JP4914190B2 - 弾性発泡体の穿孔方法及びその装置 - Google Patents
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Description
この発明は、段取りエリアにおいて収容ケース及び弾性発泡体がセットされたパレットがパレット搬入機構により該段取りエリアから圧縮エリアに搬入される。該圧縮エリアにおいて圧縮機構により前記収容ケースの収容孔に圧縮ピンが押し込まれ、弾性発泡体が圧縮されて該収容孔内に収容される。保持具装着機構により前記収容ケース及び圧縮ピンに保持具が装着されて、該圧縮ピンが弾性発泡体の圧縮位置に保持される。この状態で、パレット上の収容ケース、圧縮ピン及び保持具よりなる収容治具が単体として取り扱い可能となり、該収容治具が圧縮エリアから穿孔エリアの穿孔機構に移載され、該穿孔機構により収容治具が回転されるとともに、収容治具内の圧縮状態の弾性発泡体に穿孔工具が進入されて弾性発泡体に挿通孔が形成される。
最初に、図7〜図9により弾性発泡体を圧縮状態で収容して単体として取り扱うことができる収容治具11について説明する。この収容治具11の外周面が四角筒状をなす収容ケース12は、図9に示すように、半四角柱状に分割された第1及び第2ケース片13,14により分離可能に構成されている。第1及び第2ケース片13,14が図7及び図8に示すように接合された状態で、第1及び第2ケース片13,14の接合面に形成された二つの収容溝13a,14aにより収容ケース12の中心部に円筒状の収容孔12aが形成される。この収容孔12a内に円柱状の弾性発泡体(図17に示す挿通孔Whの無い弾性発泡体W)を圧縮するための二本の圧縮ピン15及び圧縮された弾性発泡体Wが収容されるようにしている。両圧縮ピン15の中心部には圧縮された弾性発泡体Wに挿通孔Whを形成する穿孔工具T(図6参照)を挿通するための工具挿通孔15aが形成され、一端部には小径部15b及び段差部15cが形成されている。
図1に示すようにこの穿孔装置は、第1ケース片13、弾性発泡体W及び圧縮ピン15を前記パレット21上にセットするための段取りエリアA1を備えている。又、該段取りエリアA1の前記パレット21を中継エリアA2を経由して圧縮エリアA3に搬入するためのパレット搬入機構31を備えている。前記圧縮エリアA3には、前記パレット21上の第1ケース片13に第2ケース片14を接合するとともに、弾性発泡体W及び圧縮ピン15の上半部を収容保持して、弾性発泡体Wを圧縮したり圧縮を解除したりするための圧縮機構及び圧縮解除機構としての圧縮・解除機構30が備えられている。この圧縮・解除機構30は、前記第1及び第2ケース片13,14の両端部に対し前記連結・保持具18を脱着するための保持具装着機構及び保持具取り外し機構としての連結・保持具脱着機構43を備えている。この連結・保持具脱着機構43の具体的構成は省略する。図1に示すように、前記圧縮エリアA3のY軸(前後)方向の後方には、穿孔エリアA4が設けられ、この穿孔エリアA4には、圧縮状態の弾性発泡体Wを収容した収容治具11を縦方向に保持して回転するとともに、穿孔工具Tを収容治具11内に進入させて弾性発泡体Wに挿通孔Whを穿孔するための穿孔機構61が設けられている。前記圧縮エリアA3と穿孔エリアA4との間には、単体の収容治具11を両エリアA3,A4間で交互に移載するための治具移載機構71が備えられている。前記圧縮エリアA3は、圧縮解除エリアA5としても使用され、穿孔された弾性発泡体Wを収容した収容治具11が圧縮解除エリアA5のパレット21に移載され、前記連結・保持具脱着機構43により連結・保持具18が取り外されるとともに、前記圧縮・解除機構30により弾性発泡体Wの圧縮状態が解除されるようにしている。前記圧縮解除エリアA5と中継エリアA2の左方の発泡体の取り出しエリアA6との間には、穿孔作業が終了した弾性発泡体Wを支持したパレット21を搬出するためのパレット搬出機構32が備えられている。
(パレット搬入機構31及びパレット搬出機構32)
前記パレット搬入機構31及びパレット搬出機構32は、X軸案内レール26及びY軸案内レール27と、これらのレール26,27により案内移動される複数の台車28とを備えている。そして、パレット搬入機構31の台車28により第1ケース片13、圧縮ピン15及び未加工の弾性発泡体Wを支持したパレット21(図3参照)は段取りエリアA1から中継エリアA2を経由して圧縮エリアA3に搬入されるようにしている。又、パレット搬出機構32により加工済みの弾性発泡体Wを支持したパレット21は台車28により圧縮エリアA3から中継エリアA2を経由して取り出しエリアA6に搬出されるようにしている。なお、両機構はX,Y軸方向に台車28の経路を変向するための複雑な機構を備えているが図ではそれらは省略されている。
(圧縮・解除機構30)
図2に示すように前記圧縮エリアA3に搬入されたパレット21の上方のフレームFの所定位置には、昇降シリンダ36がZ軸(上下)方向下向きに固定され、このピストンロッド37の下端部には昇降板38が水平に取り付けられている。この昇降板38の下面には複数の保持ロッド39が下向きに取り付けられるとともに、吸着具としての吸盤40が取り付けられ、この吸盤40により前記第2ケース片14の上面を吸着把持するようになっている。前記昇降シリンダ36、昇降板38、保持ロッド39及び吸盤40等により第2ケース片14を前記第1ケース片13に脱着するための第2ケース片脱着機構35が構成されている。
(穿孔機構61)
図6に示すように、フレームFには、支持部材62が図示しない昇降機構により昇降可能に装着されている。支持部材62には前記収容治具11の下端部を嵌入する椀状の回転体63が回転可能に支持されている。前記回転体63の上方のフレームFには、主軸装置64が図示しない昇降機構により昇降可能に支持されている。主軸装置64の主軸65の下端部には、前記収容治具11の上端部を嵌入可能な回転保持部材66が回転可能に支持されている。
(治具移載機構71)
図1に示すように、前記フレームFには回転支持筒72が前記圧縮エリアA3と穿孔エリアA4の間に位置するように、図示しない旋回機構により垂直軸線を中心に水平方向の往復旋回可能に支持されている。この回転支持筒72の外周面には、左右一対の移載アーム73が水平に支持され、図示しない旋回機構によりX軸方向に指向する水平軸線の周りで往復旋回可能に支持されている。前記移載アーム73には昇降機構74により昇降動作される把持板75が装着され、この把持板75には第2ケース片14の上面を吸着把持可能な吸盤76が取り付けられている。
(穿孔装置の動作)
次に、前記のように構成した穿孔装置の動作について説明する。
(1)上記実施形態では、パレット21に収容治具11の第1ケース片13を支持し、段取りエリアA1において、第1ケース片13及びパレット21に弾性発泡体Wをセットし、パレット21を段取りエリアA1から圧縮エリアA3に搬入して、ここで収容治具11に弾性発泡体Wを圧縮して収容ケース12の両端部に連結・保持具18を嵌合し、収容治具11を単体として取り扱い可能にした。このため、圧縮・解除機構30及び穿孔機構61を個別に配置することができ、収容治具11を回転しつつ非回転の穿孔工具Tにより弾性発泡体Wに挿通孔Whの穿孔を行うことができる。従って、穿孔作業中に切粉が遠心力を受けないので、穿孔された挿通孔Whから切粉が円滑に排出され、挿通孔Whの加工精度を向上することができる。
・図10に示す実施形態では、専用の段取りエリアA1及び取り出しエリアA6と、弾性発泡体Wの圧縮機構及び連結・保持具18の装着機構を備えた圧縮エリアA3と、弾性発泡体Wの圧縮解除機構及び連結・保持具18の取り外し機構を備えた圧縮解除エリアA5とをそれぞれ設けている。又、圧縮エリアA3と穿孔エリアA4の間に第1治具移載機構81を設け、穿孔エリアA4と圧縮解除エリアA5の間に第2治具移載機構82を設けている。さらに、圧縮解除エリアA5において収容ケース12から前記連結・保持具18の取り外し機構により取り外された連結・保持具18を圧縮エリアA3側の連結・保持具18の装着機構に戻す機構( 図示略) が備えられている。
・図15に示すように、収容治具11として、第1及び第2ケース片13,14にV字状の角溝13h,14hを形成することにより収容ケース12の収容孔12aを四角筒状に形成し、圧縮ピン15を四角柱状に形成してもよい。この場合には、図3に示す下部発泡体収容部材24の収容溝24a及び上部発泡体収容部材42の収容溝42aがV字状の角溝に、圧縮ピン15が四角柱状に変更される。
・前記実施形態では、前記収容治具11を縦向きに保持して回転するようにしたが、横向きにして回転し、穿孔作業を施すようにしてもよい。
・収容ケース12を四角筒状に代えて、多角筒状又は円筒状に変更してもよい。
Claims (6)
- 段取りエリアにおいてパレット上に単体として取り扱い可能な弾性発泡体の収容治具を構成する収容ケースをセットする工程と、
上記工程の前又は後に、前記収容ケースの収容孔に弾性発泡体の一部又は全部を非圧縮状態で収容する工程と、
上記工程の後に、前記パレットとともに収容ケースを段取りエリアから圧縮エリアに搬送し、該収容ケースの収容孔に圧縮ピンを押し込むことにより弾性発泡体を圧縮して該収容孔内に収容する工程と、
上記工程の後に、前記収容ケース及び圧縮ピンに保持具を装着して該圧縮ピンを弾性発泡体の圧縮位置に保持する工程と、
上記工程の後に、前記パレット上の単体の収容治具を圧縮エリアから穿孔エリアに搬送して、該収容治具を回転するとともに、収容治具内の圧縮状態の弾性発泡体に穿孔工具を進入させて弾性発泡体に挿通孔を形成する工程と、
上記工程の後に、前記収容治具を穿孔エリアから圧縮解除エリアのパレット上に搬送して前記保持具を収容ケースから取り外す工程と、
上記工程と並行して、前記圧縮ピンによる弾性発泡体の圧縮状態を解除する工程と、
上記工程の後に、前記圧縮解除エリアからパレットとともに前記収容ケースを取り出しエリアに搬送し、該収容ケースから加工された弾性発泡体を取り出す工程と
を含むことを特徴とする弾性発泡体の穿孔方法。 - 段取りエリアにおいて弾性発泡体の収容治具を構成する収容ケースをセットするためのパレットと、
前記パレットを前記段取りエリアから圧縮エリアに搬入するためのパレット搬入機構と、
前記圧縮エリアにおいて前記収容ケースの収容孔に圧縮ピンを押し込むことにより弾性発泡体を圧縮して該収容孔内に収容するための圧縮機構と、
前記収容ケース及び圧縮ピンに保持具を装着して該圧縮ピンを弾性発泡体の圧縮位置に保持するための保持具装着機構と、
前記パレット上の単体の収容治具を圧縮エリアから穿孔エリアに搬送するための第1治具移載機構と、
前記穿孔エリアにおいて、前記収容治具を回転するとともに、収容治具内の圧縮状態の弾性発泡体に穿孔工具を進入させて弾性発泡体に挿通孔を形成するための穿孔機構と、
前記収容治具を穿孔エリアから圧縮解除エリアに存在するパレット上に搬送するための第2治具移載機構と、
前記保持具を収容ケースから取り外すための保持具取り外し機構と、
前記圧縮ピンによる弾性発泡体の圧縮状態を解除するための圧縮解除機構と、
前記収容ケースをパレットとともに前記圧縮解除エリアから取り出しエリアに搬送するためのパレット搬出機構と
を含むことを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。 - 請求項2において、前記収容ケースは収容孔の軸線を通る平面に沿って第1ケース片と、第2ケース片とに分割され、第1及び第2ケース片の両端部は連結具により連結されるように構成され、前記連結具は、前記保持具と一体に連結・保持具として構成され、前記第1ケース片は、前記パレットの所定位置にセット可能に構成されており、一方、前記圧縮機構は、前記第2ケース片を前記パレット上の第1ケース片に対し接合又は離間させる第2ケース片脱着機構と、前記第1及び第2ケース片の両端部に前記連結・保持具を脱着するための連結・保持具脱着機構と、前記収容治具の収容孔に圧縮ピンを押し込んで弾性発泡体を圧縮するための圧縮ピン押し込み機構とにより構成され、前記圧縮機構には、前記圧縮解除機構としての機能も付与されていることを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。
- 請求項3において、前記パレットは単体の前記第1ケース片を所定位置に保持するための基板と、該基板の上面に設けられ、かつ該基板に支持された第1ケース片の収容溝から両外側方にはみ出た弾性発泡体及び圧縮ピンの下半部を収容する収容溝を有する一対の下部発泡体収容部材とにより構成され、一方、前記第2ケース片脱着機構を構成する昇降フレームには、前記下部発泡体収容部材の上面に接触されて、前記第1ケース片からはみ出た弾性発泡体及び圧縮ピンの上半部を収容する収容溝を有する上部発泡体収容部材が装着され、前記連結・保持具脱着機構により前記収容ケースの両端部に連結・保持具を脱着する際に、前記下部及び上部発泡体収容部材が収容ケースの両端部に接触する作動位置から退避位置に切り換えられるように構成されていることを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、前記穿孔機構は、収容治具の姿勢を垂直に保持し、穿孔工具は収容治具の下方から弾性発泡体に進入されるように構成されていることを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。
- 請求項5において、第1及び第2治具移載機構は、垂直軸線の周りで往復旋回動作される回転支持筒と、該回転支持筒に対し水平軸線の周りで往復旋回される一対の移載アームと、両アームの先端部に装着され、かつ前記収容ケースの上面を吸着把持する吸着具とにより構成されていることを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。
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