JP4905649B2 - 魚用ワクチン、その製造方法、および魚類感染症の予防方法 - Google Patents

魚用ワクチン、その製造方法、および魚類感染症の予防方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒラメ、マダイなどにおいて発症するエドワジエラ症などの魚類感染症に対するワクチン、このワクチンの製造方法、および魚類感染症の予防方法に関する。
世界的に魚介類養殖が発展する一方で魚病による被害が増加している。抗生物質などの抗菌剤による治療には、魚介類への薬の残留、耐性菌の発生、薬代による経済的負担などの問題が付随しており、それに代わる方法としてワクチン投与による発病の予防が注目されている。魚のワクチンには比較的容易に実用化に至ったものがある反面、研究が精力的に行われているにも拘わらず未だ実用化されていないものが数多くある。
既に実用化されているワクチンとしては、例えば、サケ科魚類の細菌性腎臓病に対するワクチンが挙げられる。具体的には、サケ科魚類の細菌性腎臓病の原因菌Renibacterium salmoninarumと共通の抗原を持つ非病原菌Arthrobacter sp.を生ワクチンとして投与すると、細菌性腎臓病に対して免疫効果があることが報告されている(非特許文献1参照)。このワクチンはカナダのAqua Health Ltd.から「Renogen」の商品名で販売されている。
一方、未だ実用化されていないワクチンの一つとして、エドワジエラ症に対するワクチンが挙げられる。エドワジエラ症は、グラム陰性運動性桿菌エドワジエラ タルダ(Edwardsiella tarda(以下、E.tardaとも称する))を原因菌とし、高水温期を中心に周年発生する魚病である。E.tardaの宿主範囲は広く、淡水魚ではウナギ、アメリカナマズ、オオクチバス、ストライプトバス、マスノスケ、ニシキゴイ、テラピアなどで、海水魚ではヒラメ、マダイ、チダイ、ブリ、ボラ、マコガレイ、アイナメなどで、本症は発生したとの報告例がある。なお、ウナギにおけるE.tardaの感染症については、パラコロ病と呼ばれる。
このようなエドワジエラ タルダに起因する魚類感染症に対するワクチンに関する研究は、ウナギ、テラピア、マダイ、ヒラメ(非特許文献2,3参照)について行われているが、未だ実用化には至っていない。
特に、ヒラメではエドワジエラ症による被害が魚病被害のほぼ半分を占めるといわれており(非特許文献4参照)、ワクチンの開発が強く望まれている。ヒラメは高級魚であるが、その養殖は難しく、生育途中に何らかの病気にかかり死亡し、最終的にはほぼ50%の歩留まりである。病気を予防するために、抗生物質などを使用するという対処方法があるが、その有効性には疑問がある。死亡原因の主たるものは、上記のようにエドワジエラ タルダ(E.tarda)の感染によるものである。しかし、ヒラメへのエドワジエラ タルダの感染に対する対策としてワクチン開発の研究は進められてきたが、他の魚の場合と同様に未だ成功していない。
S.G.Griffiths,K.J.Melville and K.Salonius, Fish & Shellfish Immunology, 8,607−619 1998 馬久地隆幸、清川智之、本多数充、中井敏博、室賀清邦(1995):ヒラメにおけるエドワジエラ症に対する予防免疫の試み.魚病研究、30、251−256. 金井欣也、金丸素久、塚原淳一郎、一ノ瀬弘幸、佐々木英治(2004):Mg2+およびFe2+除去培地で培養したEdwardsiella tardaホルマリン死菌の免疫原性.長大水研報、85、31−34. 社団法人日本水産資源保護協会(1989):魚類防疫技術書シリーズVIIヒラメの魚病、42頁
以上のように、エドワジエラ症はヒラメをはじめとする様々な魚種において大きな被害を及ぼす魚病であるが、それに対して有効なワクチンは実用化に至っていないのが現状である。また、既存のワクチン開発では、ワクチン投与対象魚種から分離された病原性細菌を用いて行う場合が多く、このようにして開発されたワクチンには免疫抑制因子が含まれているために十分な免疫効果が得られないという問題もある。
そこで、本発明は、エドワジエラ タルダに起因する魚類感染症に対して有効な新規ワクチンおよび魚類感染症の予防方法を提供することを目的とする。
エドワジエラ症の原因菌はE.tardaであるが、マダイ、チダイ、及びブリから分離されるE.tardaは、非運動性であることや、いくつかの生化学的性状が本来のE.tardaとは異なることから、E.tardaの変種(variant)と考えられている(参考文献:楠田理一ら(1977)、「養殖チダイから分離された病原性Edwardsiella tardaの性状について」、日水誌、43、129−134.)。つまり、ヒラメなどのカレイ目魚類およびウナギにおけるエドワジエラ症の原因菌は、原型(prototype)(「定型」とも呼ぶ)であり、マダイ、チダイ、及びブリにおけるエドワジエラ症の原因菌は、変種(variant)であるとされている。
この原型と変種とは、血清学的に非常に類似している(参考文献:Costa, A.B., K. Kanai and K. Yoshikoshi (1998), Fish Pathol., 33, 265-274)。しかしながら、マダイから分離される変種のE.tardaはマダイに感染して病原性を示すものの、ヒラメへの感染力および病原性は弱い。一方、ヒラメから分離される原型のE.tardaは、ヒラメに感染して病原性を示すものの、マダイへの感染力および病原性は弱い。
本発明者らは、E.tardaの病原性に関する上記の性質に着目し、投与対象の魚種には実質的に病原性を示さない(すなわち、感染力の弱い)E.tardaを用いて魚用ワクチンを作製したところ、エドワジエラ症に対してこれまでには得られなかった高い有効性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないエドワジエラ タルダ(Edwardsiella tarda)由来の抗原を含有してなる、エドワジエラ タルダに起因する魚類感染症に対するワクチン。
〔2〕不活化ワクチンである、上記〔1〕に記載のワクチン。
〔3〕抗原がエドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、又はブリから分離された菌株に由来するものである、上記〔1〕に記載のワクチン。
〔4〕魚類感染症がエドワジエラ症であり、投与対象の魚種がカレイ目に属する魚種から選択される、上記〔3〕に記載のワクチン。
〔5〕魚類感染症がパラコロ病であり、投与対象の魚種がウナギである、上記〔3〕に記載のワクチン。
〔6〕抗原がエドワジエラ症に感染したカレイ目魚類又はウナギから分離された菌株に由来するものである、上記〔1〕に記載のワクチン。
〔7〕魚類感染症がエドワジエラ症であり、投与対象の魚種がマダイ、チダイ、ブリからなる群より選択される、上記〔6〕に記載のワクチン。
〔8〕投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないエドワジエラ タルダ(Edwardsiella tarda)を用いることを特徴とする、エドワジエラ タルダに起因する魚類感染症に対するワクチンの製造方法。
〔9〕エドワジエラ タルダを不活化する工程を含む、上記〔8〕に記載の製造方法。
〔10〕エドワジエラ タルダがエドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、又はブリから分離された菌株である、上記〔8〕に記載の製造方法。
〔11〕上記〔1〕〜〔7〕の何れかに記載のワクチンを魚に投与する工程を含む、エドワジエラ タルダに起因する魚類感染症の予防方法。
〔12〕上記〔3〕に記載のワクチンを、カレイ目に属する魚種に投与する工程を含む、エドワジエラ症の予防方法。
〔13〕上記〔3〕に記載のワクチンを、ウナギに投与する工程を含む、パラコロ病の予防方法。
〔14〕上記〔6〕に記載のワクチンを、マダイ、チダイ、ブリからなる群より選択される魚種に投与する工程を含む、エドワジエラ症の予防方法。
〔15〕ワクチンの投与が腹腔内注射によって行われる、上記〔11〕〜〔14〕の何れかに記載の予防方法。
本発明のワクチンは、本来対象魚種には実質的に病原性を示さない菌株由来のエドワジエラ タルダ抗原を含有しているため、免疫抑制作用が弱く、投与対象となる魚に対して十分な免疫能を付与することができる。つまり、本発明によれば、投与対象魚種に病原性を示す菌株を用いた従来のワクチンと比較して、エドワジエラ症などのエドワジエラ タルダに起因する魚類感染症に対する有効性の高いワクチンを得ることができる。
さらに、本発明の魚類感染症の予防方法によれば、投与対象魚種に病原性を示す菌株を用いた予防方法と比較して、エドワジエラ症などのエドワジエラ タルダに起因する魚類感染症をより効果的に予防することができる。
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
(1)本発明のワクチンおよびその製造方法
本発明のワクチンは、エドワジエラ タルダ(E.tarda)に起因する魚類感染症に対するものであって、投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないエドワジエラ タルダ由来の抗原を含有してなるものである。
本発明において、「投与対象となる魚種には実質的に病原性を示さない」とは、投与対象となる特定の魚種にはエドワジエラに起因する感染症を発症しないか、あるいは通常に比べて発症する確率が低いことをいう。言い換えれば、「投与対象となる魚種には実質的に病原性を示さない」とは、投与対象の魚種には感染力および病原性が弱く、自然感染しないことをいう。但し、当該「実質的に病原性を示さないE.tarda」を投与対象の魚種に人為的に接種した場合には、病原性を有するE.tardaと比較して低い割合(具体的には、病原性を有するE.tardaに対して20%以下)でエドワジエラ症を発症する場合もある。
また、「投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda」(以下、単に「実質的に病原性を示さないE.tarda」とも呼ぶ)としては、例えば、エドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、又はブリなどから分離されたE.tarda菌株(変種菌)が挙げられる。なお、この変種菌は、投与対象の魚種がカレイ目に属する魚種(例えば、ヒラメ、マコガレイ、ホシガレイ、ターボット等)、および、ウナギなどの場合には、実質的に病原性を示さないE.tardaに該当するが、投与対象の魚種がマダイ、チダイ、ブリなどの場合には、病原性を示すE.tardaに該当する。
「投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda」の他の例としては、例えば、エドワジエラ症に感染したカレイ目魚類(例えば、ヒラメ、マコガレイ、ホシガレイ、ターボット等)又はウナギなどから分離されたE.tarda菌株(定型菌)が挙げられる。なお、この定型菌は、投与対象の魚種がマダイ、チダイ、ブリなどの場合には、実質的に病原性を示さないE.tardaに該当するが、投与対象の魚種がカレイ目魚類およびウナギなどの場合には、病原性を示すE.tardaに該当する。
また、本発明の魚用ワクチンに含まれる「実質的に病原性を示さないE.tarda」は、継代培養や遺伝子操作などによって野生型のE.tardaに人工的に変異を導入し、投与対象の魚種に対して実質的に病原性を示さなくなった変異株であってもよい。
本発明のワクチンは、上述した投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda由来の抗原を少なくとも含有するものである。ここで、上記抗原とは、エドワジエラ タルダに起因する感染症に対する免疫原性を有する抗原をいい、E.tardaの菌体成分全体であってもよく、免疫原性を有する限り、菌体成分の一部であってもよい。
本発明のワクチンの一実施形態としては、投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda全体を含有するものが挙げられる。当該ワクチンに含まれるE.tardaは、上述したものであれば特に限定されないが、例えば、原型の菌がエドワジエラ症の原因菌となるカレイ目魚類、ウナギなどに対するワクチンには、エドワジエラ症に感染したマダイ(マダイ病魚)、チダイ、又はブリから分離されるE.tardaの変種菌022661株などが好適に用いられる。
一方、マダイ、チダイ、ブリなどに対するワクチンには、エドワジエラ症に感染したヒラメ(ヒラメ病魚)から分離されるE.tarda NUF251株、NUF806株などの定型菌が好適に用いられる。
本発明のワクチンの別の実施形態として、「実質的に病原性を示さないE.tarda」の菌体の一部を含有するものが挙げられる。この菌体の一部として具体的には、カレイ目魚類(ヒラメ、マコガレイ、ホシガレイ、ターボット等)、ウナギなどに対するワクチンの場合は、エドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、ブリなどから分離された変種菌の菌株(例えば、022661株など)に由来する抗原、当該抗原をコードするDNAなどが好適に用いられる。また、マダイ、チダイ、ブリなどに対するワクチンの場合は、エドワジエラ症に感染したカレイ目魚類又はウナギなどから分離された定型菌の菌株(例えば、NUF251株、NUF806株など)に由来する抗原、当該抗原をコードするDNAなどが好適に用いられる。
本発明のワクチンは不活化ワクチンであることが好ましい。ここで、不活化ワクチンとは、感染能を失わせた抗原を含有するものをいう。かかる抗原としては、完全病原体、不完全病原体、病原体構成タンパク質、病原体非構造タンパク質などが挙げられる。不活化ワクチンは、ワクチンに含まれる抗原、菌体などを、例えば、物理的(X線照射、熱、超音波など)、化学的(例えば、ホルマリン、水銀、アルコール、塩素など)な操作により不活化することによって得ることもできる。
本発明のワクチンの製造方法について以下に説明する。
まず、本発明のワクチンの製造に使用される投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tardaの取得方法について説明する。
本発明のワクチンに含まれる「実質的に病原性を示さないE.tarda」は、エドワジエラ症に感染した他の魚種(すなわち、投与対象の魚種とは異なる魚種)から、従来公知の病原菌の分離培養方法を用いて分離培養することにより得ることができる。具体的には、感染魚の体表患部や腎臓、脾臓などの内臓から普通培地、ハートインフュージョン培地、ブレインハートインフュージョン培地、トリプトソイ培地などの液体培地及び寒天培地を用いて分離培養し、取得することができる。
例えば、投与対象の魚種がカレイ目魚類およびウナギなどである場合には、「実質的に病原性を示さないE.tarda」は、エドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、ブリなどの魚類から常法により単離取得することができる。一方、本発明のワクチンをマダイ、チダイ、ブリなどに投与する場合には、「実質的に病原性を示さないE.tarda」は、エドワジエラ症に感染したヒラメ、ウナギなどの魚類から常法により単離取得することができ、当該E.tardaに属するものであれば、株の別を問うものではない。
なお、投与対象魚種がヒラメ、ウナギなどである場合に「実質的に病原性を示さないE.tarda」として好適に使用される022661株は、本願発明の発明者である福田および朝井が、2002年8月にマダイ病魚の腎臓から上述の方法で分離したものである。022661株は、大分県水産試験場に保存されている。
上記の方法で入手した「実質的に病原性を示さないE.tarda」の調製方法は、特に制限されないが、ハートインフュージョン寒天培地中で、約20〜35℃で培養する方法を挙げることができる。
より具体的な培養方法としては、滅菌したハートインフュージョン寒天培地に上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」を植菌し、温度については少なくとも15〜40℃の範囲、好ましくは20〜35℃の条件下、NaCl濃度については少なくとも0〜4%、好ましくは0〜2%の条件下、および、pHについては少なくともpH4〜9、好ましくはpH5〜8の条件下で、1日〜10日程度、好ましくは1日〜3日程度、静置培養する方法を挙げることができる。
なお、上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」の培養に使用される培地は、上述のハートインフュージョン寒天培地に限定されることはなく、菌体の培養に使用されるあらゆる培地を用いることができる。
培養された「実質的に病原性を示さないE.tarda」は、遠心分離等により濃縮して用いるのが好ましい。また、上記E.tardaは、リン酸緩衝液(PBS)中に懸濁した後、凍結乾燥して低温保存することもでき、またトッドフューイットブロス液体培地などの適当な培地に懸濁して、−80℃以下で凍結保存することもできる。
なお、「実質的に病原性を示さないE.tarda」が投与対象の魚種であるヒラメなどに対して全く病原性がないわけではないこと、および生ワクチンとして用いると、環境を汚染してマダイやブリに感染し病気を起こす危険性があるという理由から、本発明のワクチンは、上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」を不活化することによって調製される不活化ワクチンであることが好ましい。つまり、本発明のワクチンの製造においては、「実質的に病原性を示さないE.tarda」を不活化する工程を含むことが好ましい。
上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」の不活化処理は、当該「実質的に病原性を示さないE.tarda」の病原性、すなわち魚類、特に本ワクチンが好適に用いられるヒラメ科に属する魚に対する感染力を消失させる処理であれば特に制限されず、ホルムアルデヒドやクロロホルム等の有機溶媒処理、酢酸などを用いた酸処理、加熱処理等、不活化ワクチンの調製に用いられるあらゆる不活化処理を使用することができる。これらの不活化処理のうち、抗原性が比較的安定に保たれるという理由でホルムアルデヒド処理が好ましい。ホルムアルデヒド処理として具体的には、ホルムアルデヒドを35〜40%、好ましくは36〜38%含有するホルマリンを培養液中に0.1〜1.0%の濃度で添加し、培養液を4〜30℃で、1〜3日間保持する方法を挙げることができる。不活化処理菌体は、有機溶媒や酸等の不活化剤を除去し、生理食塩水や緩衝液などで洗浄後、遠心分離によって不溶性沈殿物として回収される。
このようにして得られる不活化処理された「実質的に病原性を示さないE.tarda」は、実施例に具体的に掲げるようにヒラメなどの養殖魚のエドワジエラ症用ワクチン(不活化ワクチン、生ワクチン)として優れた効果を発揮する。
なお、本発明のワクチンは、上記の不活化ワクチンであることが好ましいが、本発明は必ずしもこれに限定されることはなく、上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」をそのまま用いた生ワクチンであってもよい。
当該生ワクチンは、上記のような方法で培養した「実質的に病原性を示さないE.tarda」を生理食塩水や緩衝液などの適当な溶媒で洗浄した後、遠心分離によって沈殿回収される菌体をそのまま利用して調製することができる。
なお、本発明のワクチンは、上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」のみを含有するものに限定されず、薬学的に許容される液状又は固体状の担体をさらに含有してもよい。液状の担体としては水、リン酸緩衝液(PBS)、生理食塩水等が挙げられる。固体状の担体としては、タルク、シュークロースなどの賦形剤が挙げられる。本発明のワクチンの形態は特に制限されず、注射剤、経口剤、浸漬剤のいずれであってもよいが、少量の投与で長期間にわたって効果の持続性がある注射剤の形態を採用することが好ましい。また、経口剤の形態である場合には、通常の魚類の飼料に上記「実質的に病原性を示さないE.tarda」を不活化させた不活化菌体を混合してもよい。
注射用ワクチンは、上記菌体又はその乾燥物を滅菌した魚類用生理食塩水等に懸濁して調製することができる。なお、当該注射用ワクチンには、菌体及び生理食塩水の他、当該注射剤に通常用いられる懸濁化剤、安定化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤またはその他の適当な添加剤を配合することもできる。
また、従来からワクチンの免疫効果等を向上させるためにアジュバントが用いられている。本発明のワクチンは、このようなアジュバントを使用するまでもなく、十分な免疫効果が得られるものである。しかしながら、本発明はアジュバントの使用を何ら制限するものではなく、所望に応じて、上記成分に加えてアジュバントを配合することもできる。
アジュバントは、一般には、宿主の免疫応答を非特異的に増強する物質であり、多数の種々のアジュバントが当技術分野で公知である。アジュバントの例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:鉱物、植物及び動物性油脂、ビタミンEなどの油溶性ビタミン等、更にこれらを添加するための界面活性剤、ミョウバン、アルミニウム化合物、ベントナイト、ムラミルジペプチド誘導体、インターロイキン、内毒素。
本発明のワクチンの一例である不活化ワクチンに含まれる不活化処理菌体の量は、特に制限はないが、好ましくは10〜1011CFU/mL、より好ましくは10〜1011CFU/mLとする。ワクチンに含まれる不活化処理菌体の量を吸光度を基準にして調製する場合には、好ましくは620nmの波長における吸光度が0.1〜50、より好ましくは0.3〜30程度になるように調製する。また、ワクチンに含まれる「実質的に病原性を示さないE.tarda」の量は、1回の投与につき、0.1〜10mgが好ましい。
なお、魚に投与するワクチンの用量(mL)を増減することによって、有効量を適宜調節することができるので、本発明のワクチン中の上記菌体の含有量は、上記のものに限定されることはない。なお、調製したワクチンの使用に当たっては、例えば、動物用生物学的製剤検定基準のブリα溶血性レンサ球菌症不活化ワクチン(注射型)などに準拠してワクチンの安全性及び有効性を検定し、その品質を確認・保証することが必要となる。
本発明のワクチンを魚に腹腔内注射する場合の望ましい投与量は、投与する季節及び水温、魚の種類、年齢及び体重などの種々の要因によって異なり、一概に規定することはできない。しかし、例えば不活化ワクチンの場合は波長620nmでの吸光度が約10であるワクチンを用いて、また生ワクチンの場合は波長620nmでの吸光度が約10であるワクチンをさらに100倍希釈して調製したワクチンを用いて、体重20〜100gの魚に対して通常0.05〜0.5mL程度を体重に応じて腹腔内注射することが好ましい。
本発明のワクチンは、免疫応答を発現する魚類であれば、魚の体重や年齢等に特に制限はされることなく投与することができる。例えば、通常体重8g以上、具体的には体重8g〜5kg、好ましくは30g〜1kg、より好ましくは35g〜150gの魚類に用いることができる。ワクチンをより有効に利用するためには、エドワジエラ症に罹患する前、例えば稚魚の段階で投与することが好ましい。特にヒラメ科の魚に本発明のワクチンを投与する場合には、生後3か月くらいで注射できる大きさになるため、生後3〜7か月、好ましくは生後6〜7か月に本発明のワクチン0.05〜0.5mL、より好ましくは0.1〜0.3mLを腹腔内注射することが好ましい。
本発明のワクチンは、不活化ワクチン及び生ワクチンのいずれも1回の投与でその作用持続期間は約1年以上であることが好ましく、これによれば長期にわたってエドワジエラ症の感染防御効果を奏することができる。本発明のワクチンの投与回数は、その作用が持続する限り1回でよいが、1〜30日間隔をあけて複数回、例えば2〜5回投与してもよい。
本発明のワクチンの投与対象魚類としては、E.tardaによってエドワジエラ症に感染する魚類であれば制限されず、例えば、カレイ目に属する魚種(例えば、ヒラメ、マコガレイ、ホシガレイ、ターボット等)、ウナギ、マダイ、チダイ、ブリ、ボラ、アイナメなどが挙げられる。特に養殖されることの多いヒラメ科、タイ科などに属する魚種については、養殖時にエドワジエラ症による死亡率を低下させることができ歩留まりを上昇させることができるため、本発明のワクチンの有用性は高いと考えられる。但し、投与対象の魚種に応じてE.tardaの種類を選択する(すなわち、投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tardaを選択する)ことが必要である。
本発明のワクチンによれば、従来のワクチンと比較してより効果的に魚のエドワジエラ症への感染を防止することができる。特にヒラメに本ワクチンを投与した場合には、養殖中に死亡するヒラメのうち約7割については死亡を防ぐことができると考えられる。従来、ヒラメのエドワジエラ症に対するワクチンの研究には、ヒラメ病魚由来のE.tarda(定型菌)が用いられてきたが、未だ実用化には至っていないため、本発明の完成によって、ヒラメのエドワジエラ症に対するワクチンの実用化が期待される。
(2)魚類感染症の予防方法
続いて、本発明の魚類感染症の予防方法について説明する。本発明にかかる魚類感染症の予防方法は、投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda由来の抗原を魚に投与する工程を含むものである。
本発明の魚類感染症の予防方法において、「投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda」とは、上述の本発明のワクチンの説明における「投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda」と同様のものを意味する。したがって、本発明の予防方法においては、投与される抗原(または、「実質的に病原性を示さないE.tarda」)は不活化されていることが好ましく、また、投与対象の魚種がカレイ目魚類およびウナギの何れかである場合には、当該「実質的に病原性を示さないE.tarda」はエドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、ブリなどから分離された菌株(例えば、022661株)であることが好ましい。「実質的に病原性を示さないE.tarda」の取得方法、調製方法、および不活化処理などについては、上述のワクチンと同様の方法(処理)を採用することができる。
また、本発明の魚類感染症の予防方法の実施には、上述のワクチンを使用してもよい。つまり、本発明のワクチンを魚に投与することによる魚類感染症の予防方法は、本発明の予防方法の一例である。
本発明において、「実質的に病原性を示さないE.tarda」を魚に投与する方法としては、注射法、浸漬法、経口法などが挙げられる。それぞれの投与方法の一例について、以下に記載する。
(A)注射法
注射可能な稚魚以上の魚では、10〜1011CFU/mLに調製したホルマリン不活化菌体(「投与対象の魚種には実質的に病原性を示さないE.tarda」をホルマリンによって不活化処理した菌体)を含有する注射液を魚体あたり0.1〜0.5mL、筋肉内もしくは腹腔内に接種する。なお、注射液には、上記不活化菌体の他に薬学的に許容される液状の担体をさらに含有してもよい。液状の担体としては水、リン酸緩衝液(PBS)、生理食塩水等が挙げられる。
(B)浸漬法
注射が不可能な稚魚では、10〜10CFU/mLに調製したホルマリン不活化菌体含有液に魚を0.05〜24時間浸漬する。なお、浸漬法は、上記の注射法と比較して感染防御効果が低下すると考えられるため、必要に応じて追加免疫を行ってもよい。
(C)経口法
経口法では、ホルマリン不活化菌体を混合した餌料(10〜1011CFU/g)を自由摂餌させる。本方法を採用する場合には、5〜14日間の連続投与が望ましい。
本発明の魚類感染症の予防方法では、投与対象の魚種の性質、形態などに応じて上述した様々な投与方法を適宜選択して採用することができるが、より感染予防効果を高めるためには、後述の実施例で行ったような腹腔内注射を採用することが好ましい。
上記の魚類感染症の予防方法によれば、投与対象魚種に病原性を示す細菌を用いた従来の予防方法と比較して、エドワジエラ症などの魚類感染症をより効率的に予防することができる。
本発明の予防方法の具体例としては、エドワジエラ症に感染したマダイから分離された菌株に由来する抗原を含有するワクチンを、カレイ目に属する魚種(ヒラメ、マコガレイ、ホシガレイ、ターボット等)に投与する工程を含むエドワジエラ症の予防方法、エドワジエラ症に感染したマダイから分離された菌株に由来する抗原を含有するワクチンをウナギに投与する工程を含むパラコロ病の予防方法、および、エドワジエラ症に感染したカレイ目魚類から分離された菌株に由来する抗原を含有するワクチンを、マダイ、チダイ、ブリからなる群より選択される魚種に投与する工程を含むエドワジエラ症の予防方法などが挙げられるが、これに限定はされない。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ワクチンの作製〕
まず、後述の実施例に供するワクチンを作製した。当該ワクチンの作製は、E.tarda変種菌022661株を用いて行った。E.tarda変種菌022661株は、本願発明の発明者である福田および朝井が2002年8月にマダイ病魚の腎臓から寒天培地を用いて分離培養し、保存しているものである。ハートインフュージョン寒天培地(Difco株式会社製)で当該菌株を、25℃、2日間培養し、発育したコロニーを滅菌PBS中に30mg/mLになるように浮遊させ、ホルマリンを0.5%加えて不活化し、ワクチンを作製した。
また、比較のために原型のE.tarda NUF251株を用いて、同様の方法でワクチンを作製した。E.tarda NUF251株は、本願発明の発明者である金井が1986年1月に長崎県下のヒラメ病魚の腸から寒天培地を用いて分離培養し、保存しているものである。
なお、各供試ワクチンは、使用前に滅菌PBSで遠心洗浄した(終濃度30mg/mL)。
〔実施例1〕
供試魚として、平均体重が39gのヒラメを用いた。注射器を使用して上記の方法で022661株から作製した供試ワクチンを0.1mL腹腔内に接種し、流水水槽に収容した(これを、「変種菌ワクチン区」とする)。また、比較としてPBSを0.1mL腹腔内に接種し、流水水槽に収容した(これを、「対照区」とする)。病原菌による攻撃まで日間給餌率1〜2%でヒラメ用配合飼料を与えた。
ワクチン接種28日後に、各区25尾の供試魚の腹腔内にヒラメ病魚由来E.tarda NUF806株2.8×10CFU/0.1mL/fishを接種して攻撃し、体内に入った菌に対する防御効果を確認するために、無給餌で28日間観察した。なお、全ての死亡魚の腎臓からSS寒天を用いて菌分離を行った。
結果を図1に示す。図1には、E.tarda攻撃後の供試魚の累積死亡率を示す。本図に示すように、攻撃28日後の累積死亡率は、変種菌022661株ワクチン区で8%、対照区で96%となり、全ての死亡魚からE.tardaが分離された。本実施例に用いたワクチンの有効率〔(対照区の死亡率−ワクチン区の死亡率)÷対照区の死亡率〕は92%であった。一般にこの値が60%以上であると有効と判定されるが、本実験ではかなり高い値となった。
〔実施例2〕
実施例2では、体内に入った菌に対するワクチンの防御効果を確認するために、ヒラメ病魚由来E.tardaを直接魚体に注射するという方法で攻撃を行う一方、ワクチンの魚体への感染予防効果を確認するために、ヒラメ病魚由来E.tardaを海水中に撒くことによっても攻撃を行った。
供試魚として、平均体重が59.6gのヒラメを用いた。注射器を使用して上記の方法で022661株から作製した供試ワクチン、あるいは、E.tarda NUF251株から作製した供試ワクチンを0.1mL腹腔内に接種し、それぞれ流水水槽に収容した(022661株から作製したワクチンを接種したものを「変種菌ワクチン区」、NUF251株から作製したワクチンを接種したものを「ヒラメ由来菌ワクチン区」とする)。また、比較としてPBSを0.1mL腹腔内に接種し、流水水槽に収容した(これを、「対照区」とする)。病原菌による攻撃まで日間給餌率1〜2%でヒラメ用配合飼料を与えた。
ワクチン接種32日後に各区10尾の供試魚の腹腔内にヒラメ病魚由来E.tarda NUF806株1.6×10CFU/0.1mL/fishを接種、あるいは、各区9〜13尾の供試魚を1.3×10CFU/mLの菌懸濁海水に15分間浸漬して攻撃し、無給餌で21日間観察した。なお、全ての死亡魚の腎臓からSS寒天を用いて菌分離を行った。
結果を図2および3に示す。図2には、E.tardaを注射攻撃した後の供試魚の累積死亡率を示す。図3には、E.tardaを浸漬攻撃した後の供試魚の累積死亡率を示す。図2に示すように、攻撃21日後の注射攻撃による累積死亡率は、変種菌022661株ワクチン区で10%、ヒラメ由来NUF251ワクチン区で70%、対照区で100%となり、全ての死亡魚からE.tardaが分離された。ワクチンの有効率は022661株が90%、NUF251株が30%であった。図3に示すように、浸漬攻撃による累積死亡率は、変種菌022661株ワクチン区で27%、ヒラメ由来NUF251ワクチン区で67%、対照区で77%となり、全ての死亡魚からE.tardaが分離された。ワクチンの有効率は、022661株が65%、NUF251株が13%であった。
上述したように、本発明によれば、エドワジエラ症などの魚類感染症によって死亡する魚の割合を大幅に減少させることができる。したがって、特にヒラメなどの高級魚を養殖する場合に、本発明を利用すればエドワジエラ症によるヒラメの致死率を大幅に低下させることができるため、その経済効果は大きいといえる。本発明は、ヒラメ、タイなどの養殖漁業の分野において有効利用される可能性を有している。
図1は、実施例1におけるワクチン投与魚の注射攻撃後の累積死亡率の変化を示すグラフである。 図2は、実施例2におけるワクチン投与魚の注射攻撃後の累積死亡率の変化を示すグラフである。 図3は、実施例2におけるワクチン投与魚の浸漬攻撃後の累積死亡率の変化を示すグラフである。

Claims (6)

  1. エドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、又はブリから分離されたエドワジエラ タルダ(Edwardsiella tarda)菌株由来の抗原を含有してなる、カレイ目に属する魚種のエドワジエラ症に対する不活化ワクチン。
  2. エドワジエラ タルダ菌株が、マダイから分離されたエドワジエラ タルダ変種菌であり、カレイ目に属する魚種がヒラメである、請求項1に記載の不活化ワクチン。
  3. エドワジエラ症に感染したマダイ、チダイ、又はブリから分離されたエドワジエラ タルダ(Edwardsiella tarda)菌株を用いることを特徴とし、該エドワジラ タルダ菌株を不活化する工程を含む、カレイ目に属する魚種のエドワジエラ症に対する不活化ワクチンの製造方法。
  4. エドワジエラ タルダ菌株が、マダイから分離されたエドワジエラ タルダ変種菌であり、カレイ目に属する魚種がヒラメである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 請求項1若しくは2に記載の不活化ワクチン又は請求項3若しくは4に記載の製造方法によって得られた不活化ワクチンを、カレイ目に属する魚種に投与する工程を含む、カレイ目に属する魚種のエドワジエラ症の予防方法。
  6. ワクチンの投与が腹腔内注射によって行われる、請求項に記載の予防方法。
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