本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のデータ管理システム1000は、図1に示すように、顧客に取得されて商品の購入に利用される複数種類のダミーカード100と、複数のダミーカード100を陳列するカード陳列装置200と、ダミーカード100に対応して販売される商品ごとに販売履歴データを登録する販売登録装置300と、を有する。
ダミーカード100は、商品種別ごとの商品識別データなどの商品データが記録されているRFIDチップ110が搭載されている。販売登録装置300は、ダミーカード100のRFIDチップ110から商品データを受信して販売履歴データの生成に利用する。
カード陳列装置200は、複数のダミーカード100を積層状態で各々保持する複数のカード保持部210と、カード保持部210に保持されたダミーカード100ごとにRFIDチップ110から商品データを受信する複数のRFIDリーダ220と、RFIDリーダ220による商品データの受信停止によりカード保持部210から取得されたダミーカード100を検出して移動履歴データを生成する移動生成部230と、を有する。
さらに、本実施の形態のデータ管理システム1000は、販売登録装置300から販売履歴データを収集して管理する販売管理装置400も有する。この販売管理装置400は、生成された移動履歴データを収集して管理するデータ管理部410を有する。
より詳細には、ダミーカード100は、複数種類のタバコパック(図示せず)に一対一に対応した複数種類に形成されている。ただし、その外形は共通に形成されており、その表裏の表記内容とRFIDチップ110のデータ内容が、タバコパックの種類ごとに相違している。
このダミーカード100は、図2に示すように、縦長の長方形のカード台紙120を有し、その上端中央に小径の貫通孔130が形成されている。図3および図4に示すように、カード陳列装置200のカード保持部210は、前端が上方に曲折されたL字フックとして形成されており、ダミーカード100を貫通孔130で保持する。
ダミーカード100のカード台紙120は、RFIDチップ110の無線通信に影響しない厚紙や樹脂などで形成されており、その下端中央にRFIDチップ110が装着されている。
このRFIDチップ110には、対応するタバコパックの商品データとして、図6に示すように、例えば、商品識別データであるJAN(Japanese Article Number)コード、製造メーカの名称、製造年月日、通常売価、等が設定されている。
ダミーカード100は、図2(a)および図3に示すように、カード陳列装置200に保持された状態で露出するカード台紙120の表面に、タバコパックの前面イメージを模式した銘柄画像BPが表記されている。
また、ダミーカード100は、図2(b)に示すように、カード陳列装置200に保持された状態で遮蔽される裏面に、対応するタバコパックの商品情報TIとして、タバコパックの商品名称、販売価格、JANコードからなるバーコード、詳細情報、等が表記されている。
本実施の形態のカード陳列装置200は、例えば、店舗の売場などに設置されて顧客に利用される(図示せず)。カード陳列装置200は、図3に示すように、縦長の平板状のカード陳列ボード260とボード支持台座270とを有する。
カード陳列ボード260は、ボード支持台座270の上端に着脱自在に装着されている。カード陳列ボード260とボード支持台座270とは、一人の顧客しか利用が困難な400mm程度の横幅に形成されている。
ボード支持台座270は、一般的な顧客の下半身と同等な600〜700mm程度の上下高に形成されている。カード陳列ボード260は、ボード支持台座270に支持された状態で、一般的な顧客の上半身と対向する600〜800mm程度の上下高に形成されている。
ボード支持台座270は、例えば、前面上部に無色透明な樹脂ボックスが装着されており、そこにタバコパックなどに関連した広告シート271が交換自在に挿入されている。
また、ボード支持台座270は、上面前部が前傾した斜面として形成されており、そこに案内シート272が装着されている。この案内シート272には、「ご希望の商品のタバコのカードをレジまでお持ちください」などのガイダンスメッセージが表記されている。
さらに、ボード支持台座270は、上面にスリット状の開口穴273が形成されている。この開口穴273に下端が着脱自在に挿入されることで、ボード支持台座270にカード陳列ボード260が支持されている。
このカード陳列ボード260は、複数のカード保持部210が四行四列などの配置で前面に装着されている。上端には案内ボード261が一体に形成されており、この案内ボード261には、案内シート272と同様なガイダンスメッセージとともに、ダミーカード100の利用方法が模式画像で表記されている。
カード陳列ボード260の上部にも、広告シート262が交換自在に装着されている。そして、この広告シート262より下方の領域に、複数のカード保持部210が配列されている。
このカード保持部210は、前述のようにダミーカード100を貫通孔130で支持するL字フックからなり、上下方向に四行、左右方向に四列、などの配置でカード陳列ボード260の前面に形成されている。
図5に示すように、複数のカード保持部210の各々の直下には、RFIDリーダ220と値札シート263とが個々に配置されている。この値札シート263には、対応するタバコパックの商品情報TIとして、商品名称と販売価格とが表記されている。
カード保持部210は、複数のダミーカード100を積層状態で支持する。その場合、複数のダミーカード100は、第一枚目の表面のみ露出した状態となる。ダミーカード100は、タバコパックの種類ごとに形成されているが、その外形は共通している。
このため、カード保持部210で支持されたダミーカード100のRFIDチップ110は、その直下のRFIDリーダ220と所定距離で対向する。このRFIDリーダ220は、その直上のカード保持部210に支持されたダミーカード100のRFIDチップ110とは良好に無線通信できるが、周囲のカード保持部210に支持されたダミーカード100のRFIDチップ110とは無線通信できないように、通信距離が調整されている。
さらに、図4に示すように、RFIDリーダ220は、その無線通信を阻害する金属ホルダ221で下面および側面が包囲されている。このため、直上に位置するRFIDチップ110とは良好に無線通信できるが、側方や下方に位置するダミーカード100のRFIDチップ110とは無線通信できない。
カード陳列装置200は、図3に示すように、カード陳列ボード260の前面下部に制御ボックス250が装着されている。この制御ボックス250には、入力デバイスであるキーボードユニット251や出力デバイスであるディスプレイユニット252の他、マイクロコンピュータ、通信I/F(Interface)、電源ユニット、等が搭載されている(図示せず)。
マイクロコンピュータには、RFIDリーダ220、キーボードユニット251、ディスプレイユニット252、通信I/F、等が接続されている。マイクロコンピュータは、専用のコンピュータプログラムが実装されており、このコンピュータプログラムに対応して各部の統合制御などの処理動作を実行する。
このようにマイクロコンピュータが機能することにより、カード陳列装置200には、前述の移動生成部230とともに配列生成部240が論理的に実現されている。本実施の形態のカード陳列装置200では、上述のように複数のカード保持部210が上下左右に四行四列に配列されている。
このため、そのカード保持部210およびRFIDリーダ220には、01−01,01−02,01−03,01−04,02−01…などの位置データが事前に付与されており、この位置データがカード陳列装置200のマイクロコンピュータに登録されている。
配列生成部240は、詳細には後述するが、起動直後の初期設定などでマイクロコンピュータが複数のRFIDリーダ220から商品データを受信することにより、複数種類のダミーカード100のカード陳列装置200での配列をカード配列データとして生成する。
このように生成されるカード配列データは、図7(a)に示すように、カード陳列装置200のユニークコード、そのカード配列データの生成日時、カード保持部210の位置データ、商品識別データ、等からなる。
また、移動生成部230は、RFIDリーダ220による商品データの受信が停止すると、カード保持部210からダミーカード100が取得されたと判定し、移動履歴データを生成する。
さらに、移動生成部230は、RFIDリーダ220により商品データの受信が再開されると、カード保持部210から取得されたダミーカード100が返却されたと判定し、移動履歴データを生成する。
このように生成される移動履歴データは、図7(b)に示すように、商品識別データ、カード陳列装置200のユニークコード、カード保持部210の位置データ、取得か返却かの二値データ、生成日時、等からなる。
カード陳列装置200は、上述のようなカード配列データや移動履歴データを生成するごとに、例えば、通信I/FからLAN(Local Area Network)により販売管理装置400に送信する。
販売登録装置300は、いわゆるPOS端末であり、店舗のカウンタなどに設置されて店員に操作される(図示せず)。販売登録装置300は、従来と同様にバーコードリーダやキーボードなどの入力デバイスを有する(図示せず)。
このような入力デバイスで商品識別コードが入力されると、従来と同様にPOSデータである販売履歴データを販売生成部320により生成して販売管理装置400に登録する。ただし、本実施の形態の販売登録装置300は、登録リーダ部であるRFIDリーダ310も有する。
このRFIDリーダ310は、ダミーカード100のRFIDチップ110から商品データを受信する。このため、販売生成部320は、RFIDリーダ310により商品データが受信されると、その商品データを利用して販売履歴データを生成する。
上述のように生成される販売履歴データは、図8に示すように、例えば、商品識別データ、販売日時、販売単価、販売店舗の名称、商品データ、等からなる。販売登録装置300は、販売履歴データを生成するごとに、WAN(Wide Area Network)などにより販売管理装置400に送信する。
この販売管理装置400は、いわゆるPOSサーバであり、店舗のバックヤードなどに設置される(図示せず)。販売管理装置400は、従来と同様に、販売登録装置300から受信した販売履歴データをデータ管理部410により管理する。
ただし、本実施の形態の販売管理装置400は、前述のようにカード陳列装置200からカード配列データと移動履歴データも受信する。このため、販売管理装置400は、データ管理部410により販売履歴データと移動履歴データとカード配列データとを関連させて管理する。
より具体的には、カード陳列装置200は、前述のように起動時ごとにカード配列データを生成して販売管理装置400に送信するとともに、ダミーカード100が移動されるごとに移動履歴データを生成して販売管理装置400に送信する。そこで、販売管理装置400は、移動履歴データが入力されるごとに、最新のカード配列データに関連させて管理する。
さらに、販売管理装置400は、販売履歴データを受信すると、対応する移動履歴データを検出して関連させる。その場合、詳細には後述するが、販売履歴データの登録時点から所定の時間以内で取得の移動履歴データを対応すると判定する。
ただし、この所定の時間以内に対応する移動履歴データが検出されないと、その所定の時間以外で最新の移動履歴データが対応すると判定する。なお、当然ながら、このように販売履歴データに関連される移動履歴データは、商品識別データが共通し、ダミーカード100の取得に対応したものに限定される。
さらに、カード陳列装置200は、一人の顧客しか利用が困難な横幅に形成されている。そこで、販売管理装置400は、所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データを一人の顧客によると判定する。なお、このように一人の顧客の動向かを判定する基準時間は、例えば、統計結果などに基づいて三分などに設定される。
なお、販売管理装置400も、カード陳列装置200と同様に、コンピュータプログラムが実装されているコンピュータユニットで各種の処理動作を実行することにより、上述したデータ管理部410などが論理的に実現されている。
カード陳列装置200のコンピュータプログラムは、例えば、起動時の初期設定で複数のRFIDリーダ220から商品データを受信してカード配列データを生成すること、生成されたカード配列データを通信I/Fなどにより販売管理装置400に送信すること、RFIDリーダ220による商品データの受信停止によりカード保持部210から取得されたダミーカード100を検出して移動履歴データを生成すること、RFIDリーダ220による商品データの受信再開によりカード保持部210から取得されたダミーカード100を検出して移動履歴データを生成すること、生成された移動履歴データを通信I/Fなどにより販売管理装置400に送信すること、等をカード陳列装置200のマイクロコンピュータに実行させるように記述されている。
また、販売管理装置400のコンピュータプログラムは、入力されるカード配列データを管理すること、移動履歴データが入力されるごとに最新のカード配列データに関連させて管理すること、所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データを一人の顧客によると判定すること、入力される販売履歴データを管理すること、販売履歴データが入力されると対応する移動履歴データを検出して関連させること、等を販売管理装置400のコンピュータユニットに実行させるように記述されている。
上述のような構成において、本実施の形態のデータ管理システム1000では、従来のPOSシステムと同様に、商品が販売されるごとに販売履歴データが生成されて管理される。
その商品としてタバコパックも内包されているが、タバコパックはダミーカード100を利用して販売される。そして、従来のPOSシステムとは相違して、販売履歴データとは別個にダミーカード100の移動履歴データも生成されて管理される。
より詳細には、本実施の形態のデータ管理システム1000を利用する場合、店舗の売場にはカード陳列装置200が設置され、図1に示すように、販売登録装置300と並列に販売管理装置400に接続される。
このような状態で、電源がオフされたカード陳列装置200に、図3に示すように、タバコパックの種類ごとにダミーカード100が陳列される。そして、ダミーカード100の陳列が完了したカード陳列装置200の電源をオンすると初期設定が実行される。
このとき、図9に示すように、カード陳列装置200では、販売管理装置400と通信することなどにより現在日時が検出される(ステップS1)。つぎに、複数のカード保持部210のRFIDリーダ220によりダミーカード100のRFIDチップ110から商品データが取得される。
全部のRFIDチップ110から商品データが取得されるとカード配列データが生成され(ステップS2)、このカード配列データがカード陳列装置200から販売管理装置400に送信される(ステップS3)。この販売管理装置400では、図11に示すように、カード陳列装置200から受信したカード配列データが登録される(ステップE1,E2)。
このカード配列データには、図7に示すように、カード陳列装置200のユニークコード、そのカード配列データの生成日時、カード保持部210の位置データ、商品識別データ、等が設定されている。このため、販売管理装置400では、どのカード陳列装置200に、何時、どのように、ダミーカード100が配列されたか、がデータ管理される。
上述のような状態で、店舗では商品販売業務が実行される。その場合、タバコパックの購入を要望する顧客は、カード陳列装置200から所望のダミーカード100を取得する。
このとき、カード陳列装置200では、RFIDリーダ220によるRFIDチップ110の検出が停止することにより、図10に示すように、ダミーカード100が取得されたことが判定される(ステップT1)。
すると、やはり現在日時が検出されて移動履歴データが生成され(ステップT2〜T4)、この移動履歴データがカード陳列装置200から販売管理装置400に送信される(ステップT5)。
そこで、この販売管理装置400では、図11に示すように、カード陳列装置200から移動履歴データを受信すると(ステップE3)、カード陳列装置200のユニークコードが一致する最新のカード配列データが検索される(ステップE4)。そして、この検索されたカード配列データが移動履歴データにデータリンク等で関連される(ステップE5)。
つぎに、販売管理装置400では、カード陳列装置200から移動履歴データを受信したとき(ステップE3)、同一の販売管理装置400により所定の基準時間より以前に発生した移動履歴データが検索される(ステップE6)。
これで移動履歴データが検索されると、その複数の移動履歴データは一人の顧客によると判定され、データリンク等で相互に関連される(ステップE7)。上述のようなデータ処理が完了すると、その移動履歴データが登録される(ステップE8)。
そして、顧客がダミーカード100を販売登録装置300の店員の位置まで持参する。すると、その顧客から店員にダミーカード100が回収され、そのダミーカード100に対応したタバコパックが店員から顧客に販売される。
このとき、店員はダミーカード100のRFIDカード100を販売登録装置300のRFIDリーダ310に対向させる。すると、これでダミーカード100から販売登録装置300に商品データが入力されて販売履歴データが生成される。
この販売履歴データが販売登録装置300から販売管理装置400に送信されると(ステップE9)、この販売履歴データに対応する移動履歴データが検索される(ステップE10)。
この場合、商品識別データが共通し、販売履歴データの登録時点から所定の時間以内で最古の取得の移動履歴データが検索される。その所定時間は、顧客がダミーカード100を取得してから店員に提示するまでの所用時間の統計結果などに対応して、30分などと設定される。
ただし、これで移動履歴データが検索されないと、その所定の時間以外で最新の移動履歴データが検索される。このように検出された移動履歴データが販売履歴データに関連されると(ステップE11)、これで販売履歴データが登録される(ステップE12)。
なお、ダミーカード100は、カード保持部210に保持された状態で露出する表面に銘柄画像BPが表記されている。このため、顧客は所望のタバコパックのダミーカード100を簡単に発見して取得することができる。
しかも、ダミーカード100の裏面にはタバコパックの詳細な商品情報TIが表記されている。このため、顧客はカード陳列装置200から取得したダミーカード100によりタバコパックの詳細情報を確認することができる。
ただし、このように詳細情報を確認した結果、顧客がダミーカード100をカード陳列装置200に返却することもある。この場合、カード陳列装置200では、RFIDリーダ220によるRFIDチップ110の検出が再開することにより、図10に示すように、ダミーカード100が返却されたことが判定される(ステップT2)。
すると、やはり移動履歴データが生成されてカード陳列装置200から販売管理装置400に送信される(ステップT3〜T5)。そこで、図11に示すように、この移動履歴データを受信した販売管理装置400では(ステップE3)、やはり移動履歴データがカード配列データに関連され(ステップE4,E5)、所定の基準時間より以前に発生した移動履歴データが存在するならば関連され(ステップE6,E7)、登録される(ステップE8)。
本実施の形態のデータ管理システム1000では、上述のように従来と同様に商品を販売して販売履歴データを登録して管理するのみならず、ダミーカード100の移動履歴データも登録して管理することができる。
このため、商品であるタバコパックが購入されなかった場合でも、対応するダミーカード100の顧客による動向などをデータ管理することができる。特に、本実施の形態のデータ管理システム1000は、この購入されなかった商品に対する顧客の動向を把握することなどを、以下のように、ランニングコストが低く実用的な構造で実現することができる。
つまり、本実施の形態のデータ管理システム1000では、ダミーカード100は専用設計とすることができるので、商品とは相違してRFIDチップ110の性能を阻害する制約を排除しておくことができる。
そして、このようなダミーカード100とともにカード陳列装置200も専用設計とすることができ、ダミーカード100がカード陳列装置200のカード保持部210に積層状態で保持される。
このため、ダミーカード100のRFIDチップ110をカード保持部210ごとのRFIDリーダ220により極短距離で確実に検出することができる。従って、カード陳列装置200に種類ごとに陳列されている多数のダミーカード100の全部の動向を、必要最小限のRFIDリーダ220で的確に検出することができる。
特に、図4に示すように、RFIDリーダ220は、その直上に対向するRFIDチップ110のみと無線通信するように、金属ホルダ221により通信特性が偏向されている。このため、RFIDリーダ220は、対応するカード保持部210で支持されるダミーカード100のRFIDチップ110のみを確実に検出することができる。
従って、ダミーカード100がカード保持部210から取得されてから返却されたことを検出できないことが発生せず、カード保持部210に適正でないダミーカード100が返却されたことを検出できないことも発生しない。
しかも、本実施の形態のデータ管理システム1000では、ダミーカード100に対応してタバコパックが顧客に販売されても、そのダミーカード100は店舗で繰り返し利用することができる。このため、ランニングコストを削減することができ、安価なタバコパックに比較して高価なRFIDチップ110をダミーカード100に搭載することができる。
さらに、本実施の形態のデータ管理システム1000では、ダミーカード100は、カード保持部210に保持された状態で露出する表面に、タバコパックを模式した銘柄画像BPが表記されている。このため、顧客は所望のタバコパックのダミーカード100を直感的に迅速に発見することができる。
しかも、ダミーカード100の裏面にはタバコパックの詳細な商品情報TIが表記されている。このため、顧客はカード陳列装置200から取得したダミーカード100によりタバコパックの詳細情報を確認することができる。
そして、この確認の結果として顧客によりダミーカード100がカード陳列装置200に返却されることもあるが、これをデータ管理システム1000は検出してデータ管理することができる。
さらに、本実施の形態のデータ管理システム1000では、カード陳列装置200は、一人の顧客しか利用が困難な横幅に形成されている。そして、データ管理部410は、所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データを一人の顧客によると判定する。
このため、例えば、一人の顧客がカード陳列装置200からダミーカード100を取得し、詳細情報を確認してからカード陳列装置200に返却した場合、これを一人の顧客の動向と検出してデータ管理することができる。
また、一人の顧客がカード陳列装置200からタバコパックA,Bのダミーカード100を取得し、詳細情報により比較検討してからタバコパックBのダミーカード100をカード陳列装置200に返却したような場合でも、これを一人の顧客の動向と検出してデータ管理することができる。
また、一人の顧客がカード陳列装置200からタバコパックAのダミーカード100を取得し、詳細情報を確認してタバコパックAのダミーカード100を返却するとともにタバコパックBのダミーカード100を取得したような場合も、これを一人の顧客の動向と検出してデータ管理することができる。
本実施の形態のデータ管理システム1000では、上述のように連続する複数の移動履歴データが一人の顧客によるか複数の顧客によるかを自動的に判定して提示することができる。このため、移動履歴データを有効な販売戦略の立案に利用することができる。
しかも、移動履歴データにはダミーカード100の取得や返却の日時も設定されている。このため、例えば、あるタバコパックAのダミーカード100は一人の顧客に取得された直後に返却されるが、タバコパックBのダミーカード100は取得されてから返却されるまで時間がかかる、なども検出することができる。
従って、タバコパックAの詳細情報には顧客が関心を示さないが、タバコパックBの詳細情報には顧客が関心を示す。または、タバコパックAの詳細情報は確認が容易であるが、タバコパックBの詳細情報は確認が容易でない、などのようなことも分析できる。
さらに、商品が新製品の場合、従来は販売履歴データが充分に蓄積されるまで、効果的な販売戦略を立案することができなかった。また、商品が新製品の場合には、実際の販売数量より顧客の関心度が重要である。
しかし、本実施の形態のデータ管理システム1000では、上述のように販売されなかった商品でも顧客の関心度を移動履歴データにより分析することができる。このため、商品が新製品の場合でも迅速に効果的な販売戦略を立案することができる。
特に、新製品の宣伝などをダミーカード100に詳細情報として表記することができる。この場合、その宣伝が顧客に確認された結果、そのダミーカード100が返却されたかなどを前述のように検出できる。このため、宣伝の内容が適切かなどを分析することができる。
また、新製品に対応したダミーカード100として、同一種類のタバコパックに対して宣伝内容が相違する複数種類を用意するようなこともできる。この場合、宣伝内容によりダミーカード100が返却される割合などを分析できるので、そのタバコパックに適正な宣伝内容を判定するようなことができる。
さらに、本実施の形態のデータ管理システム1000では、従来と同様に販売履歴データも収集されて管理され、その販売履歴データごとに対応する移動履歴データが関連されて管理される。
前述のように取得されてから返却されたダミーカード100のタバコパックは、販売履歴データが発生しないが移動履歴データは発生する。このため、販売履歴データに関連された移動履歴データと、販売履歴データに関連されない移動履歴データとにより、購入されたタバコパックへの顧客の関心度と、購入されなかったタバコパックへの顧客の関心度とを、個々に分析するとともに比較検討するようなことができる。
例えば、あるタバコパックA,Bの販売数量が同等の場合でも、タバコパックAは他のタバコパックB,Cなどと比較されることなく購入されているが、タバコパックBはタバコパックCと比較された結果として購入されている、などのようなことを分析できる。
また、例えば、あるタバコパックAに比較してタバコパックB,Cが少数しか販売されないような場合でも、タバコパックBはタバコパックAの比較対象として頻発に検討されているが、タバコパックCは見向きもされていない、などのようなことを分析できる。
また、例えば、タバコパックAはタバコパックB,Cと比較された結果として購入される場合が多数であるが、タバコパックBはタバコパックAとは比較されるもののタバコパックCとは比較されずに購入される場合が多数であり、タバコパックCはタバコパックA,Bなどと比較されることなく購入される場合が多数である、などのようなことも分析できる。
また、当然ながら販売履歴データにも日時が設定されている。このため、カード陳列装置200からダミーカード100が取得されてからタバコパックが販売されるまでの経過時間も検出することができる。このため、購入されたタバコパックの種類と顧客の滞在時間とを関連させて分析するようなことができる。
また、例えば、日中はタバコパックを比較して購入する顧客が多数であるが、夜間はタバコパックを比較することなく購入する顧客が多数である、などのようなことも分析できる。
なお、上述のように移動履歴データの発生から販売履歴データの発生までは時間が経過するが、本実施の形態のデータ管理システム1000では、販売履歴データの登録時点から所定の時間以内で最古の移動履歴データが対応すると判定される。
しかも、所定の時間以内に対応する移動履歴データが検出されないと、所定の時間以外で最新の移動履歴データが対応すると判定される。このため、簡単な処理で販売履歴データと移動履歴データとを一対一に関連させることができる。
さらに、本実施の形態のデータ管理システム1000では、複数種類のダミーカード100のカード陳列装置200での配列がカード配列データとして登録され、そのカード配列データに移動履歴データが関連されて管理される。このため、ダミーカード100への顧客の関心度を、カード陳列装置200での配列にも対応して分析することができる。
さらに、カード陳列装置200は、電源がオンされるとカード配列データを生成して販売管理装置400に登録する。このため、電源オフの状態で店舗はカード陳列装置200に自由にダミーカード100を配列することができ、この配列が完了したらカード陳列装置200の電源をオンするだけで、カード配列データを自動的に生成させて販売管理装置400に登録することができる。
そして、この販売管理装置400は、カード陳列装置200から移動履歴データが入力されるごとに最新のカード配列データに関連させる。このため、カード陳列装置200でのダミーカード100の配列が変更されても、移動履歴データを適正なカード配列データに簡単に関連させることができる。
また、本実施の形態のカード陳列装置200は、カード陳列ボード260とボード支持台座270との前面上部に広告シート262,271が配置されている。このため、ダミーカード100を取得する顧客に効果的にタバコパックなどを宣伝することができる。
特に、上述の広告シート262,271がカード陳列ボード260とボード支持台座270とに交換自在に配置されているので、その交換により様々な宣伝を実行することができる。
さらに、本実施の形態のカード陳列装置200は、カード陳列ボード260の上端に形成されている案内ボード261と、ボード支持台座270の上面に装着されている案内シート272とに、ダミーカード100の利用方法がガイダンスメッセージで表記されている。
このため、新規なダミーカード100を顧客に簡単に利用させることができる。特に、案内ボード261には、ダミーカード100の利用方法が模式画像で表記されているので、ダミーカード100の利用方法を極めて容易に顧客に報知することができる。
しかも、本実施の形態のカード陳列装置200は、ボード支持台座270にカード陳列ボード260が着脱自在に装着されている。このため、例えば、カード陳列ボード260の交換により、陳列するダミーカード100の銘柄を短時間に一新するようなこともできる。
例えば、カード陳列装置200が設置される販売店舗としては24時間営業のコンビニエンスストアなどがありえる。このような販売店舗では、陳列するダミーカード100の銘柄変更などは、顧客が最少となる時間に実行することになる。このため、上述のような作業を極短時間に完了できることは重要である。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではカード陳列装置200のRFIDリーダ220による商品データの受信停止と受信再開とにより、カード保持部210からダミーカード100が取得されたことと返却されたことが判定されて移動履歴データが生成されることを例示した。
しかし、RFIDリーダ220による商品データの受信開始により、カード保持部210から取得されて相違するカード保持部210に返却されたダミーカード100を検出して移動履歴データを生成してもよい。
例えば、タバコパックAとタバコパックBとのダミーカード100が取得されてからタバコパックAのダミーカード100が返却されるような場合、このタバコパックAのダミーカード100はタバコパックBのカード保持部210に返却される可能性が高い。
従って、タバコパックA,Bのダミーカード100が取得された直後に、タバコパックAのダミーカード100がタバコパックBのカード保持部210に返却されたようなときに、これを一人の顧客によるタバコパックA,Bの比較の動向として高確率に抽出するようなことが可能となる。
さらに、上記形態ではカード陳列装置200としてボード支持台座270でカード陳列ボード260が支持されている構造を例示した。しかし、図12に示すように、ボード支持台座270から分離したカード陳列ボード260を、ワイヤハーネス264などで販売店舗の壁面に配置してカード陳列装置200aとすることもできる。なお、上述のようにカード陳列ボード260を単体で使用する場合、その下端前面に余白が発生するので、そこに広告シート265を装着してもよい。
また、上記形態ではダミーカード100の下端中央にRFIDチップ110が配置されているとともに、カード保持部210の直下にRFIDリーダ220が配置されていることを例示した。
しかし、RFIDチップ110がダミーカード100の中心や側部などに配置されていてもよく、一対のRFIDチップ110がダミーカード100の上端と下端とに配置されていてもよい(図示せず)。
ただし、ダミーカード100のRFIDチップ110とカード保持部210のRFIDリーダ220とは、適正な配置では相互に良好に通信できるが、不適な配置では通信しない構造であることがよい。
例えば、図13に例示するように、ダミーカード500の上部に左右方向に幅広の貫通孔510が形成されており、この貫通孔510でダミーカード500を保持する幅広のL字フックとしてカード陳列装置520のカード保持部530が形成されていてもよい。
この場合、例えば、ダミーカード500は、貫通孔510の直下にRFIDチップ110が配置されており、カード陳列装置520は、カード保持部530の下面にRFIDリーダ220が配置されていることがよい。
このようなカード保持部530は、例えば、上部および側部がRFIDリーダ220の通信を遮断する金属などで形成されており、RFIDリーダ220が下方のRFIDチップ110のみを極短距離で検出することがよい。
さらに、上記形態ではダミーカード100の前面全域に銘柄画像BPが表記されているとともに上端に貫通孔130が形成されており、カード陳列装置200はL字フックからなるカード保持部210によりダミーカード100を保持することを例示した。
しかし、図14ないし図17に例示するように、カード陳列装置540が上面開口のボックス状のカード保持部550を有し、ダミーカード560は、表面上部に商品情報TIの一部として商品名称が表記されていてもよい。
より詳細には、このダミーカード560は、図15(a)に示すように、カード保持部550に保持された状態で露出する表面上部に商品名称が表記されており、カード陳列装置540に保持された状態で遮蔽される表面下部に販売価格やバーコード等が商品情報TIの一部として表記されている。
さらに、ダミーカード560は、図15(b)に示すように、カード陳列装置540に保持された状態で裏側となる裏面の全域に、対応するタバコパックの詳細な商品情報TIが表記されている。
カード陳列装置540は、一人の顧客しか利用が困難な横幅のカード陳列ボード541の前面に、複数のカード保持部550が上下左右に配列されている。そのカード保持部550は、例えば、上方から挿入されるダミーカード560を保持する上面開口のボックス状に不透明な樹脂で形成されている。
このため、カード保持部550は、複数のダミーカード560が積層状態で上方から挿入されると、そのダミーカード560を第一枚目の表面上部のみ露出した状態で保持する。
また、カード保持部550は、図16および図17に示すように、遮断ボックス551と透過底板552とを有する。遮断ボックス551は、ダミーカード560を保持する上面開口のボックス状に形成されており、カード陳列ボード541とともに、RFIDチップ110とRFIDリーダ220との無線通信を遮断する金属などで形成されている。
透過底板552は、遮断ボックス551の内部下方に底板として装着されている。透過底板552は、RFIDチップ110とRFIDリーダ220との無線通信を阻害しない樹脂などで形成されている。
RFIDリーダ220は、透過底板552の下面中央に装着されている。このため、カード保持部550にダミーカード560が保持されると、そのRFIDリーダ220とRFIDチップ110とが透過底板552を介して所定の極短距離で対向する。
上述のような構造でも、顧客は所望のタバコパックのダミーカード560をカード陳列装置540から取得することができ、このカード陳列装置540は取得されたダミーカード560を正確に検知することができる。
なお、上述のタバコ陳列装置540は、ボックス状のカード保持部550の底部中央にRFIDリーダ220が位置するので、前述したタバコ陳列装置200のダミーカード100を利用することができる。換言すると、タバコ陳列装置200,540を併設してダミーカード100を共用してもよい。
また、上記形態ではカード陳列装置200が一個のカード陳列ボード260からなることを例示した。しかし、図18および図19に例示するように、カード陳列装置570が相互に連結できる複数のカード陳列ボード580を有してもよい。
より詳細には、カード陳列ボード580は、例えば、250mm程度の上下高と、一人の顧客しか利用が困難な220〜230mm程度の左右幅と、に形成されている。カード陳列ボード580は、前面に二行三列にカード保持部210とRFIDリーダ220とが配列されている。
ただし、第一行目の中央の位置には、無色透明な樹脂製のシートホルダ581が装着されており、そこに小型の広告シート262が挿入されている。そのシートホルダ581は、上下方向で半円筒状に湾曲して前方に突出した形状に形成されており、広告シート262は同様に湾曲されて側方から挿入されている。
また、カード陳列ボード580は、上下縁部に左右一対の連結凸部582が形成されている。カード陳列装置570は、連結凸部582がS字フック583で連結されることにより、複数のカード陳列ボード580が上下方向に配列されている。
なお、カード陳列装置570は、最上段に独立した案内ボード261を有し、この案内ボード261にカード陳列ボード580が垂下されている。案内ボード261には制御ボックス250が搭載されている。
そこで、案内ボード261の制御ボックス250とカード陳列ボード580のRFIDリーダ220とは接続コネクタ584で接続されている。その場合、複数のカード陳列ボード580は、接続コネクタ584によりチェーン接続される。
このカード陳列装置570では、所望によりカード陳列ボード580の個数を変更することができる。このため、販売するタバコパックが少数の場合には、カード陳列ボード580を少数とすることができ、販売するタバコパックが多数の場合には、カード陳列ボード580を多数とすることができる。
それでいて、カード陳列ボード580とは別体の案内ボード261に制御ボックス250は一個のみ搭載されており、この制御ボックス250に複数のカード陳列ボード580の全部のRFIDリーダ220を接続することができる。
しかも、上述の案内ボード261には、ダミーカード100の利用方法も表記されているので、複数のカード陳列ボード580の各々にダミーカード100の利用方法を表記しておく必要がない。
さらに、カード陳列ボード580は、半円筒状のシートホルダ581により、広告シート262を湾曲して前方に突出した状態で保持することができる。このため、扁平な広告シート262を立体的に保持して良好な宣伝効果を実現することができる。
しかも、広告シート262が弾性によりシートホルダ581に保持されるので、広告シート262を交換が容易な状態でシートホルダ581に良好に保持させることができる。
さらに、上記形態ではボード支持台座270から分離したカード陳列ボード260をワイヤハーネス264により壁面に垂下することを例示した。しかし、図20に例示するように、カード陳列ボードからなるカード陳列装置590が自立する構造でカウンタ(図示せず)の上面などに設置されてもよい。
このカード陳列装置590は、裏面に折畳構造のスタンド部材591が搭載されている。このため、このスタンド部材591を突出させることで、カード陳列装置590をカウンタの上面などに自立させることができる。
さらに、スタンド部材591を折り畳むことにより、カード陳列装置590をカード陳列ボードとしてボード支持台座270に支持させることもでき、ワイヤハーネス264により壁面に垂下することもできる(ともに図示せず)。
なお、このカード陳列装置590では、カード保持部592が無色透明な樹脂により上面開口のボックス状に形成されている。このため、カード保持部592に保持されたダミーカード100等の前面を良好に視認することができる。
さらに、カード保持部592の前面には値札シート263が貼着されている。このため、ダミーカード100やRFIDリーダ220のために値札シート263の視認性が低下することもない。
また、このカード陳列装置590では、上端に無色透明な樹脂製のシートホルダ593が装着されており、そこに広告シート262が挿入されている。そのシートホルダ593は、左右方向で半円筒状に湾曲して前方に突出した形状に形成されており、広告シート262は同様に湾曲されて上方から挿入されている。
このため、このカード陳列装置590も、扁平な広告シート262を立体的に保持して良好な宣伝効果を実現することができ、広告シート262を交換が容易な状態でシートホルダ593に良好に保持させることができる。
また、このカード陳列装置590は、スタンド部材591によりカウンタの上面などに自立した状態では、その前面が後傾する。このため、カード保持部592によりダミーカード100等を安定に保持することができる。
さらに、上記形態ではカード陳列装置200が平板状のカード陳列ボード260からなることを例示した。しかし、図21に例示するように、カード陳列装置600がボックス状のカード陳列ユニット610を有してもよい。
より詳細には、このカード陳列装置600は、カード陳列ユニット610とユニット支持台座620とを有する。カード陳列ユニット610は、例えば、600mm程度の上下高、一人の顧客しか利用できない400mm程度の左右幅、120〜150mm程度の前後長、に形成されている。
カード陳列ユニット610は、その前面に四行の凹部611が形成されており、その凹部611の内部に、カード保持部210やRFIDリーダ220が配置されている。なお、カード陳列ユニット610は、側面に制御ボックス250が内蔵されている。また、上端角部に広告ボード612が装着されている。
上述のような構造のカード陳列装置600では、カード保持部210やRFIDリーダ220がカード陳列ユニット610の前面から突出することがない。このため、前面の凸部による危険性を解消することができる。
さらに、カード保持部210で保持されたダミーカード100やRFIDリーダ220より前方に値札シート263が位置するので、この値札シート263の視認性が低下することがない。また、カード陳列ユニット610が立体的に形成されているので、その内部に制御ボックス250を配置することができる。
なお、このカード陳列装置600でも、カード陳列ユニット610をユニット支持台座620から分離して単体で利用することができる(図示せず)。その場合、カード陳列ユニット610は、充分な前後長があるために自立することができる。
また、このカード陳列装置600は、上端角部から広告ボード612が突出しているので、効果的にタバコパックを宣伝することができる。この広告ボード612が着脱自在なので、狭小な設置スペースに対応させる場合などは取り外すこともできる。
また、上記形態ではカード陳列装置200の各部に広告シート262,271が装着されていることを例示した。しかし、図22に例示するように、カード陳列装置630がLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイデバイス640を有し、そこに広告が画像表示されてもよい(図示せず)。
このようなカード陳列装置630は、前述のようにダミーカード100が顧客に取得されたことを検出できるので、例えば、その顧客に取得されたダミーカード100に対応するタバコパックの広告などをディスプレイデバイス640に画像表示することができる。
なお、このカード陳列装置630は、ディスプレイデバイス640の側方にもRFIDリーダ220が設置されている。このため、このRFIDリーダ220に顧客がダミーカード100を対向させても、対応するタバコパックの広告などがディスプレイデバイス640に画像表示される。
また、ダミーカード100が顧客に取得されたときには、ディスプレイデバイス640にダミーカード100の利用方法を画像表示し、ダミーカード100がディスプレイデバイス640の側方のRFIDリーダ220に対向されたときには、対応するタバコパックの広告を画像表示する、ようなこともできる。
さらに、上記形態ではダミーカード100が一度に複数の顧客に取得されることを防止するため、カード陳列装置200の左右幅が制限されていることを例示した。しかし、図23に例示するように、カード陳列装置200bが、一人の顧客しか対面を困難とするガイド部材280を有してもよい。
このガイド部材280は、カード陳列装置200bの左右から前方に位置する一対からなり、その内幅は400〜500mm程度となっている。このため、ダミーカード100が一度に複数の顧客に取得されることを確実に防止することができる。
また、上記形態では一人の顧客しか利用が困難な横幅にカード陳列装置200が形成されており、所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データが一人の顧客によると判定されることを例示した。
しかし、カード陳列装置が複数の顧客でも利用できる幅広に形成されており、一人の顧客しか利用が困難な位置関係の複数のカード保持部210で所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データが一人の顧客によると判定されてもよい。
例えば、上下左右に隣接するカード保持部210を一人の顧客しか利用が困難な位置関係と設定すれば、このような位置関係の複数のカード保持部210で同時や連続に発生した複数の移動履歴データを一人の顧客によると判定することができる。
さらに、所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データのパターンを抽出し、抽出結果から頻発しているパターンが一人の顧客によると判定されてもよい。例えば、タバコパックA,Bが取得された直後にタバコパックBが返却される、タバコパックBが取得されてから返却された直後にタバコパックAが取得される、等のような所定パターンが頻発する場合、それを一人の顧客の動向として確率的に抽出することができる。
また、上記形態では一人の顧客の動向かを判定する基準時間が統計結果などに基づいて三分などに設定されていることを例示した。しかし、このような基準時間は各種に設定することができ、各種の条件に対応して動的に変化させてもよい。
例えば、このような基準時間を駅前の店舗や大学周辺の店舗では短時間に設定し、住宅街の店舗では長時間に設定するようなこともできる。さらに、基準時間を通勤通学時には短縮し、深夜には延長するようなこともできる。
また、販売履歴データの発生頻度が高いときには顧客の回転率が高いとして基準時間を短縮し、販売履歴データの発生頻度が低いときには顧客の回転率が低いとして基準時間を延長するようなこともできる。
同様に、販売履歴データと移動履歴データとを関連させる所定時間も、店舗形態に対応して設定することや、時刻や販売履歴データの発生頻度に対応して可変させるようなことができる。
また、上記形態では同一のタバコパックに対応したダミーカード100のRFIDチップ110には共通の商品データが記録されており、販売履歴データと移動履歴データとを確率的に関連させることを例示した。
しかし、ダミーカード100のRFIDチップ110に個体ごとの識別データが記録されており、これをカード陳列装置200や販売管理装置400が認識してもよい。この場合、RFIDチップ110の個体ごとの識別データにより、移動履歴データと販売履歴データとを確実に一対一に関連させることができる。
さらに、上記形態ではカード陳列装置200が複数のRFIDリーダ220で受信される商品データからカード配列データを生成して販売管理装置400に登録することを例示した。
しかし、カード陳列装置200や販売管理装置400が入力操作されるカード配列データを保持してもよい。その場合、カード陳列装置200や販売管理装置400が、保持されているカード配列データとカード陳列装置200の複数のRFIDリーダ220で受信される商品データとの整合を確認し、整合が確認されないと配列の確認を報知することがよい。
また、上記形態では複数種類のダミーカード100がカード陳列装置200の複数のカード保持部210に一対一に配列されることを例示した。しかし、複数種類のダミーカード100と複数のカード保持部210との関係を一対多としてもよい。この場合、同一のダミーカード100が複数のカード保持部210に分散されて陳列される。このため、陳列の位置による顧客の動向などを詳細に分析することができる。
さらに、上記形態ではカード陳列装置200がRFIDリーダ220により検知される商品データによりカード配列データと移動履歴データとを生成することのみ例示した。
しかし、RFIDリーダ220により検知される商品データにより、カード保持部210に保持されているダミーカード100の現在在庫データを生成し、生成された現在在庫データを販売登録装置300などで出力してもよい。この場合、販売登録装置300の位置で作業する店員が、カード陳列装置200でのダミーカード100の在庫状況をリアルタイムに確認することができる。
さらに、上述のような現在在庫データによりカード保持部210での商品の不足が検出され、不足が検出されたダミーカード100とカード保持部210とが販売登録装置300などで報知されてもよい。
この場合、販売登録装置300の位置で作業する店員が、カード陳列装置200でのダミーカード100の不足を迅速に把握することができる。このため、販売登録装置300の位置に保持されているダミーカード100をカード陳列装置200に迅速に補給するようなことができる。
また、カード保持部210から取得されて相違するカード保持部210に返却されたダミーカード100が移動履歴データや現在在庫データにより検出され、検出された商品とカード保持部210とが販売登録装置300などに報知されてもよい。
この場合、顧客などによりダミーカード100がカード陳列装置200の不適なカード保持部210に返却されても、そのカード保持部210とダミーカード100とを店員が確実に把握して修正することができる。
さらに、上記形態ではカード陳列装置200に移動生成部230と配列生成部240とが実装されていることを例示した。しかし、この移動生成部230や配列生成部240が販売管理装置400に実装されていてもよい。
反対に、上記形態では販売管理装置400にデータ管理部410が実装されていることを例示したが、このデータ管理部410がカード陳列装置200に実装されていてもよい。
また、移動生成部230と配列生成部240との少なくとも一方が販売登録装置300に実装されていてもよく、販売登録装置300と販売管理装置400とが兼用されていてもよい。
さらに、上記形態では説明を簡単とするため、一個の店舗にデータ管理システム1000が構築されていることを例示した。しかし、複数の店舗のカード陳列装置200と販売登録装置300とが一個の本部の販売管理装置400に接続されているデータ管理システム(図示せず)などでもよい。
また、本実施の形態ではカード陳列装置200の移動生成部230や配列生成部240がコンピュータプログラムにより各種機能として論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各部の各々を固有のハードウェアとして形成することもでき、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実現することもできる。
さらに、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。