JP4908256B2 - 転写装置の転写出口搬送機構 - Google Patents
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Description
特許文献1には、転写性を良くするために入り口ガイド板を精度良く保持する技術が、特許文献2には、定着入り口ガイド板角度を制御する技術が、特許文献3には、定着入り口ガイド板を上下方向に揺動させる技術が開示されている。
また、特許文献4には、転写紙種類を指定する手段と搬送ガイドの傾斜角を調整する手段と制御する手段を持たせる技術が開示されている。さらに、特許文献5には、ガイド板角度傾斜が可変で用紙跳ね上がりを検知してガイド板角度を駆動制御する技術が開示されている。そして特許文献6には、ガイド板の角度を用紙のコシの強さに応じて可変とする技術が開示されている。
転写出口ガイド板は転写紙上の静電気除去機能を有しているが、その機能効果を効率的に得るためには、転写紙は常に転写出口ガイド板に密着させて搬送させる必要がある。
かかる従来の構成において、剛性の高い厚紙やミシン目の入った特殊な転写紙16が定着ローラ27と加圧ローラ28のニップに進入する。この場合に、転写紙16は、図示のごとく、転写出口ガイド部材23の搬送面から浮いて搬送される。図10には、さらに、転写ベルト21、駆動ローラ22、アース25及び定着入り口ガイド板26が示されている。
また、ミシン目(図示せず)に沿って転写紙16が上下にバタついて、除電部材24の除電領域外で搬送されてしまう。そのため、除電部材24で転写紙16の残留電荷を除電できず、トナー像の乱れが起きる場合があった。
そのため、従来技術では、転写紙後端が転写出口ガイド板23から離間してしまう影響で転写紙上の静電気が効率的に除去することができず、転写チリ等の画像不具合が発生する場合があった。
また、上述した従来技術のガイド板の構成は、例えば、特許文献2及び5に示されるように、片側固定軸を支軸として回動する構成としてあるため、角度は変更可能であるが、ガイド板自体の高さは変更できない構成であった。
また、そのため転写紙後端の動きに対するガイド板の高さ、角度の追従性が乏しく、転写紙上の静電気除去の際の転写紙の紙厚、こし等の違いによる用紙対応力が低く、転写チリ等の画像不具合が発生する場合があるという欠点を有していた。
従来技術では、上記のような不具合を回避するために、転写出口ガイド板と転写紙が密接して搬送されるように導くことが重要で、次工程の定着装置との位置関係を精度良く保持する必要があった。
また、用紙が先に加圧ローラに当たると加圧に用紙が巻き込まれシワが発生し易い。それを防止するために用紙先端を先に定着ローラに当てたいとの意図から、進入角度を付けるために高低差を設けている。さらに、この高低差は加圧ローラに転写紙先端が接触した際の静電気によるトナー像散りの異常画像防止のためでもある。
とくに、近年、事前にミシン目が入っている転写紙、ハガキ用紙、カード、伝票等が添付されている特殊転写紙がコピー用紙として使用される場合が現れて来ている。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、搬送中の転写紙後端の除電効果に優れ、定着入り口ガイド板もしくは定着ニップ部でトナー像静電散りの異常画像が発生するのを防止する転写装置の転写出口搬送機構を提供することにある。
紙を搬送し、前記転写装置の転写出口ガイド部材の転写紙搬送動作角度及び高さが可変で
ある転写装置の転写出口搬送機構において、前記転写出口ガイド部材の裏側における上流側と下流側とにそれぞれ位置し、該転写出口ガイド部材を上下動させる上流側偏芯カム及び下流側偏芯カムと、上記上流側偏芯カム及び下流側偏芯カムの何れか一方の偏芯カムの回転により前記転写出口ガイド部材の転写紙搬送動作角度を変化させ、双方の偏芯カムの回転により前記転写出口ガイド部材の上流側と下流側の転写紙搬送動作高さを変化させる偏芯カム制御機構と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記転写出口ガイド部材の角度と高さを無段階に連続変更す
る際の変更は、通紙中の任意のタイミングで行われる請求項1記載の転写装置の転写出口
搬送機構を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の転写装置の転写出口搬送機構において、前記転写紙搬送動作角度及び高さの制御を任意に設定するために、通紙中に、前記転写紙の搬送状態を検知する検知手段を設けたことを特徴とする。
転写装置Aは、また、転写ベルト2に静電吸着した転写紙を次工程に送り届ける搬送工程と、転写出口搬送機構8の転写出口ガイド部材8aに設けられた除電部材9で転写紙への帯電を積極的に除電し、転写紙上のトナー像の乱れを防止することを目的とする除電工程で構成される。
図1の転写装置Aには、さらに、ケーシング3、従動ローラ4、駆動ローラ5、転写バイアスーラ6、転写DC高圧電源7、ガイド部材ホルダ10、アース11及び定着入口ガイド板12が示されている。
上述した従来の構成では、転写出口ガイド部材8aは定位置に固定されている。剛性の高い厚紙やミシン目の入った特殊な転写紙を通紙した場合、転写紙は定着ローラと加圧ローラのニップに進入する。
この時に、転写紙が転写出口ガイド部材8aの搬送面から浮いたり、また、ミシン目に沿って転写紙が上下にバタついて、除電部材9の除電領域外で搬送されてしまう。そのため、除電部材9で転写紙の残留電荷を除電できず、トナー像の乱れが起きる場合があった。
これらのシャフト18には、複数の偏芯カム20が、転写出口ガイド部材8a下面の上流側および下流側に位置するようにそれぞれ取り付けられている。シャフト18を回転させることで転写出口ガイド部材8aの高さ及び角度を変えることを可能としている。図2及び図3には、さらに、転写ベルト2、駆動ローラ5、アース11、定着入口ガイド板12及びアース線を兼ねる引張ばね19が示されている。
この結果、上述した厚紙やミシン目の入った転写紙を通した際に、転写出口ガイド部材8aが除電領域外に浮き上がった場合にも、除電部材9が転写紙16に追従可能であるため(図3)安定した除電が可能となり、トナー像の乱れを防止できる。
これにより、転写出口搬送機構8の偏芯カム20は、各ステッピングモータ17がそれぞれ独立した制御を行うことで角度とともに高さを自由に変えられるため、多様な紙種にも対応できるよう細かい調整が可能となっている。
なお、従来の技術ではガイド板の角度変更手段として片側支軸のカムを用いているため、無段階で角度を変更することは可能だが、搬送面の高さを変えることはできなかった。
加えて、ステッピングモータ17のパルス数及びパルス速度を細かく制御することによって、転写出口ガイド部材8aの高精度な位置決めと自由な移動速度の変更が可能であるため、転写紙の違いに対する転写出口ガイド部材8aの高さの対応力が高く、紙種の違いに拘わらず、安定した転写紙の除電が可能である。
また、図2及び図3に関連して上述したように、転写出口ガイド部材8aの裏側には、偏芯カム20の他に導電性の引張ばね19が設けられている。この引張ばね19は転写出口ガイド部材8aが偏芯カム20の動きにも柔軟に追従可能となっているとともに、除電部材9で除電した転写紙16の電流を筐体(アース)へ逃がす際の中継の役割も兼ねている。
図5乃至図7において、転写出口搬送機構8は、その上面を転写紙16が通過する転写出口ガイド部材8a、除電部材9、アース11へのアース線を兼用する引張ばね19を有している。
転写出口ガイド部材8aの下面(裏側)の転写紙搬送方向の上流側及び下流側には、適所に回転可能に取り付けられたシャフト18に偏心カム20が配置されている。
例えば、ミシン目が入った特殊紙等を通した時、転写紙先端が定着ローラ13(図2)のニップ部に進入する前は転写紙の挙動は安定しており、転写紙16は初期状態である図5の高さで搬送される。
しかし、転写紙先端が定着ニップ部に進入すると、定着ローラ13の方が転写ベルト2(図2)よりも線速が早いために、転写紙16が定着部に巻き取られる形となり、転写紙後端はミシン目に沿って上下に暴れることがある。
これを解消する手段として、本発明では転写紙16の挙動が不安定となる転写紙後端で転写出口ガイド部材8aの角度及び高さを変えており、転写紙16の種類に拘わらず、常に安定した搬送状態で転写紙16を定着部へ送り届けることが可能となっている。
これによって、転写紙16を除電部材9の除電領域内の位置に保った状態で安定した搬送が行われるため、転写紙16からのトナー飛散を軽減することができる。なお、図6及び図7の角度及び高さの変更は連続的にも動作可能で、通紙する紙種に合わせて動き及び動作タイミングを自由に設定できる。
このように、ガイド板である転写出口ガイド部材8aの位置及び高さを任意のタイミングで変更可能とすることによって、異常画像トナー静電散りが防止でき、1枚の中でミシン目や紙厚が変わる特殊用紙の搬送対応力が向上する。
転写出口ガイド部材8aの下面(裏側)の転写紙搬送方向の上流側及び下流側には、適所に回転可能に取り付けられたシャフト18に偏心カム20が配置されている。図8及び図9には、さらに、転写ベルト2、駆動ローラ5、定着入口ガイド板12、定着装置の定着ローラ13及び加圧ローラ14が示されている。
この実施の形態は転写出口ガイド部材8aの上部に転写紙16の浮きを検知する測距センサ30を設けている。この測距センサ30によって通紙中に転写出口ガイド部材8aからの転写紙16の浮きを測定できる。
その測定した転写紙16の浮き量に応じて転写出口ガイド部材8aの角度及び高さを、次紙以降の転写出口ガイド部材8aの動きにフィードバックすることが可能である。このため、例えば、吸湿に伴う転写紙剛性の変化による細かい浮きの違いも転写出口ガイド部材8aの動きに反映可能であるなど、用紙対応力を向上させることが可能である。
このように、ガイド板である転写出口ガイド部材8aの位置及び高さを検知手段からの信号を受けて変更可能な構成とすることで特殊紙対応力があがる。また、転写紙後端のばたつき等を抑え、安定した紙搬送が行えるため、異常画像トナー静電散りが防止でき、ミシン目や紙厚が変わる特殊用紙の搬送対応力が向上する。
8 転写出口搬送機構
8a 搬送出口ガイド部材
9 除電部材
11 アース
12 定着入口ガイド板
13 定着装置(定着ローラ)
14 定着装置(加圧ローラ)
16 転写紙
17 ステッピングモータ
18 シャフト
19 引張ばね(アース線)
20 偏心カム
30 検知手段(測距センサ)
Claims (3)
- 転写装置から定着装置へ転写紙を搬送し、前記転写装置の転写出口ガイド部材の転写紙搬送動作角度及び高さが可変である転写装置の転写出口搬送機構において、
前記転写出口ガイド部材の裏側における上流側と下流側とにそれぞれ位置し、該転写出口ガイド部材を上下動させる上流側偏芯カム及び下流側偏芯カムと、上記上流側偏芯カム及び下流側偏芯カムの何れか一方の偏芯カムの回転により前記転写出口ガイド部材の転写紙搬送動作角度を変化させ、双方の偏芯カムの回転により前記転写出口ガイド部材の上流側と下流側の転写紙搬送動作高さを変化させる偏芯カム制御機構と、を備えたことを特徴とする転写装置の転写出口搬送機構。 - 前記転写出口ガイド部材の角度と高さを無段階に連続変更する際の変更は、通紙中の任意のタイミングで行われることを特徴とする請求項1記載の転写装置の転写出口搬送機構。
- 前記転写紙搬送動作角度及び高さの制御を任意に設定するために、通紙中に、前記転写紙の搬送状態を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の転写装置の転写出口搬送機構。
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