JP2006239776A - ワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置 - Google Patents

ワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置 Download PDF

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Abstract

【課題】筒状部の内周面にバリが生じることを防止し、生産性が高く、加工コストを大幅に低減できるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置を提供すること。
【解決手段】ワーク10をダイ20に位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金32に突設されたパンチ30を、貫通孔70が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に筒状部12の内側へ挿入し、芯金32を介してパンチ30をダイ20との間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、貫通孔70を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔72からワーク10内へ挿入された押圧ピン35を、芯金32及びパンチ30と共に加圧移動させてパンチ30を筒状部12の内側から周壁15へ打ち込んで貫通孔70を穿設し、押し戻しピン55を芯金32及びパンチ32と共に反対方向へ移動させてパンチ30をワーク10からストリップする。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設するワーク周壁における貫通孔の穿設方法、その穿設装置、及びその穿設方法若しくは穿設装置によって貫通孔が開口されたワークに関する。また、本発明は、ワーク周壁における貫通孔の加工方法、その加工装置、及びその加工方法若しくは加工装置によって貫通孔が加工されたワークに関する。
ワークに貫通孔を開けるには、ドリルによる切削加工、プレスの打抜き加工、放電加工、フライス加工などがある。ワークがパイプなどの筒状部を少なくとも一部に有する場合であって、その筒状部の周壁に貫通孔を開けるためにも、前記加工手段を用いることができる。
しかし、フライス、ドリルやプレスによる孔加工では、孔縁にバリが生じるのでバリ取りの手間が掛かる。特に筒状部の周壁に貫通孔を開口する際、ドリルによる場合や、筒状部の外側からパンチでプレス打抜きをした場合には、筒状部の内周面にバリが生じてしまう。ワークによっては、筒状部の内側のバリを全く許容しない。しかし、ワークが比較的小部品の場合、このように筒状部の内側に生じたバリを除去することは困難である。
このため、従来から、ワークが筒状部を有する小部品で周壁が比較的厚い場合であって、その周壁に小さな貫通孔を開口するためには、放電加工が採用されている。しかし、放電加工は加工時間が長くかかり、生産性が悪く、加工コストを低減できない。
また、小部品でも比較的大きな貫通孔を開口する場合は、筒状部の外側からパンチを打ち込んで貫通孔を開け、後で内側のバリを手作業で除去している。これも、生産性が悪く、加工コストを低減できない。さらにフライス盤による切削加工で貫通孔を開口する場合も、加工時間が長くかかると共に内側のバリ取り作業を要する。
ところで、板材については図28に示すように、板材(107b)にプレスの打抜きによってバリを生じさせることなく貫通孔を開設する方法が提案されている(特許文献1参照)。
これはプレス又は切削による一次加工によって、板材(ワーク)(107b)の少なくとも裏面に、打ち抜くべき貫通孔170aの孔径に対応する周溝174aを形成し(図28(a))、図28(b)に示すように、プレスによる二次加工によって、板材(107b)の反対側面から周溝中心との対応位置に打抜きパンチ(151a)を打ち込んで貫通孔(170a)を開設するのである。なお、178aはスクラップ(抜きカス)である。
特開平5−42330号公報([0005]、[0006] 、[0009]、[0019]等)
しかし、前記の板材に貫通孔を開設する方法は、ダイ151bに対してパンチ151aを単純に真上から押圧するものであり、小部品の筒状部の周壁に貫通孔を開ける場合には適用できない。
そこで、ワーク内側のバリの発生を防止するためには筒状部の内側からプレス金型(パンチ)で打抜くことが考えられる。しかし、この場合、筒状部の内側に挿入できる小さな型が必要となり、その型の寿命が十分で生産性の高い穿設方法及びその装置は、全く存在しなかった。
そして、ワークの筒状部の周壁における対向する部分の両方に貫通孔を穿設する場合にも、同様に、好適な穿設方法及びその装置は存在しなかった。特に、筒状部の内径が小さく入り口から貫通孔を開口すべき位置までの距離が長い場合に対応できる好適な穿設方法及びその装置は、全く存在しなかった。
ワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置に関して解決しようとする問題点は、バリのない貫通孔を開けるために、従来の方法及び装置では生産性が低いことにある。また、筒状部の内側の貫通孔周縁に生じたバリを好適に処理できなかった点にもある。
そこで本発明の目的は、少なくとも筒状部の内周面にバリが生じることを防止し、且つ生産性が高く、加工コストを大幅に低減できるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置を提供することにある。また、筒状部の内側の貫通孔周縁に生じたバリを好適に処理することで、生産性が高く、加工コストを大幅に低減できるワーク周壁における貫通孔の加工方法及び加工装置を提供することにもある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する方法であって、前記ワークを前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設されたパンチを、貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入し、前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、ワークの貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設し、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記パンチの切刃端面に当接させた押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップすることを特徴とする。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法の他の形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する方法であって、前記ワークの最初に貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に、後で開けるべき貫通孔よりも小さな孔である作業用貫通孔を、筒状部の外側からパンチを打ち込んで穿設し、前記ワークを前記筒状部の周壁の最初に貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設されたパンチを、最初に貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入し、前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記作業用貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設し、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記パンチの切刃端面に当接させた押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップし、前記ワークを前記筒状部の周壁の後で貫通孔が開けられるべき前記作業用貫通孔に対応する部分の外壁面に当接するダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設されたパンチを、後で貫通孔が開けられるべき前記作業用貫通孔に対応する部分の内壁面に対面した状態に前記筒状部の内側へ挿入し、前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前工程で穿設された貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで前記作業用貫通孔を内包する貫通孔を穿設し、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記パンチの切刃端面に当接させた押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップすることを特徴とする。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法の一形態によれば、前記ダイと前記パンチによって貫通孔が穿設される穿設位置から、隣接する前記押し戻しピンが配設されたストリップ位置へ、パンチ及びワークに対してダイ及び押し戻しピンを相対的に移動させ、前記押し戻しピンによってパンチをワークからストリップすることを特徴とすることができる。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイと、片持ちに保持された棒状の芯金に突設され、貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、ワークの貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入される押圧ピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記押圧ピンを前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設する加圧手段と、前記パンチをワークからストリップするために該パンチの切刃端面に当接される押し戻しピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップさせる押し戻し手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の他の形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、前記ワークの最初に貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に、後で開けるべき貫通孔よりも小さな孔である作業用貫通孔を、筒状部の外側から打ち込んで穿設するパンチを備える第1の穿設装置ユニットと、前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイと、片持ちに保持された棒状の芯金に突設され貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、前記作業用貫通孔又は穿設された貫通孔からパンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入される押圧ピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に前記押圧ピンを前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設する加圧手段と、前記パンチをワークからストリップするために該パンチの切刃端面に当接される押し戻しピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に前記押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップさせる押し戻し手段を備える第2の穿設装置ユニットとを具備することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記ダイと前記パンチによって貫通孔が穿設される穿設位置と隣接して前記押し戻しピンが配設されたストリップ位置が設けられ、前記穿設位置から前記ストリップ位置へ、パンチ及びワークに対してダイ及び押し戻しピンを相対的に移動させる移動手段が設けられたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記芯金は、パンチの突設された先端側とは反対側の後端側が該芯金の保持部である芯金ホルダーの保持孔に挿入されて着脱可能に固定されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記パンチの切刃端面は、前記筒状部の内周面の形状に沿うように面取りがされていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記貫通孔が穿設されるときに該貫通孔を開口すべく、抜きカスをダイの抜きカスの排出孔から吸引除去する吸引手段を具備することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設装置の一形態によれば、前記第1の穿設装置ユニットは、前記ワークの筒状部の外側からパンチを打ち込んで前記作業用貫通孔を穿設する際に抜きカスが該作業貫通孔の内側周縁の一部分から分離しない状態で回動して残留することを防止すべく、該ワークの筒状部の内部へ挿入されるように設けられた抜きカス回動防止用の挿入部材を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワークの一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークであって、前記のワーク周壁における貫通孔の穿設装置によって筒状部の周壁に貫通孔が開口されたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の加工方法の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、外側からパンチが打ち込まれて、穿設された貫通孔について、該貫通孔の内側周縁に生ずるバリをプレス処理する加工方法であって、前記ワークを前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられた部分の外壁面に当接する受けダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設された面押しパンチを、前記貫通孔が開けられた部分に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入し、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記面押しパンチと前記受けダイとの間でプレスがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記ワークの前記筒状部の周壁における面押しがされる側とは反対の貫通孔から、前記面押しパンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及び面押しパンチと共に加圧移動させることで、前記貫通孔の内側周縁に生じたバリを前記面押しパンチによって前記筒状部の内側からプレスして潰すことを特徴とする。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の加工装置の一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、外側からパンチが打ち込まれて、穿設された貫通孔について、該貫通孔の内側周縁に生ずるバリをプレス処理する加工装置であって、前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられた部分の外壁面に当接する受けダイと、片持ちに保持された棒状の芯金に突設され、前記貫通孔が開けられた部分に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入される面押しパンチと、前記ワークの前記筒状部の周壁における面押しがされる側とは反対の貫通孔から、前記面押しパンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入される押圧ピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記面押しパンチと前記受けダイとの間でプレスがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記押圧ピンを前記芯金及び面押しパンチと共に加圧移動させることで、前記貫通孔の内側周縁に生じたバリを前記面押しパンチによって前記筒状部の内側からプレスして潰す加圧手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の加工装置の一形態によれば、前記面押しパンチが、前記貫通孔に進入できる先端案内部と、前記貫通孔の内側周縁に当接してバリを潰す部位である断面R状に設けられた面押しR部とを備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるワークの一形態によれば、筒状部を少なくとも一部に有するワークであって、前記のワーク周壁における貫通孔の加工装置によって筒状部の周壁に設けられた貫通孔が処理されたことを特徴とすることができる。
本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置によれば、少なくとも筒状部の内周面にバリが生じることを防止し、且つ生産性を向上させて加工コストを大幅に低減できる。筒状部の開口から離れた位置に貫通孔を穿設する場合にも、好適に適用できる。
以下、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の穿設方法及び穿設装置の最良の形態の一例を添付図面と共に詳細に説明する。図1は本発明にかかる穿設装置及びワークを示す側面から見た断面図である。この穿設装置は、ワークの筒状部の周壁に内側からプレス打ち抜きで貫通孔を穿設する装置である。
10はワークであり、筒状部12を少なくとも一部に有するものの一例である。図1に示すように、一方(図面上左側)が開口10aしており、軸線方向の中間部10bが開口側の部分よりも太く形成され、他方側(図面上右側)が徐々に小径となっている。内径も開口側の部分に比べて中間部10bの方が大きくなっている。なお、ワーク10の他方は中心が僅かに透孔となっているが、実質的に閉じた形状となっている。
このワーク10は、具体的には自動車のハンドルシャフトであり、金属材によって形成されたものである。貫通孔を開けるべき部分(中間部10b)は、外径が25mm程度、周壁15の厚さが2.5mm程度である。その中間部10bの軸線方向の所定位置で表裏(円周2等分の各位置)に、長径27mm×短径9mm程度の長円形の貫通孔70(図12など参照)が穿設される。なお、このワーク10は、作業用貫通孔72が中間部10bの上下に2つずつ予め開口されたものである。
20はダイであり、ワーク10を加工する一方の型である。このダイ20は、筒状部12の周壁15の貫通孔70が開けられるべき部分の外壁面に当接するように、ワーク10を好適に受けるように形成されている。図4に示すように断面円弧状に形成されており、切刃となる角の部分が鈍角に形成されるため、損傷しにくい形態となっている。
また、24は抜きカスの排出孔であり、下方に向かって徐々に拡大する形態(図1、4など)になっている。これにより、抜きカス80(図7、8など)が途中で引っ掛かることなく好適に排出される。
30はパンチであり、片持ちに保持された棒状の芯金32の先端側の部分に設けられている。このパンチ30は、芯金32の長手方向(軸心)に直交する方向で且つ真下へ突設されている。また、パンチ30は芯金からなるべく短く突起した形状に設けられている。このようにパンチ30を短く形成するのは、芯金32をなるべく太く形成して金型の寿命を長くするためである。つまり、パンチ30が短いことで逃げストロークを短くでき、その分ワーク10の内側に挿入される芯金32を太くできる。従って、強度を高め寿命を延ばすことができる。また、パンチ30が短いことで、パンチ30自体の損傷も防止できる。これにより、生産性を向上でき、加工コストを大幅に低減できる。
なお、本形態例では、パンチ30と芯金32とが一体的に形成されている。しかし、場合によっては、芯金32の先端側の部分へ別体に形成されたパンチ30を埋め込むなどして固定することで、パンチ30が芯金32から所定の長さ突起した形状としてもよい。
そして、このパンチ30は、図2に示すように、貫通孔70が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に筒状部12の内側へ挿入される。なお、ワーク10をフィーダーで搬送してパンチ30が突設された芯金32に嵌めることでも、パンチ30が相対的に筒状部12の内側へ挿入されることになる。
芯金32は、パンチ30の突設された先端側32aとは反対側の後端側32bが、その芯金32の保持部である芯金ホルダー(昇降ブロック40)の保持孔42に水平方向に挿入されて、昇降ブロック40に着脱可能に固定されている。また、芯金32の後端側32bの側面には回り止めのための平坦部が設けられている。このため、好適且つ容易に交換できる。
この芯金32の固定状態は水平方向に先端側32aが突出した片持ちであり、芯金32は前述したように棒状に形成されている。本形態例では、芯金32が昇降ブロック40に保持された部分からパンチ30が設けられた部分までの距離が非常に長い。このため、プレス打抜き加工がなされるとき、芯金32の先端側32a側を押圧する手段(例えば、後述する押圧ピン35)が存在しない場合は、芯金32が撓んで貫通孔70を穿設できない。また、芯金32の突き出た部分が長いほど、大きなモーメントがかかって破損し易くなる。
なお、芯金32の形状は、先端側32aがワーク10の内側に挿入できるものであればよい。特に後端部32bの形状は限定されるものではなく、好適にセットできるものであれば適宜形成すればよい。
35は押圧ピンであり、ワークの貫通孔70を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔72から、パンチ30が突設された芯金の面と反対側の面33に当接するようにワーク10内側へ挿入される。
この押圧ピン35が、後述するように芯金32及びパンチ30と共に加圧移動される。これによれば、押圧ピン35が、芯金32を上から支持する状態となって、結果的にパンチ30を押圧して貫通孔70を穿設することができる。つまり、芯金32を昇降ブロック40と押圧ピン35の両方で上から加圧し、パンチ30を周壁15へ内側から打込むことができる。
これによれば、芯金32に片持ちの場合のモーメントがかかることを防止でき、貫通孔70の穿設を可能とすると共に、芯金32及びパンチ30が損傷することを好適に防止できる。このように貫通孔70をプレス打ち抜きで内側から好適に開けることができるため、ワーク10の内側にバリが発生することを防止できる。また、バリ取りの工数をなくすことにより、生産性を大幅に向上できる。このため、生産コストを大幅に低減できる。
P(50)は加圧手段であり、芯金32をその芯金の保持部(昇降ブロック40)を介してパンチ30とダイ20との間で打抜きがなされる方向(近接する方向)へ相対的に加圧移動(本形態例では下向きに移動)させると同時に、押圧ピン35を芯金32及びパンチ30と共に加圧移動させることで、パンチ30を筒状部12の内側からワークの周壁15へ打ち込み、せん断と破断を生じさせて貫通孔を穿設する。
本形態例では、先ず、押圧ピン35を下降させ(図3、4参照)、中途から昇降ブロック40に保持された芯金32を介してパンチ30を同時に下降させる(図7、8参照)構成になっている。また、パンチ30は周壁15に直交する下方へ打ち込まれる。なお、貫通孔70を穿設する打抜き方向は、本形態例のような上下方向に限定されないことは勿論である。例えば、ワーク10が立った状態で順送タイプ等の金型にセットされ、パンチ30が水平方向に打ち込まれて貫通孔70を穿設するようにしてもよい。
なお、加圧手段50の加圧装置としては、例えばシリンダ装置を用いればよい。
また、せん断に続いて破断が適切になされるには、ダイ20とパンチ30とのクリアランスが適正であることを要する。この適正クリアランスについては、経験的に適切な値が知られている。例えば、鉄系の材料に円形の貫通孔を開ける際には、ダイの内径とパンチの外径が、以下の式の関係となるように設定すればよい。
ダイの内径=パンチの外径+{被加工材厚さ×(5〜10%)}×2
16はワークの載置台であり、ワーク10が載置・固定された状態で上下に移動可能に複数の支柱52によって支持されている。18は保持部材であり、ワーク10をワークの載置台16との間で挟んで固定する。
また、このワークの載置台16上には、前記昇降ブロック40とその昇降ブロック40の上下方向の移動を案内する昇降ガイド44が載置されている。
そして、このワークの載置台16は、押棒46を介して前記加圧手段50によって、押圧ピン35及び昇降ブロック40と共に押圧下降される。ワークの載置台16が下降した位置で、ワーク10がダイ20に当接してセットされる。ワークの載置台16は、ワーク10がダイ20上に架け渡される状態で保持される形態となっている。さらに詳細にはワークの載置台16に設けられた上下貫通部17内にダイ20が配置されている。これにより、ワークの載置台16がダイ20に対して上下に所定の間隔だけ移動可能になっている。
53は復帰用バネであり、ベース盤43に設けられた複数の各収納室43a内にそれぞれ配置されている。この復帰用バネ53の弾発力によって支柱52が上方へ突起するように付勢されている。この復帰用バネ53によれば、前記加圧手段50によって下降されたワークの載置台16を、支柱52を介して元の高さ位置まで戻すことができる。
この復帰用バネ53としては、図1などに示したようにコイルスプリングを用いることができる。
51は復帰手段であり、加圧手段50によって下降された押し盤45を上昇させて上死点まで戻すように作用する。例えばコイルスプリングを用いることができる。この復帰手段51によって、押し盤45を介して、昇降ブロック40に当接して押圧する押し部45a、押棒46及び押圧ピン35を加圧前の位置へ上昇・復帰させることができる。
55は押し戻しピンであり、パンチ20をワーク10からストリップするためにそのパンチの切刃端面30aに当接される。
57は芯金の駆動手段であり、芯金32をその芯金の保持部(昇降ブロック40)を介して打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させる。この芯金の駆動手段57としては、図1などに示すようにシリンダ装置を用いることができる。なお、この芯金の駆動手段57はワークの載置台16に固定されており、ワークの載置台16と共に上下動する。
また、56は押し戻しピンの駆動手段である。昇降ブロック40が打抜き方向とは反対のストリップ方向へ移動されると同時に、押し戻しピン55を、芯金32及びパンチ30と共に打抜き方向とは反対のストリップ方向へ移動させる。この押し戻しピンの駆動手段56としては、芯金の駆動手段57と好適に同期させるために、図1などに示すようにシリンダ装置を用いることができる。各シリンダ装置の駆動圧等を調整することで容易に同期させることができる。
本形態例では、上記のシリンダ装置からなる芯金の駆動手段57及び押し戻しピンの駆動手段56によって、パンチ30を押し戻してワーク10からストリップさせるべく、芯金32及び押し戻しピン55を加圧移動させる加圧戻し手段(押し戻し手段)が構成されている。なお、この押し戻し手段としては、これに限定されるものではなく、既知の他のアクチュエータ等を構成要素とする機構を用いることができるのは勿論である。
また、本形態例では図4及び図11に示すように、ダイ20とパンチ30によって貫通孔70が穿設される穿設位置Aと隣接して押し戻しピン55が配設されたストリップ位置Bが設けられている。
穿設位置Aからストリップ位置Bへ、パンチ30及びワーク10に対してダイ20及び押し戻しピン55を相対的に移動させる移動手段が設けられている。この移動手段の水平方向の駆動部としては、図4及び図11などに示すようにシリンダ装置58を用いることができる。また、移動手段の上下方向の駆動部としては、前述した復帰用バネ53が機能する。
また、図17及び図19(右半分の記載)に示すように、本形態のパンチ30の切刃となる端面は、ワーク10の筒状部12の内周面の形状に沿うように面取りがされている(図17(a)はパンチ30の正面図であり、図17(b)はパンチ30の底面図である)。
本形態例では、筒状部12の内側の円周面に対応してパンチ30の左右の部分が面取りされ、2つの面取り部30bが形成されている。つまり、図17及び図19の右半分の記載から明らかなように、パンチ30の打ち込み方向に直交する平坦な端面30aに対して傾斜面となる面取り部30bが、パンチ30の両側に形成されている。これにより、この面取り部30bが形成されたパンチ30の端面における各角部の角度が、90°より大きい鈍角になっている。なお、平坦な端面30aと面取り部30bの傾斜面は、芯金32の軸心に対して平行な面になっている。
このように面取り部30bが形成されることで、パンチ30の端面が筒状部12の内周面に分散して接触でき、パンチ30が損傷することを防止できる。はさみの切断と同じように、パンチ30の面取り部30bの存在によってシャー角が生じ、これがプレス時の圧力を分散して好適に貫通孔70を開けることができる。そして、前記角部が鈍角であることで、パンチ30の刃欠けが生じにくい。
また、図19の右半分の記載に明らかなように、面取り部30bが形成されて削られた分の高さH3に対応して、パンチ30が設けられた芯金32の先端側32aを太くしても、ワーク10の内側へ挿入することができる。その芯金32の先端側32aの断面積が広くなった分、芯金32の剛性及び耐久強度を高めることができる。なお、図19の左半分の記載は、面取り部30bが形成されない場合を比較のために記載した断面図である。
これによっても、金型の寿命を延ばし、加工コストを低減できる。
また、端面に面取り部30bを有するパンチ30によれば、抜きカス80がパンチ30の端面に密着して貼り付くことを防止できる。これによっても生産性を向上できる。
V(60)は吸引手段(図4)であり、貫通孔70(図8)が穿設されるときにその貫通孔70を開口すべく、抜きカス80(図8)をダイ20の抜きカスの排出孔24から吸引除去する。
これによれば、抜きカス80が発生する際に吸引状態であって、抜きカス80が発生した瞬間に吸引除去するため、貫通孔70に抜きカス80が残らず好適に開口できる。
この吸引手段60としては、図18に示すように、圧縮空気源62からの圧縮空気を断面積のより大きな流路64に開放することでベンチュリー効果によって負圧を発生する負圧吸引装置を好適に利用することができる。常態において負圧状態を保ち、抜きカス80が発生したときに好適に吸引できる。なお、排出孔24を通って流路64へ吸引された抜きカス80は、その流路64内を流れる空気流(吐出空気流)によって吹き飛ばされる。従って、この吸引手段60に特別な構成を追加することなく、抜きカス80を好適に排出できる。
この圧縮空気を利用する方法によれば、通常の工場内で一般的に使用されているコンプレッサー装置を用いればよく、容易に構成できる。なお、吸引手段はこれに限らず、他の減圧(真空)装置を用いてもよいのは勿論である
以上に説明したワーク周壁における貫通孔の穿設装置で、筒状部12を少なくとも一部に有するワーク10について、その筒状部12の周壁15に内側から貫通孔70を開口したことは、せん断や破断の状況などを検査することで検証することができる。
次に、以上の構成からなる穿設装置を用いて、ワーク10の筒状部12の周壁15に貫通孔70を穿設する工程について図1〜12に基づいて説明する。図1〜3、5、7は側面の断面図であり、図4、6、8〜12は正面の断面図である。なお、各図において、以上で説明した構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図1は、ワーク10を金型にセットする前の金型が開いた状態を示している。
45は押し盤であり、加圧手段50(図1)によって押圧される。この押し盤45に押圧ピン35が2本取り付けられている。また、押し盤45の昇降ブロック40を押圧する押し部45aと押圧ピン35との間には押棒46が配設されている。この押棒46は、常時、バネ47で下方へ突出するように付勢されており、押し盤45と共に下降した際にはワークの載置台16を下方へ押すように作用する。
図2は、ワーク10を金型にセットした状態を示す断面図である。ワーク10が、ワークの載置台16上で保持部材18に挟まれて固定されている。さらに詳細には図4に示すようにワークの載置台16に設けられた断面コの字状の溝にワーク10が嵌り、保持部材18の断面弧状の面が上側から当接してワーク10を固定している。
このとき、ワーク10は、ダイ20から所定の間隔を置いて上方に位置している。
また、片持ちに保持された棒状の芯金32に突設されたパンチ30を、貫通孔70が開けられるべき部分の内壁面に対面するように筒状部12の内側へ挿入した状態となっている。
この時点では、押し盤45は上死点にあり、押圧ピン35はワーク10の上方に離れて位置している。また、押し部45aも昇降ブロック40の上方に離れて位置している。さらに、押棒46もワークの載置台16の上方に離れて位置している。
次に、図3及び図4に示すように、押し盤45を下降させ、押し部45aを昇降ブロック40の上面に当接させる。このとき同時に、押圧ピン35も作業用貫通孔72(図2)からワーク10内へ挿入されて、パンチ30が突設された芯金の面と反対側の面33に当接される。また、図4に示すように、押棒46がワークの載置台16上面に当接した状態となる。
そして、図5及び図6に示すように、押し盤45をさらに下降させると、押棒46に押圧されてワークの載置台16が下降する。支柱52を上方へ付勢する復帰用バネ53の付勢力に抗し、ワークの載置台16が下方へ押圧移動される。
これにより、ワークの載置台16に載置された昇降ブロック40、芯金32及びパンチ30と共にワーク10が下降する。
その結果、筒状部の周壁15の貫通孔70が開けられるべき部分の外壁面をダイ20
に当接した状態に、ワーク10が位置される。
そして、図7及び図8に示すように、押し盤45をさらに下降させて昇降ブロック40を押圧し、芯金32を、その芯金の保持部である昇降ブロック40を介してパンチ30とダイ20との間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、ワークの貫通孔70を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔72から、パンチ30が突設された芯金の面と反対側の面33に当接するように挿入された押圧ピン35を、芯金32及びパンチ30と共に加圧移動させることでパンチ30を筒状部12の内側から周壁15へ打ち込んで貫通孔70を穿設する。
このとき、昇降ブロック40は昇降ガイド44に案内されてパンチ30が周壁15を打ち抜くだけの所定の間隔だけ下方へスライドする。
図8に示すようにパンチ30が打ち込まれる際、面取り部30bが形成されたパンチ30の切刃端面30aによれば、貫通孔70を好適に開けることができる。これは、面取り部30bによって形成される4つの角部が、周壁15の内壁面に最初に接触し、前述したようにシャー角が生じるためである。
このとき、押棒46は、バネ47の付勢力に抗して上方へ移動し、保持孔48内に所定の長さ分入った状態となっている。
また、以上のように貫通孔70が穿設されるときに、抜きカス80が、ダイ20の抜きカスの排出孔24から吸引手段60によって吸引除去さればよい。これにより、貫通孔70が好適に開口されると共に、確実に抜きカス80を排出でき、生産性を向上できる。
次に、図9〜12に基づいて、パンチ30をワーク10からストリップする工程について説明する。
図9に示すように、押圧ピン35を所定の間隔だけ上方へ移動するように、復帰手段51(図1)の押上げ力によって押し盤45を上昇させる。
この際に、芯金の駆動手段57であるシリンダ装置(図1)は、芯金32が上昇することを阻止してパンチ30がワーク10の周壁15を貫いた状態を維持するように機能する。
さらに図10に示すように、復帰手段51(図1)の押上げ力によってさらに押し盤45を上昇させると、押棒46の上昇に伴ってワークの載置台16が所定の高さまで上昇する。押し盤45の上昇に伴って押棒46の押圧力が解除されて、復帰用バネ53によって支柱52を介してワークの載置台16が上昇される。これにより、ワーク10が、ダイ20から所定の間隔だけ浮いた状態となり、左右への移動が可能になる。
次に、図11に示すように、ダイ20とパンチ30によって貫通孔70が穿設された穿設位置Aから、隣接して押し戻しピン55が配設されたストリップ位置Bへ、パンチ30及びワーク10に対してダイ20及び押し戻しピン55を相対的に移動させる。
図11に示すように、移動手段の水平方向の駆動部であるシリンダ装置58が収縮することで、ダイ20及び押し戻しピン55を備えるダイのブロックを水平方向(図面上では右側)へスライドさせる。なお、本形態例では、押し戻しピンの駆動手段56(シリンダ装置)は移動せずに、押し戻しピン55の後端がシリンダ装置の伸縮ロッド上に設けられた盤の上をスライドする。
これにより、押し戻しピン55の先端が、パンチ30の切刃端面30aの真下に位置される。
そして、図12に示すように、押し戻しピン55を、押し戻しピンの駆動装置56によって上昇させる。押し戻しピン55は、パンチ30の切刃端面30aに当接してパンチ30を下から押し上げる。このとき、芯金の駆動手段57(図1)も同時に作動して昇降ブロック40(図1)を介して芯金32を上昇させる。これにより、パンチ30が突設された芯金32は、水平に保たれたまま所定の高さ上昇される。
以上の動作により、パンチ30がワーク10から好適にストリップされる。
なお、本形態例では、穿設位置Aとストリップ位置Bとを別々に設けたが、穿設とストリップの両工程を同位置で行ってもよい。寸法上の制約などをクリアできれば、抜きカス80をダイ20の直下から側方へ排出させ、押し戻しピン55を抜きカスの排出孔24を通して下側から突き上げるようにしてもよい。つまり、押圧ピン35、パンチ30、ダイ20及び押し戻しピン55を上下に略一直線に並べた形態でもよい。これによれば、ワーク10について同一位置で穿設工程とストリップ工程を行うことができる。従って、ワーク10を相対的に穿設位置Aとストリップ位置Bへ移動させる複雑な移動機構を必要としない。
以上に説明した工程の後、180度反対側の貫通孔70を穿設するには、既に開口された貫通孔70を利用し、押圧ピン35を用いてプレス打抜きをすればよい。なお、作業工程は以上に説明した内容と同一であり、説明を省略する。
以上の工程によれば、内側からパンチ30を打込んで貫通孔70を開けるため、筒状部12の内壁面にはバリが生じない。従って、後工程でバリ取り作業をすることを要しない。また、パンチ30を押圧ピン35でも押すことになるから、プレス圧を好適に与えることができ、比較的大きな貫通孔も好適に開けることができる。そして、芯金32は昇降ブロック40と押圧ピン35で上から支持されるから、片持ちの場合に生じる撓み変形を防止できる。従って、パンチ30及び芯金32の損傷を防止でき、金型の寿命を大幅に延ばすことができる。
また、押し戻しピン55でパンチ30を押し戻すことで、パンチ30をワーク10から好適にストリップできる。これは、パンチ30を押し戻しピン55によって芯金32の上昇と同期させて押し上げることで、パンチ30が傾くことを防止できるためである。つまり、パンチ30がワーク10の貫通孔70に食い付くことを防止でき、スムースにワーク10からパンチ30がストリップできる。
このため、生産性を向上させて加工コストを大幅に低減することができる。
次に、図13〜16に基づき、ワーク10の周壁15に作業用貫通孔72を穿設する方法及び装置について説明する。
図に示す装置は、ワーク10の貫通孔70を開けるべき周壁部分に、開けるべき貫通孔70よりも小さな孔である作業用貫通孔72を、筒状部の外側から打ち込んで穿設するパンチ37を備える。この装置が第1の穿設装置ユニット100となる。
そして、この第1の穿設装置ユニット100に対して、図1〜12に説明した装置が、第2の穿設装置ユニット200となる。
23は受け部であり、ワーク10の加工される筒状部12を受ける部分となっている。また、25はストッパであり、ワーク10の開口10a側の端面に当接して位置決めをする部分となっている。また、28は固定片であり、この固定片28と螺子29によって、ワーク10を受け部23に固定している。
90は押し盤であり、加圧手段91によって押圧される。この押し盤90にピン状のパンチ37(断面円形)が2本取り付けられている。
26はストリッパー部であり、パンチ37をワーク10から抜くときにワーク10を押える部分となっている。このストリッパー部26には、パンチ37が上下方向にスライドできるように、案内孔38が2つ設けられている。
また、92は位置決めピンであり、バネ93の付勢力によって上方へ突起するように付勢されている。先に穿設された作業用貫通孔72に嵌り、ワーク10の回転方向の位置決めをする。
次に、以上の構成からなる第1の穿設装置ユニット100を用いて、ワーク10の筒状部12の周壁15に作業用貫通孔72を穿設する工程について図13〜16に基づいて説明する。図13〜16はいずれも側面から見た断面図である。
図13は、ワーク10を金型にセットした状態を示す断面図である。このとき、押し盤90は上死点にあり、パンチ37は上方に離れて位置している。なお、この押し盤90にかかる加圧手段や復帰手段については、図1と共に説明したような周知技術を適宜用いればよく、特に説明しない。
図14は、パンチ37を下降させてワーク10に2つの作業用貫通孔72の穿設を行っている状態を示す断面図である。
この作業用貫通孔72の直径は、ワーク10の内径に比べて比較的小さく設定できる。最終的に穿設される貫通孔70と比べても少なくとも一回り小さい孔となっている。
従って、プレス圧が大きくならなくても作業用貫通孔72を穿設できる。このため、本形態例では、ダイを用いず、パンチ37を外側から打ち込むことのみで、作業用貫通孔72を穿設している。このため、生産性を向上できる。
抜きカス82の排出方法は図示していないが、空気によって吹き飛ばすなどして適宜に排出すればよい。この抜きカス82は、作業用貫通孔72が貫通孔70より小さなものであるから比較的小さいもので、容易に排出することが可能である。
ところで、作業用貫通孔72は、その部分を内包する貫通孔70が穿設される場合は完全に消失されるため、捨て孔(下孔)として設けられることになる。
なお、この作業用貫通孔72が捨て孔として設けられるものであるから、精度の高い加工を要求されない場合もある。その場合は、本形態例のような穿設方法に限らず、他の公知の穿設方法で作業用貫通孔72を穿設してもよい。
図15はワーク10を180度回転させて受け部23に固定した状態を示してある。先に穿設された作業用貫通孔72に位置決めピン92が嵌っている。これにより、ワーク10が軸線を中心に180度回転した状態で確実に固定されている。
図16は、パンチ37を下降させてワーク10に他の2つの作業用貫通孔72の穿設を行っている状態を示す断面図である。
このようにして、ワークの筒状部12の周壁15における対向する部分の両方に、後で開けるべき貫通孔70(図7及び12など参照)よりも小さな孔である作業用貫通孔72を好適に穿設できる。
円周2等分の各位置で、最終的に2つの貫通孔70を開けるべき部分の両方に作業用貫通孔72を穿設したのは、表裏2つの貫通孔70を同一の条件で穿設するためである。また、捨て孔である作業用貫通孔72を開けておくことで、抜きカス80が収縮する方向へ変形し易くなる。このため、抜きカス80が、抜きカスの排出孔24から排出され易くなる利点もある。
なお、作業用貫通孔72を、後で貫通孔70を開ける一方の側のみに穿設することにしても、2つの貫通孔70(円周2等分の各位置)を好適に開けることができるのは勿論である。これは、2つ目の貫通孔70を開ける際に、先に開けた貫通孔70を利用できるためである。
また、本形態例のように、ワーク10が、貫通孔70が設けられる筒状部12の内径よりも、パンチ30設けられた芯金32が挿入される入り口であるワークの端部開口10aの内径が小さく形成されている場合は、第1の穿設装置ユニット100において、図20に示すような抜きカス回動防止用の挿入部材95を備えるとよい。
この挿入部材95は、ワークの筒状部12の内部へ挿入されて、その外周面95aが周壁15の内周面に近接する。このため、ワークの筒状部12の外側からパンチ37を打ち込んで作業用貫通孔72を穿設する際に、抜きカス82が、その作業用貫通孔72の内側周縁72aの一部分から分離しない状態で回動(反転)して残留することを防止できる。従って、挿入部材95の大きさ(外径)は、抜きカス82が回動する空間を与えない程度に設けられるとよい。また、この挿入部材95は、抜きカス82を好適に受けるために、適度の柔軟性及び弾力性を有する材質であると良く、例えば、ウレタンの棒状材を採用することができる。ウレタンは金属に比べて硬度の低い材質であることで、パンチ37が傷つかないように抜きカス82を受けることができる。
次に、本発明にかかるワーク周壁における貫通孔の加工方法及び加工装置の最良の形態の一例を添付図面(図21〜27)と共に詳細に説明する。
図21は本発明にかかる加工装置及びワーク110であって、ワーク110を金型にセットする前の金型が開いた状態を示す側面から見た断面図である。また、図22はワーク110を金型にセットして押圧ピン135を下降させた状態を示す側面から見た断面図である。
この加工装置は、筒状部112を少なくとも一部に有するワーク110のその筒状部の周壁115における対向する部分の両方に、外側からパンチ137(図27参照)が打ち込まれて、穿設された貫通孔170について、その貫通孔170の内側周縁171に生ずるバリをプレス処理する装置である。また、この加工装置は、図1〜12に示した穿設装置と多くの共通した構成を備えるものであり、同等の構成には同一の名称を付し、相違する構成について詳細に説明する。
120は受けダイであり、筒状部の周壁115の貫通孔170が開けられた部分の外壁面に当接する。
130は面押しパンチであり、片持ちに保持された棒状の芯金132に突設され、貫通孔が開けられた部分に対面する状態に筒状部112の内側へ挿入される。なお、この面押しパンチ130は、本形態例のように芯金132と一体的に形成されていてもよく、又は、嵌め込み式のように複数部品によって構成されてもよい。
本形態例の面押しパンチ130は、貫通孔170に進入できる先端案内部130aと、貫通孔170の内側周縁171に当接してバリ171a(図23(b)参照)を潰す部位である断面R状(断面凹状)に設けられた面押しR部130bとを備える(図23〜25参照)。また、先端案内部130aと面押しR部130bとは連続されて形成されている。さらに、余分な部分(ワーク110の内壁面)をスタンピングして余分なプレス圧がかかることを防止すべく、段部130cが形成されている。これによって、面押しパンチ130は、バリ171aを集中的且つ確実にプレスして潰すことができる。
芯金132は、パンチ130の突設された先端側132aとは反対側の後端側132bが、その芯金132を保持するホルダー(昇降ブロック40)の保持孔142に水平方向に挿入されて着脱可能に固定されている。また、芯金132について強度を向上させて好適に保持できるように、昇降ブロック140に芯金の後端部132bが挿入されるべく水平方向に延長された突出部140aが設けられている。これによれば、芯金132の形状をシンプルな棒状とすることができ、製造コストを低減できる。なお、芯金132の形状は、先端側132aがワーク110の内側に挿入できるものであればよく、特に後端部132bの形状は限定されるものではない。また、設置される方向性についても特に限定されるものではない。
135は押圧ピンであり、ワーク110の筒状部の周壁115における面押しがされる側とは反対の貫通孔170から、面押しパンチ130が突設された芯金132の面と反対側の面133に当接するようにワーク110内へ挿入される。
150は加圧手段(P)であり、芯金132をその芯金の保持部(昇降ブロック140)を介して面押しパンチ130と受けダイ120との間でプレスがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、押圧ピン135を芯金132及び面押しパンチ130と共に加圧移動させることで、貫通孔170の内側周縁171に生じたバリ171a(図23(b)参照)を面押しパンチ130によって筒状部112の内側からプレスして潰すように作用する。
145は押し盤であり、加圧手段50によって押圧される。この押し盤145には押圧ピン135が取り付けられている。また、押し盤145には昇降ブロック140を押圧する押し部145aが設けられている。
144は昇降ガイドであり、昇降ブロック140の移動(上下動)を案内する。
また、ワーク110は、回転することを防止するため、外形が矩形の治具116に嵌められてネジ117で固定されている。122は受け部であり、治具116を所定の位置で受け、ワーク110を位置決めする。
152はストリッパー部であり、パンチ130をワーク110から抜くときにワーク110を押える部分となっている。このストリッパー部152には、押圧ピン135が挿通できるように、案内孔153が設けられている。
155は復帰手段であり、復帰用バネ156及び押圧ピン135の復帰手段157によって構成されている。これらの復帰用バネ156及び復帰手段157としてはコイルスプリングを採用できる。復帰用バネ156は昇降ブロック140とベース盤143との間に配置・弾装されている。この復帰用バネ156によって、加圧する工程が終わった後に、昇降ブロック140及び芯金132を介して面押しパンチ130を加圧前の位置へ上昇・復帰させることができる。さらに、復帰手段157によって、押圧ピン135を加圧前の位置へ上昇・復帰させることができる。
次に、以上の構成からなる加工装置を用いて、貫通孔170の内側周縁171におけるバリ171aを面押しする工程について図22〜25に基づいて説明する。
図22及び図23には、ワーク110を、筒状部の周壁115の貫通孔170が開けられた部分の外壁面に当接する受けダイ120に位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金132に突設された面押しパンチ130を、貫通孔170が開けられた部分に対面する状態に筒状部112の内側へ挿入し、押圧ピン135が、面押しパンチ130が突設された芯金132の面と反対側の面133に当接するように、ワーク110の筒状部の周壁115における面押しがされる側とは反対の貫通孔170からワーク110内へ挿入された状態が示されている。なお、図23(a)は図22の要部を正面から見た断面図であり、図23(b)は図23(a)のバリ171aの部分を示す拡大図である。
このとき、貫通孔170は、外側からパンチ137(図27参照)が打ち込まれて穿設された孔であり、図23に示すように、せん断部170a、破断170b及びダレ部170cを有し、貫通孔の内側周縁171にはバリ171aが出ている。
そして、図24及び図25には、芯金132をその芯金の保持部140を介して面押しパンチ130と受けダイ120との間でプレスがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、ワーク110内へ挿入された押圧ピン135を、芯金132及び面押しパンチ130と共に加圧移動させることで、貫通孔170の内側周縁171に生じたバリ171aを面押しパンチ130によって筒状部112の内側からプレスして潰している状態が示されている。なお、図24は面押しパンチ130が面押しをした状態を示す側面から見た断面図である。また、図25(a)は図24の正面から見た断面図であり、図25(b)は図25(a)のバリがなくなった内側周縁171の部分を示す拡大図である。
このように押圧ピン135を用いてプレスすることで、面押しパンチ130が貫通孔の内側周縁171の全周をバランス良く均等に押圧できる。従って、面押しパンチ130は、バリ171aを好適且つ確実にプレスして潰すことができる。
また、治具116を反転させることで、ワーク110の筒状部の周壁115における対向する部分に穿設された両方の貫通孔170について、内側周縁171のバリ171aをなくすことができる。
以上に説明したワーク周壁における貫通孔の加工装置で、筒状部12を少なくとも一部に有するワーク10について、その筒状部12の周壁15に設けられた貫通孔170が処理されたことは、貫通孔の内側周縁171におけるバリ171a(図23(b)参照)の潰れ状況などを検査することで検証することができる。
次に、図26及び27に基づき、ワーク110の周壁115に、後工程で内側周縁171に上述の面押し加工が施される貫通孔170を穿設する装置について説明する。
図26は穿設装置及びワーク110であって、ワーク110を金型にセットする前の金型が開いた状態を示す側面から見た断面図である。また、図27はワーク110を金型にセットしてパンチ137を筒状部112の外側から打ち込んで貫通孔170を穿設している状態を示す側面から見た断面図である。
なお、この穿設装置は、前述した作業用貫通孔72を穿設する第1の穿設装置ユニット100と多くの共通した構成を備えるものであり、同等の構成には同一の名称を付し、相違する構成について詳細に説明する。
127はダイであり、片持ちに保持された棒状のダイ用芯金128の先端部128aに設けられている。本形態例のダイ127の部分は、ダイ用芯金128の側壁の上部に形成された形態となっている。このダイ127は、プレス打抜き加工の際に図27に示すように、貫通孔170が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に筒状部12の内側へ挿入される。なお、ワーク110をフィーダーで搬送してダイ127が設けられたダイ用芯金128の先端部128aに嵌めることでも、ダイ127が相対的に筒状部112の内側へ挿入されることになる。
ダイ用芯金128は、ダイ127が設けられた先端側128aとは反対側の後端側128bが、そのダイ用芯金128を保持するホルダー141の保持孔141aに水平方向に挿入されてネジで着脱可能に固定されている。なお、ダイ用芯金128の側面には回り止めのための平坦部が設けられている。このため、容易且つ好適に交換できる。
また、このダイ用芯金128の軸心には、抜きカスの排出孔129が貫通されており、ダイ127を形成する孔127aと連通している。この抜きカスの排出孔129には、先端側128aから圧縮空気が導入されるように、圧縮空気源(図示せず)へ接続される通路129aが連通されている。これによれば、抜きカス182(図27参照)をダイ用芯金128の先端側128aから後端側128bへ吹き飛ばして排出できる。従って、生産性を向上できる。
また、ワーク110は、回転することを防止するため、外形が矩形の治具116にネジ117で固定されている。123は受け部であり、治具116を所定の位置で受け、ワーク110を位置決めする。また、125は加工部の受け部であり、ワーク110の加工される筒状部112を受ける部分となっている。
190は押し盤であり、加圧手段191によって押圧される。この押し盤190にピン状のパンチ137(断面円形)が取り付けられている。
また、126はストリッパー部であり、パンチ137をワーク110から抜くときにワーク110を押える部分となっている。本形態例では加工部の受け部125と一体化されて設けられている。このストリッパー部126には、パンチ137が挿通できるように、案内孔138が設けられている。
なお、この押し盤190にかかる加圧手段や復帰手段については、前述したような既知の技術を適宜用いればよく説明を省略する。
以上の構成からなる貫通孔170の穿設装置によれば、治具116を反転させることで、 ワーク110の筒状部の周壁115における対向する部分の両方に、外側からパンチ137を打ち込んで、貫通孔170を好適に穿設できる。
ダイ127をワーク110の内部へ入れてパンチ137を打ち込むため、通常のプレス加工と同様にワーク110が変形することなく、貫通孔170が好適に穿設される。
なお、ダイ127の耐久性の問題から、貫通孔170の直径は、ワーク110の内径に比べて比較的小さい場合に適した加工方法である。つまり、貫通孔170の直径が小さい場合は、その貫通孔170を開けるために筒状部112の内部に挿入されるダイ127の切刃の断面が鋭角な角部になること抑制できる。このため、ダイ127の型寿命は短くならず、生産性を向上できる。
以上の実施の形態では長円形の貫通孔(長孔)を穿設する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、円形や楕円形などの他の形状の貫通孔を穿設する場合にも適用できるのは勿論である。
また、パンチやダイ、芯金などの各構成の材質については、孔開け精度が高くて寿命が長いなどの好適な金型を得るべく、その仕様条件に応じて既知の材質から適宜に選定すればよい。さらに、パンチやダイなどについては、その耐久強度などを向上させるべく、必要に応じて既知の表面硬化技術を用いればよい。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明にかかる穿設装置の一形態を示す側面図である。 ワークをセットした状態の穿設工程を示す側面図である。 押圧ピンを下降させた状態の穿設工程を示す側面図である。 図3の正面図である。 ワークをダイに当接させた状態の穿設工程を示す側面図である。 図5の正面図である。 貫通孔をパンチで穿設する工程を示す側面図である。 図7の正面図である。 押圧ピンを上昇させた状態のストリップ工程を示す正面図である。 ワークを上昇させた状態のストリップ工程を示す正面図である。 ダイをスライドさせた状態のストリップ工程を示す正面図である。 パンチをワークからストリップする工程を示す正面図である。 作業用貫通孔を穿設する穿設装置の一形態を示す側面図である。 ワークの一方の側壁に作業用貫通孔を穿設する工程を示す側面図である。 図13の穿設装置にワークを再セットした状態を示す側面図である。 ワークの他方の側壁に作業用貫通孔を穿設する工程を示す側面図である。 パンチの一形態を示す正面図及び底面図である。 負圧吸引装置の一形態を示す断面図である。 パンチの形態を模式的に説明する断面図である。 抜きカス回動防止用の挿入部材の一形態を示す側面図である。 本発明にかかる加工装置の一形態を示す断面の側面図である。 ワークをセットして押圧ピンを下降させた状態を示す側面図である。 図23の要部を示す正面図である。 面押しパンチが貫通孔の内側周縁をプレスした状態を示す側面図である。 図24の正面図である。 ワークに外側から貫通孔を穿設する装置の一形態を示す側面図である。 図26の装置で貫通孔を穿設する工程を示す側面図である。 従来の穿設装置を説明する説明図である。
符号の説明
10 ワーク
12 筒状部
15 周壁
16 ワークの載置台
20 ダイ
24 排出孔
30 パンチ
30a 切刃端面
30b 面取り部
32 芯金
35 押圧ピン
37 パンチ
40 昇降ブロック
42 保持孔
50 加圧手段
51 復帰手段
53 復帰用バネ
55 押し戻しピン
56 押し戻しピンの駆動手段
57 芯金の駆動手段
58 シリンダ装置
60 吸引手段
62 圧縮空気源
70 貫通孔
72 作業用貫通孔
80 抜きカス
82 抜きカス
100 第1の穿設装置ユニット
110 ワーク
120 受けダイ
130 面押しパンチ
132 芯金
135 押圧ピン
170 貫通孔
171 内側周縁
200 第2の穿設装置ユニット

Claims (15)

  1. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する方法であって、
    前記ワークを前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設されたパンチを、貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、ワークの貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記パンチの切刃端面に当接させた押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップすることを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設方法。
  2. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する方法であって、
    前記ワークの最初に貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に、後で開けるべき貫通孔よりも小さな孔である作業用貫通孔を、筒状部の外側からパンチを打ち込んで穿設し、
    前記ワークを前記筒状部の周壁の最初に貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設されたパンチを、最初に貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記作業用貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記パンチの切刃端面に当接させた押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップし、
    前記ワークを前記筒状部の周壁の後で貫通孔が開けられるべき前記作業用貫通孔に対応する部分の外壁面に当接するダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設されたパンチを、後で貫通孔が開けられるべき前記作業用貫通孔に対応する部分の内壁面に対面した状態に前記筒状部の内側へ挿入し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前工程で穿設された貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで前記作業用貫通孔を内包する貫通孔を穿設し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記パンチの切刃端面に当接させた押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップすることを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設方法。
  3. 前記ダイと前記パンチによって貫通孔が穿設される穿設位置から、隣接する前記押し戻しピンが配設されたストリップ位置へ、パンチ及びワークに対してダイ及び押し戻しピンを相対的に移動させ、前記押し戻しピンによってパンチをワークからストリップすることを特徴とする請求項1又は2記載のワーク周壁における貫通孔の穿設方法。
  4. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、
    前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイと、
    片持ちに保持された棒状の芯金に突設され、貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、
    ワークの貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に設けられた作業用貫通孔から、パンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入される押圧ピンと、
    前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記押圧ピンを前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設する加圧手段と、
    前記パンチをワークからストリップするために該パンチの切刃端面に当接される押し戻しピンと、
    前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に、前記押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップさせる押し戻し手段とを具備することを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  5. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、プレス打抜きによって貫通孔を穿設する装置であって、
    前記ワークの最初に貫通孔を開けるべき周壁部分と反対側の部分に、後で開けるべき貫通孔よりも小さな孔である作業用貫通孔を、筒状部の外側から打ち込んで穿設するパンチを備える第1の穿設装置ユニットと、
    前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられるべき部分の外壁面に当接するダイと、片持ちに保持された棒状の芯金に突設され貫通孔が開けられるべき部分の内壁面に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入されるパンチと、前記作業用貫通孔又は穿設された貫通孔からパンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入される押圧ピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介してパンチとダイとの間で打抜きがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に前記押圧ピンを前記芯金及びパンチと共に加圧移動させることでパンチを前記筒状部の内側から前記周壁へ打ち込んで貫通孔を穿設する加圧手段と、前記パンチをワークからストリップするために該パンチの切刃端面に当接される押し戻しピンと、前記芯金を該芯金の保持部を介して前記打抜きの方向とは反対のストリップ方向へ移動させると同時に前記押し戻しピンを前記ストリップ方向へ移動させることで該パンチを押し戻してワークからストリップさせる押し戻し手段を備える第2の穿設装置ユニットとを具備することを特徴とするワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  6. 前記ダイと前記パンチによって貫通孔が穿設される穿設位置と隣接して前記押し戻しピンが配設されたストリップ位置が設けられ、
    前記穿設位置から前記ストリップ位置へ、パンチ及びワークに対してダイ及び押し戻しピンを相対的に移動させる移動手段が設けられたことを特徴とする請求項4又は5記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  7. 前記芯金は、パンチの突設された先端側とは反対側の後端側が該芯金の保持部である芯金ホルダーの保持孔に挿入されて着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項4、5又は6記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  8. 前記パンチの切刃端面は、前記筒状部の内周面の形状に沿うように面取りがされていることを特徴とする請求項4、5、6又は7記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  9. 前記貫通孔が穿設されるときに該貫通孔を開口すべく、抜きカスをダイの抜きカスの排出孔から吸引除去する吸引手段を具備することを特徴とする請求項4、5、6、7又は8記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  10. 前記第1の穿設装置ユニットは、前記ワークの筒状部の外側からパンチを打ち込んで前記作業用貫通孔を穿設する際に抜きカスが該作業用貫通孔の内側周縁の一部分から分離しない状態で回動して残留することを防止すべく、該ワークの筒状部の内部へ挿入されるように設けられた抜きカス回動防止用の挿入部材を備えることを特徴とする請求項5、6、7、8又は9記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置。
  11. 筒状部を少なくとも一部に有するワークであって、請求項4、5、6、7、8、9又は10記載のワーク周壁における貫通孔の穿設装置によって筒状部の周壁に貫通孔が開口されたことを特徴とするワーク。
  12. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、外側からパンチが打ち込まれて、穿設された貫通孔について、該貫通孔の内側周縁に生ずるバリをプレス処理する加工方法であって、
    前記ワークを前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられた部分の外壁面に当接する受けダイに位置させると共に、片持ちに保持された棒状の芯金に突設された面押しパンチを、前記貫通孔が開けられた部分に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入し、
    前記芯金を該芯金の保持部を介して前記面押しパンチと前記受けダイとの間でプレスがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記ワークの前記筒状部の周壁における面押しがされる側とは反対の貫通孔から、前記面押しパンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入された押圧ピンを、前記芯金及び面押しパンチと共に加圧移動させることで、前記貫通孔の内側周縁に生じたバリを前記面押しパンチによって前記筒状部の内側からプレスして潰すことを特徴とするワーク周壁における貫通孔の加工方法。
  13. 筒状部を少なくとも一部に有するワークの該筒状部の周壁における対向する部分の両方に、外側からパンチが打ち込まれて、穿設された貫通孔について、該貫通孔の内側周縁に生ずるバリをプレス処理する加工装置であって、
    前記筒状部の周壁の貫通孔が開けられた部分の外壁面に当接する受けダイと、
    片持ちに保持された棒状の芯金に突設され、前記貫通孔が開けられた部分に対面する状態に前記筒状部の内側へ挿入される面押しパンチと、
    前記ワークの前記筒状部の周壁における面押しがされる側とは反対の貫通孔から、前記面押しパンチが突設された芯金の面と反対側の面に当接するようにワーク内へ挿入される押圧ピンと、
    前記芯金を該芯金の保持部を介して前記面押しパンチと前記受けダイとの間でプレスがなされる方向へ相対的に加圧移動させると同時に、前記押圧ピンを前記芯金及び面押しパンチと共に加圧移動させることで、前記貫通孔の内側周縁に生じたバリを前記面押しパンチによって前記筒状部の内側からプレスして潰す加圧手段とを具備することを特徴とするワーク周壁における貫通孔の加工装置。
  14. 前記面押しパンチが、前記貫通孔に進入できる先端案内部と、前記貫通孔の内側周縁に当接してバリを潰す部位である断面R状に設けられた面押しR部とを備えることを特徴とする請求項13記載の貫通孔の加工装置。
  15. 筒状部を少なくとも一部に有するワークであって、請求項13又は14記載のワーク周壁における貫通孔の加工装置によって筒状部の周壁に設けられた貫通孔が処理されたことを特徴とするワーク。
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