JP4915272B2 - 撮像装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置及びそのプログラムに係り、詳しくは、顔検出機能を有した撮像装置及びそのプログラムに関する。
近年、電子カメラ等の撮像装置において、被写体の顔を検出し、該検出した顔に対してAF(オートフォーカス)制御、AE(自動露出)制御、AWB(オートホワイトバランス)制御を行なう技術が登場してきている(特許文献1)。
公開特許公報 特開2006−211139
しかしながら、従来の技術は、顔検出した顔の画像データに基づいて露出制御を行なうので、顔部分が暗い場合において、該顔に基づいて露出制御を行うと背景が白飛びしてしまい、適切な露出制御を行なうことはできなかった。
そこで本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、検出された顔領域を重点した露出制御を行なうか否かを判断することができる撮像装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による撮像装置は、被写体を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子により撮像された画像データ内にある顔を検出する顔検出手段と、
前記撮像素子により撮像された画像データのうち、所定の領域を重み付けした画像データと、前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域を重み付けした画像データとを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記撮像素子により撮像される画像データの露出量を制御する露出制御手段と、
を備え
前記所定領域は、
画角の中央領域、又は、ユーザによって指定された領域であることを特徴とする。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記比較手段は、
前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域の重み付け度合いを、前記所定の領域の重み付け度合いより大きくするようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記比較手段は、
前記撮像素子により撮像された画像データの輝度成分に基づいて、比較するようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記露出制御手段は、
前記比較手段による比較結果に基づいて明るいと判断された方の画像データに基づいて露出量を制御するようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記撮像素子は、複数色の色フィルターを有しており、
前記露出制御手段は、
前記比較手段による比較結果に基づいて明るいと判断された方の画像データの輝度成分、各色の色成分のうち、何れか1つの成分に基づいて露出量を制御するようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記露出制御手段は、
輝度成分、各色の色成分のうち、最も明るさのレベルが高い成分に基づいて露出量を制御するようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記撮像素子を用いて被写体の動画の撮像を制御する動画撮像制御手段を備え、
前記顔検出手段は、
前記動画撮像制御手段により順次撮像されるフレーム画像データ内にある顔を検出していき、
前記比較手段は、
前記動画撮像制御手段により撮像されるフレーム画像データと、該フレーム画像データの前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域に基づいたフレーム画像データとを比較していき、
前記露出制御手段は、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記動画撮像制御手段により撮像されるフレーム画像データの露出量を制御していくようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、前記撮像素子を用いて被写体の静止画の撮像を制御する静止画撮像制御手段を備え、
前記露出制御手段は、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記静止画撮像制御手段により撮像される静止画像データの露出量を制御するようにしてもよい。
また、例えば、請求項に記載されているように、被写体に対してストロボを発光するストロボ手段と、
前記撮像素子により撮像された画像データに基づいて、前記顔検出手段により検出された顔の明るさが暗いか否かを判断する判断手段と、
を備え、
前記静止画撮像制御手段は、
前記判断手段により前記顔検出手段により検出された顔の明るさが暗いと判断された場合は、前記ストロボ手段によるストロボを発光させて、静止画撮像を行なうようにしてもよい。
上記目的達成のため、請求項1記載の発明によるプログラムは、被写体を撮像する撮像素子により撮像された画像データ内にある顔を検出する顔検出処理と、
前記撮像素子により撮像された画像データのうち、所定の領域を重み付けした画像データと、前記顔検出処理により検出された顔に基づく領域を重み付けした画像データとを比較する比較処理と、
前記比較処理による比較結果に基づいて、前記撮像素子により撮像される画像データの露出量を制御する露出制御処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させ
前記所定領域は、
画角の中央領域、又は、ユーザによって指定された領域であることを特徴とする。
本願発明によれば、撮像素子により撮像された画像データと、該画像データの前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域に基づいた画像データの比較結果に基づいて露出制御を行なうので、適切に露出制御を行なうことができる。
以下、本実施の形態について、本発明の撮像装置をデジタルカメラに適用した一例として図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態]
A.デジタルカメラの構成
図1は、本発明の撮像装置を実現するデジタルカメラ1の電気的な概略構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ1は、撮影レンズ2、レンズ駆動ブロック3、絞り4、CCD5、ドライバ6、TG(timing generator)7、ユニット回路8、メモリ9、CPU10、DRAM11、画像表示部12、フラッシュメモリ13、キー入力部14、ストロボ装置15、バス16を備えている。
撮影レンズ2は、図示しない複数のレンズ群から構成されるフォーカスレンズ、ズームレンズ等を含む。そして、撮影レンズ2にはレンズ駆動ブロック3が接続されている。レンズ駆動ブロック3は、フォーカスレンズ、ズームレンズをそれぞれ光軸方向に沿って駆動させるフォーカスモータ、ズームモータと、CPU10から送られてくる制御信号にしたがって、フォーカスモータ、ズームモータを駆動させるフォーカスモータドライバ、ズームモータドライバから構成されている(図示略)。
絞り4は、図示しない駆動回路を含み、駆動回路はCPU10から送られてくる制御信号にしたがって絞り4を動作させる。
絞り4とは、撮影レンズ2から入ってくる光の量を制御する機構のことをいう。
撮像素子であるCCD5は、ドライバ6によって駆動され、一定周期毎に被写体像のRGB値の各色の光の強さを光電変換して撮像信号としてユニット回路8に出力する。このドライバ6、ユニット回路8の動作タイミングはTG7を介してCPU10により制御される。なお、CCD5はベイヤー配列の色フィルターを有しており、電子シャッタとしての機能も有する。この電子シャッタのシャッタ速度は、ドライバ6、TG7を介してCPU10によって制御される。
ユニット回路8には、TG7が接続されており、CCD5から出力される撮像信号を相関二重サンプリングして保持するCDS(Correlated Double Sampling)回路、そのサンプリング後の撮像信号の自動利得調整を行なうAGC(Automatic Gain Control)回路、その自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器から構成されており、CCD5から出力された撮像信号はユニット回路8を経てデジタル信号としてCPU10に送られる。
CPU10は、ユニット回路8から送られてきた画像データをバッファメモリ(DRAM11)に記憶させるとともに、該記憶させた画像データに対してガンマ補正、補間処理、ホワイトバランス処理、輝度色差信号(YUVデータ)の生成処理などの画像処理、画像データの圧縮・伸張(例えば、JPEG形式の圧縮・伸張)処理、フラッシュメモリ13への画像データの記録処理を行う機能を有するとともに、デジタルカメラ1の各部を制御するワンチップマイコンである。
特に、CPU10は、撮像された画像データ内にある顔を検出する機能、撮像された該画像データと、該画像データの検出された顔に基づく領域に基づいた画像データを比較する機能、該比較結果に基づいて露出制御を行なう機能を有する。
メモリ9には、CPU10が各部を制御するのに必要な制御プログラム、及び必要なデータが記録されており、CPU10は、該プログラムに従い動作する。
DRAM11は、CCD5によって撮像された後、CPU10に送られてきた画像データを一時記憶するバッファメモリとして使用されるとともに、CPU10のワーキングメモリとして使用される。
フラッシュメモリ13は、圧縮された画像データを保存記録する記録媒体である。
画像表示部12は、カラーLCDとその駆動回路を含み、撮影待機状態にあるときには、CCD5によって撮像された被写体をスルー画像として表示し、記録画像の再生時には、フラッシュメモリ13から読み出され、伸張された記録画像を表示させる。
キー入力部14は、半押し全押し可能なシャッタボタン、モード切替キー、顔検出モードon/off切替キー、ストロボモード切替キー、十字キー、SETキー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号をCPU10に出力する。
ストロボ装置15は、内蔵コンデンサC、充電回路(図示略)、キセノン管を含む発光回路(図示略)等を含み、充電回路は内蔵コンデンサCに電力を充電し、発光回路は、内蔵コンデンサC内の電荷を光源となるキセノン管に供給して、光を閃光発光させる。ストロボ装置15は、CPU10によって、充電開始、発光及び発光時間が制御され、その制御にしたがって発光などを行う。
B.デジタルカメラ1の動作
実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図2のフローチャートに従って説明する。
ユーザのキー入力部14のモード切替キーの操作により撮影モードに設定されると、CPU10は、CCD5に所定のフレームレートで被写体を撮像させる処理を開始させ(動画撮像処理)、該撮像により順次得られたフレーム画像データから輝度色差信号のフレーム画像データ(YUVデータ)を生成していき、該順次生成された輝度色差信号のフレーム画像データをバッファメモリ(DRAM11)に記憶させ、該記憶された被写体のフレーム画像データを順次画像表示部12に表示させるというスルー画像表示を開始させる(ステップS1)。
次いで、ステップS2で、CPU10は、ユーザによって顔検出モードon/off切替キーの操作が行なわれたか否かを判断する。この判断は、顔検出モードon/off切替キーの操作に対応する操作信号がキー入力部14から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS2で、顔検出モードon/off切替キーの操作が行なわれたと判断すると、ステップS3に進み、CPU10は、現在、顔検出モードがonであるか否かを判断する。
ステップS3で、顔検出モードがonでないと判断すると、つまりoffであると判断すると、ステップS4に進み、CPU10は、顔検出モードをoffからonに切替えて顔検出処理を開始して、ステップS6に進む。
この顔検出処理は、CCD5により順次撮像されたフレーム画像内に、人の顔があるかどうかを検出することであり、例えば、予め記憶されている一般的な人の顔の特徴データ(目、眉毛、鼻、口、耳等の特徴データ)と順次撮像される画像データとを比較照合することにより、順次撮像される該画像データの中に人の顔の画像データがあるか否かを検出する。なお、この顔検出処理は周知の技術であり、上記した方法以外の方法で顔検出を行なうようにしてもよく、また、予め設定された人物の顔が順次撮像されるフレーム画像内にあるか否かを具体的に検出するようにしてもよい。
一方、ステップS3で、顔検出モードがonであると判断すると、ステップS5に進み、CPU10は、顔検出モードをonからoffに切替えて顔検出処理を終了して、ステップS6に進む。
また、ステップS2で、顔検出モードon/off切替キーの操作が行なわれていないと判断するとそのままステップS6に進む。
ステップS6に進むと、CPU10は、ユーザによってストロボモード切替キーの操作が行なわれたか否かを判断する。この判断は、ストロボモード切替キーの操作に対応する操作信号がキー入力部14から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS6で、ストロボモード切替キーの操作が行なわれたと判断すると、ステップS7に進み、CPU10は、該操作にしたがってストロボモードの設定を切替えてステップS8に進む。このストロボモードの種類としては、「ストロボ非発光」、「ストロボ発光」、「オート」と3種類ある。この「ストロボ非発光」はストロボを発光させないモードであり、「ストロボ発光」はストロボを強制的に発光させるモードであり、「オート」は現在の撮影状況が暗い場合に自動的に発光させるモードである。
そして、ユーザのストロボモード切替キーの操作により、ストロボモードの設定が、例えば、「ストロボ非発光」→「ストロボ発光」→「オート」→「ストロボ非発光」というように切り替わる。
ステップS8に進むと、CPU10は、直近に撮像されたフレーム画像データに基づいて、評価用積分平均値Sの算出処理を行う。この評価用積分平均値Sは、撮像された画像の明るさを示すものであり、具体的な算出処理は後で説明する。
次いで、ステップS9で、CPU10は、該算出した評価用積分平均値Sが所定レベルより大きいか否かを判断する。
ステップS9で、評価用積分平均値Sが所定レベルより大きいと判断すると、ステップS10に進み、CPU10は、動画(スルー画)用のプログラム線図を用いて撮像される画像が暗くなる方向に、動画撮像により撮像される画像データの露出制御を行なって、ステップS12に進む。つまり、絞りやシャッタ速度によりCCD5に入射する光量(露出量)を機械的に減らしたり、感度を下げることにより電子的に光量(露出量)を減らしたりする。
この撮像される画像が暗くなる方向となる露出制御は、評価用積分平均値Sが、所定量分だけ減るように行なう。つまり、ステップS10での露出制御を複数回行なうことにより、徐々に段階的に評価用積分平均値Sが所定レベルに近づく。
なお、このステップS10の露出制御は、段階的でなく該評価用積分平均値Sが直接、所定レベルとなるように露出制御を行なうようにしてもよい。例えば、該評価用積分平均値Sが所定レベルより遥かに大きい場合は、1回の露出制御により減らす光量を多くし、該評価用積分平均値Sが所定レベルより少し大きい場合は、1回の露出制御により減らす光量を少なくすることにより、評価用積分平均値Sが直接、所定レベルとなるようする。
一方、ステップS9で、評価用積分平均値Sが所定レベルより大きくないと判断すると、ステップS11に進み、CPU10は、動画用のプログラム線図を用いて撮像される画像が明るくなる方向に、動画撮像により撮像される画像データの露出制御を行なって、ステップS12に進む。また、この撮像される画像が明るくなる方向となる露出制御は、上記と同様に、評価用積分平均値Sが、所定量分だけ増えるように行なう。つまり、ステップS11での露出制御を複数回行なうことにより、徐々に段階的に評価用積分平均値Sが所定レベルに近づく。なお、このステップS11の露出制御は、段階的でなく該評価用積分平均値Sが直接、所定レベルとなるように露出制御を行なうようにしてもよい。
ステップS12に進むと、CPU10は、ストロボ充電処理を行う。このストロボ充電処理については後で説明するが、内蔵コンデンサCの充電を行なうか否かを判断し、充電すると判断した場合は、ストロボ装置15を制御することにより充電を行なわせる。
次いで、ステップS13で、CPU10は、ユーザによってシャッタボタンが半押しされたか否かを判断する。この判断は、シャッタボタンの半押し操作に対応する操作信号がキー入力部14から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS13でシャッタボタンが半押しされていないと判断すると、ステップS2に戻って上記した動作を繰り返し、ステップS13でシャッタボタンが半押しされたと判断すると、ステップS14に進み、CPU10は、直近に撮像されたフレーム画像データに基づいて、評価用積分平均値Sの算出処理を行う。この算出処理は、上記ステップS8の算出処理と同様の処理を行う。
次いで、ステップS15で、CPU10は、ストロボ発光の要否の判定処理を行なう。このストロボ発光の要否の判定処理は後で説明するが、簡単に説明すると、現在のストロボモードの状態を判定し、現在のストロボモードが「ストロボ発光」の場合はストロボ発光要と判定し、ストロボモードが「ストロボ非発光」の場合はストロボ発光不要と判定し、ストロボモードが「オート」の場合は撮像された画像データの輝度成分に基づいてストロボ発光の要否を判定する。
次いで、ステップS16で、CPU10は、ユーザによってシャッタボタンが全押しされたか否かを判定する。この判断は、シャッタボタンの全押し操作に対応する操作信号がキー入力部14から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS16で、シャッタボタンが全押しされていないと判断すると、全押しされるまでステップS16に留まり、シャッタボタンが全押されると、ステップS17に進み、CPU10は、ステップS15の判定処理の結果に基づいてストロボを発光させるか否かを判断する。
ステップS17で、ストロボを発光させると判断すると、ステップS18に進み、CPU10は、ストロボ装置15に制御信号を送ることによりキセノン管を発光させて(ストロボを発光させて)、ステップS19に進む
一方、ステップS17で、ストロボを発光させないと判断すると、そのままステップS19に進む。
ステップS19に進むと、CPU10は、ステップS14で算出された積分平均値Sに基づいて静止画撮影用の適正露出量を算出し、該算出した適正露出量となるような露出条件(絞り、シャッタ速度、感度など)で静止画撮影を行い、該得られた静止画像データをフラッシュメモリ13に記録する処理を行い、その後、ステップS1に戻る。
B−1.評価用積分平均値Sの算出処理について
次に、評価用積分平均値Sの算出処理の動作を図3のフローチャートにしたがって説明する。
まず、評価用積分平均値Sの算出処理を行うと判断すると、つまり、図2のステップS8、ステップS14に進むと、図3のステップS51に進み、CPU10は、直近に撮像されたフレーム画像データの各領域のRデータ、Gデータ、Bデータ毎(色成分毎)にそれぞれの積分値r、g、bを算出する。
ここで、図4は、フレーム画像データの各領域の様子を示すものであり、ここでは、便宜上、フレーム画像データを縦8×横8の領域に分けるものとするが、これに限られない。
また、図4に示される番号は、各領域のアドレス番号を表しており、この各領域を便宜上、領域[アドレス番号n(以下nで表す)]で表す。即ち、各領域は、領域0、領域1、・・・領域62、領域63で表される。
したがって、ステップS51では、領域内にあるRデータの積分値r、Gデータの積分値g、Bデータの積分値rを各領域毎に算出することになる。
このRGB毎の各領域の積分値r、g、b、をそれぞれ、具体的に表すと、r−sum[n]、g−sum[n]、b−sum[n]で記す。したがって、r−sum[n]はアドレス番号がn領域の積分値rを表しており、g−sum[n]はアドレス番号がn領域の積分値gを表しており、b−sum[n]はアドレス番号がn領域の積分値bを表している。
次いで、ステップS52で、CPU10は、画角の中央領域(所定の領域)を重み付けして、該算出された積分値r、g、bそれぞれの積分平均値R2、G2、B2を算出する。
ここで、画角の中央領域を重み付けした積分平均値の算出は、中央領域の重み付け係数が最も大きくなるように、各領域の重み付け係数を所定のアルゴリズムにしたがって算出し(所定領域重点の場合における各領域の重み付け係数を算出し)、該算出した各領域の重み付け係数を用いて、画角の中央領域の積分値r、g、bを重み付けした積分平均値R2、G2、B2をそれぞれ算出する。
ここで、図5は、算出される各領域の重み付け係数を示すものであり、図5(a)は、所定領域重点の場合に算出される各領域の重み付け係数の例を表すものである。
図5(a)を見ると分かるように、画角の中央領域、つまり、領域27、領域28、領域35、領域36の重み付け係数が最も大きく、画角の中央から遠ざかるにつれ重み付け係数は小さくなっている。ここでは、画角の中央の領域の重み付け係数を8、その周りの領域の重み付け係数を4、2、1というように中央領域から離れるにしたがって小さくなっている。なお、この各領域の重み付け係数をweight[n]で表す。このアドレス番号nは、領域のアドレス番号を表しているので(n=0,1,2,・・・62,63)、weight[n]は、アドレス番号がnの領域の重み付け係数を表している。
そして、ステップS51で算出した各領域のr−sum[n]と、所定領域重点の場合における各領域の重み付け係数weight[n]とを同じ領域同士で乗算し、該乗算後の積分値rの総和を、重み付け係数weight[n]の総和で除算することにより、画角の中央領域を重み付けした積分平均値R2を算出する。また、同様に、ステップS51で算出した各領域のg−sum[n]、b−sum[n]と所定領域重点の場合における各領域の重み付け係数weight[n]とを同じ領域同士で乗算し、該乗算後の積分値g、bそれぞれの総和を、重み付け係数weight[n]の総和で除算することにより、画角の中央領域を重み付けした積分平均値G2、B2をそれぞれ算出する。
この積分平均値R、G、Bの算出を数式で表すと数1のようになる。
Figure 0004915272
積分平均値R2、G2、B2を算出すると、ステップS53に進み、CPU10は、該算出した積分平均値R2、G2、B2を用いて画角の中央領域を重み付けした輝度積分平均値Y2を算出する。
この算出は、数式『輝度積分平均値Y2=0.3×R2+0.5×G2+0.2×B2』によって算出する。
次いで、ステップS54で、CPU10は、現在、顔検出モードがonであるか否かを判断する。
ステップS54で、顔検出モードがonであると判断すると、ステップS55に進み、CPU10は、顔検出処理により直近に撮像されたフレーム画像データ(ステップS51で積分値r、g、bの算出元となったフレーム画像データ)内に顔が検出されたか否かを判断する。
なお、図2のフローチャートで説明したように、顔検出モードがonに切り替えられると、offに切り替えられるまで、順次撮像されるフレーム画像データ内に顔があるか否かの顔検出処理を行っている。
ステップS54で顔検出モードがoffであると判断した場合、及び、ステップS55で顔が検出されていないと判断した場合は(顔検出無しと判断した場合は)、ステップS60に進み、CPU10は、該算出した積分平均値R2、積分平均値G2、積分平均値B2、輝度積分平均値Y2のうち、最もレベルの高いものを評価用積分平均値Sとする。
一方、ステップS55で、顔が検出されたと判断すると(顔検出有りと判断すると)、ステップS56に進み、CPU10は、該検出された顔に基づく領域を重み付けして、該算出された積分値r、g、bそれぞれの積分平均値R1、G1、B1を算出する。
ここで、検出された顔に基づく領域を重み付けした積分平均値の算出は、検出した顔に基づく領域の重み付け係数が最も大きくなるように、各領域の重み付け係数を所定のアルゴリズムにしたがって算出し(顔領域重点の場合における各領域の重み付け係数を算出し)、該算出した各領域の重み付け係数を用いて、検出された顔領域の積分値r、g、bを重み付けした平均積分値R1、G1、B1をそれぞれ算出する。
ここで、図5(b)、(c)は、顔領域重点の場合に算出される各領域の重み付け係数を表すものであり、図5(b)は画角の中央に顔を検出した場合に算出される各領域の重み付け係数の例を表すものである。
図5(b)見ると、検出された顔に基づく領域(ここでは画角の中央領域)、つまり、領域27、領域28、領域35、領域36の重み付け係数が最も大きく、検出された顔に基づく領域から遠ざかるにつれ重み付け係数は小さくなっている。ここでは、検出された顔に基づく領域を16、その周りの領域の重み付け係数を4、2、1というように検出された顔に基づく領域から離れるにしたがって小さくなる。なお、ここでも、各領域の重み付け係数をweight[n]で表す。
ここで、図5(a)と(b)とを見比べると分かるように、顔検出有りの場合の該検出された顔に基づく領域の重み付け係数(最も大きい重み付け係数)は、所定領域重点の場合の画角の中央領域の重み付け係数(最も大きい重み付け係数)よりも大きな値となっていることが分かる。この所定領域重点の場合の画角の中央領域の重み付け係数(最も大きい重み付け係数)と、検出された顔に基づく領域の重み付け係数(最も大きい重み付け係数)とに差異を設ける理由は後で説明する。
なお、ここでは、検出された顔に基づく領域のみの重み付け係数に差異を設けるようにしたが、検出された顔に基づく領域以外の領域の重み付け係数についても差異を設けるようにしてもよい。つまり、顔が検出された場合に算出される重み付け係数の度合いを、所定領域重点の場合に算出される重み付け係数の度合いより、大きくする態様であればよい。
図5(c)は画角の中央以外の位置に顔を検出した場合に算出される各領域の重み付け係数の例を表すものである。
図5(c)を見ると、この場合も顔が検出された領域(ここでは、領域17、領域18、領域25、領域26)の重み付け係数が最も大きく、該顔が検出された領域から遠ざかるにつれて、重み付け係数が小さくなっているのがわかる。ここでは、重み付け係数の最小値を1とするので、顔が検出された領域から所定以上離れた場合は、重み付け係数を全て1としている。
そして、ステップS51で算出した各領域のr−sum[n]、g−sum[n]、b−sum[n]と顔が検出された場合に算出された各領域の重み付け係数weight[n]とから、数1を用いて、検出された顔に基づく領域を重み付けした積分平均値R1、G1、B1をそれぞれ算出する。
つまり、ステップS51で算出した各領域のr−sum[n]と、顔が検出された場合に算出される各領域の重み付け係数weight[n]とを同じ領域同士で乗算し、該乗算後の積分値rの総和を、重み付け係数weight[n]の総和で除算することにより、検出した顔に基づく領域を重み付けした積分平均値R1を算出する。また、同様に、ステップS51で算出した各領域のg−sum[n]、b−sum[n]と顔が検出された場合に算出される各領域の重み付け係数weight[n]とを同じ領域同士で乗算し、該乗算後の積分値g、bそれぞれの総和を、重み付け係数weight[n]の総和で除算することにより、検出された顔に基づく領域を重み付けした積分平均値G1、B1をそれぞれ算出する。
積分平均値R1、G1、B1を算出すると、ステップS57に進み、CPU10は、該算出した積分平均値R1、G1、B1を用いて検出された顔に基づく領域を重み付けした輝度積分平均値Y1を算出する。
この算出は、数式『輝度積分平均値Y1=0.3×R1+0.5×G1+0.2×B1』によって算出する。
次いで、ステップS58で、輝度積分平均値Y1が輝度積分平均値Y2より大きいか否かを判断する。
ステップS58で、輝度積分平均値Y1が輝度積分平均値Y2より大きいと判断すると、ステップS59に進み、CPU10は、算出した積分平均値R1、積分平均値G1、積分平均値B1、輝度積分平均値Y1のうち、最もレベルの高いものを評価用積分値Sとする。
一方、ステップS58で、輝度積分平均値Y1が輝度積分平均値Y2より大きくないと判断すると、ステップS60に進み、該算出した積分平均値R2、積分平均値G2、積分平均値B2、輝度積分平均値Y2のうち、最もレベルの高いものを評価用積分平均値Sとする。
そして、この評価用積分平均値Sとされた値に基づいて露出制御が行なわれることになる(図2のステップS9、ステップS10、ステップS11、ステップS19)。
つまり、ステップS58は、検出された顔領域を重点として露出制御を行なうか否かを判断していることになる。
このように、顔が検出された場合は、検出された顔に基づく領域を重み付けした輝度積分平均値Y1と検出された顔以外の領域(ここでは、画角の中央領域)を重み付けした輝度積分平均値Y2とを比較し、輝度積分平均値Y2の方が大きい場合は、検出された顔より、他の部分の方が明るいので、検出された顔以外の領域(中央領域)を重み付けした積分平均値(R2、G2、B2、Y2の何れかの値)を用いて露出制御を行なうことにより、検出された顔以外の部分が白飛びすることを防止することができ、適切に露出制御を行なうことができる。このような場合まで、検出された顔の明るさに基づいて露出制御を行なうと、顔以外の領域(背景等)が白飛びしてしまうからである。
一方、輝度積分平均値Y1が輝度積分平均値Y2より大きい場合は、背景等より検出された顔が明るいので、検出された顔に基づく領域を重み付けした積分平均値(R1、G1、B1、Y1の何れかの値)を用いて露出制御を行なうことにより、顔を重点とした露出制御を行なうことができ、適正に露出制御を行なうことができる。また、このような場合にまで背景等に基づく領域を重み付けした積分平均値を用いて露出制御を行なうと、顔が白飛びしてしまうが、かかる弊害も防止することができる。
また、顔が検出されない場合(顔検出モードoffも含む)は、所定領域重点の場合における重み付け係数に基づいて、所定領域を重み付けした積分平均値に基づく露出制御を行なうが、所定領域重点の場合に算出される重み付け係数の最大値(画角の中央領域の重み付け係数)を、顔が検出された場合に算出される重み付け係数の最大値(検出された顔に基づく領域の重み付け係数)より小さくすることにより、顔が検出されない場合の露出制御による弊害を抑えることができる。例えば、画角の中央領域に明るい空や光源がある場合に、画角の中央領域の重み付け係数を過度に大きくしてしまうと、露出制御により画像全体が暗くなりすぎたり、画角の中央領域が暗い場合に、画角の中央領域の重み付け係数を過度に大きくしてしまうと、露出制御により画像全体が明るくなりすぎて、白飛びしてしまう虞がある。
また、顔が検出された場合に算出される重み付け係数の最大値(検出された顔に基づく領域の重み付け係数)を所定領域重点の場合に算出される重み付け係数の最大値(画角の中央領域の重み付け係数)より大きくすることにより、検出された顔部分の評価を高めることができ、顔を重点にした露出制御を行なうことができる。
また、積分平均値R、積分平均値G、積分平均値B、輝度積分平均値Yのうち、最もレベルの高い値を評価用積分平均値Sとして露出制御を行なうので、白飛びを更に防止することができる。例えば、顔の場合は、赤みが強いので、赤に合わせることで肌の色飛びを抑える効果がある。
B−2.ストロボ充電処理について
次に、ストロボ充電処理の動作を図6のフローチャートにしたがって説明する。
まず、ストロボ充電処理を行うと判断すると、つまり、図2のステップS12に進むと、図6のステップS101に進み、CPU10は、現在設定されているストロボモードの種類を判断する。
ステップS101で、ストロボモードの種類が「ストロボ非発光」であると判断するとストロボ充電処理を終了し、ステップS101で、ストロボモードが「オート」であると判断すると、ステップS102に進み、CPU10は、現在、顔検出モードがonであるか否かを判断する。
ステップS102で、顔検出モードがonでないと判断すると、ステップS103に進み、CPU10は、直近に撮像されたフレーム画像の輝度が所定レベル以下であるか否かを判断する。
なお、図3のステップS53で算出された輝度積分平均値Y2に基づいて所定レベル以下か否かの判断を行うようにしてもよい。顔検出モードがonでない場合は、画角の中央領域を重点に露出制御を行なうからである。
ステップS103で、フレーム画像の輝度が所定レベル以下でないと判断するとストロボ充電処理を終了する。
一方、ステップS103で、フレーム画像の輝度が所定レベル以下であると判断した場合、ステップS102で顔検出モードがonであると判断した場合、ステップS101でストロボモードが「ストロボ発光」であると判断した場合は、ステップS104に進み、CPU10は、ストロボ装置15の内蔵コンデンサCが未充電であるか否かを判断する。
ステップS104で、内蔵コンデンサCが未充電でないと判断するとストロボ充電処理を終了し、ステップS104で、内蔵コンデンサCが未充電であると判断すると、ステップS105に進み、CPU10は、内蔵コンデンサCの充電を開始させる。
つまり、顔検出モードがonの場合は、ストロボを発光させるかどうか分からないので、一応内蔵コンデンサCが充電された状態にし、顔検出モードがoffの場合であっても、画像の輝度が所定レベル以下の場合は内蔵コンデンサCが充電された状態にする。
B−3.ストロボ発光の要否判定処理について
次に、ストロボ発光の要否判定処理の動作を図7のフローチャートにしたがって説明する。
まず、ストロボ発光の要否の判定処理を行なうと判断すると、つまり、図2のステップS15に進むと、図7のステップS201に進み、CPU10は、現在設定されているストロボモードの種類を判断する。
ステップS201で、ストロボモードの種類が「オート」であると判断すると、ステップS202に進み、CPU10は、現在、顔検出モードがonであるか否かを判断する。
ステップS202で、顔検出モードがonであると判断すると、ステップS203に進み、CPU10は、顔検出処理により直近に撮像されたフレーム画像データ内に顔が検出されたか否かを判断する。
ステップS203で、顔が検出されたと判断すると、ステップS204に進み、CPU10は、該直近に撮像されたフレーム画像の輝度のうち、該検出された顔に基づく領域の輝度が所定レベル以下であるか否かを判断する。
なお、図3のステップS57で算出された輝度積分平均値Y1に基づいて所定レベル以下か否かの判断を行うようにしてもよい。
ステップS204で、検出された顔に基づく領域の輝度が所定レベル以下であると判断すると、ステップS206に進み、CPU10は、ストロボ発光が「要」と判断して、ストロボ発光の要否判定処理を終了する。主要たる被写体の顔が暗いので、ストロボが要と判断することにより、静止画撮影を行なう際にストロボを発光させることが可能となり、主要たる被写体の顔の明るさを補うことができる。
一方、ステップS204で、検出された顔に基づく領域の輝度が所定レベル以下でないと判断すると、ステップS207に進み、CPU10は、ストロボ発光が「不要」と判断して、ストロボ発光の要否判定処理を終了する。
一方、ステップS202で顔検出モードがonでないと判断した場合、及び、ステップS203で顔が検出されていないと判断した場合は、ステップS205に進み、CPU10は、直近に撮像されたフレーム画像の輝度が所定レベル以下であるか否かを判断する。
なお、図3のステップS53で算出された輝度積分平均値Y2に基づいて所定レベル以下か否かの判断を行うようにしてもよい。顔検出モードがonでない場合、顔が検出されていない場合は、画角の中央領域を重点に露出制御を行なうからである。
ステップS205で、フレーム画像の輝度が所定レベル以下であると判断すると、ステップS206に進み、CPU10は、ストロボ発光が「要」と判断して、ストロボ発光の要否判定処理を終了する。フレーム画像の輝度が所定レベル以下の場合は、暗い画像であるので、ストロボ発光が要と判断することにより、静止画撮影を行なう際にストロボを発光させることが可能となり、画像を明るくさせることができるからである。
一方、ステップS205で、フレーム画像の輝度が所定レベル以下でないと判断すると、ステップS207に進み、ストロボ発光が「不要」と判断して、ストロボ発光の要否判定処理を終了する。この場合は、既に適正な明るさであるからである。
一方、ステップS201で、ストロボモードの種類が「ストロボ発光」であると判断すると、そのままステップS206に進み、ストロボ発光が「要」と判断して、ストロボ発光の要否判定処理を終了する。また、ステップS201で、ストロボモードの種類が「ストロボ非発光」であると判断すると、そのままステップS207に進み、ストロボ発光が「不要」と判断して、ストロボ発光の要否判定処理を終了する。
C.以上のように、実施の形態においては、検出された顔に基づく領域を重み付けした輝度積分平均値Y1と、所定の領域を重み付けした輝度積分平均値Y2とを比較し、該比較結果に基づいて露出制御を行なうので、適正に露出制御を行なうことができる。
例えば、検出された顔に基づく領域を重み付けした輝度積分平均値Y1が所定の領域を重み付けした輝度積分平均値Y2より大きくない場合は、検出された顔より、所定の領域の方が明るいので、所定の領域を重み付けした積分平均値を用いて露出制御を行なうことにより、検出された顔以外の部分が白飛びすることを防止することができる。また、このような場合まで、検出された顔に基づく領域を重み付けした積分平均値を用いて露出制御を行なってしまうと、検出された顔以外の領域が白飛びしてしまうが、かかる弊害も防止することができる。
また、輝度積分平均値Y1が輝度積分平均値Y2より大きい場合は、検出された顔の方が明るいので、検出された顔に基づく領域を重み付けした積分平均値を用いて露出制御を行なうことにより、顔を重点とした露出制御を行なうことができる。また、このような場合まで所定の領域を重み付けした積分平均値を用いて露出制御を行なってしまうと、顔が白飛びしてしまうが、かかる弊害も防止することができる。
また、顔が検出された場合に算出される各領域の重み付け係数の重み付け度合いを、所定領域重点の場合に算出される各領域の重み付け係数の重み付け度合いより大きくしたので、検出された顔部分の評価を高めることができ、顔を重点にした露出制御を行なうことができる。また、顔が検出されない場合における(顔検出モードoffも含む)所定領域を重み付けした積分平均値に基づく露出制御の弊害を抑えることができる。例えば、画角の中央領域に明るい空や光源がある場合に、画角の中央領域の重み付け係数を過度に大きくしてしまうと、露出制御により画像全体が暗くなりすぎたり、画角の中央領域が暗い場合に、画角の中央領域の重み付け係数を過度に大きくしてしまうと、露出制御により画像全体が明るくなりすぎて、白飛びしてしまう虞があるが、かかる弊害も防止することができる。
また、積分平均値R、積分平均値G、積分平均値B、輝度積分平均値Yのうち、最もレベルの高い値を評価用積分平均値Sとして露出制御を行なうので、白飛びを更に防止することができる。例えば、顔の場合は、赤みが強いので、赤に合わせることで肌の色飛びを抑える効果がある。
また、ストロボモードが「オート」の場合に、検出された顔に基づく領域の輝度が所定レベル以下の場合は、ストロボを発光させて静止画撮影を行なうので、検出された顔の明るさを補うことができる。
[変形例]
H.上記実施の形態は以下のような態様でもよい。
(01)上記実施の形態においては、検出された顔に基づく領域を重み付けした輝度積分平均値Y1と、所定の領域を重み付けした輝度積分平均値Y2とを比較するようにしたが(ステップS58)、検出された顔に基づく領域を重み付けしたR成分の積分平均値R1と、所定の領域を重み付けしたR成分の積分平均値R2とを比較するようにしてもよいし、G成分、B成分を比較するようにしてもよい。要は、検出された顔に基づく領域を重み付けした画像データと、所定の領域を重み付けした画像データを比較すればよいことになる。
(02)また、上記実施の形態においては、検出された顔に基づく領域を重み付けした輝度積分平均値Y1と、所定の領域を重み付けした輝度積分平均値Y2とを比較し(ステップS58)、大きい方の画像データのR成分の積分平均値R、G成分の積分平均値G、B成分の積分平均値B、輝度成分の輝度積分平均値Yうち最もレベルの高い成分を評価用積分平均値Sとするようにしたが(ステップS59、ステップS60)、レベルの高低にかかわらず積分平均値R、積分平均値G、積分平均値B、輝度積分平均値Yのうち、何れか1つの積分平均値を評価用積分平均値Sとするようにしてもよい。例えば、一律に輝度積分平均値Yを評価用積分平均値Sとするようにしてもよい。なお、輝度成分を比較することにより、検出された顔領を重点とした画像と、所定の領域を重点とした画像との明るさを精度よく比較することができる。
(03)また、上記実施の形態においては、便宜上、画角の中央領域を重み付けした積分平均値を算出するようにしたが(ステップS52、ステップS53)、画角の中央領域以外の他の領域を重み付けした積分平均値を算出するようにしてもよい。この場合は、ユーザによって指定された領域(例えばAF領域として指定された領域)、指定されたポイントに基づく領域を重み付けした積分平均値を算出するようにしてもよい。つまり、所定の領域を重み付けするものであればよい。
これにより、ユーザが検出された顔の比較対象となる領域を指定することができ、より適切に露出制御を行なうことができる。
(04)また、上記実施の形態においては、検出された顔に基づく領域と、所定の領域とを重み付けした積分平均値をそれぞれ算出して、露出制御を行なうようにしたが、重み付けをせずに、検出された顔に基づく領域のみの画像データと、所定の領域のみの画像データとに基づいて露出制御を行なうようにしてもよい。つまり、図3のステップS58では、検出された顔に基づく領域のみの画像データの積分平均値と、所定の領域のみの画像データの積分平均値とを比較し、図3のステップS59、ステップS60、図2のステップS9〜ステップS11、ステップS19で、該比較結果に基づいて大きい方の画像データのR成分、G成分、B成分、輝度成分の何れかの積分平均値を評価用積分平均値Sとし、該積分値に基づいて露出制御を行なうことになる。
また、検出された顔に基づく領域のみの画像データの積分平均値と、全範囲の画像データの積分平均値とを比較し、該比較結果に基づいて露出制御を行なうようにしてもよい。
これにより、適切に露出制御を行なうことができる。
(05)また、上記実施の形態においては、所定の領域を重み付けした積分平均値を算出するようにしたが(図3のステップS52、ステップ53)、所定の領域を重み付けしていない積分平均値を算出するようにしてもよい。所定の領域を重み付けしていない積分平均値とは、全ての領域を重み付けしないで算出された積分平均値と、全ての領域を均等に重み付けして算出された積分平均値との両方をさす。この場合でも、適切に露出制御を行なうことはできる。
(06)また、上記実施の形態においては、所定領域重点の場合に算出される各領域の重み付け係数の重み付け度合いを、顔検出有りの場合に算出される各領域の重み付け係数の重み付け度合いより小さくするようにしたが、重み付け度合いを同じにするようにしてもよい。
また、顔検出モードがoffの場合、顔検出モードがonの場合であって顔が検出されなかった場合のみ(顔検出なしの場合のみ)、重み付け度合いを小さくし、顔が検出された場合は、検出された顔に基づく各領域の重み付け度合いと、所定の領域に基づく各領域の重み付け度合いとを同じにするようにしてもよい。
この場合は、図3のステップS51で積分平均値r、g、bを算出すると、ステップS54に進む。そして、ステップS54で顔検出モードがoffの場合、ステップS55で顔が検出されなかった場合は、顔検出無しの場合の所定領域を重み付けした積分平均値R2、G2、B2、Y2算出して、ステップS60に進み、ステップS55で顔が検出された場合は、ステップS56、ステップS57を経て、検出された顔に基づく各領域の重み付け度合いと、同じ度合いで所定領域を重み付けした積分平均値R2、G2、B2、Y2を算出してステップS58に進む。
(07)また、上記実施の形態においては、ストロボ装置15は、キセノン管を発光させるようにしたが、LED等の発光素子を発光させるようにしてもよい。
(08)また、上記実施の形態においては、所定の領域(画角の中央領域)、検出された顔に基づく領域以外の領域も重み付けした重み付け係数を算出するようにしたが、所定の領域のみ、検出された顔に基づく領域のみを重み付けした重み付け係数を算出するようにしてもよく、要は、所定の領域、検出された顔に基づく領域を重み付けするものであればよい。
(09)また、上記実施の形態においては、積分平均値R、G、Bの算出を、ステップS51で算出した各領域のr−sum[n]、g−sum[n]、b−sum[n]と所定領域重点の場合における各領域の重み付け係数weight[n]とを同じ領域同士で乗算し、該乗算後の積分値g、bそれぞれの総和を、重み付け係数weight[n]の総和で除算することにより行なうようにしたが、ステップS51で算出した各領域のr−sum[n]、g−sum[n]、b−sum[n]と所定領域重点の場合における各領域の重み付け係数weight[n]とを同じ領域同士で乗算し、該乗算後の積分値g、bそれぞれの総和を、領域の総数(ここでは、64)で除算するようにしてもよい。
(10)また、上記変形例(01)〜(09)を矛盾が生じない範囲内で任意に組み合わせるような態様であってもよい。
(11)また、本発明の上記実施形態は、何れも最良の実施形態としての単なる例に過ぎず、本発明の原理や構造等をより良く理解することができるようにするために述べられたものであって、添付の特許請求の範囲を限定する趣旨のものでない。
したがって、本発明の上記実施形態に対してなされ得る多種多様な変形ないし修正はすべて本発明の範囲内に含まれるものであり、添付の特許請求の範囲によって保護されるものと解さなければならない。
最後に、上記各実施の形態においては、本発明の撮像装置をデジタルカメラ1に適用した場合について説明したが、上記の実施の形態に限定されるものではなく、要は、露出制御を行なうことができる機器であれば適用可能である。
本発明の実施の形態のデジタルカメラのブロック図である。 実施の形態のデジタルカメラ1の動作を示すフローチャートである。 評価用積分平均値の算出処理の動作を示すフローチャートである。 フレーム画像データの各領域の様子を示す図である。 算出される各領域の重み付け係数を示す図である。 ストロボ充電処理の動作を示すフローチャートである。 ストロボ発光の要否判定処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
3 レンズ駆動ブロック
4 絞り
5 CCD
6 ドライバ
7 TG
8 ユニット回路
9 メモリ
10 CPU
11 DRAM
12 画像表示部
13 フラッシュメモリ
14 キー入力部
15 ストロボ装置
16 バス

Claims (10)

  1. 被写体を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子により撮像された画像データ内にある顔を検出する顔検出手段と、
    前記撮像素子により撮像された画像データのうち、所定の領域を重み付けした画像データと、前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域を重み付けした画像データとを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記撮像素子により撮像される画像データの露出量を制御する露出制御手段と、
    を備え
    前記所定領域は、
    画角の中央領域、又は、ユーザによって指定された領域であることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記比較手段は、
    前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域の重み付け度合いを、前記所定の領域の重み付け度合いより大きくしたことを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  3. 前記比較手段は、
    前記撮像素子により撮像された画像データの輝度成分に基づいて、比較することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記露出制御手段は、
    前記比較手段による比較結果に基づいて明るいと判断された方の画像データに基づいて露出量を制御することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の撮像装置。
  5. 前記撮像素子は、複数色の色フィルターを有しており、
    前記露出制御手段は、
    前記比較手段による比較結果に基づいて明るいと判断された方の画像データの輝度成分、各色の色成分のうち、何れか1つの成分に基づいて露出量を制御することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  6. 前記露出制御手段は、
    輝度成分、各色の色成分のうち、最も明るさのレベルが高い成分に基づいて露出量を制御することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  7. 前記撮像素子を用いて被写体の動画の撮像を制御する動画撮像制御手段を備え、
    前記顔検出手段は、
    前記動画撮像制御手段により順次撮像されるフレーム画像データ内にある顔を検出していき、
    前記比較手段は、
    前記動画撮像制御手段により撮像されるフレーム画像データと、該フレーム画像データの前記顔検出手段により検出された顔に基づく領域に基づいたフレーム画像データとを比較していき、
    前記露出制御手段は、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記動画撮像制御手段により撮像されるフレーム画像データの露出量を制御していくことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の撮像装置。
  8. 前記撮像素子を用いて被写体の静止画の撮像を制御する静止画撮像制御手段を備え、
    前記露出制御手段は、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記静止画撮像制御手段により撮像される静止画像データの露出量を制御することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の撮像装置。
  9. 被写体に対してストロボを発光するストロボ手段と、
    前記撮像素子により撮像された画像データに基づいて、前記顔検出手段により検出された顔の明るさが暗いか否かを判断する判断手段と、
    を備え、
    前記静止画撮像制御手段は、
    前記判断手段により前記顔検出手段により検出された顔の明るさが暗いと判断された場合は、前記ストロボ手段によるストロボを発光させて、静止画撮像を行なうことを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  10. 被写体を撮像する撮像素子により撮像された画像データ内にある顔を検出する顔検出処理と、
    前記撮像素子により撮像された画像データのうち、所定の領域を重み付けした画像データと、前記顔検出処理により検出された顔に基づく領域を重み付けした画像データとを比較する比較処理と、
    前記比較処理による比較結果に基づいて、前記撮像素子により撮像される画像データの露出量を制御する露出制御処理と、
    を含み、上記各処理をコンピュータで実行させ
    前記所定領域は、
    画角の中央領域、又は、ユーザによって指定された領域であることを特徴とするプログラム。
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