JP4922285B2 - 乗員用の安全装置 - Google Patents
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Description
本発明は、請求項1の上位概念に記載された乗員用の安全装置に関する。上位概念に記載された安全装置はたとえば、W. Suchowerskyjによる論文『Evolution en matiere de detecteurs de choc』(1141 Ingenieurs de l'Automobile (1982) No.6、第69〜77頁、パリ)から公知である。この安全装置は、少なくとも1つのセンサ、とりわけ加速度に対して感度のあるセンサと、制御装置、並びに乗員保護手段、例えばエアバッグおよびシートベルトテンショナを有する。現在の安全装置は、多段にトリガ可能なエアバッグを有している。事故状況に応じて1つの段、またはすべての段が点火される。安全性の理由から点火は、スイッチ手段が制御装置と関連して対応する点火回路を通電可能またはイネーブルした場合にだけ行うことができる。多くの安全装置でこの通電可能時間は、数10msのオーダーにある比較的短い時間インターバルでのみ行われる。
多段トリガ可能なエアバッグで1つの段だけが点火し、少なくとも1つの段がまだアクティベート可能である場合、このことは事故現場での救助スタッフまたは工場でのサービス用員に対する潜在的危険性を意味する。なぜなら、車両が事故で損傷すると、まだアクティベート可能な段が制御不能にトリガすることを確実に排除できないからである。しかし乗員保護手段、とりわけエアバッグのまったく予期しないトリガは、それに対して準備をしていない救助員および/またはサービス用員を傷つけることになる。
請求項1の特徴的構成を備える本発明によって、事故の際にアクティベート可能な乗員保護手段の形態のアクチュエータが装備された車両を危険性なしに取り扱うことができる。安全装置が、アクティベートされなかったアクチュエータをアクティベートするための手段を有することによって、場合によりまだ無傷のエアバッグが不所望の時点で展開する危険性を格段に低減することができる。これは例えば事故現場に急行した救助スタッフが負傷した乗員の救助に取り組む場合、またはサービススタッフが事故にあった車両の救出および場合により修理を行う場合である。
本発明の解決手段は、多段にトリガ可能なエアバッグ(いわゆるスマートエアバッグ)でも特別の利点を提供する。そこでは事故の重大性に応じて、1段だけをアクティベートすることができ、残りの段はアクティベートされないことがある。そのため救助スタッフに対して潜在的危険性が生じる。
特に有利には前記の手段が次のようなスイッチ手段を有する。すなわちこのスイッチ手段は、少なくとも1つのアクチュエータを制御するための出力段を、この出力段が通電制御された第1の制御フェーズが経過した後の第2の時間インターバル中に新たに通電制御する。通電可能時間の延長または制御に対する決定を、1つまたは複数の自由に選択可能な点火手段に直接的に結び付けることによって、不要な通電可能時間の延長を最初から排除することができる。一次点火段の点火電流は、通電可能時間の延長のスタート時点を設定するから、通電可能時間の正しい時点と十分な持続時間が保証される。特に有利には安全装置は、アクチュエータ、出力段、およびそれらの制御に関する情報を記憶するための記憶手段を有する。このようにして安全装置の初期化の際に、どのアクチュエータおよび/またはどの出力段を第1の制御フェーズに続いて新たに制御すべきかを設定することができる。例えばこれは多段に制御可能なエアバッグとすることができる。さらに、すでに行われた制御フェーズについての情報も記憶すると有利である。このようにして、すでに繰返し制御されたアクチュエータが再度、通電制御されるのを阻止することができる。これらのアクチュエータは第2の制御試行で大きな確率ですでにアクティベートされているから、新たな制御試行を省略することにより、予備エネルギー源のエネルギーを有利に節約することができる。
図1は、安全装置のブロック回路図を示す。
図2は、安全装置のブロック回路図を示す。
図3は、フローチャートを示す。
図4は、計数状態と共に機能を時間の関数として示す線図である。
図5は、記憶装置のブロック回路図を示す。
図1は、乗員用の安全装置10のブロック回路図を示す。安全装置10はセンサ13,14,15を有し、これらのセンサは制御装置11と接続されている。さらに安全装置10は、同様に制御装置11と接続されたアクチュエータ17,18,19を有する。センサ13,14,15として加速度および圧力に対して感度のあるセンサが使用され、これらのセンサは前記のパラメータを事故時に検出する。さらにいわゆるプレクラッシュセンサを使用することができる。このセンサは、レーダ、レーザ、超音波およびビデオセンサによって車両周囲を検出し、従って目前に迫る衝突について早期に指示することができる。アクチュエータは、乗員保護手段であり、とりわけエアバッグおよび/またはシートベルトテンショナである。制御装置11はセンサ13,14,15の出力信号を評価し、これらの出力信号に依存してアクチュエータ17,18,19を制御する。
次にステップ35では乗員保護手段(アクチュエータ17,18,19)、例えばエアバッグおよび/またはシートベルトテンショナのアクティベートが行われる。ここで特に有利には出力段11Eと11Fは制限された時間の間だけ通電可能とされる。例えば数10ms、とりわけ32msの間だけである。このことにより有利には、点火手段11Gのアクティベート後にさらに電流が流れるのが阻止される。さらに電流が流れることは点火手段11Gの短絡の際に生じることがある。しかしこのような不要な電流は予備エネルギー源を不要に負荷することとなる。この予備エネルギー源は、車両バッテリーが事故により破損した場合に、さらなる点火手段11Gをアクティベートするための唯一のエネルギー源として使用される。予備エネルギー源として通常は大容量のコンデンサが使用される。
ステップ34により点火電流が流れ始めると直ちに、ステップ34Aを介してステップ36へ移行する。ステップ36では、制御回路11Dがアクティブとなり、点火電流を検出して評価する。この制御回路11Dが、通電制御された出力段11E,11Fを流れる電流を第1の時間インターバル内に検出すると直ちに、この制御回路11Dは制御信号を安全回路11Bに送出する。この制御信号は、安全回路11Bには通電可能時間の延長希望を意味し、安全回路は、出力段11E,11Fを付加的な持続時間の間、通電可能にするよう作用する。
11 制御装置
11A マイクロコントローラ
11B 安全回路
11C 制御回路
11D 制御回路
11E 出力段
11F 出力段
11G 点火手段
13 センサ
14 センサ
15 センサ
17 アクチュエータ
18 アクチュエータ
19 アクチュエータ
20 点火段
31 ステップ
32 ステップ
33 ステップ
33A ステップ
33B ステップ
34 ステップ
34A ステップ
35 ステップ
36 ステップ
36A ステップ
R1 レジスタ
R2 レジスタ
t 時間
t0 時点
t1 時点
t2 時点
t3 時点
Z カウンタ
Claims (5)
- 乗員用の安全装置(10)であって、センサ(13,14,15)と、アクチュエータ(17,18,19)と、少なくとも1つの制御装置(11)と、前記アクチュエータ(17,18,19)を制御するための出力段(11E,11F)を有し、
前記制御装置(11)は、前記センサ(13,14,15)および前記アクチュエータ(17,18,19)と接続されており、
前記制御装置(11)は、マイクロコントローラ(11A)と、安全回路(11B)と、点火段回路(20)を含み、
前記点火段回路(20)は、制御回路(11C,11D)と、出力段(11E,11F)と、レジスタ(R1,R2)を含む形式の安全装置において、
前記制御回路(11C,11D)は、前記アクチュエータ(17,18,19)を制御するための前記出力段(11E,11F)を、所定の第1の時間インターバル(通電可能時間)の間、通電可能にし、該第1の時間インターバル(t0−t1)の経過後、第2の時間インターバル(t1−t2;t1−t3)の間、引き続き通電可能のままとし、
前記レジスタ(R1,R2)は、制御された前記出力段(11E,11F)ないしはアクチュエータ(17,18,19)についての情報を記憶し、
前記第1のレジスタ(R1)では、通電可能な第1の時間インターバルが延長されることになる出力段(11E,11F)が選択され、
前記第2のレジスタ(R2)には、どの出力段(11E,11F)に対して、通電可能な第1の時間インターバルの延長が要求されたかが記憶され、
該当する通電可能な第1の時間インターバルの延長が要求された出力段に対してさらなる延長が要求されても、当該要求は拒絶され、
前記第2のレジスタ(R2)は、前記安全装置(10)の動作時間中には、行われた変化を記録するために書き込み可能である、ことを特徴とする安全装置。 - 請求項1記載の安全装置において、
前記第1の時間インターバル(t0−t1)は32msである、ことを特徴とする安全装置。 - 請求項1または2記載の安全装置において、
前記第2の時間インターバル(t1−t2)は256msである、ことを特徴とする安全装置。 - 請求項1または2記載の安全装置において、
前記第2の時間インターバル(t1−t3)は512msである、ことを特徴とする安全装置。 - 乗員用の安全装置(10)を制御する方法であって、該安全装置はセンサ(13,14,15)と、アクチュエータ(17,18,19)と、少なくとも1つの制御装置(11)と、前記アクチュエータ(17,18,19)を制御するための出力段(11E,11F)を有し、
前記制御装置(11)は、前記少なくとも1つのセンサ(13,14,15)および前記少なくとも1つのアクチュエータ(17,18,19)と接続されており、
前記制御装置(11)は、マイクロコントローラ(11A)と、安全回路(11B)と、点火段回路(20)を含み、
前記点火段回路(20)は、制御回路(11C,11D)と、出力段(11E,11F)と、レジスタ(R1,R2)を含み、
前記アクチュエータ(17,18,19)をアクティベートするために所定の第1の持続時間(t0−t1)が設けられている形式の方法において、
前記所定の第1の時間インターバル(t0−t1)の経過後、第2の時間インターバル(t1−t2;t1−t3)で、未だアクティベートされていないアクチュエータ(17,18,19)を制御することができ、
通電可能な時間インターバルが延長されることになる出力段(11E,11F)が選択され、
通電可能な時間インターバルの延長がすでに行われた出力段(11E,11F)がマークされ、
当該通電可能な時間インターバルの延長がすでに行われた出力段(11E,11F)に対してさらなる延長が要求されても、当該延長は拒絶される、ことを特徴とする方法。
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