JP4918775B2 - ワーク搬送装置 - Google Patents
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Description
このプレスラインにおけるワーク搬送装置は、複数のプレス装置の配列間隔に合わせて配置した複数の把持装置を、プレス成形動作と同期して、プレスライン方向へ往復及び上下移動させることにより、ワークを次のプレス装置へ順次搬送するようになっている。
例えば、把持装置に回転可能に接続された一対のリンク(アーム)と、該一対のリンクの他端にそれぞれ回転可能に接続される一対のスライドとを備え、この一対のスライドを駆動することにより、把持装置をプレスライン方向に移動させるワーク搬送装置がある。
しかしながら、ロッドと位置決めピンとを一つのシリンダ機構により駆動させるため、ロッドと位置決めピンとを連結する部材が必要となる。そして、この連結部材は、ロッドとシリンダ機構との間に介在するので、クロスバーの端面と着脱機構本体との距離が大きくなってしまい、また、着脱機構本体に回転可能に連結するアームとの距離も大きくなる。
このため、シリンダ機構による押圧や、クロスバーが加速移動する際に着脱機構に加わる反力等に伴って、リンク(アーム)に捻り変形が発生しやすくなる。
そして、アームに捻り変形が発生することで、リンク(アーム)の寿命低下を引き起こしてしまうという問題がある。また、ワークの搬送精度が低下したり、クロスバーの着脱に時間がかかったりしまうというという問題がある。
なお、以下の説明において、「一対」は、搬送方向に対向配置された2つの対象物を指し、「一組」は、搬送直交方向に対向配置された2つの対象物を指す。
第一の発明は、クロスバーの着脱機構が、クロスバーの両端の端面に設けられた第一穴部にそれぞれ嵌合する一対のロッドと、前記ロッドを前記クロスバーに押圧する第一アクチュエータと、前記クロスバーの両端の端面に設けられた第二穴部にそれぞれ嵌合する一対の位置決めピンと、前記位置決めピンを前記クロスバーに向けて移動する第二アクチュエータと、を備えるようにした。
この発明によれば、クロスバーの端面に係合するロッドと位置決めピンとを個別に駆動することができるので、ロッドと位置決めピンとを連結する部材が不要となり、着脱機構本体とクロスバーの端面との距離を短くすることができる。
この発明によれば、着脱機構本体とクロスバーの端面との距離が短いので、着脱機構本体を支持するアームとクロスバーの端面との距離も短くなり、ロッドの押圧や、クロスバーが加速移動する際に着脱機構に加わる反力等に伴うリンクの捻り変形が抑制される。
着脱機構本体とクロスバーの端面との距離が短くなり、これにより、ロッドの押圧や、クロスバーが加速移動する際に着脱機構に加わる反力等に伴うリンク(アーム)の捻り変形が抑制されるので、リンク(アーム)の損傷や寿命低下が抑制できる。また、着脱機構によるクロスバーの保持が確実に行われる。したがって、クロスバーに取り付けた把持具によりワークを確実に把持・搬送することが可能となる。
図1は、実施形態に係るワーク搬送装置の構成を示す図である。
なお、図1では、説明の便宜上、2つのプレスステーション14と、その間に設けられたワーク搬送装置101をプレスラインの内側から見た状態で示している。実機では、通常、プレスステーション14は2〜5つ程度の複数台設けられている。
なお、以下の説明において、「上流側」、「下流側」とは、それぞれ搬送ラインの上流側、下流側を意味するものとする。
ワーク搬送装置101は、プレス成形するパネル(ワーク)1を搬送する送り方向(X方向)の両側に、互いにY方向に直交する面に関し対称に設けられた一対の送り装置10を備える。
なお、本実施形態では、一対の送り装置10によりワーク搬送装置101を構成する場合について説明するが、一つの送り装置10のみでパネル1を搬送する構成であってもよい。
この送り装置10は、その両端部を上流及び下流のプレスステーション14や図示しないプレススタンドに設けられた腕に取り付けたり、あるいは天井から吊すことによって、プレスステーション14、14間に設置される。
クロスバー3は、出力部材19に対して着脱可能に保持されている。把持対象であるパネル1の形状、重量等により、最適なワーク把持具2が取り付けられたクロスバー3を選択し、取り換え可能としている。なお、クロスバー3を出力部材19に対して着脱可能に支持するクロスバー着脱機構50については後述する。
第一リンク7は、互いに長さの等しい2本のアーム7a,7bを備えている。そして、このアーム7a、7bは、それぞれ一端が出力部材19に水平軸を中心に回転可能に枢着され(この枢着点を左からそれぞれa1,a2とする)、他端が固定リンク部材9に水平軸を中心に回転可能に枢着されている(この枢着点を左からそれぞれa3,a4とする)。更に、固定リンク部材9は、枢着点a4において、第一スライド4に回転可能に枢着されている。なお、固定リンク部材9とアーム7bとは、独立して、枢着点a4に対して回転可能になっている。
一方、第二リンク8は、1本のアーム8aを備えている。そして、第二リンク8を構成するアーム8aは、第一リンク7の2本のアーム7a,7bと長さの等しいアームからなり、一端が出力部材19に水平軸を中心に回転可能に枢着され(この枢着点をb1とする)、他端が第二スライド5に水平軸を中心に回転可能に枢着されている(この枢着点をb2とする)。なお、アーム8aとアーム7bは、必ずしも長さが等しくなくてもよい。
また、枢着点a2と枢着点b1とは同軸上に配置されている。更に、クロスバー3の回転中心は枢着点a1,a2と同軸でもよい。
アーム7b及びアーム8aは、出力部材19を支持しつつ、出力部材19に運動を伝達するので、出力部材19から受ける反力(引張圧縮、曲げ)等が作用するようになっている。したがって、この反力等を略均等に分担支持するために、略同一形状に形成されている。例えば、アーム7b及びアーム8aには、円管部材や角管部材が用いられる。また、同一形状とすることで、部品の共通化による装置コストの低減を図っている。なお、アーム8aとアーム7bは、必ずしも同一形状でなくてもよい。
そして、第一スライド4及び第二スライド5には、不図示のボールナットが形成されており、このボールナットに、ボールスクリュー26,27が螺合されている。
そして、ボールスクリュー26,27の一端に連結された直動モータ17及び直動モータ18によって、ボールスクリュー26,27を回動させることによって、第一スライド4及び第二スライド5が、ベース部材16に沿って直線移動し、かつ、数値制御等で正確に位置決めできるようになっている。
また、第二スライド駆動手段12は、その駆動領域のうち搬送ラインの上流側で低位置となり下流側で高位置となるようになっている。また、第二スライド駆動手段12は、第一スライド駆動手段11よりも搬送ライン下流側に配設され、第一スライド駆動手段11に対して送り方向(X方向)に対して直交する面に対称に設けられている。
そして、2つのスライド駆動手段11,12は、それぞれの直動方向の下方延長線上が交差しており、そのなす角θは例えば、60°に設定されている。
また、なす角θはプレスステーション14,14間の間隔、すなわちパネル1の搬送距離によりプレス装置毎に個別に決定されるものであり、上記角度に限定されるものではない。
クロスバー着脱機構50は、クロスバー3を着脱可能に支持するものであって、一対の出力部材19にそれぞれ配置される。すなわち、クロスバー3の両端側にそれぞれ配置される。
なお、図2及び以下の説明では、一方の出力部材19に設置されたクロスバー着脱機構50について説明する。
シリンダ54は、ロッド52をクロスバー3の軸方向に往復移動させるためのアクチュエータであって、出力部材19に配置されている。また、シリンダ54は、ロッド52をクロスバー3に向けて押圧するものである。そして、ロッド52をクロスバー3に向けて押圧することで、ロッド52と出力部材19との接合が容易に解除されないようになっている。
なお、シリンダ54としては、油圧式、エア式のいずれであってもよい。
シリンダ58は、位置決めピン56をクロスバー3の軸方向に往復移動させるためのアクチュエータであって、出力部材19に配置されている。
なお、シリンダ58としては、油圧式、エア式のいずれであってもよい。また、シリンダ54に比べて小形のものでよい。シリンダ54のように、クロスバー3を押圧する必要がないからである。
このような構成により、ロッド52で押圧した際又はクロスバーが加速移動する際であっても、アーム7a,7b,8aに捻りが発生しづらくなっている。すなわち、ロッド52による押圧の反力、又はクロスバーが加速移動の際の反力等が出力部材19に伝達されても、この反力の作用する位置(クロスバー3の端面3s)とアーム7a,7b,8aの支持位置との距離が短くなっているので、反力によりアーム7a,7b,8aに捻りが加わりづらくなっている。
しかし、本実施形態のように、ロッド52と位置決めピン56とを連結することなく、別個独立に駆動させる構成とすることで、出力部材19とクロスバー3の端面3sとの距離を近接させ、ロッド52による押圧の反力やクロスバーが加速移動の際の反力等の作用位置とアーム7a,7b,8aにおける出力部材19の支持位置との距離を短くすることができる。
このようにして、本実施形態においては、アーム7a,7b,8aにおける捻りの発生が抑制される。
このため、各アーム7a,7b,8aとしては、軽量且つ高剛性であることが要請され、この要請に対応して、各アーム7a,7b,8aの断面は角管形に形成されている。断面形状を角管形とすることで、軽量化を達成しつつ、X方向及び及びY方向の曲げに対して、また捻りに対して優れた強度と剛性を保つことができる。すなわち、断面二次モーメント、断面二次極モーメントを大きくすることができる。
なお、必ずしも角管を用いる必要はなく、アングル部材などを組み合わせて角管形に形成したものや、丸管に形成したもの等、同様な効果を期待できる断面形状がいくつか考えられる。
また、各アーム7a,7b,8aの形成材料としては、比重に対して剛性が高いことが望ましい。このような材料を用いることにより、軽量かつ変形の少ないアームを形成することができるからである。具体的には、アルミニウムやチタン等の材料を用いることができる。
また、各アーム7a,7b,8aの表面に補強材料を貼り付けたり、表面に巻き付けたりすることで、更に各アーム7a,7b,8aの強度を向上させてもよい。補強材料としては、具体的には、高い弾性率、比剛性を有するC−FRP板材を用いることができる。
したがって、アームの損傷や寿命低下が抑制できる。また、クロスバー着脱機構50によるクロスバー3の保持が確実に行われる。したがって、クロスバー3に取り付けた把持具2によりパネル1を確実に把持・搬送することが可能となる。
2…ワーク把持具
3…クロスバー
3s…端面
3a…穴部(第一穴部)
3p…ピン穴(第二穴部)
4,5…スライド
7,8…リンク
7a,7b,8a…アーム
10…送り装置
17,18…直動モータ(駆動部)
19…出力部材(クロスバー支持部)
50…クロスバー着脱機構
52…ロッド
54…シリンダ(第一アクチュエータ)
56…位置決めピン
58…シリンダ(第二アクチュエータ)
101…ワーク搬送装置
Claims (1)
- 所定のワークを把持するワーク把持具を有するクロスバーと、
前記クロスバーを着脱可能に支持するクロスバー着脱機構と、
前記クロスバー着脱機構を有するクロスバー支持部と、
前記一対のクロスバー支持部にそれぞれ回転可能に接続された一対一組のリンクと、
前記一対一組のリンクのそれぞれの他端に回転可能に接続されると共に往復直線移動する一対一組のスライドと、
前記一対一組のスライドのそれぞれを駆動する駆動部と、
を有し、
前記クロスバー着脱機構は、
クロスバーの両端の端面に設けられた第一穴部にそれぞれ嵌合する一対のロッドと、
前記ロッドを前記クロスバーに押圧する第一アクチュエータと、
前記クロスバーの両端の端面に設けられた第二穴部にそれぞれ嵌合する一対の位置決めピンと、
前記位置決めピンを前記クロスバーに向けて移動する第二アクチュエータと、
を備え、
前記クロスバーの端面と前記クロスバー支持部とが他部材を介在することなく隣接配置されることにより、前記クロスバーの端面が、前記着脱機構を支持する一対のリンクの捻り中心に対して近接するように配置される
ことを特徴とするワーク搬送装置。
Priority Applications (1)
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