JP4918333B2 - 間仕切壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、間仕切壁構造に関するものであり、より詳細には、擦過音の発生を防止する乾式工法の間仕切壁構造に関するものである。
建築物又は工作物における乾式工法の間仕切壁として、石膏ボード又は珪酸カルシウム板等の建築用面材(ボード材料)を鋼製スタッドの間柱に取付けてなる軸組構造の軽量鉄骨間仕切壁が広く実用に供されている。かかる構造の間仕切壁では、鋼製スタッドは、壁芯に沿って所定間隔を隔てて整列配置され、鋼製スタッドの上端部及び下端部は、上部ランナ及び床ランナに夫々固定される。壁面を形成するボード材料は、ランナ及び鋼製スタッドの軸組構造体に対して、ビス、ステープル、接着剤等によって取付けられる。
近年において、殊に中・高層建築物における間仕切壁の異音発生の問題が注目されている。この種の異音は、一般に擦過音と呼ばれており、擦過音の問題を解決する種々の対策が提案されている。しかしながら、擦過音の発生を絶つ根本的な解決策は、依然として提案されていない。
擦過音は、主として、建築物の挙動又は層間変位に起因すると考えられている。例えば、強風時に建築物が長周期で振動し、各フロア間の層間変位が生じると、意図せぬ強制力又は外力が間仕切壁に働き、間仕切壁の構成部材に応力が作用する。このような間仕切壁内の応力により、間仕切壁の各構成部材は相対変位しようとする結果、摩擦接触する部材は、キシミ音等の擦過音を発生させる。
この種の擦過音は、中高層建築物の中高層階で特に発生し易い。例えば、中高層ホテル、事務所建築物又はマンション建築物等では、建築物に作用する風圧の影響により建築物の挙動又は層間変位が中高層部分に比較的大きく生じ易く、中高層階では、擦過音の発生頻度が比較的高い。このため、中・高層階の宿泊客等は、このような擦過音による不快感又は不安感を感じ易い。
このような擦過音の発生を防止すべく、実開平6−14310号公報に開示される如く、PPテープ、テフロン(登録商標)テープ等の低摩擦の滑性材料をスタッド、ランナ及びボードの接触部に介挿したり、或いは、特公平4−47742号公報に開示される如く、擦過音低減用の特殊金具を介して、上階床スラブ又は梁等の上部構造体と上部ランナとを連結する対策などが提案され、これらの対策は、既に実用化している。
実開平6−14310号公報 特公平4−47742号公報
しかしながら、上記低摩擦テープ材等の低摩擦材料を用いた擦過音防止対策では、緩衝材をスタッドに貼着し又は巻付ける比較的面倒な現場作業が必要となることから、工程及び作業が煩雑化し、同時に、擦過音発生源に対して的確に樹脂製テープ等を取付けることは実務上困難であるので、確実に擦過音の対策を施すには、更なる改良が必要とされる。加えて、この種の緩衝材は、低摩擦材料自体の磨耗及び経年劣化により長期に亘って初期の性能を維持し難く、恒久的な擦過音対策には適していない。
上記特殊金具を使用した擦過音対策においても又、特殊金具の取付け作業の必要性、特殊金具の保全、金具構成部品の耐久性等が、同様に問題となる。同時に、このような特殊金具を使用した場合には、部品点数の増加、材料費の増大、工数の増加、付加的な特殊金具取付け工程の必要性、更には、これに伴う間仕切壁施工工程の長期化等の問題が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鋼製スタッド、ランナ及びボード材料等の軸組部材により構築される乾式工法の間仕切壁において、部品点数及び工数を増加させず、簡易な施工により確実且つ恒久的に擦過音の発生を防止することができる間仕切壁構造を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成すべく、上下の鋼製ランナ及び鋼製スタッドを含む鋼製軸組部材に建築用面材を取付けた構成を有し、前記スタッドに固定した建築用面材の上端部裏面が上位ランナの側面に面するように配置される乾式工法の間仕切壁構造において、
上位ランナの側面と、建築用面材の上端部裏面とを離間させる離間手段を備え、前記上位ランナの側縁部分と前記建築用面材の上端部との間の摩擦接触を阻止する間隙が、前記離間手段によって、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に形成され、
前記離間手段は、前記スタッドの側面に設けられるとともに、前記建築用面材を全体的に室内側に変位した位置に位置決めし且つ該面材の裏面の位置を固定して、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に空間を形成する前記スタッドの隆起部分からなり、該隆起部分は、前記上位ランナの側面よりも更に室内側に突出するように前記スタッドに形成されており、前記建築用面材の上端部裏面は、前記上位ランナの側面に面し、前記間隙を画成することを特徴とする間仕切壁構造を提供する。
本発明は又、上下の鋼製ランナ及び鋼製スタッドを含む鋼製軸組部材に建築用面材を取付けた構成を有し、前記スタッドに固定した建築用面材の上端部裏面が上位ランナの側面に面するように配置される乾式工法の間仕切壁構造において、
上位ランナの側面と、建築用面材の上端部裏面とを離間させる離間手段を備え、前記上位ランナの側縁部分と前記建築用面材の上端部との間の摩擦接触を阻止する間隙が、前記離間手段によって、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に形成され、
前記離間手段は、前記上位ランナの下側において前記スタッドの側面に固定される鋼板であって、前記建築用面材を全体的に室内側に変位した位置に位置決めし且つ該面材を前記スタッドの側面に堅固に固定するための鋼板からなり、該鋼板は、その板厚の寸法だけ前記スタッドから突出し、前記建築用面材は、前記鋼板の板厚に相応する寸法(G)だけ全体的に前記スタッドから離間しており、
前記建築用面材の上端部裏面は、前記上位ランナの側面に面し、前記間隙を画成することを特徴とする間仕切壁構造を提供する。好ましくは、上記鋼板は、板厚1.2〜2.0mmの鋼製帯板である。
本発明は更に、上下の鋼製ランナ及び鋼製スタッドを含む鋼製軸組部材に建築用面材を取付けた構成を有し、前記スタッドに固定した建築用面材の上端部裏面が上位ランナの側面に面するように配置される乾式工法の間仕切壁構造において、
上位ランナの側面と、建築用面材の上端部裏面とを離間させる離間手段を備え、前記上位ランナの側縁部分と前記建築用面材の上端部との間の摩擦接触を阻止する間隙が、前記離間手段によって、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に形成され、
前記離間手段は、前記上位ランナの下側で前記スタッドの側面に固定される板材であって、前記建築用面材を全体的に室内側に変位した位置に位置決めし且つ該面材を前記スタッドの側面に固定するための板材からなり、該板材は、その板厚の寸法だけ前記スタッドから突出し、前記建築用面材は、ビスの締付けにより、前記板材を介して前記スタッドに堅固に固定されており、
前記離間手段は、前記建築用面材の上端部裏面に形成された該面材の後退面を更に含み
前記板材は、その板厚の寸法だけ前記スタッドから突出して該板厚に相応する寸法(G)だけ前記建築用面材を全体的に前記スタッドから離間させ、前記建築用面材の上端部裏面は、前記上位ランナの側面に面し、前記間隙を画成することを特徴とする間仕切壁構造を提供する。
一般に、建築物各層の層間変位は、間仕切壁の構成部材に応力及び変位を生じさせ、殊に、上位ランナは、スタッドに対して相対的に水平変位する。上位ランナの水平変位により、間仕切壁内の構成部材に応力が作用し、応力が部材間の摩擦保持力を超えると、部材間の相対変位が生じる。これまで、キシミ音等の擦過音は、間仕切壁内部の構成部材が相対変位する際に発生する性質の騒音として認識されてきたが、その発生源及び発生メカニズムを正確に特定するに至ってはいない。本発明者は、主たる擦過音の発生原因が、上位ランナと石膏ボード等の建築用面材との摩擦接触にあるとの知見に基づき、上位ランナ側面と建材ボード裏面とを僅かに離間した状態で擦過音の発生を試験した結果、上位ランナ及び建材ボードとの離間により、擦過音を概ね解消し得るとの結論に達した。
本発明の上記構成によれば、間仕切壁は、擦過音の発生原因である上位ランナと建築用面材との摩擦接触部を形成せず、従って、擦過音は、上位ランナ側面及び建材ボード裏面の離間により実質的に解消する。かくして、本発明は、擦過音の主たる発生源を根本的に取り除き、擦過音の発生を確実に防止する。しかも、本発明による擦過音防止効果は、半恒久的に持続する。また、上記間仕切壁構造による擦過音の防止対策では、低摩擦材料や、特殊金具等の部材を使用しない。従って、部品点数及び工数の増加といった課題を生じさせることなく、簡易な工程で間仕切壁を施工することができる。
本発明の間仕切壁構造によれば、鋼製スタッド、ランナー及びボード材料等の軸組部材により構築される乾式工法の間仕切壁において、部品点数及び工数を増加させず、簡易な施工により確実且つ恒久的に擦過音の発生を防止することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、建築用面材の裏面と、上位ランナの側面との間の距離は、少なくとも0.3mm以上の寸法に設定され、鋼板、板材又は隆起部分の寸法は、このような離間距離を確保し得る寸法に設定される。
所望により、上記離間手段は、建築用面材の上端部裏面から後退する後退面を更に含み、後退面は、建築用面材の上端部裏面に形成された窪み、或いは、面材の上縁部に形成されたテーパ面からなる。例えば、上記建築用面材は、石膏ボードからなり、上記後退面は、石膏ボードのテーパエッジを構成するテーパ面からなる。後退面の高さ寸法は、上位ランナの側縁部分の高さよりも、10乃至40mm大きく設定される。後退面の後退寸法は、0.3〜3.0mm程度の寸法に設定される。
好ましくは、耐火材料又は遮音材料が、建築用面材の上端と、上位ランナを支持する建築構造体との間に充填される。耐火材料は、間仕切壁の耐火性能を向上するとともに、建築用面材と建築構造体との相対変位を吸収する緩衝材として機能する。また、遮音材料は、間仕切壁内部に発生する異音が室内に漏洩するのを防止する。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る間仕切壁構造の実施例について、詳細に説明する。
図1及び図2は、本出願人の同時出願に係る特願2001−140339号において提案された間仕切壁構造を適用した間仕切壁の縦断面図及び斜視図である。
図1に示す間仕切壁1は、鉄筋コンクリート床スラブF1上に施工される。間仕切壁1の下端部は、床スラブF1に固定され、間仕切壁1の上端部は、上階の鉄筋コンクリート床スラブF2に固定される。間仕切壁1の軸組は、鋼製スタッド10、床ランナ11及び上部ランナ(天井ランナ)12により構成される。スタッド10は、軽量鉄骨製のチャンネル型部材からなり、床ランナ11及び上部ランナ12は、軽量溝型鋼からなる。ランナ11、12は、アンカーボルト等の係止具13によって床スラブF1、F2に夫々固定され、スタッド10は、下端部及び上端部が床ランナ11及び上部ランナ12に夫々係止する。スタッド10は、300〜600mm程度の寸法に設定された所定間隔(例えば、455mm間隔)を隔てて壁芯方向に整列し、床スラブF1、F2の間に垂直に立設する。
下貼ボード2が、ビス8によってスタッド10の両側に取付けられ、上貼ボード3が、ステープル等の係止具9及び/又は接着剤によって下地ボード2の表面に固定される。下貼及び上貼ボード2、3として、石膏ボード、石膏板、硬質石膏板(比重約1.25)、ガラス繊維補強石膏板(比重約1.0)、珪酸カルシウム板等の不燃性の建材ボードを好適に使用し得る。上貼ボード3の表面には、塗装又はクロス等の表装仕上材4が施工される。上貼ボード3として、化粧石膏ボード、化粧セメント板、化粧スレート、化粧珪酸カルシウム板等の不燃性の内装化粧板を使用しても良い。
グラスウール又はロックウール等の断熱材14が、間仕切壁1の内部に配置される。床仕上材6が、床スラブF1上に施工され、巾木7が、間仕切壁1の下端縁に取付けられる。巾木7として、汎用の既製巾木、例えば、ビニール巾木等を使用し得る。更に、天井軽鉄下地Cが、上階床スラブF2に懸吊され、天井仕上材5が、天井軽鉄下地Cに取付けられる。天井仕上材5は、天井廻り縁等の見切り縁15を介して化粧ボード3の室内側壁面に連接する。見切り縁15として、樹脂又は金属製の既製見切り縁又はジョイナーや、木材の加工品を使用し得る。所望により、天井廻り縁部分に目透かし目地を形成し、或いは、コーキング材又はシーリング材を充填したシール材充填目地を形成しても良い。
図2に示す如く、下貼ボード2は、横張り方向に施工され、上下の上貼ボード2は、横目地17において互いに突付けられる。複数の横目地17は、突付け目地形態の継目として水平且つ平行に延びる。最上部の下貼ボード2は、長辺方向の縁部が上部ランナ12に近接する。
上貼ボード3は、縦張り方向に施工され、目透かし目地、シール目地、突付け目地、ジョイント工法目地等の所望の目地形態の縦目地18を介して相互連接する。複数の横目地18は、垂直且つ平行に延びる。
図3は、間仕切壁10の上部構造を示す拡大断面図である。下貼ボード2の上端部は、内側面が僅かにボード内に後退しており、下貼ボード2の後退面20と、上部ランナ12の側縁部分(ウェブ部分)19との間には、間隙21が形成される。後退面20の後退寸法Gは、1.0〜3.0mm程度に設定され、間隙21の寸法gは、0.3〜1.5mmの範囲、例えば、0.5mmに設定される。側縁部分19の高さ寸法h(床スラブF2下面〜側縁部分下端の距離)は、一般に30〜40mm程度であり、後退面20の高さ寸法H(床スラブF2下面〜後退面下端の距離)は、これより10乃至40mm程度大きく設定され、H=40〜80mmに設定される。例えば、上部ランナ12として、溝型鋼:C−40×80×0.8(h×w×t)mmを使用したとき、高さ寸法Hは、60mmに設定される。
ビス8は、上部ランナ12の下側において下貼ボード2をスタッド10に固定し、係止具9は、所定間隔に分散配置され、壁面全域に亘って上貼ボード3を下貼ボード2上に固定する。下貼ボート2の裏面2aは、スタッド10の側面部分(ウェブ部分)10aに接する。
下貼ボード2の上端面22は、上階床スラブF2の下面から僅かに間隔を隔てており、耐火性充填材40が、上端面22と上階床スラブF2との間に充填される。上貼ボード3の上端面32も又、上階床スラブF2の下面から僅かに間隔を隔てており、上端面32と上階床スラブF2との間には、遮音性シーリング材50が充填される。耐火性充填材40として、耐火目地用ロックウールフェルト、例えば、「タイガーロックフェルト(220kg/m3)」(吉野石膏株式会社製品)を好適に使用し、遮音性シーリング材50として、例えば、「タイガーACタイト」(アクリル系シール材)、「タイガージプタイト」(無機質石膏系シール材)又は「タイガー耐火シーラント」(層間変位追従型変成シリコンシール材)等のシール材(いずれも吉野石膏株式会社製品)を好適に使用し得る。
強風時の建築物の挙動によりスラブF1:F2に層間変位が生じると、間仕切壁1を構成するスタッド10、床ランナ11、上部ランナ12及び下貼ボード2は相対変位する。従来の間仕切壁構造では、下貼ボード2の上端部内側面は、上部ランナ12の側縁部分19に摩擦接触し、互いに擦過するので、キシミ音等の擦過音が発生する。しかしながら、上記構成の間仕切壁1では、下貼ボード2の上端部内側面は側縁部分19から後退し、後退面20と側縁部分19との間に間隙21が形成されるので、擦過音は発生しない。
本発明者の実験結果によれば、主たる擦過音の起振源ないし発生源は、上部ランナ12と下貼ボード2との摩擦接触部であり、両者の接触を間隙21によって阻止することにより、間仕切壁全体から発生する擦過音は大幅に低減し、擦過音は、実質的に解消する。しかも、このような構成によれば、樹脂製テープ等の低摩擦材料の取付け作業や、特殊金具の固定等の煩雑な作業は、必要とされず、磨耗又は経年劣化し得る材料を使用せずに、確実且つ恒久的に擦過音の発生を防止することができる。かくして、上記間仕切壁構造は、非常に簡易な構成であるにもかかわらず、擦過音を低減する上で顕著な効果を発揮するので、実用的に極めて有利である。
図4は、図3に示す間仕切壁構造の変形例を示す間仕切壁上部の拡大断面図であり、図4にも又、上記特願2001−140339号において提案された構造が示されている。図4に示す間仕切壁構造では、下貼ボード2として、テーパ面25を備えた石膏ボードが使用される。下貼ボード2の上端部には、下貼ボード2の後退面20が形成され、間隙21が、後退面20と側縁部分19との間に形成される。後退距離Gは、側縁部分19と後退面20とが最も接近した位置において、1.0〜3.0mmの範囲、例えば、1.5mmに設定され、間隙21の寸法g(最小部)は、0.3〜1.5mmの範囲、例えば、約0.5mmに設定される。側縁部分19の高さ寸法hは、前述の如く、30〜40mm程度であり、後退面20の高さ寸法Hは、H=40〜100mm、例えば、約80mmである。
図3に示す間仕切壁構造と同様、ビス8は、上部ランナ12の下側において下貼ボード2をスタッド10に固定し、下貼ボード2の裏面2aはスタッド10の側面部分10aに接する。係止具9は、所定間隔に分散配置され、壁面全域に亘って上貼ボード3を下貼ボード2上に固定する。下貼ボード2の上端面22と、上階床スラブF2との間には、耐火性充填材40が挿入され、上貼ボード3の上端面32と上階床スラブF2との間には、遮音性シーリング材50が充填される。なお、下貼ボード2として、テーパエッジを予め備えたジョイント工法用石膏ボードを使用しても良い。この種のテーパエッジは、一般には室内側ボード接合部のパテ処理を容易にする手段であることから、通常は、室内側に面するように配置されるが、テーパエッジ付き石膏ボードを本発明において使用する場合、テーパエッジ部は、上部ランナ12の側縁部分19に面するように配置され、テーパ面25と側縁部分19との間に間隙20を画成する。
図5も又、本出願人の同時出願に係る特願2001−140339号において提案された間仕切壁構造に係る間仕切壁の斜視図であり、図1及び図2に示す間仕切壁の変形例が図5に示されている。図1及び図2に示す間仕切壁においては、下貼ボード2は、横張り方向に配置されているが、下貼ボード2は、図5に示す如く縦張り方向に施工しても良く、この場合、縦目地17’が垂直且つ平行に延びる。上記後退面20は、下貼ボード2の短辺方向の縁に形成され、上部ランナ12の側縁部分19に面する。
図6は、本発明の第1実施例を示す間仕切壁構造の部分拡大断面図であり、図7は、図6に示す間仕切壁の斜視図である。
前述の特願2001−140339号に記載された間仕切壁構造では、下貼ボード2の上部構造を変形することにより間隙20が形成されているが、本実施例においては、同様な間隙20が、スタッド10に付加的に設けられたスペーサ60により、側面部分10と下貼ボード2との間に形成される。即ち、スタッド10の側面部分10aには、スペーサ60が固定される。下貼ボード2は、ビス8の締付けにより、スペーサ60を介してスタッド10に堅固に固定される。従って、下貼ボード2の裏面2aの位置は、ビス8の締付けにより、スタッド10に対して固定される。図7に示す如く、スペーサ60は、スタッド10の側面部分10aに沿って、上下方向に延在する。スペーサ60として、例えば、板厚1.2〜2.0mmの鋼製帯板等を好適に使用し得る。スペーサ(spacer)60により、上部ランナ12の側縁部分19と、下貼ボード2の裏面2aとの間に空間(space)が形成される。下貼ボード2の裏面2aは、上部ランナ12の側縁部分19に面するように配置され、下貼ボード2の裏面2aと側縁部分19との間に間隙20を画成する。
下貼ボード2は、スペーサ60の厚さに相応する寸法Gだけ全体的にスタッド10から室内側に後退した位置に位置決めされ、垂直な下貼ボード2の裏面2aは、後退面20を構成する。例えば、側縁部分19の板厚t=1.2mm、スペーサ60の板厚G=1.6mmであるとき、側縁部分19と後退面20との間には、寸法g=0.4mmの間隙20が形成される。なお、前述の実施例と同様、耐火性充填材40が、上端面22と上階床スラブF2との間に充填され、遮音性シーリング材50が、上端面32と上階床スラブF2との間に充填される。
図8は、本発明の第2実施例を示す間仕切壁構造の部分拡大図である。図8に示す実施例は、上記第1実施例の変形例に係るものであり、間隙20は、スタッド10の上部構造の変形により形成される。スタッド10の側面部分10aは、上部ランナ12の下側で幅が拡大し、相対的に幅が縮小したスタッド10の上端部71は、上部ランナ12内に挿入される。スタッド10の側面部分10aには、段部72が形成され、段部72の下方には、上部ランナ12の側面よりも室内側に突出した隆起部分70が形成される。ビス8によって側面部分10aに固定した下貼ボード2は、上部ランナ12の側縁部分19から室内側に浮き、これにより、間隙20が、側縁部分19の側面との間に形成される。例えば、上部ランナ12の側縁部分19の板厚t=1.2mm、側面部分10aの突出量G=1.8mmであるとき、側縁部分19と後退面20との間には、寸法g=0.6mmの間隙20が形成される。
図9は、上記第1実施例の変形例を示す間仕切壁の斜視図である。図9には、下貼ボード2の上部構造を変形するとともに、スタッド10にスペーサ60を設けた間仕切壁構造が示されている。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、下貼ボード及び上貼ボードの素材は、間仕切壁の面材として使用可能な強度及び不燃性能を備えたものであれば良く、上述した石膏ボード、石膏板、珪酸カルシウム板等に限定されるものではない。また、上記実施例では、室内側壁面は、下貼及び上貼ボートを二重貼りに施工した二層構造のものであるが、一枚貼りの施工方法、或いは、建材ボードを三層以上に積層する多重貼りの施工方法により室内側壁面を施工しても良い。
更に、前述の実施例は、壁芯位置にスタッドを配置したシングル配列の間仕切壁に関するものであるが、壁芯の両側に2列にスタッドを整列配置したダブル配列の間仕切壁に本発明の構成を採用しても良い。
以上説明した如く、本発明の上記構成によれば、鋼製スタッド、ランナー及びボード材料等の軸組部材により構築される乾式工法の間仕切壁において、部品点数及び工数を増加させず、簡易な施工により確実且つ恒久的に擦過音の発生を防止することができる。
建築用面材自身の変形により面材の後退面を形成した間仕切壁構造を示す間仕切壁の縦断面図である。 図1に示す間仕切壁の部分破断斜視図である。 図1及び図2に示す間仕切壁の上部構造を示す部分拡大断面図である。 建築用面材自身の変形により面材の後退面を形成した他の間仕切壁構造を示す間仕切壁上部の部分拡大断面図である。 図1及び図2に示す間仕切壁の変形例を示す部分破断斜視図である。 本発明の第1実施例を示す間仕切壁構造の部分拡大断面図である。 図6に示す間仕切壁の部分破断斜視図である。 本発明の第2実施例を示す間仕切壁構造の部分拡大断面図である。 第1実施例の変形例を示す間仕切壁の斜視図であり、建築用面材自身の変形により面材の後退面を形成するとともに、スタッドにスペーサを設けた間仕切壁構造が示されている。
符号の説明
1 間仕切壁
2 下貼ボード
3 上貼ボード
10 鋼製スタッド
11 床ランナ
12 上部ランナ
19 側縁部分
20 後退面
21 間隙
40 耐火性充填材
50 遮音性シーリング材
60 スペーサ
70 隆起部分

Claims (11)

  1. 上下の鋼製ランナ及び鋼製スタッドを含む鋼製軸組部材に建築用面材を取付けた構成を有し、前記スタッドに固定した建築用面材の上端部裏面が上位ランナの側面に面するように配置される乾式工法の間仕切壁構造において、
    上位ランナの側面と、建築用面材の上端部裏面とを離間させる離間手段を備え、前記上位ランナの側縁部分と前記建築用面材の上端部との間の摩擦接触を阻止する間隙が、前記離間手段によって、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に形成され、
    前記離間手段は、前記スタッドの側面に設けられるとともに、前記建築用面材を全体的に室内側に変位した位置に位置決めし且つ該面材の裏面の位置を固定して、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に空間を形成する前記スタッドの隆起部分からなり、該隆起部分は、前記上位ランナの側面よりも更に室内側に突出するように前記スタッドに形成されており、前記建築用面材の上端部裏面は、前記上位ランナの側面に面し、前記間隙を画成することを特徴とする間仕切壁構造。
  2. 上下の鋼製ランナ及び鋼製スタッドを含む鋼製軸組部材に建築用面材を取付けた構成を有し、前記スタッドに固定した建築用面材の上端部裏面が上位ランナの側面に面するように配置される乾式工法の間仕切壁構造において、
    上位ランナの側面と、建築用面材の上端部裏面とを離間させる離間手段を備え、前記上位ランナの側縁部分と前記建築用面材の上端部との間の摩擦接触を阻止する間隙が、前記離間手段によって、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に形成され、
    前記離間手段は、前記上位ランナの下側において前記スタッドの側面に固定される鋼板であって、前記建築用面材を全体的に室内側に変位した位置に位置決めし且つ該面材を前記スタッドの側面に堅固に固定するための鋼板からなり、該鋼板は、その板厚の寸法だけ前記スタッドから突出し、前記建築用面材は、前記鋼板の板厚に相応する寸法(G)だけ全体的に前記スタッドから離間しており
    前記建築用面材の上端部裏面は、前記上位ランナの側面に面し、前記間隙を画成することを特徴とする間仕切壁構造。
  3. 前記鋼板は、板厚1.2〜2.0mmの鋼製帯板であることを特徴とする請求項2に記載の間仕切壁構造。
  4. 上下の鋼製ランナ及び鋼製スタッドを含む鋼製軸組部材に建築用面材を取付けた構成を有し、前記スタッドに固定した建築用面材の上端部裏面が上位ランナの側面に面するように配置される乾式工法の間仕切壁構造において、
    上位ランナの側面と、建築用面材の上端部裏面とを離間させる離間手段を備え、前記上位ランナの側縁部分と前記建築用面材の上端部との間の摩擦接触を阻止する間隙が、前記離間手段によって、前記上位ランナの側面と前記建築用面材の上端部裏面との間に形成され、
    前記離間手段は、前記上位ランナの下側で前記スタッドの側面に固定される板材であって、前記建築用面材を全体的に室内側に変位した位置に位置決めし且つ該面材を前記スタッドの側面に固定するための板材からなり、該板材は、その板厚の寸法だけ前記スタッドから突出し、前記建築用面材は、ビスの締付けにより、前記板材を介して前記スタッドに堅固に固定されており、
    前記離間手段は、前記建築用面材の上端部裏面に形成された該面材の後退面を更に含み
    前記板材は、その板厚の寸法だけ前記スタッドから突出して該板厚に相応する寸法(G)だけ前記建築用面材を全体的に前記スタッドから離間させ、前記建築用面材の上端部裏面は、前記上位ランナの側面に面し、前記間隙を画成することを特徴とする間仕切壁構造。
  5. 前記建築用面材の裏面と、前記上位ランナの側面との間の距離は、少なくとも0.3mm以上の寸法に設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の間仕切壁構造。
  6. 前記離間手段は、前記建築用面材の上端部裏面に形成された該面材の後退面を更に含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の間仕切壁構造。
  7. 前記後退面は、前記建築用面材の上端部裏面に形成された窪みからなることを特徴とする請求項4又は6に記載の間仕切壁構造。
  8. 前記後退面は、前記面材の上端部裏面に形成されたテーパ面からなることを特徴とする請求項4又は6に記載の間仕切壁構造。
  9. 前記後退面の高さ寸法は、前記上位ランナの側縁部分の高さよりも大きく、前記後退面の後退寸法は、少なくとも0.3mm以上の寸法に設定されることを特徴とする請求項7又は8に記載の間仕切壁構造。
  10. 前記建築用面材の上端と、前記上位ランナを支持する建築構造体の下面との間には、弾性変形可能な耐火材料が充填されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の間仕切壁構造。
  11. 前記建築用面材の上端と、前記上位ランナを支持する建築構造体の下面との間には、弾性変形可能な遮音材料が充填されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の間仕切壁構造。
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