JP5825162B2 - フロントエンド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、WDM光信号を受信するフロントエンド装置に係わる。
光分岐挿入装置および/または波長クロスコネクトを備えるフォトニックネットワークが提案および開発されている。光分岐挿入装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)は、WDM光信号から所望の波長の光信号を分岐してクライアントに導き、また、任意の波長のクライアント信号をWDM光信号に挿入することができる。波長クロスコネクト(WXC:Wavelength Cross ConnectまたはPXC:Photonic Cross Connect)は、電気信号に変換することなく、光信号のルートを波長ごとに制御することができる。
上述のようなフォトニックネットワークにおいては、同一の波長を使用する複数の光パス(ここでは、波長パス)が設定されることがある。このため、ネットワークを確実に構築および運用するために、例えば、光パスを識別する情報を含む監視信号を光信号に重畳して伝送する方式が提案されている。この場合、フォトニックネットワーク上の光ノード装置(ここでは、光分岐挿入装置、波長クロスコネクトなど)は、光信号に重畳されている監視信号を検出する機能を備える。そうすると、光ノード装置において、各光パスを確実に識別することができるので、光ファイバを誤ったポートに接続する等の障害を監視および/または検出することが可能となる。
上述の監視信号は、例えば、周波数変調(FSK:Frequency Shift Keying)で光信号に重畳される。ここで、WDM伝送システムにおいては、WDM光信号の各チャネルの光信号に監視信号を重畳することができる。
図1は、各チャネルの光信号に重畳されている監視信号を検出する方法を説明する図である。この例では、WDM光信号のチャネルは、一定の間隔で配置される。図1に示す例では、チャネルCH1、CH2、CH3、...は、50GHz間隔で配置されている。
光受信器は、各チャネルの帯域の一部を透過させる光フィルタを有する。図1では、光フィルタは、透過帯域F1〜F4を有する。透過帯域F1は、チャネルCH1の帯域の一部を透過させる。同様に、透過帯域F2〜F4は、それぞれチャネルCH2〜CH4の帯域の一部を透過させる。そして、この光フィルタの出力を、受光器を用いて電気信号に変換することにより、各チャネルの光信号に重畳されている監視信号が得られる。
このように、光フィルタを用いて各チャネルの帯域の一部を抽出することにより、各光信号に重畳されている監視信号が検出される。よって、WDM光信号のチャネルが一定の間隔で配置されている場合には、波長に対して周期的な透過特性を有する光フィルタを用いて、複数の光信号にそれぞれ重畳されている監視信号を同時に検出できる。図1に示す例では、50GHz間隔で透過特性が変化する光フィルタが使用される。
なお、関連技術として、光信号の一部を検出デバイスにリダイレクトするために、ブレーズドブラッググレーティングの特性を使用する光モニタが提案されている(例えば、特許文献1)。また、特許文献2には、他の関連技術が記載されている。
特開2003−195097号公報 特開平4−212111号公報
近年のWDM伝送システムでは、互いにビットレートの異なるチャネルが混在することがある。ここで、光信号の帯域幅は、ビットレートに依存する。すなわち、ビットレートが高い光信号の帯域幅は広く、ビットレートが低い光信号の帯域幅は狭い。
図2は、ビットレートの異なる光信号および対応する透過帯域について説明する図である。なお、図2(a)に示す光信号のビットレートは、図2(b)に示す光信号のビットレートよりも低い。したがって、図2(a)に示す光信号の帯域幅は、図2(b)に示す光信号の帯域幅よりも狭い。
ここで、周波数変調で光信号に重畳された監視信号を感度よく検出するためには、光フィルタの透過帯域は、対応する光信号のスペクトルの変化が急峻な領域に配置されることが好ましい。このため、光信号の帯域幅が狭い場合は、図2(a)に示すように、光信号に対する透過帯域のオフセット周波数ΔF(光信号の中心周波数fcと透過帯域の中心周波数との差分)は小さくなる。一方、光信号の帯域幅が広い場合は、図2(b)に示すように、光信号に対する透過帯域のオフセット周波数ΔFは、大きくなる。よって、ビットレートの異なるチャネルが混在するWDM伝送システムにおいては、光信号が一定の間隔で配置されている場合であっても、周期的に透過帯域を有する光フィルタを用いて監視信号を感度よく検出できないことがある。
図3に示す例では、光信号CH1、CH2、CH4のビットレートが100Gbit/sであり、光信号CH3のビットレートが10Gbit/sである。また、光フィルタの透過帯域F1〜F4は、それぞれ、光信号CH1〜CH4の一部の帯域を透過させる。さらに、光信号CH1〜CH4は、50GHz間隔で配置されている。この場合、透過帯域F1、F2の間隔は、50GHzである。しかし、透過帯域F2、F3の間隔は、50GHzよりも狭くなる。一方、透過帯域F3、F4の間隔は、50GHzよりも広くなる。このように、異なるビットレートが混在する場合、各光信号に重畳されている監視信号を感度よく検出するためには、光フィルタの透過帯域の設定が複雑である。
なお、上述の問題は、WDM伝送システム中にビットレートの異なる光信号が混在している場合だけでなく、例えば、WDM伝送システム中に変調方式の異なる光信号が混在している場合にも発生し得る。
本発明の目的は、WDM光信号の複数の光信号にそれぞれ重畳されている重畳信号を感度よく検出することである。
本発明の1つの態様のフロントエンド装置は、重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信する。このフロントエンド装置は、波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、前記WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる複数の角度で入射されるように、前記WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有する。
上述の態様によれば、WDM光信号の複数の光信号にそれぞれ重畳されている重畳信号を感度よく検出することができる。
各チャネルの光信号に重畳されている監視信号を検出する方法を説明する図である。 ビットレートの異なる光信号および対応する透過帯域について説明する図である。 従来技術の課題を説明する図である。 WDM光信号を送信する送信器の構成を示す図である。 周波数変調重畳について説明する図である。 光信号に重畳されている重畳信号を検出する方法を説明する図である。 光信号のスペクトラムを示す図である。 第1の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す図である。 エタロンフィルタの透過特性を示す図(その1)である。 エタロンフィルタの透過特性を示す図(その2)である。 エタロンフィルタによるフィルタリングについて説明する図である。 光信号に重畳されている信号を検出する検出器の実施例(その1)を示す図である。 光信号に重畳されている信号を検出する検出器の実施例(その2)を示す図である。 光信号に重畳されている信号を検出する検出器の実施例(その3)を示す図である。 第1の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す図である。 第1の実施形態のフロントエンド装置の他の変形例を示す図である。 第2の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す図である。 第2の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す図である。 第3の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す図である。 第3の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す図である。 第4の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す図である。 第4の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す図である。 保持機構の実施例を示す図(その1)である。 保持機構の実施例を示す図(その2)である。 保持機構の実施例を示す図(その3)である。 保持機構の実施例を示す図(その4)である。 エタロンフィルタの近傍の温度を制御するための構成を示す図である。 第7の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す図である。
本発明の実施形態のフロントエンド装置(または、フロントエンド回路)は、WDM伝送システムにおいて使用される。すなわち、フロントエンド装置は、WDM光信号を伝送する装置(ノード装置、光分岐挿入装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)、クロスコネクト(WXC:Wavelength Cross Connect、PXC:Photonic Cross Connect)など)に設けられ、WDM光信号を受信する。WDM光信号は、この実施例では、それぞれ周波数変調で監視信号が重畳されている複数の光信号を含むものとする。
図4は、WDM光信号を送信する送信器の構成を示す。図4に示す送信器100は、光送信器101−1〜101−nおよびマルチプレクサ102を有する。
各光送信器101−1〜101−nは、入力データ列でキャリア光を変調することによって光信号を生成する。ここで、光送信器101−1〜101−nが使用するキャリア光の波長λ1〜λn(すなわち、光周波数)は、互いに異なっている。また、光信号を送信する光送信器101−1〜101−nには、対応する監視信号1〜nが与えられる。監視信号は、特に限定されるものではないが、波長パスを識別するパスIDを表すことができる。パスIDは、例えば、WDM伝送システムを管理するネットワーク管理システムにより割り当てられる。
監視信号は、例えば、所定長のコードである。この場合、各波長パスを識別するコードは、互いに直交している。また、監視信号は、互いに異なる周波数のトーン信号であってもよい。トーン信号は、特に限定されるものではないが、例えば、正弦波信号である。なお、監視信号の速度(コードのビットレート、トーン信号の周波数など)は、データ列の速度と比較して十分に低速である。
光送信器101−1〜101−nは、周波数変調で光信号に監視信号を重畳する。すなわち、光送信器101−1〜101−nは、周波数変調で監視信号が重畳された光信号を出力する。そして、マルチプレクサ102は、光送信器101−1〜101−nから出力される光信号を多重化してWDM光信号を生成する。上記構成の送信器により、監視信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号が生成される。なお、監視信号は、光信号に重畳される重畳信号の一例である。
光送信器101−1〜101−nによる主信号データ列の変調方式は、互いに同じでなくてもよい。例えば、光送信器101−1がQPSK変調光信号を送信し、光送信器101−2が16QAM変調光信号を送信してもよい。また、光送信器101−1〜101−nから出力される光信号のシンボルレートまたはビットレートは、互いに同じでなくてもよい。
図5は、周波数変調重畳について説明する図である。図5は、時刻T0、T1〜T4における光送信器の時間分解出力スペクトルを示している。各時刻における光スペクトルの広がりは、主信号データ列による変調に従って生じるスペクトル広がりを表す。光スペクトルの幅および形状は、変調方式および変調速度に依存する。
光送信器から出力される光信号には、周波数変調でパスIDを表わす監視信号が重畳されている。図5に示す例では、パスIDはデジタルコードであり、時刻T1〜T4において光信号に重畳されるパスIDコードは「0110」である。また、光送信器が使用するキャリア光の中心周波数はf1であるものとする。
なお、図5は説明のための模式的な図であり、光信号スペクトル幅に較べて、周波数シフトΔfを実際より大きく図示している。特に、QPSKなどのように位相変調を含む変調方式で主信号にデータを載せている場合には、実際の周波数シフトΔfは、光信号スペクトルに較べて小さい。
時刻T0においては、光信号にパスIDコードが重畳されていない。この場合、光送信器は、光信号の周波数をシフトさせない。したがって、時刻T0に出力される光信号のスペクトルの中心は、f1である。
時刻T1においては、光信号に「0」が重畳される。この場合、この実施例では、光送信器は、光信号の周波数を−Δfだけシフトさせる。したがって、時刻T1に出力される光信号のスペクトルの中心は、f1−Δfである。
時刻T2においては、光信号に「1」が重畳される。この場合、この実施例では、光送信器は、光信号の周波数を+Δfだけシフトさせる。したがって、時刻T2に出力される光信号のスペクトルの中心は、f1+Δfである。同様に、時刻T3に出力される光信号のスペクトルの中心はf1+Δfであり、時刻T4に出力される光信号のスペクトルの中心はf1−Δfである。
周波数シフトΔfは、キャリア光の周波数と比較して十分に小さい。また、Δfは、WDM伝送システムの隣接チャネルと干渉しないように決定される。たとえば、ITU-Tで規定されている50GHz/100GHz周波数グリッド上に波長チャネルが配置されるWDM伝送システムにおいては、Δfは、特に限定されるものではないが、1MHz〜1GHz程度とする。ただし、Δfが小さすぎると、受信器において監視信号の検出感度が低くなる。したがって、Δfは、隣接チャネルとの干渉および検出感度を考慮して決定することが好ましい。
図5に示す例では、監視信号が「0」および「1」であるときの周波数シフトがそれぞれ「−Δf」および「+Δf」であるが、本発明は、この方式に限定されるものではない。例えば、監視信号が「0」および「1」であるときの周波数シフトがそれぞれ「+Δf」および「−Δf」であってもよい。また、監視信号が「0(または、1)」であるときに周波数シフトをゼロとし、監視信号が「1(または、0)」であるときに光周波数をシフトさせてもよい。さらに、4値の周波数位相シフトキーイングを実現する場合には、2ビットの監視信号「00」「01」「10」「11」に対して、周波数シフトとして、それぞれ「−Δf」「−0.5Δf」「+0.5Δf」および「+Δf」などを割り当てるようにしてもよい。さらに、2値または4値以外の多値周波数位相シフトキーイングを用いて監視信号を光信号に重畳してもよい。
なお、図5に示す実施例では監視信号がデジタル信号であるが、監視信号がアナログ信号である場合も、光周波数をシフトさせる方法は実質的に同じである。ただし、監視信号がアナログ信号である場合は、周波数シフト量は、離散的ではなく、連続的に変化する。
図6は、光信号に重畳されている信号(上述の例では、監視信号)を検出する方法を説明する図である。ここで、図6は、WDM光信号に含まれている1つの光信号のスペクトル、及びその光信号に対応して設けられた透過帯域を示している。透過帯域Pは、光フィルタによって提供される。また、fcは、監視信号が重畳されていないときの光信号の中心周波数を表す。
透過帯域Pは、図6(a)に示すように、対応する光信号のスペクトルの一部を抽出するように配置される。この例では、透過帯域Pは、周波数fcの近傍に設定されている。すなわち、この例では、オフセット周波数ΔF1は小さい。なお、透過帯域Pの中心周波数は、図6(a)〜図6(c)において実質的に一定である。
図6(b)は、光信号に「0」が重畳されている状態を示している。この場合、光信号の中心周波数は、fc−Δfである。そうすると、光フィルタを通過する光を受光器に導くと、斜線領域S(0)の面積に対応する電流が生成される。
図6(c)は、光信号に「1」が重畳されている状態を示している。この場合、光信号の中心周波数は、fc+Δfである。そうすると、光フィルタを通過する光を受光器に導くと、斜線領域S(1)の面積に対応する電流が生成される。
このように、光信号に重畳されている信号の値に応じて、受光器により生成される電流が変化する。図6に示す例では、光信号に「0」が重畳されているときに生成される電流は小さく、光信号に「1」が重畳されているときに生成される電流は大きい。よって、受光器により生成される電流に基づいて、光信号に重畳されている信号(ゼロまたは1)を判定することができる。或いは、受光器により生成される電流を電圧に変換し、その電圧を所定の閾値と比較することによって、光信号に重畳されている信号(ゼロまたは1)を判定することができる。
ところで、光信号のビットレートが高くなると、その光信号の帯域幅(或いは、スペクトルの幅)が広くなる。このため、光信号のビットレートが異なる場合には、光フィルタの透過帯域の配置を変えることが好ましい。
図7(a)は、10Gbit/sのNRZオンオフキーイング信号のスペクトラムを示す。また、図7(b)は、112Gbit/sの偏波多重QPSK信号のスペクトラムを示す。このように、光信号のスペクトラムの形状は、変調方式に依存する。したがって、光信号に重畳されている信号の検出感度を高くするためには、光信号の変調方式に応じて透過帯域Pの配置を適切に設定することが好ましい。
このように、光信号に重畳されている信号の検出感度を高くするためには、対応する光信号のビットレートに応じて、透過帯域Pのオフセット周波数ΔFが適切に設定されることが好ましい。さらに、透過帯域Pのオフセット周波数ΔFは、対応する光信号のビットレートだけでなく、対応する光信号の変調方式にも応じて設定されることが好ましい。
<第1の実施形態>
図8は、第1の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す。第1の実施形態のフロントエンド装置1は、光分岐器11、レンズ12、エタロンフィルタ13、レンズ14、受光器15を有する。フロントエンド装置1には、WDM光信号が入力される。WDM光信号は、図4を参照しながら説明したように、それぞれ周波数変調で監視信号が重畳されている複数の光信号を含む。
光分岐器11は、複数の出力ポートを有し、入力WDM光信号を分岐して各出力ポートを介して出力する。すなわち、光分岐器11から光ビーム1〜Nが出力される。Nは、光分岐器の出力ポートの数であり、2以上の整数である。各光ビーム1〜Nは、入力WDM光信号を分岐することによって得られるWDM光信号である。また、光ビーム1〜Nのパワーは、特に限定されるものではないが、互いに同じまたはほぼ同じであることが好ましい。
図8においては、2つの光ビーム(光ビーム1および光ビームN)のみが描かれている。光ビーム1は、実線で表されている。また、光ビームNは、破線で表されている。
光ビーム1〜Nは、レンズ12に導かれる。このとき、光ビーム1〜Nは、レンズ12の異なる位置に導かれる。なお、光ビーム1〜Nは、この例では、自由空間伝搬により、レンズ12に導かれる。
レンズ12は、光ビーム1〜Nをエタロンフィルタ13に導く。レンズ12は、たとえば、コリメートレンズである。この場合、各光ビーム1〜Nは、コリメートレンズ12によって平行光ビームに変換されてエタロンフィルタ13に導かれる。ここで、光分岐器11から出射される光ビーム1〜Nは、レンズ12の異なる位置に入射されている。このため、光ビーム1〜Nは、異なる角度でエタロンフィルタ13に入射される。このように、光分岐器11およびレンズ12を含む光学機構は、WDM光信号を分岐することによって得られる複数の光ビーム1〜Nがエタロンフィルタ13に互いに異なる角度で入射されるように、WDM光信号をエタロンフィルタ13に導く。
エタロンフィルタ13は、周波数(または、波長)に対して周期的な透過特性を有する光フィルタの一例である。すなわち、エタロンフィルタ13の透過率は、周波数に対して周期的に変化する。エタロンフィルタ13の透過率のピークが現れる周波数間隔Δνは、下式で表される。
Δν=c/(2nIcosθ) ・・・(1)
c:光速度
n:エタロンの屈折率
I:エタロンの厚さ
θ:エタロン内での光の進行角度(垂直入射がゼロ度)
このように、透過率のピークが現れる周波数間隔Δνは、エタロンの屈折率、エタロンの厚さ、および光の進行角度に応じて決まる。なお、角度θは、エタロンフィルタ13への入射角にユニークに対応する。また、エタロンフィルタ13の透過率のピークが現れる周波数は、入射角に応じてシフトする。
なお、図8および後述する図15、図16、図23、図24、図25、図26、図28において、レンズ12は、限られた部位しか利用されないことがある。この場合、レンズ12の光学的に利用されない部位は、取り除いて小型化を図るか、他の部材で置き換えることも可能である。図8、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22、図28に示すレンズ14についても同様の変形が可能である。
図9〜図10は、エタロンフィルタ13の透過特性を示す。この透過特性は、下記の条件下でシミュレーションにより得られたものである。なお、図9〜図10に示す各グラフの横軸は、波長で表されている。この横軸の数値は、μmで表される。縦軸は、透過率を表す。
エタロンの屈折率:1.5
エタロンの厚さ:2.0076mm
図9は、θ=5.00度、θ=5.01度、θ=5.02度、θ=5.04度に対する透過特性を示す。また、図10は、θ=5.06度、θ=5.08度、θ=5.10度、θ=5.12度に対する透過特性を示す。
この例では、図9に示すように、透過率のピークが現れる周波数(または、波長)の間隔は、約50GHzである。そして、角度θが大きくなると、透過率のピークが現れる周波数(または、波長)はシフトする。例えば、角度θが5.00度から5.08度へ変化すると、透過率のピークが現れる周波数は、約25GHzシフトする。
なお、上記(1)式で表されるように、周波数間隔Δνは、角度θに依存する。但し、角度θの変化に起因する周波数間隔Δνの偏差は、十分に小さい。例えば、透過率のピークが現れる周波数が25GHzシフトするような角度変化(上述の例では、約0.08度)に対して、周波数間隔Δνの偏差は、50GHzグリッドで100波長の波長幅において、1GHz以下である。
このように、エタロンフィルタ13は、波長(または、周波数)に対して周期的な透過特性を有する。また、エタロンフィルタ13は、入射角に応じて異なる透過特性を提供する。例えば、エタロンフィルタ13は、角度θ=5.00度に光に対して、図9に示す透過特性を提供する。また、エタロンフィルタ13は、角度θ=5.08度に光に対しては、図10に示す透過特性を提供する。
光ビーム1〜Nは、上述したように、互いに異なる角度でエタロンフィルタ13に入射される。このとき、例えば、角度θ=5.00度が実現されるように光ビーム1がエタロンフィルタ13に入射されると、光ビーム1は、図9(θ=5.00)に示す透過特性でフィルタリングされる。同様に、例えば、角度θ=5.08度が実現されるように光ビームNがエタロンフィルタ13に入射されると、光ビームNは、図10(θ=5.08)に示す透過特性でフィルタリングされる。
エタロンフィルタ13によってフィルタリングされた光ビーム1〜Nは、レンズ14を介して受光器15に導かれる。レンズ14は、各光ビーム1〜Nを受光器15の受光面に集光させる。なお、光信号に重畳されている信号(ここでは、監視信号)の周波数が十分に低い場合には、レンズ14を設けなくてもよい。
受光器15は、例えば、受光面の大きなO/Eデバイスまたはアレイ構成のO/Eデバイスにより実現される。なお、ここで言うアレイ構成は、不等間隔の空間配置を含む。O/Eデバイスは、例えば、フォトダイオードを含んで構成される。受光器15は、入力光の強度に応じた光電流を出力する。すなわち、受光器15は、エタロンフィルタ13によってフィルタリングされた光ビーム1〜Nを一括して電気信号に変換する。受光器15の帯域は、各光信号により伝送されるデータ信号のシンボルレートよりも低速である。特に限定されるものではないが、受光器15の帯域は、例えば、光信号により伝送されるデータ信号のシンボルレートの1パーセント以下に設計される。よって、受光器15においてデータ信号は平均化される。ただし、受光器15の帯域は、光信号に重畳されている監視信号の復調を実現する目的に対して十分に高速であるものとする。すなわち、受光器15の帯域は、特に限定されるものではないが、例えば、監視信号の周波数変調速度の0.5倍以上に設計される。
図11は、エタロンフィルタ13によるフィルタリングについて説明する図である。この例では、WDM光信号は、光信号CH1〜CH5を含む。光信号CH1〜CH5は、一定の間隔(例えば、50GHz)で配置されている。光信号CH1、CH2、CH5のビットレートは、それぞれ10Gbit/sである。光信号CH3、CH4のビットレートは、それぞれ100Gbit/sである。さらに、各光信号CH1〜CH5には、それぞれ周波数変調で監視信号が重畳されている。
光分岐器11は、入力WDM光信号から光ビーム1および光ビーム2を生成する。光ビーム1は、エタロンフィルタ13に角度θ1で入射されるように、エタロンフィルタ13に導かれる。光ビーム2は、エタロンフィルタ13に角度θ2で入射されるように、エタロンフィルタ13に導かれる。
エタロンフィルタ13は、角度θ1で入射される光に対して、透過帯域F11〜F15を提供する。すなわち、エタロンフィルタ13は、光ビーム1に対して透過帯域F11〜F15を提供する。透過帯域F11〜F15は、光信号CH1〜CH5とほぼ同じ間隔で提供される。ここで、各光信号CH1〜CH5の中心周波数と、対応する透過帯域F11〜F15の中心周波数との差分(すなわち、周波数オフセット)は、10Gbit/s光信号から監視信号を感度よく検出できるように設定されている。したがって、エタロンフィルタ13から出力される光ビーム1は、光信号CH1、CH2、CH5からそれぞれ監視信号を感度よく検出できる状態にフィルタリングされている。換言すれば、エタロンフィルタ13から出力される光ビーム1は、光信号CH1、CH2、CH5から監視信号を検出するための光成分を含んでいる。
同様に、エタロンフィルタ13は、角度θ2で入射される光に対して、透過帯域F21〜F25を提供する。すなわち、エタロンフィルタ13は、光ビーム2に対して透過帯域F21〜F25を提供する。透過帯域F21〜F25も、光信号CH1〜CH5とほぼ同じ間隔で提供される。ここで、各光信号CH1〜CH5の中心周波数と、対応する透過帯域F21〜F25の中心周波数との差分(すなわち、周波数オフセット)は、100Gbit/s光信号から監視信号を感度よく検出できるように設定されている。したがって、エタロンフィルタ13から出力される光ビーム2は、光信号CH3、CH4からそれぞれ監視信号を感度よく検出できる状態にフィルタリングされている。換言すれば、エタロンフィルタ13から出力される光ビーム2は、光信号CH3、CH4から監視信号を検出するための光成分を含んでいる。
受光器15は、エタロンフィルタ13の出力光を電気信号に変換する。ここで、エタロンフィルタ13の出力光は、フィルタリングされた光ビーム1および光ビーム2を含んでいる。すなわち、受光器15は、光信号CH1、CH2、CH5から監視信号を検出するための光成分および光信号CH3、CH4から監視信号を検出するための光成分を表す電気信号を出力する。なお、受光器15の帯域は、上述したように、各光信号により伝送されるデータ信号のシンボルレートよりも十分に低速である。よって、受光器15の出力信号からデータ信号は検出されない。
図12〜図14は、各光信号に重畳されている監視信号を検出する検出器の実施例を示す。図12〜図14に示す検出器200は、フロントエンド装置1の出力側に設けられ、受光器15により生成される電気信号から監視信号を検出してパスIDを取得する。ここで、検出器200は、WDM光信号に含まれている複数の光信号にそれぞれ重畳されている監視信号を検出することができる。なお、フロントエンド装置1および検出器200により、重畳信号検出装置が実現される。
図12は、光パスを識別するパスIDがコードで実現されている場合の検出器200の一例を示す。パスIDを表すパスIDコードのビット長は、予め決められているものとする。この場合、検出器200は、サンプリング器201、シフトレジスタ202−1〜202−m、相関器203−1〜203−m、および判定器204−1〜204−mを有する。mは、1以上の任意の整数である。
サンプリング器201は、受光器15から出力される電気信号をサンプリングする。サンプリングクロックの周波数は、例えば、パスIDコードのビットレート(または、チップレート)と同じである。そして、サンプリング器201により得られるサンプルデータ列は、シフトレジスタ202−1〜202−mに導かれる。シフトレジスタ202−1〜202−mの長さは、パスIDコードのビット長と同じである。
相関器203−1〜203−mには、それぞれ、対応するコード1〜mが与えられる。コード1〜mは、例えば、不図示のネットワーク管理システムから与えられる。また、コード1〜mは、入力WDM光信号中の光信号に重畳されていることが期待されるコードである。そして、相関器203−1〜203−mは、それぞれ、コード1〜mとシフトレジスタ202−1〜202−mに保持されているサンプルデータ列との相関を計算する。
判定器204−1〜204−mは、それぞれ、相関器203−1〜203−mにより計算された相関値と閾値とを比較する。そして、判定器204−1〜204−mは、この比較の結果に基づいて、コード1〜mが検出されたか否かを判定する。例えば、相関器203−1により計算された相関値が閾値よりも高ければ、判定器204−1は、入力WDM光信号からコード1が検出されたと判定する。この場合、検出器200は、WDM光信号の中にコード1により識別される光パスが設定されていると判定する。一方、相関器203−1により計算された相関値が閾値以下であれば、判定器204−1は、入力WDM光信号からコード1が検出されなかったと判定する。この場合、検出器200は、WDM光信号の中にコード1により識別される光パスが設定されていないと判定する。
相関器203−1〜203−mは、互いに独立して並列に、対応するコード1〜mとサンプルデータ列との相関を計算することができる。また、判定器204−1〜204−mは、互いに独立して並列に、相関器203−1〜203−mにより計算された相関値と閾値とを比較することができる。したがって、検出器200は、入力WDM光信号からコード1〜mが検出されるか否かを一括して同時に判定することができる。すなわち、検出器200は、WDM信号の中にコード1〜mにより識別される光パスが設定されているか否かを一括して同時に判定することができる。
図13は、光パスを識別するパスIDがトーン信号で実現されている場合の検出器200の一例を示す。パスIDを表すトーン信号1〜mの周波数は、互いに異なっている。ここでは、図4に示す送信器において、各光信号に重畳されるトーン信号1〜mの周波数は、それぞれλ(t1)〜λ(tm)であるものとする。この場合、検出器200は、バンドパスフィルタ205−1〜205−m、判定器206−1〜206−mを有する。
図13に示す検出器200において、受光器15から出力される電気信号は、バンドパスフィルタ205−1〜205−mに入力される。バンドパスフィルタ205−1〜205−mの通過周波数は、それぞれ、λ(t1)〜λ(tm)である。
判定器206−1〜206−mは、それぞれ、バンドパスフィルタ205−1〜205−mの出力レベルと閾値とを比較する。そして、判定器206−1〜206−mは、この比較の結果に基づいて、トーン信号1〜mが検出されたか否かを判定する。例えば、バンドパスフィルタ205−1の出力レベルが閾値よりも高ければ、判定器206−1は、入力WDM信号からトーン信号1が検出されたと判定する。この場合、検出器200は、WDM信号の中にトーン信号1により識別される光パスが設定されていると判定する。これに対して、バンドパスフィルタ205−1の出力レベルが閾値以下であれば、判定器206−1は、入力WDM信号からトーン信号1が検出されなかったと判定する。この場合、検出器200は、WDM信号の中にトーン信号1により識別される光パスが設定されていないと判定する。
図14は、光パスを識別するパスIDがトーン信号で実現されている場合の検出器200の一例を示す。パスIDを表すトーン信号1〜mの周波数は、互いに異なっている。ここでは、図4に示す送信器において、各光信号に重畳されるトーン信号1〜mの周波数は、それぞれλ(t1)〜λ(tm)であるものとする。この場合、検出器200は、サンプリング器207、デジタルフーリエ変換回路208、およびトーン信号識別回路209を有する。サンプリング器207は、例えば、A/D変換器により実現される。デジタルフーリエ変換回路208は、入力信号を周波数信号に変換する回路であれば、他の形態の回路であってもよい。
図14に示す検出器200において、受光器15から出力される電気信号は、サンプリング器207によりデジタル信号に変換された後に、デジタルフーリエ変換回路208において周波数情報に変換される。そして、トーン信号識別回路209は、トーン信号1〜mが存在するか否かを判定する。例えば、λ(ti)に相当する周波数の信号値が所定の閾値よりも高ければ、入力信号中にλ(ti)のトーン信号が含まれていると判定する。この場合、トーン信号識別回路209は、WDM光信号中にトーン信号iにより識別される光パスが設定されていると判定する。これに対して、λ(ti)に相当する周波数の信号値が閾値以下であれば、トーン信号識別回路209は、入力WDM光信号からトーン信号iが検出されなかったと判定する。この場合、検出器200は、WDM光信号の中にトーン信号iにより識別される光パスが設定されていないと判定する。
なお、図12〜図14において、受光器15の出力側に、直流成分を除去するためのDCカット部品(電気コンデンサ要素、インダクタ要素、電気抵抗要素などを含む)および電気増幅器を設けてもよい。この場合DCカット部品および電気増幅器は、例えば、フロントエンド装置1の中に設けられる。
ここで、図11〜図14(以下の説明では、図12)に示す例において、光信号CH1にコード1を含む監視信号が周波数変調で重畳されているものとする。この場合、角度θ1でエタロンフィルタ13に入射される光ビーム1から、透過帯域F11により、コード1を含む監視信号の成分が抽出される。ただし、フロントエンド装置1の出力信号は、光信号CH1から抽出される監視信号の成分だけでなく、他の光信号(CH2〜CH5)から抽出される監視信号の成分も含む。すなわち、シフトレジスタ202−1〜202−mには、複数の監視信号の成分を含むサンプルデータ列が与えられる。
相関器203−1〜203−mは、それぞれ、シフトレジスタ202−1〜202−mに保持されているサンプルデータ列と対応するコード1〜mとの相関を計算する。このとき、相関器203−1には、コード1が与えられる。また、サンプルデータ列は、コード1に対応する監視信号の成分を含んでいる。このため、相関器203−1により計算される相関は大きな値となる。すなわち、判定器204−1において、閾値よりも大きな相関値が検出される。この結果、判定器204−1において、コード1を含む監視信号が検出される。
また、光信号CH3にコード2を含む監視信号が周波数変調で重畳されているものとする。この場合、角度θ2でエタロンフィルタ13に入射される光ビーム2から、透過帯域F23によって、コード2を含む監視信号の成分が抽出される。この場合、判定器204−2において、閾値よりも大きな相関値が得られる。すなわち、判定器204−2において、コード2を含む監視信号が検出される。
なお、上述の例では、異なる2つのビットレート(10Gbit/s、100Gbit/s)が混在するが、フロントエンド装置1は、3以上の異なるビットレートが混在するWDM光信号を受信することができる。また、上述の例では、複数のビットレートが混在するが、フロントエンド装置1は、複数の変調方式が混在するWDM光信号を受信することができる。
このように、フロントエンド装置1においては、WDM光信号中の光信号のビットレートおよび/または変調方式に対応する透過帯域が提供されるように、エタロンフィルタ13への入射角が設定される。この入射角は、光分岐器11およびレンズ12を含む光学機構によって実現される。すなわち、エタロンフィルタ13の透過特性に応じて、光分岐器11およびレンズ12を含む光学機構の構成を適切に決定すれば、任意のビットレートおよび/または変調方式に対して、光信号に重畳されている監視信号を感度よく検出するための透過特性を実現することができる。
図15は、第1の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す。図8に示す構成では、入力WDM光信号は、光分岐器11によって分岐される。これに対して、図15に示す構成では、入力WDM光信号は、分岐光導波路16によって分岐される。ここで、光導波路のポートの間隔を狭く形成することは容易である。よって、図15に示す構成では、互いに近接するポートからそれぞれ光ビームを出射できるので、エタロンフィルタ13への入射角を細かく設定することができる。また、分岐光導波路16は、光導波路から光ビームを直接的に空間に出射できる。
図16は、第1の実施形態のフロントエンド装置の他の変形例を示す。図16に示す構成においては、光分岐器11とレンズ12との間に、間隔調整用光導波路17が設けられている。間隔調整用光導波路17は、光分岐器11から出射される複数の光ビームの間隔を調整する。図16に示す構成によっても、図15に示す構成と同様の効果が得られる。
<第2の実施形態>
図17は、第2の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す。第2の実施形態のフロントエンド装置2は、レンズ21、波面拡散素子22、エタロンフィルタ13、レンズ14、受光器15を有する。なお、エタロンフィルタ13、レンズ14、受光器15については、第1の実施形態と実質的に同じなので、説明を省略する。
レンズ21は、入力WDM光信号を平行光ビームに変換する。波面拡散素子22は、レンズ21により得られる平行光ビームから、進行方向が互いに異なる複数の光ビームを生成する。この実施例では、波面拡散素子22は、透過率の高い材料で形成されている。波面拡散素子22の入射側には、1つの平面が形成されている。これに対して、波面拡散素子22の出射側には、互いに法線方向の異なる複数の面が形成されている。したがって、レンズ21により得られる平行光ビームが波面拡散素子22に入射されると、進行方向が互いに異なる複数の光ビームが生成される。これら複数の光ビームは、互いに異なる入射角でエタロンフィルタ13に入射される。
図18は、第2の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す。図18に示す構成では、反射型の波面拡散素子を利用して、図17に示す構成と同様の動作が実現される。すなわち、図18に示す波面拡散素子23は、互いに法線方向の異なる複数の反射面を有する。ここで、レンズ21により得られる平行光ビームは、波面拡散素子23の複数の反射面に導かれる。したがって、波面拡散素子23によって進行方向が互いに異なる複数の光ビームが生成される。これら複数の光ビームは、互いに異なる入射角でエタロンフィルタ13に入射される。
このように、第2の実施形態においては、波面拡散素子22または波面拡散素子23を含む光学機構によって、エタロンフィルタ13に対して互いに異なる角度でWDM光信号が入射される。よって、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の動作が実現される。
<第3の実施形態>
図19は、第3の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す。第3の実施形態のフロントエンド装置3は、波面拡散素子31、レンズ32、エタロンフィルタ13、レンズ14、受光器15を有する。なお、エタロンフィルタ13、レンズ14、受光器15については、第1の実施形態と実質的に同じなので、説明を省略する。
波面拡散素子31は、図17に示す波面拡散素子22と同様に、進行方向が互いに異なる複数の光ビームを生成する。ただし、波面拡散素子31は、レンズ32の入力側に設けられ、入力WDM光信号から、進行方向が互いに異なる複数の光ビームを生成する。そして、レンズ32は、波面拡散素子31により生成される複数の光ビームを、それぞれ平行光ビームに変換する。これら複数の光ビームは、互いに異なる入射角でエタロンフィルタ13に入射される。
図20は、第3の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す。図20に示す構成では、反射型の波面拡散素子を利用して、図19に示す構成と同様の動作が実現される。すなわち、波面拡散素子33により、入力WDM光信号から、進行方向が互いに異なる複数の光ビームが生成される。これらの複数の光ビームは、レンズ32を介して、互いに異なる入射角でエタロンフィルタ13に入射される。なお、特に限定されるものではないが、WDM光信号を伝送する光ファイバの端部は、出射光のビーム拡がり角度を小さくするために、コアがテーパー状に拡大されている。
このように、第3の実施形態においては、波面拡散素子31または波面拡散素子33を含む光学機構によって、エタロンフィルタ13に対して互いに異なる角度でWDM光信号が入射される。よって、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の動作が実現される。
<第4の実施形態>
図21は、第4の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す。第4の実施形態のフロントエンド装置4は、レンズ41、光フィルタ42、レンズ14、受光器15を有する。なお、レンズ14および受光器15については、第1の実施形態と実質的に同じなので、説明を省略する。
レンズ41は、入力WDM光信号を平行光ビームに変換する。光フィルタ42は、複数のエタロンフィルタ素子を含む。図21に示す例では、光フィルタ42は、2つのエタロンフィルタ素子42a、42bを有する。なお、光フィルタ42は、3以上のエタロンフィルタ素子を含んでもよい。各エタロンフィルタ素子の構成(材料および厚さ)は、特に限定されるものではないが、互いに同じであってもよい。
レンズ41から出力される平行光ビームは、光フィルタ42の各エタロンフィルタ素子42a、42bに導かれる。ここで、エタロンフィルタ素子42a、42bは、レンズ41から出力される平行光ビームの進行方向に対して互いに異なる角度で配置されている。すなわち、この平行光ビームは、互いに異なる角度でエタロンフィルタ素子42a、42bに入射される。したがって、エタロンフィルタ素子42a、42bは、入力光ビームに対して、互いに異なる透過特性を提供する。
図22は、第4の実施形態のフロントエンド装置の変形例を示す。図22に示す構成では、図21に示す複数のエタロンフィルタ素子の代わりに、1つのエタロンフィルタ43が使用される。エタロンフィルタ43は、レンズ41から出力される平行光ビームが互いに異なる複数の角度で入射される形状に形成されている。なお、図22に示す例では、エタロンフィルタ43は、互いに法線方向の異なる複数の平面を有する形状であるが、第4の実施形態はこの構成に限定されるものではない。例えば、エタロンフィルタ43は、光ビームの入射面および出射面が曲面であってもよい。
このように、第4の実施形態においては、WDM光信号が互いに異なる複数の角度で入射されるように、光フィルタ(エタロンフィルタ素子42a、42b、またはエタロンフィルタ43)が設けられる。よって、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の動作が実現される。
<第5の実施形態>
第5の実施形態のフロントエンド装置は、光フィルタの入力側に設けられる光学機構の要素を保持する保持機構を有する。この保持機構は、温度変化に対して光学機構の要素の配置が変わらないように、正の熱膨張係数を有する部材および負の熱膨張係数を有する部材を含む。なお、以下では、図15または図16に示すフロントエンド装置の光学機構を例として説明するが、実施形態の保持機構は、他のフロントエンド装置にも適用可能である。
図23に示す例では、保持機構は、部材51a〜51d、および部材52a〜52bを有する。間隔調整用光導波路17は、部材51aにより保持されている。部材51aは、部材52aに固定されている。レンズ12は、部材52bにより保持されている。部材52aおよび52bは、それぞれ部材51bおよび51cを介して部材51dに固定されている。なお、部材51a〜51dは、正の熱膨張係数を有する。また、部材52a〜52bは、負の熱膨張係数を有する。
図23において、矢印は、温度の上昇時における、部材51a〜51dおよび部材52a〜52bの変形を表している。例えば、温度が上昇すると、部材51a〜51dはそれぞれ膨張し、部材52a〜52bはそれぞれ収縮する。
上記構成において、温度の変化に応じて部材51dがX方向に膨張(または、収縮)するときは、部材52aおよび52bがX方向に収縮(または膨張)する。よって、温度が変化しても、間隔調整用光導波路17とレンズ12との間の間隔はほぼ保持される。
温度の変化に応じて部材51aがY方向に膨張(または、収縮)するときは、部材52aがY方向に収縮(または膨張)する。同様に、レンズ12がY方向に膨張(または、収縮)するときは、部材52bがY方向に収縮(または膨張)する。よって、温度が変化しても、レンズ12に対する各光ビームの入射位置はほぼ変わらない。
図24に示す例では、X方向における部材51dの変形は、部材53bにより補償される。また、Y方向における部材51aの変形は、部材53aにより補償される。なお、部材53a〜53bは、負の熱膨張係数を有する。また、レンズ12を保持する部材53cも、負の熱膨張係数を有するようにしてもよい。
図25に示す例では、Y方向における部材51aの変形は、部材54aにより補償される。ここで、部材54aは、負の熱膨張係数を有する。また、レンズ12を保持する部材54bも、負の熱膨張係数を有するようにしてもよい。
図23〜図25では、図16に示す光学機構の要素(間隔調整用光導波路17およびレンズ12)を保持する保持機構が示されているが、実施形態の保持機構は、他の光学機構にも適用可能である。例えば、図26に示す保持機構は、図15に示す光学機構の要素を保持する。
図26において、分岐光導波路16を保持するために、正の熱膨張係数を有する部材55aおよび負の熱膨張係数を有する部材56aが使用される。また、分岐光導波路16とレンズ12との間の間隔を保持するために、正の熱膨張係数を有する部材55bおよび負の熱膨張係数を有する部材56bが使用される。したがって、この構成においても、温度が変化しても、レンズ12に対する各光ビームの入射位置はほぼ変わらない。
<第6の実施形態>
エタロンフィルタの透過特性は、温度に依存する。したがって、第6の実施形態のフロントエンド装置は、エタロンフィルタの近傍の温度を安定化する機能を有する。
図27は、エタロンフィルタの近傍の温度を制御するための構成を示す。なお、図27は、エタロンフィルタ13の入力側から見たときのエタロンフィルタ13およびその周辺の要素を示している。
図27に示すように、エタロンフィルタ13の近傍には、温度センサ61、62、及びヒーター63、64が設けられている。エタロンフィルタ13、温度センサ61、62、ヒーター63、64の下側には、ペルチェ素子65が設けられている。温度コントローラ66は、温度センサ61、62により検出される温度に基づいて、ヒーター63、64、ペルチェ素子65を制御する。このとき、温度コントローラ66は、例えば、温度センサ61、62により検出される温度の平均が予め指定された所定の温度を維持するように、ヒーター63、64、ペルチェ素子65を制御する。
上記構成により、エタロンフィルタ13の透過特性が安定する。したがって、第6の実施形態のフロンドエンド装置は、温度が変化しても、WDM光信号中の各光信号を適切にフィルタリングできる。
<第7の実施形態>
図28は、第7の実施形態のフロントエンド装置の構成を示す。第7の実施形態のフロントエンド装置7は、図8に示す第1の実施形態と類似の構成を有する。ただし、第7の実施形態のフロントエンド装置7は、図8に示す光分岐器11の代わりに、光スイッチ71を有する。さらに、フロントエンド装置7は、光スイッチ71を制御するコントローラ72を有する。
光スイッチ71は、複数の出力ポートを有する。そして、光スイッチ71は、入力WDM光信号をいずれか1つの出力ポートに導く。このとき、光スイッチ71は、コントローラ72から指示される出力ポートを介して、WDM光信号を出力する。コントローラ72は、光スイッチ71の出力ポートを1つずつ順番に選択する。
光スイッチ71の異なるポートから出力される光ビームは、異なる角度でエタロンフィルタ13に入射される。ここで、光スイッチ71の各ポートから出力される光ビームは、例えば、図8に示す光分岐器11の対応するポートから出力される光ビームと実質的に同じになるように設計される。そうすると、第7の実施形態においても、第1の実施形態と同様の動作が実現される。
ただし、図28に示す第7の実施形態では、光スイッチ71から各光ビームが順番に出力される。このため、第7の実施形態では、複数の光信号から監視信号を検出するために要する時間が長くなることがある。これに対して、第1〜第4の実施形態では、複数の光ビームが同時に生成されて光フィルタ(例えば、エタロンフィルタ13)に導かれる。したがって、第1〜第4の実施形態では、複数の光信号から監視信号を検出するために要する時間が短い。
以上記載した各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド装置であって、
波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
前記WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる複数の角度で入射されるように、前記WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、
を有するフロントエンド装置。
(付記2)
前記光学機構は、
前記WDM光信号を分岐する光分岐器と、
前記光分岐器から出力される複数の光ビームを前記光フィルタに導くレンズと、を有し、
前記光分岐器から出力される複数の光ビームは、前記レンズの異なる位置に導かれる
ことを特徴とする付記1に記載のフロントエンド装置。
(付記3)
前記光分岐器と前記レンズとの間に、前記光分岐器から出力される複数の光ビームをそれぞれ前記レンズに導く光導波路をさらに有する
ことを特徴とする付記2に記載のフロントエンド装置。
(付記4)
前記光学機構は、
前記WDM光信号を分岐する分岐光導波路と、
前記分岐光導波路から出力される複数の光ビームを前記光フィルタに導くレンズと、を有し、
前記分岐光導波路から出力される複数の光ビームは、前記レンズの異なる位置に導かれる
ことを特徴とする付記1に記載のフロントエンド装置。
(付記5)
前記光学機構は、前記WDM光信号を複数の進行方向に出射または反射する波面拡散素子を有する
ことを特徴とする付記1に記載のフロントエンド装置。
(付記6)
前記光学機構は、前記波面拡散素子の入力側に、前記WDM光信号を平行ビームに変換して前記波面拡散素子に導くレンズをさらに有する
ことを特徴とする付記5に記載のフロントエンド装置。
(付記7)
前記光学機構は、前記波面拡散素子の出力側に、前記波面拡散素子から出力される複数の光ビームを平行ビームに変換して前記光フィルタに導くレンズをさらに有する
ことを特徴とする付記5に記載のフロントエンド装置。
(付記8)
前記光学機構は、
複数の出力ポートを有し、与えられた指示に対応する出力ポートへ前記WDM光信号を導く光スイッチと、
前記光スイッチから出力される光ビームを前記光フィルタに導くレンズと、を有し、
前記光スイッチの各出力ポートから出力される光ビームは、前記レンズの異なる位置に導かれる
ことを特徴とする付記1に記載のフロントエンド装置。
(付記9)
重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド装置であって、
波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
前記WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有し、
前記光フィルタは、前記WDM光信号が互いに異なる複数の角度で入射される構成を有する
を有するフロントエンド装置。
(付記10)
前記光フィルタは、互いに異なる角度で配置された複数のフィルタ素子を有し、
前記光学機構から出力される光ビームは、前記複数のフィルタ素子に導かれる
ことを特徴とする付記9に記載のフロントエンド装置。
(付記11)
前記光フィルタは、前記WDM光信号が互いに異なる複数の角度で入射される形状に形成されている
ことを特徴とする付記9に記載のフロントエンド装置。
(付記12)
前記光フィルタは、エタロンフィルタである
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか1つに記載のフロントエンド装置。
(付記13)
前記光学機構の要素を保持する保持機構をさらに有し、
前記保持機構は、温度変化に対して前記光学機構の要素の配置の位置変化が小さくなるように、正の熱膨張係数を有する部材および負の熱膨張係数を有する部材を含んで形成されている
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか1つに記載のフロントエンド装置。
(付記14)
前記光フィルタの近傍の温度を検出する温度センサと、
前記光フィルタの近傍に設けられるヒーターと、
前記温度センサにより検出される温度に応じて前記ヒーターを制御する温度コントローラと、をさらに有する
ことを特徴とする付記1〜11いずれか1つに記載のフロントエンド装置。
(付記15)
重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド回路と、
前記フロントエンド回路の出力信号から、前記複数の光信号にそれぞれ重畳されている重畳信号を検出する検出器と、を有し、
前記フロントエンド回路は、
波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
前記WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる複数の角度で入射されるように、前記WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有する
ことを特徴とする重畳信号検出装置。
1 フロントエンド装置
11 光分岐器
12 レンズ
13 エタロンフィルタ
15 受光器
16 分岐光導波路
17 間隔調整用光導波路
22、31 波面拡散素子(透過型)
23、33 波面拡散素子(反射型)
42 光フィルタ
42a、42b エタロンフィルタ素子
43 エタロンフィルタ
61、62 温度センサ
63、64 ヒーター
66 温度コントローラ
71 光スイッチ
200 検出器

Claims (7)

  1. 重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド装置であって、
    波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
    前記WDM光信号を分岐して第1の分岐WDM光信号および第2の分岐WDM光信号を生成する光分岐器と、
    前記第1の分岐WDM光信号および前記第2の分岐WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる角度で入射されるように、前記第1の分岐WDM光信号および前記第2の分岐WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
    前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有し、
    前記WDM光信号に多重化されている光チャネルの波長間隔と、前記光フィルタの透過率が波長に対して変化する周期とは、ほぼ同じであり、
    前記光フィルタの透過率のピークが、前記第1の分岐WDM光信号の各波長チャネルのスペクトルの中心に対して第1の波長だけシフトするように、前記第1の分岐WDM光信号の入射角が設定され、
    前記光フィルタの透過率のピークが、前記第2の分岐WDM光信号の各波長チャネルのスペクトルの中心に対して前記第1の波長と異なる第2の波長だけシフトするように、前記第2の分岐WDM光信号の入射角が設定される
    ことを特徴とするフロントエンド装置。
  2. 重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド装置であって、
    波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
    前記WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる複数の角度で入射されるように、前記WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
    前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有し、
    前記光学機構は、
    前記WDM光信号を分岐する光分岐器と、
    前記光分岐器から出力される複数の光ビームを前記光フィルタに導くレンズと、を有し、
    前記光分岐器から出力される複数の光ビームは、前記レンズの異なる位置に導かれる
    ことを特徴とするフロントエンド装置。
  3. 前記光分岐器と前記レンズとの間に、前記光分岐器から出力される複数の光ビームをそれぞれ前記レンズに導く光導波路をさらに有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のフロントエンド装置。
  4. 重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド装置であって、
    波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
    前記WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる複数の角度で入射されるように、前記WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
    前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有し、
    前記光学機構は、
    前記WDM光信号を分岐する分岐光導波路と、
    前記分岐光導波路から出力される複数の光ビームを前記光フィルタに導くレンズと、を有し、
    前記分岐光導波路から出力される複数の光ビームは、前記レンズの異なる位置に導かれる
    ことを特徴とするフロントエンド装置。
  5. 前記光学機構は、前記WDM光信号を複数の進行方向に出射または反射する波面拡散素子を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のフロントエンド装置。
  6. 重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド装置であって、
    波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
    前記WDM光信号を平行光ビームで前記光フィルタに導く光学機構と、
    前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有し、
    前記光フィルタは、平行光ビームで導かれてくる前記WDM光信号の一部が入射される角度と、平行光ビームで導かれてくる前記WDM光信号の他の一部が入射される角度とが異なるように構成されている
    ことを特徴とするフロントエンド装置。
  7. 重畳信号が周波数変調でそれぞれ重畳されている複数の光信号を含むWDM光信号を受信するフロントエンド回路と、
    前記フロントエンド回路の出力信号から、前記複数の光信号にそれぞれ重畳されている重畳信号を検出する検出器と、を有し、
    前記フロントエンド回路は、
    波長に対して透過率が周期的に変化し、且つ、透過率のピークが現れる波長が入射角に応じてシフトする光フィルタと、
    前記WDM光信号を分岐して第1の分岐WDM光信号および第2の分岐WDM光信号を生成する光分岐器と、
    前記第1の分岐WDM光信号および前記第2の分岐WDM光信号が前記光フィルタに対して互いに異なる角度で入射されるように、前記第1の分岐WDM光信号および前記第2の分岐WDM光信号を前記光フィルタに導く光学機構と、
    前記光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する受光器と、を有し、
    前記WDM光信号に多重化されている光チャネルの波長間隔と、前記光フィルタの透過率が波長に対して変化する周期とは、ほぼ同じであり、
    前記光フィルタの透過率のピークが、前記第1の分岐WDM光信号の各波長チャネルのスペクトルの中心に対して第1の波長だけシフトするように、前記第1の分岐WDM光信号の入射角が設定され、
    前記光フィルタの透過率のピークが、前記第2の分岐WDM光信号の各波長チャネルのスペクトルの中心に対して前記第1の波長と異なる第2の波長だけシフトするように、前記第2の分岐WDM光信号の入射角が設定される
    ことを特徴とする重畳信号検出装置。
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