JP4908839B2 - ワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置 - Google Patents

ワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置 Download PDF

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Description

本発明は、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設するワーク周壁における貫通孔の穿設方法、その穿設装置、及びその穿設方法若しくは穿設装置によって貫通孔が開口されたワークに関する。
ワークに貫通孔を開けるには、ドリルによる切削加工、プレスの打抜き加工、放電加工などがある。ワークがパイプなどの筒状部を少なくとも一部に有する場合であって、その筒状部の周壁に貫通孔を開けるためにも、上記加工手段を用いることができる。
しかし、ドリルやプレスによる孔加工では、孔縁にバリが生じるのでバリ取りの手間が掛かる。特に筒状部の周壁に貫通孔を開口する際、ドリルによる場合や、筒状部の外側からパンチでプレス打抜きをした場合には、筒状部の内周面にバリが生じてしまう。ワークが小部品の場合、このように筒状部の内側に生じたバリを除去することは困難である。また、ワークによっては、筒状部の内側のバリを全く許容しないものがある。
このため、従来から、ワークが筒状部を有する小部品で周壁が比較的厚い場合であって、その周壁に貫通孔を開口するためには、放電加工が採用されている。
しかし、放電加工は加工時間が長くかかり、生産性が悪く、加工コストを低減できない。
ところで、板材については図21に示すように、板材(107b)にプレスの打抜きによってバリを生じさせることなく貫通孔を開設する方法が提案されている(特許文献1参照)。
これはプレス又は切削による一次加工によって、板材(ワーク)(107b)の少なくとも裏面に、打ち抜くべき貫通孔170aの孔径に対応する周溝174aを形成し(図21(a))、図21(b)に示すように、プレスによる二次加工によって、板材(107b)の反対側面から周溝中心との対応位置に打抜きパンチ(151a)を打ち込んで貫通孔(170a)を開設するのである。なお、178aはスクラップ(抜きカス)である。
しかし、この板材に貫通孔を開設する方法は、ダイ151bに対してパンチ151aを単純に真上から押圧するものであり、小部品の筒状部の周壁に貫通孔を開ける場合には適用できない。
そこで、ワーク内側のバリの発生を防止するためには筒状部の内側からプレス金型(パンチ)で打抜くことが考えられる。しかし、この場合、筒状部の内側に挿入できる小さな型が必要となり、その型の寿命が十分で生産性の高い穿設方法及びその装置は、全く存在しなかった。
特開平5−42330号公報([0005]、[0006] 、[0009]、[0019]等)
ワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置に関して解決しようとする問題点は、バリのない貫通孔を開けるために、従来の方法及び装置では生産性が低いことにある。
そこで本発明の目的は、少なくとも筒状部の内周面にバリが生じることを防止し、且つ生産性が高く、加工コストを大幅に低減できるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する方法であって、前記ワークをダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に前記周壁の厚さよりも短く突設されたパンチを前記筒状部の内側へ挿入した状態とし、前記芯金を介してパンチをダイに近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設し、 該貫通孔が穿設されるときに、抜きカスを、ダイの抜きカスの排出孔から吸引除去することで貫通孔を開口することを特徴とする。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法の一形態によれば、前記貫通孔を穿設する前に、該貫通孔の穿設予定位置に対応して前記筒状部の外側から前記周壁に潰しパンチを打込み、前記貫通孔よりも一回り大きな周縁となる凹み部を形成し、前記貫通孔を穿設する際には、前記パンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んでせん断と前記凹み部の周縁に達する破断を生じさせることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法の一形態によれば、前記パンチとダイを相対的に加圧移動させるときに、バネ性の力を介在させて加圧することを特徴とすることができる。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、前記ワークを加工する一方の型であるダイと、片持ちに保持された棒状の芯金に前記周壁の厚さよりも短く突設され、前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、前記芯金を介してパンチをダイに近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設する加圧手段とを備え、前記芯金は、パンチの突設された先端側とは反対側の後端側が該芯金を保持するブロックの保持孔に挿入されて着脱可能に固定されていることを特徴とする。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記芯金は、パンチの突設された前記先端側がプレス打抜きのため前記筒状部の内部で加圧方向に移動できるように、前記後端側の部分よりも移動方向について細く形成され、該芯金の先端側と後端側との段部にRが取られていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、前記ワークを加工する一方の型であるダイと、片持ちに保持された棒状の芯金に前記周壁の厚さよりも短く突設され、前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、前記芯金を介してパンチをダイに近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチを前記筒状部の内側からワークの周壁へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設する加圧手段とを備え、前記パンチの端面は、前記筒状部の内周面の形状に沿うように面取りがされていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記貫通孔が穿設されるときに該貫通孔を開口すべく、抜きカスをダイの抜きカスの排出孔から吸引除去する吸引手段を具備することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記吸引手段は、圧縮空気を断面積のより大きな流路に開放することでベンチュリー効果によって負圧を発生する負圧吸引装置であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記パンチとダイを相対的に加圧移動させるときにバネ性の力を介在させて加圧すべく、弾性手段を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワークによれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークであって、前記のワーク周壁における貫通孔の穿設装置によって筒状部の周壁に貫通孔が開口されたことを特徴とすることができる。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置によれば、少なくとも筒状部の内周面にバリが生じることを防止し、且つ生産性が高く、加工コストを大幅に低減できる。
以下、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置に係る最良の形態の一例を添付図面(図1〜6)と共に詳細に説明する。図1は本発明にかかる穿設装置を示す断面図である。図2〜4は穿設工程を説明する断面図である。また、図5はパンチの形状を示す正面図(a)及び底面図(b)である。図6は負圧吸引装置の一形態を示す断面図である。
本形態の穿設装置は、ワークの筒状部の周壁にプレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置である。
10はワークであり、筒状部12を少なくとも一部に有するものの一例である。このワーク10は、油圧バルブリフターのキャップであり、鍛造により成形された金属部品である。例えば、内径が6.5mm程度、周壁の厚さが2mm程度の小部品である。本形態の穿設装置では、このワーク10に直径2mm程度の円形の貫通孔70を穿設する。
20はダイであり、ワーク10を加工する一方の型である。このダイ20は、ブロック部材(ダイブロック22)の上面で、ワーク10が載置・位置決めされる受け部の中央部分に、ワーク10に貫通孔70を開けるための型として設けられている。
また、24は抜きカスの排出孔であり、下方に向かってテーパ状に拡径する形状になっている。これにより、抜きカス80が途中で引っ掛かることなく好適に排出される。
30はパンチであり、片持ちに保持された棒状の芯金32にワーク10の周壁15の厚さよりも短く突設されている。本形態では周壁15の厚さの約半分程度の高さに真下へ突起した状態に設けられている。このようにパンチ30が短い分、芯金32を太く形成できるため、金型の寿命を長くすることができる。つまり、パンチ30の逃げストロークが短くて済み、その分ワーク10の内側に挿入される芯金32を太くできる。従って、強度を高め寿命を延ばすことができる。また、パンチ30自体が短くなり、損傷しにくくなる。これにより生産性を向上でき、加工コストを大幅に低減できる。
芯金32の先端側32a(図2)に設けられた固定用の孔35(図2)にパンチ30の後部が圧入状態で挿入され、孔内の段部35bによって位置決めがなされている。これにより、芯金32の下面36(図5)からパンチ30が所定の長さ突起した状態に固定されている。
また、この固定用の孔35は、下側部がパンチ30の固定される部分で、反対側である上側部35aが小径の貫通孔となっている。この上側部35aの孔を利用してパンチ30を突いて取り外すことができる。これにより、パンチ30の交換を容易に行うことができる。
なお、芯金とパンチとを一体的に形成することも可能である。
また、このパンチ30は、プレス打抜き加工の際に図1〜4に示すように筒状部12の内側へ挿入された状態となる。なお、ワーク10をフィーダーで搬送してパンチ30が突設された芯金32の先端に嵌めることでも、パンチ30が相対的に筒状部12の内側へ挿入されることになる。
芯金32は、パンチ30の突設された先端側32a(図2)とは反対側の後端側32b(図2)が、その芯金32を保持するブロック(昇降ブロック40)の保持孔42に水平方向に挿入されて着脱可能に固定されている。なお、芯金32の側面には回り止めのための平坦部32cが設けられている(図5(a))。このため、容易且つ好適に交換できる。
この芯金32の固定状態は水平方向に先端側32aが突出した片持ちであり、芯金32は前述したように棒状に形成されている。このため、プレス打抜き加工がなされるとき、芯金32には、プレスする際の圧力によって大きなモーメントがかかる。従って、そのプレス圧によって、芯金32は弾性変形の範囲で本形態では上方へしなる。
そして、その「しなり」が、貫通孔70が穿設された際には一挙に開放されることになる。つまり、パンチ30が周壁15を破断して貫通孔70を穿ったときに、芯金32に働いていた応力が開放される。すると、芯金32はその応力が開放された勢いで反対側(本形態では下方)へ衝撃的に撓もうとする。それによって、パンチ30が、抜きカス80を排出方向へ衝撃的に押し出すことになる。この作用は、棒状の芯金32が保持孔42に固定されている形態であるため、より好適に現れる。
これによれば、パンチ30がワーク10の肉厚よりも短く突設されている形態であっても、抜きカス80を弾き飛ばすように押すことになり、貫通孔70を好適に開口することができる。前述したようにパンチ30が短いため金型の寿命を長くでき、加工コストを低減できる。
また、芯金32は、パンチ30の突設された先端側32a(図2)がプレス打抜きのため筒状部12の内部で加圧方向(本形態では上下方向)に移動できるように、後端側32b(図2)の部分よりも移動方向について細く形成されている。各図に示すように、先端側32aの上面部がカットされてカット部34(図5(a))となっている。このカット部34のカット高さが、芯金32の上下方向の移動を許容できる距離となっている。なお、カット部34の上面は、筒状部12の内周面に沿うように断面円弧状にカットされている。このように芯金32の断面が形成されているのは、筒状部12の限られた空間に挿入可能であると共にプレス時は所定のストロークを移動可能で、且つ強度を高めるため、最大の断面積を得るためである。
そして、芯金32の先端側32aと後端側32bとの段部33にRが取られている。図1〜4に示すように、本形態では段部33が芯金32の上側にあり、そのR形状によって応力集中が生じないように圧力を分散している。
また、段部33の上端の角部33aが、昇降ブロック40の保持孔42の中に納まるように、芯金32の後端側32bが若干奥に挿入された状態で固定されている。これによれば、芯金32にかかる圧力を昇降ブロック40で好適に受け止めることができる。
このような構成により、芯金32が疲労破壊することを好適に防止して、金型の寿命を延ばすことがきる。これによっても生産性を向上し、加工コストを低減できる。
また、上記の段部33のR形状及び芯金32の固定位置は、前述した芯金32の「しなり」を好適に受け止める構造でもあり、抜きカス80を排出するためにも好適に作用する。
なお、芯金32は少なくとも先端側32aが棒状でワーク10の内側へ入ることのできる形状となっていればよい。従って、後端側32bの形状は特に限定されるものではないが、本形態の場合は、製造し易く、交換し易いなどの利点がある。
50は加圧手段であり、芯金32を介してパンチ30をダイ20に近接する方向へ相対的に加圧移動(本形態では下向きに移動)させることで、パンチ30を筒状部12の内側からワークの周壁15へ打ち込み、せん断18(図3)と破断19(図3)を生じさせて貫通孔70を穿設する。
本形態では、昇降ブロック40に保持された芯金32を介してパンチ30を下降させる構成になっている。また、パンチ30は周壁15に直交する下方へ打ち込まれる。なお、貫通孔70を穿設する打抜き方向は、本形態例のような上下方向に限定されないことは勿論である。例えば、ワーク10が立った状態で順送タイプ等の金型にセットされ、パンチ30が水平方向に打ち込まれて貫通孔70を穿設するようにしてもよい。
52は加圧装置であり、例えばシリンダ装置を用いればよい。
また、54は弾性手段であり、パンチ30とダイ20を相対的に加圧移動させるときにバネ性の力を介在させて加圧できるように、昇降ブロック40と加圧装置52の間に配置されている。この弾性手段54としては、例えばコイルスプリングを用いればよい。
56は復帰用バネであり、上側が昇降ブロック40の下方に開口した収納室45に収納され、ベース盤(図示せず)との間に配置・弾装されている。この復帰用バネ56としては、例えばコイルスプリングを用いればよい。この復帰用バネ56によって、加圧する工程が終わった後に、昇降ブロック40及び芯金32を介してパンチ30を加圧前の位置へ上昇・復帰させることができる。
なお、せん断18に続いて破断19が適切になされるには、ダイ20とパンチ30とのクリアランスが適正であることを要する。この適正クリアランスについては、経験的に適切な値が知られている。例えば、鉄系の材料に円形の貫通孔を開ける際には、ダイの内径とパンチの外径が、以下の式の関係となるように設定すればよい。
ダイの内径=パンチの外径+{被加工材厚さ×(5〜10%)}×2
本形態の加圧手段にあっては、弾性手段54を介在させているため、パンチ30が筒状部12の内周面に当たる際に、徐徐に圧力が加わることになる。圧力が衝撃的に作用することを防止できるため、パンチ30が欠けるなどの型の損傷を低減できる。
また、パンチによって貫通孔70が穿設された際には弾性手段54に蓄積された弾発力が一挙に開放されることになる。つまり、パンチ30が周壁15を破断して貫通孔70を穿ったときに、圧縮されていたコイルスプリングなどの弾性手段54が急激に元に戻ろうとする。すると、その弾発力で昇降ブロック40と芯金32を介してパンチ30が急激に下方へ移動しようとする。その作用によって、パンチ30が、抜きカス80を排出方向へ衝撃的に押し出すことになる。このため、前述した芯金32の「しなり」の作用と同様に、パンチ30が短い場合でも抜きカス80を好適に排出することができる。
これによっても金型の寿命を延ばし、加工コストを低減できる。
また、図5及び図20(右半分の記載)に示すように、本形態のパンチ30の切刃となる端面は、ワーク10の筒状部12の内周面の形状に沿うように面取りがされている。
本形態では、筒状部12の内側の円周面に対応してパンチ30の左右の部分が面取りされ、2つの面取り部30aが形成されている。つまり、図20の右半分の記載から明らかなように、パンチ30の打ち込み方向に直交する平坦な端面30fに対して傾斜面となる面取り部30aが、パンチ30の両側に形成されている。これにより、この面取り部30aが形成されたパンチ30の端面における各角部の角度が、90°より大きい鈍角になっている。なお、平坦な端面30fと面取り部30aの傾斜面は、芯金32の軸心に対して平行な面になっている。
このように面取り部30aが形成されることで、パンチ30の端面が筒状部12の内周面に分散して接触でき、パンチ30が損傷することを防止できる。はさみの切断と同じように、パンチ30の面取り部30aの存在によってシャー角が生じ、これがプレス時の圧力を分散して好適に貫通孔70を開けることができる。そして、前記角部が鈍角であることで、パンチ30の刃欠けが生じにくい。
また、図20の右半分の記載に明らかなように、面取り部30aが形成されて削られた分の高さH3に対応して、パンチ30が設けられた芯金32の先端側32aを太くしても、ワーク10の内側へ挿入することができる。その芯金32の先端側32aの断面積が広くなった分、芯金32の剛性及び耐久強度を高めることができる。なお、図20の左半分の記載は、面取り部30aが形成されない場合を比較のために記載した断面図である。
これによっても、金型の寿命を延ばし、加工コストを低減できる。
また、端面に面取り部30aを有するパンチ30によれば、抜きカス80がパンチ30の端面に密着して貼り付くことを防止できる。これにより生産性を向上できる。
60は吸引手段であり、貫通孔70が穿設されるときにその貫通孔70を開口すべく、抜きカス80をダイ20の抜きカスの排出孔24から吸引除去する。
これによれば、抜きカス80が発生する際に吸引状態であって、抜きカス80が発生した瞬間に吸引除去するため、貫通孔70に抜きカス80が残らず好適に開口できる。
前述した芯金32の「しなり」の作用、及び弾性手段54の作用によって、貫通孔70が穿設された際に切り離されて衝撃的に押し出された抜きカス80を、さらにこの吸引手段60が引き継いで引っ張る状態となる。これにより、抜きカス80が貫通孔70に引っ掛かることなく好適に分離されて、排出孔24を通って外部へ排出されるのである。
この吸引手段60としては、図6に示すように、圧縮空気源62からの圧縮空気を断面積のより大きな流路64に開放することでベンチュリー効果によって負圧を発生する負圧吸引装置を好適に利用することができる。常態において負圧状態を保ち、抜きカス80が発生したときに好適に吸引できる。なお、排出孔24を通って流路64へ吸引された抜きカス80は、その流路64内を流れる空気流(吐出空気流)によって吹き飛ばされる。従って、この吸引手段60に特別な構成を追加することなく、抜きカス80を好適に排出できる。
この圧縮空気を利用する方法によれば、通常の工場内で一般的に使用されているコンプレッサー装置を利用すればよく、容易に構成できる。なお、吸引手段はこれに限らず、他の減圧(真空)装置を用いてもよいのは勿論である
以上に説明したワーク周壁における貫通孔の穿設装置で、筒状部12を少なくとも一部に有するワーク10について、その筒状部12の周壁15に貫通孔70を開口したことは、せん断や破断の状況などを検査することで検証することができる。
また、以上の穿設装置は、鍛造部品のように脆性の比較的高い材料からなるワークについて、貫通孔70を形成する場合に好適に用いることができる。
次に以上の構成からなる穿設装置を用いて、ワーク10の筒状部12の周壁15に貫通孔70を穿設する工程について図2〜4に基づいて説明する。
先ず、図2に示すように、ワーク10をダイ20に位置させると共に、昇降ブロック40で片持ちに保持された棒状の芯金32に周壁15の厚さよりも短く突設されたパンチ30を筒状部12の内側へ挿入した状態とする。
なお、ダイ20側に設けられた位置決め手段は特に説明しないが、通常の技術を適宜選択的に用いればよい。
次に、芯金32を介してパンチ30をダイ20に近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチ30を筒状部12の内側からワーク10の周壁15へ打ち込む。これにより、図3に示すように、せん断18と、さらに周壁15の内周部と外周部との間に破断19を生じさせる。この時点では、パンチ30が中途部まで打込まれた状態であり、さらに打ち込まれる距離を残している。
この瞬間は、図3に示すように、破断19により抜きカス80がまさにワーク10の周壁から分離した一瞬の状態であり、貫通孔70は設けられたが、抜きカス80が未だ貫通孔70内に存在する状態である。なお、この状態で、貫通孔70自体は形成されており、穿設された状態となっている。
そして、上記のように抜きカス80が破断・分離された状態となるため、パンチ30からの加圧力が一斉に開放される。これによって、パンチ30が打込まれる方向へ移動する継続していた動きに加えて、前述の芯金32の「しなり」が開放される動き、及び前述の弾性手段54による動きが加わる。従って、パンチ30は短い時間に急激に下降する。これにより、パンチ30は抜きカス80を衝撃的にダイ20の排出孔24内へ押し出すことになる。
次に、以上のように貫通孔70が穿設されるときに、抜きカス80を、ダイ20の抜きカスの排出孔24から吸引手段60によって吸引除去して、貫通孔70が開口される。
前述したように、このとき、抜きカス80は下方へ好適に押し出された状態となっているので、吸引作用が好適に働く。これにより、確実に抜きカス80を排出できる。このため、抜きカス80の除去を別工程で行うことを要せず、生産性を向上できる。
本形態によれば、内側からパンチ30を打込んで貫通孔70を開けるため、筒状部12の内周面にはバリが生じない。
また、通常のプレス打抜きのようにパンチ30がワーク10の周壁15を突っ切ることを要しない。本形態では、周壁15の肉厚の半分程度の長さのパンチ30によって、貫通孔70の穿設と抜きカス80の除去による開口をすることができる。
このため、金型の寿命を延ばし、生産性を向上させて加工コストを大幅に低減することができる。
次に、図7に基づき図2〜4を参照して、2段のプレス工程でワーク10の周壁15に貫通孔70を穿設する方法について説明する。
先ず、図7(a)に示すように、貫通孔70を穿設する前に、貫通孔70の穿設予定位置に対応して筒状部12の外側からワーク10の周壁15に潰しパンチ(図示せず)を打込み、貫通孔70よりも一回り大きな周縁となる凹み部17を形成する。
そして、図2に示す状態と同様に、ワーク10をダイ20に位置させると共に、昇降ブロック40で片持ちに保持された棒状の芯金32に周壁15の厚さよりも短く突設されたパンチ30を筒状部12の内側へ挿入した状態とする。
次に、図3に示す状態と同様に、芯金32を介してパンチ30をダイ20に近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチ30を筒状部12の内側からワーク10の周壁15へ打ち込む。この工程によって図7(b)に示すように、せん断18と凹み部17の周縁17aに達する破断19を生じさせる。
そして、パンチ30が最大に打込まれた瞬間の抜きカス80は、図1〜6に基づいて説明した形態の場合と同様に、前述した芯金32の「しなり」が開放される動きと弾性手段54による動きが加わって、衝撃的にダイ20の排出孔24へ押し出される。これにより、抜きカス80は、貫通孔70から完全に分離される。
次に、図4に示す状態と同様に、抜きカス80を、ダイ20の抜きカスの排出孔24から吸引手段60によって吸引除去して、図7(c)に示すように貫通孔70が開口される。
前記の形態と同様に、このとき、抜きカス80は下方へ好適に押し出された状態となっているので、吸引作用が好適に働く。それにより、確実に抜きカス80を排出できる。
この穿設方法によれば、周壁15の比較的厚いものでも、貫通孔70を好適に穿設できる。また、最初に凹み部17を形成したことから、内周面だけでなく、外周面についてもバリを生じさせない。従って、バレル研磨等の後工程を必要としない。
また、本方法の形態でも、通常のプレス打抜きのようにパンチ30がワーク10の周壁15を突っ切ることを要しない。周壁15の肉厚の半分程度の長さのパンチ30によって、貫通孔70の穿設と抜きカス80の除去をして開口することができる。また、抜きカス80を除去するための別工程を要しない。
このため、金型の寿命を延ばし、生産性を向上させて加工コストを大幅に低減できる。
次に、以上に説明した実施の形態を利用可能なワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置の実施例について詳細に説明する。
本実施例では、加工すべきワーク107は、図19に示す油圧バルブリフターのボディ107aであり、該ボディの筒部171の周壁172に貫通孔170を開設するものである。筒部171の前部は閉塞している。
貫通孔開設予定位置には、筒部171の外面を一周して軸方向に傾斜した段部173が形成されている。
筒部171の外径は16mm程度、内径は10mm程度、長さは40〜50mm程度、貫通孔170の直径は、筒部171の肉厚より少し小さい。
図8は、加工工程順を示しており、a図に示す潰し工程では、筒部周壁172の外側から潰しパンチ131を筒部171の軸芯に向けて打ち込んで(正確には、「ワーク107を潰しパンチ131に打ち込んで」)段部173の低部よりも低い凹み部174を形成する。凹み部174の直径Dは貫通孔170の直径よりも少し大である。
潰しパンチ131の先端部(上端部)は短い円柱状軸部131aに形成され、先端面は円柱軸芯と直交する平坦面となっている。
凹み部174の内周面は、潰しパンチ131の先端軸部131aが食い込んでせん断されたせん断面175となっている。
潰しパンチ131の先端軸部131aが周壁172に食い込む際、周壁172の内面には周壁172の肉が内側から膨らむことを防止する押えパンチ151が当てられる。
b図に示す穴明け工程では、筒部周壁172の内側から穴明けパンチ152を、筒部半径方向外側へ向けて、前記凹み部174との対応位置に打ち込んで底付き穴176を開設する。穴明けパンチ152を周壁172に打ち込む際、ワーク107をダイブロック103で受ける。
穴明けパンチ152の直径は、凹み部174の直径よりも少し小さい。
底付き穴176の内周面も、穴明けパンチ152が食い込んでせん断されたせん断面である。
押し込まれた肉178aの底部177は、前記凹み部174に侵入し且つ傾斜段部173の低部側にて凹み部174の開口縁から少しはみ出る。
c図に示す穿孔工程では、筒部周壁172内側から穿孔パンチ153を、筒部半径方向外側へ向けて、底付き穴176へ打ち込むことによって、底付き穴176の底部を外側へ打ち抜いて貫通孔170を開設する。
穿孔パンチ153を底付き穴176に打ち込む際、ワーク107をダイブロック103で受ける。
図9は、潰し工程を行う第1ステーションS1、穴明け工程を行う第2ステーションS2、穿孔工程を行なう第3ステーションS3の夫々に孔抜きユニット111、112、113を配備した状態を示している。
各孔抜きユニット111、112、113には、ダイブロック103と芯金105を含んでいる。各芯金105にパンチ151、152、153が下向きに突設されている。
ダイブロック103の上方に位置する芯金105にワーク筒部171を嵌め、芯金105を下降させてワーク107をダイブロック103に受けさせてパンチ152、153をワーク107の筒部171の内側から周壁172に打ち込むのである。但し、潰し工程を行う第1ステーションS1では押えパンチ151は、ワーク筒部171の内面に押し当たるだけで周壁172への打ち込みは行わず、押さえパンチ151との対応外周面に潰しパンチ131によって凹み部174を形成する。
各孔抜きユニット111、112、113は、図10、図11、図12に示す如く、共通のベース101上に、取付台102を介してダイブロック103と芯金105を取り付けている。
取付台102は、底板121の後部に右壁板122と左壁板123を突設し、左右の壁板122、123の後端間を後壁板124で閉じている。
ダイブロック103は、取付台102の底板121の前部に置いて、右壁板122と左壁板123に跨って該壁板122、123にボルト止め固定される。
ダイブロック103の上面中央には、ワーク107を安定して受けることが可能なように、ワーク107外周に対応する浅い溝部130が前後方向に開設されている(図17、18)。
又、ダイブロック103には溝部130でワーク107を受けるとき、ワーク107の貫通孔開設予定位置との対応位置に、上端が縮径している縦孔132が貫通開設されている。
図9aに示す如く、第1ステーションS1のダイブロック103の縦孔132には、軸状潰しパンチ131が挿入され、該潰しパンチ131は上端周縁が角張って前記ワーク107の凹み部174の形状に対応し、該上端を該凹み部174の深さに対応して溝部130から上方へ突出させている。
前記の如く、潰しパンチ131の先端部(上端部)は短い円柱状軸部131aに形成され、先端面は円柱軸芯と直交する平坦面となっている。
潰しパンチ131は、取付台102の底板121に設けられた受け台133に支持されて下方への動きが阻止されている。
図10、図12に示す如く、取付台102の3つの壁板122、123、124とダイブロック103とによって囲まれる空間に昇降ブロック104が昇降可能に配備される。
該昇降ブロック104に上部には、前後方向に向けて芯金取付孔141が開設され、該芯金取付孔141に軸状の芯金105が前部を余して挿入される。芯金105の昇降ブロック104からの突出部分は、ダイブロック103の溝部130の真上に位置する。
昇降ブロック104は底側からバネ収容穴142が開設され、該バネ収容穴142に収容したバネ144によって上向き付勢される。上昇位置の昇降ブロック104は、該ブロックの底面と取付台102の底板121との隙間分だけ、下降可能である。昇降ブロック104の上昇端高さは、図示しない上昇端規制手段によって規制されている。
バネ144は、取付台102の底板121に螺合したバネ圧調整台145に支えられ、該調整台145の締付け或いは緩めによってバネ圧の調整が可能である。
昇降ブロック104は、ブロック側面に芯金取付孔141に達するクランクボルト143を有しており、該クランクボルト143の締付けによって芯金105を固定できる。
各芯金105に突設されたパンチ151、152、153は、ワーク107の筒部171を芯金105に嵌めて、筒部171の開口側端面を昇降ブロック104に当てた状態で、ワーク107の貫通孔開設予定位置に対応している。
ベース101は、プレス装置の基台(図示せず)に固定され、各昇降ブロック104はプレス装置のラム(図示せず)の下降により待機位置からバネ144に抗して一斉に下降し、ラムが上昇すればバネ力によって一斉に待機位置に復帰する。
第2ステーションS2と第3ステーションS3のダイブロック103には、ストリッパー106が設けられる。
ストリッパー106は、ダイブロック103の一端上面にボルト止め固定されたブロック体161から芯金105の上方に向けて当り板162を突設している。
図13に示す如く、各芯金105の先端側上部には前記ワーク107の筒部171に嵌まる部分Wに対応して芯金105を高さ方向に低くするカット部150が形成されている。図14、図15に示す如く、カット部150は、ワーク筒部171の内周面に沿うように円弧状にカットされている。
第1ステーションS1の芯金105には押えパンチ151、第2ステーションS2の芯金105には穴明けパンチ152、第3ステーションS3の芯金105には穿孔パンチ153が下方のダイブロック103の孔132の真上位置にて下向きに突設されている。
各パンチの打込み側先端周縁は角張っている。
下記の如く、押えパンチ151、穴明けパンチ152、穿孔パンチ153の長さは異なるが、図13、図14に示す如く、各芯金105のカット部150からパンチ151、152、153の先端までの距離H1は、ワーク107の筒部171に挿脱可能な範囲でほぼ揃っており、パンチの突出長さが大きくなれば、芯金105のカット部150の深さH2が大きくなる。
第1ステーションS1の押えパンチ151は、前記の如く、ワーク107の筒部周壁172の外側から潰しパンチ131の先端軸部131aを打込んで凹み部174を形成する際に、該周壁172の内面に局所的に肉が膨らむことを防止するためのものである。
芯金105の周面が周壁172内面に接するようにすれば、押えパンチ151を省略することも可能である。
実施例の場合、図19に示す如く、ワーク107の筒部171内面に僅かな段差180があり、貫通孔開設予定位置に芯金105の周面を当てることができないので、段差180とほぼ同じ長さの押さえパンチ151を芯金105周面から突出させている。
押えパンチ151の先端径は、周壁172の内面において、凹み部174との対応範囲以上の範囲を押えることができることが望ましく、押さえパンチ151の先端径は、凹み部174の直径Dよりも大である。
第2ステーションS2の穴明けパンチ52の直径は、凹み部174の直径より少し小さく、長さは、筒部周壁172の肉厚の約1/2程度に打込み可能な長さである。
第3ステーションS3の穿孔パンチ153の直径は、第2ステーションS2の穴明けパンチ152の直径よりも僅か小さく、即ち、ワーク107の底付き穴176の直径よりも僅か小さく、長さは、底付き穴176の底部に打抜き可能な長さとする。穿孔パンチ153先端が前記ワーク107の凹み部174の底に達する必要はなく、凹み部174の底に接近する深さまで打込むと、貫通孔170が開設される。
凹み部174の直径Dは、穿孔パンチ153の直径より大きいことは必須であるが、どの程度大きくするかは、穿孔パンチ153の径、ワーク107の材質、肉厚、底付き穴176の深さ等の条件によって変わるが、経験的には下記の式で対応可能であることを把握している。
凹み部の直径D=穿孔パンチ直径+{2×(板厚×5〜12%)}
凹み部174の直径が上記式から逸脱しすぎて、大き過ぎても、小さ過ぎてもバリを生じさせない効果は得られない。
然して、第1ステーションS1の芯金105にワーク107の筒部171を、筒部開口縁が昇降ブロック104に当たるまで嵌め込んだ状態で昇降ブロック104を下降させる。芯金105上の押えパンチ151が筒部周壁172を押さえる(図16a)と同時に、貫通孔開設予定位置に潰しパンチ131の先端軸部131aが打ち込まれて凹み部174が形成される(図8a)。
ここで重要なことは、潰しパンチ131の先端軸部131a周縁は角張っているから、上記凹み部174の内周面175はせん断面175となることである。又、その軸部131aの先端面は軸心に直交する平坦面であるから、凹み部174の底面はフラットに形成されることである。
第1ステーションS1で凹み部174を形成したワーク107を芯金105から外し、凹み部174を真下に向けたまま、第2ステーションS2の芯金105にワーク107の筒部171を、筒部開口縁が昇降ブロック104に当たるまで嵌め込んだ状態で昇降ブロック104を下降させる。
芯金105上の穴明けパンチ152が、凹み部174との対応位置に筒部周壁172の内側から打ち込まれて(図16b)、底付き穴176が開設される(図8b)。
押し込まれた肉178aの底部177は前記凹み174に侵入し且つ段部173の底部側にて凹み部174の開口縁から少しはみ出る。このはみ出し部177は、ダイブロック103の孔132に逃げる。
底付き穴176の内周面はせん断面となっている。
昇降ブロック104が待機位置へ上昇するとき、ワーク107がストリッパー106の当り板162に当たって、穴明けパンチ152が底付き穴176から抜けて、芯金105からワーク107を外すことが可能となる。
第2ステーションS2で底付き穴176を形成したワーク107を芯金105から外し、第3ステーションS3の芯金105にワーク107の筒部171を、筒部開口縁が昇降ブロック104に当たるまで嵌め込んだ状態で昇降ブロック104を底付き穴176の開口を真上に向けたまま下降させる(図16c)。
芯金105上の穿孔パンチ153が底付き穴176の底部を打抜いて貫通孔170を開設する(図8c)。
抜きカス178は、ダイブロック103の孔132から図9cに示す如く、取付台102の孔128及びベース101の孔110を通って外部に排出される。
昇降ブロック104が待機位置へ上昇するとき、ワーク107がストリッパー106の当り板162に当たって、穿孔パンチ153がワーク107から抜ける。
底付き穴176の底部が打ち抜かれる際に、パンチの打抜き側では、打抜きによる肉の破断面が前記凹み部174のせん断による内周面175に連続するので、該周面175の肉が外側に引っ張り出されることはない。即ち、孔縁にバリは生じない。
このため、従来のプレス打抜きや、ドリルによる貫通孔の開設のように、バリ取りのための加工工程をなくすことができる。
又、放電加工による貫通孔の開設に比べて、プレスの打抜きは加工時間が短くて済み生産性を向上できる。
又、穿孔パンチ153の打込み側とは反対側に予め、打ち抜くべき貫通孔170の径よりも少し大径の凹み部174を形成したため、穿孔パンチ153の長さは凹み部174の深さに対応して短くでき、穿孔パンチ153の折損を防止して寿命を延ばすことができる。
筒部171の外周面の凹み部174の底面はフラットであるから、貫通孔開設予定位置には、段部が存在しなくなる。このため、筒部171の内側から周壁172に打ち込まれるパンチに偏荷重が作用してパンチの寿命を縮めることを防止できる。
ステーションS1、S2、S3間のワーク107の移動及び各芯金105へのワーク筒部171の挿入は手作業でも可能であるが、トランスファー装置(図示せず)で自動的に行えば、作業能率を一層向上できるのは勿論である。
具体例を以下に説明する。
筒部171の外径は16mm、内径は10mm、長さは40mmである。
図8aにおいて、筒部周壁172の外周面の段部173を境に、高部側の肉厚t1は3mm、底部側の肉厚t2は2.5mm、潰しパンチ131の打込みによって形成された凹み部174の直径Dは2.2mm、肉厚の薄い側にて凹み部174の深さL1は0.5mmである。
図9bにおいて、穴明けパンチ152の直径は1.75mm、その穴明けパンチ152によって形成された底付き穴176の深さL2は0.9mmである。
図9cにおいて、穿孔パンチ153の直径は1.70mmである。
バリの生じていない貫通孔170を開設することができた。
なお、実施例では、各ステーションS1、S2、S3のダイブロック103は、互換性を持たせるために同じ形状とした。即ち、ダイブロック103の縦方向に貫通する孔132の形状は共通しているが、第2ステーションS2のダイブロック103は、貫通孔132でなくとも穴明けパンチ152の打ち込みによって、筒部周壁172の凹み部174の開口縁から少しはみ出した肉を逃がす凹みを形成するだけで済む。
第3ステーションS3のダイブロック103の孔132も、抜きカス178を排出する機能さえあれば形状は問わない。
なお、本発明は、ワーク筒部171の外周面に凹み部174を開設した後、筒部171の内側から一工程で凹み部174との対応位置に一挙に貫通孔を打抜き開設することも含むのは勿論である。
この場合、加工工程が一つ減って生産性は向上するが、打抜く肉厚が大となって、荷重負担が増えるため、パンチの耐久性に不利となる。
以上の実施の形態では円形の貫通孔を穿設する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、楕円形や長円形の貫通孔を穿設する場合にも適用できる。
また、パンチやダイ、芯金などの各構成の材質については、孔開け精度が高くて寿命が長いなどの好適な金型を得るべく、その仕様条件に応じて既知の材質から適宜に選定すればよい。さらに、パンチやダイなどについては、その耐久強度などを向上させるべく、必要に応じて既知の表面硬化技術を用いればよい。
以上、本発明につき好適な実施の形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施の形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明にかかる穿設装置の一形態を示す断面図である。 図1の穿設装置によるパンチの挿入工程を説明する断面図である。 図1の穿設装置による穿設工程を説明する断面図である。 図1の穿設装置による抜きカス排出工程を説明する断面図である。 パンチの一形態を示す正面図(a)及び底面図(b)である。 負圧吸引装置の一形態を示す断面図である。 穿設工程を説明する断面図である。 工程説明図である。 ステーション別のユニットの説明図である。 ユニットの斜視図である。 一部を破断したユニットの左側面図である。 ユニットの平面図である。 芯金及びパンチの側面図である。 芯金及びパンチの正面図である。 ストリッパーにワークが当たる状態を示す説明図である。 ワーク筒部の肉厚にパンチが打ち込まれる状態のステーション別の説明図である。 ダイブロックの平面図である。 ダイブロックの孔上周辺の断面図である。 ワークの断面図である。 パンチの形態例を模式的に説明する断面図である。 従来の穿設装置を説明する説明図である。
符号の説明
10 ワーク
12 筒状部
15 周壁
17 凹み部
17a 周縁
18 せん断
19 破断
20 ダイ
24 排出孔
30 パンチ
30a 面取り部
32 芯金
40 昇降ブロック
42 保持孔
50 加圧手段
52 加圧装置
54 弾性手段
60 吸引手段
62 圧縮空気源
70 貫通孔
80 抜きカス

Claims (9)

  1. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する方法であって、
    前記ワークをダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に前記周壁の厚さよりも短く突設されたパンチを前記筒状部の内側へ挿入した状態とし、
    前記芯金を介してパンチをダイに近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設し、
    該貫通孔が穿設されるときに、抜きカスを、ダイの抜きカスの排出孔から吸引除去することで貫通孔を開口することを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設方法。
  2. 前記貫通孔を穿設する前に、該貫通孔の穿設予定位置に対応して前記筒状部の外側から前記周壁に潰しパンチを打込み、前記貫通孔よりも一回り大きな周縁となる凹み部を形成し、
    前記貫通孔を穿設する際には、前記パンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んでせん断と前記凹み部の周縁に達する破断を生じさせることを特徴とする請求項1記載のワーク周壁における貫通孔の穿設方法。
  3. 前記パンチとダイを相対的に加圧移動させるときに、バネ性の力を介在させて加圧することを特徴とする請求項1又は2記載のワーク周壁における貫通孔の穿設方法。
  4. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、
    前記ワークを加工する一方の型であるダイと、
    片持ちに保持された棒状の芯金に前記周壁の厚さよりも短く突設され、前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、
    前記芯金を介してパンチをダイに近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設する加圧手段とを備え、
    前記芯金は、パンチの突設された先端側とは反対側の後端側が該芯金を保持するブロックの保持孔に挿入されて着脱可能に固定されていることを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  5. 前記芯金は、パンチの突設された前記先端側がプレス打抜きのため前記筒状部の内部で加圧方向に移動できるように、前記後端側の部分よりも移動方向について細く形成され、該芯金の先端側と後端側との段部にRが取られていることを特徴とする請求項4記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  6. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、
    前記ワークを加工する一方の型であるダイと、
    片持ちに保持された棒状の芯金に前記周壁の厚さよりも短く突設され、前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、
    前記芯金を介してパンチをダイに近接する方向へ相対的に加圧移動させることで、パンチを前記筒状部の内側からワークの周壁へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設する加圧手段とを備え、
    前記パンチの端面は、前記筒状部の内周面の形状に沿うように面取りがされていることを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  7. 前記貫通孔が穿設されるときに該貫通孔を開口すべく、抜きカスをダイの抜きカスの排出孔から吸引除去する吸引手段を具備することを特徴とする請求項4、5又は6記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  8. 前記吸引手段は、圧縮空気を断面積のより大きな流路に開放することでベンチュリー効果によって負圧を発生する負圧吸引装置であることを特徴とする請求項7記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  9. 前記加圧手段は、前記パンチとダイを相対的に加圧移動させるときにバネ性の力を介在させて加圧すべく、弾性手段を備えることを特徴とする請求項4、5、6、7又は8記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
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