される少なくとも1つの官能基を有する共結晶形成物を準備し;
(3)結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(4)それによって形成された共結晶を単離し;
(5)その共結晶を医薬組成物中に組み込む;
ことを含むプロセスを提供する。
(1)固相を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離し;
(3)その共結晶を医薬組成物中に組み込む;
ことを含むプロセスを提供する。
(1)(i)API化合物、および(ii)共結晶形成化合物を準備し、
(2)(a)固相を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(b)APIと共結晶形成化合物とを含む共結晶を単離する;ことを含む工程に、APIと共結晶形成化合物との各組み合わせを付すことによって、APIと共結晶形成化合物との共結晶をスクリーニングする;
ことを含むプロセスを提供する。
(1)(i)1種類のAPIまたは複数種の異なるAPI、および(ii)1種類の共結晶形成化合物または複数種の異なる共結晶形成化合物を準備し、APIおよび共結晶形成化合物の少なくとも1つを、その複数種で準備し;
(2)(a)固相を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(b)APIと共結晶形成化合物とを含む共結晶を単離する;ことを含み、APIと共結晶形成化合物との各組み合わせをかけることによって、APIと共結晶形成化合物との共結晶をスクリーニングする、
ことを含む、共結晶化合物をスクリーニングするプロセスに関する。
他の態様において、本発明は、APIの溶解性を調節するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
本発明の他の態様において、APIの溶解プロファイルが調節され、それによって、水における溶解速度または人工胃液もしくは人工腸液溶における溶解速度、または1種類の溶媒もしくは複数種の溶媒における溶解速度が高められる。溶解速度は、API固体が溶解媒質に溶解する速度である。その吸収速度が溶解速度よりも速いAPI(例えば、ステロイド)に関しては、吸収プロセスにおける律速段階が溶解速度である場合が多い。吸収部位での滞留時間が制限されるため、それらが腸管吸収部位から除去される前に溶解されないAPIは無駄であるとみなされる。したがって、溶解の速度は、可溶性が乏しいAPIの性能に対して主要な影響を及ぼす。この因子のために、固体剤形のAPIの溶解速度は、API製造プロセスで用いられる、重要な、一般的な、品質管理パラメーターである。
溶解速度=KS(Cs−C)
式中、Kは、溶解速度定数であり、Sは、表面積であり、Csは、見かけの溶解度であり、Cは、溶解媒質中のAPIの濃度である。
急速なAPI吸収については、Cs−Cは、Csにほとんど等しい。
参照形態(例えば、遊離型または塩)と比較して、共結晶の溶解速度の増加、例えば同じ溶液における参照形態(例えば、遊離型または塩)よりも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%分高い、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、500、1000、10,000、または100,000倍高いといった増加が示される。溶解速度がその条件下で測定される条件は、上述の条件と同じである。溶解の増加はさらに、平衡溶解度に達する前に、組成物が過飽和のままである時間によって規定される。
本発明の方法を使用して、より高い溶解度、溶解、およびバイオアベイラビリティを有するAPI医薬製剤を製造する。AUCの増加、Tmaxまでの時間(ピーク血液血清中レベルに達する時間)の低減、またはCmaxの増加によって、バイオアベイラビリティを向上させることができる。本発明による結果として、中性状態または塩(参照形態)のみと比較した場合に、APIの血漿中濃度は高くなる。
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
他の態様において、本発明は、APIの用量反応を改善するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、APIの安定性を改善する(その遊離型またはその塩などの参照形態と比較して)プロセスであって、
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、薬剤塩を共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
さらに他の態様において、本発明は、非塩性または塩にするのが難しいAPIの共結晶を製造するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
塩にするのが難しい化合物は、pKa<3の塩基またはpKa>10の酸を含む。両性イオンは、本発明による塩にするのが難しい、または非塩性化合物でもある。
さらに他の態様において、本発明は、APIの吸湿性を低減する方法であって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含む方法を提供する。
クラス1:非吸湿性 相対湿度90%未満にて、本質的に水分は増加しない。
クラス2:わずかな吸湿性 相対湿度80%未満にて、本質的に水分は増加しない。
クラス3:中程度の吸湿性 相対湿度60%未満で1週間保存した後に、含水率が、5%を超える量は増加しない。
クラス3:非常に吸湿性 40〜50%と低い相対湿度で、含水率が増加する。
わずかな吸湿性:質量の増加が2%m/m未満であり、かつ0.2%m/m以上である。
吸湿性:質量の増加が15%m/m未満であり、かつ0.2%m/m以上である。
非常に吸湿性:質量の増加が15%m/m以上である。
潮解性:液体を形成するのに十分な水が吸収される。
他の態様において、本発明は、非晶質化合物を結晶化するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
非晶質化合物は、当技術分野で一般的な方法を使用して結晶化しない化合物を含む。
さらに他の実施形態において、APIの形態多様性を低減するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
本発明の目的では、共結晶の形態の数が、当技術分野で一般的な方法を使用して製造することができる参照化合物の形態(例えば、APIの遊離型または塩)の数と比較される。
さらに他の実施形態において、APIのモフォロジーを改変するプロセスであって:
(1)APIと共結晶形成化合物との共結晶を形成するために、結晶化条件下にて、APIを共結晶形成化合物と溶液中で粉砕し、加熱し、または接触させ;
(2)APIおよび共結晶形成化合物を含む共結晶を単離する;
ことを含むプロセスを提供する。
メチルシクロペンタジエニル)鉄:クロラニル酸、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄:シアナニル酸(cyananilic acid)、ピラジノテトラチアフルバレン:クロラニル酸、フェノール:ペンタフルオロフェノール、イトラコナゾールの共結晶、およびトピラメートの共結晶が、本発明から特に除外される。
本発明の医薬組成物は任意に、賦形剤として1種または複数種の薬学的に許容される担体または希釈剤を含有する。実例として、適切な担体または希釈剤は、限定されないが、無水ラクトースおよびラクトース一水和物を含むラクトース;直接圧縮可能なデンプンおよび加水分解デンプン(例えば、Celutab(商標)およびEmdex(商標))を含むデンプン;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;ブドウ糖(例えば、Cerelose(商標)2000)およびブドウ糖一水和物;第二リン酸カルシウム二水和物;ショ糖ベースの希釈剤;精製粉;第一硫酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;顆粒状乳酸カルシウム三水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解穀類固形物;アミロース;微結晶性セルロース、αおよび非晶質セルロースの食品源(例えば、RexcelJ)、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むセルロース;炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ブロックコポリマー;ポリビニルピロリドン;等を単独で、または組み合わせて含む。存在する場合には、かかる担体または希釈剤は合計で、組成物の全重量の約5%〜約99%、好ましくは約10%〜約85%、さらに好ましくは約20%〜約80%を占める。選択される担体(1種または複数種)、希釈剤(1種または複数種)は、適切な流動性を示し、錠剤が望まれる場合には、圧縮性を示すことが好ましい。
クロスカルメロースナトリウムは、錠剤またはカプセル剤の崩壊に好ましい崩壊剤であり、存在する場合には、組成物の全重量の好ましくは約0.2%〜約10%、さらに好ましくは約0.2%〜約7%、またさらに好ましくは約0.2%〜約5%を占める。クロスカルメロースナトリウムは、本発明の顆粒化医薬組成物に優れた顆粒内(intragranular)崩壊能力を付与する。
適切な付着防止剤としては、限定されないが、タルク、トウモロコシデンプン、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび金属ステアリン酸塩が挙げられる。タルクが、例えば、装置表面への製剤のスティッキングを低減するために、およびブレンド中の静電気を低減するためにも使用される、好ましい付着防止剤または流動促進剤である。存在する場合には、タルクは、医薬組成物の全重量の約0.1%〜約10%、さらに好ましくは約0.25%〜約5%、またさらに好ましくは約0.5%〜約2%を占める。
実例となるプロセスは、(a)本発明のAPIを1種または複数種の賦形剤と混合してブレンドを形成し、(b)そのブレンドをそれぞれ、錠剤化またはカプセル化して錠剤またはカプセル剤を形成することを含む。
一例として、添付の図面を参照して、本発明がさらに詳細に説明される。
a)CrystalMaxプラットフォームを使用したハイスループット結晶化
CrystalMax(商標)は、APIの多形、塩および共結晶、およびAPI候補を迅速に生成し、同定し、特徴付けることができる、自動化された一体型ハイスループットロボットステーションのシーケンスを含む。ワークシート・ジェネレーション(Worksheet generation)および組合わせ混合物の設計は、所有権のあるデザインのソフトフェアInForm(商標)を使用して行われる。通常、APIまたはAPI候補を有機溶媒からチューブ内に分配し、窒素流下にて乾燥させる。塩および/または共結晶形成物もまた、同じ手法で分配し、乾燥させることができる。水および有機溶媒は組み合わせて、マルチチャネルディスペンサーを使用して分配される。次いで、96チューブアレイにおける各チューブを組み合わせ分配(combinatorial dispensing)の15秒以内に密閉して、溶媒の蒸発を防ぐ。次いで、その混合物を、70℃に2時間加熱し、続いて1℃/分で5℃に冷却することによって過飽和状態にする。次いで、光学的なチェックを行い、結晶および/または固体物質を検出する。固体がチューブ内で同定されたら、吸引および乾燥することによって、それを単離する。次いで、固体上でラマンスペクトルを得て、商標付きのソフトウェア(QForm(商標))を使用して、スペクトルパターンのクラスター分類を行う。
溶媒に個々の成分を溶解し、一方に他方を添加することによって、共結晶が得られる。次いで、溶媒混合物がゆっくりと蒸発するにしたがって、共結晶が沈殿または結晶化する。共結晶は、同じ溶媒または溶媒の混合物に2つの成分を溶解することによっても得ることができる。
2つの成分を合わせて融解し、再結晶化を生じさせることによって、共結晶が得られる。場合によっては、貧溶媒を添加して、結晶化を促進することができる。
ガラススライド上で高融解成分を融解し、それを再結晶化させることによって、共結晶が得られる。次いで、第2の成分を融解し、再結晶化させる。共結晶は、元の2種類の成分の共晶バンド間で分離相/バンドとして形成する。
固体状態の2種類の成分を共に混合または粉砕することによって、共結晶が得られる。
DSC分析の手順
Advantage for QW-Series, version 1.0.0.78、Thermal Advantage Release 2.0(8 2001 TA Instruments- Water LLC)を用いたQ1000示差走査熱量計(TA Instruments, New Castle, DE, U. S. A.)を使用して、試料のDSC分析を行った。さらに、使用された解析ソフトウェアは、Windows(登録商標) 95/95/2000/NT用のUniversal Analysis 2000, version 3.1E ; Build 3.1. 0.40(8 2001 TA Instruments-Water LLC)であった。DSC分析では、使用されるパージガスが乾燥窒素であり、標準物質は、クリンプされた空のアルミニウム皿であり、試料のパージは50mL/分であった。
Advantage for QW-Series, version 1.0. 0.78、Thermal Advantage Release 2.0(8 2001 TA Instruments- Water LLC)を用いた、Q500 Thermogravimetric Analyzer (TA Instruments, New Castle, DE, U. S. A. )を使用して、試料のTGA分析を行った。さらに、使用された解析ソフトウェアは、Windows(登録商標)95/95/2000/NT用のUniversal Analysis 2000, version 3.1E ; Build 3.1. 0.40(8 2001 TA Instruments-Water LLC)であった。TGA実験のすべてにおいて、使用されるパージガスは乾燥窒素であり、バランスパージはN240mL/分であり、試料のパージはN2 60mL/分であった。
白金皿に試料<2mgを入れることによって、試料のTGAを行った。開始温度は通常、加熱速度10℃/分で20℃であり、終結温度は300℃であった。
その制御ソフトウェアとしてRINT Rapid Control software, Rigaku Rapid/XRD, version 1.0. 0(81999 Rigaku Co. )を用いた、a D/Max Rapid, Contact (Rigaku/MSC, The Woodlands, TX, U. S. A. )を使用して、試料の粉末X線回折パターンを得た。さらに、使用された解析ソフトウェアは、RINT Rapid display software, version 1.18 (Rigaku/MSC)、およびJADE XRD Pattern Processing, versions 5.0および6.0( (81995-2002, Materials Data, Inc.)であった。
取得(Acquisition)
それがその中で処理されるガラスバイアル内に試料を入れるか、試料のアリコートをガラススライドに移した。ガラスバイアルまたはスライドを試料チャンバ内に位置付けた。785nmレーザー源を備えたAlmega(商標)Dispersive Raman(Almega(商標)Dispersive Raman, Thermo-Nicolet, 5225 Verona Road, Madison, WI 53711-4495)システムを使用して、測定を行った。10倍対物レンズを有する装置の顕微鏡部分を使用して(別段の規定がない限り)、手作業で試料に焦点を合わせ、したがって試料表面上にレーザーが向けられた。表Aに示されるパラメーターを用いて、スペクトルを取得した。(露光時間および露光回数は様々であり;パラメーターへの変更は各取得に対して示されるだろう。)
形状サイズ25の照合フィルターを使用して、セットにおける各スペクトルをフィルタリングし、ガラスの貢献(contribution)および試料の蛍光発光を含むバックグラウンド信号を除去した。大きなバックグラウンド信号または蛍光発光は、ビニングプロセスの後のステップにおいてピーク位置を正確に選択し、かつ割り当てる能力を制限することから、これは特に重要である。表Bに示されるパラメーターと共にピーク選択およびビンアルゴリズムを用いて、フィルタリングされたスペクトルをビニングする。セットされた各試料について分類されたクラスターダイヤグラムおよび各スペクトルファイルについて相当するクラスター割り当てを用いて、同様なスペクトルを有する試料のグループを同定し、それを用いて、二次分析のために試料を同定した。
Bruker SMART-APEX CCD 回折計 (M. J. Zawarotko, Department of Chemistry, University of South Florida)で、単結晶X線データを収集した。最小二乗解析から格子パラメーターを決定した。プログラムSAINTを使用して、反射データを取り込んだ。直接法によって構造を解明し、プログラムSHELXTL (Sheldrick,G. M.SHELXTL, Release 5.03 ; Siemans AnalyticalX-ray Instruments Inc.: Madison,WI)を使用して、フルマトリックス最小二乗法によって精製した。
1:1のカルバマゼピン:サッカリン共結晶(形態I)を製造した。12ブロックの実験を12種の溶媒を用いて設計した。CMAXプラットフォームを用いて、1152の結晶化実験を行った。酢酸イソプロピルとヘプタンとの混合物から共結晶を得た。共結晶の詳細な特徴付けを表Vに示す(図1および2参照)。
1:1のカルバマゼピン:ニコチンアミド共結晶(形態I)を製造した。12ブロックの実験を12種の溶媒を用いて設計した。CMAXプラットフォームを用いて、1152の結晶化実験を行った。トルエン、アセトン、または酢酸イソプロピルを含有する試料から共結晶が得られた。共結晶の詳細な特徴付けを表Vに示す(図3および4参照)。
1:1のカルバマゼピン:トリメシン酸共結晶(形態I)を製造した。9ブロックの実験を10種の溶媒を用いて設計した。CMAXプラットフォームを使用し、8種の共結晶形成物と3通りの濃度を用いて、864の結晶化実験を行った。メタノールを含有する試料から共結晶が得られた。共結晶の詳細な特徴付けを表Vに示す(図5参照)。
1:1のセレコキシブ:ニコチンアミド共結晶を製造した。セレコキシブ(100mg,0.26mmol)およびニコチンアミド(32.0mg,0.26mmol)をそれぞれ、アセトン(2mL)に溶解した。2つの溶液を混合し、得られた混合物を一晩、ゆっくりと蒸発させた。沈殿した固体を収集し、特徴付けをした。共結晶の詳細な特徴付けを表Vに示す。
トピラメートと18−クラウン−6との共結晶を製造した。等モル量のトピラメートと18−クラウン−6を別々に、エーテルに溶解した。次いで、トピラメートを含有する溶液を、18−クラウン−6を含有する溶液に添加した。軽く攪拌した後、白色の固体が沈殿し、それを収集し、乾燥させた。共結晶の詳細な特徴付けを表Vに示す(図6および7参照)。
オランザピンとニコチンアミドとの共結晶を製造した(形態IおよびII)。9ブロックの実験を12種の溶媒を用いて設計した。CMAXプラットフォームを使用し、10種の共結晶形成物および3通りの濃度を用いて、864の結晶化実験を行った。酢酸イソプロピルを含有するチューブから共結晶を得た。共結晶(形態IおよびII)のPXRDおよびDSCによる特徴付けを表Vに示す(図8、9および30参照)。
セレコキシブと18−クラウン−6との共結晶を製造した。Et2O(10.0mL)中のセレコキシブ(157.8mg,0.4138mmol)の溶液を18−クラウン−6(118.1mg,0.447mmol)に添加した。不透明な固体はすぐに溶解し、続いて、白色の固体が非常に急速に結晶化し始めた。濾過によって、固体を収集し、更なるEt2O(5mL)で洗浄した。共結晶の詳細な特徴付けを表Vに示す(図10および11参照)。
イトラコナゾールとコハク酸との共結晶を製造した。シス−イトラコナゾール遊離塩基約51.1mg、THF0.75mL、および電磁撹拌子をねじ蓋バイアルに装入し、加熱還流して溶解し、次いでバイアルをねじ蓋で閉じ、60〜75℃の温度で維持されたホットプレートの上に置いた。THF1・58mL中のコハク酸77.7mgの溶液を調製した。コハク酸溶液0.20mLをシス−イトラコナゾール溶液に添加した結果、その溶液は透明なままであった。酢酸イソプロピル0.75mLを添加し、以下の実施例10のL−酒石酸共結晶塩<1mgをその溶液にシーティングした。加熱を止め、試料は室温に冷却するにしたがって結晶化した。冷却された試料を吸引濾過した。それをTHF0.2〜0.3mLですすいだ。濾過ケークを分解し、分析前に1時間空気乾燥させた(図12および13参照)。
イトラコナゾールとフマル酸との共結晶を製造した。シス−イトラコナゾール遊離塩基約500mgをテトラヒドロフラン(THF)33.33mLと共に50mLねじ蓋ボトルに入れた。フマル酸ストック溶液(実施例1で調製)3.0887mLをビーカーに添加した(塩形成物と遊離塩基との比が1.05:1となった)。蓋を締めてボトルを密閉し、そのボトルを70℃のオーブン((Model No.1400E, VWR Scientific))内に入れ、約1時間加熱した。その後、ボトルをオーブンから取り出し、ボトルから蓋を取り、周囲条件下にて流れる空気の下で蒸発させた。溶媒すべてではなく、約5mLが蒸発した場合には、残りの溶媒をデカンテーションによって除去し、吸引を用いてワットマンフィルター上で濾過することによって、固体を単離した。残りの固体を有する50mLボトルにこの固体を戻し、約25mmHgの真空オーブン内にボトルを入れ、分析前に固体を4日間乾燥させた(図14および15参照)。
イトラコナゾールと酒石酸との共結晶を製造した。シス−イトラコナゾール遊離塩基約100.4mg、THF0.90mL、および電磁撹拌子をねじ蓋バイアルに装入し、加熱還流して溶解し、次いでバイアルをねじ蓋で閉じ、70℃で維持された油浴中に入れた。THF1.15mL中のL(+)酒石酸138.5mgの溶液を調製した。L(+)酒石酸溶液0.21mLをシス−イトラコナゾール溶液に添加した結果、その溶液は透明なままであった。酢酸イソプロピル0.90mLを添加し、DL−酒石酸共結晶の製造から得られた塩<1mgをその溶液にシーティングした。試料を油浴から取り出す前に、70℃の油浴中で約5分間にわたって結晶化させ、室温に冷却した。冷却された試料を吸引濾過した。それをTHF0.2〜0.3mLですすいだ。濾過ケークを分解し、分析前に4時間空気乾燥させた(図16および17参照)。
イトラコナゾールとリンゴ酸との共結晶を製造した。シス−イトラコナゾールのL−リンゴ酸を製造するために、シス−イトラコナゾール遊離塩基約100.4mg、THF0.50mL、および電磁撹拌子をねじ蓋バイアルに装入した。THF5.0mL中のL(−)リンゴ酸191.3mgの溶液を調製した。シス−イトラコナゾールを含有するバイアルに、L−リンゴ酸0.50mLを添加し、その溶液をヒートガンで加熱して、溶解した。溶液を冷却し、次いで、シス−イトラコナゾール−L−酒石酸共結晶からの塩<1mgをシーディングした。冷却された結晶を遠心フィルターチューブ内で濾過した。濾過ケークを分解し、分析前に空気乾燥させた(図18および19参照)。
イトラコナゾールHClと酒石酸との共結晶を製造した。L−酒石酸約212.7mgおよび37%HCl118μlを熱いジオキサン25mLに溶解した。熱いジオキサン50mLに溶解されたシス−イトラコナゾール1.0gに、攪拌しながらこの溶液を添加した。透明な溶液が形成するまで、混合物を加熱し、次いで室温に冷却した。冷却すると、t−ブチルメチルエーテル50mLを添加し、No.4ワットマンフィルターを備えたブフナー漏斗で真空濾過することによって、結晶を収集した。冷たいt−ブチルメチルエーテルの5mLアリコートで3回洗浄し、空気乾燥させた。シス−イトラコナゾールHCl−酒石酸(1:1:0.5)共結晶の結晶質形態約573mgを得た(図20および21参照)。
モダフィニルとマロン酸との共結晶を製造した。250mg/mlのモダフィニル−酢酸溶液を使用して、ホットプレート上でモダフィニルとマロン酸との比1:2にて、マロン酸を溶解した。混合物を流動窒素下にて一晩乾燥させた。粉末状の白色固体が生成された。さらに1日乾燥させた後に、酢酸を除去し(TGAにより決定)、PXRDにより決定された結晶構造は変わらなかった(図22参照)。
モダフィニルとベンズアミドとの共結晶を製造した。モダフィニル(1mg,0.0037mmol)およびベンズアミド(0.45mg,0.0037mmol)を1,2ジクロロエタン(400μL)に溶解した。溶液を乾燥するまで蒸発させ、得られた固体をPXRDを使用して特徴付けした。この共結晶についてのPXRDデータを表Vに示す(図23参照)。
モダフィニルとマンデル酸との共結晶を製造した。モダフィニル(1mg,0.0037mmol)およびマンデル酸(0.55mg,0.0037mmol)をアセトン(400μL)に溶解した。この溶液を乾燥するまで蒸発させ、得られた固体をPXRDを使用して特徴付けした。この共結晶についてのPXRDデータを表Vに示す(図24参照)。
モダフィニルとグリコール酸との共結晶を製造した。モダフィニル(1mg,0.0037mmol)およびグリコール酸(0.30mg,0.0037mmol)をアセトン(400μL)に溶解した。この溶液を乾燥するまで蒸発させ、得られた固体をPXRDを使用して特徴付けした。この共結晶についてのPXRDデータを表Vに示す(図25参照)。
モダフィニルとフマル酸との共結晶を製造した。モダフィニル(1mg,0.0037mmol)およびフマル酸(0.42mg,0.0037mmol)を1,2−ジクロロエタン(400μL)に溶解した。この溶液を乾燥するまで蒸発させ、得られた固体をPXRDを使用して特徴付けた。この共結晶についてのPXRDデータを表Vに示す(図26参照)。
モダフィニルとマレイン酸との共結晶を製造した。250mg/mlのモダフィニル−酢酸溶液を使用して、ホットプレート上(約67℃)でモダフィニルとマレイン酸との比2:1にて、マレイン酸を溶解した。混合物を流動窒素下にて一晩乾燥させた。透明な非晶質物質が残った。室温で密閉バイアル内に2日間保存した後、固体が成長し始めた(図43参照)。
オランザピンとニコチンアミドとの共結晶(形態III)を製造した。オランザピン(テトラヒドロフラン中の25mg/mLストック溶液40μL)およびニコチンアミド(メタノール中の20mg/mLストック溶液37.6μL)をガラスバイアルに添加し、窒素流の下で乾燥させた。固体混合物に酢酸イソプロピル(100μL)を添加し、バイアルをアルミニウム製の蓋で密閉した。次いで、固体物質すべてを溶解するために、懸濁液を70℃で2時間加熱した。次いで、この溶液を5℃に冷却し、その温度で24時間維持した。24時間後、バイアルの蓋を取り、総容積50μLに混合物を濃縮した。バイアルをアルミニウム製の蓋で再び密閉し、5℃でさらに24時間維持した。大きな黄色い板が認められ、それを収集した(形態III)。単結晶X線回折および粉末X線回折でその固体を特徴付けした。この共結晶の特徴付けを表Vに示す(図31および32A−D参照)。
5−フルオロウラシルと尿素との共結晶を製造した。5−フルオロウラシル(1g,7.69mmol)および尿素(0.46g,7.69mmol)にメタノール(100mL)を添加した。すべての物質が溶解するまで、溶液を65℃で加熱し、超音波処理した。次いで溶液を5℃に冷却し、その温度で一晩維持した。約3日後、白色の沈殿物が認められ、それを収集した。DSC、PXRD、ラマン分光法、およびTGAによって、その固体を特徴付けした。特徴付けのデータを表Vに示す(図33〜36参照)。
ヒドロクロロチアジドとニコチン酸との共結晶を製造した。ヒドロクロロチアジド(12.2mg,0.041mmol)およびニコチン酸(5mg,0.041mmol)をメタノール(1mL)に溶解した。次いで、その溶液を5℃に冷却し、その温度で12時間維持した。白色の固体が沈殿し、それを収集して、PXRDを用いて特徴付けをした(図37参照)。
ヒドロクロロチアジドと18−クラウン−6との共結晶を製造した。ヒドロクロロチアジド(100mg,0.33mmol)をジエチルエーテル(15mL)に溶解し、ジエチルエーテル(15mL)中の18−クラウン−6(87.2mg,0.33mmol)の溶液に添加した。直ぐに白色の固体が形成し始め、ヒドロクロロチアジド:18−クラウン−6共結晶としてそれを収集し、PXRDを用いて特徴付けをした(図38参照)。
ヒドロクロロチアジドとピペラジンとの共結晶を製造した。ヒドロクロロチアジド(17.3mg,0.058mmol)およびピペラジン(5mg,0.058mmol)をエチルとアセトニトリルの1:1混合物(1mL)に溶解した。次いで、その溶液を5℃に冷却し、その温度で12時間維持した。白色の固体が沈殿し、それを収集して、PXRDを用いて特徴付けをした(図39参照)。
アセトアミノフェン:4,4’−ビピリジン:水(化学量論比1:1:1)
アセトアミノフェン50mg(0.3307mmol)および4,4’−ビピリジン52mg(0.3329mmol)を熱水に溶解し、静置しておいた。ゆっくりと蒸発させることによって、図44A−Bに示される1:1:1のアセトアミノフェン/4,4’−ビピリジン/水共結晶の無色の針状晶が形成された。
フェニトイン:ピリドン(化学量論比1:1)
加熱および攪拌しながら、フェニトイン28mg(0.1109mmol)および4−ヒドロキシピリドン11mg(0.1156mmol)をアセトン2mLおよびエタノール1mLに溶解した。ゆっくりと蒸発させることによって、図45A−Bに示される1:1のフェニトイン/ピリドン共結晶の無色の針状晶が形成された。
アスピリン(アセチルサリチル酸):4,4’−ビピリジン(化学量論比2:1)
アスピリン50mg(0.2775mmol)および4,4’−ビピリジン22mg(0.1388mmol)をヘキサン4mLに溶解した。エーテル8mLをその溶液に添加し、1時間静置しておいた結果、図46A−Dに示される、2:1のアスピリン/4,4’−ビピリジン共結晶の無色針状晶が形成された。代替方法としては、乳棒および乳鉢で固体成分を粉砕することによって、アスピリン/4,4’−ビピリジン(化学量論比2:1)を製造することができる。
イブプロフェン:4,4’−ビピリジン(化学量論比2:1)
ラセミ体イブプロフェン50mg(0.242mmol)および4,4’−ビピリジン18mg(0.0960mmol)をアセトン5mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、図47A−Dに示される、2:1のイブプロフェン/4,4’−ビピリジン共結晶の無色針状晶が形成された。
熱重量分析:(TA Instruments 2950 Hi-Resolution TGA)、室温と100.02℃の間で13.28%の重量損失、その直後に完全に分解。
フルルビプロフェン:4,4’−ビピリジン(化学量論比2:1)
フルルビプロフェン50mg(0.2046mmol)および4,4’−ビピリジン15mg(0.0960mmol)をアセトン3mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、図48A−Dに示される、2:1のフルルビプロフェン/4,4’−ビピリジン共結晶の無色針状晶が形成された。
フルルビプロフェン:トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン(化学量論比2:1)
フルルビプロフェン25mg(0.1023mmol)およびトランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン10mg(0.0548mmol)をアセトン3mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、図49A−Bに示される、2:1のフルルビプロフェン/1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン共結晶の無色針状晶が形成された。
粉末X線回折:(Cu Kα(λ=1.540562)、30kV、15mAを用いたRigaku Miniflex 回折計)。ステップサイズ0.02°2θおよびスキャン速度2.0°/分を用いた連続スキャンモードで角範囲3°〜40°2θにわたり、粉末のデータを収集した。PXRDによって、単結晶データから:実験値(計算値):3.6(3.7);17.3(17.7);18.1(18.6);18.4(18.6);19.1(19.3);22.3(22.5);23.8(23.9);25.9(26.4);28.1(28.5)を得た。
カルバマゼピン−フタルアルデヒド(化学量論比1:1)
カルバマゼピン25mg(0.1058mmol)およびp−フタルアルデヒド7mg(0.0521mmol)をメタノール約3mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、図50A−Bに示される、1:1のカルバマゼピン/p−フタルアルデヒド共結晶の無色針状晶が形成された。
カルバマゼピン:ニコチンアミド(形態II)(化学量論比1:1)
カルバマゼピン25mg(0.1058mmol)およびニコチンアミド12mg(0.0982mmol)を4mLのDMSO、メタノールまたはエタノールに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、図51に示される、1:1のカルバマゼピン/ニコチンアミド共結晶の無色針状晶が形成された。
粉末X線回折:(Cu Kα(λ=1.540562)、30kV、15mAを用いたRigaku Miniflex 回折計)。ステップサイズ0.02°2θおよびスキャン速度2.0°/分を用いた連続スキャンモードで角範囲3°〜40°2θにわたり、粉末のデータを収集した。PXRDから、単結晶データから誘導された模擬PXRDと類似のピークが示された。PXRD分析の実験値(計算値):6.5(6.7);8.8(9.0);10.1(10.3);13.2(13.5);15.6(15.8);17.7(17.9);17.8(18.1);18.3(18.6);19.8(20.1);20.4(20.7);21.6(22.);22.6(22.8);22.9(23.2);26.4(26.7);26.7(27.0);28.0(28.4)。
カルバマゼピン:サッカリン(形態II)(化学量論比1:1)
カルバマゼピン25mg(0.1058mmol)およびサッカリン19mg(0.1037mmol)をエタノール約4mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、図52に示される、1:1のカルバマゼピン/サッカリン共結晶の無色針状晶が形成された。溶解度の測定によって、カルバマゼピンのこの多成分結晶は、従来から知られている形態のカルバマゼピンと比較して向上した溶解度を有する(水溶液中でのモル溶解度の向上およびより長い溶解性)。
カルバマゼピン:2,6−ピリジンジカルボン酸(化学量論比2:3)
カルバマゼピン36mg(0.1524mmol)および2,6−ピリジンジカルボン酸26mg(0.1556mmol)をエタノール約2mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、54A−Bに示される、1:1のカルバマゼピン/2,6−ピリジンジカルボン酸共結晶の透明な針状晶が形成された。
融点:214〜216℃(MEL−TEMP)。(カルバマゼピン融点=191〜192℃、2,6−ピリジンジカルボン酸融点=248〜250℃)。
実施例34
カルバマゼピン:5−ニトロイソフタル酸(化学量論比1:1)
カルバマゼピン40mg(0.1693mmol)および5−ニトロイソフタル酸30mg(0.1421mmol)をメタノールまたはエタノール約3mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、55A−Bに示される、1:1のカルバマゼピン/5−ニトロイソフタル酸共結晶の黄色の針状晶が形成された。
カルバマゼピン:1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸(化学量論比1:1)
カルバマゼピン15mg(0.1524mmol)および1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸20mg(0.1556mmol)をメタノール約1mLまたはエタノール約1mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、56A−Bに示される、2:1のカルバマゼピン/1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸共結晶の透明な板が形成された。
赤外分光法:(Nicolet Avatar 320 FTIR)。3431cm-1、(N−H伸縮、1°アミン、CBZ);3123cm-1、(C−H伸縮、アルケン);1723cm-1、(C=0);1649cm-1、(C=C)。
熱重量分析:(TA Instruments 2950 Hi-Resolution TGA)。9%の重量損失が189℃で開始し、52%の重量損失が251℃で開始し、31%の重量損失が374℃で開始し、続いて完全に分解する。
カルバマゼピン:ベンゾキノン(化学量論比1:1)
カルバマゼピン25mg(0.1058mmol)およびベンゾキノン11mg(0.1018mmol)をメタノールまたはTHF2mLに溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、57A−Bに示される、1:1カルバマゼピン/ベンゾキノン共結晶の平均収量の黄色の結晶が形成された。
熱重量分析:(TA Instruments 2950 Hi-Resolution TGA)。20.62%の重量損失が168℃で開始し、78%の重量損失が223℃で開始し、続いて完全に分解する。
カルバマゼピン:トリメシン酸(形態II)(化学量論比1:1)
カルバマゼピン36mg(0.1524mmol)およびトリメシン酸31mg(0.1475mmol)を、メタノール約2mLとジクロロメタン2mLとの溶媒混合物に溶解した。溶媒をゆっくりと蒸発させることによって、58A−Bに示される、1:1カルバマゼピン/トリメシン酸共結晶の白色の星形結晶が形成された。
溶解プロファイルが調製された共結晶を製造した。セレコキシブ:ニコチンアミド共結晶を実施例4に示した方法により製造した(図27参照)。
溶解プロファイルが調製された共結晶を製造した。イタコナゾール:琥珀酸、イタコナゾール:酒石酸、イタコナゾール:リンゴ酸共結晶を実施例8、10及び11に示した方法により製造した(図28参照)。
塩にするのが難しい、または非塩性のAPIの共結晶を製造した。セレコキシブ:ニコチンアミド共結晶を実施例4に示した方法により製造した。
改善された吸湿性プロファイルを有する共結晶を製造した。セレコキシブ:ニコチンアミド共結晶を実施例4に示した方法により製造した(図29参照)。
Claims (2)
- セレコキシブ及びニコチンアミドの活性薬剤成分および共結晶形成物を含む共結晶であって、
前記活性薬剤成分および前記共結晶形成物が互いに水素結合してなる共結晶。 - 薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体及び
セレコキシブ及びニコチンアミドの活性薬剤成分および共結晶形成物を含む共結晶を含有する医薬組成物であって、
前記活性薬剤成分および前記共結晶形成物が互いに水素結合してなる医薬組成物。
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