JP4920801B2 - フラックス投入装置、連続鋳造設備、フラックス投入方法、及び連続鋳造方法 - Google Patents

フラックス投入装置、連続鋳造設備、フラックス投入方法、及び連続鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋳型内の溶鋼湯面にフラックスを供給しながら鋳片を製造する際に用いられるフラックス投入装置と、このフラックス投入装置を備えた連続鋳造設備とに関する。さらに、本発明は、鋳型内にフラックスを供給するフラックス投入方法と、このフラックス投入方法を用いた連続鋳造方法とに関する。
連続鋳造設備においては、鋳型に注入された溶鋼湯面に、SiOやCaO等を主成分とするフラックス(以下、パウダー)を供給することで、鋳型内溶鋼湯面の酸化防止や、鋳型内溶鋼中の介在物の吸収や、更には鋳型内壁面及び溶鋼間の潤滑等を行いながら、鋳片を製造している。このパウダーの供給においては、作業性向上の観点から、以下に示す装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、パウダーを供給する投入ホッパーと、この投入ホッパーに接続された投入シュートとを備え、しかも、この投入シュートに、パウダーの安息角に若干プラスした角度を加えた傾斜が付与されたパウダー投入装置が開示されている。このパウダー投入装置によれば、パウダーを、投入シュートを介して自重で落下させることで、鋳型内へ散布できる。
また、特許文献2には、パウダーを鋳型内に散布する旋回シュートと、この旋回シュートの先端部に設けられて鉛直上下方向に動作可能な可動式先端シュートとを備えたパウダー投入装置が開示されている。さらに、このパウダー投入装置は、振動機構を有し、パウダーを、その自由落下に頼ることなく鋳型内に投入することができる。このパウダー投入装置によれば、旋回シュートの旋回と同時に可動式先端シュートを鉛直上下方向に動作させることができるので、パウダーを鋳型内に安定供給できる。
また、従来、連続鋳造設備の鋳床作業スペースを確保するために、顆粒状パウダー(フラックス)を貯蔵する貯蔵ホッパーを、連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型とも言う)の周囲から離れた場所に設置し、貯蔵ホッパーから鋳型に向かって直列配置された複数の搬送管を介して顆粒状パウダーを鋳型内へ供給することも行われている。
例えば、特許文献3に開示された鋳造パウダー供給装置では、搬送管を直列に2本連通接続し、搬送管と移送管との間、及び両搬送管同士の間を、それぞれ水平旋回自在に連結している。さらに、各連結部に駆動モータを設けるとともに、搬送管の最先端に対して屈曲させた状態で散布ノズルを連通接続している。
また、特許文献4には、貯蔵タンクから切り出されたパウダーを撹拌した後、このパウダーをパウダー供給部へと圧送し、複数本に分岐した散布ノズルへパウダーを供給すると共に、パウダー切替え時にパウダー供給部に残存するパウダーを貯蔵タンクへと回収する、連続鋳造用パウダーの供給装置が開示されている。
さらに、特許文献5には、粉体貯留ホッパーと、第1貯蔵容器と、第2貯蔵容器と、機械的供給機とを有し、第1貯蔵容器と第2貯蔵容器の間を着脱可能な継ぎ手で繋いだ、連続鋳造用の粉体供給装置が開示されている。
日本国特開2004−306060号公報 日本国特開2007−181845号公報 日本国特開平11−285796号公報 日本国特開平1−118350号公報 日本国特開平1−215449号公報
しかしながら、上記特許文献1〜5に開示された従来技術は、解決すべき以下のような問題を有していた。
すなわち、特許文献1に記載の装置では、投入シュートの傾斜角のみが規定され、パウダーの落下開始位置の、溶鋼湯面からの高さ範囲が規定されていない。よって、パウダーの落下開始位置の高さが高くなるに伴ってパウダーの溶鋼湯面衝突時の速度が増すため、あまり高くなりすぎると、パウダーが溶鋼の湯面に衝突することによる湯面変動が発生する可能性がある。このような場合、湯面変動に起因して鋳片の製品品質低下を招く恐れがあった。
また、特許文献2に記載の装置では、旋回シュート内のパウダーを、パウダーの自由落下を用いることなく、振動機構を用いて鋳型内に供給している。しかしながら、この装置では、振動機構等の装置が、作業者が鋳床作業をする際の障害となり、また設備費が高くなるという課題があった。更に、パウダーの自由落下を用いないため、パウダーを鋳型内に供給するのに時間を要し、パウダーを迅速に鋳型内の湯面に供給する必要がある場合に問題があった。
また、特許文献3に記載の装置では、中空パウダーや顆粒状パウダーを、スクリューフィーダを用いて搬送しているが、遠距離まで搬送する場合、鋳造状況に応じてスクリューフィーダを短時間で間欠運転すると、スクリューとこれを内蔵するパイプ内面との間に上記パウダーが噛み込まれて粉化する。この場合、粉化したパウダーを鋳型内に投入すると、パウダーの溶融特性が粉化前の元の状態から変化してしまい、鋳型内面の潤滑が不安定となり、操業トラブルが発生する懸念があった。
上述のように、これら特許文献1〜3に開示の装置では、パウダーの供給に際し、溶鋼の湯面変動やパウダーの溶融特性の変化が鋳片の製品品質を向上させる上で特に問題となっており、これを解決するための装置や方法が望まれていた。
さらに言うと、上記特許文献3〜5に記載のいずれの技術も、パウダーの搬送に際して主に気流搬送を用いているため、顆粒状パウダーを搬送する際に、顆粒状パウダーが搬送管内面に衝突して粉化し、搬送管内で詰まりを起こす可能性がある。そのため、顆粒状パウダーの安定供給を実現することができなかった。更に、このように粉化した顆粒状パウダーを鋳型内に供給した場合、滓化性及び潤滑性や保温性が不安定になるという問題もあった。
上述のように、これら特許文献3〜5に開示の装置では、顆粒状パウダーの粉化防止と安定供給の両立が、鋳片の製品品質を向上させる上で特に問題となっており、これを解決するための装置や方法が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、鋳片の製品品質を向上させることができる、フラックス投入装置、連続鋳造設備、フラックス投入方法、及び連続鋳造方法の提供を目的とする。
本発明は、上記問題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用した。すなわち、
(1)本発明のフラックス投入装置は、フラックスを一時的に貯留する投入ホッパーと;この投入ホッパーに後端が接続されるとともに先端が鋳型内上方に位置するように傾斜配置された供給管と;を備えたフラックス投入装置であって、前記鋳型内の溶鋼湯面から前記投入ホッパーまでの高さ寸法Hが0.5m以上かつ3.0m以下であり;前記供給管の水平方向に対する最小傾斜角度αが20度以上であり;前記投入ホッパーの前記フラックスの排出口と、前記供給管の前記先端の下部位置とを結ぶ仮想直線が前記水平方向に対してなす角度θが、54.6×H−0.5度以下である。
(2)上記(1)に記載のフラックス投入装置では、前記供給管が、互いに接続された複数の直管を有し;これら直管のうち、前記水平方向に対する傾斜角度が最も小さいものの傾斜角度が、前記最小傾斜角度αである;構成を採用してもよい。
(3)上記(1)に記載のフラックス投入装置では、前記供給管の前記先端の前記水平方向における位置が、この供給管の真下位置における前記鋳型の内壁面位置を基準とした場合、前記鋳型の内方に向かって50mmの位置から、この鋳型の外方に向かって200mmの位置までの範囲内であってもよい。
(4)上記(1)に記載のフラックス投入装置は、前記供給管内に、この供給管内の流路断面積1cmあたり、0を超えて3リットル/分以下の流量で気体を吹き込む気体供給手段をさらに備えてもよい。
(5)本発明の連続鋳造設備は、上記(1)〜(4)の何れか1項に記載のフラックス投入装置と、前記鋳型とを備える。
(6)上記(5)に記載の連続鋳造設備では、前記鋳型による鋳片の鋳造速度が0.6m/分以上であってもよい。
また、上記記載の連続鋳造設備が、前記フラックスを貯蔵する貯蔵ホッパーと;この貯蔵ホッパーから前記フラックスを搬送する搬送用スクリューコンベアと;この搬送用スクリューコンベアで搬送されてきた前記フラックスを受け入れる中継ホッパーと;この中継ホッパーと前記投入ホッパーとの間に設けられた切り出し用スクリューコンベアと;前記搬送用スクリューコンベアの運転制御を行う制御装置と;をさらに備え、前記切り出し用スクリューコンベアの搬送距離が、前記搬送用スクリューコンベアの搬送距離よりも短く;前記制御装置が、所定時間、前記搬送用スクリューコンベアによる搬送量を所定搬送量以上に制御する;構成を採用してもよい。
また、上記記載の連続鋳造設備では、前記切り出し用スクリューコンベアの搬送距離が7m以下であってもよい。
また、上記記載の連続鋳造設備では、前記所定時間が2分以上かつ5分以下であり;前記所定搬送量が、1kg/分以上かつ20kg/分以下の範囲内であってもよい。
また、上記記載の連続鋳造設備では、前記搬送用スクリューコンベアが、複数のスクリューコンベアと;これらスクリューコンベア間に配置された連結ホッパーと;を備え、前記制御装置が、前記各スクリューコンベアの搬送動作を個別に制御する、構成を採用してもよい。
)本発明のフラックス投入方法は、傾斜配置された供給管を通してフラックスを落下させて鋳型内の溶鋼湯面に供給する方法であって、前記溶鋼湯面から前記フラックスの落下開始位置までの高さ寸法Hを0.5m以上かつ3.0m以下とし;前記供給管の水平方向に対する最小傾斜角度αを20度以上とし;前記落下開始位置と前記供給管の先端下部の位置との間を結ぶ仮想直線が前記水平方向に対してなす角度θを、54.6×H−0.5度以下とする。
)上記()に記載のフラックス投入方法が、前記供給管内に、この供給管内の流路断面積1cmあたり、0を超えて3リットル/分以下の流量で気体を吹き込む工程をさらに備えてもよい。
)本発明の連続鋳造方法は、上記()または()に記載のフラックス投入方法を用いて前記鋳型内の前記溶鋼湯面に前記フラックスを供給する工程を含む。
10)上記()に記載の連続鋳造方法では、前記鋳型による鋳片の鋳造速度が0.6m/分以上であってもよい。
また、上記記載の連続鋳造方法が、前記フラックスを、このフラックスを貯蔵する貯蔵ホッパーから搬送用スクリューコンベアを介して中継ホッパーに搬送する工程と;さらにこのフラックスを、前記中継ホッパーから切り出し用スクリューコンベア、前記投入ホッパー及び前記供給管を介して前記鋳型内へ供給する工程と;を備え、前記切り出し用スクリューコンベアの搬送距離を、前記搬送用スクリューコンベアの搬送距離よりも短くし;前記搬送用スクリューコンベアの搬送量を、所定時間、所定搬送量以上とする;ようにしてもよい。
また、上記記載の連続鋳造方法では、前記切り出し用スクリューコンベアの搬送距離を7m以下としてもよい。
また、上記記載の連続鋳造方法では、前記所定時間が2分以上かつ5分以下であり;前記所定搬送量が、1kg/分以上かつ20kg/分以下の範囲内である;ようにしてもよい。
また、上記記載の連続鋳造方法では、前記搬送用スクリューコンベアが、複数のスクリューコンベアと、これらスクリューコンベア間に配置された連結ホッパーとを備え;前記各スクリューコンベアの搬送動作を個別に制御する;ようにしてもよい。
本発明の上記(1)に記載のフラックス投入装置によれば、パウダーの落下開始位置を示す高さ寸法Hと、落下開始位置と供給管の先端の下部位置とを結ぶ仮想直線が水平方向に対してなす角度θとのそれぞれが最適範囲に定められているので、フラックスが溶鋼湯面に衝突する際の速度を、湯面変動による製品品質の低下を招く恐れがない程度の速度に調整できる。
また、供給管の水平方向に対する最小傾斜角度αが最適範囲に定められているので、供給管内でのフラックスの詰まりを防止できる。これにより、鋳型内の溶鋼湯面へのフラックス供給を、安価な供給管を用いて、作業の障害となることなく実施できると共に、溶鋼の湯面変動を抑制してさらなる製品品質の向上が可能となる。
上記(2)に記載のフラックス投入装置の場合、供給管を、複数の直管を接続して構成できるので、周囲の環境に応じてフラックスの搬送経路を変更できる。さらに、各直管のうち、水平方向に対する傾斜角度が最も小さい直管の傾斜角度を前記最小傾斜角度αとすることで、複数の直管を使用しても、供給管内におけるフラックスの詰まりを防止できる。
上記(3)に記載のフラックス投入装置の場合、供給管の先端の水平方向における位置が、鋳型の内壁面位置を基準として、鋳型の内方に向かって50mmの位置から、この鋳型の外方に向かって200mmの位置までの範囲内とされているので、供給管が浸漬ノズルと干渉することを防止できる。よって、干渉防止のための複雑な制御機構を設ける必要がない。
上記(4)に記載のフラックス投入装置の場合、フラックスの自重による自然落下に加えて、補助的に、気体供給手段により供給管内に気体を供給することで、鋳型内の溶鋼湯面へのフラックスの供給を、より安定して実施することができる。
上記(5)に記載の連続鋳造設備によれば、上記(1)〜(4)の何れか1項に記載のフラックス投入装置を備えているので、フラックスの供給による湯面変動を効果的に抑制できる。したがって、鋳片の製品品質を向上させることができる。
上記(6)に記載の連続鋳造設備の場合、鋳片の鋳造速度が0.6m/分以上になると溶鋼の湯面変動が発生し易くなるが、本発明のフラックス投入装置を備えているので、フラックスの投入による湯面変動を抑制できる。したがって、本発明の効果をより顕著に発現することが可能になる。
また、上記記載の連続鋳造設備の場合、搬送用スクリューコンベアと切出し用スクリューコンベアとの間に中継ホッパーを設けるので、中継ホッパーを境として、その上流側に配置された搬送用スクリューコンベアは中継ホッパー内のフラックス(例えば顆粒状パウダー)の量に応じて、また下流側に配置された切出し用スクリューコンベアは鋳造状況に応じて、それぞれ個別にフラックスの搬送量を調整できる。
一般的には、切出し用スクリューコンベアにより、中継ホッパーから投入ホッパー及び供給管を介してフラックス(例えば顆粒状パウダー)を鋳型内へ所定量ずつ供給すると(即ち、極短時間の間欠運転を行うと)、フラックスの粉化率が上昇する。このため、従来では、鋳型内へ供給したフラックスの溶融速度が不安定になり、溶鋼湯面に不均一な溶融層が形成され、安定的に凝固シェルの形成を促進できず、操業が不安定になっていた。一方、本発明では、搬送用スクリューコンベアを短時間の高速運転とし、切出し用スクリューコンベアの搬送距離を、搬送用スクリューコンベアの搬送距離よりも短くしているので、切出し用スクリューコンベアを極短時間の間欠運転で用いても、貯蔵ホッパーから鋳型内に供給されるフラックスの粉化を抑制することができる。その結果、フラックスの粉化防止と安定供給との両立が図れる。従って、フラックスを鋳型内へ供給した際の滓化性及び潤滑性や保温性を良好な状態に維持し、安定した鋳造を実施できる。
また、上記記載の連続鋳造設備の場合、切出し用スクリューコンベアの搬送距離を7m以下にしているので、切出し用スクリューコンベアの運転による顆粒状パウダーの粉化率を更に低減できる。
また、上記記載の連続鋳造設備の場合、搬送用スクリューコンベアの運転時間とフラックスの搬送量とを適切に規定するので、搬送用スクリューコンベアの運転によるフラックスの粉化率を、更に効果的に低減できる。ここで、鋳型内へ供給されるフラックスの粉化率を15質量%以下に低減した場合、フラックスの滓化性及び潤滑性や保温性を、更に良好な状態にできる。
また、上記記載の連続鋳造設備の場合、例えば、貯蔵ホッパーから鋳型までの間の搬送距離が長い場合や、搬送経路の途中に障害物が存在しても、複数のスクリューコンベアを接続して適切なフラックスの搬送経路を構築することができる。その結果、フラックスの粉化防止と安定供給との両立を図りながら搬送できる。
上記()に記載のフラックス投入方法によれば、上記(1)に記載のフラックス投入装置と同様の作用効果を得ることが出来る。すなわち、パウダーの落下開始位置を示す高さ寸法Hと、落下開始位置と供給管の先端の下部位置とを結ぶ仮想直線の水平方向とのなす角度θとのそれぞれを最適範囲に定めるので、フラックスが溶鋼湯面に衝突する際の速度を、湯面変動による製品品質の低下を招く恐れがない程度の速度に調整できる。
また、供給管の水平方向に対する最小傾斜角度αを最適範囲に定めるので、供給管内でのフラックスの詰まりを防止できる。これにより、鋳型内の溶鋼湯面へのフラックス供給を、安価な供給管を用いて、作業の障害となることなく実施できると共に、溶鋼の湯面変動を抑制してさらなる製品品質の向上が可能となる。
上記()に記載のフラックス投入方法の場合、フラックスの自重による自然落下に加えて、補助的に気体を供給することで、鋳型内の溶鋼湯面へのフラックス供給を、より安定して実施することができる。
上記()に記載の連続鋳造方法の場合、上記()または()に記載のフラックス投入方法を用いているので、フラックスの供給による湯面変動を効果的に抑制できる。したがって、鋳片の製品品質を向上させることができる。
上記(10)に記載の連続鋳造方法の場合、鋳片の鋳造速度が0.6m/分以上になると溶鋼の湯面変動が発生し易くなるが、本発明のフラックス投入方法を採用しているので、フラックスの投入による湯面変動を抑制できる。したがって、本発明の効果をより顕著に発現することが可能になる。
また、上記記載の連続鋳造方法の場合、搬送用スクリューコンベアと切出し用スクリューコンベアとの間に中継ホッパーを介在させるので、中継ホッパーを境として、その上流側に配置された搬送用スクリューコンベアは中継ホッパー内のフラックス(例えば顆粒状パウダー)の量に応じて、また下流側に配置された切出し用スクリューコンベアは鋳造作業の進行状況に応じて、それぞれ個別にフラックスの搬送量を調整できる。
一般的には、切出し用スクリューコンベアにより、中継ホッパーから投入ホッパー及び供給管を介してフラックス(例えば顆粒状パウダー)を鋳型内へ所定量ずつ供給すると(即ち、極短時間の間欠運転を行うと)、フラックスの粉化率が上昇する。このため、従来では、鋳型内へ供給したフラックスの溶融速度が不安定になり、溶鋼湯面に不均一な溶融層が形成され、安定的に凝固シェルの形成を促進できず、操業が不安定になっていた。一方、本発明では、搬送用スクリューコンベアを短時間の高速運転とし、切出し用スクリューコンベアの搬送距離を、搬送用スクリューコンベアの搬送距離よりも短くしているので、切出し用スクリューコンベアを極短時間の間欠運転で用いても、貯蔵ホッパーから鋳型内に供給されるフラックスの粉化を抑制することができる。その結果、フラックスの粉化防止と安定供給との両立が図れる。従って、フラックスを鋳型内へ供給した際の滓化性及び潤滑性や保温性を良好な状態に維持し、安定した鋳造を実施できる。
また、上記記載の連続鋳造方法の場合、切出し用スクリューコンベアの搬送距離を7m以下にしているので、切出し用スクリューコンベアの運転による顆粒状パウダーの粉化率を更に低減できる。
また、上記記載の連続鋳造方法の場合、搬送用スクリューコンベアの運転時間とフラックスの搬送量とを適切に制御するので、搬送用スクリューコンベアの運転によるフラックスの粉化率を、更に効果的に低減できる。ここで、鋳型内へ供給されるフラックスの粉化率を15質量%以下に低減した場合、フラックスの滓化性及び潤滑性や保温性を、更に良好な状態にできる。
また、上記記載の連続鋳造方法の場合、例えば、貯蔵ホッパーから鋳型までの間の搬送距離が長い場合や、搬送経路の途中に障害物が存在する場合であっても、複数のスクリューコンベアを接続して適切なフラックスの搬送経路を構築することができる。その結果、フラックスの粉化防止と安定供給の両立を図りながら搬送できる。
本発明の第1実施形態に係るフラックス投入装置を備えた連続鋳造設備の機器配置を示す側面図である。 同フラックス投入装置の供給管と鋳型内の溶鋼湯面との位置関係を示す縦断面図である。 フラックス(パウダー)が溶鋼湯面に衝突した際の湯面衝突速度と湯面変動量との関係を示すグラフである。 フラックスの落下開始位置と供給管の先端の下部位置とを結ぶ仮想直線が水平方向に対してなす角度θと、落下開始位置の溶鋼湯面からの高さ寸法Hとが、湯面変動量に及ぼす影響を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る連続鋳造設備の機器配置を示す側面図である。 同連続鋳造設備の変形例を示す側面図である。 運転方法が異なるスクリューフィーダによるフラックス(顆粒状パウダー)の搬送距離とその粉化率との関係を示す説明図である。 本実施形態の一実施例を示す図であって、低稼働のスクリューフィーダの運転方法と高稼動のスクリューフィーダの運転方法とを示す説明図である。 スクリューフィーダの運転方法と顆粒状パウダーの粉化率との関係を示す説明図である。
本発明のフラックス投入装置、連続鋳造設備、フラックス投入方法、及び連続鋳造方法の各実施形態を以下に説明するが、本発明がこれらのみに限定されるものでないことは勿論である。
[第1実施形態]
図1及び図2に示すように、本実施形態のフラックス投入方法を用いた連続鋳造方法は、フラックス(以下、パウダー10)を、斜め下方へ向けて傾斜させた筒状の供給管11を通して自重落下させ、鋳型12内の溶鋼湯面13上に供給しながら鋳片を製造する方法であり、鋳込床での作業の障害となることなく、簡単な構成で溶鋼の湯面変動を抑制でき、鋳片の製品品質を向上できる方法である。
そして、この連続鋳造方法を実施するための、本実施形態のフラックス投入装置を備えた連続鋳造設備は、パウダー10を貯留する貯蔵ホッパー15と、この貯蔵ホッパー15の下端に接続されて鉛直方向真下に向かって延在する降下管16と、この降下管16の下端に接続されて水平方向に延在する移送管17と、この移送管17の先端に接続されたフラックス投入装置1と、このフラックス投入装置1からのパウダー10の投入を受ける鋳型12と、この鋳型12の上方に配置されたタンディッシュ19及び浸漬ノズル20と、を備えている。
前記フラックス投入装置1は、移送管17から送られてきたパウダー10を受け入れるパウダー投入ホッパー18と、このパウダー投入ホッパー18の下端に接続されて傾斜配置された供給管11とを備えている。供給管11は、その後端がパウダー投入ホッパー18に接続される一方、先端が鋳型12の内部上方に位置するように傾斜配置されている。
なお、本実施形態で使用するパウダー10としては、従来公知のパウダーである、内部に空間が形成された中空状の中空パウダーや、顆粒状の顆粒パウダーや、粉末状の粉末パウダーが含まれる。
パウダー10は、タンディッシュ架台14上に設置された貯蔵ホッパー15から適量が切り出された後、降下管16内を自重で落下して、スクリューフィーダを内装した移送管17により、パウダー投入ホッパー18へと送られる。そして、パウダー投入ホッパー18の下端から、供給管11を介して自重により、溶鋼湯面13上へ供給される。
供給管11は、パウダー投入ホッパー18の下端位置から、溶鋼湯面13へ向けて傾斜した配管であり、パウダー10を自由落下させることを前提としている。供給管11の構成及び配置の詳細について以下に説明する。
供給管11は、複数本(本実施形態では4本)の直管21〜24を直列に接続して構成されており、多段階に折れ曲がっている。より具体的に言うと、供給管11は、パウダー投入ホッパー18の下端に接続されてかつ鉛直方向下方に向かって延在する直管21と、この直管21の下端に接続されてかつ斜め下方に向かって傾斜配置された直管22と、この直管22の下端に接続されてかつ鉛直方向下方に向かって延在する直管23と、この直管23の下端に接続されてかつ鋳型12内の溶鋼湯面13の上方に向かって傾斜配置された直管24と、を備えている。なお、供給管11を構成する直管の本数は、本実施形態の4本のみに限定されるのではなく、例えば、供給管11の周囲の環境条件に応じて、2本又は3本、更には5本以上(上限は、例えば10本程度)で構成してもよい。
この供給管11を構成する各直管21〜24のうち、水平方向に対する傾斜角度が最も小さい直管24(最下流に位置する直管)の最小傾斜角度αは20度以上となっている。
ここで、最小傾斜角度αが20度未満の場合、パウダー10の種類によってばらつきがあるものの、供給管11内でパウダー10の詰まりが発生する虞が高い。また、最小傾斜角度αが20度未満の場合、鋳込床で作業者が作業する際の邪魔となる。このため、最小傾斜角度αを、30度以上、更には35度以上とすることがより好ましい。
なお、本実施形態では、供給管11を構成する最も下流側に位置する直管24の傾斜角度を前記傾斜角度αとした場合について説明したが、供給管11の最も上流側又は中間部に配置された直管の傾斜角度を最も小さくして、これを最小傾斜角度αとしてもよい。これは、最小傾斜角度αを設定することが、パウダー10の詰まり発生を防止することを目的としており、複数の直管21〜24のうち、水平方向に対する傾斜角度が最も小さい直管の最小傾斜角度αを規定しておけば、他の直管については特に規定せずともパウダー10の詰まり発生を防止できることによる。
また、本実施形態では、供給管11を構成する直管に、鉛直方向に配置された直管21,23を含めているが、これら直管21,23を使用することなく、水平方向に対する傾斜角度が20度以上かつ90度未満で傾斜配置された直管のみを使用してもよい。
また、供給管11は、本実施形態のように複数の直管21〜24を直列接続して構成したもののみに限らず、一直線状をなす1本の直管のみで構成してもよい(図示略)。この場合、この直管の水平方向に対する傾斜角度が、上記した最小傾斜角度αとなる。
更に、供給管11は、直管のみに限らず、円弧状となった1本又は2本以上の湾曲管で構成してもよい(図示略)。この場合の最小傾斜角度αは、前記湾曲管の下流側端部における接線が水平方向に対してなす角度で表される。なお、湾曲管は、供給管11を構成する複数の直管の1部として使用することもできる。
以上説明の供給管11は、パウダー10の落下開始位置H、即ち、パウダー投入ホッパー18と接続される供給管11の基端位置の、溶鋼湯面13からの高さ寸法H(以下、単に高さ寸法Hとも言う)を、0.5m以上かつ3m以下の範囲内に設定している。さらに、この供給管11では、落下開始位置Hと供給管11の先端下部位置(以下、先端位置P)とを結ぶ仮想直線(図1に示す二点鎖線)が水平方向に対してなす角度θ(以下、単に「なす角度θ」とも言う)を、54.6×H−0.5で求められる角度以下に設定している。従って、図1からも明らかなように、最小傾斜角度αとなす角度θとの関係は、なす角度θが必ず最小傾斜角度α以上(θ≧α)になる。ここで、なす角度θが大きすぎると、鋳型12内へパウダー10を供給した時、鋳型12内にパウダー10が落下した際にパウダー粉が舞い上がって作業環境を悪化させる以外に、鋳片品質の悪化につながる湯面変動量の増加につながる場合があることを、本発明者らは新たに知見した。
以下、高さ寸法Hとなす角度θを、上記のように規定した理由について説明する。
まず、パウダーが溶鋼湯面に衝突した際の湯面衝突速度Vとその時の湯面変動量との関係について、図3を参照しながら説明する。なお、パウダーには、中空パウダーと顆粒パウダーの2種類を使用した。
一般的には、湯面変動量が小さいと鋳片品質(気泡、介在物などの内質欠陥)が向上する。
図3から明らかなように、鋳造速度が0.6m/分以上の場合、パウダーの湯面衝突速度Vが概ね3.4m/秒を超えると湯面変動量の増加が顕著になる。このことから、パウダーの湯面衝突速度Vを3.4m/秒以下とする必要があることが分かった。
また、鋳造速度が0.6m/分以上の場合(以下、ケース1)と、鋳造速度が0.3〜0.5m/分の場合(以下、ケース2)とを比較すると、ケース1の方がケース2よりも湯面衝突速度の減少効果が大きかった。すなわち、湯面衝突速度が4m/秒から3.4m/秒に減少させた場合における湯面変動量の減少割合を両者で比較してみると、ケース2における湯面変動量の減少割合が約1/2(=2mm/4mm)であるのに対して、ケース1における湯面変動量では1/3(=5mm/15mm)となり、ケース1の方がケース2よりも大幅な改善が見られる事が確認された。したがって、鋳造速度が0.6m/分以上の場合の方が、本発明の効果をより発現できることが確認された。
以上より、本実施形態によれば、湯面変動量を5mm以下に抑制できるため、好ましい鋳片品質を維持することができる。
次に、供給管11の先端位置Pの溶鋼湯面13からの高さ寸法h(図2参照)を100〜300mmの範囲内に調整した際に、パウダー10の湯面衝突速度が3.4m/秒以下となるような、前記なす角度θと前記高さ寸法H(図1参照)との関係を調査した結果について、図4を参照しながら説明する。なお、高さ寸法Hは、0.5m以上かつ3m以下の範囲内で変えた。また、1チャージあたり350トンの溶鋼を2チャージ、鋳片の鋳造速度を1.2m/分にして鋳造した。
図4には、パウダー10の湯面衝突速度Vが3.4m/秒以下となるように、なす角度θ及び高さ寸法Hを変えた場合の実験結果(図中の○印)と、この実験結果にフィットする曲線を計算で求めた実線とを示している。この実線は、近似線であり、θ=54.6×H−0.5の関係を有している。
このように、θ=54.6×H−0.5が、湯面変動量を5mm以下に保つための臨界条件となるため、なす角度θを54.6×H−0.5度以下(θ≦54.6×H−0.5)にした。
また、図4は、中空のパウダーと顆粒のパウダーとを使用し、なす角度θと高さ寸法Hとを種々変更して、湯面変動量を測定した結果についても示している。なお、図4中で、「○」印は湯面変動量が5mm以下の結果を示し、「×」印は湯面変動量が5mmを超えた結果を示している。
この図4から明らかなように、湯面変動量の測定結果は、前記した計算結果とよく合致していた。また、中空と顆粒のいずれのパウダーを使用した場合でも、なす角度θを規定することで、湯面変動量5mm以下を達成できた。なお、中空パウダーを使用した場合に特にばらつきが小さく、湯面変動量の予測精度が高まったことから、中空パウダーを使用することが特に好ましい。
以上の結果より、パウダー10の落下開始位置Hの溶鋼湯面13からの高さ寸法Hを0.5m以上かつ3m以下の範囲内にして、なす角度θを54.6×H−0.5度以下にすることが必要であることが判明した。
なお、供給管11の使用環境等を考慮すれば、高さ寸法Hの下限を1mとすることが好ましい。また、湯面変動量を更に抑制するためには、なす角度θを、50×H−0.5度以下、更には、なす角度θを45×H−0.5度以下にすることがより好ましい。
図2に示すように、供給管11を側面視した場合、その先端位置Pは、パウダー10の落下点が鋳型12内となるように配置されている。一方、この供給管11を平面視した場合には、供給管11の先端位置Pを、鋳型12の内壁面位置Fを基準として、溶鋼湯面13側(溶鋼湯面13の上方側)へ50mmの位置R1から、鋳型12の外方へ200mmの位置R2までの範囲内とするのが好ましい。なお、供給管11の先端位置Pの、溶鋼湯面13からの高さ寸法hは、前記したように、例えば、100mm以上かつ300mm以下の範囲内にあるのが好ましい。
例えば、鋳片を製造する鋳型12の内部空間は、平面視した場合に、250mm程度の短辺と1000mm程度の長辺とを持つ長方形形状を有している。そして、この鋳型12内に配置される浸漬ノズル20の外径寸法は、120mm程度である。供給管11は、鋳型12の長辺側から、長辺をなす内壁面と浸漬ノズル20との間に向けてパウダー10を供給するため、65mm(=(250mm−120mm)/2)程度の隙間に、パウダー10を供給することになる。
従って、供給管11の先端位置Pを、前記内壁面位置Fよりも溶鋼湯面13側へ50mmを超える位置に配置した場合、供給管11が浸漬ノズル20に対して干渉する障害が発生し、この干渉を回避するための複雑な制御機構が必要になるため、好ましくない。
一方、供給管11の先端位置Pを、前記内壁面位置Fよりも鋳型12の外方へ200mmを超える位置に配置した場合、湯面衝突速度が3.4m/秒以下の条件下では、パウダー10を鋳型12内へ確実に落下させることができない。このため、パウダー10は鋳型12の周辺に撒き散らされることになり、鋳型12の下流側に配置された連続鋳造機の冷却ノズル(不図示)の詰まりや粉塵環境の悪化の原因となる恐れがある。
以上のことから、供給管11を平面視した場合に、その先端位置Pを、鋳型12の内壁面位置Fを基準として、溶鋼湯面13側へ50mmの位置R1から、鋳型12の外方へ200mmの位置R2までの範囲内とした。しかしながら、供給管11が鋳型12に加えて他の周辺設備に干渉することの防止や、溶鋼湯面13の状況監視の障害をなくすためには、上記した位置R1を、鋳型12の内壁面位置Fを基準として溶鋼湯面13側へ20mmの位置から、鋳型12の内壁面位置Fの直上(内壁面より鉛直方向上方に向かう延長線上)までの範囲内とするのがより好ましい。
なお、供給管11の先端位置Pの水平方向及び高さ方向の位置決めは、実際にパウダー10を供給して決定してもよいが、供給管11から飛び出したパウダー10の速度等を運動方程式に代入してシミュレーションを行い、その結果に基づいて決定してもよい。
また、パウダー10の投入は、基本的にその自重を利用して行うが、この投入を補助する役割として気体(例えば、空気)を供給管11内に吹き込んでも良い。この場合の気体の流量は、供給管11内の流路断面積1cmあたり、0を超え3リットル/分以下であることが好ましい。
供給管11内に補助的な気体の吹込みを行うと、使用するパウダーの種類(例えば、中空、顆粒、粉末等の状態や粒径)によっては生じる虞がある供給管11内の詰まりを確実に防ぐことができる。すなわち、供給管11内に補助的に気体を吹込むことで、供給管11内におけるパウダー10の流れを促進し、より安定的にパウダー10を鋳型12内へ供給することができる。
なお、なす角度θを30度、高さ寸法Hを1mにし、供給管11内への気体の吹き込み流量を1、2、3リットル/分のそれぞれに調整して、パウダー10の供給を行ったところ、粉塵の発生もなく、周辺にパウダー10が散乱することもなかった。しかし、供給管11内への気体の吹き込み流量が4リットル/分以上になると、湯面変動量が大きくなると共に、粉塵が発生して周辺環境が悪化した。このように、供給管11内に、供給管11内の流路断面積1cmあたり3リットル/分を超える気体を吹込んだ場合には、パウダー10の粉塵により周辺環境が悪化することが分かった。
以上より、供給管11内に流す気体の適正流量を、供給管11内の断面積1cmあたり、0を超え3リットル/分以下とした。なお、この気体の適正流量は、下限を1リットル/分、上限を2リットル/分とすることがより好ましい。
供給管11を使用して鋳型12内にパウダー10を供給しながら、鋳片を製造する場合、鋳型12による鋳片の鋳造速度を0.6m/分以上にすると、上述したように、パウダー供給の際の湯面変動の抑制効果が、特に顕著である。
ここで、鋳造速度が0.6m/分未満の場合、鋳型12内の溶鋼湯面13の流れが遅く、湯面変動量が元々小さいため、パウダー供給の際の湯面変動の抑制効果が顕著に現れない。一方、鋳造速度が速くなるに伴って、本発明によるパウダー供給の際の湯面変動の抑制効果が顕著に現れるため、上限値については規定していないが、通常の操業で用いられている鋳造速度である例えば3m/分を上限としてもよい。
上述の理由により鋳片の鋳造速度の下限値を0.6m/分にしたが、0.8m/分とすることがより好ましく、1.0m/分とすることが更に好ましい。
以上説明の本実施形態のフラックス投入装置、連続鋳造設備、フラックス投入方法、及び連続鋳造方法によれば、簡単な構成・方法で、鋳床作業の障害となることなく、溶鋼の湯面変動を抑制しつつもパウダー10を溶鋼湯面に供給でき、鋳片の製品品質を向上できる。
[第2実施形態]
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明の第2実施形態を以下に説明する。
図5に示すように、本実施形態の連続鋳造設備は、連続鋳造用モールドパウダーの搬送装置110と、この搬送装置110の搬送用スクリューフィーダ118等の運転制御を行う制御装置(不図示)と、鋳型12等を備える。
まず、本実施形態に係るフラックス投入方法を用いたフラックス投入装置と、このフラックス投入装置を備えた連続鋳造設備と、この連続鋳造設備による連続鋳造方法とについて、以下に説明する。
図5に示すように、本実施形態の連続鋳造用モールドパウダーの搬送装置(以下、単に搬送設備とも言う)110は、連続鋳造設備による連続鋳造方法で用いられる顆粒状パウダー(フラックス)の搬送方向に沿って配置された、貯蔵ホッパー111と、スクリューフィーダ(スクリューコンベアの一例)112と、連結ホッパー113と、スクリューフィーダ(スクリューコンベアの一例)114と、中継ホッパー115と、切出し用スクリューフィーダ(切出し用スクリューコンベアの一例)116と、本実施形態のフラックス投入装置である旋回装置117とを、この順に備えている。
中継ホッパー115の上流側に位置する2つのスクリューフィーダ112及び114は、搬送用スクリューフィーダ(搬送用スクリューコンベアの一例)118を構成する。なお、各スクリューフィーダ112,114及び切出し用スクリューフィーダ116は、それらの搬送管の内径寸法やスクリュー(不図示)の構成が同一であるが、異なっていてもよい。
貯蔵ホッパー111は、顆粒状パウダーを貯蔵する。
この貯蔵ホッパー111の下端部には、この下端部より斜め上方に向かって傾斜配置されたスクリューフィーダ112の上流側端部が取付けられている。スクリューフィーダ112は、貯蔵ホッパー111内の顆粒状パウダーを斜め上方に向けて搬送して連結ホッパー113を通過させる。そして、連結ホッパー113を通過した顆粒状パウダーは、スクリューフィーダ114により中継ホッパー115まで搬送される。なお、連結ホッパー113は、顆粒状パウダーを通過させる機能のみを有するものであるが、顆粒状パウダーを一時的に貯留する機能を有するものでもよい。この場合、連結ホッパー113内の顆粒状パウダー量に応じて、隣り合うスクリューフィーダ112,114の運転を、連結ホッパー113を境として別々に制御できる。
本実施形態では、貯蔵ホッパー111と中継ホッパー115との間に、2つのスクリューフィーダ112,114を配置した場合について説明したが、図6に示すように、貯蔵ホッパー111に設けられた1本の搬送用スクリューフィーダ(搬送用スクリューコンベアの一例)119により、貯蔵ホッパー111と中継ホッパー115との間を直接接続してもよい。より具体的に言うと、貯蔵ホッパー111の下端に、1本の搬送用スクリューフィーダ119の上流側端部を接続し、さらにこの搬送用スクリューフィーダ119の下流側端部を中継ホッパー115に接続する。
中継ホッパー115は、顆粒状パウダーを一時的に貯留する。
この中継ホッパー115内には、図示しないレベル計が設置されており、中継ホッパー115内における顆粒状パウダーの貯留量を計測できる。
中継ホッパー115を設けることで、その上流側のスクリューフィーダ112,114は、中継ホッパー115内の顆粒状パウダーの量に応じて(すなわち、顆粒状パウダーの貯留量が予め設定した下限値を下回る前に)、貯蔵ホッパー111内の顆粒状パウダーを中継ホッパー115内へと搬送できる。
また、中継ホッパー115の下流側にある切出し用スクリューフィーダ116は、鋳造作業の進行状況に応じて、鋳型12内へ顆粒状パウダーを所定量ずつ搬送できる。
旋回装置117は、切出し用スクリューフィーダ116により顆粒状パウダーが供給される投入ホッパー120と、この投入ホッパー120の下部より斜め下方に向かって傾斜配置され、投入ホッパー120へ供給された顆粒状パウダーをその自重により自由落下させて鋳型12内の溶鋼湯面13へ供給する供給管である投入シュート121とを有している。
投入シュート121は、側面視してL字状に折れ曲がっているため、投入シュート121の投入ホッパー120との接続部分を、その鉛直方向に沿った軸心を中心として回動させることで、顆粒状パウダーを鋳型12内の溶鋼湯面13に円弧状に散布できる。
なお、貯蔵ホッパー111から鋳型12の上端部までの距離(顆粒状パウダーの搬送距離)は、例えば、7m以上かつ30m以下である。ここで、前記距離が7m未満の場合、鋳型12が設置された鋳床の作業スペースを十分に確保できない。一方、前記距離が30mを超える場合、各スクリューフィーダを用いて顆粒状パウダーを遠隔搬送する際の、顆粒状パウダーの粉化率が急上昇する。したがって、前記距離としては、7m以上かつ30m以下であることが好ましい。
なお、投入シュート121は、鋳型12内の溶鋼湯面13に対して、上記第1実施形態の供給管11とほぼ同様に配置されている。すなわち、鋳型12内の溶鋼湯面13から投入ホッパー120までの高さ寸法Hが0.5m以上かつ3.0m以下であり;投入シュート121の水平方向に対する最小傾斜角度αが20度以上であり;投入ホッパー120の顆粒状パウダーの排出口と投入シュート121の先端の下部位置とを結ぶ仮想直線が水平方向に対してなす角度θが、54.6×H−0.5度以下となっている。さらに、本実施形態では、投入シュート121の傾斜角度が最小傾斜角度αとなっている。
続いて、本実施形態のフラックス投入装置を用いたフラックス投入方法(連続鋳造設備を用いた連続鋳造方法)について、上記連続鋳造用モールドパウダーの搬送設備110を参照しながら説明する。
本実施形態の連続鋳造方法では、連続鋳造に用いる顆粒状パウダーを、貯蔵ホッパー111から、搬送用スクリューフィーダ118、連結ホッパー113、そしてスクリューフィーダ114を介して中継ホッパー115に搬送する。さらに、この中継ホッパー115から、切出し用スクリューフィーダ116、投入ホッパー120、そして投入シュート121を介して、鋳型12内へ所定量ずつ供給する。この際、本実施形態のフラックス投入方法によれば、顆粒状パウダーの粉化を抑制、更には防止することができる。
顆粒状パウダーは、例えば、内部に空間が形成された中空状のもの等であり、その平均粒径が、200μm以上400μm以下(更には、下限が250μm、上限が350μm)程度のものである。なお、本実施形態で使用する顆粒状パウダーは、従来公知のパウダーである、内部に空間が形成された中空状のものや、顆粒状のものを含むが、粉末状の粉末パウダーだけは除外される。
以下、本実施形態の連続鋳造装置に備えられる制御装置による制御動作を含む連続鋳造方法について説明する。
まず、中継ホッパー115の上流側にある搬送用スクリューフィーダ118を構成するスクリューフィーダ114とスクリューフィーダ112とを順次稼働させることで、顆粒状パウダーを、貯蔵ホッパー111から中継ホッパー115へと搬送する。この搬送は、中継ホッパー115内に設けられた前記レベル計により、中継ホッパー115内の顆粒状パウダーの貯留量が予め設定した下限値以下になったことが検知された場合に、自動的に行われる。これにより、中継ホッパー115内の顆粒状パウダーの貯留量を自動的に回復させることができる。
また、中継ホッパー115の下流側にある切出し用スクリューフィーダ116を稼働させることで、中継ホッパー115内の顆粒状パウダーを、投入ホッパー120へと搬送する。なお、この搬送は、鋳造作業の進行状況に応じて行う。
これにより、投入シュート121を投入ホッパー120の鉛直方向に沿った軸心を中心として回動させることで、顆粒状パウダーを、投入ホッパー120から投入シュート121を介して、鋳型12内へ満遍なく散布できる。
上記したように、中継ホッパー115へ顆粒状パウダーを搬送する搬送用スクリューフィーダ118は、中継ホッパー115内の顆粒状パウダーの貯留量が少なくなってきた場合のみ、その運転を行っている。このため、中継ホッパー115への顆粒状パウダーの搬送が終了した後、次に中継ホッパー115へ顆粒状パウダーを搬送するまでの時間間隔は長く、各スクリューフィーダ112,114の稼働率は低い(以下、低稼働とも言う)。
一方、投入ホッパー120へ顆粒状パウダーを搬送する切出し用スクリューフィーダ116は、鋳造作業の進行状況に応じて運転される。このため、顆粒状パウダーの搬送と停止を、頻繁かつ短時間で間欠的に行う必要があり、切出し用スクリューフィーダ116の稼働率は極めて高い(以下、高稼働とも言う)。
従って、搬送用スクリューフィーダ118と切出し用スクリューフィーダ116との間に中継ホッパー115を設けることで、中継ホッパー115を境として、搬送用スクリューフィーダ118と切出し用スクリューフィーダ116の運転方法を変更できる。
具体的には、低稼働の搬送用スクリューフィーダ118は、例えば10分以上かつ30分以下の時間間隔で1回、2分以上かつ5分以下の短時間運転(即ち、連続運転)で、しかも、顆粒状パウダーの搬送量を、例えば、1分あたり1kg以上かつ20kg以下とする高速運転を行うことができる。また、高稼働の切出し用スクリューフィーダ116は、例えば、10秒以上かつ1分以下の時間間隔で1回、10秒以上かつ1分以下の極短時間運転(即ち、間欠運転)で、しかも、顆粒状パウダーの搬送量を、例えば、1分あたり0.1kg以上かつ3kg以下として、搬送用スクリューフィーダ118の搬送量よりも少なくする低速運転を行うことができる。
ここで、スクリューフィーダの運転方法を変えて顆粒状パウダーを搬送した場合の、顆粒状パウダーの搬送距離とその粉化率との関係について、図7を参照しながら説明する。
図7は、顆粒状パウダーを連続的に搬送する連続運転モードと、極短時間で間欠的に搬送する間欠運転モードとの2つの運転モードについて調査した結果を示している。なお、調査した各運転モードにおけるスクリューフィーダのスクリューの回転数は、90rpm(回転数/分)と400rpmの2つである。
また、図7に示す顆粒状パウダーの粉化率は、搬送後の顆粒状パウダーを、搬送前の顆粒状パウダーの平均粒径よりも細かい篩目を備えた篩にかけ、篩下の顆粒状パウダー(即ち、粉化した顆粒状パウダー)の重さを測り、この測定値を、搬送した全顆粒状パウダーの重さで除算して求めた。ここでは、搬送前の顆粒状パウダーの平均粒径が300μm程度であったため、篩目の大きさが顆粒状パウダーの平均粒径の70%以下(ここでは、210μm)の篩を用いた。
図7に示すように、スクリューフィーダを連続運転した場合、顆粒状パウダーの粉化率は、顆粒状パウダーの搬送距離が長くなるに伴い、緩やかに増加する傾向が見られた。なお、スクリューの回転数を変えることで、粉化率も多少変動しているが、安定した鋳造を実施可能な10質量%以下に抑えられる。
一方、スクリューフィーダを間欠運転した場合、顆粒状パウダーの粉化率は、顆粒状パウダーの搬送距離が長くなるに伴い、急激に増加する傾向が見られた。なお、スクリューの回転数を速くすることで、粉化率の上昇速度も、更に急激に上昇している。
以上のことから、スクリューフィーダを極短時間で間欠運転した場合は、顆粒状パウダーの粉化率が上昇し、安定した鋳造を実施できない恐れがあることが判った。
そこで、切出し用スクリューフィーダ116の搬送距離を、搬送用スクリューフィーダ118の搬送距離(各スクリューフィーダ112,114の合計搬送距離)よりも短くした。
なお、安定した鋳造を実施するためには、鋳型12内に供給される顆粒状パウダーの粉化率を15質量%以下に低減するのが好ましい。
このため、図7から、顆粒状パウダーの粉化率に最も影響を及ぼす切出し用スクリューフィーダ116の搬送距離を7m以下にするのが良いが、他の搬送用スクリューフィーダ118による粉化率も考慮すれば、切出し用スクリューフィーダ116の搬送距離を更に短く(5m以下)するのが好ましい。なお、切出し用スクリューフィーダ116の長さが短くなるに伴い、顆粒状パウダーの粉化率も急激に低下するため、下限値については規定していないが、作業スペースの確保等を考慮すれば、2m(更には3m)程度を最短長さとして用いることが出来る。
次に、本実施形態の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、図8に、図5に示す搬送用スクリューフィーダ118を構成する各スクリューフィーダ112,114の運転方法と、切出し用スクリューフィーダ116の運転方法とを示す。
ここでは、貯蔵ホッパー111から中継ホッパー115までの間に配置された各スクリューフィーダ112,114の合計搬送距離を6mとし、中継ホッパー115から投入ホッパー120までの間に配置された切出し用スクリューフィーダ116の搬送距離を4mとした。その結果、切出し用スクリューフィーダ116の搬送距離は、搬送用スクリューフィーダ118の搬送距離よりも短くなっている。
また、貯蔵ホッパー111から中継ホッパー115までの間の搬送用スクリューフィーダ118の運転を低稼働とした(すなわち、低稼働フィーダとして機能させた)。具体的には、スクリューを400rpmの回転数で3分間回転させる連続運転を、25分間隔で行った。この時の顆粒状パウダーの搬送量は、3分間で20kgであった。
一方、中継ホッパー115から投入ホッパー120までの間の切出し用スクリューフィーダ116を高稼働とした(すなわち、高稼働フィーダとして機能させた)。具体的には、スクリューを90rpmの回転数で30〜40秒間回転させる連続運転を、30〜40秒間隔で間欠的に行った。この時の顆粒状パウダーの搬送量は、1回あたり約1kgであった。
この結果を図9に示す。なお、図9には、中継ホッパー115を設けることなく、貯蔵ホッパー111から投入ホッパー120までの間に1台のスクリューフィーダ(搬送距離:10m)を配置し、しかもスクリューを90rpmの回転数で30〜40秒間回転させる短時間運転を、30〜40秒間隔で間欠的に行った比較例の結果も示されている。
ここでの粉化率は、搬送前の顆粒状パウダーの平均粒径が300μm程度であったため、篩目の大きさが210μmの篩を用いて求めた。
図9から明らかなように、中継ホッパー115を設け、その上流側に配置した搬送用スクリューフィーダ118と下流側に配置した切出し用スクリューフィーダ116の運転方法を変えることで、顆粒状パウダーの粉化率を、目標値である15質量%以下に抑えられることが確認できた。なお、比較例では、粉化率が30質量%程度まで上昇していた。
以上の結果から、本実施形態の連続鋳造方法によれば、顆粒状パウダーの粉化を抑制できることが確認できた。
これにより、顆粒状パウダーが鋳型12内での溶融速度を安定させることができ、溶鋼湯面13に均一な溶融層を形成させて鋳型12の内壁面と凝固シェルとの間に流入させ、凝固シェルの生成を安定して促進させることができるので、鋳造を安定に実施できる。従って、顆粒状パウダーの粉化防止と安定供給の両立が図れ、安定した鋳造を実施できる。その結果、鋳片の製品品質を向上させることが可能となる。
以上、本発明の各実施形態を説明してきたが、本発明は上記各実施形態に記載の構成のみに限定されるものではなく、その他の実施形態や変形例も含む。例えば、上記各実施形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明を構成する場合も、本発明の権利範囲に含まれる。
上記第2実施形態においては、貯蔵ホッパー111と中継ホッパー115との間に配置される搬送用スクリューフィーダ118を、直列配置された2台のスクリューフィーダ112,114で構成した場合について説明したが、この構成のみに限らず、直列配置された3台以上(現実的には10台以下)のスクリューフィーダで構成してもよい。この場合、隣り合うスクリューフィーダの間に、各スクリューフィーダの下流側端部と上流側端部とを接続する連結ホッパーを設けるのが好ましい。
本発明によれば、鋳片の製品品質を向上させることができる、フラックス投入装置、連続鋳造設備、フラックス投入方法、及び連続鋳造方法を提供することができる。
10 パウダー
11 供給管
12 鋳型
13 溶鋼湯面
14 タンディッシュ架台
15 貯蔵ホッパー
16 降下管
17 移送管
18 パウダー投入ホッパー
19 タンディッシュ
20 浸漬ノズル
21〜24 直管
110 連続鋳造用モールドパウダーの搬送設備
111 貯蔵ホッパー
112 スクリューフィーダ
113 連結ホッパー
114 スクリューフィーダ
115 中継ホッパー
116 切出し用スクリューフィーダ(切出し用スクリューコンベア)
117 旋回装置(フラックス投入装置)
118,119 搬送用スクリューフィーダ(搬送用スクリューコンベア)
120 投入ホッパー
121 投入シュート(供給管)

Claims (10)

  1. フラックスを一時的に貯留する投入ホッパーと;
    この投入ホッパーに後端が接続されるとともに先端が鋳型内上方に位置するように傾斜配置された供給管と;
    を備えたフラックス投入装置であって、
    前記鋳型内の溶鋼湯面から前記投入ホッパーまでの高さ寸法Hが0.5m以上かつ3.0m以下であり;
    前記供給管の水平方向に対する最小傾斜角度αが20度以上であり;
    前記投入ホッパーの前記フラックスの排出口と、前記供給管の前記先端の下部位置とを結ぶ仮想直線が前記水平方向に対してなす角度θが、54.6×H−0.5度以下である;
    ことを特徴とするフラックス投入装置。
  2. 前記供給管が、互いに接続された複数の直管を有し;
    これら直管のうち、前記水平方向に対する傾斜角度が最も小さいものの傾斜角度が、前記最小傾斜角度αである;
    ことを特徴とする請求項1に記載のフラックス投入装置。
  3. 前記供給管の前記先端の前記水平方向における位置が、この供給管の真下位置における前記鋳型の内壁面位置を基準とした場合、前記鋳型の内方に向かって50mmの位置から、この鋳型の外方に向かって200mmの位置までの範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフラックス投入装置。
  4. 前記供給管内に、この供給管内の流路断面積1cmあたり、0を超えて3リットル/分以下の流量で気体を吹き込む気体供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のフラックス投入装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のフラックス投入装置と、前記鋳型と、を備えたことを特徴とする連続鋳造設備。
  6. 前記鋳型による鋳片の鋳造速度が0.6m/分以上であることを特徴とする請求項5に記載の連続鋳造設備。
  7. 傾斜配置された供給管を通してフラックスを落下させて鋳型内の溶鋼湯面に供給する方法であって、
    前記溶鋼湯面から前記フラックスの落下開始位置までの高さ寸法Hを0.5m以上かつ3.0m以下とし;
    前記供給管の水平方向に対する最小傾斜角度αを20度以上とし;
    前記落下開始位置と前記供給管の先端下部の位置との間を結ぶ仮想直線が前記水平方向に対してなす角度θを、54.6×H−0.5度以下とする;
    ことを特徴とするフラックス投入方法。
  8. 前記供給管内に、この供給管内の流路断面積1cmあたり、0を超えて3リットル/分以下の流量で気体を吹き込む工程をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のフラックス投入方法。
  9. 請求項またはに記載のフラックス投入方法を用いて前記鋳型内の前記溶鋼湯面に前記フラックスを供給する工程を含むことを特徴とする連続鋳造方法。
  10. 前記鋳型による鋳片の鋳造速度が0.6m/分以上であることを特徴とする請求項に記載の連続鋳造方法。
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