JP4917399B2 - 切削ブレードに付与する超音波振動の周波数設定方法および切削装置 - Google Patents

切削ブレードに付与する超音波振動の周波数設定方法および切削装置 Download PDF

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本発明は、切削ブレードに超音波振動を付与しつつ半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物を切削する切削装置および切削ブレードに付与する超音波振動の周波数設定方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハもストリートに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード、CCD等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述したウエーハのストリートに沿った切断は、通常、ダイサーと称されている切削装置によって行われている。この切削装置は、ウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードを備えた切削工具および回転スピンドルを回転駆動する駆動機構を備えたスピンドルユニットを含んでいる。このような切削装置においては、切削工具を20000〜40000rpmの回転速度で回転しつつ、切削工具とチャックテーブルに保持された被加工物を相対的に切削送りする。
しかるに、デバイスが形成されるウエーハは、シリコン、サファイヤ、シリコンナイトライド、ガラス、リチウムタンタレート等の脆性硬質材料が用いられており、砥石ブレードによって切削すると切断面に欠けが生じてデバイスの品質を低下させるという問題がある。また、サファイヤ等のモース硬度の高いウエーハは、切削ブレードによる切削が不可能ではないにしても非常に困難である。
上述した問題を解消するために、切削ブレードを備えた切削工具が装着された回転スピンドルに超音波振動子を配設し、この超音波振動子に交流電圧を印加することにより、切削ブレードに超音波振動を付与しつつ切削するようにした切削方法が提案されている。この切削方法に用いる切削工具は、回転スピンドルに取付けられる振動伝達部材と、該振動伝達部材に装着された切削ブレードとからなっており、回転スピンドルの軸方向に振動する超音波振動を振動伝達部材によって径方向の振動に変換し、切削ブレードに径方向の超音波振動を付与する。
(例えば、特許文献1参照。)
特許第3469516号公報
切削ブレードに付与する超音波振動の周波数は、切削ブレードの種類や大きさによって異なる。また、切削ブレードに付与する超音波振動の周波数は、最初に共振が発生する周波数に設定されている。しかるに、本発明者等の実験では、切削ブレードに超音波振動を付与すると、切削ブレードが放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードと、互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードによって振動することが判った。そして、同位相モードが発生する超音波振動の周波数と逆位相モードが発生する超音波振動の周波数が異なることも判った。更に、切削ブレードを形成する砥粒を結合するためのボンド材の種類(レジンボンド、メタルボンド、ビトリファイドボンド、電鋳)、ブレードの厚さおよび径、切削工具の重量等によって同位相モードで振幅が大きくなる切削ブレードと、逆位相モードで振幅が大きくなる切削ブレードがあることも判った。従って、切削ブレードに付与する超音波振動の周波数を設定するにあたっては、これらのことを考慮して振幅が大きくなる周波数を設定することが望ましい。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、切削ブレードを効果的な振幅で振動させるための切削ブレードに付与する超音波振動の周波数設定方法および切削装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、切削ブレードが装着された切削工具を取り付けた回転スピンドルに配設されている超音波振動手段に印加する交流電力の周波数を設定する方法であって、
該超音波振動手段に切削ブレードが互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードで共振する周波数の交流電力を印加し、切削ブレードの振幅を検出する第1の振幅検出程と、
該超音波振動手段に切削ブレードが放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードで共振する周波数の交流電力を印加し、切削ブレードの振幅を検出する第2の振幅検出工程と、
該第1の振幅検出工程と該第2の振幅検出工程によって検出された切削ブレードの振幅のうち大きい振幅が得られた周波数を該超音波振動手段に印加する交流電力の周波数として選定する周波数選定工程と、を含む、
ことを特徴とする切削工具に超音波振動を付与するための交流電力の周波数設定方法が提供される。
また、本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための回転スピンドルと該回転スピンドルの端面に取り付けられた切削ブレードを備えた切削工具と該回転スピンドルに配設された超音波振動手段を備えた切削手段と、該超音波振動手段に交流電力を印加する電力供給手段とを具備し、該電力供給手段が超音波振動手段に印加する交流電力の周波数を調整する周波数調整手段と該周波数調整手段を制御する制御手段とを具備している、切削装置において、
該回転スピンドルに取り付けられた該切削工具の切削ブレードの振幅を検出し、振幅信号を該制御手段に送る振幅検出手段を具備し、
該制御手段は、該超音波振動手段に切削ブレードが互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードで共振する周波数と切削ブレードが放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードで共振する周波数の交流電力を印加した際に該振幅検出手段が該切削ブレードの振幅を検出した振幅信号に基いて、振幅が大きいほうの位相モードにおける周波数を選定する、
ことを特徴とする切削装置が提供される。
上記制御手段は、選定した周波数を格納するメモリを具備しており、該メモリに格納された周波数に基いて上記周波数調整手段を制御する。
本発明によれば、超音波振動手段に切削ブレードが互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードと切削ブレードが放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードでそれぞれ共振する周波数の交流電力を印加した際に切削ブレードが振動する振幅を検出し、検出された切削ブレードの振幅のうち大きい振幅が得られた周波数を超音波振動手段に印加する交流電力の周波数として選定するので、切削ブレードによる切削抵抗を効果的に減少することができ、被加工物Wがサファイヤ等の難削材であっても容易に切削することができる。
以下、本発明による切削工具に超音波振動を付与するための交流電力の周波数設定方法および切削装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成された切削装置の斜視図が示されている。図示の実施形態における切削装置は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。この装置ハウジング2内には、被加工物を保持するチャックテーブル3が切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設されている。チャックテーブル3は、吸着チャック支持台31と、該吸着チャック支持台31上に配設された吸着チャック32を具備しており、該吸着チャック32の上面である保持面上に被加工物を図示しない吸引手段を作動することによって吸引保持するようになっている。また、チャックテーブル3は、図示しない回転機構によって回転可能に構成されている。なお、チャックテーブル31には、被加工物として後述するウエーハを保護テープを介して支持する支持フレームを固定するためのクランプ33が配設されている。このように構成されたチャックテーブル3は、図示しない切削送り手段によって、矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられるようになっている。
図1に示す切削装置は、切削手段としてのスピンドルユニット4を具備している。スピンドルユニット4は、図示しない移動基台に装着され図示しない割り出し送り手段によって上記矢印Xで示す切削送り方向と直交する矢印Yで示す割り出し方向に移動せしめられるとともに、図示しない切り込み送り手段によって切り込み方向である矢印Zで示す方向に移動せしめられるようになっている。このスピンドルユニット4について、図2を参照して説明する。
図2に示すスピンドルユニット4は、スピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41内に回転自在に配設された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42の先端に装着される切削工具43を具備している。スピンドルハウジング41は略円筒状に形成され、軸方向に貫通する軸穴411を備えている。上記スピンドルハウジング41に形成された軸穴411に挿通して配設される回転スピンドル42は、その前端部にネジ穴421が設けられた工具装着部422を備え、その中央部には径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジ423が設けられている。このようにしてスピンドルハウジング41に形成された軸穴411に挿通して配設される回転スピンドル42は、軸穴411の内壁との間に供給される高圧エアーによって回転自在に支持される。
回転スピンドル42の先端部に設けられた工具装着部422に装着された切削工具43は、ブレード基台としての振動伝達部材44と、該振動伝達部材44に装着された円環状の切削ブレード45とからなっている。振動伝達部材44は図示の実施形態においてはアルミニウムによって形成され、中央大径部441と、該中央大径部441の一端面から同軸状に突出して形成された第1の小径部442と、中央大径部441の他端面から同軸状に突出して形成された第2の小径部443とからなっている。なお、第1の小径部442と第2の小径部443は、同一寸法に形成されている。このように形成された振動伝達部材44には、軸中心を貫通する貫通孔444が形成されている。振動伝達部材44に装着された切削ブレード45は、図示の実施形態においては振動伝達部材44の中央大径部441における第1の小径部442側の端面に砥粒をニッケル等の金属メッキで結合した電鋳ブレード、砥粒をレジンボンドで結合したレジンボンド砥石ブレード、砥粒をメタルボンドで結合したメタルボンド砥石ブレード、砥粒をビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石ブレードを用いることができる。
図示の実施形態における切削工具43は、振動伝達部材44を構成する第1の小径部442の図2において右端面即ち回転スピンドル42と対面する第1の端面442aおよび第2の小径部443の図2において左端面即ち後述する固定部材と対面する第2の端面443aにそれぞれ合成樹脂からなるスペーサー46、46が装着されている。このように構成された切削工具43は、貫通孔444を挿通して配設された固定部材としての締め付けボルト46を回転スピンドル42の工具装着部422に設けられたネジ穴421に螺合することにより、回転スピンドル42に装着される。このとき、振動伝達部材44を構成する第1の小径部442の第1の端面442aおよび第2の小径部443の第2の端面443aにそれぞれ合成樹脂からなるスペーサー46、46が装着されているので、振動伝達部材44の回転スピンドル42への取付け作業が容易であるとともに、スペーサー46、46の介在忘れを確実に防止することができる。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、回転スピンドル42を回転駆動するための電動モータ5を備えている。図示の電動モータ5は、永久磁石式モータによって構成されている。永久磁石式の電動モータ5は、回転スピンドル42の中間部に形成されたモータ装着部424に装着された永久磁石からなるロータ51と、該ロータ51の外周側においてスピンドルハウジング41に配設されたステータコイル52とからなっている。このように構成された電動モータ5は、ステータコイル52に後述する電力供給手段によって交流電力を印加することによりロータ51が回転し、該ロータ51を装着した回転スピンドル42を回転せしめる。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、回転スピンドル42に配設され切削ブレード45に超音波振動を付与する超音波振動子6を備えている。超音波振動子6は、回転スピンドル42の軸方向に分極された円環状の圧電体61と、該圧電体61の両側分極面に装着された円環状の2枚の電極板62、63とからなっている。圧電体61は、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、リチウムタンタレート等の圧電セラミックスによって形成されている。このように構成された超音波振動子6は、回転スピンドル42に装着され、電極板62、63に後述する電力供給手段によって所定周波数の交流電力が印加されると、超音波振動を発生せしめる。なお、超音波振動子6は、軸方向に複数個配設してもよい。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、上記超音波振動子6に交流電力を印加するとともに上記電動モータ5に交流電力を印加する電力供給手段7を具備している。
電力供給手段7は、スピンドルユニット4の後端部に配設されたロータリートランス8を具備している。ロータリートランス8は、回転スピンドル42の後端に配設された受電手段81と、該受電手段81と対向して配設されスピンドルハウジング41の後端部に配設された給電手段82とを具備している。受電手段81は、回転スピンドル42に装着されたロータ側コア811と、該ロータ側コア811に巻回された受電コイル812とからなっている。このように構成された受電手段81の受電コイル812の一端は上記超音波振動子6の電極板62に接続され、他端は電極板63に接続される。上記給電手段82は、受電手段81の外周側に配設されたステータ側コア821と、該ステータ側コア821に配設された給電コイル822とからなっている。このように構成された給電手段82の給電コイル822は、電気配線73、74を介して交流電力が供給される。
図示の実施形態における電力供給手段7は、上記ロータリートランス8の給電コイル822に供給する交流電力の交流電源91と、電力調整手段としての電流調整手段92と、上記給電手段82に供給する交流電力の周波数を調整する周波数調整手段93と、電流調整手段92および周波数調整手段93を制御する制御手段94と、該制御手段に切削ブレード45を備えた切削工具43の種類等を入力する入力手段95を具備している。なお、図2に示す電力供給手段7は、制御回路96および電気配線521、522を介して上記電動モータ5のステータコイル52に交流電力を供給する。
図示の実施形態における切削装置は、上記、回転スピンドル42に取り付けられた切削工具43の切削ブレード45に付与される超音波振動の振幅を検出するための振幅検出手段97を具備している。振幅検出手段97は、検出器本体971と、該検出器本体971に対向して配設された発光手段972および受光手段973と、該発光手段972と受光手973の間に形成され切削ブレード45の外周部を受け入れるブレード受け入れ部974とを具備している。発光手段972は光ファイバー975を介して光源976に接続されており、この光源976からの光を受光手段973に向けて発光する。受光手段973は、発光手段972が発光した光を受光し、受光した光を光ファイバー977を介して光電変換手段978に送る。そして、光電変換手段978は、受光手段973が受光した光信号を電圧信号に変換して上記制御手段94に送る。なお、振幅検出手段97を構成する検出器本体971は、図1に示すように上記チャックテーブル3を包囲して配設されたカバー部材30上に配置される。このような構成された振幅検出手段97は、切削装置に装備されている切削ブレード45の高さ位置を検出するブレード検出手段を用いることができる。
ここで、上記振幅検出手段97の作用について説明する。
上記カバー部材30上に配設された検出器本体971を切削ブレード45の直下に移動する。次に、図2に示すように切削ブレード45を下降して検出器本体971のブレード受け入れ部974に侵入せしめる。そして、切削ブレード45の下端が発光手段972と受光手段973の中心に位置するように位置付ける。次に、電力供給手段7から電動モータ5のステータコイル52に交流電力を供給する。この結果、電動モータ5が回転して回転スピンドル42が回転し、該回転スピンドル42の先端に取付けられた切削工具43の振動伝達部材44に装着された切削ブレード45が回転せしめられる。
一方、電力供給手段7は、制御手段94によって電流調整手段92および周波数調整手段93を制御し、交流電力を所定の電流値に制御するとともに、交流電力の周波数を所定周波数に調整して、ロータリートランス8を構成する給電手段82の給電コイル822に供給する。このように所定周波数の交流電力が給電コイル822に印加されると、回転する受電手段81の受電コイル812を介して超音波振動子6の電極板62と電極板63間に所定周波数の交流電力が印加される。この結果、超音波振動子6は径方向に繰り返し変位して超音波振動する。この超音波振動は、回転スピンドル42を介して切削工具43の振動伝達部材44に伝達され、振動伝達部材44が径方向に超音波振動する。従って、振動伝達部材44に装着された切削ブレード45は、径方向に超音波振動する。
上述した構成の振動伝達部材44に装着された切削ブレード45に作用する超音波振動は、超音波振動子6の電極板62と電極板63間に印加する交流電力の周波数によって二つの共振が発生する。共振の一つは切削ブレード45が放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードであり、共振の他の一つは切削ブレード45が互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードである。この同位相モードと逆位相モードは、逆位相モードの方が同位相モードより低い周波数で発生することが判った。そして、切削ブレード45が同位相モードで振動したときの振幅と逆位相モードで振動したときの振幅の大きさは、上述したように切削ブレードを形成する砥粒を結合するためのボンド材の種類(レジンボンド、メタルボンド、ビトリファイドボンド、電鋳)、ブレードの厚さおよび径、切削工具の重量等によって異なる。従って、回転スピンドル42に取り付けられる切削工具43毎に、同位相モードで振動したときの切削ブレード45の振幅と、逆位相モードで振動したときの切削ブレード45の振幅を測定し、振幅が大きい方の位相モードに対応する上記交流電力の周波数を設定することが望ましい。
ここで、同位相モードで振動したときの切削ブレード45の振幅と、逆位相モードで振動したときの切削ブレード45の振幅の計測について、図2を参照して説明する。
上述したように電動モータ5を駆動し回転スピンドル42を回転して切削ブレード45を回転した状態で、超音波振動子6に例えば10kHzの周波数の交流電力を印加する。そして、印加する交流電力の周波数を徐々に高めていく。その結果、例えば52kHz付近において逆位相モードで共振が発生する。このとき、発光手段972から発光された光を受光する受光手段973の受光量に対応した電圧信号が光電変換手段978から制御手段94に送られる。制御手段94は、光電変換手段978から送られた信号に基いて最大値と最小値を求め、最大値と最小値から切削ブレード45の振幅を検出する。そして、制御手段94は、切削ブレード45の振幅が最も大きいときの周波数を逆位相モードにおける周波数として制御手段94のメモリ941に格納する(第1の振幅検出工程)。次に、印加する交流電力の周波数を徐々に高めていくと、切削ブレード45の振幅は小さくなり、例えば55kHz付近において同位相モードで共振が発生する。このとき、発光手段972から発光された光を受光する受光手段973の受光量に対応した電圧信号が光電変換手段978から制御手段94に送られる。制御手段94は、光電変換手段978から送られた信号に基いて最大値と最小値を求め、最大値と最小値から切削ブレード45の振幅を検出する。そして、制御手段94は、切削ブレード45の振幅が最も大きいときの周波数を同位相モードにおける周波数として制御手段94のメモリ941に格納する(第2の振幅検出工程)。そして、制御手段94は、逆位相モードにおける切削ブレード45の振幅と同位相モードにおける切削ブレード45の振幅とを比較し、振幅が大きいほうの位相モードにおける上記周波数を選定しメモリ941に格納する(周波数選定工程)。
ここで、本発明者等が実施した実験例について説明する。
図3はメタルボンド切削ブレードを装着した切削工具(A)とレジンボンド切削ブレードを装着した切削工具(B)について、上述した逆位相モードにおけるブレードの振幅と同位相モードにおけるブレードの振幅を検出した結果を示すものである。なお、メタルボンド切削ブレードを装着した切削工具(A)は外径が80mm、内径が42mm、厚さが0.3mmであり、レジンボンド切削ブレードは外径が80mm、内径が42mm、厚さが0.1mmである。そして、上記超音波振動子6に印加する交流電力は、電圧が55Vで電流が600mAであった。図3に示すようにメタルボンド切削ブレードを装着した切削工具(A)は、逆位相モードのときの振幅が8.24μmで同位相モードのときの振幅が3.8μmであり、逆位相モードの方が振幅が大きい。一方、レジンボンド切削ブレードを装着した切削工具(B)
は、逆位相モードのときの振幅が6.48μmで同位相モードのときの振幅が8.32μmであり、同位相モードの方が振幅が大きい。従って、メタルボンド切削ブレードを装着した切削工具(A)を用いる場合は逆位相モードの周波数を選定し、レジンボンド切削ブレードを装着した切削工具(B)
を用いる場合は同位相モードの周波数を選定することが望ましい。
なお、使用する切削工具の種類が予めわかっている場合には、予めそれぞれの切削工具について、上述したように逆位相モードにおけるブレードの振幅と同位相モードにおけるブレードの振幅を検出し、振幅が大きいほうの位相モードにおける上記周波数を選定して制御手段94のメモリ941に格納しておいてもよい。
図1に戻って説明を続けると、図示の実施形態における切削装置は、上記チャックテーブル3上に保持された被加工物の表面を撮像し、上記砥石ブレード45によって切削すべき領域を検出するためのアライメント手段12を具備している。このアライメント手段12は、顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなる撮像手段を具備している。また、切削装置は、アライメント手段12によって撮像された画像等を表示する表示手段13を具備している。
上記装置ハウジング2におけるカセット載置領域14aには、被加工物を収容するカセットを載置するカセット載置テーブル14が配設されている。このカセット載置テーブル14は、図示しない昇降手段によって上下方向に移動可能に構成されている。カセット載置テーブル14上には、被加工物としての半導体ウエーハWを収容するカセット15が載置される。カセット15に収容される半導体ウエーハWは、ウエーハの表面に格子状のストリートが形成されており、この格子状のストリートによって区画された複数の矩形領域にコンデンサーやLEDや回路等のデバイスが形成されている。このように形成された半導体ウエーハWは、環状の支持フレームFに装着された保護テープTの表面に裏面が貼着された状態でカセット15に収容される。
また、図示の実施形態における切削装置は、カセット載置テーブル14上に載置されたカセット15に収容されている半導体ウエーハW(環状のフレームFに保護テープTを介して支持されている状態)を仮置きテーブル16に搬出する搬出手段17と、仮置きテーブル16に搬出された半導体ウエーハWを上記チャックテーブル3上に搬送する搬送手段18と、チャックテーブル3上で切削加工された半導体ウエーハWを洗浄する洗浄手段19と、チャックテーブル3上で切削加工された半導体ウエーハWを洗浄手段19へ搬送する洗浄搬送手段20を具備している。
以上のように構成された切削装置の作動について、主に図1を参照して簡単に説明する。
切削作業を実施するに際しては、回転スピンドル42の先端に取付けられた切削工具43について上述したように逆位相モードにおけるブレードの振幅と同位相モードにおけるブレードの振幅を検出し、振幅が大きいほうの位相モードにおける上記周波数を選定して制御手段94のメモリ941に格納する。また、上述したように予め切削工具43について上述したように逆位相モードにおけるブレードの振幅と同位相モードにおけるブレードの振幅を検出し、振幅が大きいほうの位相モードにおける上記周波数を選定して制御手段94のメモリ941に格納してある場合には、入力手段95から該当する切削工具のコードNo.を入力する。
上述したように回転スピンドル42の先端に取付けられた切削工具43について振幅が大きいほうの位相モードにおける上記周波数を選定したならば、切削装置は切削作業を実施する。即ち、カセット載置テーブル14上に載置されたカセット15の所定位置に収容されている半導体ウエーハWは、図示しない昇降手段によってカセット載置テーブル14が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。次に、搬出手段17が進退作動して搬出位置に位置付けられた半導体ウエーハWを仮置きテーブル16上に搬出する。仮置きテーブル16に搬出された半導体ウエーハWは、搬送手段18の旋回動作によって上記チャックテーブル3上に搬送される。チャックテーブル3上に半導体ウエーハWが載置されたならば、図示しない吸引手段が作動して被加工物Wをチャックテーブル3上に吸引保持する。また、被加工物Wを保護テープTを介して支持する支持フレームFは、上記クランプ33によって固定される。このようにして半導体ウエーハWを保持したチャックテーブル3は、アライメント手段12の直下まで移動せしめられる。チャックテーブル3がアライメント手段12の直下に位置付けられると、アライメント手段12によって半導体ウエーハWに形成されているストリートが検出され、スピンドルユニット4を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節してストリートと切削工具43の切削ブレード45との精密位置合わせ作業が行われる。
その後、切削ブレード45を矢印Zで示す方向に所定量切り込み送りし所定の方向に回転させつつ、半導体ウエーハWを吸引保持したチャックテーブル3を切削送り方向である矢印Xで示す方向(切削ブレード45の回転軸と直交する方向)に所定の切削送り速度で移動することにより、チャックテーブル3上に保持された半導体ウエーハWは切削ブレード45により所定のストリートに沿って切断される。この切削工程においては、電力供給手段7によって超音波振動子6に上述したように選定された周波数の交流電力が印加される。この結果、上述したように超音波振動子6は径方向に繰り返し変位して超音波振動する。この超音波振動は、回転スピンドル42を介して切削工具43の振動伝達部材44に伝達され、振動伝達部材44が径方向に超音波振動する。従って、振動伝達部材44に装着された切削ブレード45は、径方向に超音波振動する。この切削ブレード45に作用する超音波振動は上述したように振幅が最も大きくなる周波数に設定されているので、切削ブレード45による切削抵抗を効果的に減少することができる、半導体ウエーハWがサファイヤ等の難削材であっても容易に切削することができる。
本発明に従って構成された切削装置の斜視図。 図1に示す切削装置に装備されるスピンドルユニットの断面図。 メタルボンド切削ブレードを装着した切削工具(A)とレジンボンド切削ブレードを装着した切削工具(B)について、上述した逆位相モードにおけるブレードの振幅と同位相モードにおけるブレードの振幅を測定した結果を示す図。
符号の説明
2:装置ハウジング
3:チャックテーブ機構
30:チャックテーブル
4:スピンドルユニット
41:スピンドルハウジング
42:回転スピンドル
43:切削工具
44:振動伝達部材
45:砥石ブレード
5:電動モータ
6:超音波振動子
7:電力供給手段
8:ロータリートランス
81:受電手段
82:給電手段
91:交流電源
92:電流調整手段
93:周波数調整手段
94:制御手段
95:入力手段
97:振幅検出手段
12:アライメント手段
13:表示手段
34:カセット載置テーブル
15:カセット
16:仮置きテーブル
17:搬出手段
18:搬送手段
19:洗浄手段

Claims (3)

  1. 切削ブレードが装着された切削工具を取り付けた回転スピンドルに配設されている超音波振動手段に印加する交流電力の周波数を設定する方法であって、
    該超音波振動手段に切削ブレードが互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードで共振する周波数の交流電力を印加し、切削ブレードの振幅を検出する第1の振幅検出程と、
    該超音波振動手段に切削ブレードが放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードで共振する周波数の交流電力を印加し、切削ブレードの振幅を検出する第2の振幅検出工程と、
    該第1の振幅検出工程と該第2の振幅検出工程によって検出された切削ブレードの振幅のうち大きい振幅が得られた周波数を該超音波振動手段に印加する交流電力の周波数として選定する周波数選定工程と、を含む、
    ことを特徴とする切削工具に超音波振動を付与するための交流電力の周波数設定方法。
  2. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための回転スピンドルと該回転スピンドルの端面に取り付けられた切削ブレードを備えた切削工具と該回転スピンドルに配設された超音波振動手段を備えた切削手段と、該超音波振動手段に交流電力を印加する電力供給手段とを具備し、該電力供給手段が超音波振動手段に印加する交流電力の周波数を調整する周波数調整手段と該周波数調整手段を制御する制御手段とを具備している、切削装置において、
    該回転スピンドルに取り付けられた該切削工具の切削ブレードの振幅を検出し、振幅信号を該制御手段に送る振幅検出手段を具備し、
    該制御手段は、該超音波振動手段に切削ブレードが互いに90度の位相をもって拡大と縮小を交互に繰り返す逆位相モードで共振する周波数と切削ブレードが放射方向に拡大と縮小を繰り返す同位相モードで共振する周波数の交流電力を印加した際に該振幅検出手段が該切削ブレードの振幅を検出した振幅信号に基いて、振幅が大きいほうの位相モードにおける周波数を選定する、
    ことを特徴とする切削装置。
  3. 該制御手段は、選定した周波数を格納するメモリを具備しており、該メモリに格納された周波数に基いて上記周波数調整手段を制御する、請求項2記載の切削装置。
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