JP4912967B2 - 自動ドア - Google Patents

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本発明は、ドアを開閉する自動ドアに関するものである。
特許文献1には、閉位置にあるドアを閉じる方向に付勢することで、電気錠を構成するロッドと鉄片との間に隙間を生じさせ、ドアを全閉位置から全開位置に移動させるときのロッドの移動をスムーズにして電気錠の解錠動作がもたつくことを防止し、一定のタイミングでドアを開作動させる技術が開示されている(段落[0035]〜[0036])。
特開平6−50056号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、閉位置にあるドアを開くための開信号が出力されてから、ドアの閉方向への付勢を解除した上で、更に電気錠の解錠動作が開始されているため、ドアが開動作を開始するタイミングが遅れ、通行人がドアに到達するまでにドアを速やかに開放することができず、通行人のスムーズな歩行を妨げてしまうという問題があった。
本発明の目的は、通行人のスムーズな歩行を可能とする自動ドアを提供することである。
本発明による自動ドアは、出入口に設けられたドアを開閉させる開閉駆動部と、前記出入口の近傍に設定された起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知すると共に、前記起動検知エリアに対し、前記出入口とは反対側に設定された予備検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知するセンサ部と、閉位置にある前記ドアを施錠する施錠部と、前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記施錠部に解錠動作を開始させ、前記起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアを開かせる制御部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、予備検知エリアに通行人が存在することがセンサ部により検知されたときに、施錠部によりドアの解錠動作が開始されるため、通行人が起動検知エリアに到達するまでに前もって解錠動作が開始されることとなり、ドアの開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予が生じ、例えば施錠するための機構がこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人に与える影響は少なく、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
また、前記起動検知エリアと前記予備検知エリアとの間に予備起動検知エリアが設定され、前記センサ部は、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを更に検知し、前記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることが好ましい。
この構成によれば、閉位置にあるドアを閉方向に付勢する機能を備える自動ドアにおいて、予備起動検知エリアで通行人が検知されることにより、ドアへの付勢を予め解除するので、例えば、モータによってドアを閉方向に付勢している場合では、極性の瞬間的な切換の影響もなく開動作を開始する際に開方向への極性の切換が速やかに行われ、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
また、前記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることが好ましい。
この構成によれば、通行人が起動検知エリアに到達するまでに前もって解錠動作と、閉方向への付勢の解除動作とが開始されることとなるため、ドアの開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予が生じ、例えば施錠するための機構がこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人に与える影響は少なく、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。更に例えば、モータによってドアを閉方向に付勢している場合では、極性の瞬間的な切換の影響もなく開動作を開始する際に開方向への極性の切換が速やかに行われる。
また、本発明による自動ドアは、出入口に設けられたドアを開閉させる開閉駆動部と、前記ドアに配設され、前記ドアを開放させるための通行人による操作入力を受け付ける操作部と、前記出入口から所定距離離間して設定された予備検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知するセンサ部と、閉位置にある前記ドアを施錠する施錠部と、前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記施錠部に解錠動作を開始させ、前記操作部により前記ドアを開放させるための通行人による操作入力が受け付けられたとき、前記開閉駆動部に前記ドアを開かせる制御部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、予備検知エリアに通行人が存在することがセンサ部により検知されたときに、施錠部によりドアの解錠動作が開始されるため、通行人が操作部を操作するまでに前もって解錠動作が開始されることとなり、ドアの開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予が生じ、例えば施錠するための機構がこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人に与える影響は少なく、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
また、前記予備検知エリアに対し、前記出入口とは反対側に予備起動検知エリアが設定され、前記センサ部は、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを更に検知し、前記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることが好ましい。
この構成によれば、閉位置にあるドアを閉方向に付勢する機能を備える自動ドアにおいて、予備起動検知エリアで通行人が検知されることにより、ドアへの付勢を予め解除するので、例えば、モータによってドアを閉方向に付勢している場合では、極性の瞬間的な切換の影響もなく開動作を開始する際に開方向への極性の切換が速やかに行われ、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
また、前記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることが好ましい。
この構成によれば、通行人が操作部を操作するまでに前もって解錠動作と、閉方向への付勢の解除動作とが開始されることとなるため、ドアの開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予が生じ、例えば施錠するための機構がこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人に与える影響は少なく、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。更に例えば、モータによってドアを閉方向に付勢している場合では、極性の瞬間的な切換の影響もなく開動作を開始する際に開方向への極性の切換が速やかに行われる。
本発明によれば、予備検知エリアに人又は物体が存在することがセンサ部により検知されたときに、施錠部によりドアの解錠動作が開始されるため、通行人が起動検知エリアに到達するまでに前もって解錠動作が開始されることとなり、ドアの開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予が生じ、例えば施錠するための機構がこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人に与える影響は少なく、その結果、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 (実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による自動ドア1の全体構成を示している。図1に示すように、自動ドア1は、マンションなど24時間出入が必要で、セキュリティを要する建物において、通行人が通るための出入口13を開閉するものであり、出入口13を開閉するための片引きの引戸式のドア11を備えている。なお、図1において、出入口13に対して左側が建物の屋内を示し、右側が建物の屋外を示している。また、図1に示すx方向はドア11がスライドする方向を示し、y方向はドア11から屋内に向けて離れていく方向を示し、z方向は水平方向に直交する高さ方向を示し、各々直交する。
出入口13は、建物の壁部に矩形状に形成された開口に三方枠を嵌め込むことによって構成されている。出入口13において、ドア11の例えば両側には、壁面12(図2参照)が配設されている。出入口13の上側には無目14が配設されている。無目14は、出入口13の上縁部に沿って延びるように細長形状を有している。無目14には、ドア11を開閉駆動させるための開閉駆動部50(図4参照)が収納されている。この開閉駆動部50は、例えばベルト駆動方式のものであり、モータ51(図4参照)と、モータ51の駆動によって周回する無端ベルトと、無端ベルト及びドア11を連結するドアハンガとを備えている。そして、ドア11は、無端ベルトの周回に伴ってx方向に、所定の開位置及び閉位置間を往復移動する。出入口13の周囲の壁の屋外側には、屋外から屋内に入室しようとする通行人が入室する権限を有するか否かの認証を行う認証装置40が配設されている。
センサ部30は、無目14の屋内側面に取り付けられ、出入口13の屋内側の所定領域である検知エリアR内に通行人等の人又は物体が存在するか否かを検知する。センサ部30は、例えば反射式の赤外線センサによって構成され、赤外線を投光する図略の投光器と、この投光器からの反射光を受光する図略の受光器とを備えている。投光器は多数の投光素子からなり、受光器は多数の受光素子からなる。そして、各投光素子と各受光素子とがそれぞれペアーとなり、これらがそれぞれ検知スポットを有している。
なお、センサ部30としては、赤外線を用いたセンサの代わりに、電波を検知エリアR内に出射し、通行人などからの反射波を検知する電波センサを用いても良いし、カメラで検知エリア内の画像を取り込み、通行人の存在の有無を検知する画像センサを用いてもよい。
検知エリアRは、出入口13の上方に配置された投光器の各投光素子から下方に向かって出射された赤外線の通過領域の集合体、すなわち検知スポットの集合体として形成されるものであり、屋内側のドア11の近傍の所定の領域である起動検知エリアR1と、起動検知エリアR1に対してドア11の反対側に設定された予備検知エリアR3と、起動検知エリアR1と予備検知エリアR3との間に設定された予備起動検知エリアR2とを備えている。
図2は、検知エリアRを上方向から見たときの図である。図2に示すように、起動検知エリアR1は、通行人が侵入することによりドア11の開動作を開始するための領域であり、ドア11の屋内側に近接して、ドア11に沿って形成されており、x方向の長さがL11であり、y方向の長さがL21である。ここで、L11としては、ドア11の幅方向の長さとほぼ同じ、またはその長さよりも多少大きな長さが採用される。また、L21としては、例えば通行人等が起動検知エリアR1に侵入してからドア11に到達するまでに要する時間が、ドア11が開動作を開始してから通行可能な開口幅になるまでに要する時間となるような長さが採用される。
予備起動検知エリアR2は、x方向の長さがL11であり、y方向の長さがL22であり、起動検知エリアR1のx方向に沿って形成された、ドア11とは反対側に隣接する位置に設定された領域である。ここで、L22としては、例えば通行人等が予備起動検知エリアR2に侵入してから起動検知エリアR1に到達するまでに要する時間が、ドア11への付勢の解除動作と、開動作を行うための準備が完了するのに要する時間となるような長さが採用される。
予備検知エリアR3は、x方向の長さがL11であり、y方向の長さがL23であり、予備起動検知エリアR2のx方向に沿って形成された、ドア11とは反対側に隣接する位置に設定された領域である。ここで、L23としては、例えば通行人等が予備検知エリアR3に侵入してから予備起動検知エリアR2に到達するまでに要する時間が、ドア11への解錠動作に要する時間となるような長さが採用される。電気錠60(図4参照)は、ロッドと、このロッドをドア11に取り付けられた鉄片に穿設された孔に抜き差しするソレノイドとを備えているが、ドア11の立て付け具合やロッドの孔への入り具合によっては、ロッドを孔から抜く動作がもたつくことが生じ得る。従って、L23としては、通行人が予備検知エリアR3に侵入してから予備起動検知エリアR2に到達するまでの時間が、電気錠60の解除動作がもたついた場合を加味した時間となるような長さを採用することが好ましい。
なお、図2に代えて図3に示すように検知エリアRを設定してもよい。図3は検知エリアRを上方向から見たときの図である。図3において、起動検知エリアR1は図2に示す起動検知エリアR1と同じであるが、予備起動検知エリアR2は、起動検知エリアR1を取り囲むような「コ」の字形状に設定され、予備検知エリアR3は、予備起動検知エリアR2を取り囲むような「コ」の字形状に設定されている。
検知エリアRを図2又は図3に示すように設定することで、通行人は屋内から屋外へ出る場合、まず、予備検知エリアR3を通過し、次に、予備起動検知エリアR2を通過し、次に、起動検知エリアR1を通過することになる。
図4は、自動ドア1の電気的な構成を示すブロック図である。図4に示すように自動ドア1は、ドアコントローラ10(制御部)、電気錠コントローラ20(制御部)、センサ部30、認証装置40、開閉駆動部50、電気錠60(施錠部)、及びデータバスライン70を備えている。
ドアコントローラ10は、CPU、ROM、RAM等からなるマイコンから構成され、CPUがROMに記憶された所定の制御プログラムを実行することで、自動ドア1の全体制御を司る。センサ部30は、起動検知エリアR1に検知スポットが設定された複数対の投光素子及び受光素子と、予備起動検知エリアR2に検知スポットが設定された複数対の投光素子及び受光素子と、予備検知エリアR3に検知スポットが設定された複数対の投光素子及び受光素子とを備える。電気錠コントローラ20は、電気錠60を構成するロッドがドア11に取り付けられた鉄片に穿設された孔から抜けるように電気錠60を構成するソレノイド61を駆動させる。
特に本実施の形態においては、センサ部30は、予備検知エリアR3を構成する検知スポットの何れかの受光量が、通行人等が存在すると想定される所定の判定基準範囲の上限値を超えた場合又は判定基準範囲の下限値未満の場合、予備検知エリアR3に通行人等が存在すると判定し、データバスライン70に予備検知エリアR3が検知状態となった旨示すデータを送信するように構成されている。そして電気錠コントローラ20は、データバスライン70から予備検知エリアR3が検知状態となった旨示すデータを受信すると、電気錠60に、ドア11の解錠動作を開始させる。
また、センサ部30は、予備起動検知エリアR2を構成する検知スポットの何れかの受光量が、通行人等が存在すると想定される所定の判定基準範囲の上限値を超えた場合又は判定基準範囲の下限値未満の場合、予備起動検知エリアR2に通行人等が存在すると判定し、データバスライン70に予備起動検知エリアR2が検知状態となった旨示すデータを送信するように構成されている。
そして、ドアコントローラ10は、データバスライン70から予備起動検知エリアR2が検知状態となった旨を示すデータを受信すると、開閉駆動部50にドア11の閉方向への付勢を解除させる。
更に、センサ部30は、起動検知エリアR1を構成する検知スポットの何れかの受光量が、通行人等が存在すると想定される所定の判定基準範囲の上限値を超えた場合又は判定基準範囲の下限値未満の場合、起動検知エリアR1に通行人等が存在すると判定し、データバスライン70に起動検知エリアR1が検知状態となった旨示すデータを送信するように構成されている。
そして、ドアコントローラ10は、データバスライン70から起動検知エリアR1が検知状態となった旨示すデータを受信するとモータ51を駆動してドア11を開方向にスライドさせる。
また、認証装置40は、暗証番号を入力するためになされる通行人からの操作入力を受け付ける図略の入力装置から構成され、入力された暗証番号が、入室が許可された通行人の予め定められた暗証番号と一致するか否かを判定し、一致する場合、データバスライン70に認証が完了した旨のデータを送信するように構成されている。
また、ドアコントローラ10は、データバスライン70から認証が完了した旨のデータを受信すると、モータ51を駆動してドア11を開放させる。
開閉駆動部50は、ドア11を開方向又は閉方向にスライドさせるモータ51を備え、ドアコントローラ10の制御の下、ドア11を開閉する。モータ51は、ドアコントローラ10の制御の下、ドア11が開方向又は閉方向にスライドするように無端ベルトを周回させる。
電気錠60は、電気錠コントローラ20の制御の下、ドア11を施錠すると共にドア11の施錠を解除する。データバスライン70は、例えばCAN(Controller Area Network)バスから構成され、種々のデータが相互に送受信可能となるようにドアコントローラ10〜認証装置40を接続する。
図5は、自動ドア1の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートが実行される前、ドア11は閉位置にあり、閉方向に付勢され、電気錠60により施錠されているものとする。まず、ステップS1において、認証装置40に入力された暗唱番号が、入室が許可された通行人の予め定められた暗証番号と一致すると判定された場合(ステップS1でYES)、ドアコントローラ10によりモータ51を駆動してドア11を開放する(ステップS9)。一方、認証装置40で入力された暗証番号が入室の許可された通行人の暗証番号と一致しないと判定した場合(ステップS1でNO)、処理をステップS2に進める。これにより、入室が許可されていない通行人の屋内への侵入を防止することができる。
ステップS2において、屋内から屋外に出ようとする通行人等が予備検知エリアR3に侵入し、センサ部30が予備検知エリアR3に通行人等が存在することを検知した場合(ステップS2でYES)、電気錠コントローラ20は、電気錠60がドア11を解錠するように制御信号を出力する(ステップS3)。一方、センサ部30が予備検知エリアR3に通行人等が存在することを検知しなかった場合(ステップS2でNO)、処理がステップS1に戻される。
ステップS4において、通行人等が予備検知エリアR3から予備起動検知エリアR2に侵入し、センサ部30により予備起動検知エリアR2に通行人等が存在することが検知された場合(ステップS4でYES)、ドアコントローラ10は、モータ51の閉方向への駆動を停止し、ドア11への閉方向への付勢を解除する(ステップS5)。
一方、ステップS4において、センサ部30により予備起動検知エリアR2に通行人等が存在することが検知されず(ステップS4でNO)、センサ部30により予備検知エリアR3に通行人等が存在することが検知された場合(ステップS6でYES)、処理がステップS4に戻される。すなわち、通行人等が予備検知エリアR3に侵入してから、予備起動検知エリアR2にまだ到達していない場合には、ステップS4、S6の処理が繰り返される。
一方、ステップS6において、センサ部30により予備検知エリアR3に通行人等が存在しないことが検知された場合(ステップS6でNO)、すなわち、予備検知エリアR3に侵入した通行人等が検知エリアR外に移動した場合、電気錠コントローラ20は、電気錠60がドア11を施錠するように、電気錠コントローラ20に制御信号を出力し(ステップS7)、処理をステップS1に戻す。
ステップS8において、通行人等が予備起動検知エリアR2から起動検知エリアR1に侵入し、センサ部30により起動検知エリアR1に通行人等が存在することが検知された場合(ステップS8でYES)、ドアコントローラ10は、モータ51を駆動してドア11を開放する(ステップS9)。
ステップS12において、ドアコントローラ10は、センサ部30により通行人等が検知エリアRに存在することが検知されなくなってから、通行人等が出入口13を通過して屋内から屋外に出たと想定される所定時間が経過したとき、モータ51を駆動してドア11を閉方向にスライドさせる。そしてドア11を閉めた後、ドアコントローラ10はデータバスライン70にドア11が閉位置にあることを示すデータを送信し、モータ51の閉方向への駆動を継続してドア11を閉方向に付勢する。電気錠コントローラ20は、ドア11が閉位置にあることを示すデータを受信すると、電気錠60にドア11を施錠させ、処理をステップS1に戻す。
一方、ステップS8において、センサ部30により起動検知エリアR1に通行人等が存在することが検知されず(ステップS8でNO)、センサ部30により通行人等が予備起動検知エリアR2に存在することが検知された場合(ステップS10でYES)、処理がステップS8に戻される。すなわち、通行人等が予備起動検知エリアR2に侵入してから起動検知エリアR1に到達していない場合、ステップS8、S10の処理が繰り返される。
一方、ステップS10において、センサ部30により通行人等が予備起動検知エリアR2に存在することが検知されない場合(ステップS10でNO)、すなわち、通行人等が予備起動検知エリアR2に侵入した後、起動検知エリアR1及び予備起動検知エリアR2外に移動した場合、ドアコントローラ10は、モータ51を駆動してドア11を閉方向に付勢し(ステップS11)、処理をステップS6に戻す。
以上説明したように、自動ドア1によれば、予備検知エリアR3に通行人等が存在することがセンサ部30により検知された場合、電気錠60によりドア11の解錠動作が開始されるため、ドア11の開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予ができ、例えば電気錠60を構成するロッドがドア11に取り付けられた鉄片に穿設された孔とこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人等が起動検知エリアR1に到達するまでには、解錠動作を完了させ、通行人等が起動検知エリアR1に侵入すると速やかにドア11の開動作を開始することが可能となり、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
また、通行人が予備起動検知エリアR2に侵入したときにドア11への付勢が予め解除されるため、モータ51に負荷している電圧極性の瞬間的な切換の影響もなく開動作を開始する際に開方向への極性の切換が速やかに行われ、その結果、通行人が起動検知エリアR1に侵入すると速やかにドア11の開動作を開始させることが可能となり、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による自動ドア1aについて説明する。図6は、本発明の実施の形態2による自動ドア1aの全体構成を示している。図6に示すように、自動ドア1aは検知エリアRが予備起動検知エリアR2を備えていないことを特徴とする。なお、自動ドア1aにおいて自動ドア1と同一のものは説明を省略する。また、自動ドア1aは自動ドア1と電気的構成が同様であるため、図4を用いる。
図7は、検知エリアRを上方向から見たときの図である。図7に示すように、検知エリアRは起動検知エリアR1と予備検知エリアR3とを備えている。起動検知エリアR1は、ドア11の屋内側に近接して、ドア11に沿って形成されており、x方向の長さがL11であり、y方向の長さがL21´である。ここで、L11としては、例えば、ドア11の幅方向の長さとほぼ同じ、またはその長さよりも多少大きな長さが採用される。また、L21´としては、例えば、通行人等が起動検知エリアR1に侵入してからドア11に到達するまでに要する時間が、ドア11が開動作を開始してから通行可能な開口幅になるまでに要する時間となるような長さが採用される。
予備検知エリアR3は、x方向の長さがL11であり、y方向の長さがL23´であり、起動検知エリアR1のx方向に沿って形成された、ドア11とは反対側の一辺に隣接する位置に設定された領域である。ここで、L23´としては、例えば、通行人等が予備検知エリアR3に侵入してから起動検知エリアR1に到達するまでに要する時間が、ドア11への施錠の解除動作が開始されてから終了された後、ドア11の閉方向への付勢が解除されるまでに要する時間となるような長さが採用される。
なお、図7に代えて図8に示すように検知エリアRを設定してもよい。図8は検知エリアRを上方向から見たときの図である。図8において、起動検知エリアR1は図7に示す起動検知エリアR1と同じであるが、予備検知エリアR3は、起動検知エリアR1を取り囲むような「コ」の字形状に設定されている。
検知エリアRを図7又は図8に示すように設定することで、通行人等は屋内から屋外へ出る場合、まず、予備検知エリアR3を通過し、次に、起動検知エリアR1を通過することになる。
図9は、自動ドア1aの動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートが実行される前、ドア11は閉位置にあり、閉方向に付勢され、電気錠60により施錠されているものとする。ステップS21〜S22の処理は図6に示すステップS1〜S2と同様であるため、説明を省略する。
ステップS23において、電気錠コントローラ20は電気錠60がドア11を解錠するように制御すると共に、ドアコントローラ10はモータ51の閉方向への駆動を停止させ、ドア11の閉方向への付勢を解除する。すなわち、通行人等が予備検知エリアR3に侵入したとき、電気錠60によるドアの施錠を解除すると共に、ドア11の閉方向への付勢を解除する。
ステップS24において、通行人等が予備検知エリアR3から起動検知エリアR1に侵入し、センサ部30により起動検知エリアR1に通行人等が存在することが検知された場合(ステップS24でYES)、ドアコントローラ10は、モータ51を駆動してドア11を開放する(ステップS25)。ステップS29の処理は図5に示すステップS12と同一であるため、説明を省略する。
一方、ステップS24において、センサ部30により起動検知エリアR1に通行人等が存在することが検知されず(ステップS24でNO)、センサ部30により予備検知エリアR3に通行人等が存在することが検知された場合(ステップS26でYES)、処理がステップS24に戻される。すなわち、通行人等が予備検知エリアR3に侵入してから、起動検知エリアR1にまだ到達していない場合、ステップS24、S26の処理が繰り返される。
一方、ステップS26において、センサ部30により予備検知エリアR3に通行人等が存在しないことが検知された場合(ステップS26でNO)、すなわち、予備検知エリアR3に侵入した通行人等が検知エリアR外に移動した場合、電気錠コントローラ20は、電気錠60がドア11を施錠するように、制御すると共に、ドアコントローラ10は、モータ51を駆動してドア11を閉方向に付勢し(ステップS28)、処理をステップS21に戻す。
このように、自動ドア1aによれば、予備検知エリアR3に通行人等が存在することがセンサ部30により検知された場合、電気錠60によりドア11の解錠動作が開始されると共に、ドア11の閉方向の付勢が解除されるため、ドア11の開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予ができ、例えば電気錠60を構成するロッドがドア11に取り付けられた鉄片に穿設された孔とこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人等が起動検知エリアR1に到達するまでには、解錠動作を完了させ、通行人等が起動検知エリアR1に侵入すると速やかにドア11の開動作を開始することが可能となり、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
なお、実施の形態2の自動ドア1aは、閉状態にあるドア11を閉方向に付勢する機能を有するものであったが、これに限定されず、閉状態にあるドア11を閉方向に付勢する機能を有さないものであっても良い。この場合、ステップS23において、電気錠60にドア11の解錠のみ行えばよくなる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による自動ドア1bについて説明する。自動ドア1bは、通行人にタッチスイッチ80を操作させてドア11を開放させることを特徴とする。なお、自動ドア1bにおいて自動ドア1と同一のものは説明を省略する。
図10は、自動ドア1bの全体構成図である。図1との相違点は、ドア11の屋内側においてz方向の中央部付近にタッチスイッチ80が設けられていると共に、起動検知エリアR1に代えて、開閉可能エリアR1´が設定されている点にある。開閉可能エリアR1´は、そのエリア内に通行人等が存在する場合において、通行人によりタッチスイッチ80が押されたときにドア11を開放させるエリアであり、その形状や配置位置は、起動検知エリアR1と同一である。
図11は、自動ドア1bの電気的な構成を示すブロック図である。図11に示すように自動ドア1bは、自動ドア1に対して更にタッチスイッチ80(操作部)を備えている。
ドアコントローラ10は、開閉可能エリアR1´に通行人等が存在することがセンサ部30により検知された場合において、ドア11を開放するための操作入力がタッチスイッチ80により受け付けられたとき、モータ51を駆動してドア11を開放する。タッチスイッチ80は、図1に示すドア11の屋内側においてz方向の中央部付近に設けられ、通行人により押されることで、通行人によりドア11を開放するための操作入力を受け付け、そのことをドアコントローラ10に通知する。
図12は、自動ドア1bの動作を示すフローチャートである。ステップS41〜S47、S49〜S52は、図5に示すステップS1〜S7、S9〜S12と同一であるため説明を省略する。
ステップS48において、通行人等が予備起動検知エリアR2から開閉可能エリアR1´に侵入し、センサ部30により開閉可能エリアR1´に通行人等が存在することが検知され(ステップS48でYES)、タッチスイッチ80により通行人からドア11を開放するための操作入力が受け付けられると(ステップS53でYES)、ドアコントローラ10は、モータ51を駆動してドア11を開放する(ステップS49)。すなわち、通行人が予備検知エリアR3、予備起動検知エリアR2、及び開閉可能エリアR1´へと順次侵入し、タッチスイッチ80を押すと、ドアコントローラ10は、ドア11を開放する。
一方、ステップS53において、タッチスイッチ80がドア11を開放するための操作入力を受け付けない場合(ステップS53でNO)、処理がステップS48に戻される。
ステップS48において、センサ部30により開閉可能エリアR1´に通行人等が存在することが検知されず(ステップS48でNO)、センサ部30により通行人等が予備起動検知エリアR2に存在することが検知された場合(ステップS50でYES)、処理がステップS48に戻される。すなわち、通行人等が予備起動検知エリアR2に侵入してから起動検知エリアR1に到達していない場合、ステップS48、S50の処理が繰り返される。
このように、自動ドア1bによれば、通行人等が予備検知エリアR3に侵入すると解錠動作が開始されるため、ドア11の開動作のタイミングまでに解錠をリトライする時間的猶予ができ、例えば電気錠60を構成するロッドがドア11に取り付けられた鉄片に穿設された孔とこじて解錠しにくい状態であって、解錠動作を何度も繰り返すなどして解錠動作がもたついたとしても、通行人がタッチスイッチ80を操作した時、速やかにドア11の開動作が開始され、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
また、ドア11の開動作が開始されるまでにドア11への付勢が予め解除されるため、モータ51に負荷している電圧極性の瞬間的な切換の影響もなく開動作を開始する際に開方向への極性の切換が速やかに行われ、その結果、通行人がタッチスイッチ80を押すと速やかにドア11の開動作を開始させることが可能となり、通行人のスムーズな歩行を実現することができる。
なお、実施の形態1〜3では、ドア11として片引き戸式のものを採用したが、これに限定されず、一対のドアから構成される両引き式のものを採用してもよい。
また、実施の形態3においては、予備起動検知エリアR2が設定されているが、予備起動検知エリアR2を省いても良い。この場合、予備検知エリアR3に通行人等が侵入した時に、電気錠60に解錠させると共に、開閉駆動部50にドア11の付勢を解除させればよい。
本発明の実施の形態1による自動ドアの全体構成を示している。 検知エリアを上方向から見たときの図である。 検知エリアを上方向から見たときの図である。 本発明の実施の形態1による自動ドアの電気的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による自動ドアの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2による自動ドアの全体構成を示している。 検知エリアを上方向から見たときの図である。 検知エリアを上方向から見たときの図である。 本発明の実施の形態2による自動ドアの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3による自動ドアの全体構成を示している。 本発明の実施の形態3による自動ドアの電気的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3による自動ドアの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1a,1b 自動ドア
10 ドアコントローラ
11 ドア
12 壁面
13 出入口
14 無目
20 電気錠コントローラ
30 センサ部
40 認証装置
50 開閉駆動部
51 モータ
60 電気錠
61 ソレノイド
70 データバスライン
80 タッチスイッチ
R 検知エリア
R1 起動検知エリア
R1´ 開閉可能エリア
R2 予備起動検知エリア
R3 予備検知エリア

Claims (5)

  1. 出入口に設けられたドアを開閉させる開閉駆動部と、
    前記出入口の近傍に設定された起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知すると共に、前記起動検知エリアに対し、前記出入口とは反対側に設定された予備検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知するセンサ部と、
    閉位置にある前記ドアを施錠する施錠部と、
    前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記施錠部に解錠動作を開始させ、前記起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアを開かせる制御部とを備え
    前記起動検知エリアと前記予備検知エリアとの間に予備起動検知エリアが設定され、
    前記センサ部は、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを更に検知し、
    前記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることを特徴とする自動ドア。
  2. 出入口に設けられたドアを開閉させる開閉駆動部と、
    前記出入口の近傍に設定された起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知すると共に、前記起動検知エリアに対し、前記出入口とは反対側に設定された予備検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知するセンサ部と、
    閉位置にある前記ドアを施錠する施錠部と、
    前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記施錠部に解錠動作のみを開始させ、前記解錠動作の完了後、前記起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアを開かせる制御部とを備え
    前記制御部は、前記起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されない場合であって、前記予備検知エリアで人又は物体の存在が前記センサ部により検知されなくなった場合、前記施錠部に前記施錠動作を行わせることを特徴とする自動ドア。
  3. 前記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることを特徴とする請求項1又は2記載の自動ドア。
  4. 出入口に設けられたドアを開閉させる開閉駆動部と、
    前記ドアに配設され、前記ドアを開放させるための通行人による操作入力を受け付ける操作部と、
    前記出入口から所定距離離間して設定された予備検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知すると共に、前記予備検知エリアに対し、前記出入口側に設定された予備起動検知エリアに人又は物体が存在するか否かを検知するセンサ部と、
    閉位置にある前記ドアを施錠する施錠部と、
    前記予備検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されたとき、前記施錠部に解錠動作のみを開始させ、前記解錠動作の完了後、前記操作部により前記ドアを開放させるための通行人による操作入力が受け付けられたとき前記開閉駆動部に前記ドアを開かせる制御部とを備え
    前記制御部は、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知されない場合であって、前記予備検知エリアで人又は物体の存在が前記センサ部により検知されなくなった場合、前記施錠部に前記施錠動作を行わせることを特徴とする自動ドア。
  5. 記制御部は、閉位置にある前記ドアが閉じる方向に付勢されるように前記開閉駆動部を制御するものであり、前記予備起動検知エリアに人又は物体が存在することが前記センサ部により検知された時、前記開閉駆動部に前記ドアへの付勢を解除させることを特徴とする請求項4記載の自動ドア。
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