JP4917411B2 - リニアステージ用現位置保持機構 - Google Patents
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移動ステージの移動方向に対して平行となる移動ステージの一面に直交し且つ移動ステージの移動方向に対して平行となる平面に対する投影形状が外に凸となる一端面を備えた固定部材の前記一端面を移動ステージの前記一面に対向させた状態で固定部材の前記一端面と前記移動ステージの前記一面との間に間隔を置いて該固定部材を前記ベースプレートに対して一体的に固着し、
移動ステージの移動方向を基準とする前記固定部材の前記一端面の両端部の各々と前記移動ステージの前記一面との間に、前記移動ステージの前記一面と前記固定部材の前記一端面との間の最小離間距離を越え且つ前記移動ステージの前記一面と前記固定部材の前記一端面との間の最大離間距離に満たない外径を有する与圧部材を移動自在に配置すると共に、
前記各与圧部材の外周部に当接して前記各与圧部材を相互に接近させる方向に付勢する各与圧部材毎の付勢手段と、前記各与圧部材の間に位置し前記移動ステージの前記一面と接離する方向にのみ移動可能であって前記各与圧部材と当接する両側面間の間隔が其の基部から先端に向けて徐々に増大するロック解除部材と、前記ロック解除部材を前記移動ステージの前記一面から離間させる方向に引き寄せるアクチュエータとを、前記ベースプレートの側に配備したことを特徴とする構成を有する。
ロック解除部材の両側には移動自在な2つの与圧部材が位置し、これらの与圧部材が各与圧部材毎の付勢手段によって相互に接近する方向に付勢されており、各与圧部材と当接するロック解除部材の両側面間の間隔は其の基部から先端に向けて徐々に増大するように形成されているので、ロック解除部材の両側面が各与圧部材を介して各与圧部材毎の付勢手段で押圧されることにより、楔状のテーパ面を有するロック解除部材の両側面に2つの与圧部材の間から押し出される方向の力が作用し、このロック解除部材が移動ステージの前記一面に対して接近する方向に移動する。
そして、ロック解除部材の移動に伴って、其の両側に位置する2つの与圧部材が相互に接近し、移動ステージの前記一面に対向して外に凸の形状を有する固定部材の一端面の両端部、つまり、移動ステージにおける前記一面との離間距離が最大となる固定部材の一端面上の位置から、該一端面の中央部寄りの位置、すなわち、移動ステージにおける前記一面との離間距離が最小となる固定部材の一端面上の位置へと移動する。
各与圧部材は前述の最小離間距離を越える外径を備えているので、固定部材における前記一端面の中央部寄りの位置に移動した2つの与圧部材は、移動ステージにおける前記一面と固定部材における前記一端面との間に楔のようにして挟み込まれ、これら2つの与圧部材が、ベースプレートに対して一体的に固着された固定部材に対する移動ステージの移動、すなわち、ベースプレートに対する移動ステージの移動を防止して、移動ステージをベースプレートに固定する。
また、このようにして移動ステージをベースプレートに固定した状態で移動ステージの移動方向に強い力が加わると、移動ステージの前記一面に当接した与圧部材に対し、該与圧部材を移動ステージの移動を許容する方向に回転させようとする向きの回転力が作用する。この回転力の向きは、移動ステージに加わる力の方向ベクトルの基部側に位置する与圧部材を固定部材の前記一端面に沿って更に該一端面の中央部寄りに向けて転動させる方向に作用するので、この与圧部材が、移動ステージにおける前記一面と固定部材における前記一端面との間に更に強く挟み込まれることになる。よって、移動ステージをベースプレートに固定した状態で移動ステージの移動方向に強い力が加わっても、移動ステージが不用意に動く心配はない。
一方、ベースプレートに対する移動ステージの固定を解除する場合には、アクチュエータを作動させ、各与圧部材の間に位置するロック解除部材を移動ステージの前記一面から離間する方向に移動させる。ロック解除部材には基部から先端に向けて相互間の間隔が徐々に増大する両側面からなる楔状のテーパ面が形成されているので、ロック解除部材の移動により、其の両側に位置する2つの与圧部材が、各与圧部材毎の付勢手段の力に抗し、相互に離間する方向に移動する。
このようにしてロック解除部材の両側に位置する2つの与圧部材が相互に離間し、移動ステージの前記一面に対向して外に凸の形状を有する固定部材の一端面の中央寄りの位置、つまり、移動ステージにおける前記一面との離間距離が最小となる固定部材の一端面上の位置から、該一端面の両端部の位置、すなわち、移動ステージにおける前記一面との離間距離が最大となる固定部材の一端面上の位置へと移動する。
各与圧部材は前述の最大離間距離に満たない外径を備えているので、固定部材における前記一端面の両端部に移動した2つの与圧部材は、移動ステージにおける前記一面と固定部材における前記一端面との間で移動自在な状態となり、ベースプレートに一体的に固着された固定部材に対する移動ステージの移動、つまり、ベースプレートに対する移動ステージの移動が許容された状態となる。
各与圧部材は各与圧部材毎の付勢手段によってロック解除部材の方向に向けて付勢されており、各与圧部材の外周がロック解除部材の両側の楔状のテーパ面に当接しているので、各与圧部材は、其の一側に位置する付勢手段と其の他側に位置するロック解除部材における楔状のテーパ面との間に挟み込まれて移動ステージの前記一面から離間する方向に退避するので、これらの与圧部材が移動ステージの前記一面に干渉することはなく、移動ステージをスムーズに移動させることができる。
以上に述べた通り、移動ステージをベースプレートに固定するために必要とされる全ての構成要素、すなわち、固定部材および2つの与圧部材と各与圧部材毎の付勢手段ならびにロック解除部材とアクチュエータとがベースプレート側に纏めて配備されているので、アクチュエータを駆動する電力あるいは空気圧等を供給するための管路やコード類が移動ステージと共に引き回されたり屈曲したりすることはなく、管路やコード類と周辺設備との干渉の問題、更には、管路やコード類の引き回しや屈曲によって生じる駆動抵抗の変動に伴う位置決め精度の劣化の問題が解消される。
また、移動ステージをベースプレートに固定する際の駆動源となる2つの付勢手段が移動ステージの移動方向に沿った向きで作動する一方、移動ステージの固定を解除するためのロック解除部材とアクチュエータは、移動ステージの移動方向と直交する向きで作動するようになっているので、固定力を発揮させるための駆動源と其れを解除するための駆動源とを同一直線上に配置した従来型の構造と比べてリニアステージ用現位置保持機構の小型化が容易であり、小型のリニアステージにおける移動ステージの固定にも容易に対処することができる。
円弧状の二次曲面に代わる形状としては、頂点が鈍角となる山形のテーパ面を利用することも可能である。
また、移動ステージをベースプレートに固定する際の駆動源となる2つの付勢手段が移動ステージの移動方向に沿った向きで作動する一方、移動ステージの固定を解除するためのロック解除部材とアクチュエータは、移動ステージの移動方向と直交する向きで作動するようになっているので、固定力を発揮させるための駆動源と其れを解除するための駆動源とを同一直線上に配置した従来型の構造と比べ、リニアステージ用現位置保持機構の小型化が容易であり、小型のリニアステージにおける移動ステージの固定にも容易に対処することができる。
しかも、移動ステージをベースプレートに固定した状態で移動ステージの移動方向に強い力が加わると、移動ステージにおける一面と固定部材における一端面との間に与圧部材が更に強く挟み込まれるので、移動ステージをベースプレートに固定した状態で移動ステージの移動方向に強い力が加わっても、移動ステージが不用意に動くような問題が発生しない。
2 リニアステージ
3 移動ステージ
3a 移動ステージの一面
4 ベースプレート
5 リニアガイド
5a,5b ガイドローラ
6 リニアモータ
6a 固定子
6b 走行子
7 スケール
8 ステー
9 エンコーダ
10 光電センサ
11 遮光板
12 機械原点検出手段
13 固定部材
13a 固定部材の一端面
14 ローラ(与圧部材)
14’ ローラ(退避時の位置)
15 板バネ(付勢手段)
15a 摺接部
15a’ 摺接部(退避時の位置)
16 ロック解除部材
16’ ロック解除部材(退避時の位置)
16a 基部から先端に向けて徐々に増大する楔状のテーパ面
17 アクチュエータ
18 ステー
19 皿ネジ
20 可動鉄心
21 コイル
22 ボビン
23 ナット
24 アクチュエータ
25 ブレーキパッド
X 移動ステージの移動方向
D 与圧部材であるローラの直径(外径)
D1 移動ステージの一面と固定部材の一端面との間の最小離間距離
D2 移動ステージの一面と固定部材の一端面との間の最大離間距離
100 レール
101 サドル
102 ピストン
103 ピストン
104 ウェッジスライドギア
104a テーパ面
105 ブレーキパッド
106 コイルスプリング
107 気室
108 クランプ装置
Claims (6)
- リニアガイドを介してベースプレートに取り付けられた移動ステージと前記ベースプレートとの相対位置を保持した状態で前記移動ステージを前記ベースプレートに対して一時的に固定するためのリニアステージ用現位置保持機構であって、
前記移動ステージの移動方向に対して平行となる前記移動ステージの一面に直交し且つ前記移動ステージの移動方向に対して平行となる平面に対する投影形状が外に凸となる一端面を備えた固定部材の前記一端面を前記移動ステージの前記一面に対向させた状態で前記固定部材の前記一端面と前記移動ステージの前記一面との間に間隔を置いて該固定部材を前記ベースプレートに対して一体的に固着し、
前記移動ステージの移動方向を基準とする前記固定部材の前記一端面の両端部の各々と前記移動ステージの前記一面との間に、前記移動ステージの前記一面と前記固定部材の前記一端面との間の最小離間距離を越え且つ前記移動ステージの前記一面と前記固定部材の前記一端面との間の最大離間距離に満たない外径を有する与圧部材を移動自在に配置すると共に、
前記各与圧部材の外周部に当接して前記各与圧部材を相互に接近させる方向に付勢する各与圧部材毎の付勢手段と、前記各与圧部材の間に位置し前記移動ステージの前記一面と接離する方向にのみ移動可能であって前記各与圧部材と当接する両側面間の間隔が其の基部から先端に向けて徐々に増大するロック解除部材と、前記ロック解除部材を前記移動ステージの前記一面から離間させる方向に引き寄せるアクチュエータとを、前記ベースプレートの側に配備したことを特徴とするリニアステージ用現位置保持機構。 - 前記固定部材の前記一端面が、円弧状の二次曲面によって形成されていることを特徴とする請求項1記載のリニアステージ用現位置保持機構。
- 前記与圧部材が、ローラによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリニアステージ用現位置保持機構。
- 前記ロック解除部材が、円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3記載のリニアステージ用現位置保持機構。
- 前記各与圧部材毎の付勢手段が、略C字型の一体化された板バネによって構成され、該板バネの両端部の各々が外側から前記各与圧部材に当接していることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載のリニアステージ用現位置保持機構。
- 前記アクチュエータが、前記ロック解除部材を前記移動ステージの前記一面から離間させる方向に移動させる可動鉄心とコイルによって構成されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5記載のリニアステージ用現位置保持機構。
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