以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像信号に変換し、この変換された画像信号に基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図や撮影タイミングを決定する。シャッタレリーズすると、静止画や動画の画像信号が記録媒体に記録される。再生モードを選択すると、記録媒体に記録された画像信号を読み出し、表示部に画像を再生表示することができる。ライブビュー表示や再生表示の際に、外光輝度を測定し、外光輝度が明るい場合には、表示部に画像を表示する際に、オフセット有りのガンマカーブによってガンマ補正を行う。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカメラの電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。撮影レンズ1は、被写体像を形成するための複数の光学レンズから構成され、AF部3によって、ピント調節のためにレンズ駆動される。AF部3は、後述する撮像センサ9から出力される画像信号の中から高周波成分を抽出し、高周波成分がピークとなるように、撮影レンズ1の位置を調節する。AF部3のフォーカスエリアは複数、用意されており、AF部3は、後述する顔検出部17によって人物の顔が検出されたエリアや、近距離側の被写体が存在するエリア等、選択されたフォーカスエリアの画像信号に基づいて、ピント合わせを行う。
撮影レンズ1の光路上には、絞り5、シャッタ7、および撮像センサ9が配置されている。絞り5は、撮影レンズ1を透過した被写体光束の光量を調節し、絞り駆動機構によって絞り5の開口量が駆動制御される。シャッタ7は、撮影レンズ1を透過した被写体光束の開閉を行い、シャッタ駆動機構によってシャッタ開口時間(シャッタ速度)が制御される。
撮像センサ9は、撮影レンズ1によって結像される被写体像を光電変換し、画像信号を出力する。撮像センサ9としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることはいうまでもない。
撮像センサ9は撮像回路11に接続されている。撮像回路11は、撮像センサ9から画像信号を読み出し、増幅等の種々の処理を行い、A/D変換13に画像信号を出力する。A/D変換13は、アナログ信号である画像信号をデジタル信号である画像信号に変換する。
A/D変換13の出力は、画像処理部15に出力される。画像処理部15は、A/D変換13によってA/D変換された画像信号に対して、デジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、ライブビュー表示用処理といった各種の画像処理を行う。画像処理部15は、これらの画像処理を利用して、撮像センサ9から出力された画像信号、または後述する記録媒体25から読み出された画像信号に対して表示用画像信号を生成する。ガンマ補正は、表示用画像信号に対して、予め記憶されているガンマカーブに沿って、入力階調が出力階調となるようにガンマ補正し、これによって画像処理部15は、第2の表示用画像信号を生成する。本実施形態においては、ガンマカーブは通常のガンマカーブとオフセット有りのガンマカーブがあり、画像処理部5は、システムコントローラ41からの指示に従って、ガンマ補正を実行する。
顔検出部17は、画像処理部15から画像信号を入力し、被写体像の中に顔が含まれているか否かを検出する。この検出の結果、顔が含まれている場合には、その位置や大きさを検出し、画像処理部15を通じて、検出結果を後述するシステムコントローラ41に出力する。
バッファメモリ19は、画像処理部15から画像信号を入力し、この画像信号を一時記憶する。メニュー画像記録部21は、メニュー画像を記憶し、システムコントローラ41からの指示に従ってバッファメモリ19に出力する。メニュー画像は、記録モード、ホワイトバランス等の種々の設定を行うための画面の画像である。
圧縮伸張部23は、バッファメモリ19から画像信号を入力し、JPEG方式やTIFF方式等で圧縮する。なお、画像圧縮はJPEG方式やTIFF方式に限らず、他の圧縮方法も適用できる。記録媒体25は、圧縮伸張部23によって圧縮された静止画や動画の画像信号を記録するための記録媒体である。画像信号の記録時には、AF部3によってピント合わせが実行された際のフォーカスエリアの情報も一緒に記録される。また、記録媒体25に記録された画像信号は、読み出され、圧縮伸張部23によって伸張される。
液晶制御部27には、バッファメモリ19に一時記憶された画像信号および記録媒体25に記録され圧縮伸張部23によって伸張された画像信号が入力される。EVF(電子ビューファインダ(Electronic View Finder))29は、液晶制御部27に接続されており、画像信号に基づいて、被写体像が表示される。また、EVF29は、接眼部を通して覗き込むことにより液晶画面を観察することができる。
同様に、液晶制御部31は、バッファメモリ19に一時記憶された画像信号および記録媒体25に記録され圧縮伸張部23によって伸張された画像信号が入力される。TFT33は液晶制御部31に接続された大画面の液晶パネルであり、カメラの背面等に配置される。EVF29とは異なり、接眼部を通すことなく、ユーザは直接、画面を観察することができる。
外光センサ35は、TFT33の近傍に配置され、外光の輝度を測定する。操作部37は、ユーザがカメラに対して各種動作を指示するための操作部材である。操作部37は、レリーズ釦、モードダイヤル、十字キー、確定キー、パワースイッチ、再生釦等の各種操作部材を含む。操作部37は、前述の各種操作部材の操作状態を検出し、検出結果をシステムコントローラ41に出力する。
システムコントローラ41は、前述のAF部3、絞り5、シャッタ7、撮像センサ9、撮像回路11、A/D変換13、画像処理部15、メニュー画像記録部21、圧縮伸張部23、記録媒体25、液晶制御部27、31、外光センサ35、操作部37に接続されている。システムコントローラ41は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶されているプログラムに従って処理を実行し、カメラ全体の動作を制御する。
次に、本実施形態における動作について、図2ないし図4に示すフローチャートを用いて説明する。これらのフローチャートは、不揮発性メモリに記憶されたプログラムに基づいて、システムコントローラ41が実行する。なお、第2乃至第6実施形態におけるフローチャートも、同様に、システムコントローラ41が実行する。
図2に示すカメラパワーオンのフローはメインフローであり、カメラに電源電池が装填されるとスタートする。動作を開始すると、まず、パワースイッチがオンか否かの判定を行う(S1)。ここでは、操作部37の内のパワースイッチのオンオフ状態を検出して判定する。
ステップS1における判定の結果、パワースイッチがオンでなかった場合には、スリープ状態に入る(S3)。スリープ状態は、パワースイッチの操作状態を割り込み処理によって検知する以外の処理を行わない低消費電力モードの状態である。
ステップS3におけるスリープ状態において、パワースイッチがオンとなると、または、ステップS1における判定の結果、パワースイッチがオンであった場合には、次に、背面パネルをオンし、また各デバイスをオンにする(S5)。ここでは、TFT33や他の回路(デバイス)等に電源を供給し、動作を開始させる。なお、本実施形態においては、TFT33とEVF29は、操作部37の内の切換操作部材によって切り換えられ、TFT33およびEVF29の内のいずれか一方が表示動作を行い、他方は表示動作を行わない。しかし、TFT33およびEVF29の表示を同時に行うようにしても、勿論かまわない。
続いて、ライブビュー動作を行う(S7)。ライブビュー動作は、撮像センサ9によって取得された画像信号を画像処理部15によってライブビュー表示用画像信号に処理し、この画像信号に基づいて、TFT33でライブビュー表示を行う。ユーザは、ライブビュー表示を観察することにより、構図を決定し、シャッタタイミングを決める。このライブビュー動作において、外光輝度が所定輝度よりも高輝度の場合には、TFT33における表示の際のガンマ補正にあたって、オフセット有りのガンマカーブを用いて行う。このライブビュー動作の詳しい動作については、図3を用いて後述する。
ライブビュー動作を行うと、次に、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(S9)。記録媒体25に記録された撮影画像を再生表示する場合には、ユーザが再生釦を操作するので、このステップでは、操作部37の再生釦に連動する再生スイッチがオンか否かを判定する。
ステップS9における判定の結果、再生スイッチがオンであった場合には、次に、再生動作を行う(S23)。ここでは、記録媒体25に記録されている画像信号を読み出し、撮影画像をTFT33に再生する。この再生動作において、外光輝度が所定輝度よりも高輝度の場合には、TFT33における表示の際のガンマ補正にあたって、オフセット有りのガンマカーブを用いる。この再生動作の詳しい動作については、図4を用いて後述する。
ステップS9における判定の結果、再生スイッチがオンでなかった場合には、次に、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S11)。ユーザが撮影準備動作を行う場合には、操作部37の内のレリーズ釦を半押しするので、このステップでは、レリーズ釦の半押し動作に連動する1Rスイッチがオンとなったか否かを判定する。
ステップS11における判定の結果、1Rスイッチがオンとなった場合には、AF動作を実行する(S13)。AF動作は、撮像センサ9によって取得された画像信号に基づく画像信号から高周波成分のみを抽出し、この高周波成分がピークとなるように、AF部3によって撮影レンズ1のピント位置を調節する。
AF動作を行うと、次に、2Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S15)。撮影準備動作の結果、ピントが合いユーザの意図する構図となると、ユーザはレリーズ釦を更に押し込み撮影動作を実行する。このステップでは、レリーズ釦の全押し動作に連動する2Rスイッチがオンとなったか否かを判定する。
ステップS15における判定の結果、2Rスイッチがオンでなかった場合には、ステップS11に戻る。一方、判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、撮影動作を実行する(S17)。ここでは、撮像センサ9によって取得した画像信号をA/D変換し、画像処理し、画像圧縮し、この圧縮処理された画像信号を記録媒体25に記録する。
ステップS17における撮影動作が終了すると、またはステップS11における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合、またはステップS23における再生動作を行うと、次に、ステップS1と同様に、パワースイッチがオンか否かの判定を行う(S19)。ここでは、操作部37の内のパワースイッチのオンオフ状態を検出して判定する。
ステップS19における判定の結果、パワースイッチがオンであった場合には、ステップS7に戻る。一方、判定の結果、パワースイッチがオフであった場合には、電源オフ処理を行う(S21)。電源オフ処理を行うと、ステップS3に戻り、スリープ状態に入る。
次に、ステップS7におけるライブビュー動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。ライブビュー動作に入ると、まず、撮像動作を行う(S31)。ここでは、撮像センサ9によって画像信号を取得する。
続いて、AF動作を行う(S33)。ここでは、撮像センサ9によって取得された画像信号に基づく画像信号の中から高周波成分を抽出し、この抽出された高周波成分がピークとなるように、AF部3によって撮影レンズ1のピント合わせを行う。
AF動作を行うと、次に、測光動作を行う(S35)。ここでは、撮像センサ9によって取得された画像信号に基づいて、被写体の輝度を求める。
測光動作を行うと、次に、画像処理を行う(S37)。ここでは、撮像センサ9によって取得された画像信号に基づいて、画像処理部15によってライブビュー表示用の画像信号に変換する。一般に撮像センサ9の画素数は、ライブビュー表示に必要な画素数よりも多いことから、このステップでの画像処理としては、画素数を減少させる等の処理を行う。
画像処理を行うと、次に、外光センサにて、100,000lx(ルクス)以上を検出したか否かの判定を行う(S39)。ここでは、外光センサ35にて測光を行い、この測光値が100,000lx以上であったか否かを判定する。なお、判定値100,000lxは、後述するように表示用のTFT33のガンマカーブをオフセット有りにするか否かを切り換えるための判定値であることから、TFT33の表示特性に応じて、適宜、設計値として決めればよい。
ステップS39における判定の結果、外光センサ35による外光輝度が100,000lxよりも小さかった場合には、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S97)。このステップでは、通常行われるガンマ補正、すなわち、図5に示すように、入力階調に対して、出力階調が単調に増加するガンマカーブ61(図中の破線)に従って画像信号をガンマ補正し、TFT33にライブビューの画像表示を行う。
一方、ステップS39における判定の結果の結果、外光センサ35による外光輝度が100,000lx以上であった場合には、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S91)、設定したガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S93)。ここでは、ガンマカーブとして、図5に示すように、オフセット有りのガンマカーブ62(図中の実線)をセットし、このガンマカーブ62に従って画像信号をガンマ補正し、TFT33にライブビューの画像表示を行う。
なお、このオフセット有りのガンマカーブ62は、オフセットなしのガンマカーブ61に対して、暗部側(図中で横軸の左側)を持ち上げるようにする。図5に示す例では、単純にガンマカーブ61に対して、オフセット値だけ加算し、高入力値側は、飽和しているカーブとなっている。しかし、これに限らず、例えば、暗部側でオフセット値だけ加算し、高入力値側では、次第に、このオフセット値を減少させながらガンマカーブに加算、またはオフセット値を増加させながらガンマカーブに加算し、高入力値側が飽和状態となるようなオフセット有りのガンマカーブを決めるようにしてもよい。
液晶パネル(TFT33)に画像表示を行うと、次に、液晶パネルのバックライトの輝度を減灯する(S95)。液晶制御部31は、TFT33のバックライトの輝度を低下させ、消費電力の削減を図る。オフセット有りのガンマカーブを用いてガンマ補正を行っており、被写体像の内で暗い部分が明るくなることから、バックライトの輝度を低下させても十分視認することができるからである。
このように、ライブビュー動作のフローにおいては、外光が明る過ぎて、そのままではTFT33の画面が見難い場合には、ガンマカーブをオフセット有りに変更し、ガンマ補正を行っている。このため、被写体像の内の暗い部分は、全体に明るくなることから、周囲が明る過ぎる場合でも、十分観察することができる。この場合、元々被写体像の内の明るい部分は飽和状態となっており白で表現されるが、周囲が明るいことから、違和感がない。
ステップS95においてバックライトの減灯を行うと、またはS97において液晶パネルに画像を表示すると、元のフローに戻る。
次に、ステップS23の再生動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。再生動作のフローに入ると、まず、選択画像を読み出し、画像処理を行う(S101)。再生動作では、最新の記録画像等を選択画像として、記録媒体25から選択画像の画像信号を読み出し、圧縮伸張部23において伸張処理を行った後、画像処理部15において画像処理を行う。
画像の読出しと画像処理を行うと、次に、ステップS39と同様に、外光センサにて100,000lx以上の外光輝度があるか否かを判定する(S103)。再生時にTFT33近傍の外光輝度が明るすぎるか否かを判定する。
ステップS103における判定の結果、外光輝度が100,000lx以上なかった場合には、ステップS97と同様に、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S167)。ここでは、図5に示すガンマカーブ61に従って、記録媒体25から読み出した画像信号をガンマ補正し、TFT33に再生画像の表示を行う。
一方、ステップS103における判定の結果、外光輝度が100,000lx以上あった場合には、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S161)、設定したガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行う(S163)。外光輝度が100,000lx以上あることから、TFT33の近傍は明る過ぎて、そのままではTFT33の画面を観察し難い。そこで、ライブビュー表示の場合と同様に、ガンマカーブをオフセット有りとして、画面を見易くする。すなわち、図5に示すような、オフセット有りのガンマカーブ62に従って、画像信号のガンマ補正を行う。被写体像の内の暗い部分は、全体に明るくなることから、TFT33の周囲が明る過ぎる場合でも、十分観察することができる。
液晶パネル(TFT33)に再生画像の表示を行うと、次に、ステップS95と同様に、液晶パネルのバックライトの輝度を減灯する(S165)。液晶制御部31は、TFT33のバックライトの輝度を低下させ、消費電力の削減を図る。
ステップS165において、バックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS167において、画像表示を行うと、次に、背面液晶の表示画像の切り替えが指示されたか否かの判定を行う(S171)。再生画像の切り替えは、本実施形態においては、十字キー等の操作によって行うことから、このステップでは、十字キー等が操作されたか否かを判定することによって行う。
ステップS171における判定の結果、表示画像の切り替え指示がなされていた場合には、ステップS101に戻り、切り替え指示に従って選択画像の読出しを行う。一方、判定の結果、表示画像の切り替え指示がなされていなかった場合には、次に、再生モードの終了操作がなされたか否かの判定を行う(S173)。再生モードの終了は、本実施形態においては、再度、再生釦を操作することにより行うので、このステップにおいては、再生釦が操作されたか否かに基づいて行う。
ステップS173における判定の結果、再生モードの終了操作がなされていなかった場合には、ステップS101に戻り、再生モードを続行する。一方、再生モードの終了操作がなされていた場合には、再生モードの終了処理を行った後、元のフローに戻る。
このように、再生動作のフローにおいては、ライブビュー動作の場合と同様に、再生時に、外光が明る過ぎて、そのままではTFT33の画面が見難い場合には、ガンマカーブをオフセット有りに変更し、ガンマ補正を行っている。このため、被写体像の内の暗い部分は、全体に明るくなることから、周囲が明る過ぎる場合でも、十分観察することができる。この場合、元々被写体像の内の明るい部分は飽和状態となっており白で表現されるが、周囲が明るいことから、違和感がない。
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、撮像部や記録媒体からの画像信号に基づいて生成された表示画像信号、またはこの表示用画像信号に対してオフセット有りのガンマカーブを用いてガンマ補正した第2の表示用画像信号を生成し、外光輝度が予め決められた値よりも明るい場合には、第2の表示用画像信号に基づく画像を表示し、外光輝度が予め決められた値よりも暗い場合には表示用画像信号に基づく画像を表示している。このため、周囲が明る過ぎる場合であっても、画像表示部での視認性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図6ないし図8を用いて説明する。第1実施形態においては、外光輝度が高輝度の場合に、ガンマカーブをオフセット有りに変更していたが、第2実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、画像のヒストグラムを求め、画素ごとの輝度が予め決めた値よりも暗い画素が多い場合に、ガンマカーブをオフセット有りに変更するようにしている。
本実施形態における電気回路の構成は、第1実施形態における図1に示したブロック図と同様であることから、詳しい説明を省略する。また、カメラパワーオンの動作も、図2に示したフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。しかし、ライブビュー動作と再生動作のフローチャートは、第1実施形態と異なることから、相違する点を中心に説明する。
図6に示すライブビュー動作のフローの内、ステップS31〜S39までと、ステップS91〜S97までの各ステップにおける処理は、図3に示した第1実施形態におけるライブビュー動作のフローと同様であることから、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、詳しい説明は省略する。
ライブビュー動作のフローに入り、撮像動作(S31)、AF動作(S33)、測光動作(S35)、画像処理(S37)を行い、ステップS39における判定の結果、外光センサにて、100,000lx以上を検出すると、次に、液晶パネル表示画像のヒストグラムを算出する(S41)。ここでは、撮像センサ9によって取得された画像信号に基づいて生成された表示用画像信号について、画素ごとのデータに基づいてヒストグラムを求める。ヒストグラムは、図8に示すように、横軸に画素の位置をとり、縦軸に各画素の信号出力、すなわち入力階調をとる。
ヒストグラムを算出すると、次に、ヒストグラムより、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かの判定を行う(S43)。本実施形態においては、各画素の入力階調(信号出力)は8ビットとしていることから、各画素の値は、最高値255と最低値0の間の中間にある。ここでは、その中間にある135を基準とし、この判定値より暗い画素の割合が50%以上あるか否かを判定する。なお、階調135および50%は例示であり、TFT33の特性を考慮の上、適宜、決めればよい。
ステップS43における判定の結果、階調135以下の画素が画像内に50%以上有る場合には、第1実施形態の場合と同様、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S91)、設定したガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行い(S93)、液晶パネルのバックライトの輝度減灯を行う(S95)。ステップS39において、外光輝度が高輝度であると判定され、かつステップS43において所定よりも暗い画素が半分以上あると判定されたことから、第1実施形態と同様に、ガンマカーブをオフセット有りに変更し、画像信号をガンマ補正することにより、外光が高輝度の場合であっても、見易い画面にする。
一方、ステップS39における判定の結果、外光輝度が100,000lxを越えず、またはステップS43における判定の結果、階調135以下の画素が50%以上なかった場合には、第1実施形態の場合と同様、通常設定値ガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行う(S97)。この場合には、外光が高輝度ではないか、また高輝度であっても表示画像のヒストグラムからみて、被写体像の内、暗い部分が少ないことから、通常のガンマカーブでガンマ補正しても見難くなることがない。
ステップS95において、液晶パネルのバックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS97において画像表示を行うと、元のフローに戻る。
次に、本実施形態における再生動作を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。図7に示す再生動作のフローの内、ステップS101〜S103までと、ステップS161〜S173までの各ステップにおける処理は、図4に示した第1実施形態における再生動作のフローと同様であることから、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、詳しい説明は省略する。
再生動作のフローに入り、選択画像を読み出し、画像処理を行い(S101)、外光センサにて100,000lx以上を検出したか否かを判定する(S103)。この判定の結果、外光センサが100,000lx以上を検出すると、次に、液晶パネル表示画像のヒストグラムを算出する(S111)。ここでは、記録媒体25から読み出された画像信号に基づいて生成された表示用画像信号について、画素ごとのデータに基づいてヒストグラムを求める。ヒストグラムは、前述の図8に示すように、横軸に画素の位置をとり、縦軸に各画素の信号出力(入力階調)をとる。
ヒストグラムを算出すると、次に、ステップS43(図6参照)と同様に、ヒストグラムより、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かの判定を行う(S113)。本実施形態においては、ライブビュー表示の場合と同様、再生表示の際にも、各画素の入力階調(信号出力)は8ビットであることから、各画素の値は、最高値255と最低値0の間の中間にあり、その中間にある135を基準とし、この判定値より暗い画素の割合が50%以上あるか否かを判定する。なお、再生動作の場合でも、階調135および50%は例示であり、TFT33の特性を考慮の上、適宜、決めればよい。
ステップS113における判定の結果、階調135以下の画素が画像内に50%以上なかった場合、またはステップS103における判定の結果、外光輝度が100,000lx以上なかった場合には、ステップS97と同様に、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S167)。ここでは、図5に示すガンマカーブ61に従って、記録媒体25から読み出した画像信号をガンマ補正し、TFT33に再生画像の表示を行う。
一方、ステップS113における判定の結果、階調135以下の画素が画像内に50%以上あった場合には、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S161)、設定したガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行う(S163)。外光輝度が100,000lx以上あり、かつ再生画像の内、暗い部分が半分以上あることから、再生画像が暗い割にTFT33の近傍は明る過ぎて、そのままではTFT33の画面を観察し難いことから、ライブビュー表示の場合と同様に、ガンマカーブをオフセット有りとして、画面を見易くする。
液晶パネルに再生画像の表示を行うと、次に、ステップS95と同様に、液晶パネルのバックライトの輝度を減灯する(S165)。液晶制御部31は、TFT33のバックライトの輝度を低下させ、消費電力の削減を図る。
ステップS165においてバックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS167において、画像表示を行うと、次に、背面液晶の表示画像の切り替えを行うか否かの判定を行い(S171)、判定の結果、表示画像の切り替えを行う場合には、ステップS101に戻る。一方、表示画像の切り替えを行わない場合には、次に、再生モード終了操作が行われたか否かを判定する(S173)。判定の結果、終了操作が行われていない場合には、ステップS101に戻り、一方、終了操作が行われた場合には、再生動作の終了処理を行い、元のフローに戻る。
このように、本発明の第2実施形態においては、表示用画像を構成する画素信号の輝度分布のヒストグラムにおいて、所定輝度以下の画素が所定数を越える場合に所定以下の明度と判定している。このため、各画素の輝度分布に応じて正確な判定を行うことができ、高輝度時に画像表示部の視認性をさらに向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図9および図10を用いて説明する。第2実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、画像のヒストグラムを求め、画素ごとの輝度が予め決めた値よりも暗い画素が多い場合に、ガンマカーブをオフセット有りに変更するようにしていた。これに対して、第3実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、画像のヒストグラムの平均値を求め、この平均値が所定値よりも暗い場合に、ガンマカーブをオフセット有りに変更するようにしている。
本実施形態における電気回路の構成は、第1実施形態における図1に示したブロック図と同様であることから、詳しい説明を省略する。また、カメラパワーオンの動作も、図2に示したフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。しかし、ライブビュー動作と再生動作のフローチャートは、第1および第2実施形態と異なることから、相違する点を中心に説明する。
図9に示すライブビュー動作のフローの内、ステップS31〜S39までと、ステップS91〜S97までの各ステップにおける処理は、図3に示した第1実施形態におけるライブビュー動作のフローと同様であることから、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、詳しい説明は省略する。
ライブビュー動作のフローに入り、撮像動作(S31)、AF動作(S33)、測光動作(S35)、画像処理(S37)を行い、ステップS39における判定の結果、外光センサにて、100,000lx以上を検出すると、次に、ステップS41(図6参照)と同様に、液晶パネル表示画像のヒストグラムを算出する(S51)。ここでは、図8に示したグラフと同様にしてヒストグラムを求める。
ヒストグラムを算出すると、次に、ヒストグラムより、入力階調の平均値を算出する(S53)。ここでは、対象領域の全画素の入力階調(信号出力)の全加算値を、全画素数で除算することにより、平均値を算出する。
入力階調の平均値を算出すると、次に、ヒストグラムの平均値が階調135以下であるか否かの判定を行う(S55)。本実施形態においては、各画素の入力階調(信号出力)は8ビットとしていることから、各画素の値は、最高値255と最低値0の間の中間にある。ここでは、その中間にある135を基準とし、この判定値より、ヒストグラムの平均値が小さいか否かを判定する。なお、階調135は例示であり、TFT33の特性を考慮の上、適宜、決めればよい。
ステップS55における判定の結果、ヒストグラムの平均値が階調135以下であった場合には、第1および第2実施形態の場合と同様、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S91)、設定したガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行い(S93)、液晶パネルのバックライトの輝度減灯を行う(S95)。
一方、ステップS39における判定の結果、外光輝度が100,000lxを越えず、またはステップS55における判定の結果、平均値が階調135よりも大きかった場合には、第1および第2実施形態の場合と同様、通常設定値ガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行う(S97)。この場合には、外光が高輝度ではないか、また高輝度であっても表示画像のヒストグラムからみて、被写体像の内、暗い部分が少ないことから、通常のガンマカーブでガンマ補正しても見難くなることがない。
ステップS95において、液晶パネルのバックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS97において画像表示を行うと、元のフローに戻る。
次に、本実施形態における再生動作を、図10に示すフローチャートを用いて説明する。図10に示す再生動作のフローの内、ステップS101〜S103までと、ステップS161〜S173までの各ステップにおける処理は、図4に示した第1実施形態における再生動作のフローと同様であることから、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、詳しい説明は省略する。
再生動作のフローに入り、選択画像を読み出し、画像処理を行い(S101)、外光センサにて100,000lx以上を検出したか否かを判定する(S103)。この判定の結果、外光センサが100,000lx以上を検出すると、次に、ステップS111(図7参照)と同様に、液晶パネル表示画像のヒストグラムを算出する(S121)。
ヒストグラムを算出すると、次に、ステップS53(図9参照)と同様に、ヒストグラムより、階調の平均値を算出する(S123)。ヒストグラムの平均値を求めると、次に、ステップS55と同様に、平均値が階調135以下であるか否かの判定を行う(S125)。
ステップS125における判定の結果、ヒストグラムの平均値が階調135よりも大きかった場合、またはステップS103における判定の結果、外光輝度が100,000lx以上なかった場合には、ステップS97と同様に、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S167)。ここでは、図5に示すガンマカーブ61に従って、記録媒体25から読み出した画像信号をガンマ補正し、TFT33に再生画像の表示を行う。
一方、ステップS125における判定の結果、ヒストグラムの平均値が階調135以下であった場合には、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S161)、設定したガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行う(S163)。この場合には、ガンマカーブをオフセット有りとして、画面を見易くする。
液晶パネル(TFT33)に再生画像の表示を行うと、次に、次に、ステップS95と同様に、液晶パネルのバックライトの輝度を減灯する(S165)。液晶制御部31は、TFT33のバックライトの輝度を低下させ、消費電力の削減を図る。
ステップS165においてバックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS167において、画像表示を行うと、次に、背面液晶の表示画像の切り替えを行うか否かの判定を行い(S171)、判定の結果、切り替えを行わない場合には、ステップS101に戻る。一方、判定の結果、表示画像の切り替えを行う場合には、次に、再生モード終了操作が行われたか否かを判定する(S173)。判定の結果、終了操作が行われていなかった場合には、ステップS101に戻り、一方、終了操作が行われた場合には、再生動作の終了処理を行い、元のフローに戻る。
このように、本発明の第3実施形態においては、表示用画像を構成する画素信号の輝度分布のヒストグラムにおいて、表示画像の階調の平均値を求め、この平均値が所定値以上であった場合に所定以上の明度と判定している。このため、各画素の輝度分布の平均に応じて正確な判定を行うことができ、高輝度時に画像表示部の視認性をさらに向上させることができる。
次に、本発明の第4実施形態について、図11および図12を用いて説明する。第3実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、全画面の画像のヒストグラムを求め、階調の平均値が予め決めた値よりも暗い多い場合に、ガンマカーブをオフセット有りに変更するようにしていた。これに対して、第4実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、顔認識されたエリアのヒストグラムを算出し、この顔認識エリア内に、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるような暗い場合に、ガンマカーブのオフセットを行うようにしている。
本実施形態における電気回路の構成は、第1実施形態における図1に示したブロック図と同様であることから、詳しい説明を省略する。また、カメラパワーオンの動作も、図2に示したフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。しかし、ライブビュー動作と再生動作のフローチャートは、第1ないし第3実施形態と異なることから、相違する点を中心に説明する。
図11に示すライブビュー動作のフローの内、ステップS31〜S39までと、ステップS91〜S97までの各ステップにおける処理は、図3に示した第1実施形態におけるライブビュー動作のフローと同様であることから、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、詳しい説明は省略する。
ライブビュー動作のフローに入ると、ステップS31からS39までは図3、図6、および図9に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。ステップS39における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出した場合には、次に、顔認識ありか否かの判定を行う(S61)。顔検出部17が画像処理部15によって処理された画像信号に基づいて、被写体像の中に顔が存在するかを検出し、顔が存在した場合にはその位置と大きさを検出する。そこで、このステップ61では、顔検出部17による検出結果に基づいて判定する。
ステップS61における判定の結果、顔認識があった場合には、次に、顔認識エリアのヒストグラムを算出する(S63)。ここでは、顔認識エリアについて、図8に示したヒストグラムと同様に、ヒストグラムを算出する。
顔認識エリアについて、ヒストグラムを算出すると、次に、ヒストグラムより、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かの判定を行う(S65)。ここでは、ステップS63において算出した顔認識エリア内におけるヒストグラムの中で、階調135以下の画素を検出し、これが顔認識エリアの画素の内で50%以上あるかを判定する。階調135の意義は第2実施形態におけるステップS113と同様である(後述する第3〜第5実施形態においても同様)。なお、本実施形態においても、階調135および50%は例示であり、TFT33の特性に応じて、適宜、決定すればよい。
ステップS65における判定の結果、階調135以下の画素が画像内に50%以上なかった場合、またはステップS39における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上でなかった場合には、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S97)。
一方、ステップS65における判定の結果、階調135以下の画素が50%以上有る場合には、オフセット有りのガンマカーブでガンマ補正等を行うためのステップS91、S93、S95を実行するが、これらのステップにおける処理は、図3、図6、および図9における処理と同様であることから、詳しい説明を省略する。ステップS95またはS97における処理を行うと、元のフローに戻る。
次に、本実施形態における再生動作について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。再生動作のフローに入ると、ステップS101からS103までは図4、図7、および図10に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。ステップS103における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出した場合には、次に、顔認識ありか否かの判定を行う(S131)。ステップS17における撮影動作(図2参照)において、画像信号の記録の際に、顔認識結果を併せて記録されている場合には、この記録結果を利用すればよい。このような顔認識結果の記録がなされていない場合には、記録媒体25から読み出した画像信号に基づいて、顔検出部17が顔認識を行うようにしてもよい。
ステップS131における判定の結果、顔認識があった場合には、次に、顔認識エリアのヒストグラムを算出する(S133)。ここでは、記録媒体25から読み出された画像信号の内、ステップS131において、顔認識エリアと判定されたエリア内の画像信号を用いて、図8と同様に、顔認識エリアのヒストグラムを算出する。
顔認識エリアのヒストグラムを算出すると、次に、ステップS65(図11参照)と同様に、ヒストグラムより、階調135以下の画素が顔認識エリアの画像の内に50%以上あるか否かの判定を行う(S135)。この判定の結果、階調135以下の画素がエリア内に50%以上あった場合には、ステップS161〜S165を実行する。これらの処理は、図4、図7、および図10に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。
一方、ステップS135における判定の結果、階調135以下の画素がエリア内に50%以上なかった場合には、またはステップS131における判定の結果、顔認識されなかった場合、またはステップS103における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出しなかった場合には、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S167)。
ステップS165において、バックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS167において通常設定値ガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行うと、次に、ステップS171、S173における判定を行う。これらの判定は、図4、図7、および図10に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。ステップS173における判定の結果、再生モード終了操作が有った場合には、再生動作の処理を終了し、元のフローに戻る。
以上、説明したように、本発明の第4実施形態においては、表示用画像のうち顔検出部17により検出された顔領域を構成する画素信号の輝度分布のヒストグラムにて所定輝度以下が所定数を越える場合に、所定明度以下と判定し、この場合には、ガンマカーブをオフセットし、このオフセットしたガンマカーブを用いて画像信号のガンマ補正を行っている。このため、顔認識エリアに対して正確な判定を行うことができ、高輝度時に画像表示部の視認性をさらに向上させることができる。一般に、人物が主要被写体となることが多く、本実施形態によれば、人物の顔の部分を観察することが容易となる。
なお、本実施形態においては、顔認識エリアの階調135以下の画素が50%以上有るか否かを判定した。しかし、これに限らず、顔認識エリアの平均階調が所定値(例えば、階調135)以下であるか否かを判定するようにしても勿論かまわない。
次に、本発明の第5実施形態について、図13および図14を用いて説明する。第4実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、顔認識エリアのヒストグラムを求め、階調135以下の画素が50%以上有った暗い多い場合に、ガンマカーブをオフセット有りに変更するようにしていた。これに対して、第5実施形態においては、外光輝度が高輝度という条件に加えて、フォーカスエリアのヒストグラムを算出し、このフォーカスエリア内に、階調135以下の画素が50%以上あるような暗い場合に、ガンマカーブのオフセットを行うようにしている。
本実施形態における電気回路の構成は、第1実施形態における図1に示したブロック図と同様であることから、詳しい説明を省略する。また、カメラパワーオンの動作も、図2に示したフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。しかし、ライブビュー動作と再生動作のフローチャートは、第1ないし第4実施形態と異なることから、相違する点を中心に説明する。
図13に示すライブビュー動作のフローの内、ステップS31〜S39までと、ステップS91〜S97までの各ステップにおける処理は、図3に示した第1実施形態におけるライブビュー動作のフローと同様であることから、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、詳しい説明は省略する。
ライブビュー動作のフローに入ると、ステップS31からS39までは図3、図6、図9、および図11に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。ステップS39における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出した場合には、次に、フォーカスエリアのヒストグラムを算出する(S71)。
フォーカスエリアは、フォーカスエリアが1つしかないカメラでは、このフォーカスエリアの画像信号に基づいてヒストグラムを算出する。また複数のフォーカスエリアが設けられているカメラの場合には、ステップS71において、ピント合わせに採用されたフォーカスエリアの画像信号に基づいて、ヒストグラムを算出する。なお、複数のフォーカスエリアを有する場合、ピント合わせに使用するのは、例えば、最至近の被写体や、顔認識されたエリア等である。
フォーカスエリアのヒストグラムを算出すると、次に、ヒストグラムより、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かを判定する(S73)。ここでは、ステップS71において算出されたヒストグラムを用いて、フォーカスエリア内の画素の内、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かを判定する。
ステップS73における判定の結果、階調135以下の画素が画像内に50%以上なかった場合、またはステップS39における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上なかった場合には、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S97)。
一方、ステップS73における判定の結果、階調135以下の画素が画像内に50%以上有った場合には、ステップS91、S93、S95を実行するが、これらのステップにおける処理は、図3、図6、図9、および図11における処理と同様であることから、詳しい説明を省略する。ステップS95またはS97における処理を行うと、元のフローに戻る。
次に、本実施形態における再生動作について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。再生動作のフローに入ると、ステップS101からS103までは図4、図7、および図10に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。ステップS103における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出した場合には、次に、フォーカスエリアのヒストグラムを算出する(S141)。
ステップS141におけるフォーカスエリアは、ステップS17(図2参照)において、AF部3が撮影動作時にピント合わせを行った領域に関する情報を、画像信号と一緒に記録し、この時の情報を用いて判定する。フォーカスエリアが決まると、このエリアの画像信号を用いて、図8と同様に、ヒストグラムを算出する。
フォーカスエリアのヒストグラムを算出すると、次に、ヒストグラムより、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かの判定を行う(S143)。ここでは、ステップS141において算出されたヒストグラムを用いて、フォーカスエリア内の画素の内、階調135以下の画素が画像内に50%以上あるか否かを判定する。
ステップS143における判定の結果、階調135以下の画素がフォーカスエリアの画像内の50%以上ない場合には、またはステップS103における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出しなかった場合には、通常設定値ガンマカーブにて、液晶パネルに画像表示を行う(S167)。
一方、ステップS143における判定の結果、階調135以下の画素がフォーカスエリアの画像内の50%以上ある場合には、ステップS161〜S165を実行する。これらの処理は、図4、図7、図10、および図12に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。
ステップS165において、バックライトの輝度減灯を行うと、またはステップS167において通常設定値ガンマカーブにて液晶パネルに画像表示を行うと、次に、ステップS171、S173における判定を行う。これらの判定は、図4、図7、図10、および図12に示したフローチャートと同様であることから説明を省略する。ステップS173における判定の結果、再生モード終了操作が有った場合には、再生動作の処理を終了し、元のフローに戻る。
以上、説明したように、本発明の第5実施形態においては、表示用画像のうちAF部3により設定されたフォーカス領域を構成する画素信号の輝度分布のヒストグラムにて所定輝度以下が所定数を越える場合に、所定明度以下と判定する。この場合には、オフセット有りのガンマカーブを用いて画像信号のガンマ補正を行っている。このため、フォーカスエリアに対して正確な判定を行うことができ、高輝度時に画像表示部の視認性をさらに向上させることができる。一般に、フォーカスエリアとされたエリアに主要被写体がある場合が多く、本実施形態によれば、主要被写体の部分を観察することが容易となる。
なお、本実施形態においては、フォーカスエリアの階調135以下の画素が50%以上有るか否かを判定した。しかし、これに限らず、フォーカスエリアの平均階調が所定値(例えば、階調135)以下であるか否かを判定するようにしても勿論かまわない。
次に、本発明の第6実施形態について、図15ないし図17を用いて説明する。第1ないし第5実施形態においては、表示部としてTFT33を用いた例を説明した。これに対して、第6実施形態においては、表示部として有機EL(有機発光ダイオード、OLED(Organic light-emitting diode)とも言う)を用いた例である。
図15は、本実施形態に係るカメラの電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。本実施形態における回路構成は、図1に示した第1実施形態における回路構成と比較し、第1実施形態においては、液晶制御部27,29、EVF29、TFT33を備えているのに対して、本実施形態においては、有機EL制御部51および有機EL53を備えている点において相違する。したがって、これらの相違点について、詳しく説明し、共通する素子については説明を省略する。なお、図15のブロック図においては、電源電池55および電源制御部57が描かれているが、これらは、図1のブロック図においても備えられているものであり、便宜上省略されていた回路素子である。
有機EL制御部51は、バッファメモリ19および記録媒体25に接続されており、バッファメモリ19に一時記憶されたライブビュー画像やメニュー画像の画像信号、および記録媒体25から読み出された撮影画像の画像信号を入力し、有機EL53に画像表示させるための制御を行う。有機EL53は、TFT33と同様、カメラの背面等に配置され、接眼部を通すことなく、直接、ユーザが画像を観察することができる。なお、本実施形態においては、EVFは設けてないが、第1実施形態と同様に、液晶によるEVFを設けてもよく、また有機ELによってEVFを構成するようにしてもよい。
電源電池55は、カメラ本体に装填可能な電池であり、電源制御部57に接続されている。電源制御部57は、電源電池55から供給される電力を制御し、カメラ内の有機EL制御部51、有機EL53等の各素子に電源供給を行う。また、電源制御部57は、システムコントローラ41に接続されており、システムコントローラ41に指示に従って電源制御を行う。また、電源制御部57は、有機EL53等に供給している消費電力量を検知することができる。
次に、本実施形態における動作について、図16および図17に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、カメラパワーオンの動作は、図2に示した第1実施形態のフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。ライブビュー動作と再生動作のフローチャートは、第1実施形態と異なることから、相違する点を中心に説明する。
まず、図16を用いて、ライブビュー動作について説明する。示すライブビュー動作のフローに入り、最初のステップS31ないしステップS37は、図3に示した第1実施形態のフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。ステップS37において画像処理を行うと、次に、通常設定値ガンマカーブにて、有機ELパネルに画像表示を行う(S38)。ここでは、まず、ライブビュー画像を有機EL53に表示する。ここでは、ガンマカーブとして、図5に示すように、オフセットなしのガンマカーブ61(図中の破線)を設定し、このガンマカーブ61に従って画像信号をガンマ補正し、有機EL53にライブビューの画像表示を行う。有機EL53にライブビュー表示を行うと、次に、外光センサにて100,000lx以上を検出するか否かの判定を行う(S39)。
ステップS39における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出すると、次に、有機ELの消費電流が規定値以下か否かの判定を行う(S81)。第2実施形態ないし第5実施形態においては、表示画像のヒストグラムを算出し、このヒストグラムに基づいて、被写体像の中で暗い部分が多いか否かを判定していたが、本実施形態においては、ヒストグラムを算出せずに、有機ELの消費電流に基づいて、被写体像の中に暗い部分が多いかを判定する。有機ELは、被写体像の中に明るい部分が多く、画面が明るいと消費電流が大きくなり、一方、被写体像の中に暗い部分が多く、画面が暗くなると消費電流が小さくなる。そこで、本実施形態においては、電源制御部57によって有機ELの消費電流を検知し、この検知した消費電流に基づいて、有機EL53の画面の明るさを判定している。従って、規定値としては、有機EL53の特性を考慮して、適宜、設計値として決定すればよい。
ステップS81における判定の結果、有機ELの消費電流が規定値以下であった場合には、次に、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S91)、設定したガンマカーブにて、有機ELパネルに画像を表示する(S99)。ここでは、ガンマカーブとして、図5に示すように、オフセットしたガンマカーブ62(図中の実線)を設定し、このガンマカーブ62に従って画像信号をガンマ補正し、有機EL53にライブビューの画像表示を行う。
ステップS99において有機ELパネルに画像表示を行うと、またはステップS81における判定の結果、有機ELの消費電流が規定値より多かった場合、またはステップS39における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出しなかった場合には、元のフローに戻る。
次に、図17を用いて、再生動作について説明する。再生動作のフローに入り、最初のステップS101は、図4に示した第1実施形態のフローチャートと同様であることから、詳しい説明を省略する。ステップS101において選択画像の読出しと画像処理を行うと、次に、通常設定値ガンマカーブにて、有機ELパネルに画像表示を行う(S102)。ここでは、ステップS38と同様に、オフセットなしのガンマカーブ61を設定し、このガンマカーブ61に従って、記録媒体25から読み出した撮影画像の画像信号をガンマ補正し、再生画像として有機EL53に表示する。有機ELパネルに画像表示を行うと、外光センサにて100,000lx以上を検出したか否かを判定する(S103)。
ステップS103における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出すると、次に、ステップS81と同様に、有機ELの消費電流が規定値以下か否かの判定を行う(S151)。前述したように、有機ELの消費電流は、画面の明るさに依存することから、このステップでは、電源制御部57によって有機ELの消費電流を検知し、この検知した消費電流に基づいて、有機EL53の画面の明るさを判定している。
ステップS151における判定の結果、有機ELの消費電流が規定値以下であった場合には、次に、ガンマカーブをオフセット有りに設定し(S161)、設定したガンマカーブにて、有機ELパネルに画像を表示する(S163)。ここでは、ガンマカーブとして、図5に示すように、オフセットしたガンマカーブ62(図中の実線)を設定し、このガンマカーブ62に従って画像信号をガンマ補正し、有機EL53に再生画像の表示を行う。
ステップS164において、有機ELパネルに画像表示を行うと、またはステップS151における判定の結果、有機ELの消費電流が規定値より大きいと、またはステップS103における判定の結果、外光センサにて100,000lx以上を検出しなかった場合には、次に、背面有機ELの表示画像の切り替えが指示されたか否かの判定を行う(S172)。再生画像の切り替えは、本実施形態においても、十字キー等の操作によって行うことから、このステップでは、十字キー等が操作されたか否かを判定することによって行う。
ステップS172における判定の結果、表示画像の切り替え指示がなされていた場合には、ステップS101に戻る。一方、判定の結果、表示画像の切り替え指示がなされていなかった場合には、次に、再生モードの終了操作がなされたか否かの判定を行う(S173)。再生モードの終了は、本実施形態においても、再度、再生釦を操作することにより行うので、このステップにおいては、再生釦が操作されたか否かに基づいて行う。一方、この判定の結果、再生モードの終了操作が有った場合には、元のフローに戻る。
このように、第6実施形態においては、ライブビュー画像や再生画像を表示する表示部として、有機ELを採用し、有機ELの消費電流が規定値より少なかった場合に、ガンマカーブをオフセットし、ガンマ補正を行うようにしている。このため、本実施形態においても、周囲が明る過ぎる場合であっても、画像表示部での視認性を向上させることができる。また、本実施形態においては、ヒストグラムを算出せずに、有機ELの消費電流を検知することによって、画面の明るさを検知できるので、処理が容易である。
なお、本実施形態においては、EVF29を省略したが、勿論、有機EL53とともに、EVF29を設けて、ファインダを通して画像を観察できるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、外光の輝度を検出して、外光輝度が所定輝度以上であるかを判定し、外光輝度が所定輝度以上と判定された場合は、表示用画像信号に対してガンマカーブをオフセットして第2の表示用画像を生成し表示するようにしている。このため、高輝度時に画像表示部の視認性を向上させることが可能となる。
なお、本発明の各実施形態においては、TFT33および有機EL53に対して、外光輝度が高輝度の場合に、オフセット有りのガンマカーブを用いてガンマ補正を行っていた。しかし、これに限らず、EVF29に対しても同様にガンマ補正を行うようにしても良い。これにより、画像処理部15におけるガンマ補正を共通にすることができ、画像処理が簡単になる。
また、本発明の各実施形態においては、撮影機能および表示機能の両方を有するカメラに適用した例で説明した。しかし、これに限らず、撮影機能を有さず、表示機能のみを有する画像表示装置に本発明を適用しても良いことは勿論である。
また、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。