JP4916407B2 - 光伝送試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外部共振型の波長可変光源の機能と、スペクトルモニタ機能と有し、各種光学機器、光学部品、光伝送システム等に対する各種試験を行えるようにするための技術に関する。
光アクセスシステムの高速化は著しい発展を遂げ、伝送レートがギガビットクラスのサービスが実現されている。
そして、近年では、さらなる高速化を目指し、1ユーザに1波長を割り当て、波長軸上でユーザ多重化を行うWDM−PON(Wavelength Division Multiplexed−Prossive
Optical Network)が注目されている。
このWDM−PONの場合、方式によっては、合波器としてAWG等の波長分波器が用いられるため、試験用の光源としては伝送の光の波長を可変できる必要がある。
このような目的で使用可能な波長可変光源としては、外部共振型のものが知られている。外部共振型の波長可変光源は、半導体レーザの一端面から出射された光をコリメータにより平行光に変換して回折格子へ所定入射角で入射し、その回折格子で回折された例えば1次回折光をミラーで受け、逆光路で回折格子に反射し、半導体レーザ側に戻す構成を有し、さらに、ミラーを、特定位置を中心に回動させることで、半導体レーザ側に戻る光の波長を連続的に可変できるようにしている。
このような構成の波長可変光源は、例えば特許文献1に開示されている。
特許第3069643号公報
ところが、上記したWDM−PONの場合、1つのファイバに複数の波長の信号が伝送されるため、その動作確認のために、ファイバに伝送されている各波長の信号の有無やレベル等を検査する必要がある。そのため、前記した波長可変光源の他に、光のスペクトラムの解析を行う光スペクトラムアナライザも別途用意しなけれならず、回線敷設現場等での試験の際に携帯する機器の数が増加し、機器の切換作業などが煩雑となる。
本発明は、この問題を解決し、波長多重化された光ネットワーク等の現場での試験を、容易に行うことができる光伝送試験装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の光伝送試験装置は、
少なくとも一方の光出射面が低反射面である半導体レーザ(21)と、
前記半導体レーザの前記低反射面からの出射光を平行光に変換する第1のコリメータ(23)と、
前記第1のコリメータによって平行光に変換された光を回折する回折格子(25)と、
前記回折格子からの回折光を受ける位置で移動可能に配置され、該回折光を前記回折格子に逆光路で反射して前記半導体レーザに戻す反射体(27)と、
前記反射体を所定位置を中心に回動させ、前記半導体レーザから前記回折格子を経て前記反射体に至る光路長と前記反射体の前記回折格子に対する角度によって決まる外部共振波長を変化させる反射体回動手段(28、29)と、
前記反射体の回動によって波長が変化する光を出射するための波長可変光出射手段(30〜32)と
を備えて外部共振型の波長可変光源としての機能を有しているとともに、
前記半導体レーザから前記回折格子への光の入射を阻止するためのレーザ光入射阻止手段(22、50、60)と、
被測定光を入射するための被測定光入射手段(41〜43)と、
前記被測定光入射手段を介して入射された被測定光を平行光に変換する第2のコリメータ(44)と、
前記第1のコリメータと前記回折格子の間の光路に配置され、前記第1のコリメータと前記回折格子との間で光を透過させるとともに、前記第2のコリメータによって平行光に変換された光を前記回折格子に入射させるビームスプリッタ(40)と、
前記第2のコリメータから前記ビームスプリッタを介して前記回折格子に入射され、該回折格子から前記反射体の方向に回折されて前記反射体に反射されて前記回折格子へ戻り、該回折格子で再度回折されて前記ビームスプリッタに入射され、該ビームスプリッタから前記第2のコリメータに入射されて集光した光を出射させる分光出力手段(43、45、46)とを有し、
前記レーザ光入射阻止手段により前記半導体レーザから前記回折格子への光の入射が阻止され、且つ前記被測定光入射手段を介して被測定光が入射されている状態で、前記反射体の角度を所定範囲変化させ、前記被測定光に含まれる光のうち、前記反射体の角度によりの決まる波長の光を前記分光出力手段から出射させることを特徴としている。
また、本発明の請求項2の光伝送試験装置は、請求項1記載の光伝送試験装置において、
前記レーザ光入射阻止手段は、スイッチ回路(22)で前記半導体レーザに対する電流供給を停止させることを特徴としている。
また、本発明の請求項3の光伝送試験装置は、請求項1記載の光伝送試験装置において、
前記レーザ光入射阻止手段は、シャッタ(50)で前記半導体レーザと前記ビームスプリッタの間の光路を遮断することを特徴としている。
また、本発明の請求項4の光伝送試験装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の光伝送試験装置において、
前記被測定光入射手段の前記第2のコリメータに対する入射光軸と、前記分光出射手段の前記第2のコリメータに対する出射光軸とが、前記第2のコリメータの光軸中心から離間し且つ対称に配置されていることを特徴としている。
このように本発明の光伝送試験装置は、半導体レーザの出射光を回折格子で受け、その回折光を、所定位置を中心に回動可能な反射体に入射し、その反射光を逆光路で回折格子に戻し、半導体レーザに再入射する構造を有し、反射体の角度を可変することで共振波長を可変して、所望波長の光を出射する波長可変光源の機能の他に、半導体レーザからの回折格子への光の入射を阻止した状態で、半導体レーザと回折格子の間に配置されたビームスプリッタを介して被測定光を回折格子へ入射させ、反射体の角度によって決まる波長の光を選択して出射させる波長可変フィルタの機能を有している。
このため、1台で、波長多重化された光ネットワーク等に対して所望波長の光を試験入射するだけでなく、ネットワークを伝送する光に対するフィルタリングが可能となり、その光を受光器で受けるだけでスペクトル監視もでき、波長多重化された光ネットワーク等に対する現場での試験を容易に行うことができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した光伝送試験装置20の構成を示している。
この光伝送試験装置20の筐体20aの内部には、半導体レーザ21とその半導体レーザ21に対する電流供給をオンオフするためのスイッチ回路22が設けられている。
ここで、半導体レーザ21は、一方の端面21aが低反射率で他方の端面21bが高反射率のもので、スイッチ回路22のオンオフで電流が注入される。注入電流は、後述する制御部60によってオンオフ制御される。スイッチ回路22は、この実施形態のレーザ光入射阻止手段を形成する。
半導体レーザ21の端面21aから出射された光はコリメータ23により平行光に変換され、後述するビームスプリッタ40を透過して回折格子25の回折面25aに所定の入射角度で入射され、その回折面25aに平行に設けられた回折用の溝(図示せず)により回折し、入射光の各波長成分をその波長にそれぞれ対応した方向へ出射する。なお、回折格子25の回折面25aの溝は図の紙面に直交する方向に延びている。
回折格子25の回折面25a側には、平面鏡からなる反射体27が、その反射面27aを回折面25aに対向させるようにして配置されている。
反射体27は、回折格子25からの回折光を反射面27aで受けて、回折格子25へ反射するが、回折格子25から反射体27の反射面27aに直交する方向に出射した特定波長の回折光は、反射面27aで反射して逆光路を戻り、回折格子25の回折面25aに入射し、ビームスプリッタ40を透過してコリメータ23で収束されて半導体レーザ21の端面21aに入射する。
この特定波長の光は半導体レーザ21内で増幅され、再び、端面21aから出射され、順にコリメータ23、ビームスプリッタ40、回折格子25、反射体27、回折格子25、ビームスプリッタ40、コリメータ23を経由して、再び、半導体レーザ21に戻り、増幅されて再出射される。ここで、半導体レーザ21に戻る光と再出射される光とが同相となる状態でこの動作が繰り返されることにより、特定波長の光が継続的に発振出力される。
この特定波長(共振波長)は、半導体レーサ21から反射体27の反射面27aまでの光路長と、回折格子25の回折面25aに対する反射体27の反射面27aの角度によって変化する。
そして、反射体27の反射面27aを、光学的に決められたある特定位置Oを中心として図で紙面と平行な面に沿って回動変化させることで、その角度変化に対して、共振波長λtを連続的に可変させることができることが知られている(前記特許文献1等)。
したがって、その特定位置Oを中心に回動自在なアーム28の自由端側に反射体27を支持し、回動装置29によって回動駆動することで共振波長を連続的に変化させることができる。この回動装置29は、後述する制御部60から指定された角度情報に応じてアーム28を駆動させ、反射体27の角度を指定角度に設定する。
このように共振波長を連続的に可変できるようにした波長可変光P(λt)は、図1に示しているように、その端面21bから出射させ、レンズ30によりファイバ31の一端へ集光させ、その他端に接続された光コネクタ32から装置外へ出射させることができる。
なお、波長可変光を出射させる位置は、上記したような半導体レーザ21の端面21b側だけでなく、図1に点線で示しているように、回折格子25の0次回折光をレンズ30によりファイバ31の一端へ集光させ、その他端に接続された光コネクタ32から装置外へ出射させてもよく、また、後述するようにビームスプリッタ40で反射された光を用いてもよい。
この光伝送試験装置20は、上記のような波長可変光P(λt)を出射する波長可変光源としての機能(光源モード)だけでなく、被測定光に含まれる波長成分を選択的に出射させる波長可変フィルタ(分光器)としての機能(フィルタモード)を有している。
波長可変フィルタとして機能させる場合、スイッチ回路22により、半導体レーザ21への電流供給をオフにし、半導体レーザ21から回折格子側25へ光が出射されない状態とし、光コネクタ41で受けた被測定光Pxを、ファイバ42、光サーキュレータ43を介してコリメータ44に入射し、平行光に変換して、ビームスプリッタ40に入射し、回折格子25へ反射させる。
回折格子25に入射された被測定光は、その波長成分毎に異なる方向に回折され、反射体27の反射面27aで反射して回折面25aに再入射される。
ここで、回折面25aに再入射された光のうち、反射体27に垂直に入射して逆経路で戻る波長λrの光P(λr)は、ビームスプリッタ40へ逆光路で戻り、ビームスプリッタ40で反射して、コリメータ44、光サーキュレータ43、ファイバ45を介して、光コネクタ46から出射される。
この光コネクタ46から出射される光P(λr)の波長λrは、回折格子25に対する反射体27の角度によって決まり、前記した波長可変光源として機能させた場合の出射光波長と等しく、反射体27の角度の変化に対して連続的に変化することになる。
したがって、反射体27の角度を所望波長に対応した角度に設定して光コネクタ46から出射される光のパワーをパワー計で測定すれば、被測定光に含まれる任意の波長の光のパワーを求めることができる。
また、光コネクタ46から出射される光P(λr)を、データ復調器に入射すれば、被測定光に含まれる波長λrの光信号のデータ復調が可能になる。
制御部60に対して、図示しない操作部などによって光源モードと、フィルタモードを指定することができる。
光源モードでは、半導体レーザ21に対する電流注入を行い、所望の出射光波長λtが指定されると、その波長λtに対応する角度情報を回動装置29へ出力して、反射体27の角度を波長λtに対応した角度に設定して、その波長λtの光を発振させ、例えば光コネクタ32から装置外へ出射させる。
また、光コネクタ41に被測定光が入射している状態で、フィルタモードが指定された場合、半導体レーザ21への電流注入を停止させ、指定された波長λrに対応する角度情報を回動装置29へ出力して、反射体27の角度を波長λrに対応した角度に設定して、被測定光に含まれる波長λrの光を光コネクタ46から出射させる。
なお、図1および後述する図2〜図4に点線で示されているように、光源モードにおいて、制御部60がシャッタ70をビームスプリッタ40とコリメータ44との間に進出させ、光コネクタ41側からのノイズ光の入射を阻止することで、波長可変光のS/Nの低下を防ぐことができる。このシャッタ70の挿入位置は、光コネクタ41からビームスプリッタ40の間で任意である。
前記実施形態では、波長可変光を半導体レーザ21の端面21b側から外部へ出射させていたが、被測定光を入射しない状態においては、波長可変光をコネクタ46から出射させてもよい。この場合、半導体レーザ21の端面21bからの出射光より高S/Nの光が得られる。ただし、この場合には、上記したシャッタ70は、光コネクタ41と光サーキュレータ43の間に挿入する。
(第2の実施形態)
また、前記実施形態では、光源モードでビームスプリッタ40の透過作用を用い、フィルタモードで、ビームスプリッタ40の反射作用を用いて、光を回折格子25へ同じ光軸で入射させていたが、図2に示すように、光源モードでビームスプリッタ40の反射作用を用い、フィルタモードでは、ビームスプリッタ40の透過作用を用いて、回折格子25へ同じ光軸で入射させてもよい。
(第3の実施形態)
また、前記実施形態では、半導体レーザ21から回折格子25への光の入射を阻止する手段として、半導体レーザ21に対する電流供給を制御部60の制御により開閉するスイッチ回路22で停止させる構成としていたが、図3のように、シャッタ50で半導体レーザ21とビームスプリッタ40の間の光路を遮断することで、半導体レーザ21から回折格子25への光の入射を阻止してもよい。これは前記図2および後述の図4、図6の構成の光伝送試験装置20にも適用できる。
また、前記した各実施形態では、ビームスプリッタ40から回折格子25に至る光路で、波長可変光P(λt)、被測定光Pxおよび分光された波長λrの光P(λr)の光軸(ビーム中心)は一致し、コリメート44から見て、波長可変光P(λt)、被測定光Pxおよび光P(λr)の光軸は、コリメート44の光軸中心と一致している。
(第4の実施形態)
ただし、本発明はこれに限らず、各光軸をずらして構成することもできる。例えば、図4、図5のように、コリメート44の光軸中心から例えば上方(図4で紙面に直交する方向)にずれた光軸でファイバ42により被測定光Pxを入射させ、コリメート44の光軸中心から例えば下方にずれた光軸で出射される光P(λr)をファイバ45で受ける構成であってもよい。
(第5の実施形態)
また、上記の構成に加え、図6、図7のように、コリメート44の光軸中心に一致した光軸の波長可変光P(λt)を、ファイバ42、45の間に配置したファイバ31で受けて、光コネクタ32から出射させる構成としてもよい。
本発明の第1の実施形態の構成を示す図 本発明の第2の実施形態の構成を示す図 本発明の第3の実施形態の構成を示す図 本発明の第4の実施形態の構成を示す図 本発明の第4の実施形態の要部を示す図 本発明の第5の実施形態の構成を示す図 本発明の第5の実施形態の要部を示す図
符号の説明
20……光伝送試験装置、20a……筐体、21……半導体レーザ、22……スイッチ回路、23……コリメータ、25……回折格子、27……反射体、28……アーム、29……回動装置、30……レンズ、31……ファイバ、32……光コネクタ、40……ビームスプリッタ、41……光コネクタ、42……ファイバ、43……光サーキュレータ、44……コリメータ、45……ファイバ、46……光コネクタ、50……シャッタ、60……制御部、70……シャッタ

Claims (4)

  1. 少なくとも一方の光出射面が低反射面である半導体レーザ(21)と、
    前記半導体レーザの前記低反射面からの出射光を平行光に変換する第1のコリメータ(23)と、
    前記第1のコリメータによって平行光に変換された光を回折する回折格子(25)と、
    前記回折格子からの回折光を受ける位置で移動可能に配置され、該回折光を前記回折格子に逆光路で反射して前記半導体レーザに戻す反射体(27)と、
    前記反射体を所定位置を中心に回動させ、前記半導体レーザから前記回折格子を経て前記反射体に至る光路長と前記反射体の前記回折格子に対する角度によって決まる外部共振波長を変化させる反射体回動手段(28、29)と、
    前記反射体の回動によって波長が変化する光を出射するための波長可変光出射手段(30〜32)と
    を備えて外部共振型の波長可変光源としての機能を有しているとともに、
    前記半導体レーザから前記回折格子への光の入射を阻止するためのレーザ光入射阻止手段(22、50、60)と、
    被測定光を入射するための被測定光入射手段(41〜43)と、
    前記被測定光入射手段を介して入射された被測定光を平行光に変換する第2のコリメータ(44)と、
    前記第1のコリメータと前記回折格子の間の光路に配置され、前記第1のコリメータと前記回折格子との間で光を透過させるとともに、前記第2のコリメータによって平行光に変換された光を前記回折格子に入射させるビームスプリッタ(40)と、
    前記第2のコリメータから前記ビームスプリッタを介して前記回折格子に入射され、該回折格子から前記反射体の方向に回折されて前記反射体に反射されて前記回折格子へ戻り、該回折格子で再度回折されて前記ビームスプリッタに入射され、該ビームスプリッタから前記第2のコリメータに入射されて集光した光を出射させる分光出力手段(43、45、46)とを有し、
    前記レーザ光入射阻止手段により前記半導体レーザから前記回折格子への光の入射が阻止され、且つ前記被測定光入射手段を介して被測定光が入射されている状態で、前記反射体の角度を所定範囲変化させ、前記被測定光に含まれる光のうち、前記反射体の角度によりの決まる波長の光を前記分光出力手段から出射させることを特徴とする光伝送試験装置。
  2. 前記レーザ光入射阻止手段は、スイッチ回路(22)で前記半導体レーザに対する電流供給を停止させることを特徴とする請求項1記載の光伝送試験装置。
  3. 前記レーザ光入射阻止手段は、シャッタ(50)で前記半導体レーザと前記ビームスプリッタの間の光路を遮断することを特徴とする請求項1記載の光伝送試験装置。
  4. 前記被測定光入射手段の前記第2のコリメータに対する入射光軸と、前記分光出射手段の前記第2のコリメータに対する出射光軸とが、前記第2のコリメータの光軸中心から離間し且つ対称に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光伝送試験装置。
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