JP4917981B2 - 検査方法及び検査方法を記録したプログラム記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、検査方法に関し、更に詳しくは、検査のスループットを向上させることができる検査方法及び検査方法を記録したプログラム記録媒体に関するものである。
プローブ装置は、互いに隣接するローダ室とプローバ室を備えている。ローダ室は、被検査体(例えば、ウエハ)をカセット単位で載置する載置部と、カセット内からウエハを一枚ずつ搬送するウエハ搬送機構と、ウエハを搬送する途中でウエハのプリアライメントを行うサブチャックと、を備えている。プローバ室は、ローダ室のウエハ搬送機構によって搬送されてきたウエハを載置する温度調節可能なメインチャックと、メインチャックの上方に配置されたプローブカードと、プローブカードのプローブとメインチャック上のウエハの電極パッドとのアライメントを行うアライメント機構と、を備え、アライメント機構を介してウエハの電極パッドとプローブとのアライメントを行った後、メインチャックを介してウエハを所定の温度に設定し、この設定温度で被検査体の電気的特性検査を行うように構成されている。
被検査体の検査には、100℃前後の高温領域で行われる高温検査と、−数10℃の低温領域で行われる低温検査がある。例えば高温検査を行う場合には、温度調節器(以下、単に「温調器」と称す。)によってメインチャックの温度を例えば目標温度90℃に設定し、温調器のPID制御によりメインチャックを目標温度の許容範囲内に維持してウエハの検査を行う。低温検査を行う場合には、メインチャックに内蔵された温調器によってメインチャック上のウエハを−数10℃の目標温度に設定し、目標温度でウエハの検査を行う。
しかしながら、ウエハの高温検査をする場合には、予め高温領域の目標温度に設定されたメインチャック上にウエハを載置(ロード)して検査を行うが、一般的にローダ室から搬送されてくるウエハは常温であるため、図6に示すように常温のウエハをメインチャック上にロードすると、メインチャックからウエハへの熱移動があってメインチャックの温度が目標温度より急激に低下し、それを補うために温調器のPID制御によりメインチャックを急激に加熱するとメインチャックの温度が乱高下を繰り返して温度が安定しない。また、メインチャックの温度が予め設定された目標温度の許容範囲(図6ではチャック温度の上下に一点鎖線で示した上下の間の範囲)から逸脱すると、待ち時間を生じてメインチャックを目標温度に戻すには2〜3分を要し、アライメント終了後でも温度が安定せず直ぐに検査を行うことができず検査時間が長くなってしまう。ウエハの低温検査をする場合には、逆にメインチャックの温度が一時的に高くなり、ウエハが目標温度に達するまでの時間だけ検査時間が長くなる。
尚、特許文献1にはウエハに処理を施す前にウエハの温度を大気より高めに設定するウエハローダ及び露光装置に関する発明が記載されている。また、特許文献2には交換した処理液を目標温度まで昇温し、目標温度で安定するまでの時間を短くできる半導体処理装置が記載されている。しかし、これらの技術はいずれもプローブ装置に関する技術ではない。
特開2005−032906 特開2007−027391
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高温検査であっても低温検査であってもメインチャック(載置台)上にウエハ(被検査体)をロードしてから短時間で載置台の温度を安定させて時間的ロスを生じさせることなく検査を行うことができ、延いては検査のスループットを向上させることができる検査方法及び検査方法を記録したプログラム記録媒体を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載の検査方法は、検査装置の移動可能な載置台に被検査体を載置し、載置台に内蔵された温度調節器によって上記被検査体を目標温度に設定して上記被検査体の電気的特性検査を行う検査方法において、上記被検査体を上記載置台に搬送する間、上記被検査体の品種データを読み取る工程と、上記被検査体を品種データの読み取りにより上記被検査体の予め登録された上記被検査体の物性データ及び容積データに基づいて上記被検査体を上記載置台への載置前の温度から上記目標温度まで加熱または冷却するために必要な熱量を計算する工程と、上記載置台に上記被検査体を載置する前に、上記温度調節器を介して上記目標温度に設定された上記載置台に上記必要な熱量を付与して上記載置台を加算制御する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の検査方法は、検査装置の移動可能な載置台に被検査体を載置し、載置台に内蔵された温度調節器によって上記被検査体を目標温度に設定して上記被検査体の電気的特性検査を行う検査方法において、最初の被検査体の検査を行う時には、上記被検査体を上記載置台に搬送する間、上記被検査体の品種データを読み取る工程と、上記被検査体を品種データの読み取りにより上記被検査体の予め登録された上記被検査体の物性データ及び容積データに基づいて上記被検査体を上記載置台への載置前の温度から上記目標温度まで加熱または冷却するために必要な熱量を計算する工程と、上記載置台に上記被検査体を載置する前に、上記温度調節器を介して上記目標温度に設定された上記載置台に上記必要な熱量を付与して上記載置台を加算制御する工程と、を備え、また、二番目以降の被検査体の検査を行う時には、直前の被検査体から得られた実測容積データ及び上記加算制御時の上記載置台から得られた温度プロファイルに基づいて上記被検査体を加熱または冷却するために必要な熱量を第2の加算制御量として計算する工程と、上記載置台に上記二番目以降の被検査体を載置する前に、上記温度調節器を介して上記目標温度に設定された上記載置台に上記熱量を付与して上記載置台を加算制御する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載の検査方法は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記直前の被検査体の実測容量データは、上記直前の被検査体のアライメントを行って得られる上記被検査体の平面寸法及び厚みを用いて求められることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載の検査方法は、請求項2または請求項3に記載の発明において、上記温度プロファイルは、上記加算制御時に上記載置台からフィードバックされることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載の検査方法は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記被検査体を上記載置台に載置した後は、上記載置台の検出温度及び上記目標温度に基づいて上記載置台の温度を制御する工程を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載のプログラム記録媒体は、コンピュータを駆動させて、検査装置の移動可能な載置台に被検査体を載置し、載置台に内蔵された温度調節器によって上記被検査体を目標温度に設定して上記被検査体の電気的特性検査を行う検査方法を実行するプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、上記プログラムは、上記コンピュータを駆動させて、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の検査方法を実行することを特徴とするものである。
本発明によれば、高温検査であっても低温検査であっても載置台上に被検査体をロードしてから短時間で載置台の温度を安定させて時間的ロスを生じさせることなく検査を行うことができ、延いては検査のスループットを向上させることができる検査方法及び検査方法を記録したプログラム記録媒体を提供することができる。
以下、図1〜図4に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
まず、本実施形態の検査方法が適用されるプローブ装置について図1〜図3を参照しながら説明する。
このプローブ装置10は、例えば図1に示すように、被検査体であるウエハWの搬送を行うローダ室11と、ローダ室11に隣接し、ローダ11からのウエハWの電気的特性検査を行うプローバ室12とを備えている。プローバ室12は、ウエハWをロードしX、Y、Z及びθ方向に移動するメインチャック13と、メインチャック13の上方に配置されるプローブカード14と、プローブカード14とインサートリング15を介して電気的に接触するテストヘッドTと、プローブカード14のプローブ14Aとメインチャック13上のウエハWの電極パッドとのアライメントを行うアライメント機構16と、メインチャック13及びアライメント機構16を含む各種の構成機器を制御するコンピュータを主体とする制御装置17と、を備え、制御装置17の制御下でアライメント機構16が駆動して、メインチャック13上のウエハWとプローブカード14の複数のプローブ14Aとのアライメントを行った後、複数のプローブ14AとウエハWとを電気的に接触させてウエハWの高温検査または低温検査を行うように構成されている。
高温検査または低温検査を行うために、メインチャック13は温調器13A(図3参照)を内蔵している。温調器13Aは、温調器制御回路13Bを介してPID制御され、メインチャック13を設定された目標温度の許容範囲内で加熱または冷却する。メインチャック13には複数の温度センサ(図示せず)が取り付けられ、これらの温度センサによってメインチャック13の温度を検出し、制御装置17を介してメインチャック13の温度を常に監視している。
アライメント機構16は、例えばプローバ室12内の背面とプローブセンタとの間で水平移動するアライメントブリッジ16Aと、アライメントブリッジ16Aに設けられた第1のCCDカメラ16Bと、メインチャック13の側方に設けられた第2のCCDカメラ16Cと、を備え、プローブカード14とメインチャック13上のウエハWとのアライメントを行う。第1のCCDカメラ16Bは、アライメントブリッジ16Aを介してプローバ室12の背面からプローブセンタまで進出してプローブカード14とメインチャック13との間に位置し、ここでメインチャック13がX、Y方向へ移動する間に、ウエハWの電極パッドを上方から検出する。第2のCCDカメラ16Cは、アライメントブリッジ16Aがプローバ室12内の背面に後退した後、プローブカード14の下方でメインチャック13がX、Y方向へ移動する間に、プローブカード14の下方から所定のプローブ14Aを順次検出する。
制御装置17は、例えば図2に示すように、制御部17A、主記憶部17B、外部記憶部17C、計時部17D、入力部17E、送受信部17F、出力部17Gを備え、各部位がバス17Hによって接続されている。また、制御装置17には表示部18が接続され、表示部18には入力部17Eから入力された検査時の目標温度等の種々のデータや第1、第2のCCDカメラ16B、16Cの撮像画像等の画像データ等が制御装置17を介して表示される。制御装置17及び表示部18としては、いずれも従来公知の手段を用いることができる。
また、制御部17Aは、CPU等を主体に構成され、外部記憶部17Cに記憶されている本発明の検査方法を実行するプログラムを含む種々のプログラムを主記憶部17Bにおいて実行し、メインチャック13等の各種の機器を駆動制御して種々の仕事を実行する。また、外部記憶部17Cは、制御部17Aによって実行された種々の処理結果が格納する。
計時部17Dは、例えば、水晶発振器、水晶発振器から発振されるクロックパルスをカウントするカウンタ及び時計を備え、制御部17Aの指令によって任意の時間にタイマとして作動し、制御部17Aに現在時刻を供給する。例えば、制御部17Aが計時部17Dのカウンタをある値にセットしてタイマを起動すると、計時部17Dはクロックパルスを発生する毎にカウンタから1を減算し、カウンタの値が0になった時に制御部17Aへ割り込み信号を発生させる。これにより、制御部17Aは、一定の検査時間等を計測することができる。また、計時部17Dの時計は、基準時刻からクロックパルスをカウントし、制御部17Aはカウント値を計時部17Dから読み込むことによって基準時刻からの時間経過、即ち現在時刻を知ることができる。また、制御部17Aは、送受信部17Fを介してテスタ19との間で種々の信号を授受してウエハWの検査結果を受信する。出力部17Gは、制御部17Aの指令信号に基づいてメインチャック13等の駆動機構20を制御する。
而して、制御装置17の外部記憶部17Cには上述のように本発明の検査方法を実行するためのプログラムやこのプログラムを実行するために使用される種々のデータ等が記憶されている。本実施形態の検査方法は、ウエハWを常温から目標温度まで加熱するために必要な熱量を求め、未検査のウエハをメインチャック13にロードする前に、この熱量を目標温度にPID制御されているメインチャック13に加算し、この熱量によってメインチャック13を目標温度より若干高めの温度になるように制御し、ウエハWをメインチャック13にロードしてもメインチャック13の温度が短時間で安定化し、時間的ロスを生じることなく検査を行うことができる点に特徴がある。そこで、以下では、このようにウエハWをロードする前にメインチャック13に加算される熱量を加算制御量と称し、ウエハWをメインチャック13にロードする前に、PID制御で目標温度に設定されているメインチャック13に加算制御量を付与してメインチャック13の温度を目標温度よりも高目で制御することを加算制御と称する。
メインチャック13をPID制御すると共に加算制御することで、メインチャック13上にこれとは温度差のあるウエハWをロードしても、メインチャック13からは加算制御量に見合った熱量を奪われるだけで、後述のようにウエハWをアライメントしている間にメインチャック13の温度は短時間で目標温度の許容範囲内に収束して安定化し、アライメント直後からウエハWの検査を実行することができる。温調器13Aのヒータは、通常、余力を持ってメインチャック13をPID制御しているため、ヒータの余力分が加算制御に回される。つまり、温調器13Aのヒータは、メインチャック13上に常温のウエハをロードする前に、例えば最大出力で作動してメインチャック13のPID制御と加算制御を同時に行って、メインチャック13を一時的に目標温度よりも高くする。
加算制御量を求めるためには、例えば図3に示すように制御部17Aが外部記憶部17CからウエハデータのうちウエハWの比熱、比重(密度)及び容積並びに目標温度を読み出し、更にこれらのウエハデータとウエハWの常温と目標温度との温度差を用いて一枚のウエハWを常温から目標温度まで加熱するために必要とする熱量を加算制御量として求める。例えば、ウエハの直径が300mm、厚みが0.8mm、密度が2.3g/cm、比熱が697ジュール/kg/Kとする。そして、目標温度が90℃であるとすると、目標温度と常温との温度差は65℃になる。従って、ウエハを25℃から90℃まで加熱するために必要な熱量は5889ジュールとなる。一方、温調器13Aのヒータの全消費電力が例えば800ワットで、450ワットがPID制御に供されているとすると、350ワットが加算制御に供される。加算制御が350ワットのヒータで行われると、加算制御時のヒータによるメインチャック13の加熱時間は、16.8秒になる。つまり、ウエハをメインチャック13上にロードする前に、温調器13Aのヒータが最大出力で16.8秒間作動してPID制御と加算制御を同時に行う(図5参照)。
あるロットの最初のウエハWをロードする時には上述のように予め登録されているウエハデータと目標温度を用いて加算制御量を求めている。しかし、二枚目以降のウエハWでは、直前のウエハWの実測容積データ及び実測温度データに基づいて加算制御量を求めるようにしている。直前のウエハWの実測容積データは、ウエハWのアライメント時に実測されるウエハWの直径及び厚みによって求めることができる。また、実測温度データは、図3に示すように加算制御時のメインチャック13の温度データあるいは温調器13Aの出力データから求めることができる。このようにウエハの実測容量データ及び実測温度データに基づいて次のウエハWの加算制御量を求めるため、登録されたウエハデータや目標温度を使用する場合よりも現実に即したデータに基づいてメインチャック13を高精度に加算制御することができる。尚、PID制御は、図3に示すように従来公知のようにメインチャック13からフィードバックされる現在のチャック温度に基づいて行われる。
図5は二枚目以降のウエハからのメインチャック13の制御形態を示している。同図に示すように、直前のウエハWの検査が終了すると、検査済みのウエハWをメインチャック13からアンロードする。このタイミングに合わせて制御部17Aが温調器13Aを介してメインチャック13を加算制御する。温調器13Aは最大出力で短時間に加算制御量となる熱量をメインチャック13へ供給し、メインチャック13を例えばta秒で加熱する。加熱時間ta秒はメインチャック13を加熱してからその温度を温度センサで検出するまでにかかる熱伝導時間ts秒を考慮してできるだけ短くする。加熱時間ta秒及び熱伝導時間ts秒を経過する間に、次のウエハWをロードした後、ウエハWのアライメントを行う。この間に同図に示すようにメインチャック13の温度が目標温度に収束して安定化し、アライメント直後からウエハWの検査を行うことができる。従って、従来のようにメインチャック13の温度が安定するまでの待ち時間がなく、検査時間を短縮して検査のスループットを向上させることができる。
次に、本発明の検査方法の一実施形態について図4の(a)〜(c)を参照しながら説明する。
まず、図4の(a)に示すようにあるロットの最初のウエハWの検査を開始すると(ステップS11)、ローダ室11内のカセットからプローバ室12内のメインチャック13へウエハWを搬送する間に、ローダ室11内でウエハWのプリアライメントを行うと共にウエハWの品種データを読み込む(ステップS12)。ウエハWの品種データを読み込むことによってウエハデータが特定され、ウエハWの容積、比熱及び比重が決まる。制御装置17の制御部17Aは瞬時に外部記憶部17Cからウエハデータを読み出し、これらのデータに基づいて加算制御量を計算する(ステップS13)。次いで、制御部17Aは、メインチャック13を駆動制御すると共に温調器13Aを制御する(ステップS14)。
ステップS14で制御を開始すると、図4の(c)に示すように制御部17Aは既にメインチャック13をPID制御(同図では「通常制御」として記載されている。)し(ステップS21)、メインチャック13を目標温度に設定している。次いで、メインチャック13上にウエハWをロードする前に、制御部17Aは、外部記憶部17Cから読み出したウエハデータ(比熱、比重、容積)及び目標温度に基づいて加算制御量を計算により求めた後(ステップS22)、温調器制御回路13Bを介してメインチャック13を温調器13Aの最大出力でPID制御に加えて、図5に示すように所定時間taだけ加算制御して(ステップS23)、メインチャック13を昇温し、メインチャック13を目標温度よりも高い温度(例えば、1〜3℃)にする。この間にローダ室11からメインチャック13上にウエハWをロードする。
ウエハWがロードされると、図5に示すようにメインチャック13の温度が一時的に低下する。しかし、メインチャック13は加算制御により目標温度により高い温度に設定されているため、目標温度の許容範囲を超えて低下することはない。この間にもメインチャック13は加算制御と同時にPID制御されているため、図5に示すようにメインチャック13を目標温度に戻す。PID制御でメインチャック13が目標温度の許容範囲内で多少昇降温しながら目標温度に収束する。この間にウエハWはアライメント機構16を介してアライメントされる。アライメントの間にメインチャック13は目標温度に収束し、アライメント直後にはウエハWの検査を実行することができる。メインチャック13の温度が目標温度に収束すると、制御部17Aは図4の(c)に示すようにメインチャック13をPID制御(通常制御)に戻し、ウエハWの検査を終了するまで通常制御でメインチャック13を目標温度の許容範囲内で温度制御する(ステップS24)。
この際、図4の(b)に示すようにメインチャック13上にウエハWがロードされると(ステップS31)、メインチャック13の温度がPID制御と加算制御により変動する(図5参照)。制御装置17は、メインチャック13の温度を複数の温度センサを介して監視している(ステップS32)。引き続き、ウエハWのアライメントが行われると、この間にウエハWの厚みが測定され(ステップS33)、この厚み及び直径は次のウエハWの加算制御量(熱量)を計算する時に使用される(ステップS34)。ウエハWのアライメントが終了すると、メインチャック13は通常制御に切り替わり、ウエハの検査が直ちに開始される(ステップS35)。ウエハWをインデックス送りしながらウエハWの検査が終了すると(ステップS36)、上述したステップS31〜ステップS35を繰り返し、図4の(a)に示すようにそのロットの全てのウエハWの検査を終了する(ステップS5)。
最初のウエハWの検査を終了すると、図5に示すようにウエハWがメインチャックからアンロードされる。この間に、制御部17Aは、直前のウエハ(今の場合は最初のウエハ)Wのアライメントで得られた容積データ及び加算制御時の温度プロファイルデータを用いて二枚目のウエハWの加算制御量を計算により求めた後、二枚目のウエハWをメインチャック13上にロードする前に、PID制御に加えて加算制御を行ってメインチャック13の温度を目標温度よりも高めに設定する。後は、最初のウエハWと同様の手順でウエハWをアライメントした後、ウエハWの検査を行う。つまり、二枚目以降のウエハWでは加算制御量を計算する場合に、登録されたウエハデータや目標温度を使用せず、アライメントによって実測された容量データや直前のウエハWの加算制御時におけるメインチャック13の温度プロファイルデータを用いて加算制御量を求めるようにしている。これによりウエハWの設計上のデータではなく実測データに基づいて加算制御量を求めるため、実情に即して加算制御量を高精度に求めることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、プローブ装置10を用いてウエハWの検査を行う工程は、ウエハWをメインチャック13に搬送する間、ウエハWの品種データを読み取る工程と、ウエハWを品種データの読み取りによりウエハWの予め登録されたウエハWの物性データ(比熱、比重)及び容積データに基づいてウエハWをメインチャック13へのロード前の温度(常温)から目標温度(90℃)まで加熱するために必要な熱量を加算制御量として計算する工程と、メインチャック13にウエハWをロードする前に、温調器13Aを介して目標温度に設定されたメインチャック13に加算制御量を付与してメインチャック13を加算制御する工程と、を備えているため、ウエハWをメインチャック13上にロードした時にメインチャック13からウエハWへ熱移動があってもメインチャック13にはウエハ一枚分の熱量が加算制御量として予め付与されていて、メインチャック13が目標温度の許容範囲を超えて温度低下することがなく、ウエハWのアライメント中にメインチャック13が目標温度に収束し、アライメント直後からウエハの検査を行うことができ、検査のスループットを向上させることができる。
また、本実施形態によれば、二枚目以降のウエハWの検査をする時には、直前のウエハWの実測容量データ及び加算制御時におけるメインチャック13の温度プロファイルデータに基づいて二枚目以降のウエハWの加算制御量を求めるため、実情に即した加算制御量を求めることができ、より高精度にメインチャック13の温度を制御することができる。
また、本実施形態によれば、ウエハWの実測容量データは、直前のウエハWのアライメントを行って得られるウエハWの平面寸法及び厚みを用いて求められるため、ウエハWの容量を測定するための測定機器を設ける必要がなく、しかも高精度にウエハWの容量を実測することができる。また、二枚目以降のウエハWの加算制御量を求める際に使用する温度プロファイルは、加算制御時にメインチャック13からフィードバックされるため、実情を反映した加算制御量を高精度に求めることができる。
尚、上記実施形態では被検査体の高温検査について説明したが、被検査体の低温検査についても同様に適用することができる。ウエハの本発明は上記実施形態に何等制限されるものではなく、必要に応じて各構成要素を適宜変更することができる。
本発明は、ウエハ等の被検査体の電気的特性検査を行うプローブ装置に好適に利用することができる。
本発明の検査方法に用いられるプローブ装置の一例を示す概念図である。 図1に示す制御装置を示すブロック図である。 図1に示すプローブ装置の機能を示すブロック図である。 (a)〜(c)はそれぞれ図1に示すプローブ装置を用いた検査方法の流れを示す流れ図である。 本発明の検査方法の一実施形態を示すメインチャックの制御及び温度のプロファイルを示す図である。 従来の検査方法の一例を示すメインチャックの制御及び温度のプロファイルを示す図である。
符号の説明
10 プローブ装置(検査装置)
13 メインチャック(載置台)
13A 温調器(温度調節器)
17 制御装置(コンピュータ)
17A 制御部
W ウエハ(被検査体)

Claims (6)

  1. 検査装置の移動可能な載置台に被検査体を載置し、載置台に内蔵された温度調節器によって上記被検査体を目標温度に設定して上記被検査体の電気的特性検査を行う検査方法において、
    上記被検査体を上記載置台に搬送する間、上記被検査体の品種データを読み取る工程と、
    上記被検査体を品種データの読み取りにより上記被検査体の予め登録された上記被検査体の物性データ及び容積データに基づいて上記被検査体を上記載置台への載置前の温度から上記目標温度まで加熱または冷却するために必要な熱量を計算する工程と、
    上記載置台に上記被検査体を載置する前に、上記温度調節器を介して上記目標温度に設定された上記載置台に上記必要な熱量を付与して上記載置台を加算制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする検査方法。
  2. 検査装置の移動可能な載置台に被検査体を載置し、載置台に内蔵された温度調節器によって上記被検査体を目標温度に設定して上記被検査体の電気的特性検査を行う検査方法において、
    最初の被検査体の検査を行う時には、
    上記被検査体を上記載置台に搬送する間、上記被検査体の品種データを読み取る工程と、
    上記被検査体を品種データの読み取りにより上記被検査体の予め登録された上記被検査体の物性データ及び容積データに基づいて上記被検査体を上記載置台への載置前の温度から上記目標温度まで加熱または冷却するために必要な熱量を計算する工程と、
    上記載置台に上記被検査体を載置する前に、上記温度調節器を介して上記目標温度に設定された上記載置台に上記必要な熱量を付与して上記載置台を加算制御する工程と、を備え、
    また、二番目以降の被検査体の検査を行う時には、
    直前の被検査体から得られた実測容積データ及び上記加算制御時の上記載置台から得られた温度プロファイルに基づいて上記被検査体を加熱または冷却するために必要な熱量を第2の加算制御量として計算する工程と、
    上記載置台に上記二番目以降の被検査体を載置する前に、上記温度調節器を介して上記目標温度に設定された上記載置台に上記熱量を付与して上記載置台を加算制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする検査方法。
  3. 上記直前の被検査体の実測容量データは、上記直前の被検査体のアライメントを行って得られる上記被検査体の平面寸法及び厚みを用いて求められることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検査方法。
  4. 上記温度プロファイルは、上記加算制御時に上記載置台からフィードバックされることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の検査方法。
  5. 上記被検査体を上記載置台に載置した後は、上記載置台の検出温度及び上記目標温度に基づいて上記載置台の温度を制御する工程を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の検査方法。
  6. コンピュータを駆動させて、検査装置の移動可能な載置台に被検査体を載置し、載置台に内蔵された温度調節器によって上記被検査体を目標温度に設定して上記被検査体の電気的特性検査を行う検査方法を実行するプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、上記プログラムは、上記コンピュータを駆動させて、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の検査方法を実行することを特徴とするプログラム記録媒体。
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