<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を概略的に示す断面図である。図1に示されるように、第1の実施形態に係る画像形成装置は、給紙部1と、電子写真方式により用紙上にトナー像を形成する画像形成部2と、定着部3と、用紙排出部4とを有している。
給紙部1は、画像が形成される記録媒体としての用紙を収納する用紙収納部11と、用紙収納部11に収納されている用紙を1枚ずつ順に画像形成部2へ供給するローラ12〜16を有している。
画像形成部2は、表面に静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム21a,21b,21c,21dと、これらの感光ドラム21a,21b,21c,21dに対向して配置された用紙搬送用のベルト22と、このベルト22が巻き掛けられた1対のベルトローラ23,24とを有している。また、図1には示されていないが、各感光ドラム21a,21b,21c,21dの周囲には、各感光ドラム21a,21b,21c,21dの表面を一様帯電させる帯電装置と、一様帯電した各感光ドラム21a,21b,21c,21dの表面に画像情報に応じた露光を施して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像が形成された各感光ドラム21a,21b,21c,21dの表面に各色のトナー像を形成する現像装置と、各感光ドラム21a,21b,21c,21d上に形成されたトナー像をベルト22上の用紙に転写する転写装置と、転写プロセス後に各感光ドラム21a,21b,21c,21d上に残留したトナーを除去するクリーニング装置とが備えられている。露光装置は、入力された画像情報に基づく光を照射する装置であり、露光用光源としてLEDアレイを用いたもの又は半導体レーザーを用いたものがある。現像装置において用いるトナーとしては、例えば、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のトナーがある。また、図1には示されていないが、画像形成部2は、各感光ドラム21a,21b,21c,21dの駆動装置と、ベルト22の駆動装置とを有している。画像形成部2においては、電子写真方式によって、各感光ドラム21a,21b,21c,21d上に形成された各色のトナー像をベルト22によって搬送される用紙に転写して用紙上に画像を形成する。
定着部3は、1対の定着ローラ31,32を有している。定着ローラ31,32は、定着ローラ31,32の間に、トナー像が転写された用紙を通過させることによって加熱・加圧し、トナー像を用紙上に定着させる。
用紙排出部4は、用紙搬送用のローラ41,42を有している。ローラ41,42は、定着部3を通過した用紙を画像形成装置の外部へ排出する。
図2(a)及び(b)並びに図3(a)及び(b)は、第1の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部2の動作説明図である。
図2(a)及び(b)並びに図3(a)及び(b)に示されるように、画像形成部2は、感光ドラム21a,21b,21c,21dを駆動させるドラムモータ25a,25b,25c,25dと、ドラムモータ25a,25b,25c,25dの回転速度を検出するドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dとを有している。ドラムモータ25a,25b,25c,25dから感光ドラム21a,21b,21c,21dへの駆動力の伝達は、ギア機構(図示せず)などによって行われる。ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dは、ドラムモータ25a,25b,25c,25dの回転速度を検出することによって、間接的に、感光ドラム21a,21b,21c,21dの回転速度又は周速度を測定している。なお、ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dによってドラムモータ25a,25b,25c,25dの回転速度を検出する代わりに、感光ドラム21a,21b,21c,21dの回転速度を検出する検出部を設けてもよく、また、感光ドラムの周速度に対応する物理量であれば他の駆動部(例えば、図示しない中間ギアなど)の動作を検出してもよい。
また、図2(a)及び(b)並びに図3(a)及び(b)に示されるように、画像形成部2は、ベルト22を駆動させるベルトモータ28と、ベルトモータ28の回転速度を検出するベルトモータ回転速度検出部29とを有している。ベルトモータ回転速度検出部29は、ベルトモータ28の回転速度を検出することによって、間接的に、ベルトローラ23及び24の回転速度又はベルト22の進行速度を検出している。なお、ベルトモータ回転速度検出部29によってベルトモータ28の回転速度を検出する代わりに、ベルトローラ23若しくは24の回転速度、又はベルトの進行速度を検出する検出部を設けてもよく、また、ベルトの周速度に対応する物理量であれば他の駆動部(例えば、図示しない中間ギアなど)の動作を検出してもよい。
また、図2(a)及び(b)並びに図3(a)及び(b)に示されるように、画像形成部2は、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触している接触状態、及び、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが離れている離間状態(すなわち、非接触状態)のいずれかに切り替える接離機構を有している。感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dの両端は、装置本体に固定された支持部材(図示せず)に形成された長孔51a,51b,51c,51dに挿入されている。長孔51a,51b,51c,51d内においてベルト22による用紙搬送方向に直交する方向(図における縦方向)に長い形状になっており、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dは長孔51a,51b,51c,51d内において、用紙搬送方向に直交する方向(図における縦方向)に移動可能に支持されている。また、接離機構は、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dの端部に係合するスライダー機構61と、スライダー機構61をベルト22上における用紙の搬送方向に平行な方向に移動させるスライダーモータ62と、スライダー機構61の位置を、例えば光学的に、検出するスライダー位置検出センサ63とを有している。スライダー機構61には、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dに当接する傾斜部61a1,61b1,61c1,61d1と、離間状態において感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dに係合する円弧状の凹部61a2,61b2,61c2,61d2とを有している。スライダーモータ62からスライダー機構61への駆動力の伝達は、例えば、ギア(図示せず)を介して行われる。
図2(a)及び(b)は、接離機構によって、ベルト22に接触している感光ドラム21a,21b,21c,21dがベルト22から離間する動作を示している。図2(a)に示されるように、感光ドラム21a,21b,21c,21dがベルト22に接触しているときには、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dは、スライダー機構61の傾斜部61a1,61b1,61c1,61d1の最も低い部分(ベルト22側の部分)に位置している。このとき、図2(b)に示されるように、スライダーモータ62の回転軸を図2(b)における時計回り方向CWに回転させると、スライダーモータ62の回転軸に係合しているスライダー機構61は図2(b)における右方向(すなわち、D11方向)へ移動し、スライダー機構61の傾斜部61a1,61b1,61c1,61d1に接触しながら感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dが図2(b)における上方(すなわち、D12方向)に移動して、感光ドラム21a,21b,21c,21dがベルト22から離れ始める。その後、スライダー機構61をD11方向にさらに移動させると、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dが、スライダー機構61の傾斜部61a1,61b1,61c1,61d1から外れ、スライダー機構61の凹部61a2,61b2,61c2,61d2に係合する。この離間状態において、スライダー位置検出部63がスライダー機構61の切欠部61eから外れたことを検出する。
図3(a)及び(b)は、接離機構によって、ベルト22から離れている感光ドラム21a,21b,21c,21dをベルト22に接触させる動作を示している。図3(a)に示されるように、感光ドラム21a,21b,21c,21dがベルト22から離れている離間状態のときには、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dは、スライダー機構61の凹部61a2,61b2,61c2,61d2に係合している。このとき、図3(b)に示されるように、スライダーモータ62の回転軸を図3(b)における反時計回り方向CCWに回転させると、スライダーモータ62の回転軸に係合しているスライダー機構61は図3(b)における左方向(すなわち、D21方向)へ移動し、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dは凹部61a2,61b2,61c2,61d2から外れて傾斜部61a1,61b1,61c1,61d1に接触しながら図3(b)における下方(すなわち、D22方向)に移動して、感光ドラム21a,21b,21c,21dがベルト22に近づく。その後、スライダー機構61をD21方向にさらに移動させると、感光ドラム21a,21b,21c,21dの支軸27a,27b,27c,27dが、スライダー機構61の傾斜部61a1,61b1,61c1,61d1の最も低い位置に接触して、感光ドラム21a,21b,21c,21dがベルト22に接触する。この接触状態において、スライダー位置検出部63がスライダー機構61の切欠部61eを検出する。
図4は、第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図4に示されるように、第1の実施形態に係る画像形成装置は、電源71と、装置のカバーの開閉を検出する装置内センサ72と、装置全体の動作を制御する装置制御部73とを有している。また、第1の実施形態に係る画像形成装置は、上記ドラムモータ25a,25b,25c,25dと、上記ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dと、ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dの検出値に基づいてドラムモータ25a,25b,25c,25dの動作を制御するドラムモータ制御部76とを有している。さらに、第1の実施形態に係る画像形成装置は、上記ベルトモータ28と、上記ベルトモータ回転速度検出部29と、ベルトモータ回転速度検出部29の検出値に基づいてベルトモータ28の動作を制御するベルトモータ制御部75とを有している。さらにまた、第1の実施形態に係る画像形成装置は、上記スライダーモータ62と、上記スライダー位置検出部と、スライダーモータ制御部74とを有している。図4に示されるように、装置制御部73は、モータ駆動開始手段73aと、モータ駆動停止手段73bと、モータ目標速度指示手段73cと、モータ目標速度判別手段73dと、スライダー位置判別手段73eと、スライダー位置判別手段73fとを有している。
図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、図6(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る画像形成装置の動作タイミングを示す図である。
装置電源71を、OFFからONにする場合又は装置内部センサ72がカバーオープン状態からクローズ状態になったことを検出する場合のように、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触しているのか離間しているのかが不明である場合(ステップS101)、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触状態又は離間状態のいずれにあるかをスライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送る(ステップS102)。感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触状態であると判別された場合、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS103)。スライダー位置検出部63による検出結果は、装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送られ、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが離間状態と判別した時点で(ステップS104)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送る。停止指示を受信したスライダーモータ制御部74は、スライダーモータ62を停止させる(ステップS105)。
印刷指示が発生した場合(ステップS106)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75へ起動指示及び目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28を起動させる(ステップS107)。ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dとベルトモータ回転速度検出部29は、モータ回転速度検出を開始し、検出結果を装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dへ送る(ステップS108)。装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dがドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28の回転速度を目標回転速度と判別した時点で(ステップS109)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び逆転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS11O)。スライダー位置検出部63により検出した検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、接触状態と判別した時点で(ステップS111)、装置制御部73のモータ駆動停止手段からスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送りへスライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS112)。
印刷を開始し、その後印刷が終了した時点、すなわち、ドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ16が減速開始する直前で(ステップS113)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS114)。スライダー位置検出部63により検出した結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、離間状態と判別した時点で(ステップS115)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS116)。その後、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28を停止させる(ステップS117)。
以上に説明したように、第1の実施形態の画像形成装置によれば、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速開始から加速終了まで、並びに、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の減速開始から減速終了まで、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触することがなくなるため、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の磨耗による劣化を防止でき、結果的に画像形成装置の寿命を長くすることができる。
なお、上記説明においては、感光ドラム21a,21b,21c,21dが4台の場合を例示したが、感光ドラムの台数は何台であってもよい。
<第2の実施形態>
図7(a)及び(b)並びに図8(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の動作説明図である。図7(a)及び(b)並びに図8(a)及び(b)において、図2(a)及び(b)並びに図3(a)及び(b)の構成と同一又は対応する構成には同じ符号を付す。第2の実施形態は、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の接離機構の構造が第1の実施形態の接離機構の構造と相違する。第2の実施形態の説明においては、図1をも参照する。
図7(a)及び(b)並びに図8(a)及び(b)に示されるように、第2の実施形態における感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の接離機構は、ベルト22を支持するベルトローラ23,24を移動させる点が、感光ドラム21a,21b,21c,21dを移動させる第1の実施形態と相違する。
図7(a)及び(b)並びに図8(a)及び(b)に示されるように、画像形成部は、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触している接触状態、及び、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが離れている離間状態(すなわち、非接触状態)のいずれかに切り替える接離機構を有している。ベルトローラ23,24の支軸23a,24aの両端は、装置本体に固定された支持部材(図示せず)に形成された長孔53,54に挿入されている。長孔53,54内においてベルト22による用紙搬送方向に直交する方向(図における縦方向)に長い形状になっており、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aは長孔53,54内において、用紙搬送方向に直交する方向(図における縦方向)に移動可能に支持されている。接離機構は、ベルトローラ23,24の支軸53,54の端部に係合するスライダー機構81と、スライダー機構81をベルト22上における用紙の搬送方向に平行な方向に移動させるスライダーモータ82と、スライダー機構81の位置を、例えば光学的に、検出するスライダー位置検出センサ83とを有している。スライダー機構81には、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aに当接する傾斜部81a1,81b1と、接触状態においてベルトローラ23,24の支軸23a,24aに係合する円弧状の凹部81a2,81b2とを有している。スライダーモータ82からスライダー機構81への駆動力の伝達は、例えば、ギア(図示せず)を介して行われる。
図7(a)及び(b)は、接離機構によって、感光ドラム21a,21b,21c,21dに接触しているベルト22が、感光ドラム21a,21b,21c,21dから離間する動作を示している。図7(a)に示されるように、ベルト22が感光ドラム21a,21b,21c,21dに接触しているときには、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aは、スライダー機構81の凹部81a2,81b2に係合している。このとき、図7(b)に示されるように、スライダーモータ82の回転軸を図7(b)における時計回り方向CWに回転させると、スライダーモータ82の回転軸に係合しているスライダー機構81は図7(b)における右方向(すなわち、D11方向)へ移動し、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aは、凹部81a2,81b2から外れて傾斜部81a1,81b1に接触しながら図7(b)における下方(すなわち、D13方向)に移動して、ベルト22が感光ドラム21a,21b,21c,21dから離れ始める。その後、スライダー機構81をD11方向にさらに移動させると、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aが、スライダー機構81の傾斜部81a1,81b1の最も低い部分(ベルト22側の部分)に移動する。この離間状態において、スライダー位置検出部83がスライダー機構81の切欠部61eから外れたことを検出する。
図8(a)及び(b)は、接離機構によって、感光ドラム21a,21b,21c,21dから離れているベルト22を感光ドラム21a,21b,21c,21dに接触させる動作を示している。図8(a)に示されるように、ベルト22が感光ドラム21a,21b,21c,21dから離れている離間状態のときには、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aは、スライダー機構81の傾斜部81a1,81b1の最も低い部分(ベルト22側の部分)に位置している。このとき、図8(b)に示されるように、スライダーモータ82の回転軸を図8(b)における反時計回り方向CCWに回転させると、スライダーモータ82の回転軸に係合しているスライダー機構81は図8(b)における左方向(すなわち、D21方向)へ移動し、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aは、スライダー機構81の傾斜部81a1,81b1に接触しながら図8(b)における上方(すなわち、D23方向)に移動して、感光ドラム21a,21b,21c,21dに近づく。その後、スライダー機構81をD21方向にさらに移動させると、ベルトローラ23,24の支軸23a,24aが、スライダー機構81の傾斜部81a1,81b1から外れ、スライダー機構81の凹部81a2,81b2に係合する。この接触状態において、スライダー位置検出部83がスライダー機構81の切欠部81eから外れたことを検出する。
上記接離機構の動作以外の動作において、第2の実施形態の画像形成装置は、第1の実施形態の画像形成装置と同じである。
以上に説明したように、第2の実施形態の画像形成装置によれば、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速開始から加速終了まで、並びに、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の減速開始から減速終了まで、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触することがなくなるため、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の磨耗による劣化を防止でき、結果的に画像形成装置の寿命を長くすることができる。
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の動作を説明するための図である。図9において、図2(a)及び(b)の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。第3の実施形態に係る画像形成装置は、感光ドラム21a,21b,21c,21dと同期して回転するマーク(図示せず)の位置を検出するドラム位置検出器91a,91b,91c,91dを有する点が、第1の実施形態の画像形成装置と相違する。
図10は、第3の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図10において、図4の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。第3の実施形態に係る画像形成装置は、ドラム位置検出器91a,91b,91c,91dを有する点に加えて、装置制御部73がドラム位相差算出手段73gを有する点が、第1の実施形態の画像形成装置と相違する。
図11は、第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、図12(a)〜(f)は、第3の実施形態に係る画像形成装置の動作タイミングを示す図である。
装置電源71を、OFFからONにする場合又は装置内部センサ72がカバーオープン状態からクローズ状態になったことを検出する場合のように、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触しているのか離間しているのかが不明である場合(ステップS301)、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触状態又は離間状態のいずれにあるかをスライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送る(ステップS302)。ステップS302において、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触状態であると判別された場合、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS303)。スライダー位置検出部63による検出結果は、装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送られ、離間状態と判別した時点で(ステップS304)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送る。
装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからドラムモータ制御部76へ起動指示及び目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76によってドラムモータ25a,25b,25c,25dを起動させる(ステップS306)。次に、ドラム位置検出部91a,91b,91c,91dにより、感光ドラム21a,21b,21c,21dと同期して回転する図示しないマークの検出、すなわち、感光ドラム21a,21b,21c,21dの位置検出を開始する(ステップS307)。感光ドラム21a,21b,21c,21dの位置検出が終了した時点で(ステップS308)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76によってドラムモータ25a,25b,25c,25dを停止させる(ステップS309)。
印刷指示が発生した場合(ステップS310)、ステップS307及びS308におけるドラム位置検出結果と装置制御部73の各ドラム位相差算出手段73gによって、各感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相が合うように、ドラムモータ25a,25b,25c,25dの起動の順序、起動タイミング(図12における時間t1,t2,t3)を決定し、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからドラムモータ制御部76へ起動指示及び目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76によってドラムモータ25a,25b,25c,25dの順序で起動させる(ステップS311,S312,S313)。ここで、起動の順番が先のものから順に第1、第2、第3、第4ドラムモータとする。第4ドラムモータの起動と同時又はその直後に、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからベルトモータ制御部75へ起動指示及び目標速度指示を送り、ベルトモータ制御部75によってベルトモータ28を起動させる(ステップS313)。ここで、各色感光ドラムの位相を合わせるとは、用紙上で位相を合わせるという意味であるので、各色感光ドラム間の距離を考慮して起動順序を決める必要がある。
次に、ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dとベルトモータ回転速度検出部29にて、モータ回転速度検出を開始し、検出結果を装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dへ送り(ステップS314)、装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dがドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28の回転速度を目標回転速度と判別した時点で(ステップS315)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び逆転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS316)。スライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、接触状態と判別した時点で(ステップS317)、装置制御部73のモータ駆動停止手段からスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS318)。印刷を開始して、その後終了した時点、すなわち、ドラムモータ10a,10b,10c,10dとベルトモータ16が減速開始する直前で(ステップS319)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS320)。次に、スライダー位置検出部63により検出した結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、離間状態と判別した時点で(ステップS321)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS322)。次に、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28を停止させる(ステップS323)。
以上に説明したように、第3の実施形態の画像形成装置によれば、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速開始から加速終了まで、並びに、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の減速開始から減速終了まで、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触することがなくなるため、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の磨耗による劣化を防止でき、結果的に画像形成装置の寿命を長くすることができる。また、各色の感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相を検出して、位相検出結果に基づいて偏心周期の位相を合わせているので、画像上の周期的な色ずれが軽減できる。
なお、第3の実施形態の構成を、第2の実施形態の画像形成装置に適用することもできる。
また、第3の実施形態において、上記以外の点は、上記第1又は第2の実施形態の場合と同じである。
<第4の実施形態>
図13は、第4の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図13において、図10の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。第4の実施形態に係る画像形成装置は、装置制御部73に各ドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28の加速時間算出手段73hを備えている点が、上記第3の実施形態と相違する。第4の実施形態に係る画像形成装置は、前記加速時間算出手段73hの検出値に基づいて複数の感光ドラムの駆動開始タイミングを決定する。より具体的に言えば、
第4の実施形態に係る画像形成装置は、加速時間算出手段73hによって検出された加速時間の長い感光ドラムから順に駆動を開始させている。
図14は、第4の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、図15(a)〜(f)は、第4の実施形態に係る画像形成装置の動作タイミングを示す図である。
装置電源71を、OFFからONにする場合又は装置内部センサ72がカバーオープン状態からクローズ状態になったことを検出する場合のように、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触しているのか離間しているのかが不明である場合(ステップS401)、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触状態又は離間状態のいずれにあるかをスライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送る(ステップS402)。ステップS402において、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触状態であると判別された場合、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS403)。スライダー位置検出部63による検出結果は、装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送られ、離間状態と判別した時点で(ステップS404)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送る。
次に、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させ(ステップS405)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからドラムモータ制御部76及びベルトモータ制御部75へ起動指示及び目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76及びベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28を起動させる(ステップS406)。装置制御部73のモータ加速時間算出手段73hによりドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速時間の算出を開始し(ステップS407)、ドラム位置検出部91a,91b,91c,91dにより、感光ドラム21a,21b,21c,21dと同期して回転する図示しないマークの検出、すなわち、感光ドラム21a,21b,21c,21dの位置検出を開始する(ステップS408)。感光ドラム21a,21b,21c,21dの位置検出が終了した時点で(ステップS409)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76bによってドラムモータ25a,25b,25c,25dを停止させる。これと同時に、装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dがベルトモータ28の回転速度を目標回転速度と判別した時点で、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bから感ベルトモータ制御部75へ停止指示を送り、ベルトモータ制御部75によってベルトモータ28を停止させる(ステップS410)。
印刷指示が発生した場合(ステップS411)、ステップS407におけるドラムモータ加速時間算出結果(t4>t5>t6>t7)より、最大加速時間(t4)のドラムモータを第1ドラムモータとし、また、ステップS408、ステップS409におけるドラム位置検出結果と装置制御部73の各ドラム位相差算出手段73gによって、各感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相が合うように、ドラムモータ25a,25b,25c,25dの起動の順序(起動順に、第2、第3、第4ドラムモータという。)、起動タイミング(t9−t11)を決定し、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからドラムモータ制御部76へ起動、目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76によって第1−第4ドラムモータの順序で起動させる(ステップS412,S413)。
ここで、各ドラムモータ加速時間について説明する。各ドラムモータ加速時間の大小関係は、図示しない各感光ドラムユニット負荷の大小関係と、ほぼ比例する又は正の相関関係を持つ。また、累積使用期間が増加して感光ドラムユニットが寿命に近づくにつれ、各ローラ同士の摩擦により各感光ドラムユニット負荷が小さくなっていく。すなわち、感光ドラムユニット負荷が小さくなってドラムモータ加速時間が短いということは、感光ドラムの累積使用時間が長く、感光ドラムが寿命に近づいている(すなわち、感光ドラムの残り使用可能期間が短くなっている)ということを意味する。逆に、感光ドラムユニット負荷が大きくドラムモータ加速時間が長いということは、感光ドラムの累積使用時間が短く、感光ドラムが寿命に達するまで長い期間がある(すなわち、感光ドラムの残り使用可能期間が長い)ということを意味する。
また、ステップS407におけるドラムモータ加速時間算出結果(t4>t5>t6>t7)とベルトモータ加速時間算出結果(t8)と、ステップS412におけるドラムモータ起動タイミング(t9,t10,t11)からドラム位相合わせ時最大加速時間t12を算出し、ベルトモータ起動タイミングを(t12−t8)とし、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからベルトモータ制御部75へ起動指示及び目標速度指示を送り、ベルトモータ制御部75によってベルトモータ28を起動させる(ステップS413)。
なお、各色感光ドラムの位相を合わせるということは、用紙上で位相を合わせるという意味であるので、各色感光ドラム間の距離を考慮して起動順序を決める必要がある。次に、ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dとベルトモータ回転速度検出部29にて、モータ回転速度検出を開始し、検出結果を装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dへ送る(ステップS414)。装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dがドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28の回転速度を目標回転速度と判別した時点で(ステップS415)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び逆転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS416)。次に、スライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、接触状態と判別した時点で(ステップS417)、装置制御部73のモータ駆動停止手段からスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS418)。
印刷を開始し、その後終了した時点、すなわち、ドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28が減速開始する直前で(ステップS419)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS420)。次に、スライダー位置検出部63により検出した結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、離間状態と判別した時点で(ステップS421)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS422)。装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28を停止させる(ステップS423)。
以上に説明したように、第4の実施形態の画像形成装置によれば、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速開始から加速終了まで、並びに、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の減速開始から減速終了まで、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触することがなくなるため、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の磨耗による劣化を防止でき、結果的に画像形成装置の寿命を長くすることができる。また、各色の感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相を検出して、位相検出結果に基づいて偏心周期の位相を合わせているので、画像上の周期的な色ずれが軽減できる。さらに、ドラム寿命の長い順に感光ドラムを起動させることで、各色の感光ドラムの寿命を平均化(すなわち、残り使用可能期間を均一化)することができ、その結果、画像形成装置の寿命を長くすることができる。
なお、第4の実施形態の構成を、第2の実施形態の画像形成装置に適用することもできる。
また、第4の実施形態において、上記以外の点は、上記第1〜3の実施形態の場合と同じである。
<第5の実施形態>
図16は、第5の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、図17は、第5の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、図18(a)〜(f)は、第4の実施形態に係る画像形成装置の動作タイミングを示す図である。
図16において、図13の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。第5の実施形態に係る画像形成装置は、装置制御部73に各ドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28のモータ第1定速度・時間算出手段73iとモータ速度変更手段73jを備えている点が、上記第4の実施形態と相違する。第5の実施形態に係る画像形成装置は、加速時間算出手段73hの検出値に基づいて複数の感光ドラムの駆動開始タイミングを決定すると共に、加速時間算出手段73hによって検出された加速時間の長い感光ドラムから順に駆動を開始させ、感光ドラム21a,21b,21c,21dの周速度を第1の値に移行させる途中で、感光ドラムごとに定められた所定の時間だけ各感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに定められた所定の中間速度で駆動する。装置制御部73は、各ドラムモータ制御部を制御して、感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに定められた所定の時間(図18のt13,t14,t15,t16)を、加速時間(図18のt4,t5,t6,t7)の長い感光ドラム21a,21b,21c,21dほど長くし、感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに定められた所定の中間速度(図18のA1,A2,A3,A4)を、加速時間の長い感光ドラム21a,21b,21c,21dほど低速にしている。一例とし、各感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに所定の時間と所定の中間速度を掛け合わせた値が、各感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに同じ値になるように、制御する方法もある。また、装置制御部73は、ベルトモータ制御部75を制御して、ベルト22を駆動させるモータの速度を第2の値に移行させる途中で、所定の時間だけ所定の中間速度で駆動させる。
感光ドラム21a,21b,21c,21d及び/又はベルト22の加速途中において、中間の一定速度期間を設ける理由は、加速途中で増加する傾向が強い各モータの不安定要素、例えば、回転数の変動や回転軸の振動、を加速途中の一定速度期間で一旦低下させ、最終的に目標速度に達した時点における各モータの不安定要素を低減するためである。
また、感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに定められた所定の時間(図18のt13,t14,t15,t16)を、加速時間(図18のt4,t5,t6,t7)の長い感光ドラム21a,21b,21c,21dほど長くする理由は、負荷が大きく加速時間の長い感光ドラムほど加速途中に発生する不安定動作要素が顕著に現れるので、一定速度期間において安定化させるために長い時間を必要とするからである。
さらに、感光ドラム21a,21b,21c,21dごとに定められた所定の中間速度(図18のA1,A2,A3,A4)を、加速時間(図18のt4,t5,t6,t7)の長い感光ドラム21a,21b,21c,21dほど低速にする理由は、負荷が大きく加速時間の長い感光ドラムほど加速途中に発生する不安定動作要素が顕著に現れるので、一定速度期間において安定化させるために長い時間を必要とするからである。
装置電源71を、OFFからONにする場合又は装置内部センサ72がカバーオープン状態からクローズ状態になったことを検出する場合のように、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触しているのか離間しているのかが不明である場合(ステップS501)、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触状態又は離間状態のいずれにあるかをスライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送る(ステップS502)。ステップS402において、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22とが接触状態であると判別された場合、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS503)。スライダー位置検出部63による検出結果は、装置制御部73のスライダー位置判別手段73eへ送られ、離間状態と判別した時点で(ステップS504)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS505)。
次に、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a及びモータ目標速度指示手段73cからドラムモータ制御部76及びベルトモータ制御部75へ起動指示及び目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76及びベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28を起動させる(ステップS506)。次に、装置制御部73のモータ加速時間算出手段73hによりドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速時間の算出を開始し(ステップS507)、ドラム位置検出部91a,91b,91c,91dにより、感光ドラム21a,21b,21c,21dと同期して回転する図示しないマークの検出、すなわち、感光ドラム21a.21b,21c,21dの位相検出を開始する(ステップS508)。感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相検出が終了した時点で(ステップS509)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76によってドラムモータ25a,25b,25c,25dを停止させるのと同時に、装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dがベルトモータ28の回転速度を目標回転速度と判別した時点で、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bから感ベルトモータ制御部75へ停止指示を送り、ベルトモータ制御部75によってベルトモータ2821を停止させる(ステップS510)。
印刷指示が発生した場合(ステップS511)、ステップS507におけるドラムモータ加速時間算出結果(t4>t5>t6>t7)より、最大加速時間(t4)のドラムモータを第1ドラムモータとし、また、ステップS508及びS509におけるドラム位置検出結果と装置制御部73の各ドラム位相差算出手段73gによって、各感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相が合うように、ドラムモータ25a,25b,25c,25dの起動の順序(以下、加速時間の大きい順に第2、第3、第4ドラムモータとする。)、起動タイミング(t9,t10,t11)を決定し、モータ第1定速度・時間算出手段73iとステップS507におけるドラムモータ加速時間算出結果(t4>t5>t6>t7)を用いて、ドラムモータ25a,25b,25c,25dの第1定速度A1,A2,A3,A4と、第1定速時間t13,t14,t15,t16を算出する。第1定速度及び第1定速時間は、次式により求める。
第1定速度=a/加速時間 (aは係数)
A1×t13=A2×t14=A3×t15=A4×t16
装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ速度変更手段73iからドラムモータ制御部76へ起動、第1定速度、目標速度指示を送り、ドラムモータ制御部76によって第1、第2、第3、第4ドラムモータの順序で起動させる(ステップS512,S513,S514)。
ここで、各ドラムモータ加速時間について説明する。各ドラムモータ加速時間の大小関係は、図示しない各感光ドラムユニット負荷の大小関係と、ほぼ比例する又は正の相関関係を持つ。また、累積使用期間が増加して感光ドラムユニットが寿命に近づくにつれ、各ローラ同士の摩擦により各感光ドラムユニット負荷が小さくなっていく。すなわち、感光ドラムユニット負荷が小さくなってドラムモータ加速時間が短いということは、感光ドラムの累積使用時間が長く、感光ドラムが寿命に近づいているということを意味する。逆に、感光ドラムユニット負荷が大きくドラムモータ加速時間が長いということは、感光ドラムの累積使用時間が短く、感光ドラムが寿命に達するまで長い期間があるということを意味する。
また、ステップS507におけるドラムモータ加速時間算出結果(t4>t5>t6>t7)とベルトモータ加速時間算出結果(t8)と、ステップS512におけるドラムモータ起動タイミング(t9,t10,t11)からドラム位相合わせ時最大加速時間t12を算出し、ベルトモータ起動タイミングを(t12−t8)とし、モータ第1定速度・時間算出手段73iとベルトモータ加速時間算出結果(t8)を用いて、ベルトモータ28の第1定速度A5(第1定速度=a/加速時間、aは係数)と、第1定速時間t7(任意)を算出し、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ速度変更手段73iからベルトモータ制御部75へ起動、第1定速度、目標速度指示を送り、ベルトモータ制御部75によってベルトモータ28を起動させる(ステップS514)。また、各色感光ドラムの位相を合わせるとは用紙上で位相を合わせるという意味であるので、各色感光ドラム間の距離を考慮して起動順序を決める必要がある。
次に、ドラムモータ回転速度検出部26a,26b,26c,26dとベルトモータ回転速度検出部29にて、モータ回転速度検出を開始し、検出結果を装置制御部73のモータ目標速度判別手段125dへ送り(ステップS515)、装置制御部73のモータ目標速度判別手段73dがドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の回転速度を目標回転速度と判別した時点で(ステップS516)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び逆転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS517)。スライダー位置検出部63により検出し、検出結果を装置制御部73のスライダ−位置判別手段73fへ送り、接触状態と判別した時点で(ステップS518)、装置制御部73のモータ駆動停止手段からスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS519)。
印刷開始して、その後終了した時点、すなわち、ドラムモータ10a,10b,10c,10dとベルトモータ16が減速開始する直前で(ステップS520)、装置制御部73のモータ駆動開始手段73a、モータ目標速度指示手段73c、及びモータ回転方向指示手段73eからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の起動指示、目標速度指示、及び正転回転方向指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を起動させる(ステップS521)。スライダー位置検出部63により検出した結果を装置制御部73のスライダー位置判別手段73fへ送り、離間状態と判別した時点で(ステップS522)、装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからスライダーモータ制御部74へスライダーモータ62の停止指示を送り、スライダーモータ制御部74によってスライダーモータ62を停止させる(ステップS523)。装置制御部73のモータ駆動停止手段73bからドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75へ停止指示を送り、ドラムモータ制御部76とベルトモータ制御部75によってドラムモータ25a,25b,25c,25dとベルトモータ28を停止させる(ステップS524)。
以上に説明したように、第5の実施形態の画像形成装置によれば、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の加速開始から加速終了まで、並びに、ドラムモータ25a,25b,25c,25d及びベルトモータ28の減速開始から減速終了まで、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22が接触することがなくなるため、感光ドラム21a,21b,21c,21dとベルト22の磨耗による劣化を防止でき、結果的に画像形成装置の寿命を長くすることができる。また、各色の感光ドラム21a,21b,21c,21dの位相を検出して、位相検出結果に基づいて偏心周期の位相を合わせているので、画像上の周期的な色ずれが軽減できる。さらに、ドラム寿命の長い順に感光ドラムを起動させることで、各色ドラム寿命を平均化することができ、その結果、画像形成装置の寿命を長くすることができる。さらにまた、加速を2段階に分けることで、安定した動作を得ることができる。
なお、第5の実施形態の構成を、第2の実施形態の画像形成装置に適用することもできる。
また、第5の実施形態において、上記以外の点は、上記第1〜4の実施形態の場合と同じである。