JP4921089B2 - 積層型電子部品 - Google Patents

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本発明は、積層型インダクタ等の積層型電子部品に関する。
従来の積層型電子部品としては、例えば特許文献1に記載されているような積層型インダクタが知られている。この文献に記載の積層型インダクタは、コイル形状の内部導体と、この内部導体の両端にそれぞれ接続された引き出し導体と、各引き出し導体にそれぞれ接続された外部電極とを備えている。また、積層型インダクタの外面には、各引き出し導体の位置を示すためのマークが形成されている。
特許第3359802号公報
積層型インダクタは、例えば被実装面に対する引き出し導体の位置によってインダクタンス特性が変化するといった方向性を持っている。そのため、このような積層型インダクタは、マークを基準にして実装面における方向を定めて実装装置により被実装面に載置して、リフローはんだなどにより被実装面に実装している。
ところで、近年、積層型インダクタは、搭載される電子機器の小型化に伴い、小型化が進んでいる。例えば長さ0.4mm×幅0.2mm×厚さ0.2mmのサイズのものが存在する。本発明者らは、上記特許文献1記載の積層型インダクタについて基板実装に関する検討を行ったところ、小型化された積層型インダクタは、実装装置による基板実装時に位置がずれるなど原因で歩留まりが悪くなることがあることを見出した。
そこで、本発明は、基板等への実装時の歩留まりを向上させることができる積層型電子部品を提供することを目的とする。
絶縁体層と導体パターンとが積層され内部にコイルが形成された略直方体の積層体と、当該積層体のコイルの軸方向に交わる方向の両端面に形成された端部電極と、を備える積層型電子部品であって、軸方向に交わる積層体の一面に、端部電極の一方から他方に延びる方向に沿って設けられるマークを備え、マークは、軸方向から見たときに導体パターンが形成される領域における、導体パターンの積層方向に重なる層数の少ない部分を覆うように設けられることを特徴とする。
この積層型電子部品では、コイルの軸方向に交わる積層体の一面に設けられるマークが、端部電極の一方から他方に延びる方向に沿って形成されている。このため、端部電極の形成範囲のばらつきなどによって、マークの識別力に与える影響が少なくなり、小型化された積層型電子部品であっても確実に積層型電子部品の方向性を認識することができる。さらに、マークは、軸方向から見たときに導体パターンが形成される領域における、導体パターンの積層方向に重なる層数の少ない部分を覆うように形成されている。このため、マークの形成層が導体パターンの層数の少ない部分における層数を補うために、マークが導体パターンの層数の多い部分を覆うように設けられる場合に比べて、積層体の表面の凹凸が少なくなる。したがって、実装装置による部品の吸着不良などが無くなり、実装時の歩留まりが向上する。
また、本発明の積層型電子部品は、マークが、積層体の一面の端部電極の一方から他方に延びる方向に沿って半分に分割された一方の領域に設けられることが好ましい。この積層型電子部品では、マークが、積層体の一面の中心線から片寄った位置に形成されているので、より確実に方向性を認識することができる。
また、本発明の積層型電子部品は、マークが、積層体の一面に隣接する一方の側面に達するように設けられることが好ましい。この積層型電子部品では、マークの形成範囲が積層体の一面に隣接する一方の側面にまで達しているので、方向性の識別力を損なうことなくマークの面積を広くすることができ、より確実に方向性を識別することができる。
また、本発明の積層型電子部品は、マークが、一面及び当該一面に対向する他面に設けられることが好ましい。この積層型電子部品では、マークが対向する2面に設けられているので、多数の積層型電子部品を方向をそろえてキャリアテープに配置するテーピング工程において、方向をそろえるための効率が格段に向上する。
また、本発明の積層型電子部品は、マークが形成された積層体に、マークと積層体との段差を吸収するため段差吸収層が設けられことが好ましい。この積層型電子部品では、マークと積層体との段差を吸収する段差吸収層が設けられているので、マークと積層体との境界付近で生じる僅かな段差も吸収することができる。したがって、さらに積層体の表面に凹凸のない積層型電子部品を形成することができる。
本発明によれば、基板等への実装時の歩留まりを向上させることができる積層型電子部品を提供することができる。加えて、方向性を容易に識別することができる積層型電子部品を提供することができる。
以下、本発明に係る積層型電子部品の好適な実施形態として積層型インダクタについて、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る積層型電子部品として積層型インダクタの第1実施形態を示す外観斜視図である。図2は、図1に示す積層型インダクタの分解斜視図である。
積層型インダクタ1は、図1に示されるように、略直方体形状の積層体2と、積層体2の内部に形成されたコイル3と、コイル3の軸方向に交わる方向の積層体2の両端面、すなわち積層体2の長手方向の両端面にそれぞれ形成された一対の端部電極4,5と、積層体2の上面に長手方向に沿って形成されたマーク6とを備える。なお、積層体2の底面は、積層型インダクタ1が外部基板(図示せず)に実装されたときに、当該外部基板に対向する面である。
積層体2は、図2に示されるように、焼成後に絶縁体となる複数の絶縁体グリーンシート(絶縁体層)A1〜A10と、絶縁体グリーンシートA3〜A8上に形成された導体パターンB1〜B6と、導体パターンB1〜B6をそれぞれ電気的に接続するスルーホール電極C1〜C5とにより構成される。なお焼成された実際の積層型インダクタ1は、絶縁体グリーンシートA1〜A8の境界が視認できない程度に一体化されている。また、絶縁体グリーンシートA10上には、パターン6が形成されている。
絶縁体は、非磁性体または磁性体からなる。非磁性体には、例えば、ストロンチウム、カルシウム、アルミナ及び酸化珪素からなるガラスと、アルミナとからなるガラス系セラミックスを用いることができる。また、磁性体には、例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又はNi−Cu系フェライト等のフェライトを用いることができる。
コイル3は、積層体2の内部に形成され、導体パターンB1〜B6とスルーホール電極C1〜C5とで略3.5ターンに巻回されている。
具体的には、導体パターンB1は、コイル3の略5/8ターンに相当し、絶縁体グリーンシートA3上で略C字状に形成されている。導体パターンB1の一端には、導出部B1aが一体的に形成されている。導体パターンB1の導出部B1aは、絶縁体グリーンシートA3の縁に引き出され、その端部が絶縁体グリーンシートA3の端面に露出している。このため、導出部B1aは、端部電極4に電気的に接続されることとなる。導体パターンB1の他端は、絶縁体グリーンシートA4を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール電極C1と電気的に接続されている。このため、導体パターンB1は、積層された状態で、スルーホール電極C1を介して、対応する導体パターンB2の一端と電気的に接続される。
各導体パターンB2,B4は、それぞれコイル3の略1/2ターンに相当し、各絶縁体グリーンシートA4,A6上で略L字状に形成されている。各導体パターンB2,B4の一端には、積層された状態で各スルーホール電極C1,C3と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB2,B4の他端は、各絶縁体グリーンシートA5,A7を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C2,C4とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB2,B4は、積層された状態で、各スルーホール電極C2,C4を介して、対応する各導体パターンB3,B5とそれぞれ電気的に接続される。
各導体パターンB3,B5は、それぞれコイル3の略1/2ターンに相当し、各絶縁体グリーンシートA5,A7上で略L字状に形成されている。各導体パターンB3,B5の一端には、積層された状態で各スルーホール電極C2,C4と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB3,B5の他端は、各絶縁体グリーンシートA6,A8を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C3,C5とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB3,B5は、積層された状態で、各スルーホール電極C3,C5を介して、対応する各導体パターンB4,B6とそれぞれ電気的に接続される。
導体パターンB6は、絶縁体グリーンシートA8上でコイル3の略7/8ターンに相当し、絶縁体グリーンシートA8上でスパイラル状に形成されている。導体パターンB6の一端には、積層された状態で、スルーホール電極C5と電気的に接続される領域が含まれている。導体パターンB6の他端には、導出部B6aが一体的に形成されている。導体パターンB6の導出部B6aは、絶縁体グリーンシートA8の縁に引き出され、絶縁体グリーンシートA8の端面に露出している。このため、導出部B6aは、端部電極5と電気的に接続されることとなる。
なお、コイル3を構成する材料は、銀、銅又はニッケル等の導電性の高い材料を用いることができる。
また、図1に示されるように、各端部電極4,5は、積層体2の端面2a,2bに対向するように形成されている。各端部電極4,5は、積層体2の端面2a,2b全体を覆うように形成されていると共に、一部を積層体2の上面2c、下面2d及び各側面2e,2fに回り込ませている。また、各端部電極4,5は、例えば銀、銅及びニッケルのいずれかを主成分とした導体ペーストをスクリーン印刷するか、あるいは印刷とディップ方式を用いて形成する。
続いて、図3及び図4を参照して、本発明に係る積層型積層部品の方向性を示すマークについて説明する。図3は、図1に示す積層型インダクタの正面図である。図4は、図1に示す積層型インダクタの断面図である。
図3及び図4に示されるように、コイル3は、略3.5ターンに巻回されている。そのため、積層型電子部品をコイル3の軸方向からみると、コイル3の形成領域は、各導体パターンB1,B3,B5,B6の4層が重なり合うように積層されたコイル形成部分3aと、各導体パターンB2,B4,B6の3層が重なり合うように積層されたコイル形成部分3bとが存在する。そして、マーク6は、積層体2の上面2cに導体パターンの積層数の少ないコイル形成部分2bを覆うと共に、積層体2の側面2f側に片寄って形成されている。
マーク6の厚みは、5μm〜8μm程度が好ましい。この厚みが薄すぎると、色が薄くなりマークとして識別し難くなる。一方でこの厚みが厚すぎると、積層体との段差が大きくなりやすい。
また、マーク6は、積層体2の上面2cの長手方向にわたって設けられている。すなわち、マーク6の長手方向の両端部は、端部電極4,5に覆われている。なお、マーク6は積層体2の上面2cの長手方向にわたって設けられる必要はなく、端部電極4,5の間の領域に設けられていてもよい。
また、マーク6は、積層体2の上面2c上であって、長手方向の中心線L1に対して一方の側(側面2f)に片寄るように形成されている。このように、本実施形態では、マーク6が、積層体2の上面の中心線L1から片寄った位置に形成されているので、より確実に方向性を認識することができる。また、導体パターンの積層数が多い領域を覆うように形成されることを確実に防止するので、さらに表面が凹凸になるのを防ぐことができる。
また、マーク6は、積層体3の上面2c上であって、側面2f側に達する範囲まで形成されている。すなわち、側面2f側からみたとき、側面2fにマーク6の断面が露出することになる。このように、本実施形態では、マーク6の形成範囲が積層体2の上面2cに隣接する側面2fにまで達しているので、方向性の識別力を損なうことなくマークの面積を広くすることができ、より確実に方向性を識別することができる。
次に、図2を参照して、上述した構成の積層型電子部品の製造方法について説明する。
まず、ドクターブレード法などによりシート成型し、絶縁体グリーンシートA1〜A10を用意する。なお、絶縁体グリーンシートA1〜A10は、シート形成の際に酸性化合物等の添加又は脱イオン処理等により、密度が例えば2.62g/cm程度に調整される。
続いて、各絶縁体グリーンシートA4〜A8の所定の位置、すなわちスルーホール電極C1〜C5が形成される予定の位置に、レーザー加工等によってスルーホールをそれぞれ形成する。次に、各絶縁体グリーンシートA3〜A8の上に、各導体パターンB1〜B6をそれぞれ形成する。ここで、各導体パターンB1〜B6及び各スルーホール電極C1〜C5は、銀又はニッケルなどを含んだ導電性ペーストを用いてスクリーン印刷法により形成される。
また、最外層となる絶縁体グリーンシートA10の上の所定の位置にマークパターン6aを形成する。マークパターン6aは、予めマークパターン6aが形成されたフィルムを準備し、マークパターン6aが形成された面を絶縁体グリーンシートA10の上面に対向するように圧着し、フィルムを剥がすことにより、マークパターン6aのみが絶縁体グリーンシートA10上に転写されて得られるものである。マークパターン6aを構成する材料としては、例えば絶縁体が非磁性体の場合は、同じ組成の非磁性体に、微量のクロムとコバルトとを混合したものが用いられる。また、絶縁体が磁性体の場合は、チタンとガラスとの混合物が用いられる。
なお、絶縁体グリーンシートA10上に転写されたときのマークパターン6aの厚みは、10μm〜15μm程度が好ましい。この厚みが薄すぎると、焼成前のグリーン状態の積層体をバレル研磨する生バレル工程において、マーク6aが必要以上に研磨されてマークとしての機能を発揮することできない。一方で、この厚みが厚すぎると、焼成後に表面の凹凸が大きくなる。
また、絶縁体グリーンシートA10の上に形成されるマークパターン6aとしては、上述のような転写工法の他に、スクリーン印刷法により直接グリーンシートに形成しても良い。
続いて、各絶縁体グリーンシートA1〜A10を図2に示される順序にて積層し、積層方向に圧力を加えて各絶縁体グリーンシートA1〜A10を圧着する。この際、絶縁体グリーンシートA1〜A10の密度(2.62g/cm程度)は、従来のグリーンシートの密度(3.0g/cm程度)と比較して低密度であるため、導体パターンB1〜B6を挟む位置にある各グリーンシートA1〜A10が大きく凹んで変形し、導体パターンB1〜B6の厚みを吸収することができることとなる。
続いて、この積層された絶縁体グリーンシートA1〜A10を、所定温度(例えば、840〜900℃程度)にて焼成を行い、積層体2を形成する。積層体2は、例えば、焼成後における長手方向の長さが0.4mm、幅が0.2mm、高さが0.2mmとなるようにする。また、各導体パターンB1〜B6は、例えば、焼成後における幅が30μm、厚みが5μmとなるようにする。
続いて、この積層体2に端部電極4,5を形成する。これにより、積層型インダクタ1が形成されることとなる。端部電極4,5は、積層体2の長手方向の両端面にそれぞれ銀、ニッケル又は銅を主成分とする電極ペーストを塗布して、所定温度(例えば、680〜740℃程度)で焼付けを行い、さらに電気めっきを施すことにより形成される。この電気めっきとしては、Cu、Ni及びSn等を用いることができる。
以上のように、この積層型インダクタ1では、コイル3の軸方向に交わる積層体2の一面に設けられるマーク6が、端部電極の一方から他方に延びる方向に沿って形成されている。このため、端部電極の形成範囲のばらつきなどによって、マーク6の識別力に与える影響が少なくなり、小型化された積層型インダクタ1であっても確実に積層型インダクタ1の方向性を認識することができる。さらに、マーク6は、軸方向から見たときに導体パターンが形成される領域における、導体パターンの積層方向に重なる層数の少ない部分3bを覆うように形成されている。このため、マーク6の形成層が導体パターンの層数の少ない部分3bにおける層数を補うために、マークが導体パターンの層数の多い部分3aを覆うように設けられる場合に比べて、積層体2の表面2cの凹凸が少なくなる。したがって、実装装置による部品の吸着不良などが無くなり、実装時の歩留まりが向上する。
(第2実施形態)
図5は、本発明に係る積層型電子部品として積層型インダクタの第2実施形態を示す外観斜視図である。図6は、図5に示す積層型インダクタの分解斜視図である。図7は、図5に示す積層型インダクタの断面図である。本実施形態の積層型インダクタ10は、積層体2の上面2cだけではなく下面2dにもマーク7が形成されている点で第1実施形態に係る積層型インダクタ1と異なる。
すなわち、図5〜図7に示されるように、本実施形態は、マーク6が、積層体2の上面に、軸方向から見たときに導体パターンB1〜B6が形成される領域における、重なり合う導体パターンの層数の少ない部分を覆うように形成されている。そして、積層体2の上面2cに対向する下面2d(絶縁体グリーンシートA1の下面)であって、マーク6の形成位置に対向する位置にマーク7が形成されている。
以上のように、本実施形態の積層型インダクタ10は、各マーク6,7が積層体2の対向する2面に設けられているので、多数の積層型インダクタを方向をそろえてキャリアテープに配置するテーピング工程において、方向をそろえるための効率が格段に向上する。
(第3実施形態)
図8は、本発明に係る積層型電子部品として積層型インダクタの第3実施形態を示す外観斜視図である。図9は、図8に示す積層型インダクタの分解斜視図である。図10は、図8に示す積層型インダクタの断面図である。本実施形態に係る積層型インダクタ20は、積層体2に設けられたマーク6と、マーク6が形成されていない積層体2の上面2cと、を覆うように段差吸収層8が形成されている点で第1実施形態に係る積層型インダクタ1と異なる。
段差吸収層8は、その下層に設けられたマーク6を目視やカメラなどで識別できる程度に光透過性を有している。段差吸収層8は、ストロンチウム、カルシウム、アルミナ及び酸化珪素からなるガラスと、アルミナとからなるガラス系セラミックスなどを用いることができる。特に、絶縁体として非磁性体を用いる場合、段差吸収層8は製造上の観点から絶縁体と同じ材質を用いることが好ましい。また、段差吸収層8は、ドクターブレード工法、印刷工法、薄膜工法などにより形成される。この段差吸収層8の厚みは、10μm〜40μmであることが好ましい。この厚みが薄すぎると、マーク6と積層体2の段差を吸収する機能が発揮できない。一方で、この厚みが厚すぎるとマークとしての認識が困難となる。
以上のように、本実施形態の積層型インダクタ30では、マーク6と積層体2との段差を吸収する段差吸収層8が設けられているので、マーク6と積層体2との境界付近で生じる僅かな段差も吸収することができる。したがって、さらに積層体2の表面に凹凸のない積層型インダクタを形成することができる。
本発明に係る積層型電子部品において、基板への実装時の歩留まりが向上することを確認するために、実施例に係る積層型電子部品と比較例に係る積層型電子部品とで試験を行った。以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
積層型電子部品として図1〜図4に示されるような、略3.5ターンのコイル(導体パターンの積層数は、4層の部分と3層の部分が存在する)を内蔵し、積層体2の上面2c上であって、積層体2の側面2f側に片寄ってマークを形成した構造の積層型インダクタを作製した。したがって、マーク直下の導体パターンの積層数は3層である。ここで、積層型インダクタの形状は、0603形状(長さ0.6mm×幅0.3mm×厚さ0.3mm)である。
(実施例2)
積層型インダクタの形状を0402(長さ0.4mm×幅0.2mm×厚さ0.2mm)とした以外は、実施例1と同様とした。
(比較例1)
マークの形成位置を、図1で示されるところの積層体2の上面2c上であって、積層体2の側面2e側に片寄って形成した以外は実施例1と同様とした。したがって、マーク直下の導体パターンの積層数は4層である。
(比較例2)
積層型インダクタの形状を0402(長さ0.4mm×幅0.2mm×厚さ0.2mm)とした以外は、比較例2と同様とした。
(試験)
試験は、ピックアップ試験と、シフティング/チップ立ち試験とを行った。ピックアップ試験は、以下の手順で行った。まず、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2に係る積層型インダクタ(以下、各サンプルとする)をそれぞれ複数個ずつ準備した。各サンプル毎に用意したキャリアテープに、マークの向きを揃えて配置した。次に、実装装置を用いて、各キャリアテープから供給された各サンプルをはんだ電極パッド(はんだは、Sn−Ag−Cu系のPbフリーはんだを使用)が印刷された基板に連続的にマウントした。そして、実装装置の吸着ノズルが、各キャリアテープからピックアップできた各サンプル数をカウントしてピックアップ率を算出した。なお、基板は各サンプルにつき20枚ずつ準備し、各サンプルは基板1枚に対して1200個ずつマウントした。したがって、各サンプルは、それぞれについて合計24000個のサンプルをマウントしたことになる。
シフティング/チップ立ち試験は、以下の手順で行った。まず、各サンプルをそれぞれ複数個ずつ準備した。各サンプル毎に用意したキャリアテープに、マークの向きを揃えてキャリアテープに配置した。次に、実装装置を用いて、各キャリアテープから供給された各サンプルをはんだ電極パッドが印刷された基板に連続的にマウントした。さらに、ピーク温度250℃、10秒、Nガス雰囲気の条件でリフロー処理を施して各サンプルを基板に実装した。そして、外観検査によりシフティング、チップ立ちの有無をカウントした。なお、各サンプルは、実装不良が起こりやすいように、はんだ電極パッドの形成位置に対して意図的に若干ズラした位置にマウントしてリフロー処理を行い実装した。また、各サンプルの実装数は、ピックアップ試験と同様に、各サンプルにつき基板を20枚ずつ準備し、基板1枚に対して1200個ずつマウントした。したがって、各サンプルは、それぞれについて合計24000個のサンプルをマウントしたことになる。
ここで、図11及び図12を参照して、シフティング及びチップ立ちについて説明する。図11は、シフティングを説明するための図である。図12は、チップ立ちを説明するための図である。シフティングとは、図11に示されるように、基板11上のはんだ電極パッド12に対して、積層型インダクタの各端部電極4,5がずれた位置に実装された状態を示す。シフティングには、図11に示されるような一方の端部電極の位置がずれた状態に加えて、双方の端部電極の位置がずれた状態も含まれる。チップ立ちとは、図12に示されるように、一方の端部電極5がはんだ電極パッド12から完全に離れて、他方の端部電極4のみにより基板11に固定されている状態を示す。
試験結果を図13に示す。図13に示されるように、各実施例1、2に係る積層型インダクタのピックアップ率は、それぞれ、製品生産上において問題の無いレベルとされる99.98%,99.95%であるのに対して、各比較例1,2に係る積層型インダクタのピックアップ率は、それぞれ99.82%,99.79%であった。また、各実施例1、2に係る積層型インダクタのシフティング及びチップ立ちは、各比較例1,2に係る積層型インダクタに比べて良好な結果となった。したがって、実施例に係る積層型インダクタは、比較例に係る積層型インダクタに比べて、基板実装時の歩留まりが高いことが確認された。
本発明に係る積層型電子部品として積層型インダクタの第1実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示す積層型インダクタの分解斜視図である。 図1に示す積層型インダクタの正面図である。 図1に示す積層型インダクタの断面図である。 本発明に係る積層型電子部品として積層型インダクタの第2実施形態を示す外観斜視図である。 図5に示す積層型インダクタの分解斜視図である。 図5に示す積層型インダクタの断面図である。 本発明に係る積層型電子部品として積層型インダクタの第3実施形態を示す外観斜視図である。 図8に示す積層型インダクタの分解斜視図である。 図8に示す積層型インダクタの断面図である。 シフティングを説明するための図である。 チップ立ちを説明するための図である。 実施例及び比較例のピックアップ、シフティング及びチップ立ちに関する試験の評価結果を示す図である。
符号の説明
1,10,20…積層型インダクタ、2…積層体、3…コイル、4,5…端部電極、6,7…マーク、8…段差吸収層、A1〜A10…絶縁体グリーンシート、B1〜B6…導体パターン、C1〜C5…スルーホール電極。

Claims (2)

  1. 絶縁体層と導体パターンとが積層され内部にコイルが形成された略直方体の積層体と、
    当該積層体の前記コイルの軸方向に交わる方向の両端面に形成された端部電極と、を備える積層型電子部品であって、
    前記軸方向に交わる前記積層体の一面に、前記端部電極の一方から他方に延びる方向に沿って半分に分割された一方の領域に設けられると共に、厚みが5μm〜8μmであり且つ表面が露出した一層のマークを備え、
    前記軸方向から見たときに前記導体パターンが形成される領域のうち前記マークが設けられた側の領域における、前記導体パターンの積層方向に重なる層数が、前記マークが設けられていない側の領域における、前記導体パターンの積層方向に重なる層数よりも一層少なく、前記導体パターンの厚みが5μmであることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記マークは、前記一面に隣接する一方の側面に達するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
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