JP4909918B2 - 構造躯体の補強方法および構造躯体 - Google Patents

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Description

本発明は、小規模な建物や土木構造物などにおける既設の鉄筋コンクリート製の構造躯体を後施工で補強して曲げ耐力およびせん断耐力などを増大させるための補強方法、および、当該補強方法により補強された構造躯体に関するものである。
従来から、鉄筋コンクリート製の構造躯体である既設の布基礎を後施工で補強する方法として、布基礎にアンカー材などを打ち込んで、このアンカー材の接合力により、鉄板や増設基礎などを布基礎に一体に接合する補強方法が提案されていた。しかしながら、この補強方法では、補強部分と既設基礎との接合力を主としてアンカー材により発生させているので、アンカー材を打ち込む作業に手間がかかり、また、アンカー材を打ち込むことによって既設基礎の強度や耐久性が低下するおそれがあった。また、アンカー材自体は補強材としての機能を発揮しないものであった。従って、作業手間と費用の割にはそれほど補強効果が上がらないという問題点があった。
そこで、本願の発明者は、特許文献1において、既設の布基礎をアンカー材などによって損傷せずに後施工で補強するための方法を提案している。特許文献1の補強方法は、補強用の縦筋(付加補強筋)を複数本並べてこれらを桟材でつないだ組立体、あるいは、FRP製の格子体などの補強部材を布基礎の立ち上がり部の側面にあてがってポリマーセメントモルタルを施工する。これにより、立ち上がり部を増厚して基礎幅を拡げることができると共に、縦筋やFRP製格子体などをポリマーセメントモルタルの付着力によって既設基礎に接合することができる。よって、既設基礎の耐力を損なわずに、容易にせん断耐力の増強を図ることができる。
特開2006−233671号公報
しかしながら、特許文献1の補強方法では、付加補強筋は布基礎のせん断力方向にのみ取り付けられており、また、桟材は付加補強筋の位置決め材であって布基礎における曲げ方向の荷重を負担するものではなかった。よって、布基礎の曲げ耐力を増大させることはできなかった。また、FRP格子は、引張耐力が大きく靱性も大きいことから布基礎の崩壊や損壊の防止を図ることができるものの、やはり布基礎の曲げ耐力を増大させることはできなかった。また、特許文献1の補強方法では、補強部材の布基礎への接合がポリマーセメントモルタルの付着力のみによって行われているので、接合作業が容易ではあるものの、補強効果を十分に発揮させるために、さらに接合力を高めることが要望されていた。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、建物における布基礎やべた基礎などの既設の鉄筋コンクリート製の構造躯体を後施工により補強して曲げ耐力およびせん断耐力などを増大させることができる簡易な補強方法、および、当該補強方法により補強された構造躯体を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の既設の鉄筋コンクリート製の構造躯体の補強方法は、前記構造躯体における補強部位の表面に、前記構造躯体を補強するための補強材の配置および形状に対応する凹部を形成し、前記補強部位の表面に沿って前記補強材を配置して、前記凹部内に前記補強材の少なくとも一部が収容されるように位置決めし、前記補強部位に補強用モルタルを増し打ちして、当該補強用モルタルによって前記補強材および前記凹部を覆うことを特徴とする。
このように、本発明では、既設の構造躯体の表面に凹部を形成して、補強材をこの凹部内に収容するように位置決めして補強用モルタルを増し打ちしているので、補強材を構造躯体の表面に部分的に埋め込むことができる。よって、既設の構造躯体の強度を低下させない簡易な接合方法で、補強材と構造躯体との一体化を図ることができる。これにより、既設の構造躯体に加わった荷重を効果的に後施工で取り付けた補強材に伝達することができるので、後施工による補強でも補強効果を十分に発揮させることができる。
本発明において、前記構造躯体は、住宅用基礎であるとよい。また、前記構造躯体は布基礎またはべた基礎であり、前記補強部位は前記布基礎またはべた基礎の立ち上がり部であり、当該立ち上がり部の側面に前記凹部が形成されているとよい。また、前記補強材は線材であり、前記凹部は線状の溝であるとよい。また、より具体的には、前記線材は鉄筋であるとよい。このようにすると、住宅などの布基礎またはべた基礎の立ち上がり部を増し打ち補強する際に、既設の基礎の強度を低下させずに増し打ち部と既設の基礎とを一体化できる。また、補強材として鉄筋などの線材を用いれば、線材の引張耐力によって布基礎またはべた基礎の曲げ補強やせん断補強を行うことができる。
本発明において、前記溝を前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部の長手方向または/および高さ方向に延びるように形成すると共に、前記線材を前記立ち上がり部の長手方向または/および高さ方向に延びるように配置するとよい。このようにすると、布基礎またはべた基礎における立ち上がり部の長手方向すなわち主筋方向の引張強度を増大させることができる。よって、布基礎やべた基礎の曲げ耐力を増大させることができる。また、長手方向だけでなく立ち上がり部の高さ方向すなわち縦筋方向の強度を増大させてせん断耐力を増大させることができる。
本発明において、前記溝を、前記立ち上がり部の側面に、前記長手方向または/および高さ方向に延びるようにそれぞれ複数本形成し、前記立ち上がり部の長手方向に延びる曲げ補強筋および前記立ち上がり部の高さ方向に延びるせん断補強筋をそれぞれ複数本格子状に接合した組立筋を、前記曲げ補強筋または/およびせん断補強筋の各々が、対応する方向に延びるように形成されている前記溝に少なくとも一部が収容されるように位置決めし、前記組立筋および前記溝を覆い、且つ、前記組立筋と前記溝の内面との隙間、および、前記組立筋と前記布基礎の側面との隙間を埋めるように前記補強用モルタルを増し打ちするとよい。このようにすると、布基礎やべた基礎の主筋方向または/および縦筋方向に複数本鉄筋(曲げ補強筋または/およびせん断補強筋)を取り付けることができるので、布基礎やべた基礎における立ち上がり部の曲げ耐力または/およびせん断耐力を増大させることができる。また、曲げ補強筋とせん断補強筋を互いに接合して格子状にすることにより、組立筋全体の変形を抑制し、布基礎やべた基礎における立ち上がり部との一体化を図ることができる。よって、補強効果を高めることができる。
本発明において、前記曲げ補強筋と前記せん断補強筋の接合部の近傍を、アンカー材により前記立ち上がり部に固定するとよい。このように、アンカー材を補助的に使用することにより、アンカー材による布基礎やべた基礎の損傷をできるだけ少なくしつつ、組立筋をより強固に布基礎やべた基礎と一体化できる。
本発明において、前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部が直線状に形成されている部位では、前記組立筋を、前記立ち上がり部の長手方向に少なくとも2つ隣り合って配置し、各溝に収容された各組立筋における前記曲げ補強筋同士を継手筋によって接合し、当該継手筋における前記曲げ補強筋との重ね継手部分の少なくとも一部を前記溝内に収容するとよい。このようにすると、曲げ補強筋の継手部分を部分的に溝に埋め込んで布基礎やべた基礎との一体化を図ることができるので、補強材の継手部分においても既設の基礎と補強材との一体化を図ることができる。
本発明において、前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部が直交している角部または分岐部であってその上に耐力壁が配置されていない部位では、当該角部または分岐部における直交する2側面に前記組立筋をそれぞれ配置し、当該直交する2側面の一方に形成された前記溝を、前記角部または分岐部において、他方に形成された対応する前記溝とL字状に接続し、当該L字状に接続されている前記溝に前記2側面においてそれぞれ位置決めされている前記曲げ補強筋同士をL字形の継手筋によって接合し、当該継手筋における前記曲げ補強筋との重ね継手部分の少なくとも一部を前記溝内に収容するとよい。このようにすると、布基礎やべた基礎における立ち上がり部の角部または分岐部に設けられた継手部分を部分的に溝に埋め込んで立ち上がり部との一体化を図ることができるので、補強材の継手部分においても既設の基礎と補強材との一体化を図ることができる。
本発明において、前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部がT字形または十字形に形成されている部位では、前記組立筋を、前記立ち上がり部の分岐部が接続されている直線部分において、前記分岐部の両側にそれぞれ配置し、当該分岐部の両側に配置された組立筋の一方における前記溝および前記曲げ補強筋を、他方における対応する前記溝および前記曲げ補強筋とそれぞれ同一直線上に配置し、当該同一直線上に配置された曲げ補強筋同士を、前記立ち上がり部の分岐部を貫通する継手筋によって接合し、当該継手筋における前記曲げ補強筋との重ね継手部分の少なくとも一部を前記溝内に収容するとよい。このようにすると、分岐部の両側に配置した組立筋を継手筋によって接合できる。また、継手筋を布基礎またはべた基礎における立ち上がり部の分岐部に貫通させることによって、継手筋をより強固に立ち上がり部に固定できる。
本発明において、前記継手筋と前記曲げ補強筋との重ね継手部分を、アンカー材により前記布基礎またはべた基礎に固定するとよい。このようにすると、継手部分を、より確実に既設の基礎に固定できる。
本発明において、前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部が直交している角部または分岐部では、前記組立筋を、前記角部または分岐部における入隅側の側面に配置し、当該入隅側の側面に配置された組立筋における前記曲げ補強筋の一端を、前記立ち上がり部に貫通させて固定するとよい。このようにすると、曲げ補強筋を、より確実に既設の基礎に固定できる。
本発明において、前記補強材を前記立ち上がり部の両側面に沿って配置し、当該両側面に前記補強用モルタルを増し打ちするとよい。このようにすると、補強材を既設布基礎の両面に分散させて配置することができるので、補強材の取り付け量が多い場合であっても既設布基礎と補強材との一体化を促進でき、補強用モルタルの剥離やひび割れなどの発生を抑制できる。
本発明において、前記補強用モルタルとして、ポリマーセメントモルタルを用いるとよい。このようにすると、ポリマーセメントモルタルの高い付着力によって鉄筋などの補強材と布基礎などの既設構造躯体との一体化を促進できる。
本発明の構造躯体は、上記各構成の構造躯体の補強方法により補強されていることを特徴とする。このように、本発明の構造躯体は、その表面に補強材を部分的に埋め込んでから補強用モルタルを増し打ちして補強されているので、既設の構造躯体部分の強度をほとんど低下させずに補強材と既設部分との一体化が図られている。よって、既設の構造躯体に加わった荷重を効果的に後施工で取り付けた補強材に伝達することができ、補強効果を十分に発揮させることができる。
本発明では、補強材を構造躯体の表面に部分的に埋め込んでから補強用モルタルを増し打ちしているので、既設の構造躯体の強度を低下させずに、簡易な接合方法で、補強材と構造躯体との一体化を図ることができる。これにより、既設の構造躯体に加わった荷重を効果的に後施工で取り付けた補強材に伝達することができるので、後施工による補強でも補強効果を十分に発揮させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した布基礎(構造躯体)およびその補強方法の実施の形態について説明する。
(実施形態1)
図1(a)は実施形態1における布基礎の縦断面図、図1(b)は布基礎の側面側からみた補強筋などの鉄筋の配置図である。布基礎A(構造躯体)は、T字形を上下逆向きにした断面形状であり、住宅などの低層の建物に一般的に採用されている鉄筋コンクリート製のものである。布基礎Aは、地盤面上あるいは捨てコンクリート上などに建物の外壁ラインなどに沿って所定幅および所定の厚さで形成されたフーチング部1と、フーチング部1の中央から上方に向かって垂直に立ち上がる立ち上がり部2(補強部位)を備えている。立ち上がり部2の内部には、複数本の主筋21および縦筋22を配筋して接合した組立筋23が、垂直な面内に配置されている。すなわち、布基礎Aは、いわゆるシングル配筋基礎である。
立ち上がり部2における一方の側面24には、2本の直線状の溝25a,25b(凹部)が形成されている。溝25a,25bは、布基礎Aの長手方向、すなわち、主筋21と同一方向に平行に延びており、その断面形状は半円形である。溝25aの内径は、後述する横筋31aの外径よりも一回り大きい寸法である。側面24には、溝25a,25bが形成された部分に対応して、増し打ち部3が形成されている。増し打ち部3は、既設の布基礎Aに後施工で形成されており、布基礎Aの立ち上がり部2に一体に接合されている。
増し打ち部3は、2本の横筋31a,31b(補強材/線材/曲げ補強筋)を、複数本の縦筋32(せん断補強筋)で格子状に接合した組立筋33を側面24に沿って配置し、この組立筋33を内部に埋め込むようにポリマーセメントモルタル34を増し打ちして形成されている。より詳しく説明すると、組立筋33は、横筋31a,31bが溝25a,25bにほぼ半分収容されるように位置決めされている。このとき、縦筋32は、横筋31a,31bの背面側(溝25a,25bとは反対側)に接合された状態となっている。ポリマーセメントモルタル34は、組立筋33と側面24あるいは溝25a,25bとの隙間に詰め込まれており、さらに、組立筋33の上から塗工されて組立筋33を所定のかぶり厚さ以上覆っている。これにより、増し打ち部3は、立ち上がり部2を側面24から所定寸法だけ増厚した形状になっている。なお、ポリマーセメントモルタル34の付着力を十分に発揮させるためには、組立筋33と側面24あるいは溝25a,25bとの隙間寸法を2mm程度以上にするとよい。
組立筋33は、JISなどに規定された規格値以上の強度を有するように品質管理された組立筋であり、SD295AあるいはSD345などの鋼材により形成されている。横筋31a,31bとしては、例えば、D10、D13、D16、D19などの鉄筋が持ちられる。また、縦筋32としては、D10、D13などの鉄筋が用いられる。
ポリマーセメントモルタル34は、ポルトランドセメントにエポキシ樹脂等を混入した公知のものである。例えば、JISA6203(セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂)に適合するセメント混和用ポリマーまたはこれと同等以上の品質を有するポリマーを使用してポリマーセメントモルタル34を調合することにより、その曲げ強さが6N/mm以上、圧縮強さが20N/mm以上、接着強さが1N/mm以上、接着耐久性が1N/mm以上となり、高耐久性、高接着性のポリマーセメントモルタル34が得られる。なお、ポリマーセメントモルタル34に防錆剤や早強剤、早硬剤などを混入して、施工性や耐久性を高めてもよい。
組立筋33は、横筋31a,31bが溝25a,25bに半分埋設された状態に固定され、また、付着力の高いポリマーセメントモルタル34によって布基礎Aの表面に固定されているので、後施工であるにもかかわらず、立ち上がり部2と一体化されている。よって、横筋31a,31bに布基礎Aの各部からの応力が伝達され、横筋31a,31bに布基礎Aに加わる荷重を分担させることができる。これにより、布基礎Aの曲げ耐力の補強を行うことができる。また、縦筋32にも布基礎Aの各部からの応力が伝達されるので、布基礎Aのせん断耐力の補強を行うことができる。
既設の布基礎Aに対する補強を行う際には、まず、この布基礎Aにおける鉄筋の配置や劣化状態などを調査する。そして、想定した設計荷重により布基礎Aに生じる応力に対して、必要なせん断耐力や曲げ耐力を確保するように補強設計を行う。本願出願人は、補強設計に先立って、布基礎Aに後施工で取り付ける鉄筋の配置や、補助的に用いるアンカーの有無およびその配置などをパラメータにして試験を行い、せん断耐力および曲げ耐力の補強効果を確認している。従って、これらの試験データに基づき、必要なせん断耐力および曲げ耐力を得るための布基礎Aに対する増し打ち部3の配置や寸法、各増し打ち部3における鉄筋あるいはアンカーなどの配置や寸法、種類などを決定することができる。なお、補強設計を行う際には、試験データに基づいて構造計算などにより設計荷重に対して必要十分な設計を行ってもよいが、より簡易に補強設計を行うためには、構造計算を行わず、ある一定の仕様の布基礎Aに対しては、一律に一定の仕様の増し打ち部3を形成するようにしてもよい。
次に、上記構成の増し打ち部3を形成する際の施工手順について説明する。
(1)まず、既設の布基礎Aの周囲を掘削して、布基礎Aにおける補強部位、すなわち、立ち上がり部2の側面24を外部に露出させ、側面24の下地処理を行う。例えば、側面24にコンクリートの劣化やモルタルの浮きがあれば、その部分をはつり等によって除去し、清掃する。また、立ち上がり部2の内部に配筋された鉄筋が露出していれば、その周囲の脆弱なコンクリートをはつり取り、露出した鉄筋の防錆処理を行う。
(2)次に、補強部位である立ち上がり部2の側面24に、組立筋33が固定される固定位置の墨出しを行う。その際、横筋31a,31bの配置に合わせて、側面24に溝25a,25bの溝切りを行うための墨出しを行う。
(3)続いて、墨出し位置に合わせて側面24に溝切りを行い、布基礎Aの長手方向に延びる溝25a,25bを形成する。溝25a,25bの溝幅および深さは、横筋31a,31bの径寸法に応じて決定する。
(4)次に、側面24における組立筋33の固定位置に組立筋33を位置決めして、仮固定する。このとき、スペーサなどを用いて、組立筋33と側面24あるいは溝25a,25bの内面との間の隙間を最低でも2mm確保する。より望ましくは、組立筋33を構成する各鉄筋と基礎表面すなわち側面24との間隔を、10mm以下、且つ、鉄筋径の1/2以下にするとよい。
(5)側面24におけるポリマーセメントモルタル34が塗工される部位に、ドライアウト防止のための吸水調整剤を塗布した後、ポリマーセメントモルタル34を塗工する。具体的には、横筋31a,31bおよび縦筋32などの鉄筋の周囲には、こてなどを用いて各鉄筋の裏側に隙間ができないようにポリマーセメントモルタル34を詰め込む。その後、各鉄筋の上に所定厚さまでポリマーセメントモルタル34を塗り付ける。また、鉄筋がない部位には、こて圧をかけて側面24に擦り込むようにポリマーセメントモルタル34を塗り付ける。
(6)塗工後のポリマーセメントモルタル34の表面に、仕上げとして刷毛引きを行う。また、ポリマーセメントモルタル34の施工部分を所定期間養生した後、表面に仕上げ材を施工してもよい。養生期間は、例えば、夏季3日、冬季7日などとする。仕上げが完了したら、布基礎Aの周囲の掘削部分を埋め戻して復旧する。
(実施形態1の効果)
実施形態1では、上記構成により、既設の布基礎Aに後施工で増し打ち部3を打設して補強できるので、布基礎Aを新たに打設し直すことができない場合にも、必要な耐力を確保できる。また、増し打ち部3と布基礎Aとの接合面である側面24に溝25a,25bを形成して、その内部に補強用の横筋31a,31bを位置決めして側面24に半分埋め込み、付着力の高いポリマーセメントモルタル34によって組立筋33を固定している。これにより、布基礎Aと補強用の組立筋33とが強く接着されており、布基礎Aと増し打ち部3の一体化が促進されている。よって、後施工による補強であっても、組立筋33の横筋31a,31bおよび縦筋32に、布基礎Aに加わった荷重を分担させることができ、補強効果を十分に発揮させることができる。特に、横筋31a,31bによって布基礎Aの曲げ耐力を増大させることができる。また、縦筋22としてせん断補強筋として機能する溶接鉄筋を使用することにより、せん断補強効果も得られる。
(実施形態2)
図2(a)は実施形態2における布基礎の縦断面図、図2(b)は布基礎の側面からみた鉄筋の配置図、図2(c)は布基礎の横断面図(図2(a)におけるX−X断面図)である。上記実施形態1では、組立筋33の布基礎Aへの固定はポリマーセメントモルタル34のみで行われ、アンカー材などは用いていなかったが、実施形態2では、補強用の鉄筋量を多くしてせん断耐力や曲げ耐力を大きく増加させるために、立ち上がり部2の両側面に補強用の鉄筋を分散配置している。また、アンカー材を適宜補助的に用いて補強用鉄筋を布基礎に固定している。
実施形態2では、布基礎A1における立ち上がり部2の表裏の側面である側面24A,24Bにそれぞれ増し打ち部3A,3Bを形成しているので、布基礎A1の基礎幅が両側に拡がっている。増し打ち部3A,3Bは、組立筋33と同一構成の組立筋33A,33Bを側面24A,24Bに沿ってそれぞれ位置決めして、ポリマーセメントモルタル34の増し打ちおよびSアンカー35の施工を行うことにより形成されている。側面24A,24Bにはそれぞれ溝25a,25bが形成されており、組立筋33A,33Bにおける横筋31a,31bは、溝25a,25bに半分埋め込まれるように位置決めされる。また、組立筋33Aにおける縦筋32a、および、組立筋33Bにおける縦筋32bは、図2(c)に示すように、立ち上がり部2の両側において、千鳥状に配置されている。
組立筋33Aにおける横筋31a,31bと縦筋32aとの接合部の近傍、および、組立筋33Bにおける横筋31a,31bと縦筋32bとの接合部の近傍は、それぞれ、Sアンカー35によって布基礎A1に接合されている。Sアンカー35は、異形鉄筋を所定長さに切断して、その端部に必要に応じて外ねじ加工などを施したものである。Sアンカー35の径寸法は、せん断補強筋である縦筋32a,32Bの鉄筋径に応じて決定される。各Sアンカー35の基端部35aは、組立筋33Aにおける上記各位置(縦筋と横筋との接合部)に、溶接あるいは結束などにより接合されている。また、各Sアンカー35の基端部35aは、組立筋33A,33Bよりも増し打ち部3A,3Bの表面側に突出しており、その突出寸法は、縦筋32a,32bの鉄筋径とほぼ等しい寸法とされている。一方、各Sアンカー35の先端部35bは側面24Aあるいは24Bに埋設されており、その埋め込み長さは5d(dはSアンカー35における鉄筋部分の呼び名)程度である。なお、Sアンカー35の埋め込み部分を、接着剤などにより布基礎A1に接合してもよい。
実施形態2では、このように、立ち上がり部2の両面に組立筋33A,33Bを配置して補強用の鉄筋を分散させ、さらに、Sアンカー35によって接合力を高めて増し打ち部3A,3Bとの一体化を図っているので、既設の布基礎A1における鉄筋量と対比して補強用の鉄筋量が多くても、ポリマーセメントモルタル34の剥離やひび割れの発生を抑制することができる。なお、図3に示すように、立ち上がり部2の片面にのみ組立筋33A(33B)を配置する場合であっても、Sアンカー35を補助的に用いて組立筋33A(33B)と布基礎A1との一体化を図っても良い。
(実施形態3)
図4(a)は実施形態3における布基礎の縦断面図、図4(b)は鉄筋の配置図である。実施形態3では、布基礎A2の側面24に、組立筋33と同一構成の組立筋33C,33Dを2つ固定し、これら組立筋33C,33Dを継手筋36a,36bによって接合して増し打ち部3Cを形成している。そのため、実施形態3では、側面24に、実施形態1および2における溝25a,25cよりも溝幅が広い溝25c,25dを形成している。組立筋33Cにおける横筋31c,31dと、組立筋33Dにおける横筋31e,31fは、それぞれ、溝25c,25dのうち、対応する溝に半分埋め込まれるように配置されている。そして、横筋31cと横筋31eの先端同士、および、横筋31dと横筋31fの先端同士は、対向して配置されている。
組立筋33C,33Dは、2本の継手筋36a,36bにより、その横筋同士が接合されている。継手筋36a,36bとしては、例えば、D10、D13などの鉄筋を用いることができる。継手筋36aは、その両端が、それぞれ、横筋31cおよび横筋31eと所定の重ね継手長さだけ重なるように配置されており、重ね継手部分は、溶接あるいは結束などによって接合されている。また、継手筋36bについても同様に、横筋31dおよび横筋31fと所定の重ね継手長さだけ重ね合わされて接合されている。なお、ポリマーセメントモルタル34を用いているため、重ね継手長さについては、ポリマーセメントモルタル34の付着力を考慮して決定されている。
継手筋36a,36bは、横筋31c〜31fと接合された状態で、溝25c,25dに半分程度埋め込まれるように位置決めされる。継手筋36a,36bにおける横筋31c〜31fとの接合部は、横筋31c〜31fと同様にポリマーセメントモルタル34が塗工されて増し打ち部3C内に埋め込まれる。これにより、継手部分においても、布基礎A2との一体化が図られる。また、継手筋36a,36bによって組立筋33C,33Dが接合されているので、組立筋33C,33Dが一体となって布基礎A2を補強する。実施形態3では、以上のような構成により、直線状の長い領域に増し打ち部3Cを一体に形成することができる。
(実施形態4)
図5(a)は実施形態4における布基礎の平面図、図5(b)は布基礎の側面からみた鉄筋の配置図である。実施形態4では、布基礎A3のT字形部分あるいは十字形部分を補強するように増し打ち部3D,3Eを形成する。例えば、T字形の布基礎A3における分岐部分Bの両側に延びる直線部分C1およびC2に、それぞれ組立筋33E,33Fを配置して、直線部分C1,C2における分岐部分B側の側面に、それぞれ、増し打ち部3D,3Eを形成する。組立筋33E,33Fは、継手筋36c,36dによって接合される。継手筋36c,36dは、布基礎A3における分岐部分Bを貫通するように取り付けられている。組立筋33E,33Fと継手筋36c,36dとの接合方法は、実施形態3と同様である。このようにすると、分岐部分の両側に延びる増し打ち部3D,3Eを構造的に接合でき、補強効果を高めることができる。
(実施形態5)
図6(a)は実施形態5における布基礎の平面図、図6(b)は鉄筋の配置図である。実施形態5は、上部に耐力壁が配置されていない布基礎A4の角部あるいは分岐部を補強するものである。例えば、L字型の布基礎A4における入隅側の側面24C,24Dに、それぞれ組立筋33G,33Hを配置して、増し打ち部3F,3Gを形成する。側面24C,24Dには、側面24C,24Dが接続される角部を通り、この2面にわたってL字状に延びる溝25eおよび溝25fが形成されている。組立筋33G,33Hは、上記各実施形態と同様に、その横筋が溝25eおよび溝25fに半分埋め込まれるように位置決めされる。溝25eおよび溝25fにはL字状の継手筋36e,36f(コーナー筋)が配置され、この継手筋36e,36fによって組立筋33G,33Hが接合される。接合方法は、上記各実施形態と同様に、結束や溶接などによる。継手筋36e,36fは、横筋と共に溝25eおよび溝25fに半分埋め込まれて、ポリマーセメントモルタル34によって布基礎A4と接合される。このようにすると、入隅部に設けられた増し打ち部3F,3Gを構造的に接合できるので、より一層、布基礎と増し打ち部における組立筋との一体化を図ることができる。
なお、立ち上がり部が入隅形状になっている部位の補強においては、布基礎A4のようにその上部に耐力壁が配置されていない場合には継手筋36e,36fのようなコーナー筋を用いて補強を行うが、上部に耐力壁が配置されている場合には、継手筋36e,36fのようなコーナー筋を用いない補強方法も採用できる。例えば、組立筋33G,33Hにおける入隅側の先端において縦筋22(せん断補強筋)を追加する補強を行っても良い。
(実施形態6)
図7(a)は本実施形態における布基礎の平面図、図7(b)は鉄筋の配置図である。本実施形態は、実施形態5と同様に、布基礎A5の角部あるいは分岐部を補強するものである。本実施形態では、実施形態5における継手筋36e,36fの代わりに、ホールアンカー41,42が取り付けられている。ホールアンカー41,42の一端は、それぞれ、継手筋36e,36fと同様に組立筋33Gあるいは33Hの横筋に接合されており、他端は布基礎A5を貫通して布基礎A5の裏面側まで届いている。このようにすると、組立筋33G,33Hはホールアンカー41,42によって布基礎A5と固定されるので、布基礎と増し打ち部における組立筋との一体化を図ることができる。
(実施形態7)
図8は本実施形態における布基礎の横断面図である。上記各実施形態では、溝25a(25b〜25f)が布基礎の長手方向に延びていて横筋(曲げ補強筋)だけが側面24に半分埋め込まれていたが、本実施形態の布基礎A6では、図8に示すように、側面24に、縦筋32の配置に合わせて布基礎A6の高さ方向に延びる縦溝26を形成する。そして、組立筋23を、実施形態1における取り付け方とは裏返しの取り付け方、すなわち、縦筋32が組立筋23における側面24側の面に並んでおり、横筋31a,31bは、縦筋32の背面側(溝26とは反対側)に接合されている状態となるように、側面24に配置する。このようにすると、縦筋32を縦溝26内に半分埋め込んだ状態に組立筋33を位置決めできるので、布基礎A6と縦筋32との一体化を図ることができ、縦筋32に布基礎A6に加わった荷重を分担させることができる。よって、せん断補強効果を高めることができる。また、縦筋32を介して横筋31a,31bに荷重を分担させることもできるので、曲げ耐力を増大させることができる。
本実施形態において、布基礎A6の側面24に、縦溝26に加えて溝25a,25bと同様の横溝を形成してもよい。このとき、側面24には格子状の溝が形成された状態となる。そして、この格子状の溝の深さを、縦筋32だけでなく横筋31a,31bの少なくとも半分程度まで収容できる深さにして、組立筋33全体を格子状の溝に少なくとも半分程度まで埋め込んだ状態に位置合わせした後、ポリマーセメントモルタル24を施工してもよい。このように、布基礎A6の側面24に配置する補強用の鉄筋を全て溝内に埋め込むことにより、全ての補強筋と布基礎との一体化を図ることができる。
(改変例)
(1)上記各実施形態において、曲げ補強筋である横筋と布基礎との接合は、横筋の布基礎表面への埋め込みおよびポリマーセメントモルタル34による接着、あるいは、Sアンカーにより行われていたが、図9(a)に示すように、U字形アンカーを用いて接合してもよい。例えば、この図では、横筋31gと継手筋36gの接合部をまたぐようにU字形アンカー51が取り付けられている。このようにすると、より確実に横筋31gあるいは継手筋36gを布基礎A7に接合できる。さらに、図9(b)に示すように、横筋31gと継手筋36gとの間にSアンカー52を配置して、さらに、横筋31g、継手筋36g、およびSアンカー52をまたぐようにU字形アンカー51を取り付けてもよい。なお、縦筋に継手筋による接合部を設けた場合に、この接合部をU字アンカーを用いて布基礎に接合してもよい。
(2)上記各実施形態では、横筋31a〜31gあるいは継手筋36a〜36gが、その径寸法の約半分程度まで溝25a〜25fに収容されるようにしていたが、収容される部分の寸法を適宜変更してもよい。横筋31a〜31g、あるいは継手筋36a〜36gの溝内への埋め込み深さを大きくすれば、より一層、布基礎と補強材(曲げ補強筋)との一体化を図ることができる。また、溝25a〜25fの断面形状は、溝内に横筋31a〜31g、あるいは継手筋36a〜36gを収容可能であればよく、適宜変更可能である。また、縦筋32を収容する縦溝26を形成した場合には、溝25a〜25fに適用した断面形状や埋め込み深さの変更は、縦溝26にも同様に適用できる。
例えば、溝25a〜25fを、図10(a)〜(e)に示すような断面形状にしてもよい。図10(a)は矩形断面の溝、図9(b)は溝幅が溝の底側に向かって狭くなっている形状の溝、図10(c)は溝幅が溝の底側に向かって広くなっている形状の溝、図10(d)は三角形の断面形状の溝、図10(e)は円弧状断面における円の中心が溝の縁よりも底側にある形状の溝である。また、例えば、図11(a)に示すように、横筋31a〜31gに溝25a〜25fの底側に向かって突出する突出部61を所定間隔で形成し、突出部61のみを溝内に収容するように横筋31a〜31gを位置決めしてもよい。この場合には、図11(b)に示すように、連続した溝ではなく、不連続な凹部62を突出部61の配置に合わせて立ち上がり部2の側面24に形成し、各凹部62に突出部61を位置合わせしてもよい。また、付着力を高めるために、溝25a〜25fの内面に細かい凹凸を形成してもよい。
(3)上記各実施形態では、補強される構造躯体を布基礎としていたが、これらの補強方法を、布基礎以外の鉄筋コンクリート製の構造躯体に適用してもよい。例えば、べた基礎の立ち上がり部や独立基礎の立ち上がり部、耐力壁、梁などの建物の構造躯体や、土木構造物や工作物などにおける鉄筋コンクリート製の構造躯体に適用してもよい。
実施形態1における布基礎の縦断面図および鉄筋の配置図である。 実施形態2における布基礎の縦断面図および鉄筋の配置図、並びに布基礎の横断面図である。 実施形態2における改変例を示す布基礎の縦断面図である。 実施形態3における布基礎の縦断面図および鉄筋の配置図である。 実施形態4における布基礎の平面図および鉄筋の配置図である。 実施形態5における布基礎の平面図および鉄筋の配置図である。 実施形態6における布基礎の平面図および鉄筋の配置図である。 実施形態7における布基礎の横断面図である。 改変例における布基礎の縦断面図である。 改変例における溝の断面形状である。 改変例における横筋と溝あるいは凹部の形状を示す側面図である。
符号の説明
1…フーチング部
2…立ち上がり部
3,3A〜3G…増し打ち部
21…主筋
22…縦筋
23…組立筋
24,24A〜24D…側面
25a〜25f…溝
26…縦溝
31a〜31g…横筋
32,32a,32b…縦筋
33,33A〜33H…組立筋
34…ポリマーセメントモルタル
35…Sアンカー
35a…基端部
35b…先端部
36a〜36g…継手筋
41,42…ホールアンカー
51,52…U字形アンカー
61…突出部
62…凹部
A,A1〜A7…布基礎
B…分岐部分
C1,C2…直線部分

Claims (10)

  1. 既設の鉄筋コンクリート製の構造躯体における補強部位である布基礎またはべた基礎の立ち上がり部側面に、前記構造躯体を補強するための補強材である鉄筋の配置および形状に対応する凹部として線状の溝を形成し、
    前記補強部位の表面に沿って前記補強材を配置して、前記凹部内に前記鉄筋の少なくとも一部が収容されるように位置決めし、
    前記補強部位に補強用モルタルを増し打ちして、当該補強用モルタルによって前記鉄筋および前記凹部を覆う構造躯体の補強方法であって、
    前記溝を、前記立ち上がり部の側面に、当該立ち上がり部の長手方向および高さ方向に延びるようにそれぞれ複数本形成し、
    前記鉄筋として、前記長手方向に延びる曲げ補強筋および前記高さ方向に延びるせん断補強筋をそれぞれ複数本格子状に接合した組立筋を用い、
    当該組立筋を、前記曲げ補強筋およびせん断補強筋の各々が、対応する方向に延びるように形成されている前記溝に少なくとも一部が収容されるように位置決めし、
    前記組立筋および前記溝を覆い、且つ、前記組立筋と前記溝の内面との隙間、および、前記組立筋と前記布基礎の側面との隙間を埋めるように前記補強用モルタルを増し打ちすることを特徴とする構造躯体の補強方法。
  2. 請求項1に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記曲げ補強筋と前記せん断補強筋の接合部の近傍を、アンカー材により前記立ち上がり部に固定することを特徴とする構造躯体の補強方法。
  3. 請求項1に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部が直線状に形成されている部位では、前記組立筋を、前記立ち上がり部の長手方向に少なくとも2つ隣り合って配置し、
    各溝に収容された各組立筋における前記曲げ補強筋同士を継手筋によって接合し、
    当該継手筋における前記曲げ補強筋との重ね継手部分の少なくとも一部を前記溝内に収容することを特徴とする構造躯体の補強方法。
  4. 請求項1に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部が直交している角部または分岐部であってその上に耐力壁が配置されていない部位では、当該角部または分岐部における直交する2側面に前記組立筋をそれぞれ配置し、
    当該直交する2側面の一方に形成された前記溝を、前記角部または分岐部において、他方に形成された対応する前記溝とL字状に接続し、
    当該L字状に接続されている前記溝に前記2側面においてそれぞれ収容されている前記曲げ補強筋同士をL字形の継手筋によって接合し、
    当該継手筋における前記曲げ補強筋との重ね継手部分の少なくとも一部を前記溝内に収容することを特徴とする構造躯体の補強方法。
  5. 請求項1に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部がT字形または十字形に形成されている部位では、前記組立筋を、前記立ち上がり部の分岐部が接続されている直線部分において、前記分岐部の両側にそれぞれ配置し、
    当該分岐部の両側に配置された組立筋の一方における前記溝および前記曲げ補強筋を、他方における対応する前記溝および前記曲げ補強筋とそれぞれ同一直線上に配置し、
    当該同一直線上に配置された曲げ補強筋同士を、前記立ち上がり部の分岐部を貫通する継手筋によって接合し、
    当該継手筋における前記曲げ補強筋との重ね継手部分の少なくとも一部を前記溝内に収容することを特徴とする構造躯体の補強方法。
  6. 請求項3ないし5のうちのいずれかの項に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記継手筋と前記曲げ補強筋との重ね継手部分を、アンカー材により前記布基礎またはべた基礎に固定することを特徴とする構造躯体の補強方法。
  7. 請求項1に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記布基礎またはべた基礎における立ち上がり部が直交している角部または分岐部では、前記組立筋を、前記角部または分岐部における入隅側の側面に配置し、
    当該入隅側の側面に配置された組立筋における前記曲げ補強筋の一端を、前記立ち上がり部に貫通させて固定することを特徴とする構造躯体の補強方法。
  8. 請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記補強材を前記立ち上がり部の両側面に沿って配置し、当該両側面に前記補強用モルタルを増し打ちすることを特徴とする構造躯体の補強方法。
  9. 請求項1ないし8のうちのいずれかの項に記載の構造躯体の補強方法において、
    前記補強用モルタルとして、ポリマーセメントモルタルを用いることを特徴とする構造躯体の補強方法。
  10. 請求項1ないし9のうちのいずれかの構造躯体の補強方法により補強されたことを特徴とする鉄筋コンクリート製の構造躯体。
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